霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四章 神国の研究

インフォメーション
題名:第4章 神国の研究 著者:出口王仁三郎
ページ:279 目次メモ:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-05-31 16:35:19 OBC :B121801c37
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]『綾部新聞』青龍号(大正7年5月1日)
 大本開祖の神書(しんしょ)(いは)く、
『日本は神の国神の道にさへ叶へば教なぞは()らぬ国云々(うんぬん)………。』
実に至言(しげん)()ふべし。
 国家を経綸するには、天地自然に定まりたる天賦(てんぷ)の法則あることは、皇祖皇宗の御遺訓の(あきら)かに(これ)を示し玉ふ所なり。
 天地自然、一定不変の法則を知らざる人為的経綸に由りて、司配(しはい)せられたる過去三千年間、世界は常に治乱(ちらん)興廃(こうはい)を繰返し、世界人類は人生天賦の根本義を知らず、故に強食弱肉の悲惨を極め、生存競争の渦中に浮沈(ふちん)し、酔生(すゐせい)夢死(むし)顕幽(けんゆう)に出没しつつあるなり。
 (ここ)に万世一系の御血統を保全し玉ふ、天津日嗣(あまるひつぎ)天皇(てんわう)座在(ましま)す大日本神国は、天地間一切を統括する要素を具備して、天地の開闢(はじめ)より天賦の徳を保有せり。世界の物事動植一切の天賦の活用を(つかさど)るべき人類を統治する天職を保たせ玉ふ天津日嗣(あまつひつぎ)の天皇は、天地自然の経綸を実行すべき時機に至る(とき)を待たせ玉ふ。
   時機の到来
 鴻業(こうげふ)を大成し玉ひたる皇神(くわうじん)
明治天皇陛下は、時機到来の機運を知ろしめし、明治の(はじめ)に当りて「天運循環百度維新」と詔玉(のりたま)ひしは、実に尊き惶きの極みと云ふべし。
 過去幾千年間天職を遂行し玉はんが()め、治乱(ちらん)荒廃(こうはい)の渦中に没して共に辛酸を(しの)ぎ玉ひ、明治の聖代(せいだい)に至りて、世界の交通(まった)く整備し、世界の文物自然に集中し、金枝(きんし)玉葉(ぎょくえふ)は益々栄へ玉ひ、中世以来(ほと)んど忘れられたる祖先崇拝、神社崇拝の(ふう)、自然に唱導せられるるに至りしこと、大日本神国の曙光(しょくわう)()はざるべからず。
 明治天皇陛下は(つと)に国家経綸の要旨(えうし)を示して、(その)(おもむ)くべき道を明訓し玉ひぬ。
  神津代(かみつよ)の事を(つばら)(しる)したる(ふみ)をしるべに世を治めまし。
  神代よりうけし宝を守りにて治め()にけり日の本の国。
 (いやし)くも生を神国(しんこく)()けたる者は、此の神意の在る所を奉体し、(おほい)に努力して国体の精華を発揮する事を、寸時も忘却すべからざるなり。
   研究の目的
 和魂(わこん)漢才(かんさい)和魂(わこん)洋才(やうさい)の時代は(すで)に過ぎ去れリ。神国研究は(よろ)しく和魂(わこん)漢済(かんさい)和魂(わこん)洋済(やうさい)(むね)として研究すべきなり。
 時代の要求せる国際的生存競争、世界的生活難、人世的(じんせいてき)宗教教育の根本的解決は、実に神国研究の大目的にして、()(じつ)皇道(くわうだう)大本(たいほん)天賦(てんぷ)に属する者なりとす。研究の活路は大道(だいだう)坦々(たんたん)たる皇祖皇宗の御遺訓、(ならび)に皇道大本開祖の神書(しんしょ)あり、大本言霊学(げんれいがく)あり、本田(ほんだ)先師(せんし)の発見せられたる霊学あり。()れ最も便とすべきものなり。
 (すなは)天武(てんむ)天皇(てんわう)が『邦家乃経緯、王化乃鴻基焉、故惟撰録帝紀、討覈旧辞削偽定実欲流後業。』との詔旨(せうし)によりて、太安麻呂(おほのやすまろ)朝臣(あそん)撰録(せんろく)せし古事記を研究し、開祖の神書(しんしょ)を研究するは、唯一無二の大道路(だいだうろ)なり。
 古今(ここん)数多(あまた)の国学者の古事記を解説せる著者ありと(いへど)も、真正なる神国の光輝を、典型的完全に鮮明ならしめたものあるなし。
 (その)原因(げんいん)は天運の(しか)らしむる所、各々(おのおの)(その)時代(じだい)に応じたる産物なる事と、()ほ一つは研究の根本を誤りつつありしに職因せずんはあらず。
   研究の方法
 古事記を撰録(せんろく)せる大朝臣(おほのあそん)安麻呂(やすまろ)()が、其の序文に宣明せるが如く、
 謹随詔旨子細採庶然上古之時。言意並朴敷文構句於字即難。已因訓述者。詞心不逮。
(すなは)ち文字の意味や、文章的の解釈にては、誤解に(おちい)らんことを注意せられたる(なり) 故に神典古事記皇道大本を解釈せんとするには、必ず神代(かみよ)言意(げんい)(あきら)かに説明し得る資格を具有せざるべからず。
 (すなは)(これ)を解説するには、言霊学(げんれいがく)を応用するより(ほか)に道あるなし。
 (そもそ)言霊学(げんれいがく)中村(なかむら)孝道(かうだう)()の発見にかかり、爾来(じらい)百有余年間、幾多犠牲者の貢献に依りて、(やうや)く完成の域に達したるなり。
 言霊学(げんれいがく)は実に学界の宝鍵(ほうけん)にして、古事記の一字一句一音を(ことごと)く解説することを(くはだ)て、大成したる古事記皇道大本は、実に天下の珍宝(ちんほう)、皇祖皇宗の御遺訓の資格を備へたる、金甌(きんおう)無欠(むけつ)の皇室の尊厳を顕彰(けんしゃう)し得るなり。
 由来万世一系の皇統を保ち、大日本神国に在坐(ましま)す天皇が、天下を治むる皇基(くわうき)の経綸を保ち玉ひて、(その)天賦を実行するの時運を待ち玉ふ所以(ゆゑん)なり。
 大日本神国に皇基(くわうき)振起(しんき)する本能の存在せる事を知りたる日本人は、実に暁天(げうてん)の星の如し。惰眠(だみん)(さま)せ、既往(きわう)有余(いうよ)年間(わが)日本国は神業(かみわざ)の発作に由りて、皇威(くわうゐ)の光輝を消没し、神明の洪慈(こうじ)大徳(だいとく)を忘れて、長夜(ちゃうや)無幻(むげん)の状態なりき。
 ()の長期間に(おい)て世界の人智は自然に発達し、人文学芸世界的の文物は、明治の聖代(せいだい)に至りて(ことごと)く我が神国の東天に出現するに(およ)びては、多種異様なる色彩的天職の本能は、(あきら)かに識別(しきべつ)し得るに至るべし
 大本開祖の神書(しんしょ)(いは)く、
  いままではなにもかも、まぜこぜの世、くらがりの世であつたぞよ。むかしのもとの生神があらわれて、世界一切の事を説ききかすから、あけのからすとなつてきて、そこらぢうがまばゆきほどてりかがやくぞよ。これも時節(じせつ)であるぞよ。時節ほどこわいものはないぞよ。云々(うんぬん)
 東天の陽光は天津日嗣(あまつひつぎ)の経綸、皇祖御遺訓の発揚(すなは)(これ)(なり)。この皇基(くわうき)を照して幾千年間馴化(じゅんくわ)せる鵺的(ぬえてき)経綸(けいりん)淘汰(たうた)革正(かくせい)し、天津日嗣(あまつひつぎ)の正しき経綸は大日本神国に整然として確立せらるるに至る。()れ大日本修斎の神業(かみわざ)成就(じゃうじゅ)せるものと云ふべし。
 (しか)して古今我国に学芸を輸入せし東西洋の国々に向ひ、(ひるがへ)つて彼等の天賦(てんぷ)の本能を発揮すべき国家経綸の要道を教へ導き、永遠不易の平和を保たしめ、人世の根本義を明示して、真正なる教育の淵源(えんげん)を教導し、(あは)せて人心害毒の本源となる空想的各種宗教の迷夢を醒まさしめ、安心立命の要道を世界に宣布すべき大事業は、日本神国たる大和民族の天命たる事を忘るべからず。惰眠(だみん)より(いま)だ醒めざる日本人は、()(げん)(もっ)(あるひ)は空想なりと()はん。
 されど、吾人(ごじん)(いやし)くも大神の神示を奉じて皇道を主張し奉るものなれば、苟説(かりそめ)に一言半句も空論虚言を用ふるを許されず。これ(みな)(かしこ)くも皇祖の御遺訓(古事記)皇道大本神書に明示し玉へる実正(じっしゃう)を絶叫する而巳(のみ)
 大本神書(おほもとしんしょ)(いは)く、
  むかしの神代がめぐり来て、もとの昔にかへすぞよ。今まではからと日本がたてわかれてあつたが、からてんじくも一つにいたしておさめるぞよ。日本は神国外国の自由にはさせられぬ国云々(うんぬん)
と天運循環王政復古の神則を明示せられたり。
 (そもそ)も大日本神国は天運循環の神則に(のつと)り、自然に経綸の進運を開展すべき機運に向ひつつあるを自覚するものなり。(すなは)ち近く歴史を(ひもと)くに、元治(ぐわんぢ)慶応(けいおう)元号(げんがう)時代に(おい)て王政復古の大業を起し、明治元号の時代に(おい)て地上の文化(ことごと)く招致せられたり。
 この鴻業(こうげふ)を大成せられたる明治天皇陛下は、(きた)るべき国際的人生大問題の到来すべき事を覚知(かくち)し玉ひ、世界を救済すべき天津日嗣(あまつひつぎ)皇基(くわうき)を発揮せる神政復古の曙光(しょくわう)を示し玉へり。
 御製(ぎょせい)
  あし原の水火(みづほ)の国のよろづよも みだれぬ道は神ぞひらきし
 聖旨(せいし)は明白に神国研究に存することを示し玉ひ、大日本神国の採るべき道と、将来の進路を教へ玉ひて、遂に神去りましぬ。誠に尊く(かし)こき極みならずや。然るに時運は益々進展して、世界の大動乱起れり。要するに(これ)(また)神業(かみわざ)の発作にして、(たしか)に神国研究の着手を(うなが)し玉ふものと()ふべし。
は大日本国の古神道たる皇道大本は、天津日継(あまつひつぎ)天皇(てんわう)の統べ給ふ、治国平天下の大道、安心立命の根元なり。然るに斯道(しだう)(ひさ)しく煙滅(えんめつ)して(その)(あと)を没せリ。これ(けだ)し皇祖皇宗の遠大(ゑいだい)至深(ししん)なる御神慮に()で、和光同塵(わくわうどうじん)(もっ)世界(せかい)万邦(ばんぱう)の文化をして自由に発達せしめ給ひしに(ほか)ならず。
 爾来(じらい)世界の文化は一盛一衰し埃太(エヂプト)希臘(ギリシャ)罵馬(ローマ)を経て、現代西欧諸国の文明を形成し、印度(インド)(おこ)りし者は東漸(とうざん)して支那(しな)()り、朝鮮を経て日本に移り、支那(しな)の文化()(はなは)(さかん)なりしも、(ことごと)く日本に()(きた)り、天運循環して東西の文明は元治(ぐわんぢ)、慶応明治年間に欧米文明の輸入を終へて、今や(ことごと)く我国に来集(らいしふ)し、神政復古の現実を(ここ)に見るべきの時期に到来せしこと、神典(しんてん)研鑽(けんさん)(じゃう)(いささか)疑義(ぎぎ)なき事となれり。
   皇国の明鏡
 皇国に明鏡(めいきゃう)あり。(これ)八咫鏡(やあたかがみ)と名づけ奉る。天下(てんか)至宝(しほう)神鏡(しんきゃう)なり。この宝器(ほうき)の伝はりますこと万有(ばんいう)万姓(ばんせい)至幸(しかう)にして、遠津(とほつ)祖神(おやかみ)の御仁慈なり。この宝器(ほうき)は皇国に伝はりてこそ、無始無終に通じて血脈承継の由来を知る事を()、本来の真面目を知悉(ちしつ)する事を()るなり。
 宝器(ほうき)の前に一(ごう)の虚偽あるなく、微毫(びごう)陰匿(いんとく)あるべからず。宝鏡(ほうきゃう)の権威に、何者か畏怖し、何物か戦慓せざるものやある。霊威(れいゐ)照々(せうせう)として光明(くわうみゃう)無碍(むがい)なり。古今の学者輩この宝器(ほうき)の威徳を拝せず、この宝鏡(ほうきゃう)の偉力を夢にだも知らざるなり。八咫鏡(やあたかがみ)宝鏡(ほうきゃう)を知るものは誰ぞ、徒然草(つれづれぐさ)諸抄(しょせう)大成(たいせい)御鈴(みすず)の章の頭書に(いは)く、
  八咫鏡(やあたかがみ)神書(しんしょ)なり。神代(かみよ)(こと)(ねんごろ)にして、鏡にむかふて物を見る如くに(あきらか)なれば、鏡と云ふなり。(また)八咫(やあた)と云ふは、八方の(こと)(あきらか)に知る故に八咫(やあた)と云ふ。已上(いじゃう)秘説(ひせつ)なり。
 吾人(ごじん)の知れる書籍の内にて、(かく)の如く明瞭に八咫(やあた)の鏡の秘奥(ひあう)を探り得たる書に接したる事なし。秘説とは何者の秘説にや。()まれ(かく)まれこの秘説、実に八咫(やあた)の鏡の御霊徳を漏したり。八咫鏡(やあたかがみ)神書(しんしょ)なり。(これ)を一(めい)言霊(げんれい)とも名づけ奉るべし。
   真正の皇道大本
 真正(しんしゃう)の皇道大本とは八宝鏡(やあたかがみ)の御学問なり。八咫(やあた)とは八方の(こと)(あきら)かに知る故に八咫(やあた)と云ふなり。学者多く日本の古典学を指して国学と()ひ、(また)本教(もとけう)と称すといへども、本教(もとけう)とは然る狭隘(けうあい)なるものにあらず。本教(もとけう)は万有の真性真体真作真相を知悉(ちしつ)するの真教(しんけう)にして、世界一切学問の叢源(そうげん)万教(まんけう)統理(とうり)主学(しゅがく)なり。
 故に()れを皇道大本とも()ふべく、根本学(こんぽんがく)とも()ふべく、学王学(がくわうがく)とも()ふべし、万国の言辞(げんじ)(おほ)しと(いへど)も、万邦(まんぽう)の言語は(みな)(ことごと)本教(もとけう)根元(ねもと)たる神典に()でざる無く、言霊(げんれい)の作用に()でざるはなし。言辞(げんじ)万学(ばんがく)根基(ねもと)なり。万学(ばんがく)根基(ねもと)総攬(そうらん)するもの、()れ即ち日本の明鏡(めいきゃう)八咫(やあた)の鏡にして、万有発生の根元(ねもと)は、一に言霊(げんれい)の威徳に()づ、言霊(げんれい)の威徳は天地に根ざせる神業の発動なり。神は言霊(げんれい)に生き、言霊(げんれい)は神を離れて存在せず、言霊(げんれい)(すなは)ち神にして、神は即ち言霊(げんれい)なり。言霊(げんれい)(すなは)八咫(やあた)の鏡なるが故に、八咫(やあた)の鏡は即ち神に()しませり。
 天照大御神の鏡を執り給ひて
  此之鏡者(このかがみは)専為吾御魂而(もっぱらあがみたまとして)如拝吾前伊都岐奉(あがみまへをいつくがごとくいつきまつれ)
(のたまは)り給ひたり(八咫鏡―即ち天照大御神―即ち 皇祖皇宗の御遺訓)。(せん)なる(かな)、内待所に御鈴(みすず)()けさせ給ひて、(これ)を鳴らし給ふ神秘は、七十五声発音の本源を示させ給ふ大秘事(だいひじ)なり。本居翁(もとをりをう)居室(きょしつ)に三十六個の鈴を()けて、(これ)を揺りて楽しみしも、実に古学復古の偉人に神慮の恵み伝はりけるなり、奥床しさの限りならずや。真正(しんしゃう)本教(もとけう)根元(ねもと)は実に(ここ)にあり。新約全書(しんやくぜんしょ)約翰伝(よはねでん)首章(しゅしゃう)は伝えて
  太初(はじめ)(ことば)あり、コトバは神と(とも)にあり、コトバは即ち神なり、このコトバは太初(はじめ)に神と(とも)にありき 万物これに(よっ)て造らる、造られたる者に一として(これ)()らざるは無し。
()へり。実にコトバは神なり。コトバはかがみなり。八咫鏡(やあたかがみ)はコトバの大本源(だいほんげん)なり。万有何物か(これ)(よっ)て解けざらん。真正(しんしゃう)本教(もとけふ)は先づ()の出発点を(ここ)に発せざるべからず。
   斯道の範囲
 前述の義を解する者は、大本の範囲の洪大無辺なるを了知すべし。科学、宗教、倫理道徳、芸術に論無く、大凡(おほよそ)(さい)万事(ばんじ)の学は皇道即ち皇道大本にあるべきなり。本教(もとけう)の範囲以外に何等の教理学問あるなく、一切の研究は(ことごと)く皆皇道大本に帰着す。故に天照大神は(のたまは)
  此葦原中国者(このあしはらのなかつくには)我御子之所知国(あがみこのしろしめすくにと)言依所賜之国也(ことよさしたまひしくになり)
と故に皇国は世界を統一する国の徳と、教の徳と、人の徳を保つ所以(ゆえん)にして、(もっ)て御神慮の程を遙察(えうさつ)し奉る事を()べき(なり)本教(もとけう)の範囲はやがて皇国の範囲なり。皇国の範囲は本教(もとけう)()の範囲を(ひと)しくせり。されど吾人(ごじん)(ことば)(もっ)て、直に、皇国は世界各国を侵略(しんりゃく)奪取(だっしゅ)すべしと為す者と誤解する事(なか)れ。奪取(だっしゅ)は皇国の真正(しんしゃう)の意義を解せざる者の口より()づ。皇国は常に奪取(だっしゅ)せず、日本皇国は日本の日本にあらずして世界の日本なり。又日本の世界たればなり。
   宝剣と宝鏡
 現今の教育は真個(しんこ)の文明、平和………天国本来の大思想を根底とせず、目前の利害を標準と為す所の教育なるが故に、世界人類の安寧(あんねい)幸福(かうふく)に利害ある(こと)(すこぶ)(すく)なく、本来の人生に()する所ただ(とぼ)し。故に(いは)く『現今の教育は盲唖(まうあ)の教育のみ』と、現今の宗教の成仏を説き、個人の永生(ながいき)を説きて足れりと為せども、()と成仏は万有に関聯(くわんれん)して(これ)を分離する事を得ず。
 天国浄土を遠所に求めて現在現土を()()すの結果は、国家の血脈に切断を(きた)し、宗教即ち亡国の(もと)()す。宗教にして政治を忘れ、宗教にして地上の各国土に天賦の使命あることを知らざる者は、迷妄の教義のみ。故に(いは)く現今の宗教は亡国の(もと)のみと、現今の政治は神勅(みことのり)を知らずして、国体と政体とは等しからずと説く。(かく)の如くんば何時の日ぞ治国平天下の(じつ)(あが)らん。故に(いは)く現今の政治は天魔(てんま)の所為なりと。
 現今の実業は実業の根底を忘れて、私利私慾の奴僕(どれい)たり。万有万性の天賦の行動を忘却して、国土の人生本来の使命を軽んず。故に(いは)く実業は国賊の所為のみと。観来(みきた)れば最後の福音を伝へて世を廊清(くわくせい)すべきの(えう)は、吾人(ごじん)(ちゃう)(えぐ)りて痛恨限りなし。噫々(ああ)()れよ宝剣(ほうけん)の威徳。吁々(ああ)照らせや宝鏡(ほうきゃう)の光。
   宝玉
 皇国の神宝として、鏡剣(きゃうけん)(ほか)八坂(やさか)瓊曲玉(にのまがたま)ある事を知らざるべからず。明鏡(めいきゃう)御稜徳(ごりょうとく)玉璽(ぎょくじ)玉体(ぎょくたい)を通し奉りてこそ(その)御神威も添ひ奉るべく、神剣の威厳も玉体を通し奉りて其の神威も実に添ひ奉るにてあるなれ。
 (けだ)八坂(やさか)瓊曲玉(にのまがたま)万有(ばんいう)(ただ)一体に(おさ)(たま)ひ、天運循環の根本主脳にましまし、玉体の(うち)(おのづ)から明晃(めいくわう)の鏡の大能(たいのう)はあるなり。統治の主体は玉にして鏡剣は其用なり。天運循環の(がう)も支障の生せざるは、これ明鏡(めいきゃう)の最も(あきらか)に照します時にして、玉体至静の御時(おんとき)(なり)(これ)に反し循環に支障有る時は、(これ)を修斎するの要あり。
 ()(つね)に神剣を要すべき時にして、玉体不安の時なり。故に剣は(これ)(いたづら)に用ふべきに(あら)ず、剣を用るは変事にあり。修斎の時にあり。今や神国に封建の思想(しさう)跋扈(ばっこ)して不祥(ふしゃう)の事あり、神剣を云々(うんぬん)するは(やむ)を得ざるに()づ。国民(あに)(おそ)れざる(べけ)んや。忠勇の士猛然として立たざる(べけ)んや。
   大権の授付
 天孫の宏業(くわうげふ)は、神倭盤余彦之尊に到りて完成の域に達したり。神倭盤余彦之尊の名義は、日本の国の玉帝(ぎょくてい)として、万世不窮に幾千万劫の大御代を継承して統治し(たま)ふと言ふの義なり。後世(こうせい)玉帝(ぎょくてい)神武(じんむ)天皇(てんわう)漢名(かんめい)を奉りて、御一代の如くに思ひ誤りたるは、古義(こぎ)に違へる(なり)
 万世一系の皇統、地球の中心地に基礎を鎮め給ひて、天攘無窮に御代(みよ)(おさめ)しめし給ふぞ尊ときの(きはみ)なり。
 神界の、(ここ)に、宇内(うない)の統治の神権を授け給ひしこと、三度(おは)しき。(すなは)ち第一次には、天神(てんしん)(もろもろ)詔命(みことのり)()ちて伊邪那岐(いざなぎ)伊邪那美(いざなみ)の二(みこと)に国土修理固成の神権を授付(さづけ)し給ひ、(たま)ふに(あま)沼矛(ぬまほこ)(もっ)てし、第二次には伊邪那岐(いざなぎ)(のみこと)御頸珠(ごけいじゅ)の玉の(いとぐち)母由良(もゆら)に取り由良迦志而(ゆらかして)天照大御神(あまてらすおほみかみ)に高天原統御の神権を授付(さづけ)し給ひ、(たま)ふに、御頸珠(ごけいじゅ)、名は御食棚之神(みくらたなのかみ)(もっ)てし、第三次には、天祖が蘆原(あしはら)中津国(なかつくに)皇孫(くわうそん)瓊々岐(ににぎ)(のみこと)に授け賜ひ、統治の神権を付属し給ひ、(たま)ふに八咫鏡(やあたかがみ)(もっ)てし『()の鏡は(もっぱ)(わが)御魂(みたま)として吾前(わがまへ)(いつ)くが(ごと)伊都岐(いつき)(まつ)れ』と(のたまは)(たま)ふ。
 この三次の御授付(おさづけ)は、宇内(うない)(くん)の御系統を立証し、万世(ばんせい)不磨(ふま)大権(だいけん)所有(しょいう)大玉帝(だいぎょくてい)を立証したる御神業(みわざ)なり。(ああ)尊き(かな)(ああ)(かしこ)(かな)
 神権(しんけん)授付(さづけ)御時(おんとき)には、常に賜物(たまもの)ありき、(あま)沼矛(ぬまほこ)御倉棚之神(みくらだなのかみ)八咫鏡(やあたかがみ)(鏡に添ふるに宝剣と宝玉とを以てし給へり)この三種の神宝(しんほう)は、宇内(うない)統治(とうぢ)大玉帝(だいぎょくてい)が、常に所持し給ひて、修理、固成、統治、経綸、顕正(けんしゃう)尊祖(そんそ)の大義を実践し給ふ所の大神宝(だいしんほう)なり。
 特に第三次に(おい)ては、宇内(うない)統理(とうり)(しゅ)として最後に(くだ)し給ひし神君(しんくん)なるが故に、鏡に添ふるに宝剣と宝玉を(もっ)てし給へる(なり)大御神慮(おほみこころ)(ほど)拝察し奉るだに(かし)こき(きはみ)なり。三種の神器の伝はります所に、(すなは)ち統御の御君権(ごくんけん)(おは)します(なり)
 八坂(やさか)瓊曲玉(にのまがたま)は皇国至尊の大御霊体(おほみれいたい)を示し、草薙剣(くさなぎのつるぎ)大八洲国(だいはっしうこく)至尊(しそん)大御真道(おほみしんだう)を示し、八咫鏡(やあたかがみ)は皇国荘厳の大御霊境(おほみれいきゃう)を示し給ふ。この三種神宝の照々(てんてん)たる上に皇道の大本は成位(せいりつ)する(なり)
   講録の一巻
 日本は大国か小国か……小国
 日本は強国か弱国か……強国
 何故(なにゆゑ)強国か……国体が尊いから強国
    国体の解釈(一)
  神の開いた国
  神の建てた国
  神の守る国
  神孫(しんそん)の住む国
  神道を行ふ国
 右  説  明
 諾冊(なぎなみ)の二(しん)が国土を固め
 大巳貴少彦名(おほなむちすくなひこな)の二(しん)が天下を経営した。
    例証
古事記(こじき)上巻(じゃうくわん)
   天神(てんしん)(もろもろ)(みこと)(もっ)伊邪那岐(いざなぎ)(のみこと)伊邪那美(いざなみ)(のみこと)、二柱の神に()(ただよ)へる国を修理固成(つくりかためな)せと(のたまは)りごちて、天沼矛(あまぬまほこ)(たま)ひて言依(ことよ)さし玉ひき
日本書紀(にほんしょき)神代(かみよ)(まき)(した)
   大巳貴(おほなむち)(のみこと)少彦名(すくなひこな)(のみこと)と力を(あは)せ心を一にして(あま)(した)経営(いとなめ)り、(また)云々(うんぬん)(いま)に至るまで恩頼(みたまのふゆ)(かかぶ)りき
◎同上
   天照大神(あまてらすおほみかみ)天津彦火瓊瓊岐命(あまつひこひににぎのみこと)八坂(やさか)の曲玉、(また)八咫(やあた)の鏡、草薙剣(くさなぎのつるぎ)、三種の神宝を(たま)ひ云々。皇孫尊(くわうそん)(ちょく)し玉はく、豊葦原(とよあしはら)の千五百秋の瑞穂国(みづほのくに)(わが)子孫(しそん)(きみ)()()(くに)なり。(いまし)皇孫尊(くわうそん)(つい)(しら)すべし。さきくませ 宝祚(ほうそ)(さか)えまさんこと天壌(あめつち)(とも)無窮(きはまりなか)()し。  
古事記(こじき)上巻(かみのまき)に(天照大神神勅)
   豊葦原(とよあしはら)の千秋の長五百秋(ながいほあき)瑞穂国(みづほのくに)は、(わが)御子(みこ)の知らさん国と言依(ことよ)さし玉へる国なり。
神皇(しんわう)正統記(せいとうき)
   大日本(だいにっぽん)は神国なり。天祖始めて(もと)を開き、日の神永く(とう)を伝へ玉ふ。我国のみ此事あり「あ」は底本では文字抜けしていて読めないため「あ」にした、異朝には(その)(たぐひ)なし、此家(このゆゑ)に神国と()ふなり。
    参考
 一、神武(じんむ)天皇(てんわう)に敵した賊軍が不思議に破れ
 一、祟神(すじん)天皇(てんのう)に背いた敵軍が不思議に亡び
 一、神功(じんぐう)皇后(くわうごう)()つ三韓が不思議に降参し
 一、我国に襲来した元冦(げんかう)の戦艦が不思議に沈没し
 一、我皇軍と戦った清露(せいろ)の兵が不思議に敗北した
 一、日韓併合も不思議に遂行(つゐかう)されたり
異称(いしょう)日本伝(にっぽんでん)
   (げん)世祖(せいそ)強胡(きゃうこ)(しゅ)(もっ)て、三()余烈(よれつ)を奪ひ、中国を併呑(へいどん)し、四海を嚢括(のうくわつ)し、(せい)に乗じて、我神国を取らんと欲す。(しか)して(ただ)()の一()に世を終るも(あた)はず。(いたづら)(あた)はざるのみにあらず、拾万人を沈溺(ちんでん)せしめ、盗賊相継ぎて起り、民生を(やすん)ぜず。故に(つい)に日本を撃たむことを()む、(ここ)(おい)天下(てんか)後世(こうせい)我朝(わがてう)天嶮(てんけん)神威(しんゐ)の犯すべからざるを知る。日本(にっぽん)()(さかん)ならざらんや。
(みなもと)(たひら)藤原(ふじはら)(たちばな)を始めとして日本人種は(みな)神孫(しんそん)である。さうして(ただ)の一度も外国に移らず。
   大体は地名を苗字にして秩序を成す。
    参考
大日本(だいにっぽん)水土考(すいどかう)
   日本は国の要害外国に(すぐ)れたり。(けだ)し小国の大国に(つらな)るもの、必ず大国の為に(あは)ぜらるる所となることあり。日本の地大国に近しと(いへど)も、灘海(なだうみ)を隔てて相遠きが如し。故に大国に屈せらるるの(うれ)ひなし。(いは)んや(その)(あは)せられんことおや云々(うんぬん)(しか)れば(すなは)ち日本の風水要害の(このま)しきこと万国に最上たり。浦安の大城(おほしろ)に住み、千矛(ちほこ)の武徳に備へ、(しか)して永久天地と(とも)(きはま)りなし。(この)(たみ)は神明の孫裔(そんえい)(しか)して(この)(みち)は神明の遺訓、清浄潔白を愛し質素(しっそ)朴実(ぼくじつ)を楽しむもの、(すなは)仁勇道(じんゆうだう)(しか)して()(おのづ)()れり。()此国(このくに)自然(しぜん)の神徳なり。(あに)(たうと)からずや。
 一、 天照大神(あまてらすおほみかみ)は神器を授けて天孫に敬神の道を教へ、
 一、 高貴産霊尊(たかみむすびみこと)神籬(ひもろぎ)を立てて臣下に敬神の道を伝へ給ふた。其後一系連綿として君臣(くんしん)父子(ふし)の有ると同時に、()く報本反始の(じつ)が行はれる。
    例証
古事記(こじき)上巻(かみまき)に(天照大神(あまてらすおほみかみ)神勅(しんちょく)
   (この)(かがみ)(もっぱ)(わが)御魂(みたま)として我御前を(いつ)くがごといつき奉れ
日本書紀(にほんしょき)神代巻下(かみよまきのした)
   高皇産霊尊(たかみむすびのみこと)(ちょく)し玉はく、(あれ)天津(あまつ)神籬(ひもろぎ)()天津(あまつ)磐境(いはさか)を起して、吾孫(あがそん)の為に(いは)ひまつらん、(なんじ)天兒屋根命(あめのこやねのみこと)太玉命(ふとだまのみこと)天津(あまつ)神籬(ひもろぎ)を持て葦原(あしはら)の中つ国に(くだ)りて(また)吾孫(あがひと)の為に(いは)ひまつれ。
   以上の(いは)れがあり、(じつ)があるからして、日本は(すなは)ち神国である。日本が神国であるからして弱い国でなく強い国である。其強いのは神国でない国々に対して、比較的強いのである。
    国体の解釈
  世界中の国を大別すれば
  君主国と無君主国との二種
 君主国を大別すれば
  自立君主と撰立(せんりつ)君主との二種
  東洋の各国は自立君主が多数、西洋の各国は撰立(せんりつ)君主国が多数なり。故に現今の大勢(たいせい)が、東洋は人智一歩を進めて撰立(せんりつ)を望み、西洋は人智一歩を進めて共和を望む。
 独り我日本帝国ばかりは撰立(せんりつ)でないのみならず、自立でもない、天神(てんしん)詔勅(みことのり)遵奉(じゅんほう)して国土を固めた伊邪諾尊(いざなぎのみこと)は、天照大神(あまてらすおほみかみ)を天上の大主宰と立て、天照大神(あまてらすおほみかみ)は天孫を降して天攘(てんじゃう)無窮(むきう)の君主と定められた。故に世界無比の天立君主である。
 (これ)を要するに、外国には各々(おのおの)革命が行はれても我国ばかりは革命がない。一壬申(みづのえさる)の乱でも、一保元(ほげん)の乱でも、是等(これら)はつまり皇族と皇族との争ひで、どちらが勝つも革命は出来ない。
 妖僧(えうさう)道鏡(だうきゃう)神勅(しんちょく)()めて天位を(かす)めんとしたが、彼は和気(わけの)清麿(きよまろ)(きゃう)の忠実と、宇佐(うさ)幡宮(まんぐう)神勅(しんちょく)の為に破られた。
    例証
◎続日本紀に 宇佐(うさ)幡宮(まんぐう)神勅(しんちょく)
   (わが)国家(こくか)開闢(かいびゃく)以来(いらい)君臣(くんしん)分定(ぶんさだ)まる、(いま)(しん)(もっ)て君と()せしことあらず、天津日嗣(あまつひつぎ)は必ず皇緒(くわうしょ)を立てよ、無道の人は早く(はら)ひ除くべし。
 又、平将門(たひらのまさかど)が武力を(たの)んで皇極(くわうきょく)を奪はんとしたが、彼は秀郷(ひでさと)(きゃう)の武勇と、二荒山大神(あらやまおほかみ)の神剣の為に滅された。
    例証
宇津宮(うつみや)奇瑞記(きずゐき)
 朱雀院(すじゃくゐん)御宇(ぎょう)、時に承平年中(しょうへいねんちう)平将門(たひらのまさかど)追討(つひたう)の時、当社に(おい)て征伐の祈請(きせい)あり云々(うんぬん)将門(まさかど)追討の(のち)(しゃう)位勲(ゐくん)一等の位記(ゐき)、一の鳥居の額等(がくとう)(これ)なり。額文(がくぶん)(いは)く「(しゃう)位勲(ゐくん)(とう)日光山(にっくわうざん)大明神(だいみゃうじん)
◎旧記に
 将門(まさかど)追討の時祈願あり。宝殿より神剣(おのづか)ら出づ、秀郷(ひでさと)(その)神剣を以て将門(まさかど)を斬る。
 其後(そのご)(しゃう)位勲(ゐくん)(とう)神階(しんかい)を贈られたり。(みぎ)革命(かくめい)を計った為に流された道鏡(だうきゃう)の墓も、()下野国(しもつけのくに)にあり、革命の謀叛人(むほんにん)を殺した(こう)にて、別格(べっかく)官幣社(くわんぺいしゃ)に祭られた秀郷(ひでさと)(きゃう)唐沢神社(からさはじんじゃ)(また)(この)下野国(しもつけのくに)にある。(これ)は人の()く知る所、革命のある国は弱く、革命のない国は強い。革命のある国は(すべ)て君主の(もと)浅く、臣民は忠裂(ちうれつ)勇武(ゆうぶ)気象(きしゃう)(とぼ)しい。故に戦争は御役目主義か機械的の戦争にて、つまり軍人が(めい)(おし)むから弱い。革命のない国は君臣の(もと)深く、臣民は忠烈(ちうれつ)勇武(ゆうぶ)気象(きしゃう)に富み、軍人は死ぬといふ決心で戦ふから強い。
(くすのき)代記(だいき)に 楠公(なんこう)金言(きんげん)
  生きんと欲すれば必ず破れ 死なんと欲すれば必ず勝つ
 外国の軍人は死を目的として戦場に臨む者はないと云ふ。我国の軍人は生て還ると云ふ心懸(こころがけ)の者はない。
    参考
万葉集(まんえふしふ)
   (うみ)()かば水潜屍(みづくかばね)(やま)()かば草生(くさむ)(かばね)、大君の()にこそ死なめ(のど)には死なじ(かへり)みはせじ。
◎同上
   東人(あづまびと)の立つる(ことば)だて
 (ぬか)には矢は立つとも()には(きず)()はじと云々(うんぬん)
 右の比較は要するに、革命のある国と革命のない国との利害、天佑(てんいう)保全(ほぜん)の為に神を敬ふと云ひ、報本(ほうほん)反始(はんし)の為に神を奉ると云ひ、天壤(てんじゃう)無窮(むきう)宝作(ほうさく)を尊ぶも、万世一系の天皇を戴くも、皆国体の(しか)所以(ゆえん)である。
禁秘御抄(きんぴごせう)に 順徳(じゅんとく)神皇(てんわう)
   (およそ)禁中(きんちう)の作法は神事(しんじ)を先にし云々(うんぬん)
孝徳天皇(かうとくてんわう)()に 蘇我(そが)倉山田(くらやまだ)麿先(まろさき)(もっ)神祇(しんぎ)を敬ひ(しか)して後云々(のちうんぬん)
職原抄(しきはらせう)に 北畠(きたばたけ)親房(ちかふさ)
 神祇官(しんぎくわん)当官(たうくわん)(もっ)て諸官の上に置く云々(うんぬん)
(大正七、五、一 綾部新聞青龍号)

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