霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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誰も知らなかった日本史
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日本国民の本性に復れ

インフォメーション
題名:20 日本国民の本性に復れ 著者:出口王仁三郎
ページ:56 目次メモ:
概要: 備考:『神霊界』大正七年七月一五日号所収「宗教の害毒」の抜萃 タグ: データ凡例: データ最終更新日:
001 宗教の目的とは何ぞ、002人をして生活の真意義を得せしむるにあり、003敢へて問ふ、004これを得せしむるは何のためぞやと。005宗教家は必ずいはむ、006娑婆即寂光土のためなりと。007又いはむ、008この世に天国を出現せしめむがためなりと。009しかり、010宗教の目的はこれをおいて他に無かるべし。011これこの目的のために孜々(しし)として、012布教に従事する所以なるべし。
013 既に目的あれば、014これに到達すべき手段を講ぜざるべからず。015即ち彼岸に渡らむにはまづ舟楫(しうしふ)舟で物を運ぶこと()するを要す。016特に自己のみならず、017同胞ひいては国家を満たさむと欲するには、018相当の方法を講じ、019充分なる設備を為さざるべからざるなり。020しかるに一般宗教家は、021果たしてこの方法を講じ、022設備を考へ、023しかして後に、024その目的に向って、025衆生同胞を済度すべく努力しつつありや。
026 吾人の視る所を以てすれば、027元来宗教なるものは、028その教祖がその国土に応じ、029その時代に適する教義を立てたるものなり。030されば甲国に適する宗教必ずしも乙国に適するにあらず。031また上古の人心を救ひたる宗教、032必ずしも現代を(すく)ふとは言ふべからず。033事物はみな国によりて相違し、034時によりて変遷す。035故に数千年前に起これる異国の宗教を持ち来たりて、036これを以て我が現代の人心に真意義真生命を与へ、037以て天国浄土を出現せしめむとするもはなはだ難し。038これ吾人が現代宗教家のその職に努力すればするほど怪訝に堪へずとする所以なり。
039 およそ風俗世情を異にする国土において、040平等なる目的に達するには、041手段に差別ありべきこと自然の数なり。042宗教家及び多くの学者は言ふ、043曰く万教は帰一なり、044諸悪莫作業善奉行なり、045至善に(とど)まるにあり、046己の欲せざる所は人に施すことなかれ、047己の好む所はこれを人に施すべし、048東西人情相同じく古今一軌、049何ぞ必ずしも宗教の別を論ぜんや」と、050しかれどもこれ(いち)を知つて未だその二を知らざるの論なり。051共通する所あればとて、052直ちに同一なりとは断ずべからず。053相違する所を求むればあくまでも相違すべし。054目的同一なればとて、055その手段の何れにても可なりとは言ふべからず。056人情国風に適する手段に依るにあらざれば、057到底宗教の目的を到達実現し()べくもあらず。058これあたかも生命を繋ぐの糧なればとて、059人をして猫の食を喰はしめ、060猫をして草木(さうもく)の肥料を食はしむべからざるが如くならむのみ。061陸行には車に依り、062海行者は舟に依らざるべからず。063かくて目的平等なりといへども、064その手段に至つては時と処とに応じて差別を生ずることとなるなり。
065 故に曰く、066平等なる目的を達するには、067手段自ら差別を生ずるに至る。068一国に最も適する宗教はその国の宗教なり。069宗教は何れもその国その時代の思想上の産物なり。070されば最適なる宗教は発生時代におけるその国の宗教なり。071故に如何なる宗教にても、072他国に入るに及びては必ず意義又は形式において、073すくなからず変遷するを常とす。074これあたかも虫類の保護色の如きものなり。075これを仏教について見るに、076その支那に入るや支那色に変じ、077また我が国に来るに及びては日本色に変化したり。078基督教は伝来日なほ浅しといへども、079将来においては、080また必ずやかくの如くなるに至らむ。081ここにおいて宗教家は言ふなるべし、082仏教は既に印度、083支那のそれにあらずして日本的仏教となりたるなり。084故に日本に適当なる宗教は、085仏教をおいて他にあること無し、086また基督教も今や日本的基督教たらむとする過渡時代にあり、087故に後世日本の思想を統一するに適当なるは、088世界的宗教たる基督教に()くはなしと。089(あに)それ(しか)らむや。
090 元来宗教なるものは、091仏教にもあれ基督教にもあれ、092人と神(仏と人、093大我と小我)との融合一致に重きを置くものなり。094即ち四諦観といひ三位一体説と云ふも、095その意義において異ることあるなし。096いはゆる天人合一を主とするにあるのみ。097従つて現在の国家、098国民、099君臣、100父子の関係を、101ややもすれば軽々看過せむとす。102如何に宗教家諸君が気張りて、103仏典、104聖書の中より五倫五常に関する語を()き集めたりとて、105そは決して諸君が奉ずる宗教の主とする所のものにはあらじ。106これ元来仏教、107基督教の生国(せいこく)が五倫五常の国にあらざるが故に、108その然るべきはむしろ当然の結果なりといふべきなり。
109 我が国はこれに反して、110五倫五常が主にして、111神人契合(しんじんけいがふ)の如きはむしろ従たるものなり。112外教(ぐわいけう)にては五倫五常を捨てても神人契合を得るかは知らざれども、113我が国にては決してこれを得べからず。114されば神人の契合を得むと欲せば、115まづ五倫五常を全くするはこれ我が神の道にして、116外教のそれとは全く表裏相反するものなり。117しかもその道たるや、118後世聖人、119君子なる者が、120必要に応じて立てたる道に非ずして、121天地開闢以来伝はれる神ながらの大道たるなり。122神は、123この道の本源を人の本性に分賦(ぶんぷ)し給へり。124これを名づけて至誠といふ。125この至誠君臣の間に発して義となり、126父子(ふし)の間に発して(しん)となり、127夫婦の間に発して和となり、128兄弟(けいてい)の間に発して友となり、129朋友の間に発して信となり、130(がう)も紛乱する所あること無きなり。131故に教へずして家自ら(やは)らぎ、132令せずして国自ら治まる。133これを以てその国体や美なり、134その国土や浄土なり、135その国家や天国たるなり。136これをまた我が国不文の教とはいふなり。
137 然るに今宗教家は、138この浄土の国を出現せしめむが為に、139最良の手段たる我が固有の大道を捨てて、140縁遠き他国の宗教布教に没頭す。141これなほ湿(しつ)(にく)みて低きに居り、142火を消さむと欲して油を注ぐが如き類のみ。143(あに)奇ならずや。144もし宗教家にして真に国家を愛し、145衆生同胞を憐み、146天国浄土を出現せしめむと欲すとせば、147すべからく先づ従来奉ずる所の宗教的偏見を捨てて、148(かみ)皇室の行はせらるる本義に則り(たてまつ)るべきなり。149これその目的たる天国浄土を出現すべき最良、150最捷径(さいせうけい)の方法にして、151また釈迦、152基督の本旨に(かな)ふ所以ともなりぬベし。
153 元来宇宙の間には迷悟あること無し。154しかるに宗教家はいふなるベし、155日本の道はいはゆる不言の教なるが故に、156迷へる者をして悟らしめ、157悲しむものに慰安を与ふるの方法無し、158これその欠点なり、159我が宗教はこの欠陥を填補(てんぽ)するものなりと。160然らば問はむ、161宗教発生以来、162果してよく迷へる者を慰め得たりしかと。163宗教ありて迷者悲者、164その跡を絶つといはば、165宗教発生以前はみな迷者悲者のみなりしか、166思ふに宗教ありとて迷ふ者は迷ひ、167宗教無しとて悟る者は悟るべし。168喜怒哀楽は人の天性なり。169山はこれ山、170水はこれ水、171(あに)微々たる宗教によりてこれを左右し得ん哉。
172 しかるに世の宗教家は巧辞を弄し、173甘言を揮つて説法すらく、174迷ヘる者よ来れ、175悟を与へむ、176悲しむ者よ来れ、177慰めを得せしめむと。178これいはゆる晴天に風雨を呼び、179平水(へいすゐ)に波浪を起すものにして、180人心はかへつてこれがために迷乱を生ずるを免れ得ざるものなり。
181 ひるがへつて宗教家の平常を観れば、182その多くは、183伝道の傍ら、184あるひは愚民を欺きてその膏血を搾り、185あるひは外国の走狗となりて、186共に国民性を(そこな)ひつつあるにあらずや。187それ盗賊は世の重罪なり、188しかもこれを謀反に比すればその罪軽し。189謀反は天下の大罪なり、190しかもこれを宗教家の罪に比すれば小にして軽し。191何となれば、192盗賊謀反は自らその罪を標榜してこれを行ひ、193人また皆これを知るが故にあるひは恐れあるひは戒む。194天誅至るに及びて罪悪自ら明らかとなるに反し、195彼の欺民(ぎみん)走狗の徒に至りては、196人これを知らざるのみならず、197天下こぞつてこれを()む。198ただにこれを誉むるのみならずしてこれを信奉す。199その害一時に現出すること無しといへども、200その一たび現はるるに及びては、201国家の命脈また危ふからむとす。202これを獅子身中の虫に比するもあへて失当(しつたう)にあらざるを覚ゆるものなり。
203 吾人はまたここに問ふベきことあり、204宗教家は今日の思想界を如何に観つつありやと。205釈迦の出でし時よりも、206基督の起りし時よりも、207孔子の遊説せし時よりも、208現代はなほ一層はなはだしき迷乱時代なるを知らずや。209この迷乱の時代を救ひて国民思想を統一せむには、210唯一の皇道あるのみ。211宗教家にしてもしこれを知りながら、212ことさらにその宗教を布教すとならば国家の賊なり。213もし知らずして布教すとならば天下の愚なり。214けだし今日多くの宗教家は真に民生を(おも)ひ、215国家を(うれ)ふるの至誠より迸出せる熱涙の布教にあらずして、216布教のための布教を事とする徒のみ。
217 世の賢明なる宗教家よ、218日本の国土において、219陛下の臣民として祖神の子孫として生を享けたる上は、220この秋に当りて(よろ)しく国家の将来を鑑み、221利を捨て義を取り、222(わたくし)を去り(おほやけ)に就き、223以て神州清潔の民となり、224天壌無窮の皇運を扶翼し奉るベきにあらずや。
225 聖書に、226それ我れ来るは、227人をその父に背かせ、228子をその母に背かせ、229娘をその姑に背かせむが為なり。230我よりも父母を(いつくし)むものは、231我に(かな)はざるものなり、232我よりも子女を愛むものは、233我に協はざるものなり」とあるが、234真面目(まじめ)にこの教に従ふものとすれば、235父母を見れば尊し、236妻子(めこ)を見ればめぐしうつくしとする我が国民の本性を破壊するものなり。237その本性を()げ、238倫常を()みし、239強ひて直に天父に従はむとするもの、240その国民性、241果たして真面目(しんめんもく)なりといふを得べきか。
242 我が国儒仏(じゅぶつ)伝来以降、243はなはだ人性(じんせい)真面目(しんめんもく)を欠きたり。244鈴の屋翁本居宣長のことが「きもむかふ心さくじりなかなかにからの(をしへ)ぞ人(あし)くする」「からざまのさかしら心うつりてぞ世人(よびと)の心(あし)くなりぬる」と(もの)せられたる、245まことに所以なきにあらず。246人あるひは言はむ、247儒仏は我が国に文化を導き、248今日の大和錦を織り成したるものなりと、249他人の力を藉りて(つの)()めたるは可なりといへども、250牛を殺せばつひに何らの益かある。251儒仏によりて制度文物の美を成したるは可なり。252しかれども、253国の命脈を維持する国民性を麻痺せしめたるの害は、254挙げて数ふベからずとす。
255 元来我が国民性は天真爛漫なるが故に、256濶達なり、257雄壮なり。258素盞嗚尊、259五十猛尊の韓国経営といひ、260少彦名命の海外経営といひ、261神功皇后の三韓征討といひ、262その他外に(いくさ)に従ひ、263大胆不敵なる調伊企儺(つきのいきな)?~562年。264百済からの渡来人の子孫で、265新羅征討軍の武将の如きあり、266また婦女としての大葉子(おおばこ)調伊企儺の妻の如きあり、267(がう)も外教浸潤後における島国的にして意気地無き根性にはあらざりしなり。
268 請ふ、269天照大御神に(まを)(たてまつ)る祈年祭の祝詞を荘誦せよ。
270皇神(すめかみ)見霽(みはるか)します四方の国は、271天の壁立つ極み、272国の退()ぎ立つ限り、273青雲の棚引く極み、274白雲の墜居(おりゐ)向伏す限り、275青海原は棹舵(さおかぢ)干さず、276舟の()の至り(とどま)る極み、277大海原に舟満ちつづけて、278(くが)より往く道は荷緒(にのを)結ひ堅めて、279磐根木根(いはねきね)()みさくみて、280馬の爪の至り留る限り、281長道(ながぢ)(ひま)無く立ちつづけて、282()き国は広く、283(さか)しき国は(たひら)けく、284遠けき国は八十綱(やそつな)打ち掛けて引き寄する事の如く、285皇大御神(すめおほみかみ)の寄さし(まつ)らば云々
286と、287何ぞその語の勇壮にして意気の濶達なる。288これ実に我が上古臣民の理想を代表するものにあらずや。
289 しかるに儒教()りて禅譲の風を伝へ、290老荘の(がく)来りて許由巣父(きょいうさうほ)栄貴を忌み嫌うこと()生じ、291仏教渡りて悲観厭世の(ぞく)興り、292真面目(しんめんもく)の本性を晦蒙(くわいもう)すると共に、293雄壮濶達の気象(おと)ふるに至りたり。294彼の、295臣下として王位を左右したるは伊尹(いいん)古代中国(殷)の名相の徒にあらずや。296畏俗先生と称して山間に(のが)れたるは許由(きょいう)古代中国の伝説の賢人の徒にあらずや。297しかして円頂黒衣以て世を遁れたるものに至りては枚挙にいとまあらず。
298 仏者に言はしむれば、299仏教には小乗あり大乗あり、300中古時代の仏教は多く独善的の小乗なりしが故に(へい)ありしかど、301大乗的教義に至りてはしからずと。302しかれども仏教の入門は、303到底悲観的厭世主義なるを免がるる能はず、304出家にあらざれば道を得る能はずとするを主義とす。305教祖釈迦を初め、306あらゆる祖師達、307何れか家を出でずして得道したる。308これを詮ずるに、309仏教は四諦(したい)310即ち、311苦集滅道を以て綱目(かうもく)とし、312その苦観を以て関門とするは争ふべからざる所なり。313これ実に中古以来、314我が国民性を麻痺せしめたる毒薬にして、315その証今日の印度を見れば、316自ら思ひ半ばに過ぎむ。
317 天命は性にして、318性に(したが)ふを道といひ、319道を修むるを(けう)といふ以上、320我が国の道は我が国民性に(したが)ひ、321我が国の(をしへ)は我が国の道を修めざるベからず。322しかして今日の基督教はもちろん、323儒教、324老荘の教は、325すでに我が国民性に(かな)はずとすれば、326我が国においては惟神(かむながら)大道(だいだう)これあるのみとなるべきはずなり。
327 孝徳天皇大化三年の(みことのり)に曰く、328
329「惟神も()が子応治(しら)さむと(こと)寄させき、330これを以て天地の初めより、331(きみ)(しら)す国なり、332始めて国を()らせし皇祖(すめみおや)の時より、333天下大同、334(すべ)て彼これいふことなかりき云々」
335と。336近藤芳樹翁これを解きて曰く、337
338掛巻(かけまく)もかしこけれど、339我が豊葦原の中国は、340天照皇大神の御任(みよさし)のまにまに、341万世(よろづよ)遠長(とほなが)統御(しろしめす)べき美邦(うましくに)にしあれば、342天下(あめのした)臣庶(おほみたから)(せい)天神(あまつかみ)産霊(むすび)に成して、343(なほ)く、344身を真井(まなゐ)の清水に(すす)ぎてその(たい)潔ければ、345穢悪(きたな)枉曲(まが)れる者をさをさ無くて、346臣連(おみむらじ)伴造(とものみやつこ)国造(くにのみやつこ)諸々(みかど)(たす)け、347世を(をさ)むべき家に(わざ)を伝へ、348臣連(おみむらじ)はその(かばね)のまにまに仕奉(つかへまつ)り、349出でては君を尊び、350友と睦び、351()りては父兄(おや)につかへ夫婦(めをと)相いつくしむ、352神代ながらの無為の教にたがひめあらでなむ、353これを惟神の道といふ」
354 これ実に我が国民性に(したが)ふ所の道にして、355五倫五常一致の本義なり。356されば五倫を尊ばざるは我が国の教にあらず。357五常を重んぜざるは我が国の道にあらず。358我が国の教にあらずしてこれを奉じ、359我が国の道にあらずしてこれに(したが)ふ。360これ本性を()君親(くんしん)()みするものにして、361畢竟(ひつきやう)乱臣賊子たるを免れず。362人あるひは言はむ、363時勢の推移に連れて文物また変遷す、364昭和の今日において、365上古の道を論ずるは愚なりと。366(あに)時の古今に依つて変ずるものならむや。367およそ世の単位は人なり。368人の思想の変遷につれて時勢もまた変遷するは免るベからざるも、369吾人のいはゆる道には非ざるなり。
370 古語に曰く、371一人(いちにん)仁に興ると。372故に一人にても過去の過ちを悔い、373今日の行ひを修むるものあらば、374漸次(ぜんじ)一家一村一国に及ぼし、375つひには世の趨勢をも一変すべし。376しかしてその事たるや、377これを遠くに求むるにあらずして、378近くこれを自己の本性真情に求め、379これを難きに施さずして、380易き君臣父子の間に行ふにあるなり。381人すでに一たび真情を発す、382鼎鑊(ていくわく)底本は「鼎钁」。383重罪人を煮殺す道具で、384転じて極刑の意も飴の如く、385水火(すゐくわ)も蒲団の如くならむ。386何を苦しんで生死を離れ何の(いとま)ありて天国を(ねが)はむ。
387 思ふに我が国の現状思想界の混乱その極に達せむとす。388曰く耶蘇、389曰く仏、390曰く儒、391曰く俗神道、392曰く東洋哲学、393曰く西洋哲学と、394しかしてその内また各宗各派各主義に分れ、395甲論乙駁、396喧擾紛争してやむ時無きなり。397祝詞にいはゆる磐根樹根立草(いはねきねたちくさ)片葉(かきは)をも言問(ことと)ふの世なり。398(むべ)なるかな人心の帰趨(きすう)統一せられざるや。
399 これを要するに、400今日の宗教家、401哲学者らは、402人心統一の必要はこれを感じながら、403一面にはその生存のために世を欺き名を(くら)ひ、404一面には深く天地の大道を究めざるがために、405その帰結点を得ざるものなりとす。406一般世人に至りては、407ただ彼らの言にこれ聴くのみ。408もししからずとならば、409爾曹(なんぢ)が従来の教に固着するの(ろう)と、410主義に束縛せらるるの弊とを離れ、411日本国民の本性に復帰すべきなり。412日本国民の本性に復帰してこれを発揚し、413以て天壌無窮の皇運を扶翼し奉る、414これを惟神の大道とはいふなり。415惟神の大道を離れて、416しかして日本国民たらむとするも()べからざるなり。417もし強ひて仏耶その他の教を奉ぜむとならば、418乞ふ各々その国民となれ。