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第五〇章 鋼鉄(まがね)(ほこ)〔一〇〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻 篇:第7篇 天地の大道 よみ(新仮名遣い):てんちのだいどう
章:第50章 鋼鉄の鉾 よみ(新仮名遣い):まがねのほこ 通し章番号:100
口述日:1921(大正10)年11月09日(旧10月10日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年1月27日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
神国別命らは、八王大神が変心したことは夢にも知らず、常世城の神々に、国治立命の教えを説いていた。
すると城内騒々しく足音が近づき、八王大神が以前にも増して暴悪な顔で現れ、大刀の柄に手をかけて、盤古大神に帰順するよう、神国別命らを脅迫した。神国別命は神理を説き諭したが、聞き入れられなかった。
八王大神は神国別命に斬ってかかった。一切武器を持っていなかった神国別命らは、天に向かって合掌し、神言を奏上しようとすると、八王大神はどっと仰向けに倒れた。
この光景を目にした常世城の神々は、あわてて常世姫に報告した。常世姫はただちに焼けた鉄棒を手に引っさげてその場に来ると、神国別命に打ってかかった。すると東北の空から暴風が吹き、常世姫はあおられてどっと地上に転落した。
神国別命らはかろうじてその場を逃れ、竜宮城に帰還すると、八王大神の心変わりを国直姫命に報告した。国直姫命は、いかなる暴悪無道の敵が竜宮城に押し寄せても、律法に従って対処するように、と厳命した。
やがて八王大神率いる常世軍が竜宮城に押し寄せ、ヨルダン河を押し渡って城内に入ると、国治立命と面会させよ、と大音声に呼ばわった。大八洲彦命は自ら八王大神を迎え、来意を尋問した。
八王大神は国治立命に面会させろ、と仁王立ちで怒号した。するとそこへ国治立命は悠然と姿を現した。八王大神は、汝は偽者の国治立命であろう、本物は大自在天の神策によって顕現するはずである、と詰め寄った。八王大神の従者・鬼雲彦も尻馬に乗って暴言を吐いた。
国治立命以下の諸神は、律法に従ってあくまで柔和の態度でこれを迎えていたが、ついに八王大神が刀を抜いて斬りかかろうとしたとき、花森彦は「われはただ今戒律を破らむ」と言うやいなや、鬼雲彦に斬りつけ、さらに八王大神にも斬ってかかろうとした。
大足彦は花森彦を制止したが、八王大神以下は花森彦の勢いにのまれて、やや躊躇の色が見えた。大足彦は国の真澄の鏡を取り出すと、魔軍を照らし出した。八王大神以下は魔神の正体を表し、身動きができなくなってしまった。
国治立命は再び現れて、八王大神以下に天地の律法を説き諭し、万一聞き入れられないのであれば、常世城を明け渡して根底の国へ隠退するか、さもなければ竜宮城軍が常世城を滅ぼすであろう、と厳格に神示を言い渡した。
八王大神はその意を了解し、神国別命に送られて、部下たちとともに常世城に引き揚げた。しかし常世姫は国治立命にあくまで反抗の意を表し、八王大神のふがいなさを嘆いた。八王大神はまたもや常世姫の魔言に動かされ、竜宮城占領の決議をこらし始めた。
そのとき、天上から鋼鉄の鉾が棟を破って落ち降り、鬼雲彦の頭上に落ちて即死してしまった。これは、大自在天が神国別命を狙ったものが、はずれて鬼雲彦に当たったのである。八王大神は驚いて奥殿に逃げ、息をこらして震えていた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0250
愛善世界社版:253頁 八幡書店版:第1輯 249頁 修補版: 校定版:257頁 普及版:120頁 初版: ページ備考:
001 神国別(かみくにわけの)(みこと)002神国彦(かみくにひこ)以下(いか)神司(かみがみ)は、003八王(やつわう)大神(だいじん)変心(へんしん)せしことは(ゆめ)にも()らず、004数多(あまた)神司(かみがみ)囲繞(ゐげふ)されながら、005諄々(じゆんじゆん)として国治立(くにはるたちの)(みこと)教示(けうじ)()(しめ)しつつあつた。
006 (をり)しもにはかに城内(じやうない)騒々(さうざう)しく数多(あまた)足音(あしおと)(ちか)(せま)つてきた。007室内(しつない)()(ひら)くやいなや、008八王(やつわう)大神(だいじん)以前(いぜん)にかはる暴悪(ばうあく)なる顔色(がんしよく)をなし、009大刀(だいたう)(つか)()をかけ、010神国別(かみくにわけの)(みこと)(まへ)()めより、
011(なんぢ)はすみやかに盤古(ばんこ)大神(だいじん)帰順(きじゆん)せよ。012混乱(こんらん)紛糾(ふんきう)をきはめたる現下(げんか)世界(せかい)情勢(じやうせい)は、013(なんぢ)らの主神(しゆしん)国治立(くにはるたちの)(みこと)(とな)ふるごとき、014迂遠(うゑん)きはまる(おしへ)をもつて、015いかでか天下(てんか)至治(しち)太平(たいへい)ならしむることを()む。016(なんぢ)らの(とな)ふる経綸(けいりん)(さく)は、017天下(てんか)泰平(たいへい)(おさ)まれる()にたいしての遊戯(ゆうぎ)(てき)神策(しんさく)にして、018()ふべくして(おこな)ふべからざる迂愚(うぐ)(さく)なり。019(なんぢ)すみやかにその()(さと)常世城(とこよじやう)従臣(じゆうしん)となるか、020ただしは(かぶと)をぬいで降伏(かうふく)するか、021(ふた)つとも否認(ひにん)するにおいては、022()(どく)ながら(なんぢ)らを門出(かどで)血祭(ちまつ)り、023一刀(いつたう)両断(りやうだん)処置(しよち)()らむ』
024()つて(かは)つた狂態(きやうたい)(えん)ずるのである。
025 神国別(かみくにわけの)(みこと)は、026じゆんじゆんとしてその()()き、027天下(てんか)圧力(あつりよく)武力(ぶりよく)をもつて到底(たうてい)(をさ)むべからざるの神理(しんり)を、028言葉(ことば)をつくして弁明(べんめい)した。029されど(どん)030(しん)031()三毒(さんどく)をふくめる悪神(あくがみ)主将(しゆしやう)八王(やつわう)大神(だいじん)には、032あたかも馬耳(ばじ)東風(とうふう)のごとく、033もはや毫末(がうまつ)効果(かうくわ)もなかつた。
034 八王(やつわう)大神(だいじん)()ちあがり、
035『いらざる繰言(くりごと)(みみ)(けが)すも面倒(めんだう)なり』
036真向(まつかう)上段(じやうだん)()つてかかつた。037神国別(かみくにわけの)(みこと)以下(いか)()寸鉄(すんてつ)()びず、038ただ一心(いつしん)神明(しんめい)(いの)るよりほかに(みち)はなかつた。039神国別(かみくにわけの)(みこと)(てん)(むか)つて合掌(がつしやう)し、040神言(かみごと)奏上(そうじやう)せむとするや、041八王(やつわう)大神(だいじん)一刀(いつたう)頭上(づじやう)(たか)()りかざしたるままどつと仰向(あふむけ)(たふ)れた。042この光景(くわうけい)目撃(もくげき)したる常世城(とこよじやう)神司(かみがみ)は、043右往(うわう)左往(さわう)周章(あわて)ふためき、044(いそ)常世姫(とこよひめ)にこの実状(じつじやう)報告(はうこく)した。045常世姫(とこよひめ)(ただ)ちに鉄棒(てつぼう)()()けて白熱化(はくねつくわ)したるを(ひつさ)(きた)り、046あはや神国別(かみくにわけの)(みこと)は、047焼鉄(せうてつ)()たれてすでに()(ほろ)ぼされむとするをりしも、048東北(とうほく)(そら)より俄然(がぜん)暴風(ばうふう)()ききたり、049常世姫(とこよひめ)暴風(ばうふう)にあふられて、050たちまち地上(ちじやう)転倒(てんたう)した。051城内(じやうない)神司(かみがみ)もまた一度(いちど)にどつと()(たふ)された。052神国別(かみくにわけの)(みこと)神国彦(かみくにひこ)以下(いか)神司(かみ)とともに、053からうじてその()(のが)れ、054やうやくにして竜宮城(りゆうぐうじやう)帰還(きくわん)し、055高尾別(たかをわけ)変心(へんしん)し、056かつ何時(いつ)魔軍(まぐん)引率(いんそつ)してここに()(きた)るやもはかられざることを、057国直姫(くになほひめの)(みこと)奏上(そうじやう)した。
058 ここに()高天原(たかあまはら)においては、059国直姫(くになほひめの)(みこと)060大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)061言霊別(ことたまわけの)(みこと)以下(いか)神将(しんしやう)竜宮城(りゆうぐうじやう)(くわい)し、062八王(やつわう)大神(だいじん)反逆(はんぎやく)にたいし防戦(ばうせん)()をこらした。063このとき国直姫(くになほひめの)(みこと)は、
064『いかなる暴悪(ばうあく)無道(ぶだう)強敵(きやうてき)たりとも、065神明(しんめい)(ちから)(しん)じ、066天地(てんち)律法(りつぱう)遵守(じゆんしゆ)し、067(あく)にたいするに至善(しぜん)をもつてせよ』
068との命令(めいれい)(はつ)せられた。069神司(かみがみ)神国別(かみくにわけの)(みこと)詳細(しやうさい)なる報告(はうこく)(せつ)し、070切歯(せつし)扼腕(やくわん)悲憤(ひふん)(なみだ)を、071顋辺(しへん)にただよはしながら、072天地(てんち)律法(りつぱう)違反(ゐはん)すべからず、073あくまで柔和(にうわ)懇切(こんせつ)信義(しんぎ)をもつてこれに対抗(たいかう)せむと、074協議(けふぎ)一決(いつけつ)した。
075 (とき)しも百雷(ひやくらい)(いち)()(とどろ)くごとき音響(おんきやう)とともに黒雲(こくうん)(じやう)じ、076西南(せいなん)(てん)をかすめて入来(いりきた)数多(あまた)鳥船(とりふね)がある。077(かれ)らは黄金橋(こがねばし)のかたはらに落下(らくか)し、078獅子(しし)奮迅(ふんじん)(いきほひ)をもつてヨルダン(がは)()しわたり、079竜宮城(りゆうぐうじやう)()しよせ門扉(もんぴ)打破(うちやぶ)り、080暴虎(ぼうこ)馮河(ひようが)(いきほひ)をもつて城内(じやうない)侵入(しんにふ)し、081国治立(くにはるたちの)(みこと)面会(めんくわい)せむと、082大音声(だいおんじやう)()ばはつた。
083 鬼雲彦(おにくもひこ)084清熊(きよくま)先頭(せんとう)八王(やつわう)大神(だいじん)その()魔神(ましん)が、085雲霞(うんか)のごとく()()せているため、086城内(じやうない)はにはかに(さわ)ぎたつた。087大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)周章(あわて)ふためく神司(かみがみ)(せい)しとどめ、088みづから()でて八王(やつわう)大神(だいじん)面会(めんくわい)し、089来意(らいい)(おごそ)かに訊問(じんもん)した。
090 八王(やつわう)大神(だいじん)傍若(ぼうじやく)無神(ぶじん)態度(たいど)にて、091諸神将(しよしんしよう)眼下(がんか)()めつけ、
092(なんぢ)らのごときやくざ(がみ)にいふべき言葉(ことば)なし。093すみやかに国治立(くにはるたちの)(みこと)見参(けんざん)せむ』
094仁王立(にわうだち)になつて怒号(どがう)した。095国治立(くにはるたちの)(みこと)はこの(こゑ)()くより、096たちまち悠然(いうぜん)としてその()出現(しゆつげん)したまうた。097八王(やつわう)大神(だいじん)(こゑ)をふるはしながら、
098『われは盤古(ばんこ)大神(だいじん)大自在天(だいじざいてん)大命(たいめい)(つた)へむために出場(しゆつぢやう)せり。099(なんぢ)はみづから国治立(くにはるたちの)(みこと)(しよう)すれども、100まつたくの偽神(ぎしん)なり。101国治立(くにはるたちの)(みこと)とは国土(こくど)永遠(ゑいゑん)()(まも)るべき神明(しんめい)なり。102かかる天下(てんか)混乱(こんらん)(さい)103(くだ)らぬ迂遠(うゑん)なる(おしへ)をもつて、104(かた)きを()(やす)きにつかむとするは心得(こころえ)がたし。105(なんぢ)(とな)ふる天地(てんち)律法(りつぱう)とはそもそも(なん)ぞ。106陳腐(ちんぷ)固陋(ころう)世迷言(よまひごと)にして唾棄(だき)すべき教理(けうり)なり。107すみやかにこの律法(りつぱう)破壊(はくわい)し、108(なんぢ)はこれより()(くに)(そこ)(くに)に、109(いち)()(はや)退却(たいきやく)せよ。110(まこと)国治立(くにはるたちの)(みこと)は、111大自在天(だいじざいてん)権威(けんゐ)ある神策(しんさく)によつて、112(はじ)めて顕現(けんげん)せむ。113返答(へんたふ)いかに』
114()めよつた。
115 八王(やつわう)大神(だいじん)従臣(じゆうしん)116鬼雲彦(おにくもひこ)尻馬(しりうま)()り、
117(なんぢ)国治立(くにはるたちの)(みこと)(しよう)する偽神(ぎしん)よ。118八王(やつわう)大神(だいじん)教示(けうじ)遵奉(じゆんぽう)せずして、119万一(まんいち)違背(ゐはい)(およ)ばば、120われは竜宮城(りゆうぐうじやう)諸竜神(しよりゆうじん)寸断(すんだん)し、121()高天原(たかあまはら)神司(かみがみ)を、122一柱(ひとはしら)(のこ)らず、123(かたな)(さび)となし、124(しかばね)(やま)(きづ)き、125竜宮海(りゆうぐうかい)()(うみ)(くわ)せしめむ。126返答(へんたふ)いかに』
127()めよつた。128国治立(くにはるたちの)(みこと)以下(いか)諸神司(しよしん)は、129天地(てんち)律法(りつぱう)をみづから(やぶ)るに(しの)びず、130いかなる悪言(あくげん)暴語(ばうご)にも(いか)りをしづめ、131(ひろ)万物(ばんぶつ)(あい)するの律法(りつぱう)遵守(じゆんしゆ)し、132柔和(にうわ)態度(たいど)をもつてこれに(むか)はせ(たま)ふた。
133 されど八王(やつわう)大神(だいじん)(なん)容赦(ようしや)もなく、134つひに一刀(いつたう)()きはなち、135(いま)狼藉(らうぜき)におよばむとするとき、136衆神(しゆうしん)(なか)より突然(とつぜん)(あら)はれたる花森彦(はなもりひこ)は、
137『われはただ(いま)戒律(かいりつ)(やぶ)らむ』
138()ひもはてず、139一刀(いつたう)()きはなち鬼雲彦(おにくもひこ)背部(はいぶ)()りつけた。140なほも(すす)んで八王(やつわう)大神(だいじん)()つてかかるを、141大足彦(おほだるひこ)は、142「しばらく()て」とこれを制止(せいし)した。
143 大足彦(おほだるひこ)一言(いちごん)花森彦(はなもりひこ)(かたな)ををさめ、144(もと)()(ふく)し、145(くちびる)をふるはせ、146心臓(しんざう)をはげしく鼓動(こどう)させ、147顔色(がんしよく)蒼白(さうはく)となつてひかへてゐた。148八王(やつわう)大神(だいじん)はこの(いきほひ)にのまれて、149やや躊躇(ちうちよ)(いろ)()えた。150鬼雲彦(おにくもひこ)背部(はいぶ)負傷(ふしやう)にその()打倒(うちたふ)れ、151(あはれ)みを()ふた。
152 ここに大足彦(おほだるひこ)は、153(くに)真澄(ますみ)(かがみ)取出(とりいだ)し、154八王(やつわう)大神(だいじん)以下(いか)魔軍(まぐん)射照(いてら)した。155たちまち正体(しやうたい)をあらはし、156悪竜(あくりゆう)157悪鬼(あくき)158悪狐(あくこ)姿(すがた)(へん)じ、159自在(じざい)通力(つうりき)をうしなひ、160身動(みうご)きも自由(じいう)ならず一斉(いつせい)(すく)ひを()ふた。
161 この(とき)ふたたび国治立(くにはるたちの)(みこと)あらはれ(たま)ひ、
162()高天原(たかあまはら)天地(てんち)律法(りつぱう)遵守(じゆんしゆ)する、163(ただ)しき(かみ)神集(かむつど)ひに(つど)聖地(せいち)である。164また(ひろ)万物(ばんぶつ)(あい)し、165禽獣(きんじう)虫魚(ちうぎよ)にいたるまで(ころ)さざるをもつて主旨(しゆし)とす。166ゆゑに今回(こんくわい)にかぎり(なんぢ)らの(つみ)(ゆる)し、167生命(せいめい)(すく)ひ、168常世城(とこよじやう)帰城(きじやう)せしむべし。169(なんぢ)らは(いち)()(はや)帰城(きじやう)し、170常世姫(とこよひめ)をはじめ()神司(かみがみ)にわが(むね)(つた)へよ。171(ばう)(むく)いるに(ばう)をもつてせば、172何時(いつ)()世界(せかい)治平(ちへい)ならむ。173(にく)(にく)まれ、174(うら)(うら)まれ、175(ころ)(ころ)され、176(そし)(そし)られ、177()永遠(ゑいゑん)暗黒(あんこく)(ゐき)(だつ)せざるべし。178常世姫(とこよひめ)にして、179わが(おしへ)(こば)まば是非(ぜひ)なし。180常世城(とこよじやう)をすみやかに()(わた)し、181()(くに)182(そこ)(くに)に、183(なんぢ)()退却(たいきやく)せよ。184しからざればやむを()ず、185律法(りつぱう)(やぶ)り、186決死(けつし)神司(かみがみ)をして、187常世姫(とこよひめ)(ほふ)らしめむ』
188との厳格(げんかく)なる神示(しんじ)であつた。
189 ここに八王(やつわう)大神(だいじん)は、190その()(りやう)し、191(あつ)感謝(かんしや)して部下(ぶか)一同(いちどう)とともに、192神国彦(かみくにひこ)(おく)られ常世城(とこよじやう)立帰(たちかへ)り、193国治立(くにはるたちの)(みこと)神示(しんじ)常世姫(とこよひめ)(つた)へた。194常世姫(とこよひめ)()くより打笑(うちわら)ひ、195鼻先(はなさき)(あつか)ひつつあくまで国治立(くにはるたちの)(みこと)対抗(たいかう)し、196大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)以下(いか)神司(かみがみ)(ほろ)ぼし、197ふたたび竜宮城(りゆうぐうじやう)占領(せんりやう)せむと(りき)みかへり、198かつ八王(やつわう)大神(だいじん)不甲斐(ふがひ)なきを慨歎(がいたん)した。
199 八王(やつわう)大神(だいじん)常世姫(とこよひめ)大胆(だいたん)なる魔言(まげん)(うご)かされ、200ふたたび反抗(はんかう)(はた)()げむとし、201魔神(まがみ)(あつ)めて決議(けつぎ)をこらす(をり)しも、202天上(てんじやう)より鋼鉄(まがね)(ほこ)203(むね)をついて(くだ)り、204八王(やつわう)大神(だいじん)(そば)()する鬼雲彦(おにくもひこ)頭上(づじやう)()ち、205即死(そくし)をとげたのである。206これは自在天(じざいてん)より神国彦(かみくにひこ)()かつて()げたのが、207あやまつて鬼雲彦(おにくもひこ)(あた)つたのである。
208 八王(やつわう)大神(だいじん)(おどろ)いて奥殿(おくでん)()()り、209(いき)をこらして(ねずみ)のごとく、210一隅(いちぐう)身慄(みぶる)ひしつつ蹲踞(しやが)んでゐた。
211 このとき、212一天(いつてん)にはかに()れ、213天津(あまつ)()(ひか)(かがや)(わた)るよと()えしとたん、214()高熊山(たかくまやま)巌窟(がんくつ)静坐(せいざ)してゐたのである。215このとき巌上(がんじやう)()せるわが(あし)は、216にはかに苦痛(くつう)をうつたへ、217寒気(かんき)()()るばかりであつた。
218大正一〇・一一・九 旧一〇・一〇 外山豊二録)

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