霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一五章 団子(だんご)理屈(りくつ)〔四〇八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻 篇:第3篇 天涯万里 よみ:てんがいばんり
章:第15章 第9巻 よみ:だんごりくつ 通し章番号:408
口述日:1922(大正11)年02月14日(旧01月18日) 口述場所: 筆録者:森良仁 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年7月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
照彦に憑いた月照彦命は、谷底で淤藤山津見と駒山彦に説教を続けている。駒山彦はそれにいちいち口答えをしていたが、淤藤山津見はじっと聞いていた。
淤藤山津見は足が立つようになった。そして照彦に憑いた神に、教訓への感謝を捧げた。照彦の神は淤藤山津見に、カルの国に一人だけで進んで行くように、と命じた。
淤藤山津見が谷を立ち去ろうとするとき、ちょうど三五の明月が山頂に昇り、谷間を照らし出した。淤藤山津見は月光に力を得て、宣伝歌を歌いながら元来た道を帰って行った。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0915
愛善世界社版:119頁 八幡書店版:第2輯 317頁 修補版: 校定版:125頁 普及版:47頁 初版: ページ備考:
001 三五(さんご)(つき)(のぼ)れども、002(やま)(やま)との谷間(たにあひ)は、003黒白(あやめ)()かぬ(しん)(やみ)004(そら)せまく(つち)(せま)谷底(たにぞこ)に、005三人(さんにん)宣伝使(せんでんし)端坐(たんざ)し、006(くび)ばかり(うご)かし()折柄(をりから)007何処(どこ)ともなく(とら)(おほかみ)(うな)るやうな(こゑ)008木霊(こだま)(ひび)かせ(きこ)(きた)る。
009『ウーオー』
010駒山彦(こまやまひこ)『イヤー(とら)(おほかみ)か、011どえらい(こゑ)(きこ)えて()た。012淤縢山津見(おどやまづみ)さま、013神言(かみごと)でも()げませうか』
014淤縢山津見(おどやまづみ)『ヤー、015仕方(しかた)がない、016神言(かみごと)奏上(そうじやう)しませう』
017照彦(てるひこ)ヽヽ()松魚節(つをぶし)(いた)宣伝使(せんでんし)018なはぬ(とき)神頼(みだの)み、019神言(みごと)でも」とは(なん)だ。020それでも宣伝使(せんでんし)か、021でも宣伝使(せんでんし)022稜威(みいづ)(がや)てる(くに)023(うづ)てるてるはる(やま)(くも)る、024オツトドツコイ淤縢山(おどやま)くもる、025駒山彦(こまやまひこ)(あめ)()らす、026(あめ)(あめ)だが(なみだ)(あめ)だ。027なしさうな(その)(つら)つき、028仮令(たとへ)らだは()(ざき)になつても、029()のためなら、030チツトもまはないと()覚悟(くご)がなくて、031(まこと)(みち)(ひら)けるか、032(だま)のさかしら(だま)033()(こころ)推量(すゐりやう)して()れても()からう。034(すこ)しの艱難辛苦(んなんしんく)()うても、035(しり)(まく)つて(くも)すみと()()宣伝使(せんでんし)036らすのやうな(くろ)(たま)(まこと)()ついで、037勝手(つて)ねつ()(ある)がとう(むし)()が。038てて(くは)へて()()(よこ)さの(みち)(あゆ)みながら、039吾程(われほど)(まこと)(もの)はない、040(まこと)(ひと)つが()(たから)041(まこと)をつくせ、042真心(まごころ)になれと、043たる(ばか)りの宣伝使(せんでんし)
044らすのやうに()ましい蚊々虎(とら)さまの素性(すじやう)()らず、045()(をとこ)(あなど)つて、046(あせ)き、047(はぢ)き、048(しら)き、049かばち(たか)い、050威張(ゐば)りの上手(じやうづ)()使(つか)ひ、051ラと日本(にほん)(いくさ)があるとは、052(なんぢ)らが御魂(みたま)立替(たて)立直(たてなほ)し、053(いま)までの(だま)を、054オツ()()して、055水晶(すゐしやう)生粋(きつすゐ)日本魂(やまとだましひ)立替(たて)へいと(まを)すことだ。056(しま)しいばかりが宣伝使(せんでんし)でないぞ。057改心(いしん)いたせばよし、058どこまでも(わか)らねば、059()はモウ一限(ひとき)りに(いた)すぞよ。060何程(なにほど)()(なが)()でも、061愛想(あいさう)()きて、062欠伸(あくび)()るぞよ』
063駒山彦(こまやまひこ)ヽヽ()はぬ()はぬ、064勘忍(んにん)して(くだ)さいな。065(これ)から改心(いしん)(いた)しますから、066モウ吾々(われわれ)(こと)()()てはして(くだ)さるなよ。067いて(はし)るやうな(つか)まへ(どこ)のない意見(いけん)()かされて、068アヽ()(つら)()だ』
069照彦(てるひこ)ヽヽ貴様(さま)余程(よほど)しぶとい(やつ)070(この)(はう)(まを)すことが()()らぬか。071奇怪千万(つくわいせんばん)駄法螺(だぼら)()(まは)つて、072()()になつて気楽(らく)さうに、073宣伝歌(せんでんか)(うた)ひ、074()まぐれ半分(はんぶん)に、075天下(てんか)(まは)狼狽者(うろたへもの)076気抜()(づら)して、077()()かぬも(ほど)がある。078鬼門(もん)金神(こんじん)(あら)はれて(ぜん)(あく)とを立別(たてわけ)る。079鬼畜(ちく)のやうな、080気違(ちが)(だま)宣伝使(せんでんし)は、081()()(かへ)ツパリと取払(とりはら)ひ、082(ねつ)から(はつ)から()つて(しま)ふぞよ。083貴様(さま)()()らぬは(もつと)もだ。084ひどい気強(づよ)鬼神(じん)のやうな言葉(ことば)(おも)ふであらうが、085よく()()けて(あぢ)はうて()よ。086きくらげのやうな(みみ)では(かみ)(まこと)言葉(ことば)()()れまい。087()()でならぬ(かみ)(むね)088いつまでも()かねば()くやうに(いた)して()かして()せうぞよ。089()ない(こころ)をさつぱり()かして、090(まこと)神心(かみごころ)になり、091万事(ばんじ)(たい)して機転(てん)()かし、092心配(こころくば)り、093気配(くば)りの出来(でき)ぬやうな(こと)では、094()()いた御用(ごよう)到底(たうてい)(つと)まらぬぞよ。095(おも)はず()()らいでも、096()()()せぬ(かみ)言葉(ことば)097(これ)から気張()つて気分(ぶん)(あらた)め、098気不性(ぶしやう)(こころ)立直(たてなほ)し、099気随気儘(ずゐまま)をさらりと()かし、100(かみ)()とに(まこと)(つく)し、101気六()ツかしさうな(おもて)をやはらげ、102(こころ)()めて荒胆(あら)()り、103(おも)はずユウユウ(くる)しまず、104(こころ)()()()め、105(まこと)(かみ)(したが)へば気楽(らく)(みち)(ひろ)まるぞよ。106チリチリと(はこ)さした(やう)()くぞよ。107(かみ)(かさ)()るなよ。108抜刀()刃物(れもの)(なか)()つて()(やう)心持(こころもち)になつて、109油断(ゆだん)(いた)すな。110()まりもなき(かみ)(おん)111(よろづ)罪咎(つみとが)(かみ)(ひか)りに()()せて、112身魂(みたま)(おだや)かに(あらた)まり、113さうした(うへ)(はじ)めて三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)だ。114どうだ、115(わか)つたか』
116駒山彦(こまやまひこ)ヽヽ()()きました。117気張()つて気張()つて(これ)から(はや)改心(かいしん)(いた)します。118(この)気味()(わる)谷底(たにぞこ)で、119奇妙奇天烈(めうてれつ)()()うて()()まされて、120(なん)たるマア()()かぬ(こと)だらう。121(かみ)気勘(かん)(かな)うた(つもり)で、122気張()つて気張()つて心配(こころくば)気配(くば)りして、123此処(ここ)まで(つと)めて()たのに、124(おも)ひがけなき気遣(づか)ひをさされた。125サア、126もうリキリと()りをつけて、127()(みち)(かへ)らうかい。128淤縢山津見(おどやまづみ)さまも(なん)だ、129一体(いつたい)()(ちひ)さい、130おどおどとして(ふる)うて()るぢやないか。131ナント膽玉(もだま)(よわ)(をとこ)だな。132こんな(ところ)長居(ながゐ)をすると、133(さる)小便(せうべん)ぢやないが、134(さき)のことが()にかかるワ』
135淤縢山津見(おどやまづみ)まりの(わる)い、136不気味()(ざま)ツウ(あぶら)(しぼ)られました。137()どいとこまで素破(すつぱ)()かれて、138アー(おれ)()()ぢやないワ。139ドウデ吾々(われわれ)神様(かみさま)()()るやうな宣伝(せんでん)はできては()らぬからなア』
140照彦(てるひこ)ヽヽ苦労(らう)なしの、141(こころ)()暗雲(やみ)宣伝使(せんでんし)
142駒山彦(こまやまひこ)『モシモシ、143()がりにそんな()らぬ(こと)を、144モヽモウ(これ)(らゐ)()めて()さい』
145照彦(てるひこ)()しいか、146苦面(めん)(わる)いか、147()(もの)(ふた)をしたやうに(かく)()てしても、148何程(なにほど)クスネようと(おも)うても、149四十八癖(しじふはち)のあらむ(かぎ)りは(あらた)めてやるぞ。150()らぬ理屈(りくつ)()から出放題(ではうだい)151デとドイ理屈(りくつ)捏並(こねなら)べ、152(ひと)(ちが)へば(ごし)になつて、153一寸(ちよつと)した(こと)でも()にするなり、154()しき(こと)()らずに、155()(ちが)つた御託(ごたく)(なら)()て、156九分九厘(りん)(かへ)るの(かへ)らぬの、157一厘(いちりん)仕組(しぐみ)まなく(さと)つたの、158()()つたのと、159そりや(なん)囈語(たわごと)160()めども()きぬ(かみ)(をしへ)161大空(たい)()(つか)むやうな(つか)まへ(どころ)のない、162駄法螺(だぼら)()いたその(むく)い、163()残念(ざんねん)をコバリコバリ、164(いま)までの取違(とりちが)ひを()(あらた)め、165(おも)はずに(かみ)(ひかり)(あら)はし、166闇黒(らがり)()(てら)し、167また()(はる)(うめ)(はな)168(ひら)(とき)呉々()()つがよいぞよ。169レンと(かへ)(かみ)仕組(しぐみ)170苦労(らう)(はな)(ひら)(かみ)(みち)171()しいことが()りたくば、172()(あらた)めて神心(かみごころ)になれ。173()んでくめるやうに()らして()くぞよ』
174駒山彦(こまやまひこ)ヽヽドしいお説教(せつけう)175モヽ(わか)りました(わか)りました、176結構(けつこう)御座(ござ)います。177(けつ)して(けつ)してモウ(この)(うへ)取違(とりちが)ひは(いた)しませぬ。178何卒(どうぞ)これで()めて()さいませ、179さうして吾々(われわれ)三人(さんにん)身体(からだ)自由(じいう)になるやうにして()さい』
180照彦(てるひこ)ヽヽ結構々々(つこうつこう)とは(なに)結構(つこう)だ。181毛筋(すぢ)横巾(よこはば)(ちが)はぬ(かみ)(をしへ)だ。182決心(つしん)第一(だいいち)だ。183(みち)()してはならぬから、184(かみ)()もない(うち)から()()けるのだ。185怪体(つたい)(こころ)取直(とりなほ)し、186(いた)さず、187神心(かみごころ)になつて()らぬと、188(だもの)身魂(みたま)(だま)されて、189()()まで一本(いつぽん)もないやうにしられるぞよ。190()しき(やま)(のぼ)(くだ)りしながら、191()()いて(きず)(もと)めるやうな(その)()(かた)192従者(らい)()れたり、193(をんな)()れたり、194そんな(こと)(かみ)(をしへ)(ひろ)まるか、195毛虫(むし)よりも(おと)つた宣伝使(せんでんし)
196駒山彦(こまやまひこ)ヽヽ怪体(つたい)なことを()(かみ)だな。197淤縢山(おどやま)さま、198如何(どう)しよう。199(みみ)(いた)くつて、200面白(おもしろ)くもない、201コンナ()()はされやうと(おも)うたら、202宣伝(せんでん)(まは)つて()るぢやなかつたに、203アヽ(なん)宣伝使(せんでんし)(つら)いものぢやなア。204毛色(いろ)(かは)つた照彦(てるひこ)のやうな(をとこ)()るものだから、205コンな怪体(つたい)谷底(たにぞこ)で、206眉毛(まゆ)(よま)れ、207鼻毛(はな)()かれ、208()()まで()かれるやうな、209()しからぬ()()うて、210谷底(たにぞこ)蹴落(おと)されて、211けがしたよりも余程(よほど)つまらぬ()()ふのか。212(まへ)さまは(あたま)坊主(ばうず)だから、213けがなくてよからうが、214駒山彦(こまやまひこ)二進(につち)三進(さつち)もならぬ()()うて、215(こま)()つてゐるワイ』
216照彦(てるひこ)ヽヽ駒山彦(まやまひこ)217(なに)()ふか、218乞食芝居(じきしばゐ)のやうに、219男女(だんぢよ)七人(しちにん)(づれ)にてテと、220此処()彼処(かし)ロツキ(まは)宣伝使(せんでんし)221(かみ)勘忍袋(かんにんぶくろ)(やぶ)れるぞよ。222此世(のよ)(おに)往生(わうじやう)さして、223(かみ)224仏事(ぶつじ)225人民(じんみん)(よろこ)ばす(かみ)(ころ)226()(しの)びのない(ころ)()まらぬ、227(やぶ)宣伝使(せんでんし)(なに)になるか。228(ずゑ)()()(うぐひす)でも、229春夏秋冬(はるなつあきふゆ)はよく()つて()るに、230()へたか、231此方(のはう)()(こと)(わか)つたか。232ツと角張(かくば)つたもの()ひをしたり、233テと小理屈(りくつ)()ねたり、234()()(もの)(せつ)し、235(くだ)らぬ理屈(りくつ)()(まは)し、236(ひと)()まぬ()無理(むり)(すす)め、237()がられて(つよ)(もの)には()(へつら)ひ、238後先(あとさき)真暗(まつくら)(かみ)()らす駒山彦(まやまひこ)宣伝使(せんでんし)239()()(むし)製糞器(せいふんき)240()(かぶ)つた乞食(じき)のやうに、241一寸(ちよつと)苦労(くらう)弱音(よわね)()き、242()()をしぼり、243モウいつあ(かな)はぬ、244宣伝(せんでん)リだと弱気(よわぎ)()したり、245()(かほ)して威張(ゐば)つて(ある)狼狽者(うろたへもの)得手(えて)勝手(かつて)ねつ()くお取次(とりつ)ぎとは、246おどましいぞよ。247(おに)大蛇(をろち)(おほかみ)(おそ)れて、248()()つて跣足(はだし)()げる、249イヤ()げぬ、250(ころ)()こい()(よわ)()(もの)駒山彦(まやまひこ)宣伝使(せんでんし)
251駒山彦(こまやまひこ)ヽヽ(へづ)るない、252ツパリ(わか)らぬ(こと)(しやべ)()らしよつて、253()(わる)いワイ。254逆捻(かねぢ)(おれ)(はう)からちつと(へづ)つてやらうか、255(あま)(しやべ)ると()トンボリを()たねばならぬぞよ。256()にある(こと)世界(せかい)()らす、257三五教(あななひけう)()りのよい流石(すが)宣伝使(せんでんし)だ』
258照彦(てるひこ)ヽヽ()がしいワイ』
259駒山彦(こまやまひこ)『アヽヽ五月蝿(うるさ)いなア、260ツパリ(あぶら)(しぼ)つて(しま)ひよつた。261てもても残念(ざんねん)なことぢや』
262照彦(てるひこ)(これ)からだ。263()河原(かはら)(いし)()む、264()んでは(くづ)()んでは(くづ)()(どく)(しり)(むす)べぬ宣伝使(せんでんし)265(つき)御空(みそら)()(わた)れども、266(こころ)(くら)(たに)(そこ)267足許(あしもと)真暗(まつくら)がりで谷底(たにぞこ)()トンボリを()たねばならぬぞよ。268(かみ)(まを)すことを逆様(かさま)()るとはソリヤ(なん)(こと)269()()へと()らす(かみ)(をしへ)270()()れぬ宣伝使(せんでんし)が、271(かみ)審神(には)するといふ探女(ぐめ)のやうな、272御魂(みたま)(くら)(やつ)273()(をんな)(たましひ)(くさ)らし、274やうやう改心(かいしん)(いた)して俄宣伝使(にはかせんでんし)になつたとて、275ヽそれが(なに)(えら)い。276差添(しぞへ)(たね)ぢやと威張(ゐば)つて()るが、277(なに)()差出(しで)(かみ)か、278イヤ(たぬき)だ。279流石(すが)其方(そなた)(かみ)(まを)(いま)言葉(ことば)280(ゆび)一本(いつぽん)()(こと)出来(でき)まい。281早速(つそく)()いた(くち)(すぼ)まろまいぞよ、282沙汰()(かぎ)りぢや。283タン悪魔(あくま)(とりこ)となつても、284ツチもない(こと)()(ある)き、285()()()りの(わる)二人(ふたり)宣伝使(せんでんし)286(かひこ)ナギのやうに、287一寸(ちよつと)(こと)にもプリンプリン()()(あたま)()り、288盲目(めくら)滅法(めつぱふ)審神(には)(いた)し、289本守護神(ほんしゆごじん)だ、290(せい)副守護神(ふくしゆごじん)だと()(まは)り、291日本御魂(やまとみたま)両刃(もろは)(つるぎ)ツパリ錆刀(びがたな)292()審神者(には)(むか)()ず、293様々(さまざま)曲津(まがつ)(あざむ)かれ、294えらい()にあはされながら、295まだ()()めぬか。296(これ)でも()()()()るか。297()もしい(こころ)だのう。298()ります黄泉彦神(よもつひこのかみ)(まが)使(つかひ)(しん)じ、299よくもよくも(はう)けたものだ。300(いま)かららりと()()りて、301慢心心(まんしんごころ)(あら)()り、302各自(めいめい)(わが)()(かへり)みて、303()(しり)(わら)ひを(いた)すでないぞ。304(はぢ)()されて(あたま)()くより、305(まはし)でもしつかりとかけ。306()ぐな、307(へづ)るな、308()えた(こころ)(もち)(つき)309淤縢山津見(おどやまづみ)310駒山彦(こまやまひこ)311(かみ)(まを)(こと)がチツトは(はら)(はい)つたか』
312駒山彦(こまやまひこ)ヽヽヽぶいワイ。313うかうか()いてをれば面白(おもしろ)くもない、314こんな谷底(たにぞこ)でアイウエオ、315カキクケコの言霊(ことたま)練習(れんしふ)をしよつて、316(あま)馬鹿(ばか)にするない。317言霊(ことたま)なら(おれ)天下(てんか)宣伝使(せんでんし)ぢや、318()けはせぬぞ。319()(こと)はどんな立派(りつぱ)(こと)()つても、320(おこな)ひは照彦(てるひこ)ぢやで、321さう註文(ちうもん)(どほ)りには()くものぢやない。322()()つた(やう)(こと)(ぬか)しよつて、323んぐりせんぐりと、324ヽヽろと()おろしをしやがつて、325つとも(こた)へぬのぢや。326()らぬ(こと)を、327ヽヽ手柄(がら)さうに、328ヽヽ()けやがつて、329ヽヽ(なに)(ぬか)しやがるのだ。330ヽヽ()つたらしい、331ヽヽ()けたやうな(こゑ)で、332ヽヽ()()もないやうな(こと)を、333ヽヽ()()て、334ヽヽ()承知(しようち)せぬワイ。335ヽヽ()ならよいがコンナ(やみ)()に、336ヽヽ悪戯(ざけ)(こと)を、337ヽヽ()のやうに、338ヽヽ()きよつて、339ヽヽ曲津神(がつかみ)()が、340ヽヽみず()が、341ヽヽ()ケラ()が、342ヽヽ盲目(くら)()が、343ヽヽ百舌()親方(おやかた)()が、344ヽヽ八ケ間(かま)しい、345やこしい、346ヽヽ()(こと)ヽヽ()ひよつて、347ヽヽ得体(たい)()れぬ、348ヽヽ黄泉神(もつかみ)()が、349ヽヽ()もない、350ヽヽ理屈(くつ)()ねよつて、351ヽヽ()(もつ)曲津(まがつ)(あつ)めよつて、352ヽヽ連発(んぱつ)する、353ヽヽ()でなしの世迷言(よまひごと)354ヽヽ()りもせぬ、355ヽヽやらしい、356()かない(こと)を、357ヽヽ()()て、358ヽヽー、359モー()ろしい(どころ)か、360かしいワイ。361(ばけ)大蛇(ろち)神憑(かむがかり)()が』
362照彦(てるひこ)ヽヽ』
363駒山彦(こまやまひこ)『またーやつてけつかる。364()つてやらうか、365(らみ)守護神(ゆごじん)()が』
366照彦(てるひこ)ヽヽ思案(あん)して()よ、367(らみ)親方(おやかた)368(ひと)()()毛虫(けむし)駒山彦(こまやまひこ)369執念(ふねん)(ぶか)宣伝使(せんでんし)370修羅(ゆら)(ちまた)()(まよ)ひ、371後先(あとさき)()ずの(こま)つた駒山彦(こまやまひこ)372()られる(こと)(くる)しいか、373()(かみ)随分(ずゐぶん)(くる)しいぞ。374カと正念(しやうねん)()ゑてツカリ()け。375敷島(きしま)大和(やまと)(くに)(かみ)(をしへ)に、376ヽヽ()くものはないぞ。377()曲津(まがつ)(たぶ)らかされ、378(なんぢ)仕態(ざま)何事(なにごと)ぞ。379獅子()380(おほかみ)(やう)(こころ)をもつて、381世界(せかい)人間(にんげん)(たす)けられるか、382至粋至純(すゐじゆん)水晶(すゐしやう)(こころ)になれ。383()(もの)大切(たいせつ)(いた)せよ。384(むつ)かしい説教(せつけう)(いた)すな。385ツカリと(むね)()をあて(かんが)へて()よ。386一度(いちど)()なねばならぬ(ひと)()387()んでも()(とほ)しの霊魂(みたま)(みが)けよ。388屡々(ばしば)(かみ)(さと)せども、389あまり(わか)らぬから(かみ)(びれ)をきらして()るぞよ。390ぶといと()うてもあんまりだ。391()ひには往生(わうじやう)(いた)さねばならぬぞよ。392ミと(かみ)(をしへ)(かんが)へて()よ。393腹帯(はらおび)ツカリ()めて(かか)れよ。394()()(ゆき)()けて世人(よびと)(すく)宣伝使(せんでんし)395()らぬ(こと)()つた(かほ)して、396白々(らじら)しい嘘言(うそ)()くな。397()から()げるやうな法螺(ほら)()くな。398()ると()(こと)(かみ)より(ほか)にないぞよ。399天地(てんち)(こと)如何(どん)(こと)でも()(あか)すとは、400(なん)(ごと)401(こま)つた代物(ろもの)ぢや。402(しわが)(ごゑ)()()てて神言(かみごと)奏上(そうじやう)したとて、403天地(てんち)(かみ)感動(かんどう)(いた)さぬぞよ。404身魂(みたま)(みが)けよ、405身魂(みたま)さへ(みが)けたなら、406円満清朗(ゑんまんせいろう)声音(せいおん)()いて()るぞよ。407()ひて(いや)なものに(すす)めるな。408因縁(いんねん)なきものは時節(せつ)()ねば(みみ)(はい)らぬ。409修身斉家(うしんせいか)410治国平天下(ちこくへいてんか)大道(だいだう)だと(えら)さうに(まを)して()れど、411(わが)()(ひと)つが(をさ)まらぬ、412仕様(やう)もない宣伝使(せんでんし)413(なに)(くる)しうてホと憔悴()れて()るか。414荒魂(あらみたま)(いさ)みを()(おこ)して、415モツト勇気(ゆうき)()さぬかい』
416駒山彦(こまやまひこ)ヽヽツカリ(いた)します。417奥山(おくやま)紅葉(もみぢ)()()()鹿()の、418(こゑ)()(とき)(あは)れなりけり、419だ。420えらい鹿()出会(でくわ)してしかられたものだい』
421淤縢山津見(おどやまづみ)『ヤア、422拙者(せつしや)(あし)()つた、423身体(んたい)自由(じいう)になつた、424大分(だいぶ)(みたま)(みが)けたと()えるワイ。425いやもう(いづ)れの神様(かみさま)(ぞん)じませぬが、426よくもまあ結構(けつこう)教訓(けうくん)()れさせられました。427屹度(きつと)(これ)から(こころ)()()へて、428御神慮(ごしんりよ)のある(ところ)(つつ)しんで遵奉(じゆんぽう)(いた)します』
429駒山彦(こまやまひこ)『ヤア淤縢山(おどやま)さま、430(あし)()ちましたか、431アヽそれは結構(けつこう)だ。432吾々(われわれ)はまだビクとも(いた)しませぬ、433(どう)(すわ)つたものですな』
434貴方(あなた)最前(さいぜん)から()いて()れば一々(いちいち)神様(かみさま)口答(くちごた)へをなさる、435貴方(あなた)発根(ほつこん)からまだ改心(かいしん)出来(でき)()ない。436改心(かいしん)さへ出来(でき)たならば吾々(われわれ)(やう)に、437神様(かみさま)(あし)()たして(くだ)さいませう。438何卒(どうぞ)(はや)屁理屈(へりくつ)()めて改心(かいしん)して(くだ)さい』
439駒山彦(こまやまひこ)ヽヽ改心(いしん)()つたて、440照彦(てるひこ)(やう)(やつこ)さまに()つて()(やう)守護神(しゆごじん)()(こと)が、441如何(どう)して()かれるものか、442神霊(しんれい)正邪(せいじや)賢愚(けんぐ)(おう)じて憑依(ひようい)されるものだ。443大抵(たいてい)(この)肉体(にくたい)標準(へうじゆん)としたら、444()高下(うげ)(わか)るでせう』
445照彦(てるひこ)ヽヽ直様(ぐさま)446淤縢山津見(おどやまづみ)(あし)()つたをきりとして、447カルの(くに)(すす)んで()け。448道伴(みちづ)れは(けつ)してならぬ』
449(あふ)せに(したが)改心(かいしん)(うへ)450直様(すぐさま)(まゐ)ります。451(いま)まではえらい(かんが)(ちが)ひを(いた)して()りました』
452照彦(てるひこ)一時(ひととき)(はや)く、453片時(かたとき)(すみやか)(この)()立去(たちさ)れ』
454駒山彦(こまやまひこ)『アヽ淤縢山(おどやま)さま、455それはあまり得手(えて)勝手(かつて)だ。456自分(じぶん)(あし)()つてよからうが、457吾々(われわれ)(やう)(あし)()たぬ(もの)見捨(みす)てて()つても、458(かみ)(みち)(かな)ひませうか。459朋友(ほういう)難儀(なんぎ)見捨(みす)てて何処(どこ)()くのです。460(かみ)(みち)は、461親切(しんせつ)一等(いつとう)だと()きました。462それでは(みち)(ちが)ひませう』
463照彦(てるひこ)駒山彦(まやまひこ)小理屈(りくつ)()くに(およ)ばぬ、464(はや)()つて()け。465駒山彦(まやまひこ)改心(かいしん)出来(でき)るまで、466此方(のはう)(あぶら)(しぼ)つてやらうかい』
467 淤縢山津見(おどやまづみ)徐々(しづしづ)(この)()()()らむとする(とき)468三五(さんご)明月(めいげつ)山頂(さんちやう)(のぼ)り、469(ほそ)谷間(たにま)皎々(かうかう)(てら)せり。470淤縢山津見(おどやまづみ)(この)月光(げつくわう)(ちから)()471宣伝歌(せんでんか)(うた)ひながら谷道(たにみち)(つた)ひて、472もと()(みち)(くだ)()く。
473大正一一・二・一四 旧一・一八 森良仁録)