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第四章 鬼鼻(きび)団子(だんご)〔四三四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻 篇:第1篇 千軍万馬 よみ(新仮名遣い):せんぐんばんば
章:第4章 鬼鼻団子 よみ(新仮名遣い):きびだんご 通し章番号:434
口述日:1922(大正11)年02月19日(旧01月23日) 口述場所: 筆録者:河津雄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年8月20日
概要: 舞台:常世城 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
松、竹、梅の三姉妹は、常世神王(広国別による影武者)の覚えめでたく、側近く仕えることになった。竹山彦も昇格し、鷹取別と同列の大臣扱いとなった。
松代姫は、ロッキー山に現れた伊弉冊命様を慕って常世国へ宣伝にやってきた、と言うと、常世神王は、伊弉冊命はロッキー山でウラル教を開いたのだ、としたり顔に偽りを言う。
そこへ、ロッキー山の使いとして、美山別と国玉姫がやってきた、という報せが届いた。常世神王は、鷹取別に神使と面会するよう命じると、自分は三姉妹を従えて寝殿に下がって休んだ。
鷹取別、竹山彦、遠山別の三人は神使に面会したが、ロッキー山の伊弉冊命の命令は、松・竹・梅の三姉妹をロッキー山に差し出せ、というものであった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-07-15 18:16:04 OBC :rm1004
愛善世界社版:32頁 八幡書店版:第2輯 401頁 修補版: 校定版:35頁 普及版:14頁 初版: ページ備考:
001 皮膚(ひふ)(なめら)かにして(ゆき)(ごと)く、002(はだ)(やはら)かにして真綿(まわた)(ごと)く、003()(うるほ)(つゆ)(したた)(ごと)く、004(やさ)しみの(なか)何処(どこ)となく威厳(ゐげん)(そな)はる(さん)(にん)(むすめ)005天津(あまつ)乙女(をとめ)再来(さいらい)か、006さては弥生(やよひ)桜花(さくらばな)007臥竜(ぐわりう)(まつ)(ゆき)(たけ)008(うぐひす)(うた)梅ケ香(うめがか)の、009(はる)(ほこり)姉妹(おとどい)の、010(まつ)011(たけ)012(うめ)宣伝使(せんでんし)013四辺(あたり)(まばゆ)銀燭(ぎんしよく)の、014(ひかり)()りて一入(ひとしほ)の、015その(うるは)しさを()へにける。016常世(とこよ)神王(しんわう)()機嫌斜(きげんななめ)ならず、017(さん)(にん)(むすめ)左右(さいう)(すわ)らせ、018満面(まんめん)(ゑみ)(たた)へながら、
019常世神王(広国別)()れば()(ほど)(やさ)しき(をんな)姉妹(きやうだい)()れ、020ウラル(けう)(もつと)(さか)んなる常世(とこよ)(くに)に、021三五教(あななひけう)宣伝(せんでん)せむと、022華々(はなばな)しく(すす)(きた)るその勇気(ゆうき)には(かん)()つたり。023さりながら、024常世(とこよ)(くに)はウラル(けう)(をしへ)(もつ)国是(こくぜ)となす。025万民(ばんみん)これに悦服(えつぷく)し、026その神徳(しんとく)讃美(さんび)渇仰(かつかう)す。027(しか)るに、028主義(しゆぎ)精神(せいしん)(まつた)相反(あひはん)せる三五教(あななひけう)(この)()()くことあらむか、029(たちま)民心(みんしん)離反(りはん)して、030挙国(きよこく)一致(いつち)精神(せいしん)(やぶ)り、031天下(てんか)争乱(そうらん)惹起(じやくき)せむは、032()()るよりも(あきら)かなれば、033常世(とこよ)(くに)三五教(あななひけう)宣伝(せんでん)厳禁(げんきん)せり。034(しか)るに繊弱(かよわ)(をんな)()(もつ)て、035雄々(をを)しくも(わが)(くに)()(きた)宣伝歌(せんでんか)(うた)ふは、036天下(てんか)擾乱(ぜうらん)(もとゐ)(ひら)大罪人(だいざいにん)なれば、037(なんぢ)()姉妹(きやうだい)厳刑(げんけい)(しよ)すべきは、038(ほふ)(さだ)むる(ところ)039さりながら(なんぢ)()姉妹(きやうだい)(さん)(にん)は、040(われ)()危急(ききふ)(すく)ひたる(その)(こう)()で、041今迄(いままで)(つみ)(ゆる)し、042殿内(でんない)一切(いつさい)(まか)せ、043わが身辺(しんぺん)()して、044家事(かじ)万端(ばんたん)業務(げふむ)(つく)さしめむ』
045厳命(げんめい)するにぞ、046松代姫(まつよひめ)莞爾(くわんじ)として、047常世(とこよ)神王(しんわう)(むか)ひ、048(はづ)かしげに(はな)(くちびる)(ひら)き、
049松代姫()有難(ありがた)(おん)(あふ)せ、050世事(せじ)()れざる不束者(ふつつかもの)(わらは)姉妹(きやうだい)を、051(おそ)(おほ)くも殿内(でんない)(とど)めさせ(たま)ふは、052暗中(あんちう)光明(くわうみやう)()053盲亀(もうき)浮木(ふぼく)()へるが(ごと)()光栄(くわうえい)054(つつし)んでお()(いた)します』
055と、056言葉(ことば)(よど)みなく()()てたり。
057竹山彦『ヤア、058(まつ)059(たけ)060(うめ)宣伝使(せんでんし)(さま)061貴女(あなた)(がた)天地(てんち)(ゆる)すべからざる大罪人(だいざいにん)なりしに、062今日(こんにち)只今(ただいま)よりは、063常世(とこよ)神王(しんわう)掌中(しやうちう)(たま)064女御(によご)更衣(かうい)にも、065ずつと(すぐ)れたお局様(つぼねさま)066吾々(われわれ)今後(こんご)貴女(あなた)(さま)()指揮(しき)(あふ)(たてまつ)る。067何分(なにぶん)粗暴(そばう)(きは)まる竹山彦(たけやまひこ)068()遠慮(ゑんりよ)なく宜敷(よろし)()(しか)(くだ)さいませ』
069敬意(けいい)(へう)しける。070鷹取別(たかとりわけ)(はな)をフガフガ()はせながら、
071鷹取別『ヤア、072目出度(めでた)いめでたい、073(いは)(まを)す、074(さん)(にん)のお局様(つぼねさま)075如何(いか)出世(しゆつせ)をしたと()つて、076(はな)(たか)くしてはなりませぬぞ。077(なん)()つても、078常世(とこよ)神王(しんわう)宰相(さいしやう)()鷹取別(たかとりわけ)079如何(いか)勢力(せいりよく)()ればとて、080この鷹取別(たかとりわけ)除外(ぢよぐわい)する(こと)はなりませぬ』
081竹山彦『アハヽヽヽヽ、082ヤア、083今迄(いままで)鷹取別(たかとりわけ)(さま)家来(けらい)となつて()竹山彦(たけやまひこ)084今日(こんにち)より常世(とこよ)神王(しんわう)のお言葉(ことば)()りて、085直々(じきじき)家来(けらい)086最早(もはや)貴下(あなた)臣下(しんか)では御座(ござ)らぬ。087貴下(きか)吾々(われわれ)同僚(どうれう)心得(こころえ)られよ。088()(まを)竹山彦(たけやまひこ)(かほ)真中(まんなか)なるこの(はな)は、089何時(いつ)とはなしに、090ムクムクと(たか)くなつた心持(こころもち)(いた)す。091それに引替(ひきか)へ、092貴下(きか)()(たま)(はな)()かれ、093平素(ひごろ)(はな)鷹取別(たかとりわけ)も、094()(どく)千万(せんばん)095(かき)へたのやうに潰挫(めしや)げて(しま)つて、096両方(りやうはう)頬辺(ほほべた)にひつ()(まを)した。097これからは(はな)低取別(ひくとりわけ)となつて、098今迄(いままで)傲慢(がうまん)不遜(ふそん)態度(たいど)(あらた)められよ。099さてもさても鼻持(はなもち)ならぬ()(かほ)だなア、100ワハヽヽヽヽ』
101 常世(とこよ)神王(しんわう)打解(うちと)(がほ)
102常世神王(広国別)松代姫(まつよひめ)にお(たづ)(まを)したき(こと)がござる。103貴女(あなた)(がた)孱弱(かよわ)(をんな)()(もつ)て、104この常世(とこよ)(くに)宣伝(せんでん)すべく()()でになつたのは、105(なに)(ふか)様子(やうす)御座(ござ)らう。106(つつ)まず(かく)さず(あふ)せられたし。107()くなる(うへ)は、108(なん)(へだ)てもなければ、109(こころ)()きなく事実(じじつ)()べられたし』
110()ひかくる。111松代姫(まつよひめ)言葉(ことば)軽々(かるがる)しく、
112松代姫『ハイ、113(わらは)姉妹(きやうだい)(さん)(にん)(もの)114艱難(かんなん)苦労(くらう)()めて常世(とこよ)(くに)(まゐ)りしは、115()()では御座(ござ)いませぬ。116(おそ)(おほ)くも三五教(あななひけう)守護神(まもりがみ)117(かむ)伊弉冊(いざなみの)(みこと)(さま)118()出神(でのかみ)(さま)119ロッキー(ざん)()れますと(うけたま)はり、120(あと)(した)ひて(まゐ)りました。121(がう)()つては(がう)(したが)へとかや、122(わらは)はこれより三五教(あななひけう)()て、123常世(とこよ)神王(しんわう)(ほう)(たま)ふウラル(けう)帰依(きえ)いたします。124(しか)しながら、125伊弉冊(いざなみの)(みこと)(さま)にも、126()出神(でのかみ)(さま)にも、127矢張(やつぱ)三五教(あななひけう)をお(ひら)きで御座(ござ)いませう』
128遠山別『イヤ、129伊弉冊(いざなみの)大神(おほかみ)130()出神(でのかみ)は、131ロッキー(ざん)宮柱(みやはしら)太敷(ふとし)()てウラル(けう)(ひら)(たま)ふぞ』
132と、133したり(がほ)()()つる遠山別(とほやまわけ)抗弁(かうべん)いと(あや)し。134この(とき)門番(もんばん)蟹彦(かにひこ)は、135(おそ)(おそ)()()(あら)はれ、
136蟹彦鷹取別(たかとりわけ)(つかさ)申上(まをしあ)げます。137唯今(ただいま)ロッキー(ざん)より、138美山別(みやまわけの)(みこと)139国玉姫(くにたまひめ)(とも)に、140()使者(ししや)として()来城(らいじやう)141別殿(べつでん)()休息(きうそく)せられあり。142如何(いかが)(いた)しませうや』
143常世神王(広国別)(われ)(これ)より寝殿(しんでん)()つて休息(きうそく)せむ。144鷹取別(たかとりわけ)よ、145ロッキー(ざん)神使(しんし)御用(ごよう)(おもむき)146しかと(うけたま)はり、147わが(まへ)報告(はうこく)せよ。148(まつ)149(たけ)150(うめ)(さん)(にん)(つぼね)(きた)れ』
151()ひつつ、152常世(とこよ)神王(しんわう)三女(さんぢよ)(とも)寝殿(しんでん)()して悠々(いういう)(すす)()る。153鷹取別(たかとりわけ)蟹彦(かにひこ)(むか)ひ、
154鷹取別(なんぢ)別殿(べつでん)(おい)て、155美山別(みやまわけ)156国玉姫(くにたまひめ)()上使(じやうし)(むか)ひ、157(すみや)かに(この)()()出場(しゆつぢやう)あらむ(こと)申伝(まをしつた)へよ』
158蟹彦委細(ゐさい)承知(しようち)(いた)しました』
159(かほ)()げる途端(とたん)に、160鷹取別(たかとりわけ)(かほ)(なが)め、
161蟹彦『ヤア、162貴方(あなた)(さま)163その(はな)如何(どう)なさいました。164ハナハナ(もつ)合点(がてん)()かぬ(おん)(はな)165一割(いちわり)(たか)鷹取別(たかとりわけ)天狗鼻(てんぐばな)も、166(いま)(ほとん)(かき)へた同様(どうやう)でございますなア。167(あま)慢心(まんしん)(いた)して、168(はな)ばかり(たか)(いた)すと、169(うしとら)金神(こんじん)(あら)はれて、170(はな)捻折(ねじを)つて潰挫(めしや)いで(しま)ふぞよと、171三五教(あななひけう)とやらの(をし)ふるとか()きました。172真実(ほんと)貴方(あなた)(はな)は、173へしやばつて、174(あな)(ろく)()えませぬ。175(はな)(あな)ない(けう)ではございませぬか』
176鷹取別(なに)馬鹿(ばか)(まを)す、177(すみや)かに別殿(べつでん)報告(はうこく)(いた)せ』
178蟹彦『これはこれは、179失礼(しつれい)(いた)しました。180ハナハナ(もつ)不都合(ふつがふ)千万(せんばん)181(ひら)(がに)になつて謝罪(あやま)ります。182何卒(どうぞ)カニして(くだ)さいませ』
183蟹彦(かにひこ)馬鹿口(ばかぐち)(たた)きながら、184この()立出(たちい)独言(ひとりごと)
185蟹彦(なん)だ、186折角(せつかく)美人(びじん)()たから、187このお使(つかひ)(さいはひ)に、188(うつく)しいお(かほ)(をが)みたいと(おも)つて()たのに、189アタ面白(おもしろ)うもない、190鷹取別(たかとりわけ)(つぶ)(づら)や、191照山彦(てるやまひこ)禿頭(はげあたま)()せつけられて、192エエ胸糞(むねくそ)(わる)(こと)だワイ。193(ふた)()には竹山(たけやま)火事(くわじ)のやうに、194ポンポンと()かしよつた鷹取別(たかとりわけ)195(なん)醜態(ざま)だい、196(はなは)(もつ)人気(にんき)(わる)面付(つらつき)だぞ』
197 ()かる(ところ)(あら)はれ()でたる固虎(かたとら)は、
198固虎『オイ、199蟹彦(かにひこ)200(いま)貴様(きさま)(なに)()つて()つたか、201(てん)(くち)あり(かべ)(みみ)だ。202チヤンと(この)固虎(かたとら)さまのお(みみ)這入(はい)つたのだ。203鷹取別(たかとりわけ)(さま)言上(ごんじやう)するから、204覚悟(かくご)(いた)せ』
205蟹彦『ヤアヤア、206痩児(やせご)蓮根(はすね)とは(この)(こと)かい。207固虎(かたとら)()何時(いつ)()にか()きよつて……貴様(きさま)()かねばならぬ(こと)一寸(ちよつと)()かず、208()かいでもよい(こと)はよく()(やつ)だ。209()はねばならぬ(こと)一寸(ちよつと)()()かさず、210()はいでもよい(こと)はベラベラと(しやべ)りたがるなり、211(こま)つた(やつ)だ。212貴様(きさま)鷹取別(たかとりわけ)(さま)()ふなら()つてもいい。213その(かは)りにこの蟹彦(かにひこ)堪忍(かんにん)ならぬ。214貴様(きさま)最前(さいぜん)215中門(なかもん)(そば)で、216(さん)(にん)(むすめ)魔性(ましやう)(をんな)だと()つてゐたであらうがな。217チヤンとこの蟹彦(かにひこ)()いてゐるのだ』
218固虎『オイ、219もうこんな(こと)為替(かはせ)為替(かはせ)だ、220(たがひ)()はぬ(こと)にしようかい。221(また)(くづ)()ると(たがひ)迷惑(めいわく)だからなア』
222蟹彦(ざま)()やがれ、223固虎(かたとら)野郎(やらう)224ガタガタ(ぶる)ひしよつて、225他人(ひと)(のろ)へば(あな)(ふた)つだ。226(ふた)つの(あな)さへ滅茶(めちや)々々(めちや)になつた。227鷹取別(たかとりわけ)(はな)不態(ぶざま)つたら、228()られた醜態(ざま)ぢやありやアしない。229ヤア、230ガタ(とら)231貴様(きさま)()い』
232肩肘(かたひぢ)(いか)らし、233(よこ)(ある)いて別殿(べつでん)(すす)()つた。234蟹彦(かにひこ)235固虎(かたとら)両人(りやうにん)(おそ)(おそ)別殿(べつでん)(すす)()り、236(みぎ)()(もつ)(あたま)幾度(いくど)となく()きながら、
237蟹彦、固虎『これはこれは、238()上使(じやうし)(さま)239(なが)らくお()たせ(いた)しました。240サア、241案内(あんない)(いた)しませう、242奥殿(おくでん)に……』
243()ひながら(さき)()つて()()り、244(あや)しき(あゆ)恰好(かつかう)可笑(をか)しさ。245(こと)蟹彦(かにひこ)(こし)()げ、246(しり)一歩(ひとあし)々々(ひとあし)247プリンプリンと()りつつ()く。248美山別(みやまわけ)249国玉姫(くにたまひめ)悠々(いういう)として奥殿(おくでん)(すす)()り、250正座(しやうざ)()き、
251美山別(みやまわけ)『オー、252常世城(とこよじやう)宰相神(さいしやうがみ)253鷹取別(たかとりわけ)とはその(はう)なるや』
254鷹取別『ハイ、255(あふ)せの(ごと)く、256(われ)鷹取別(たかとりわけ)でございます』
257美山別『ヤア、258貴下(きか)(かほ)如何(いかが)なされた。259(すこ)しく(へん)ではござらぬか』
260鷹取別『ハイ……』
261 竹山彦(たけやまひこ)(うやうや)しく、
262竹山彦『これはこれは()上使(じやうし)(さま)263よく入来(いら)せられました。264今迄(いままで)鷹取別(たかとりわけ)265今日(けふ)よりは(はな)(たか)きを()り、266低取(びくとり)屁茶彦(べちやひこ)改名(かいめい)(いた)しました』
267 鷹取別(たかとりわけ)(はな)をフガフガ()はせながら、268何事(なにごと)()はむとすれども、269声調(せいてう)(みだ)れて()()()ざるぞ(あは)れなる。
270美山別(なに)はともあれ、271伊弉冊(いざなみの)大神(おほかみ)()神勅(しんちよく)272(たしか)(うけたま)はれ。273常世(とこよ)(くに)(わた)(きた)(まつ)274(たけ)275(うめ)宣伝使(せんでんし)は、276(はざま)酋長(しうちやう)春山彦(はるやまひこ)(いへ)隠匿(かくま)はれ()ると()く。277(なんぢ)(すみや)かに捕手(とりて)(つか)はし、278(かれ)(さん)(にん)生擒(いけどり)にして、279(いち)()(はや)くロッキー(ざん)(おく)(きた)れよとの厳命(げんめい)
280(おごそ)かに()(わた)す。281美山別(みやまわけ)言葉(ことば)蟹彦(かにひこ)は、
282蟹彦『モシモシ美山別(みやまわけ)()上使(じやうし)(さま)283その(まつ)284(たけ)285(うめ)(さん)(にん)(すで)にすでに常世(とこよ)神王(しんわう)()居間(ゐま)に……』
286遠山別(とほやまわけ)『シーツ、287蟹彦(かにひこ)288()らざる差出口(さしでぐち)……門番(もんばん)分際(ぶんざい)として(なに)(わか)るか。289(なんぢ)らの口出(くちだし)すべき場所(ばしよ)でないぞ、290退(さが)()らう。291……これはこれは()上使(じやうし)(さま)292鷹取別(たかとりわけ)御覧(ごらん)(とほ)言語(げんご)明瞭(めいれう)()きますれば、293次席(じせき)なる遠山別(とほやまわけ)(かは)つてお()(まを)さむ。294()上使(じやうし)(おもむき)295委細(ゐさい)承知(しようち)(つかまつ)りました。296(いち)(にち)(はや)(さん)(にん)(むすめ)生擒(いけどり)にし、297(とど)(まを)さむ』
298美山別早速(さつそく)承知(しようち)299満足(まんぞく)々々(まんぞく)300大神(おほかみ)におかせられても、301(さぞ)()満足(まんぞく)思召(おぼしめ)すらむ。302さらば(それがし)は、303(いそ)ぎロッキー(ざん)立帰(たちかへ)らむ。304常世(とこよ)神王(しんわう)委細(ゐさい)伝達(でんたつ)あれよ』
305()()て、306数多(あまた)家来(けらい)引連(ひきつ)れ、307馬上(ばじやう)(ゆたか)()られながら、308国玉姫(くにたまひめ)諸共(もろとも)門外(もんぐわい)さして(かへ)()く。309蟹彦(かにひこ)美山別(みやまわけ)(あと)追駆(おつか)けながら、
310蟹彦『モシモシ()上使(じやうし)(さま)311遠山別(とほやまわけ)トツケもない言葉(ことば)(だま)されぬやうになされませや。312(たしか)にこの蟹彦(かにひこ)が、313(なに)カニ承知(しようち)(いた)して()ります』
314と、315皺枯声(しはがれごゑ)(さけ)べども、316(ひづめ)(おと)(さへぎ)られ、317美山別(みやまわけ)(みみ)にもかけず、318(あし)(はや)めて(くも)(かすみ)(かへ)()く。
319大正一一・二・一九 旧一・二三 河津雄録)

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