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第九章 尻藍(しりあゐ)〔四三九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻 篇:第1篇 千軍万馬 よみ(新仮名遣い):せんぐんばんば
章:第9章 尻藍 よみ(新仮名遣い):しりあい 通し章番号:439
口述日:1922(大正11)年02月21日(旧01月25日) 口述場所: 筆録者:桜井重雄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年8月20日
概要: 舞台:目の国の川田の町 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
松・竹・梅の宣伝使は、間の国を立ち出でて、目の国を宣伝しながら、常世の国へ向かって北上していた。
川田の町の十字街で、ばったりと淤縢山津見に出くわした。一同は森の中に行って休息し、そこでこれまでの宣伝の旅について話をしようということになった。
すると、騒々しい物音が聞こえてきた。見ると、宣伝歌を歌う人物が、数百人に取り囲まれている。三姉妹と淤縢山津見は、群集に紛れて様子を見ると、一人の男が小高い巌の上に立って、説教をしている。
群集の中から色黒の大男が現れて、常世城の牛雲別と名乗ると、宣伝使に降伏しろ、と怒鳴りつけた。
宣伝使は牛雲別を上回る大声で、ウラル教徒をしかりつけ、三五教への改心を迫った。その言霊に、牛雲別の手下らは肝をひしがれて、しゃがみこんでしまった。
牛雲別が宣伝使に打ってかかると、宣伝使はひらりとかわして、牛雲別の足をさらえた。牛雲別はもんどりうって倒れてしまった。群集の中から、蟹雲別と名乗るもう一人が宣伝使に打ちかかると、宣伝使は蟹雲別をひっつかんで、牛雲別の上に吊り下げてしまった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-07-15 21:58:47 OBC :rm1009
愛善世界社版:78頁 八幡書店版:第2輯 418頁 修補版: 校定版:82頁 普及版:36頁 初版: ページ備考:
001 一時(ひととき)千金(せんきん)(はな)(はる)002金勝要(きんかつかねの)大神(おほかみ)(おん)分霊(わけみたま)言霊姫(ことたまひめの)(みこと)(しづ)まり(たま)常世国(とこよのくに)003山野(さんや)(あを)春姫(はるひめ)の、004百機(ももはた)千機(ちはた)(おり)()して、005(みどり)(くれなゐ)(しろ)黄色(きいろ)006(はな)()(みだ)百鳥(ももどり)は、007木々(きぎ)(こずゑ)(うた)()ひ、008天津(あまつ)()かげも(うらら)かに、009陽炎(かげろふ)野辺(のべ)()有様(ありさま)は、010大海原(おほうなばら)()ぎたる(なみ)(ごと)くなり。011竜宮城(りうぐうじやう)(すく)はれて、012()出神(でのかみ)諸共(もろとも)に、013琴平別(ことひらわけ)(かめ)()り、014智利(てる)海辺(うみべ)にうかび(あが)りし淤縢山津見(おどやまづみ)は、015朝日(あさひ)智利(てる)秘露(ひる)(くに)016宇都山(うづやま)(たうげ)()()えて、017(あゆ)みもカルの国境(くにざかひ)018御稜威(みいづ)(しる)高照(たかてる)(やま)(くだ)りて、019(かみ)のめぐみも高砂(たかさご)や、020常世(とこよ)(くに)をつなぎつけ、021(ひがし)西(にし)(なみ)(たけ)る、022大海原(おほうなばら)(うか)びたる、023(はざま)』の(くに)一人旅(ひとりたび)024(こころ)(かる)簑笠(みのかさ)の、025盲目(めくら)もひらく『()』の(くに)の、026荒野(あらの)(はら)(をさ)めむと、027草鞋(わらぢ)脚絆(きやはん)扮装(いでたち)に、028(よる)(ひる)との(わか)ちなく、029(めぐ)みの(つゆ)()れながら、030(くさ)(しとね)石枕(いはまくら)031(ほし)のついたる蒲団(ふとん)()て、032山河(やまかは)あれし国原(くにはら)を、033(こころ)(きよ)宣伝歌(せんでんか)034(うた)ひて(すす)雄々(をを)しさよ。035三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)036五六七(みろく)神代(みよ)松代姫(まつよひめ)037(こころ)()ぐなる竹野姫(たけのひめ)038梅ケ香姫(うめがかひめ)夜昼(よるひる)を、039(つゆ)()れつつ(すす)()る。040人足(ひとあし)(しげ)十字街(じふじがい)041川田(かはた)(まち)真中(まんなか)に、042ピタリと(あは)(かほ)(かほ)
043淤縢山津見(おどやまづみ)『ヤア、044貴女(あなた)(うづ)(みやこ)城主(じやうしゆ)045正鹿山津見(まさかやまづみ)(おん)娘子(むすめご)におはさずや。046(かぜ)(にほ)へる梅ケ香(うめがか)の、047(ゆか)しき(あと)(たづ)ねつつ、048()(まち)入口(いりぐち)まで、049スタスタ(すす)()(をり)しも、050町人(まちびと)(うはさ)によれば、051(とし)二八(にはち)二九(にく)からぬ、052十九(つづ)二十(はたち)(うつく)しき(をんな)宣伝使(せんでんし)通過(つうくわ)ありとの女童(をんなわらべ)(ささや)き、053まさしく()姉妹(きやうだい)にめぐり()(とき)こそ(きた)れりと、054(こころ)(こま)(むちう)つて、055(おも)はず駆出(かけだ)膝栗毛(ひざくりげ)056イヤ去年(きよねん)(なつ)057アタルの(みなと)上陸(じやうりく)し、058玉山(たまやま)山麓(さんろく)にてお(わか)(まを)してより淤縢山津見と松竹梅の宣伝使は照山峠の麓で別れた(第9巻第14章「闇の谷底」)のであって、玉山の山麓で松竹梅の宣伝使で別れたのは虎公(志芸山津見)・熊公である(第9巻第22章「晩夏の風」)。このセリフは意味不明。059(なん)便(たよ)りも夏虫(なつむし)の、060(あき)追々(おひおひ)(ちか)づきて、061(あは)れを()ふる(こころ)(さび)しさ。062(おに)をも(ひし)淤縢山津見(おどやまづみ)大丈夫(ますらを)さへも、063かくも(さび)しき(あき)(たび)064紅葉(もみぢ)()りて()鹿(しか)の、065しかとお行方(ゆくへ)(さが)すによしなく、066(こころ)(いろ)紅葉(もみぢ)()る、067智利(てる)山路(やまみち)()()えて、068(はざま)』の(くに)(きた)(をり)しも、069(こころ)(おご)れる鷹取別(たかとりわけ)目付(めつけ)(もの)(とら)へられ、070常世(とこよ)(くに)(おく)られ(たま)ひしと()きたる(とき)のわが(おも)ひ、071隙間(すきま)(かぜ)にもあてられぬ(はな)(つぼみ)(をんな)宣伝使(せんでんし)072秋野(あきの)にすだく(むし)()の、073いとど(あは)れを(もよほ)して、074男泣(をとこな)きにぞ()きゐたる、075(をり)から(ささや)(ひと)(くち)076()(みみ)()つる(とき)(こま)077(はな)姿(すがた)宣伝使(せんでんし)078艶麗(えんれい)まばゆきばかりのやさ姿(すがた)と、079(みち)()きあかす『()』の(くに)の、080(いま)()のあたり(おん)()にかかり、081(うれ)しさ、082(かな)しさ、083(おん)いたはしや、084その御姿(みすがた)のやつれさせ(たま)ふことよ。085(かみ)(おん)()(みち)のためとは()ひながら、086聖地(せいち)ヱルサレムに(おい)神政(しんせい)掌握(しやうあく)(たま)ひし天使長(てんしちやう)087桃上彦(ももがみひこの)(みこと)()娘子(むすめご)雄々(をを)しき(おん)(こころざし)088男子(だんし)としての(われ)()089(じつ)汗顔(かんがん)(いた)りに()へませぬ』
090と、091(さん)(にん)(むすめ)応答(おうたふ)するの(ひま)さへ(あた)へず、092(こころ)のたけをくだくだと、093(しづ)小田巻(おだまき)繰返(くりかへ)すのみ。
094松代姫(まつよひめ)どなたかと(おも)へば淤縢山津見(おどやまづみ)宣伝使(せんでんし)(さま)095(めづら)しい(ところ)(おん)()にかかりました。096(わらは)姉妹(きやうだい)(さん)(にん)は『(はざま)』の(くに)酋長(しうちやう)春山彦(はるやまひこ)(たす)けられ、097照彦(てるひこ)戸山(とやま)津見(づみ)098駒山彦(こまやまひこ)宣伝使(せんでんし)にめぐり()ひ、099(つき)100(ゆき)101(はな)(さん)(にん)春山彦(はるやまひこ)(むすめ)(とも)に、102この『()』の(くに)(すす)()り、103メキシコ(たうげ)山麓(さんろく)にて、104あちらへ一人(ひとり)こちらへ(さん)(にん)(たもと)(わか)ち、105宣伝歌(せんでんか)(うた)ひつつロッキー(ざん)(すす)()かむとする(ところ)でございます。106マアマア()壮健(さうけん)でゐらせられます。107貴下(あなた)(わらは)異郷(いきやう)(そら)(めぐ)()ふことの(うれ)しさ、108(てん)にも(のぼ)心地(ここち)がいたします。109ここは(みち)(うへ)110彼方(あちら)(もり)()つて休息(きうそく)(うへ)ゆるゆるお(はなし)をいたしませうか』
111淤縢山津見『それも(よろ)しからう。112(しか)らば、113あの(もり)目当(めあて)一足(ひとあし)(まゐ)りませう』
114 ここに一男(いちなん)三女(さんぢよ)宣伝使(せんでんし)は、115宣伝歌(せんでんか)(うた)ひながら東北(とうほく)()して(すす)()く。116(なが)春日(はるひ)(はや)西(にし)(かたむ)きて、117四辺(しへん)(きり)(ごと)(もや)(つつ)まれ、118(やみ)(とばり)(おろ)されて四辺(あたり)(くら)く、119千羽烏(せんばがらす)(そら)(つつ)んでカハイカハイと()きわたる。120夕暮(ゆふぐれ)()ぐる(かね)()は、121()(にん)(むね)()ちて(あき)(ゆふべ)寂寥(せきれう)()(せま)る。
122 (はな)姿(すがた)を『()』の(くに)の、123野辺(のべ)にさらすも糸桜(いとざくら)124(こころ)(ほそ)糸柳(いとやぎ)の、125並木(なみき)()うて(すす)()く。126(にはか)前方(ぜんぱう)にあたり、127騒々(さうざう)しき物音(ものおと)(きこ)ゆるにぞ、128()(にん)(おも)はず()ちどまり(みみ)(かたむ)くれば、129宵闇(よひやみ)(そら)(とほ)して(ほそ)篝火(かがりび)(またた)()し、130(たちま)宣伝歌(せんでんか)()にとる(ごと)(きこ)(きた)る。131一同(いちどう)(こゑ)する(かた)()きつけらるる(ごと)(ちか)より()れば、132数百(すうひやく)(にん)()(かこ)まれ、133(なに)(しき)りに()()つるものあり。
134 ()(にん)(ひそか)足音(あしおと)(しの)ばせつつ、135(やみ)(まぎ)れて群集(ぐんしふ)(なか)(まぎ)()み、136よくよく()れば一人(ひとり)(をとこ)137小高(こだか)(いはほ)(うへ)()ちて、138(しき)りに群集(ぐんしふ)(むか)何事(なにごと)()(さと)しゐる。
139 群集(ぐんしふ)(なか)より、140()のクルリとした(はな)(ひだり)(まが)つた、141色黒(いろぐろ)大男(おほをとこ)宣伝使(せんでんし)(むか)ひ、
142牛雲別『ヤイ、143貴様(きさま)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)であらう。144ここは常世(とこよ)神王(しんわう)()領分(りやうぶん)なるぞ。145ウラル(けう)(ほう)じて、146民心(みんしん)統一(とういつ)する神国(しんこく)なるに、147(なんぢ)()(ごと)(あく)宣伝使(せんでんし)148魔術(まじゆつ)使(つか)つて常世(とこよ)(しろ)攪乱(かくらん)し、149鷹取別(たかとりわけ)(つかさ)(たか)(はな)めしやげさせたる悪神(あくがみ)(ほう)ずる宣伝使(せんでんし)であらう。150この(はう)牛雲別(うしくもわけ)(まを)(もの)151(なんぢ)()()らむがために、152常世(とこよ)神王(しんわう)大命(たいめい)(ほう)じて、153三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)捜索(そうさく)()たのだ。154この『()』の(くに)は、155その()(ごと)鷹取別(たかとりわけ)幕下(ばくか)()()156(たか)()157()(ひか)らす(くに)だ。158サア、159その(いはほ)(くだ)つて尋常(じんじやう)(ばく)()け。160もはや(かな)はぬ。161ヂタバタしたとても、162かくの(ごと)数十(すうじふ)(にん)手下(てした)をもつて()(かこ)みたる以上(いじやう)は、163(なんぢ)運命(うんめい)ももはや百年目(ひやくねんめ)164素直(すなほ)降伏(かうふく)いたせ』
165(らい)(ごと)(こゑ)()()げて呶鳴(どな)りゐる。166巌上(がんじやう)宣伝使(せんでんし)は、167(ほとん)(みみ)()れざる(ごと)鷹揚(おうよう)なる態度(たいど)にて、
168蚊々虎『アイヤ、169牛雲別(うしくもわけ)とやら、170よつく()けよ。171(われ)こそは(なんぢ)()(ごと)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)だ。172如何(いか)多勢(たぜい)(たの)(われ)()(かこ)むとも、173(われ)には(ふか)神護(しんご)あり。174(いち)()(はや)()()(みだ)すウラル(けう)()てて、175治国(ちこく)(へい)天下(てんか)惟神(かむながら)大道(たいどう)なるわが(をしへ)()け。176常世(とこよ)神王(しんわう)かれ何者(なにもの)ぞ。177鷹取別(たかとりわけ)かれ何者(なにもの)ぞ。178積悪(せきあく)(むく)い、179神罰(しんばつ)立所(たちどころ)(くだ)つて(はな)(くじ)かれしその(あは)れさ。180()くの(ごと)(かみ)(いまし)めを()けながら、181なほ()(あらた)めずば、182鷹取別(たかとりわけ)臣下(しんか)たる(なんぢ)()鼻柱(はなばしら)183一人(ひとり)(のこ)らず粉砕(ふんさい)()れむぞ。184サア、185わが一言(いちごん)(かみ)言葉(ことば)だ。186(すく)ひの(こゑ)だ。187きくか、188きかぬか、189善悪(ぜんあく)邪正(じやせい)190天国(てんごく)地獄(ぢごく)分水嶺(ぶんすゐれい)191この(いはほ)(ごと)(かた)信仰(しんかう)(もつ)てわが(をしへ)(したが)ふか。192(いな)むに(おい)ては(われ)千変(せんぺん)万化(ばんくわ)神術(かむわざ)によつて、193(なんぢ)()頭上(づじやう)懲戒(ちようかい)(くは)へむ。194(なんぢ)()(うち)195わが言葉(ことば)()()みし(もの)名乗(なの)つて()よ』
196牛雲別(うしくもわけ)雷声(らいせい)数倍(すうばい)せる銅鑼声(どらごゑ)して、197獅子(しし)()ゆるが(ごと)(うな)りゐる。198数十(すうじふ)(にん)手下(てした)は、199この(つよ)言霊(ことたま)(きも)(ひし)がれ、200(みみ)(ふさ)ぎ、201(おも)はず地上(ちじやう)(ちぢ)(しやが)むぞをかしけれ。
202 牛雲別(うしくもわけ)は、
203牛雲別『エヽ面倒(めんだう)なり、204(おも)()れよ』
205()ふより(はや)く、206巌上(がんじやう)羅刹(らせつ)(ごと)相好(さうがう)にて()(あが)り、207鉄拳(てつけん)(かた)め、208宣伝使(せんでんし)面部(めんぶ)()がけて、209(ほね)(くだ)けよとばかり(ちから)()めて(なぐ)りつけむとする。
210 この(とき)(おそ)く、211かの(とき)(はや)く、212宣伝使(せんでんし)飛鳥(ひてう)(ごと)くヒラリと(たい)をかはし、213牛雲別(うしくもわけ)(あし)()をかくるや(いな)や、214牛雲別(うしくもわけ)はモンドリうつて、215さしもに(たか)巌上(がんじやう)より、216大地(だいち)にドツと(ばか)顛落(てんらく)する途端(とたん)に、217(からだ)(おも)みにて(やはら)かき(つち)(なか)頭部(とうぶ)をグサリと()し、218臀部(でんぶ)(てん)にむけ、219花立(はなたて)(ごと)調子(てうし)にて手足(てあし)藻掻(もが)()る。
220 (また)もや群集(ぐんしふ)(なか)より、
221蟹雲別(われ)蟹雲別(かにくもわけ)なり、222わが鉄拳(てつけん)(くら)へ』
223()ふより(はや)く、224拳骨(げんこつ)(かた)めて()つてかかるを、225宣伝使(せんでんし)は、
226蚊々虎『エヽ面倒(めんだう)なり』
227首筋(くびすぢ)(つか)んで、228(ねこ)(ひつさ)げし(ごと)片手(かたて)(つま)んで、229牛雲別(うしくもわけ)(うへ)(むか)つて()(おろ)したり。230牛雲別(うしくもわけ)両足(りやうあし)と、231蟹雲別(かにくもわけ)両足(りやうあし)はピタツと()うて、232ここに面白(おもしろ)軽業(かるわざ)(えん)ぜられたり。233(あたま)(あたま)とは(てん)()に、234(しり)(しり)(むか)(あは)して、235シリ()ひとなりぬ。236流石(さすが)両人(りやうにん)乱暴(らんばう)なる計画(けいくわく)も、237シリ滅裂(めつれつ)となりにける。
238(かみ)(まこと)(みち)取違(とりちがひ)いたすと、239(あたま)(つち)突込(つつこ)んで(あし)仰向(あふむ)けにして、240のたくらねばならぬぞよ』
241との神諭(しんゆ)そのままである。
242 (うし)(かに)との(りやう)雲別(くもわけ)は、243(あたま)(した)()しりの、244()()(あし)()つ、245ドタリと()けて()()ひとなり、246蟹雲別(かにくもわけ)()(あし)となつて大地(だいち)()(まは)可笑(をか)しさ、247(よそ)()()(あは)れなりける次第(しだい)なり。
248大正一一・二・二一 旧一・二五 桜井重雄録)

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