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第三五章 アルタイ(くつ)〔四六五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻 篇:第3篇 邪神征服 よみ(新仮名遣い):じゃしんせいふく
章:第35章 アルタイ窟 よみ(新仮名遣い):あるたいくつ 通し章番号:465
口述日:1922(大正11)年02月27日(旧02月01日) 口述場所: 筆録者:岩田久太郎 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年8月20日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
梅ケ香姫は、酋長の娘・清姫の身代わりとなって、唐櫃に入った。石凝姥神と時公は唐櫃を担いで、村人と共にアルタイ山に向かった。
アルタイ山の山口にさしかかると、にわかに空は黒く曇り、ものすごい山おろしが吹きすさんできた。村人たちはいっせいに逃げ出した。石凝姥神と時公は、近くの茂みに潜んで、様子を窺っている。
するとアルタイ山一帯に青い火がまたたきはじめ、その中でもひときわ大きな火が唐櫃に向かって降りてきた。しかし唐櫃の中から宣伝歌が聞こえてくると、火光は唐櫃の上を回るだけで降りてこない。
宣伝歌がさらに大きくなると、アルタイ山の青火は次第に小さくなって消えていってしまった。唐櫃の上を回っていた大きな青い火光も、西南の方向に逃げていってしまった。
石凝姥神は梅ケ香姫の唐櫃を開け、悪神が逃げ去ったことを告げた。梅ケ香姫は、石凝姥神を蛇掴に擬して、討ってかかる真似をする。石凝姥神は防戦する。
暗闇の中、梅ケ香姫は時公の近くにばったりと倒れた。時公は驚いて、蛇掴に命乞いをする。それを聞いた石凝姥神は、蛇掴の声色を使って時公をからかいだした。
時公は窮地に陥って、石凝姥神や梅ケ香姫の悪口を並べ立て出した。石凝姥神は元の声に戻って時公をたしなめた。
そうこうするうちに夜が明けてきた。見ると、そこら中に鬼の形をした岩石が散乱している。石凝姥神は辺りの岩で石鎚をつくり、鬼の石像を片っ端から打って砕いて回った。不思議にも、鬼の石からは血煙がさかんに噴出した。
すべての鬼の石像の首を落とすと、三人は凱歌を上げながら村に帰ってきた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-07-16 02:22:14 OBC :rm1035
愛善世界社版:270頁 八幡書店版:第2輯 488頁 修補版: 校定版:277頁 普及版:123頁 初版: ページ備考:
001 石凝姥(いしこりどめの)(かみ)002梅ケ香姫(うめがかひめ)二人(ふたり)宣伝歌(せんでんか)に、003酋長(しうちやう)鉄彦(かなひこ)(はじ)一同(いちどう)(もの)は、004やつと安心(あんしん)(むね)()でおろし、005梅ケ香姫(うめがかひめ)意見(いけん)()れ、006清姫(きよひめ)身代(みがは)りをこしらへ、007梅ケ香姫(うめがかひめ)唐櫃(からびつ)(なか)(をさ)めて、008石凝姥(いしこりどめの)(かみ)時公(ときこう)門番(もんばん)唐櫃(からびつ)(かつ)ぎ、009数百(すうひやく)(にん)老若(らうにやく)男女(なんによ)(おく)られて、010アルタイ(さん)山口(やまぐち)にさしかかれば、011(たちま)一天(いつてん)深黒(しんこく)(いろど)られ、012(はげ)しき山颪(やまおろし)岩石(がんせき)()ばさむ(ばか)りに()(すさ)んで()た。013一同(いちどう)(かぜ)(さか)らひながら、014(やうや)くにして山寨(さんさい)(まへ)(すす)()き、015梅ケ香姫(うめがかひめ)(をさ)めたる唐櫃(からびつ)岩窟(がんくつ)(まへ)(しづか)()ゑ、016村人(むらびと)(さき)(あらそ)うて()けつ(まろ)びつ(やみ)山路(やまみち)(くだ)()く。
017 石凝姥(いしこりどめの)(かみ)018時公(ときこう)二人(ふたり)は、019間近(まぢか)(しげ)みの(なか)()(よこ)たへて、020様子(やうす)如何(いか)にと(うかが)()る。021(しばら)くあつてアルタイ(さん)一面(いちめん)に、022大空(おほぞら)(ほし)(ごと)(あを)火光(くわくわう)(またた)(はじ)め、023(なか)より一層(いつそう)(だい)なる松火(たいまつ)(ごと)()は、024ブウンブウンと(うな)りを()てて唐櫃(からびつ)上空(じやうくう)を、025前後(ぜんご)左右(さいう)()(まは)()(まは)(こと)ほとんど一時(ひととき)ばかり、026唐櫃(からびつ)(なか)よりは(かす)かなる宣伝歌(せんでんか)(ひび)いて()る。027この(こゑ)(おそ)れてや、028(だい)なる火光(くわくわう)上空(じやうくう)(まは)るのみにて、029容易(ようい)()りて()ない。
030 数百千(すうひやくせん)(やま)青白(あをじろ)()追々(おひおひ)()()せ、031咫尺(しせき)(べん)ぜざる闇黒(あんこく)(へん)じ、032松火(たいまつ)()追々(おひおひ)(ひかり)(うす)(ちひ)さくなり()く。033宣伝歌(せんでんか)唐櫃(からびつ)(なか)より次第(しだい)々々(しだい)(こゑ)(たか)(きこ)(きた)る。034一塊(いつくわい)()(たちま)上空(じやうくう)()(のぼ)り、035西南(せいなん)(てん)()して(おび)()きつつ()げて()く。
036 石凝姥(いしこりどめの)(かみ)はこの(てい)()(うで)()み、
037石凝姥神『オイ、038時公(ときこう)039(いま)()()たか、040随分(ずゐぶん)立派(りつぱ)なものだのう。041到底(たうてい)アルタイ(さん)でなければ、042コンナ立派(りつぱ)()()(こと)出来(でき)ないぞ』
043時公(ときこう)『ハイ、044ドウも(おそ)ろしい(こと)御座(ござ)いました。045(なん)だか身体(からだ)(ちぢ)かむ(やう)で、046()(あし)(うご)きませぬ』
047石凝姥神()(よわ)(やつ)だなア。048貴様(きさま)一寸(ちよつと)(こゑ)(あて)に、049()苦労(くらう)だが唐櫃(からびつ)のそばへ()つて、050梅ケ香姫(うめがかひめ)はどうして()るか、051調(しら)べて()()れぬか』
052時公『ヘイ、053イイエ、054滅相(めつさう)な、055ドウして(あし)()ちますものか』
056石凝姥神『ソレナラ(おれ)()つて()るから、057貴様(きさま)はここに(かく)れて()れ』
058()つて立上(たちあが)らむとするを時公(ときこう)は、
059時公『モシモシ、060(わたくし)一緒(いつしよ)()れて()つて(くだ)さい。061コンナ(ところ)一人(ひとり)()つとけぼりを()はされては()まりませぬワ』
062石凝姥(いしこりどめ)貴様(きさま)063()(あし)(うご)かぬと()つたぢやないか。064()れて()けと()つた(ところ)で、065(この)(くら)がりに()うてやる(わけ)にも()かず、066仕方(しかた)がない。067マア神妙(しんめう)()つて()るがよい』
068時公『イヤ、069ソレナラ、070()つて()(とも)(いた)します』
071石凝姥神『ナンダ、072なまくらな(やつ)だ、073臆病者(おくびやうもの)だな、074サア()い』
075()()いて、076唐櫃(からびつ)(まへ)(さぐ)りさぐり(すす)()く。077宣伝歌(せんでんか)(こゑ)唐櫃(からびつ)(そと)()(きこ)えてゐる。
078石凝姥(いしこりどめ)『オー、079梅ケ香姫(うめがかひめ)殿(どの)080悪神(あくがみ)()()つた(やう)です』
081()ひながら、082唐櫃(からびつ)(ふた)をパツと()れば、083梅ケ香姫(うめがかひめ)白装束(しろしやうぞく)(まま)(かみ)()(みだ)し、084双刃(もろは)(つるぎ)(やみ)にピカつかせながらスツクと()(あが)り、
085梅ケ香姫『ヤアー、086アルタイ(さん)()(かま)へ、087(ひと)(いのち)(うば)悪神(あくがみ)蛇掴(へびつかみ)088(おも)()れよ』
089矢庭(やには)(こゑ)する(はう)(むか)つて(せま)(きた)(その)権幕(けんまく)に、090時公(ときこう)はキヤツと(さけ)びてその()(たふ)()す。
091石凝姥神『ホー、092梅ケ香姫(うめがかひめ)殿(どの)093(しづ)まりなさい、094拙者(せつしや)石凝姥(いしこりどめ)です。095悪魔(あくま)最早(もはや)西南(せいなん)(てん)(むか)つて()(たま)となり()()りました』
096梅ケ香姫(うめがかひめ)『ヤー、097蛇掴(へびつかみ)098(なんぢ)(わが)宣伝歌(せんでんか)(おそ)れ、099(ふたた)計略(けいりやく)(もつ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)石凝姥(いしこりどめの)(かみ)(いつは)り、100(われ)籠絡(ろうらく)せむとするか。101(おも)()れよ』
102(つるぎ)()(はな)つて、103前後(ぜんご)左右(さいう)()()()()(せま)(きた)る。104石凝姥(いしこりどめ)(あと)しざりしながら、
105石凝姥神『マアマア、106()つた()つた、107本物(ほんもの)だ』
108梅ケ香姫(うめがかひめ)(この)()(およ)んで小賢(こざか)しき(その)()(わけ)109()(みみ)()たぬ』
110白装束(しろしやうぞく)(まま)111石凝姥(いしこりどめ)(むか)つて()つてかかる。112石凝姥(いしこりどめ)()むを()ず、113闇中(あんちゆう)(かす)かに()ゆる(しろ)唐櫃(からびつ)(ふた)()つて梅ケ香姫(うめがかひめ)(やいば)()()め、
114石凝姥神石凝姥(いしこりどめ)石凝姥(いしこりどめ)だ』
115(しき)りに(さけ)ぶ。116梅ケ香姫(うめがかひめ)岩角(いはかど)(つまづ)きバタリとその()(たふ)れたるが、117あたかも時公(ときこう)(たふ)れたる(いつ)(しやく)ばかり(そば)なりしかば、118時公(ときこう)(また)もやキヤツと(こゑ)()て、
119時公『ヘヽ蛇掴(へびつかみ)(さま)120ワヽ(わたくし)時公(ときこう)()(をとこ)御座(ござ)います。121貴方(あなた)のお()きな餌食(ゑじき)()(そな)へに()(もの)122どうぞ(いのち)ばかりは()(たす)(くだ)さいませ。123()()らぬか()りませぬが、124(じつ)(ところ)白状(はくじやう)(いた)しますれば、125清姫(きよひめ)ではなくて、126なんでも()()()のついた風来者(ふうらいもの)乞食姫(こじきひめ)御座(ござ)います。127(しか)()つてみな(あぢ)(わか)りませぬ。128()()らねば、129(また)明日(あす)(ばん)本真物(ほんまもの)()つて()ます。130(これ)でよければ、131どうぞ辛抱(しんばう)して、132(わたくし)はお(たす)(くだ)さいなー』
133 石凝姥(いしこりどめ)暗中(あんちう)より、
134石凝姥神『ホー、135時公(ときこう)(やつ)136不埒(ふらち)千万(せんばん)な、137(その)(はう)清姫(きよひめ)身代(みがは)りを()つて()たなア。138身代(みがは)りで()むものなら、139(をとこ)でも(をんな)でもかまはぬ。140この梅ケ香姫(うめがかひめ)スツぱくて(この)(はう)(くち)()はぬ。141貴様(きさま)(にく)はポツテリ()えてウマさうだから、142これから貴様(きさま)()馳走(ちそう)にならうかい』
143時公(ときこう)『ソヽヽヽヽそれは(ちが)ひます、144そんな約束(やくそく)ぢやなかつたに、145マヽ()つて(くだ)さいませ。146()はれる(この)()(いと)はねども、147(うち)(のこ)つた女房(にようばう)(さぞ)(なげ)(こと)御座(ござ)いませう。148(いのち)ばかりはお(たす)(くだ)さいませ。149アヽ、150こんな(こと)になると()つたら、151三五教(あななひけう)奴乞食(どこじき)(やう)な、152石凝姥(いしこりどめ)とやらの()(こと)()くぢやなかつたのに、153(これ)から彼奴(あいつ)(わたくし)(たひら)げて、154貴方(あなた)(うらみ)()らしますから、155どうぞお(たす)けを(ねが)ひます』
156 梅ケ香姫(うめがかひめ)(くら)がりより、
157梅ケ香姫『ホヽホヽホヽ』
158時公(ときこう)『なんだ、159アタいやらしい。160ホヽホヽ(どころ)かい、161(いま)()はれかけて()るとこぢや。162(まへ)替玉(かへだま)で、163蛇掴(へびつかみ)(さま)のお()()らぬとて、164(たす)かつて(うれ)しからうが、165(おれ)()にもなつて()たがよい。166千騎(せんき)一騎(いつき)背中(せなか)(はら)()へられぬ、167(くる)しい場合(ばあひ)になつて()るのに、168(ひと)(たす)ける宣伝使(せんでんし)(わら)ふと()(こと)があるものか。169馬鹿(ばか)にするない。170もう()うなつては(やぶ)れかぶれだ。171(おれ)()はれる(まへ)貴様(きさま)(いのち)()つて腹癒(はらい)せをしてやらう』
172梅ケ香姫『ホヽホヽホヽ、173時公(ときこう)さま、174貴方(あなた)(くち)ばつかり()達者(たつしや)ですなア、175()手足(てあし)(うご)きますか』
176時公『ウヽ(うご)かいでかい、177(うご)かして()せてやらう、178かう()えても、179もとは時野川(ときのがは)()つて、180小角力(こずまふ)(ひと)つもとつた(もの)だ。181乞食(こじき)(をんな)阿魔女(あまつちよろ)()(なに)(ぬか)しよるのだ。182それにつけても石凝姥(いしこりどめ)(やつ)183(えら)さうな法螺(ほら)ばかり()きよつて(くも)(かすみ)()げて仕舞(しま)ひよつた。184どうせ三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(ろく)(やつ)があるものか。185ほんたうにドエライ()()はせよつたワイ』
186 石凝姥(いしこりどめ)(つく)(ごゑ)をして、
187石凝姥神『コラコラ時公(ときこう)188頬桁(ほほげた)()ぎるぞ。189(した)から()かうか』
190時公(ときこう)(した)からも(うへ)からもありませぬ。191(わたくし)(やう)(ほね)(かた)(あぢ)のないものを()つた(ところ)で、192(むね)(わる)くなるばかりです。193梅ケ香姫(うめがかひめ)よりもう一段(いちだん)()()い、194(すゐ)(をとこ)(うち)(かかあ)(まを)します』
195石凝姥神『その()(やつ)()つて()たいのだ』
196時公矢張(やつぱ)(うそ)です、197()(やつ)梅ケ香姫(うめがかひめ)
198 石凝姥(いしこりどめ)(もと)(こゑ)になつて、
199石凝姥神『オイ時公(ときこう)200随分(ずゐぶん)(おれ)悪口(わるぐち)をよく(さへづ)つたなア。201とうの(むかし)蛇掴(へびつかみ)はアーメニヤの(はう)()げて仕舞(しま)つたよ。202最前(さいぜん)から蛇掴(へびつかみ)()つたのは、203(くら)がりを(さいは)ひ、204(おれ)(ひと)貴様(きさま)(きも)(こころ)善悪(ぜんあく)調(しら)べて()たのだ。205貴様(きさま)はまだまだ改心(かいしん)出来(でき)()らぬワイ』
206時公『ハイハイ、207ほんま(もの)ですか。208ほんま(もの)なら(いま)から改心(かいしん)いたしますから(ゆる)して(くだ)さいな』
209石凝姥神蛇掴(へびつかみ)肉体(にくたい)()()つたが、210(その)(れい)(おれ)(うつ)つて、211貴様(きさま)()へと()ふのだ。212(かなら)石凝姥(いしこりどめ)(おに)(やう)(やつ)(うら)めて()れなよ。213(おれ)(うつ)つた(ふく)守護神(しゆごじん)が、214貴様(きさま)をこれから()ふのだよ』
215時公『あなた、216そんな殺生(せつしやう)(ふく)守護神(しゆごじん)(いな)して(くだ)され』
217梅ケ香姫(うめがかひめ)『ホヽホヽホヽ』
218時公(ときこう)『コレコレ梅ケ香(うめがか)さま、219(たび)道連(みちづ)()(なさけ)だ。220かうして(さん)(にん)この深山(しんざん)()()たのも(ふか)因縁(いんねん)があつての(こと)でせう。221貴女(あなた)宣伝使(せんでんし)なら、222あの(ふく)とか(しゆ)とか()ふものを(いな)して(くだ)さいな』
223梅ケ香姫『ホヽホヽホヽ』
224石凝姥(いしこりどめ)『アハヽヽヽヽ、225(うそ)(うそ)だ』
226時公(ときこう)『ウヽ、227ウヽソウですか』
228石凝姥神洒落(しやれ)(どころ)でないワイ。229もう()()ける、230サアサア支度(したく)支度(したく)だ。231梅ケ香(うめがか)(さま)232貴女(あなた)(をんな)(こと)だから、233(この)唐櫃(からびつ)にお這入(はい)りなさい。234(わたくし)時公(ときこう)(かつ)いで(かへ)ります』
235時公(かつ)げと()つたつて(こし)()けて(かつ)げませぬ』
236 かくする(うち)237東雲(しののめ)(そら)(くれなゐ)(てう)し、238あたりはホンノリと()(はな)れた。239()れば(あた)りには大小(だいせう)(おに)(かたち)したる岩石(がんせき)が、240そこら一面(いちめん)散乱(さんらん)して()る。241石凝姥(いしこりどめの)(かみ)(あた)りの手頃(てごろ)細長(ほそなが)岩片(がんぺん)(ひろ)ひ、242(これ)(いき)()きかけ頭槌(くぶつち)(つく)り、243(おに)化石(くわせき)(かた)(ぱし)より(あたま)()がけて(たた)()れば、244不思議(ふしぎ)や、245(その)(いし)よりは(きり)(ごと)く、246血煙(ちけむり)(さか)んに噴出(ふんしゆつ)す。247幾十百(いくじふひやく)とも(かぎ)りなき(おに)化石(くわせき)(ひと)つも(のこ)らず(くび)()り、248ここに(さん)(にん)悠々(いういう)として(やま)(くだ)り、249(ふたた)鉄谷村(かなたにむら)酋長(しうちやう)鉄彦(かなひこ)家居(いへゐ)をさして悠然(いうぜん)として凱歌(がいか)をあげて(かへ)(きた)る。
250大正一一・二・二七 旧二・一 岩田久太郎録)

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