霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 波斯(フサ)(うみ)〔五二八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第13巻 如意宝珠 子の巻 篇:第1篇 勝利光栄 よみ:しょうりこうえい
章:第2章 第13巻 よみ:ふさのうみ 通し章番号:528
口述日:1922(大正11)年03月16日(旧02月18日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年10月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
黄泉島の沈没により、波斯の海面は水かさが増し、低地は冠水してしまった。波斯の港に向かう鶴山丸には、日の出別命をはじめ、ほかにウラル教の宣伝使らが数名乗り込んでいた。
ウラル教の宣伝使たちは、竜宮島に渡って三年間宣教を行ったが、竜宮島の司である三五教の飯依彦の堅固さに打ち破れず、すごすごと帰ってきたのであった。
一同は、この失敗をどうアーメニヤに復命したものかと、思い悩んでいる。
突然、鶴山丸は暴風怒涛に襲われ、船は沈没するかと見えた。しかし三五教の日の出別命は、ウラル教の宣伝したちに、正しい道に立ち返るように呼びかける宣伝歌を歌った。すると、暴風はたちまち鎮まった。
ウラル教宣伝使のリーダー・岩彦は、仲間の梅彦、音彦、亀彦、駒彦、鷹彦に、なんとか三五教の宣伝使を打ち負かそうと案を募るが、亀彦や梅彦は、三五教の神力に降伏して向こうの弟子になろう、と言い出す。
三五教の宣伝使とあくまで戦うのか、降伏するのか、一同が思案しているところへ、またしても暴風雨がやってきた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm1302
愛善世界社版:33頁 八幡書店版:第3輯 43頁 修補版: 校定版:33頁 普及版:12頁 初版: ページ備考:
001()常暗(とこやみ)となり()てて
002山川(やまかは)どよみ草木(くさき)()
003叢雲(むらくも)四方(よも)(ふさ)がりて
004黒白(あやめ)()かぬ(やみ)()
005(くま)なく(てら)朝日子(あさひこ)
006()()(わけ)(かみ)御子(みこ)
007天教山(てんけうざん)()れませる
008木花姫(このはなひめ)御教(みをしへ)
009曲津(まがつ)(たけ)小亜細亜(せうアジア)
010(うはさ)(たか)きアーメニヤの
011(しこ)魔神(まがみ)()くひたる
012(みやこ)(そら)(てら)さむと
013(かみ)御言(みこと)(かしこ)みて
014(あめ)()(かみ)(くに)にます
015(かみ)(をしへ)真名井河(まなゐがは)
016目無堅間(めなしかたま)(ふね)()
017西(にし)西(にし)へと印度洋(いんどやう)
018(なみ)(わた)りて(つる)(しま)
019(つる)(みなと)(あと)にして
020波斯(ペルシヤ)(うみ)にぞ()きにける。
021 (つる)(みなと)よりは、022数十人(すうじふにん)乗客(じやうきやく)(くは)はつた。023黄泉島(よもつじま)沈没(ちんぼつ)()りて、024波斯(ペルシヤ)海面(かいめん)は、025(にはか)水量(みづかさ)まさり、026海辺(かいへん)低地(ていち)(ほとん)沈没(ちんぼつ)(やく)()ひたりと()ふ。
027 ()()(まる)より乗替(のりか)へたる鶴山丸(つるやままる)船中(せんちう)には()出別命(でわけのみこと)(はじ)め、028ウラル(けう)宣伝使(せんでんし)数名(すうめい)これに乗込(のりこ)んで()る。029(ひる)とも(よる)とも区別(くべつ)()かぬ薄暗(うすぐら)海面(かいめん)を、030船脚(ふなあし)(おそ)なめくぢ(ごと)(すす)()く。
031(かふ)吾々(われわれ)()うやつて、032ウラル(けう)宣伝使(せんでんし)として竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)(わた)り、033(ほとん)三年(さんねん)になつた。034(しか)(なが)(ひと)(じま)守護神(しゆごじん)なる飯依彦(いひよりひこ)は、035中々(なかなか)信神(しんじん)堅固(けんご)宣伝使(せんでんし)であるから、036吾々(われわれ)折角(せつかく)目的(もくてき)も、037(ほとん)黄泉島(よもつじま)のやうに(みづ)(あわ)()えて(しま)つた。038アーメニヤへ(かへ)つて、039どう復命(ふくめい)したら()からうか、040それ(ばか)りが心配(しんぱい)になつて、041(いぬゐ)()して(かへ)るのも、042(なん)とはなしに(かげ)(うす)(やう)気分(きぶん)がするではないか』
043(おつ)吾々(われわれ)はウラル(けう)宣伝使(せんでんし)としての力限(ちからかぎ)りベストを(つく)したのだから、044この(うへ)(なん)()つたつて仕方(しかた)がないではないか』
045(かふ)仕方(しかた)がないと()つた(ところ)で、046敵国(てきこく)使(つかひ)して、047君命(くんめい)(はづかしめ)ると()(こと)は、048(ひと)としてのあまり名誉(めいよ)でもあるまい。049(いは)んや特命(とくめい)()けて、050しかも吾々(われわれ)六人(ろくにん)051東西(とうざい)南北(なんぽく)より(ひと)(じま)包囲(はうゐ)攻撃(こうげき)して、052(ただ)一人(いちにん)飯依彦(いひよりひこ)に、053(はた)()いて、054予定(よてい)退却(たいきやく)をすると()(こと)は、055あまり立派(りつぱ)成功(せいこう)でもあるまい。056こりや、057(なん)とかして(ひと)つの土産(みやげ)()つて(かへ)らなくては、058ウラル(ひこ)(さま)(たい)して申訳(まをしわけ)がないぢやないか』
059(へい)『オイ岩彦(いはひこ)060(まへ)はアーメニヤを出立(しゆつたつ)する(とき)には、061どうだつたい。062(いは)より(かた)岩彦(いはひこ)が、063言霊(ことたま)(もつ)黄泉島(よもつじま)(またた)(うち)に、064言向和(ことむけやは)すと、065傍若無人(ばうじやくぶじん)言挙(ことあげ)し、066非常(ひじやう)にメートルを()げて()つたぢやないか、067その(とき)吾輩(わがはい)が、068貴様(きさま)不成功(ふせいこう)(おれ)天眼通(てんがんつう)(あきら)かにメートルと()つたのを(おぼ)えてるだろう』
069岩彦(いはひこ)『ソンナ()んだ()(とし)()(やう)(こと)()つて、070愚痴(ぐち)るない。071過越(すぎこし)苦労(くらう)は、072三五教(あななひけう)ぢやないが、073大々的(だいだいてき)禁物(きんもつ)だ。074よく(かんが)へて()よ、075数百日(すうひやくにち)(あひだ)076(あま)()はビシヤツと(しま)つて、077昼夜(ちうや)暗黒(あんこく)()つてもよい(くらゐ)だ。078()()079()(いり)区別(くべつ)(わか)らず、080吾々(われわれ)がアーメニヤを出発(しゆつぱつ)した(とき)は、081(あさ)清鮮(せいせん)()(ただよ)ひ、082東天(とうてん)には五色(ごしき)幔幕(まんまく)(かざ)られて、083そこから金覆輪(きんぷくりん)太陽(たいやう)(あら)はれ、084夕方(ゆふがた)になれば、085瑪瑙(めなう)(やう)(くも)連峯(れんぽう)西天(せいてん)(かがや)き、086昼夜(ちうや)区別(くべつ)(じつ)判然(はんぜん)したものであつた。087(しか)るに(ひと)(じま)上陸(じやうりく)した(ころ)から、088日々(ひび)(くも)とも(きり)とも(もや)ともたとへ(がた)なき陰鬱(いんうつ)なものが、089天地(てんち)閉塞(へいそく)して、090(とき)(かま)はず()(ふる)ひ、091悪魔(あくま)出没(しゆつぼつ)し、092如何(いか)にウラル(けう)体主霊従(たいしゆれいじう)宣伝使(せんでんし)でも、093一歩(いつぽ)(いな)百歩(ひやつぽ)(ゆづ)らねばならないと()惨酷(みぢめ)()(なか)に、094どうして完全(くわんぜん)宣伝(せんでん)出来(でき)るものか、095如何(いか)智仁勇(ちじんゆう)兼備(けんび)勇将(ゆうしやう)でも時節(じせつ)(ちから)には到底(たうてい)(かな)はない、096ナア梅彦(うめひこ)………』
097 ()(はな)(をり)しも、098(にはか)()(きた)颶風(ぐふう)(ひびき)099(とら)(ぎん)(りう)(をど)るが(ごと)く、100激浪(げきらう)怒濤(どたう)(しろ)(たてがみ)(ふる)つて、101船体(せんたい)()みつき(はじ)めた、102(ふね)上下(じやうげ)左右(さいう)(あや)しき物音(ものおと)()て、103動揺(どうえう)(はげ)しく、104(なみ)(なみ)との山岳(さんがく)谷間(たにま)を、105(うき)(しづ)みつ、106(ただよ)ひながら西北(せいほく)()して(すす)()く。107(やみ)(とばり)(おろ)されて、108黒白(あやめ)()かぬ(しん)(やみ)109(たちま)暗中(あんちう)より暴風(ばうふう)怒濤(どたう)(こゑ)(あつ)して、110宣伝歌(せんでんか)(きこ)()たりぬ。
111(かみ)(おもて)(あら)はれて
112(ぜん)(あく)とを立別(たてわ)ける
113ウラルの(ひこ)やウラル(ひめ)
114コーカス(ざん)(あら)はれて
115この()(あざむ)(かみ)(みや)
116太敷(ふとしき)()てて三柱(みはしら)
117皇大神(すめおほかみ)(いつ)きしは
118(むかし)(ゆめ)となりはてて
119(いま)(わづか)美山彦(みやまひこ)
120国照姫(くにてるひめ)曲神(まがかみ)
121守護(まもり)(かみ)となぞらへ
122常世(とこよ)(くに)打渡(うちわた)
123随従(みとも)(かみ)海原(うなばら)
124(なみ)(ただよ)(ひと)(じま)
125(たから)(しま)出立(いでた)たせ
126(やま)尾上(をのへ)(かは)()
127(くま)なくあさりてウラル(けう)
128(かみ)(をしへ)(ことごと)
129()(ひろ)めむと村肝(むらきも)
130(こころ)をつくしの甲斐(かひ)もなく
131黄泉(よもつ)(しま)のその(ごと)
132(あわ)()えたる(あは)れさよ
133高天原(たかあまはら)()れませる
134神伊弉諾(かむいざなぎ)大神(おほかみ)
135神言(みこと)のままに花蓮草(はなはちす)
136(をしへ)(ひら)天教山(てんけうざん)
137(かみ)聖地(せいち)(あと)にして
138()()御船(みふね)()(まか)
139津軽(つがる)海峡(かいけふ)(あと)にして
140(あめ)真名井(まなゐ)(なみ)()
141やうやう(ここ)印度(つき)(うみ)
142(ふか)(めぐみ)をかかぶりつ
143()さへ芽出度(めでた)(つる)(しま)
144(まつ)神代(かみよ)(ちな)みたる
145(つる)(みなと)船出(ふなで)して
146いよいよここに波斯湾(ペルシヤわん)
147(すす)(きた)れる折柄(をりから)
148(おも)ひもかけぬウラル(ひこ)
149(かみ)(をしへ)宣伝使(せんでんし)
150岩彦(いはひこ)梅彦(うめひこ)あと四人(よたり)
151如何(いか)なる(かみ)経綸(けいりん)
152鶴山丸(つるやままる)(きやく)となり
153一蓮托生(いちれんたくしやう)(なみ)(うへ)
154なみなみならぬ大神(おほかみ)
155(こころ)(そら)()(くも)
156あゝ岩彦(いはひこ)梅彦(うめひこ)
157天教山(てんけうざん)()れませる
158木花姫(このはなひめ)御教(みをしへ)
159四方(よも)(つた)ふる宣伝使(せんでんし)
160()出神(でのかみ)分霊(わけみたま)
161豊栄(とよさか)(のぼ)朝日子(あさひこ)
162()()(わけ)神司(かむつかさ)
163(いよいよ)フサの(くに)()して
164(すす)むもしらに退(しりぞ)くも
165はや白波(しらなみ)のこの首途(かどで)
166天津(あまつ)御空(みそら)(なが)むれば
167(すみ)(なが)せる(ごと)くなり
168大海原(おほうなばら)(なが)むれば
169(どろ)(なが)せる(ごと)くなる
170この(なみ)()にめぐり()
171(いづ)(みたま)宣伝使(せんでんし)
172岩彦(いはひこ)梅彦(うめひこ)(はじ)めとし
173此処(ここ)()うたは優曇華(うどんげ)
174(はな)()(はる)引合(ひきあは)
175皇大神(すめおほかみ)神言(みこと)もて
176()()(わけ)詳細(まつぶさ)
177()言霊(ことたま)のその呼吸(いき)
178(なれ)(みたま)(あら)へかし
179天真名井(あめのまなゐ)五十鈴(いそすず)
180言霊(ことたま)(あら)都牟刈(つむがり)
181太刀(たち)(きよ)めて曲津見(まがつみ)
182()(はら)らかし(うち)きため
183(かみ)(こころ)(かへ)りなば
184如何(いか)浪風(なみかぜ)(たけ)くとも
185(しこ)(たけ)びの(あら)くとも
186(なに)(おそ)れむ(かみ)(くに)
187あゝ岩彦(いはひこ)梅彦(うめひこ)
188(こころ)雲霧(くもきり)吹払(ふきはら)
189(あま)(いは)()押開(おしひら)
190直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
191この()(みだ)曲神(まがかみ)
192(しこ)言霊(ことたま)()(なほ)
193この天地(あめつち)(くに)(おや)
194国治立(くにはるたち)のしろしめす
195(うづ)御国(みくに)楽園(らくゑん)
196(かみ)御国(みくに)()(ひと)
197いかで(こころ)(けが)さむや
198瀬織津姫(せおりつひめ)大神(おほかみ)
199汚穢(けがれ)曲事(まが)()(きよ)
200(しほ)八百路(やほぢ)八潮路(やしほぢ)
201秋津(あきつ)(ひめ)許々多久(ここたく)
202(つみ)(けがれ)可々(かか)()みて
203(くも)りを()らせ天地(あめつち)
204(かみ)(こころ)(かな)へかし
205あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
206御霊(みたま)幸倍(さちはへ)坐世(ましませ)
207嗚呼(ああ)惟神(かむながら)々々(かむながら)
208御霊(みたま)幸倍(さちはへ)坐世(ましませ)よ』
209(うた)(をは)るや、210さしもに(たけ)暴風(ばうふう)激浪(げきらう)も、211(ぬぐ)ふが(ごと)くに(しづ)まり、212海面(かいめん)(たたみ)(ごと)く、213魚鱗(ぎよりん)(なみ)(うか)ぶるに(いた)りけり。
214 船中(せんちう)人々(ひとびと)は、215この(こゑ)(おどろ)いて一言(いちごん)(はつ)()ず、216()出別命(でわけのみこと)神徳(しんとく)驚嘆(きやうたん)()(みは)るのみ。217岩彦(いはひこ)小声(こごゑ)にて、
218『オイ梅彦(うめひこ)219音彦(おとひこ)220亀彦(かめひこ)221大変(たいへん)ぢやないか、222エライ(やつ)()つて()て、223吾々(われわれ)非常(ひじやう)鉄槌(てつつい)()はしよつたぢやないか、224(むか)ふは一人(ひとり)225此方(こつち)宣伝使(せんでんし)半打(はんダース)()つて、226衆人(しうじん)環視(くわんし)(まへ)でコンナ神力(しんりき)()せられては、227ウラル(けう)薩張(さつぱ)顔色(がんしよく)なしだよ。228ナントか(ひと)つ、229復讐(ふくしう)()らなくては、230失敗(しつぱい)(うへ)失敗(しつぱい)ぢやないか。231()出別(でわけ)とか()三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)が、232フサの(くに)へでも(あが)つたが最後(さいご)233あの(いきほひ)でアーメニヤの神都(しんと)進撃(しんげき)されようものなら大変(たいへん)だぞ』
234亀彦(かめひこ)『さうだなア、235コラこの(まま)放任(はうにん)して()(わけ)には()かない。236(まへ)吾々(われわれ)一行(いつかう)(うち)での、237チャーチャー(教師(けうし)先生(せんせい)())だから、238(なん)とか()御託宣(ごたくせん)でも宣示(せんじ)して()れさうなものだ』
239岩彦(いはひこ)(わけ)()らずに、240(つばめ)親方(おやかた)のやうにチャーチャ()ふものじやないワ。241マアこの先生(せんせい)妙案(めうあん)奇策(きさく)聴聞(ちやうもん)しろ』
242亀彦(かめひこ)『ヘン、243えらさうに仰有(おつしや)りますワイ、244目玉(めだま)白黒(しろくろ)さしてその容子(ようす)(なん)だ。245(かに)(やう)(あわ)()いて、246大苦悶(だいくもん)のていたらく、247身魂(みたま)基礎(どだい)がグラついて()るから、248どうして妙案(めうあん)奇策(きさく)()るものかい。249何分(なにぶん)(たたか)ひは、250(しやう)(えら)ぶと()つて、251吾々(われわれ)万卒(ばんそつ)(ほね)()らしても、252一将(いつしやう)(こう)()れば()だしもだが、253貴様(きさま)大将(たいしやう)(たましひ)白蟻(しろあり)這入(はい)つてゐるから、254統率(とうそつ)その(よろ)しきを()ず、255万卒(ばんそつ)(ほね)()らし、256一将(いつしやう)(こう)ならず、257(いつ)しよう(はぢ)(さら)して(かへ)らねばならぬのだ。258コンナ大将(たいしやう)統率(とうそつ)されて、259どうして神業(しんげふ)完成(くわんせい)(のぞ)まれよう、260バベルの(たふ)ぢやないが何時(いつ)までかかりても、261成功(せいこう)する気遣(きづか)ひはない。262ピサの(たふ)のやうに(はすかい)になつて、263何時(いつ)ピサリと(たふ)れるか(わか)つたものぢやない。264(ねこ)()はれた(ねずみ)のやうな(つら)をして、265アーメニヤに(かへ)つた(ところ)でウラル(ひこ)さまに「貴様(きさま)(なに)をして()つた」と、266いきなり(よこ)(つら)をピサの(たふ)とお見舞(みまひ)(まを)され、267これはこれは(まこと)にハヤ(おそ)()りバベルの(たふ)と、268たう(わく)(がほ)するのは()()るやうだ。269()かれ(もの)小唄(こうた)(やう)な、270負惜(まけをし)みは()めて、271どうだ一層(いつそう)のこと、272()出別(でわけ)部下(ぶか)となつて三五教(あななひけう)急転直下(きふてんちよくか)273沈没(ちんぼつ)したらどうだらう』
274岩彦(いはひこ)『チト言霊(ことたま)(つつし)まぬか、275(ふね)(うへ)縁起(えんぎ)(いは)ふものだ、276沈没(ちんぼつ)なぞと、277気分(きぶん)(わる)(こと)()うな。278黄泉島(よもつじま)ぢやあるまいし………』
279梅彦(うめひこ)『さうだ、280亀彦(かめひこ)()(とほ)り、281あまりウラル(けう)神力(しんりき)がないのか、282大将(たいしやう)画策(くわくさく)(よろ)しきを()ないのか()らんが、283コンナ馬鹿(ばか)()()つた(こと)はない。284(ふた)()には時世(ときよ)時節(じせつ)ぢやと、285岩彦(いはひこ)いはんすけれど、286ソンナ(こと)はアーメニヤヘ(かへ)つては通用(つうよう)しない。287どうだ、288梅彦(うめひこ)外交的(ぐわいかうてき)手腕(しゆわん)(ふる)つて、289()出別(でわけ)宣伝使(せんでんし)に、290(いま)此処(ここ)交渉(かうせふ)して()ようかい。291交渉(かうせふ)委員長(ゐゐんちやう)になつて、292どうしよう交渉(かうせふ)談判(だんぱん)をやるのだナア』
293岩彦(いはひこ)(やかま)しいワイ』
294梅彦(うめひこ)『やかましからう、295イヤ(みみ)(いた)からう、296()加減(かげん)言霊(ことたま)停電(ていでん)がして()しからう。297アハヽヽヽヽ』
298岩彦(いはひこ)(すし)糞蝿(くそばい)(たか)つたやうに、299本当(ほんたう)五月蝿(うるさ)(やつ)だ。300さう()(こと)(しやべ)くると、301ウラル(けう)神様(かみさま)立腹(りつぷく)して、302(また)もや暴風雨(ばうふうう)御襲来(ごしふらい)だ。303さういふ(こと)は、304神様(かみさま)忌憚(きたん)()れる、305貴様(きさま)言行(げんかう)(たい)しては、306()くまで吾々(われわれ)忌避的(きひてき)行動(かうどう)()るのだ。307(なに)ほど貴様(きさま)挑戦的(てうせんてき)態度(たいど)()つても、308寛仁大度(くわんじんたいど)権化(ごんげ)とも()ふべき岩彦(いはひこ)は、309岩石(がん)として(おう)ぜないから、310さう(おも)つて幾許(いくら)でも喋舌(しやべ)つたが()からうよ。311……ナンだその(つら)は、312最前(さいぜん)からの時化(しけ)で、313半泣(はんな)きになつて()るぢやないか、314()つともない』
315梅彦(うめひこ)半泣(はんな)きになつて()るとは(たれ)(こと)だい。316貴様(きさま)こそ率先(そつせん)して()いて()るぢやないか。317(なみだ)こそ(こぼ)して()らぬが、318(おれ)天眼通(てんがんつう)から()れば唯々(ただただ)()(づら)をソツト保留(ほりう)してる(だけ)のものだよ、319貴様(きさま)共鳴(きようめい)する(もの)は、320(からす)か、321千鳥(ちどり)(くらゐ)なものだらう』
322岩彦(いはひこ)馬鹿(ばか)ツ、323いはしておけば傍若無人(ばうじやくぶじん)雑言(ざふごん)無礼(ぶれい)324了見(れうけん)せぬぞ』
325亀彦(かめひこ)『オイ梅公(うめこう)326()つた ()つた。327ヲツシ ヲツシ………』
328岩彦(いはひこ)『オイ、329(いぬ)間違(まちが)つちや(こま)るよ』
330梅彦(うめひこ)(いぬ)ぢやないか、331ウラル(けう)番犬(ばんいぬ)だ』
332岩彦(いはひこ)いぬ()なぬもあつたものかい、333吾々(われわれ)はアーメニヤへいぬより()(ところ)はないのぢや』
334亀彦(かめひこ)()(かく)335ここで(ひと)思案(しあん)せなくてはならぬ。336三五教(あななひけう)(ただ)一人(いちにん)337此方(こつち)宣伝使(せんでんし)半打(はんダース)()るのだから、338強行的(きやうかうてき)態度(たいど)()でて、339三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)降服(かうふく)させるか、340(ただし)吾々(われわれ)(やはら)かに()て、341ウラル(けう)開城(かいじやう)するか、342(ふた)つに(ひと)つの決定(けつてい)(あた)へねばなるまい』
343岩彦(いはひこ)(いは)より(かた)岩彦(いはひこ)は、344如何(いか)なる難局(なんきよく)(しよ)しても、345初心(しよしん)()げない。346善悪(ぜんあく)(とも)に、347初心(しよしん)貫徹(くわんてつ)するが、348男子(だんし)本分(ほんぶん)だ。349貴様(きさま)350ソンナ女々(めめ)しい弱音(よわね)()くならば、351アーメニヤへ(かへ)つて、352逐一(ちくいち)盤古神王(ばんこしんわう)奏聞(そうもん)するから、353さう覚悟(かくご)をせい』
354亀彦(かめひこ)敗軍(はいぐん)(しやう)(へい)(かた)らずだ、355(なん)顔容(かんばせ)あつて盤古神王(ばんこしんわう)大失敗(だいしつぱい)一伍一什(いちぶしじふ)奏聞(そうもん)することが出来(でき)ようか、356貴様(きさま)統率者(とうそつしや)(かさ)()て、357吾々(われわれ)五人(ごにん)(もの)威喝(ゐかつ)するのだな、358(いま)になつて()れほど威張(ゐば)つたところで、359アルコールの()けた甘酒(あまざけ)(くさ)つたやうなものだ、360鑑定人(ききて)もなければ、361飲手(のみて)もなし、362ソンナ(おど)しを()(やつ)が、363何処(どこ)にあるかい、364あまり馬鹿(ばか)にするなよ。365それそれ(むか)ふに()えるはフサの(くに)だ。366(ふね)()くのには、367モウ()もあるまい、368この(ふね)(なか)で、369(ひと)交渉(かうせふ)(はじ)めなくては、370()出別(でわけ)上陸(じやうりく)したが最後(さいご)371どうすることも出来(でき)やしない。372問題(もんだい)一括(いつくわつ)して、373(いま)此処(ここ)秘密(ひみつ)会議(くわいぎ)(ひら)いて、374和戦(わせん)(いづ)れにか(けつ)せねばなるまいぞ』
375 (また)もや以前(いぜん)(ごと)暴風(ばうふう)忽然(こつぜん)として()(きた)り、376鶴山丸(つるやままる)運命(うんめい)旦夕(たんせき)(せま)()たる。377嗚呼(ああ)この結果(けつくわ)如何(いかん)
378大正一一・三・一六 旧二・一八 松村真澄録)
   
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