霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一章 破羅門(ばらもん)〔五六八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第15巻 如意宝珠 寅の巻 篇:第1篇 正邪奮戦 よみ(新仮名遣い):せいじゃふんせん
章:第1章 破羅門 よみ(新仮名遣い):ばらもん 通し章番号:568
口述日:1922(大正11)年03月31日(旧03月04日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年12月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
ノアの子孫のハム族は、大国彦の子孫である大国別を神の王と迎え奉り、エジプトのイホの都に宮柱を立てて、その婆羅門の教えを広めて行った。
教線は拡大し、西は地中海に面したヨーロッパ各地へ、東は小アジア、メソポタミヤの顕恩郷に達し、さらに越えてペルシャを横切り、インドにまで達した。セム族の流れたるコーカス山の三五教の神人らは、婆羅門教を言向け和そうと顕恩郷に広道別らを使わした。
コーカス山を三五教に奪われ、ウラル山とアーメニヤが危機に瀕したウラル彦・ウラル姫は、常世国に逃走した。八頭八尾の大蛇や悪狐の邪霊たちは、大国彦の末裔である大国別・醜国姫の夫婦に憑依した。そしてエジプトのイホの都に現れ、第二のウラル教たる婆羅門教を開かしめた。大国別は、大自在天の名を称した。
この婆羅門教は、極端な難行苦行をもって神の御心にかなうとした教理である。婆羅門教は進んでメソポタミヤの顕恩郷、エルサレムの黄金山にまで拡大し、聖地周辺の三五教の教理はほとんど破壊されてしまった。
コーカス山の素盞嗚神は、日の出神、日の出別神らに命じて、婆羅門教を恭順させようとした。霊鷲山の広道別(太玉命)は、妻・松代姫をコーカス山に残し、娘・照妙姫にエデンの花園を守らせ、安彦(弥次彦の改名)、国彦(与太彦の改名)、道彦(勝彦の改名)を引き連れて、顕恩郷にやってきた。
婆羅門教は霊主体従の教えを曲解し、極度に身体を軽視して難行苦行によって全身から血を流して神の心にかなうとした。邪霊は血を好む故に、霊主体従の美名の下にこのような暴虐なる行為を勧める教理を立てたのである。
婆羅門教に魅惑された人々は、生を軽んじ死を重んじるのであった。しかし霊肉一致の天則を忘れ、神の生き宮である肉体を軽んじることは、生成化育の神の大道に反すること、もっともはなはだしき事なのである。
また婆羅門教は上中下三段の身魂の区別を厳格に立てた。大自在天の祖先たる大国彦の頭から生まれたとされる者の系統は、いかに愚昧であっても人々の上位に立って治者となった。次に神の腹から生まれたとされる者の系統は、準治者の地位をもって安逸な暮らしを保証された。そして両者は、神の足から生まれたとされる大多数の人民の膏血を絞る、という教理であった。婆羅門教が拡大するにつれて、国の中にはひそかに怨みの声が満ち満ちていった。
太玉命が安彦、国彦、道彦を連れて顕恩郷の東南の渡し場にやってきた。そこには関所が設けられ、鳶彦、田加彦、百舌彦の三柱の婆羅門教の手先が守っていた。
道彦は関所の門前で大音声名乗りを上げ、婆羅門教徒たちを挑発した。鳶彦、田加彦、百舌彦の三人は槍をしごいて道彦に襲い掛かった。道彦は槍をよけて一人の槍を叩き落とした。
その槍を拾って構えると、道彦の勢いに恐れをなして、鳶彦は河中に飛び込んで逃げてしまった。残る二人も槍を捨てて降参した。
田加彦と百舌彦は、元は三五教だったが、仕方なく婆羅門教に降っていたのだ、と明かした。そして、逃げた鳶彦が軍勢を引き連れてくるのを恐れて、自分たちを連れてフサの都へ逃げて欲しいと懇願する。
道彦は、力の強い宣伝使と一緒に来ていると言って二人を安心させる。道彦の合図の笛で、太玉命らは関所の方に駆けつける。一方、河の向こう岸からは騒々しい人声が聞こえてきた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-01-16 01:14:57 OBC :rm1501
愛善世界社版:7頁 八幡書店版:第3輯 283頁 修補版: 校定版:7頁 普及版:3頁 初版: ページ備考:
001千早(ちはや)()(とほ)神代(かみよ)物語(ものがたり)
002常夜(とこよ)(やみ)()らさむと
003ノアの子孫(しそん)のハム(ぞく)
004(なか)にも(つよ)婆羅門(ばらもん)
005(かみ)御言(みこと)常世国(とこよくに)
006大国彦(おほくにひこ)(すゑ)御子(みこ)
007大国別(おほくにわけ)(かみ)(わう)
008(むか)へまつりて埃及(エヂプト)
009イホの(みやこ)(みや)(はしら)
010(ふと)しく()てて宣伝(のりつた)
011その言霊(ことたま)はかすかにも
012この()瀬戸(せと)(うみ)()えて
013希臘(ギリシヤ)伊太利(イタリア)仏蘭西(フランス)
014(つひ)(すす)みて(せう)亜細亜(アジア)
015メソポタミヤの顕恩郷(けんおんきやう)
016此処(ここ)根拠(こんきよ)築固(つきかた)
017次第(しだい)々々(しだい)(みち)()
018(さら)波斯(ペルシヤ)横断(よこぎ)りて
019印度(インド)()して(すす)()
020エデンの(かは)打渡(うちわた)
021ハムの一族(いちぞく)(ことごと)
022顕恩郷(けんおんきやう)中心(ちうしん)
023婆羅門(ばらもん)(けう)(ひら)きける
024セムの流裔(ながれ)(きこ)えたる
025コーカス(さん)神人(かみびと)
026婆羅門(ばらもん)(けう)言向(ことむ)けて
027(まこと)(みち)(ひら)かむと
028広道別(ひろみちわけ)宣伝使(せんでんし)
029太玉(ふとたま)(みこと)(つか)はして
030顕恩郷(けんおんきやう)()めて()
031()しき神代(かみよ)物語(ものがたり)
032十五(じふご)(まき)入口(いりくち)
033()(はじ)むるぞ面白(おもしろ)き。
034 (この)メソポタミヤは一名(いちめい)秀穂国(ほづまのくに)(とな)へ、035地球(ちきう)(じやう)(おい)(もつと)豊饒(ゆたか)なる安住(あんぢう)地帯(ちたい)なり。036(ひつじ)()(そだ)ち、037牛馬(ぎうば)蕃殖(はんしよく)し、038五穀(ごこく)果実(このみ)無類(むるゐ)豊作(ほうさく)年々(ねんねん)(かは)(こと)()地上(ちじやう)天国(てんごく)楽園(らくゑん)なり。039世界(せかい)暗雲(あんうん)(つつ)まれ、040日月(じつげつ)(ひかり)(さだ)かならざる(とき)(おい)ても、041この国土(こくど)のみは相当(さうたう)(すべ)ての(もの)生育(せいいく)する(こと)()たりと()ふ。042西(にし)にエデンの(かは)(なが)(なが)れ、043(ひがし)にイヅの(かは)南流(なんりう)して、044(くに)南端(なんたん)にて相合(あひがつ)しフサの(うみ)()る。045八頭(やつがしら)八尾(やつを)大蛇(をろち)046悪狐(あくこ)邪霊(じやれい)は、047コーカス(さん)(みやこ)(うば)はれ、048(したが)つてウラル(さん)049アーメニヤ危険(きけん)(ひん)したれば、050ウラル(ひこ)051ウラル(ひめ)は、052(とほ)常世(とこよ)(くに)(のが)れ、053(ここ)大自在天(だいじざいてん)大国彦(おほくにひこ)末裔(まつえい)大国別(おほくにわけ)054醜国姫(しこくにひめ)夫婦(ふうふ)をして、055埃及(エヂプト)のイホの(みやこ)(あら)はれ、056第二(だいに)のウラル(けう)たる婆羅門(ばらもん)(けう)開設(かいせつ)し、057大国別(おほくにわけ)大自在天(だいじざいてん)奉称(ほうしよう)し、058(ここ)極端(きよくたん)なる難行(なんぎやう)苦行(くぎやう)(もつ)て、059(かみ)御心(みこころ)(かな)うとなせる教理(けうり)樹立(じゆりつ)し、060(すす)んでメソポタミヤの秀穂(ほづま)(くに)(きた)り、061エデンの(その)(およ)顕恩郷(めぐみのさと)根拠(こんきよ)としたりける。062それが(ため)聖地(せいち)エルサレムの旧都(きうと)()ける黄金山(わうごんざん)三五教(あななひけう)(たちま)蚕食(さんしよく)せられ、063埴安彦(はにやすひこ)064埴安姫(はにやすひめ)教理(けうり)(ほとん)破壊(はくわい)さるる悲境(ひきやう)(おちい)りたるなり。
065 (ここ)にコーカス(さん)(まし)ます素盞嗚(すさのをの)(かみ)は、066()出神(でのかみ)067()出別(でわけの)(かみ)をして、068ハム(ぞく)樹立(じゆりつ)せる婆羅門(ばらもん)(けう)邪神(じやしん)帰順(きじゆん)せしめむとし(たま)ひ、069霊鷲山(りやうしうざん)より(あら)はれたる三葉彦(みつばひこの)(みこと)(また)御名(みな)広道別(ひろみちわけ)宣伝使(せんでんし)太玉(ふとたまの)(みこと)は、070松代姫(まつよひめ)をコーカス(さん)(のこ)し、071()()()いでエデンの河上(かはかみ)(あら)はれ、072エデンの花園(はなぞの)回復(くわいふく)して根拠(こんきよ)とし、073ハム(ぞく)侵入(しんにふ)(ふせ)がしめむとし(たま)ひ、074太玉(ふとたまの)(みこと)安彦(やすひこ)075国彦(くにひこ)076道彦(みちひこ)三柱(みはしら)(とも)に、077エデンの(その)宮殿(きうでん)(つく)り、078ハム(ぞく)侵入(しんにふ)(そな)()たり。079されど河下(かはしも)顕恩郷(けんおんきやう)(つひ)婆羅門(ばらもん)(けう)占領(せんりやう)する(ところ)となり(をは)りぬ。080ここに太玉(ふとたまの)(みこと)は、081その(むすめ)照妙姫(てるたへひめ)をエデンの花園(はなぞの)(のこ)()き、082安彦(やすひこ)083国彦(くにひこ)084道彦(みちひこ)引連(ひきつ)れて、085顕恩郷(けんおんきやう)宣伝(せんでん)(むか)ひたり。086この安彦(やすひこ)()ふは弥次彦(やじひこ)改名(かいめい)087国彦(くにひこ)与太彦(よたひこ)改名(かいめい)088道彦(みちひこ)勝彦(かつひこ)改名(かいめい)せし(もの)なり。
089 婆羅門(ばらもん)(をしへ)は、090一旦(いつたん)()出神(でのかみ)偽称(ぎしよう)したる大国彦(おほくにひこ)()にして、091大国別(おほくにわけ)(みづか)大自在天(だいじざいてん)(しよう)し、092難行(なんぎやう)苦行(くぎやう)(もつ)(かみ)(こころ)(かな)ふものとなし、093霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)本義(ほんぎ)誤解(ごかい)し、094肉体(にくたい)軽視(けいし)し、095霊魂(れいこん)尊重(そんちよう)する(こと)(もつと)(はなはだ)しき(をしへ)なり。096(この)(をしへ)(しん)ずる(もの)は、097(いばら)(むれ)真裸(まつぱだか)となりて()()み、098(あるひ)()(わた)り、099水中(すゐちう)(くぐ)り、100寒中(かんちう)真裸(まつぱだか)となり、101崎嶇(きく)たる山路(やまみち)跣足(はだし)のまま往来(ゆきき)し、102修行(しうぎやう)初門(しよもん)としては、103足駄(あしだ)(おもて)(くぎ)一面(いちめん)()ち、104(これ)(あし)にかけて(あゆ)ましむるなり。105(ゆゑ)(この)(をしへ)(しん)ずる(もの)は、106身体(からだ)一面(いちめん)()(ただ)れ、107()()てられぬ血達磨(ちだるま)(ごと)くなり、108()くして修行(しうぎやう)苦業(くげふ)(ほこ)(をしへ)なり。109八頭(やつがしら)八尾(やつを)110(およ)金毛(きんまう)九尾(きうび)111邪鬼(じやき)(れい)は、112(ひと)()()ることを(この)(もの)なれば、113霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)美名(びめい)(もと)に、114(かく)(ごと)暴虐(ばうぎやく)なる行為(かうゐ)を、115人々(ひとびと)身魂(みたま)(かか)りて慣用(くわんよう)するを(もつ)唯一(ゆゐいつ)手段(しゆだん)となし()るが(ゆゑ)に、116(この)(をしへ)()せられたる信徒(しんと)は、117(せい)(かろ)んじ、118()(おも)んじ、119無限(むげん)絶対(ぜつたい)なる無始(むし)無終(むしう)歓楽(くわんらく)()くる天国(てんごく)(すく)はれむ(こと)を、120唯一(ゆゐいつ)(たのし)みとなし()るなり。121如何(いか)(れい)(おも)んじ(たい)(かろ)んずればとて、122霊肉(れいにく)一致(いつち)天則(てんそく)(わす)れ、123(かみ)生宮(いきみや)たる肉体(にくたい)塵埃(ぢんあい)(ごと)く、124鴻毛(こうまう)(ごと)くに軽蔑(けいべつ)するは、125生成(せいせい)化育(くわいく)(かみ)大道(だいだう)違反(ゐはん)する(こと)(もつと)(はなは)だしきものなれば、126この(をしへ)にして天下(てんか)拡充(くわくじゆう)せられむか、127地上(ちじやう)生物(せいぶつ)(のこ)らず邪神(じやしん)(ため)滅亡(めつぼう)するの()むを()ざるに(いた)るべく、128また婆羅門(ばらもん)(けう)には上中下(じやうちうげ)三段(さんだん)身魂(みたま)区別(くべつ)厳格(げんかく)()てられ、129大自在天(だいじざいてん)大祖先(だいそせん)たる大国彦(おほくにひこ)(あたま)より(うま)れたる(もの)は、130如何(いか)なる愚昧(ぐまい)なる(もの)(いへど)庶民(しよみん)上位(じやうゐ)()ち、131治者(ちしや)地位(ちゐ)()き、132(また)(かみ)(はら)より(うま)れたる(もの)は、133上下(じやうげ)生民(せいみん)中心(ちうしん)()ち、134準治者(じゆんちしや)位地(ゐち)受得(じゆとく)して、135(すこ)しの労苦(らうく)もなさず、136(かみ)(あし)より(うま)れたりと()多数(たすう)人民(じんみん)膏血(かうけつ)(しぼ)り、137安逸(あんいつ)生活(せいくわつ)をなさむとするの教理(けうり)なり。138多数(たすう)人民(じんみん)種々(しゆじゆ)難行(なんぎやう)苦行(くぎやう)()ひられ、139(たい)(やつ)(あるひ)(ほろ)び、140怨声(えんせい)(ひそ)かに国内(こくない)(みなぎ)り、141流石(さすが)天国(てんごく)浄土(じやうど)()(なが)ら、142多数(たすう)人民(じんみん)地獄(ぢごく)(ごと)生活(せいくわつ)(つづ)くるの()むを()ざる次第(しだい)となりける。143邪神(じやしん)(いきほひ)益々(ますます)(はげ)しく、144(つひ)にはフサの(くに)(わた)り、145印度(つき)(くに)(まで)もその勢力(せいりよく)範囲(はんゐ)拡張(くわくちやう)しつつありしなり。
146 太玉(ふとたまの)(みこと)は、147安彦(やすひこ)148国彦(くにひこ)149道彦(みちひこ)(ともな)ひ、150顕恩郷(けんおんきやう)東南(とうなん)(なが)るる渡場(わたしば)()きぬ。151此処(ここ)には鳶彦(とびひこ)152田加彦(たかひこ)153百舌彦(もずひこ)三柱(みはしら)魔神(まがみ)154捻鉢巻(ねぢはちまき)をし(なが)ら、155他国人(たこくじん)侵入(しんにふ)(ふせ)ぐため、156河縁(かはべり)関所(せきしよ)(まう)けて(かた)(まも)()る。
157太玉(ふとたまの)(みこと)『ヤア(さん)(にん)伴人(ともびと)よ、158(むかし)(この)(かは)(わた)つた(とき)は、159(なん)とも()へぬ(きよ)らかな(なが)れであつたが、160ウラル(さん)161アーメニヤの悪神(あくがみ)一旦(いつたん)常世(とこよ)(くに)()()り、162(ふたた)顕恩郷(けんおんきやう)(ひそ)かに(あら)はれ(きた)つて、163婆羅門(ばらもん)(けう)邪教(じやけう)(ひら)(はじ)めてより、164()()(かぜ)(なまぐさ)く、165山河(さんか)草木(さうもく)(いろ)(へん)じ、166(かは)(なが)れも(また)血泥(ちどろ)(ごと)くなつて(しま)つた。167吾々(われわれ)素盞嗚(すさのをの)(みこと)()神慮(しんりよ)(ほう)じ、168メソポタミヤの()をして(ふたた)秀穂国(ほづまのくに)楽園(らくゑん)復帰(ふくき)せしめねばならぬ重大(ぢうだい)なる使命(しめい)()びて(きた)れる以上(いじやう)は、169仮令(たとへ)如何(いか)なる魔神(まがみ)(おそ)(きた)(とも)170一歩(いつぽ)退(しりぞ)くことは出来(でき)ない、171(なんぢ)()もその覚悟(かくご)(もつ)(あた)られたし。172()河縁(かはべり)()てる宏大(くわうだい)なる(やかた)は、173(まさ)しく魔神(まがみ)関所(せきしよ)ならむ、174(なんぢ)()(さん)(にん)(うち)175偵察(ていさつ)のため一足先(ひとあしさき)(いた)つて関所(せきしよ)悪神(あくがみ)交渉(かうせふ)開始(かいし)し、176(こと)(きふ)なるときは、177合図(あひづ)(ふえ)()け、178それまで(われ)()(この)森林(しんりん)()(ひそ)めて(こと)成行(なりゆき)(うかが)はむ』
179と、180太玉(ふとたまの)(みこと)言葉(ことば)に、181道彦(みちひこ)(いさ)()ち、
182道彦(はばか)(なが)ら、183道彦(みちひこ)(この)御用(ごよう)仰付(おほせつ)けられたし』
184(ねが)ひければ太玉(ふとたまの)(みこと)は、
185太玉命()苦労(くらう)だが、186一足先(ひとあしさき)探険(たんけん)して()れよ』
187道彦承知(しようち)(いた)しました』
188道彦(みちひこ)宣伝歌(せんでんか)(うた)ひつつ、189河縁(かはべり)関所(せきしよ)()して悠々(いういう)(すす)()く。190ピタリと行当(ゆきあた)つた関所(せきしよ)大門(おほもん)191道彦(みちひこ)大音声(だいおんじやう)
192道彦『ヤア、193この顕恩郷(けんおんきやう)(むかし)194()出神(でのかみ)南天王(なんてんわう)(しよう)して支配(しはい)され、195その(のち)鬼武彦(おにたけひこ)その()神々(かみがみ)南天王(なんてんわう)となつて永久(とこしへ)大神(おほかみ)(めい)()守護(しゆご)せられたる聖地(せいち)なり。196(しか)るに何者(なにもの)邪神(じやしん)ぞ、197顕恩郷(けんおんきやう)占領(せんりやう)(かつ)(また)この河縁(かはべり)関所(せきしよ)(つく)るか、198(いち)()(はや)(この)(もん)(ひら)け、199(われ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)道彦(みちひこ)であるぞ』
200門戸(もんこ)(やぶ)れむばかりに打叩(うちたた)く。201(この)(とき)(もん)(そと)()(しげ)みより(あら)はれ()でたる(さん)(にん)(をとこ)202鋭利(えいり)なる手槍(てやり)をしごき、203三方(さんぱう)より道彦(みちひこ)()りかこみ、204()(いか)らせ、205身体(からだ)をブルブルと震動(しんどう)させつつ、
206三人『ヤア、207(なんぢ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)なるか、208()んで()()(なつ)(むし)209(わが)(やり)切尖(きつさき)(くら)へよ』
210(さん)(にん)一度(いちど)()いてかかるを、211道彦(みちひこ)は、212(あるひ)(みぎ)に、213(あるひ)(ひだり)に、214前後(ぜんご)左右(さいう)に、215(やり)切尖(きつさき)()け、216一人(ひとり)(やり)をバタリと(たた)(おと)した。217一人(ひとり)(おどろ)いて矢庭(やには)(かは)()びこみ、218対岸(むかふぎし)(のが)()つた。219ここに道彦(みちひこ)(その)(やり)手早(てばや)(ひろ)ひあげ、
220道彦『サア()い、221蝿虫(はへむし)()()
222身構(みがま)へするや、223(その)(いきほひ)辟易(へきえき)してか、224二人(ふたり)(をとこ)(やり)をバタリと大地(だいち)()()て、225犬突這(いぬつくばい)となつて、
226甲、乙『ヤア、227どうも(おそ)()りました。228重々(ぢうぢう)()無礼(ぶれい)(ゆる)(くだ)さいませ』
229泣声(なきごゑ)になつて謝罪(あやま)る。
230道彦(みちひこ)(その)(はう)婆羅門(ばらもん)眷属(けんぞく)()ゆるが、231何故(なにゆゑ)()かる邪神(じやしん)信従(しんじゆう)するか、232委細(ゐさい)(つつ)まず白状(はくじやう)せよ』
233百舌彦(もずひこ)(じつ)(ところ)234吾々(われわれ)常世(とこよ)(くに)より大国別(おほくにわけ)部下(ぶか)なる玉取別(たまとりわけ)(したが)ひて、235荒海(あらうみ)(わた)り、236埃及(エヂプト)()(あら)はれ、237追々(おひおひ)(すす)んで(この)顕恩郷(けんおんきやう)門番(もんばん)となり、238(すこ)しの過失(あやまち)より(ばつ)せられて(つひ)には(かは)関所守(せきしよもり)となりました。239(けつ)して(もと)よりの悪徒(あくと)ではありませぬ』
240道彦(みちひこ)(しか)らば(なんぢ)()顕恩郷(けんおんきやう)様子(やうす)悉皆(しつかい)(ぞん)()るであらう。241これより三五教(あななひけう)吾々(われわれ)顕恩郷(けんおんきやう)城砦(じやうさい)案内(あんない)(いた)せ』
242百舌彦(もずひこ)『そ、243それは到底(たうてい)吾々(われわれ)(ちから)には(およ)びませぬ、244グズグズして()れば吾々(われわれ)(まを)すに(およ)ばず、245あなた(がた)()生命(いのち)(あやふ)からむ、246(この)()ばかりは()容赦(ようしや)(くだ)されたし』
247道彦(みちひこ)『ナニ心配(しんぱい)をするな、248神変(しんぺん)不可思議(ふかしぎ)三五教(あななひけう)神力(しんりき)(もつ)如何(いか)なる曲津(まがつ)(てき)言向和(ことむけやは)し、249この顕恩郷(けんおんきやう)をして(ふたた)(いにしへ)天国(てんごく)楽土(らくど)となさしめむ、250(かなら)(かなら)煩慮(はんりよ)するに(およ)ばぬぞ』
251田加彦(たかひこ)『オイ百舌彦(もずひこ)252コンナ(かた)顕恩郷(けんおんきやう)へでも()れて()つた(くらゐ)なら、253それこそ大変(たいへん)だ、254鬼雲彦(おにくもひこ)大神(おほかみ)(さま)に、255(なんぢ)顕恩郷(けんおんきやう)(きび)しき規則(きそく)蹂躙(じうりん)する大罪人(だいざいにん)だ」と()つて、256(また)もや真裸(まつぱだか)にされて、257(はり)(あめ)()制敗(せいばい)()はねばならぬ、258ウカウカと(もの)()ふものではない。259もうしもうし三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(さま)260ここは(ひと)()思案(しあん)(くだ)さいまして、261双方(さうはう)()(やう)(なん)とか()解決(かいけつ)()けて(いただ)きたいものです。262(いま)(かは)飛込(とびこ)んで対岸(むかう)(わた)つた(をとこ)は、263鬼雲彦(おにくもひこ)(まこと)のスパイを(つと)めて()悪人(あくにん)ですから、264数多(あまた)眷属(けんぞく)や、265スレーブを()きつれ、266(いま)如何(いか)なる(こと)をし()かすかも(わか)りませぬ、267さうして大変(たいへん)(ちから)(つよ)(やつ)268顕恩郷(けんおんきやう)でも名代(なだい)(がう)(もの)です。269(いま)あなたに(やり)()つて()めかかり、270ワザと()けた(ふり)をして、271(やり)打棄(うちす)てたのも、272(ふか)計略(けいりやく)のあること、273あなた(がた)顕恩郷(けんおんきやう)()()れて、274(なぶ)(ごろし)にしやうと()ふステージに(ほか)ならぬのです。275(わたくし)彼奴(あいつ)目玉(めだま)(ひか)つて()(あひだ)()げる(こと)も、276どうする(こと)出来(でき)なかつた。277あなたがお()(くだ)さつたのを(さいは)ひ、278顕恩郷(けんおんきやう)脱出(だつしゆつ)して、279どうぞフサの(みやこ)()れて()つて(くだ)さい。280常世(とこよ)(くに)にも三五教(あななひけう)沢山(たくさん)(ひろ)まつて()りますが、281今日(けふ)(ところ)はみな(かく)れての信仰(しんかう)282表面(へうめん)はウラル(けう)信者(しんじや)()せかけ、283吾々(われわれ)無理(むり)やりに此処(ここ)()()せられ、284河番(かはばん)(いた)しては()りますが、285その(じつ)三五教(あななひけう)信者(しんじや)御座(ござ)います。286ウラル(けう)極端(きよくたん)体主(たいしゆ)霊従(れいじう)主義(しゆぎ)で、287常世(とこよ)神王(しんわう)や、288その()神々(かみがみ)が、289黄泉(よもつ)比良坂(ひらさか)(たたか)ひに全部(すつかり)帰順(きじゆん)し、290夫々(それぞれ)()守護(しゆご)()かれてから(のち)は、291大国彦(おほくにひこ)子孫(しそん)たる大国別(おほくにわけ)が、292何故(なにゆゑ)(また)もやバラモン(けう)()怪体(けたい)宗教(しうけう)(ひら)き、293表面(へうめん)三五教(あななひけう)信条(しんでう)(ごと)霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)標榜(へうぼう)し、294数多(あまた)人民(じんみん)肉体(にくたい)(きず)つけ()()させて、295それが信仰(しんかう)本義(ほんぎ)と、296すべての(もの)()ひるのですから(たま)つたものではありませぬ。297けれども(なん)にも()らぬ人民(じんみん)(さき)()(おそ)ろしいと()つて、298肉体(にくたい)如何(いか)なる惨虐(ざんぎやく)()()はされても辛抱(しんばう)して(よろこ)んで()ると()有様(ありさま)299(わたくし)()一向(いつかう)トント合点(がてん)()きませぬ、300(おに)大蛇(をろち)悪魔(あくま)(やう)(かみ)(さま)じやないかと、301何時(いつ)(むね)()をあて(かんが)へては()るものの、302一口(ひとくち)これを(くち)()さうものなら、303それこそ大変(たいへん)(こと)になりますので(はら)(なか)(つつ)(かく)して、304()むを()ずこの河番(かはばん)(いた)して()ります。305(さいは)鳶彦(とびひこ)(かへ)りました、306この()吾々(われわれ)二人(ふたり)()れて、307どつかへ()()(くだ)さい。308大変(たいへん)なことがオツ(ぱじ)まりますから………』
309道彦(みちひこ)『ナアニ、310吾々(われわれ)(かみ)()守護(しゆご)がある、311(また)(さん)(にん)神徳(しんとく)(つよ)宣伝使(せんでんし)同行(どうかう)()れば、312大丈夫(だいぢやうぶ)だ、313心配(しんぱい)(いた)すな』
314百舌彦(もずひこ)(さん)(にん)のお(かた)何処(どこ)()られますか、315どうぞ(いち)()(はや)くこれへお()しを(ねが)ひたう御座(ござ)います。316グズグズ(いた)して()ると鳶彦(とびひこ)(やつ)317(いま)にドンナ(こと)為向(しむ)けて()るか(わか)りませぬから………』
318 道彦(みちひこ)合図(あひづ)(ふえ)()いた。319太玉(ふとたまの)(みこと)(ほか)二人(ふたり)合図(あひづ)(ふえ)にスワ一大事(いちだいじ)突発(とつぱつ)と、320(いそ)いで(この)()(あら)はれた。321(かは)彼方(あなた)には騒々(さうざう)しい人声(ひとごゑ)次第(しだい)々々(しだい)(たか)まり(きた)る。
322大正一一・三・三一 旧三・四 松村真澄録)
323 此日大先生御吹込の蓄音器円板到着、324夕礼拝後五六七殿に於て参拝者一同に拝聴せしむ。
325(昭和一〇・三・一八 於台中市高橋邸 王仁校正)

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