霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一一章 宝庫(ほうこ)(かぎ)〔六〇一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第16巻 如意宝珠 卯の巻 篇:第2篇 深遠微妙 よみ:しんえんびみょう
章:第11章 第16巻 よみ:ほうこのかぎ 通し章番号:601
口述日:1922(大正11)年04月15日(旧03月19日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年12月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
ウラナイ教の高姫と青彦は、秋山彦の館を訪ねていた。紅葉姫は二人を迎え入れて一間に通したが、秋山彦に呼ばれて席を外した。
高姫がふと額を見ると、裏に鍵がしまってあるのが目に付いた。鍵を手にとって見ると、冠島沓島の宝庫の鍵、と記されていた。
高姫と青彦は鍵を奪って館を抜け出し、由良の港から冠島・沓島指して漕ぎ出した。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm1611
愛善世界社版:135頁 八幡書店版:第3輯 450頁 修補版: 校定版:139頁 普及版:60頁 初版: ページ備考:
001神素盞嗚(かむすさのを)瑞霊(みづみたま)
002国武彦(くにたけひこ)厳霊(いづみたま)
003三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
004()さへ目出度(めでた)亀彦(かめひこ)
005(やみ)(てら)して英子姫(ひでこひめ)
006悦子(よしこ)(ひめ)諸共(もろとも)
007鬼武彦(おにたけひこ)守護(まも)りにて
008さしもに(たけ)曲津神(まがつかみ)
009鬼雲彦(おにくもひこ)一族(いちぞく)
010言向(ことむ)(やは)服従(まつろ)はぬ
011数多(あまた)(おに)四方八方(よもやも)
012(くも)(かすみ)()()りて
013鬼雲彦(おにくもひこ)(くも)()
014伊吹(いぶき)(やま)方面(はうめん)
015()()せたりと()()りの
016(たか)(うはさ)菊月(きくづき)
017(そら)(てら)して(のぼ)()
018三五(さんご)(つき)夕間暮(ゆふまぐれ)
019秋山彦(あきやまひこ)門前(もんぜん)
020(あら)はれ()でたる二人(ふたり)男女(だんぢよ)
021覆面(ふくめん)頭巾(づきん)扮装(いでたち)
022四辺(あたり)(はばか)声低(こゑひく)
023そつと門戸(もんこ)(たた)きつつ
024(たの)(たの)もと(おとな)へば
025ハツと(こた)へて()(きた)
026加米公(かめこう)銀公(ぎんこう)両人(りやうにん)
027()隙間(すきま)より垣間見(かいまみ)
028二人(ふたり)姿(すがた)(あや)しみつ
029何人(なにびと)なるかと(たづ)ぬれば
030(こゑ)(しと)やかに(こた)へらく
031(われ)()出大神(でのおほかみ)
032行成彦(ゆきなりひこ)(かみ)(みや)
033(はや)()けさせ(たま)へかし
034秋山彦(あきやまひこ)神司(かむつかさ)
035申上(まをしあ)ぐべき仔細(しさい)あり
036(はや)(はや)くと()()てて
037(なん)とはなしに()()かぬ
038(あや)しき風情(ふぜい)加米公(かめこう)
039(くち)(とが)らし呶鳴(どな)()
040()出神(でのかみ)とは心得(こころえ)
041三五(さんご)(つき)皎々(かうかう)
042(のぼ)()めたる夕間暮(ゆふまぐれ)
043門戸(もんこ)(たた)(おとな)ふは
044日暮(ひぐれ)(かみ)(あら)ざるか
045行成彦(ゆきなりひこ)とは(うそ)(かは)
046宿(やど)(うしな)行詰(ゆきつま)(ひこ)
047(しこ)(みこと)曲神(まがかみ)
048(もん)()めても秋山彦(あきやまひこ)
049(かみ)(つかさ)御館(おんやかた)
050汝等(なんぢら)二人(ふたり)(むね)(うち)
051(いま)(ひら)かぬ曲津見(まがつみ)
052(しこ)()もん(くだ)(もん)
053()つた(もん)だと(まを)さずに
054(はや)(かへ)るがよからうぞ
055日暮(ひぐれ)(もん)(たた)(やつ)
056(ろく)(やつ)ではあるまいぞ
057用事(ようじ)があれば明日(あす)(きた)
058()大門(だいもん)吾々(われわれ)
059夜昼(よるひる)()ずに(まも)(もん)
060大門(おほもん)(びら)きは()出時(でどき)
061(その)()(ぐら)しの門番(もんばん)
062日暮(ひぐれ)(もん)(ひら)かない
063(かへ)(かへ)れと()()つる。
064高姫(たかひめ)十里四方(じふりしはう)(みや)(うち)065大門(おほもん)(びら)きの()出神(でのかみ)066一時(いちじ)(はや)秋山彦(あきやまひこ)御大将(おんたいしやう)に、067()出神(でのかみ)行成彦(ゆきなりひこ)(かみ)御入来(ごじゆらい)(まを)(つた)へよ、068門番(もんばん)分際(ぶんざい)として(もん)開閉(かいへい)(こば)(こと)はなるまい、069愚図々々(ぐづぐづ)(いた)して、070(あと)後悔(こうくわい)するな、071今宵(こよひ)(せま)当家(たうけ)大難(たいなん)072(すく)ひの(かみ)(あら)はれた()出神(でのかみ)(なん)心得(こころえ)る』
073(ふる)ひを()びた癇声(かんごゑ)張上(はりあ)げ、074形相(ぎやうさう)(すさま)じく突立(つつた)()る。
075加米公(かめこう)『オイ銀公(ぎんこう)076一寸(ちよつと)(のぞ)いて()よ、077(かほ)白粉(おしろい)をべたりとつけて(なん)だか(いや)らしい(をんな)一人(ひとり)078青瓢箪(あをべうたん)のやうな(つら)をした(をとこ)一人(ひとり)だ。079(なん)でも大変(たいへん)(こと)がお(やかた)にあるので()らしに()たとか、080(この)(もん)()けねば明日(あす)になつて後悔(こうくわい)をするとか()つて()る、081どうしたら()からうかな』
082銀公(ぎんこう)(なん)()うても御主人様(ごしゆじんさま)()ひつけ、083暮六(くれむ)()ぎたなら、084何人(なにびと)()ても()ける(こと)はならぬとの厳命(げんめい)だ。085ほつとけほつとけ』
086加米公(かめこう)『それでも普通(ふつう)人間(にんげん)ではない、087(かみ)だとか()つて()るやうだ』
088銀公(ぎんこう)(かみ)にも種々(いろいろ)ある、089(ひと)()(おほかみ)もあれば曲津神(まがつかみ)もあり、090鼻紙(はなかみ)091塵紙(ちりかみ)092尻拭(しりふ)(かみ)もあるワ、093ようかみ()けて判断(はんだん)をせないと(あと)になつて()がみをなして(くや)しがらねばならぬ(こと)出来(しゆつたい)するぞ、094どれどれ(ひと)(おれ)(のぞ)いて様子(やうす)調(しら)べてやらう』
095 銀公(ぎんこう)(もん)隙間(すきま)より片目(かため)(ふさ)ぎ、096片目(かため)()てて(のぞ)きながら、
097銀公(ぎんこう)『ハヽヽヽヽ、098彼奴(あいつ)(かみ)間違(まちが)ひないが、099(はじかみ)だ、100咳嗽(せき)(たん)(くすり)なら()つてこいだ。101よう(なん)だか(みみ)(くち)()てて密々話(ひそひそばなし)をやつて()よるワ、102あの顔色(かほいろ)(あを)(をとこ)はあの(をんな)のハズバンドだな、103気楽(きらく)(やつ)もあればあるものだ、104(ひと)門前(もんぜん)()つて意茶(いちや)ついて()やがる。105(つき)さまに(はづ)かしくは()いだらうかなア』
106青彦(あをひこ)『モシモシ、107御館(おやかた)(たい)して今夜(こんや)(うち)大事(だいじ)突発(とつぱつ)(いた)します、108一寸先(いつすんさき)(やみ)()だ、109吾々(われわれ)天下(てんか)(たす)ける宣伝使(せんでんし)だ、110どうぞ()けて(くだ)さい』
111銀公(ぎんこう)『ナヽヽ(なに)(ぬか)すのだ、112今夜(こんや)のやうな明月(めいげつ)に、113一寸先(いつすんさき)(やみ)()だとはそれや貴様(きさま)(こころ)(うち)(こと)だらう、114用事(ようじ)があらば明日(あす)()い。115仮令(たとへ)(この)(やかた)如何(いか)なる変事(へんじ)突発(とつぱつ)せうとも、116貴様(きさま)容喙(ようかい)する(ところ)ぢやない、117トツトと(かへ)れ』
118高姫(たかひめ)左様(さやう)では御座(ござ)いませうが()出神(でのかみ)(さま)より()つての御神勅(ごしんちよく)119(なに)()もあれ秋山彦(あきやまひこ)御主人(ごしゆじん)(この)(よし)(つた)(くだ)さいませ』
120銀公(ぎんこう)『アヽ仕方(しかた)がないな、121()(かく)御主人様(ごしゆじんさま)(まを)()げて()るから、122それまで、123貴様(きさま)此処(ここ)()つてけつかりませ、124オイオイ加米公(かめこう)125(おれ)()()るまで(じや)()でも()けてはならぬぞ』
126()()(おく)目蒐(めが)けて()()したり。
127青彦(あをひこ)『もしもし門番(もんばん)さま、128(はや)()けないか、129愚図々々(ぐづぐづ)して()るとお(まへ)()(うへ)(あぶ)ないぞ。130()(くに)(そこ)(くに)真逆様(まつさかさま)(おと)されると可憐(かはい)さうだから()をつけてやり()いと神様(かみさま)御神勅(ごしんちよく)()()たのだ』
131加米公(かめこう)神勅(しんちよく)でも(なん)でも主人(しゆじん)(ゆる)しなきまでは()けられぬ、132()(くに)(そこ)(くに)()地獄(ぢごく)()ちるか()らぬが、133地獄(ぢごく)沙汰(さた)(かね)次第(しだい)だ、134もし(この)(もん)あけて地獄(ぢごく)にでも()ちては(こま)るから、135(まへ)さまも何々(なになに)()しなさい、136さうしたら()けて()げやう、137(かね)さへあれば地獄(ぢごく)(かま)(ふた)でも()くと()(こと)138(おに)酒代(さかて)をやつて地獄(ぢごく)(のが)れる分別(ふんべつ)をさせなくてはならぬからサア()したり()したり、139惚薬(ほれぐすり)(ほか)にないかと蠑螈(いもり)()へば(ゆび)()にして()せたげな、140蠑螈(いもり)でさへもそれだもの、141(おな)(みづ)()加米公(かめこう)(まる)いものを()しなさい、142そつと()けてやるから』
143高姫(たかひめ)『サアこれだから(みづ)(みたま)(をしへ)(あく)のやり(かた)だと()ふのだよ、144門番(もんばん)までが金取(かねとり)主義(しゆぎ)ぢや。145これこれ青彦(あおひこ)さま、146この一事(いちじ)()ても如何(いか)三五教(あななひけう)現金(げんきん)主義(しゆぎ)147利己主義(りこしゆぎ)148(われ)よしの遣方(やりかた)()(こと)(わか)るぢやないか。149(まへ)さまもよい加減(かげん)()()まさぬと(みづ)(みたま)(しり)()一本(いつぽん)()いところ(まで)()かれて仕舞(しま)ひますぞゑ』
150青彦(あをひこ)『さうですな、151(すみ)から(すみ)まで()()のないお(まへ)さまと(おも)つて()たのに、152三五教(あななひけう)はも(ひと)哥兄(あにき)ですなア』
153加米公(かめこう)『エヽ、154愚図々々(ぐづぐづ)()(をし)みをする(やつ)だなア、155何処(どこ)宣伝使(せんでんし)()らぬが、156三五教(あななひけう)銭払(ぜにばら)ひがよい、157吾々(われわれ)のやうな門番(もんばん)のやくざものでも、158此方(こちら)から(なに)()はぬに小判(こばん)二枚(にまい)三枚(さんまい)はそつと懐中(ふところ)()れて()れる、159此奴(こいつ)はウラナイ(けう)()えて此方(こちら)から露骨(ろこつ)請求(せいきう)しても()しやがらぬ吝嗇坊(けちんばう)だ、160それだから三五教(あななひけう)信者(しんじや)自分(じぶん)苦労(くらう)もせずに()(おと)しに(まは)つてウラナイ(けう)()れる(こと)(ばか)(かんが)へて()やがるのだ。161オイオイ二人(ふたり)宣伝使(せんでんし)162(わす)ものはないか、163(なに)かお(まへ)(わす)れて()るだらう、164(わた)(ぶね)()つてもはし(せん)()るぢやないか、165(もん)(くぐ)るのに何々(なになに)(くぐ)ると()(はふ)があるか、166エヽ()()かぬ宣伝使(せんでんし)ぢやな、167銀公(ぎんこう)(やつ)()らぬ()(ひと)権兵(ごんべ)(つも)りで()たのに、168先方(むかう)()()かぬドンベイだから成功(せいこう)覚束(おぼつか)なしと()ふものだ』
169 ()かる(ところ)銀公(ぎんこう)(はし)(きた)り、
170『ヤア加米公(かめこう)171御主人(ごしゆじん)(まをし)つけだ、172(ただち)(もん)(ひら)いてお(とほ)(まを)せ』
173『アヽさうか』
174(かんぬき)(はづ)左右(さいう)(ひら)いて(こゑ)()へ、
175加米(かめ)『アヽこれはこれは立派(りつぱ)立派(りつぱ)御神徳(ごしんとく)のありさうな二人(ふたり)宣伝使(せんでんし)(さま)176(わたくし)(おく)急用(きふよう)あつて()りませなかつたものだから家来(けらい)(やつ)177()つた(もん)だと理屈(りくつ)(まを)し、178吝嗇(けち)(こと)(まを)してお(かね)強請(ねだ)つたさうで御座(ござ)います、179(けつ)して、180当家(たうけ)三五教(あななひけう)信者(しんじや)ですから、181(うへ)から(した)まで清浄(せいじやう)潔白(けつぱく)(かね)などは()()れるのも(きたな)がつて()るものばかりです、182(この)(ごろ)(やと)うた門番(もんばん)一人(ひとり)御座(ござ)いまして、183其奴(そいつ)今迄(いままで)バラモン(けう)信者(しんじや)であつたものですから、184(ふた)()にはお(かね)(こと)(まを)しまして(はづ)かしう御座(ござ)います、185(けつ)して(わたくし)(まをし)たのでは御座(ござ)いませぬ、186()しからず、187御主人(ごしゆじん)にお()ひになつても加米公(かめこう)()つたのではないと弁解(べんかい)して()いて(くだ)さい、188兎角(とかく)誤解(ごかい)(おほ)()(なか)189清浄(せいじやう)潔白(けつぱく)加米公(かめこう)(まで)が、190門番(もんばん)傍杖(そばづゑ)()つて(いた)くない(はら)(さぐ)られるのも(あんま)心持(こころもち)()(もん)ぢや御座(ござ)いませぬ』
191(はじ)めの(つく)(ごゑ)をいつしか(わす)れて(もと)地声(ぢごゑ)になつて仕舞(しま)ひける。
192高姫(たかひめ)『ホヽヽそれでも貴方(あなた)のお(こゑ)()()てますナア、193(はじめ)(はう)(ちが)(かた)かと(おも)ひましたが、194矢張(やつぱり)最前(さいぜん)のお(こゑ)持主(もちぬし)195ようマアお()(あそ)ばすなア、196大化物(おほばけもの)瑞霊(みづみたま)乾児(こぶん)だけあつて()ける(こと)奇妙(きめう)なものだ。197ホヽヽヽヽ』
198 加米公(かめこう)(また)もや(つく)(ごゑ)になつて、
199『イエイエ(けつ)して(けつ)して、200(はじめ)(うち)(わたくし)地声(ぢごゑ)御座(ござ)いました、201中途(ちうと)新米(しんまい)門番(もんばん)生霊(いきりやう)()きやがつて()つたのです、202()れで新米(しんまい)門番(もんばん)其儘(そつくり)(こゑ)()ました。203アハヽヽヽ』
204(わら)ひに(まぎ)らさうとする。
205銀公(ぎんこう)『アハヽヽヽ、206地獄(ぢごく)沙汰(さた)加米(かめ)次第(しだい)だな』
207加米公(かめこう)地獄(ぢごく)沙汰(さた)加米(かめ)銀公(ぎんこう)とで(らち)()()(なか)だ。208アハヽヽヽ、209サアサアお二人(ふたり)のお(かた)210トツトとお(はい)(あそ)ばせ』
211 二人(ふたり)(きま)つた(こと)だと()はぬ(ばか)りに大手(おほて)()大股(おほまた)意気(いき)揚々(やうやう)として、212のそりのそりとのさばり()く。213二人(ふたり)玄関(げんくわん)にヌツと()つて(いへ)様子(やうす)(のぞ)()むやうな、214(のぞ)かぬやうな(てい)()(みみ)()てて()る。215玄関(げんくわん)障子(しやうじ)をさつと(ひら)いて(あら)はれ()でたる一人(ひとり)(をとこ)
216『オー貴方(あなた)高姫(たかひめ)さま、217青彦(あおひこ)さま、218(この)(あひだ)(えら)いお()(どく)御災難(ごさいなん)御座(ござ)いまして、219(その)()一度(いちど)見舞(みまひ)(まゐ)らうと(おも)つては()ませぬが、220随分(ずゐぶん)火傷(やけど)なさいましたさうで、221水責(みづぜめ)222火責(ひぜめ)223煙責(けぶりぜめ)224()から()()神様(かみさま)225青息吐息(あをいきといき)(かほ)真青(まつさを)青彦(あをひこ)さま、226ようマア態々(わざわざ)227(たづ)(くだ)さりやがつた。228マアマア御遠慮(ごゑんりよ)がありますれば、229御用事(ごようじ)()く、230とつと(はい)りやがるな』
231()ふかと()ればプスリと姿(すがた)()えにける。232二人(ふたり)玄関(げんくわん)()ちながら、
233高姫(たかひめ)『これだから化物教(ばけものけう)だと()ふのだよ、234青彦(あをひこ)さま、235これだから(わたくし)()いて実地(じつち)教育(けういく)()けねば駄目(だめ)だと()ふのだよ、236()出神(でのかみ)眼力(がんりき)(ちが)やしよまいがな』
237青彦(あをひこ)本当(ほんたう)にさうです、238いやもう(おそ)入谷(いりや)鬼子母神(きしもじん)ですワ』
239高姫(たかひめ)『ソンナ剽軽(へうきん)(こと)()うてはなりませぬ。240(まへ)()うやらすると(みづ)(みたま)悪霊(あくれい)憑依(ひようい)されたと()える、241(ちつ)(しつか)りなさらぬかい』
242 (この)(とき)(おく)(はう)より紅葉姫(もみぢひめ)(しと)やかに(この)()(あら)はれ、
243『これはこれはお二人(ふたり)のお(かた)244夜中(やちう)にお()(くだ)さいましたのは(なに)()はつた(こと)(おは)すのでは御座(ござ)いませぬか、245()(かく)(あが)(くだ)さいまして御休息(ごきうそく)(うへ)246御用(ごよう)(おもむき)(あふ)()(くだ)さいませ』
247高姫(たかひめ)左様(さやう)ならば遠慮(ゑんりよ)なく御免(ごめん)(かうむ)ります、248サア青彦(あをひこ)249貴方(あなた)()いて()なさい、250随分(ずゐぶん)()をつけて油断(ゆだん)せぬやう(まなこ)八方(はつぱう)(くば)るのだよ』
251紅葉姫(もみぢひめ)私方(わたくしかた)三五教(あななひけう)信者(しんじや)252(ぜん)(みち)遵奉(じゆんぽう)するもの、253御心配(ごしんぱい)(くだ)さるな、254滅多(めつた)陥穽(おとしあな)もありませぬ、255(また)()(そこ)魔窟ケ原(まくつがはら)のやうな(かく)場所(ばしよ)(つく)つては御座(ござ)いませぬ、256マア(ゆつ)くりと、257安心(あんしん)して(どう)()ゑて(くだ)さいませ』
258高姫(たかひめ)(この)(あひだ)御主人様(ごしゆじんさま)はお()(どく)(こと)御座(ござ)いましたなア、259()うぞ霊様(みたまさま)なりと(をが)まして(くだ)さい、260三五教(あななひけう)信仰(しんかう)なさつても矢張(やつぱり)悪魔(あくま)には(かな)はぬと()えます、261大江山(おほえやま)鬼雲彦(おにくもひこ)部下(てした)(とら)へられ嬲殺(なぶりごろ)しにお()ひなさつたさうだが、262(わたくし)()いても(なみだ)(こぼ)れる、263()して女房(にようばう)貴女(あなた)264御愁傷(ごしうしやう)(ほど)(さつ)(まを)します』
265と、266そつと()(つばき)をつけ、267オンオンと空泣(そらな)きに()()てる。268青彦(あをひこ)はポカンとして紅葉姫(もみぢひめ)(かほ)見詰(みつ)めて()る。269高姫(たかひめ)青彦(あをひこ)(すそ)をそつと()き、270()真似(まね)をせよと合図(あひづ)をする、271青彦(あをひこ)(すこ)しも合点(がてん)()かず、
272『エ(なん)ですか、273(わたくし)着物(きもの)(なん)()いて()りますか、274(ひど)()()りなさいますな』
275紅葉姫(もみぢひめ)『オホヽヽヽ、276それは御親切(ごしんせつ)有難(ありがた)御座(ござ)います、277(わたくし)主人(しゆじん)無事(ぶじ)(かへ)つて(まゐ)りました、278これも(まつた)三五教(あななひけう)御神徳(ごしんとく)御座(ござ)います、279(あま)三五教(あななひけう)勢力(せいりよく)(つよ)いので(ねた)(そね)みから、280ウラナイ(けう)とやらが出来(でき)て、281其処(そこ)(ぢう)()(まは)して(ある)くと()(こと)御座(ござ)います、282よう(ひと)真似(まね)流行(はや)()(なか)283(ひと)成功(せいこう)したからと()うて自分(じぶん)(その)真似(まね)をして(むか)ふを()らうと(おも)つても、284身魂(みたま)因縁性来(いんねんしやうらい)到底(たうてい)思惑(おもわく)()つものぢやありませぬ、285貴女(あなた)はウラナイ(けう)宣伝使(せんでんし)とお見受(みうけ)(いた)しますが、286一体(いつたい)ウラナイ(けう)はドンナ(をしへ)御座(ござ)いますか』
287高姫(たかひめ)三五教(あななひけう)はあれは(もと)()かつたが、288(いま)薩張(さつぱ)駄目(だめ)です、289三五教(あななひけう)(まこと)生粋(きつすゐ)根本(こつぽん)は、290()出神(でのかみ)生宮(いきみや)291この高姫(たかひめ)(なに)()もこの()(ひら)けた根本(こつぽん)(はじま)りから、292万劫末代(まんがふまつだい)()(こと)293何一(なにひと)()らぬと()ふものはないウラナイ(けう)です、294それだから(たれ)にも()かずにお(うち)御主人(ごしゆじん)秋山彦(あきやまひこ)(さま)御遭難(ごさうなん)もチヤンと(わか)つて()るのです、295ナンとウラナイ(けう)立派(りつぱ)なものでせうがナ』
296紅葉姫(もみぢひめ)()ンでも()ない(わが)(をつと)秋山彦(あきやまひこ)死人(しにん)(あつか)ひなさるのは、297如何(いか)にも()(わか)つた(えら)神様(かみさま)ですなア、298秋山彦(あきやまひこ)はピンピンして()りますよ』
299高姫(たかひめ)『それは貴女(あなた)身魂(みたま)因縁(いんねん)をご(ぞん)じないからソンナ理屈(りくつ)仰有(おつしや)るが、300三五教(あななひけう)一旦(いつたん)大江山(おほえやま)(とら)はれ()ンだ(ところ)を、301(この)高姫(たかひめ)()出神(でのかみ)水火(いき)遠隔(ゑんかく)()よりかけて、302神霊(しんれい)注射(ちうしや)をやつたから生返(いきかへ)つたのだよ、303サアこれからは(こころ)(あらた)めてウラナイ(けう)改宗(かいしう)なされ』
304紅葉姫(もみぢひめ)朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも、305(つき)()つとも()くるとも、306仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも、307三五教(あななひけう)()(すく)ふ、308(まこと)(かみ)御教(おんをしへ)309ウラナイ(けう)はどうしても(むし)()きませぬ、310合縁奇縁(あひえんきえん)蓼喰(たでく)(むし)()()き、311えぐい煙草(たばこ)()にも(むし)がつく、312改宗(かいしう)するのは見合(みあは)しませう、313いや絶対(ぜつたい)(いや)ですワ、314ホヽヽヽヽ』
315 (おく)(はう)より秋山彦(あきやまひこ)(こゑ)がして、
316紅葉姫(もみぢひめ)紅葉姫(もみぢひめ)
317(きこ)(きた)る。
318『ハイ』と(こた)へて紅葉姫(もみぢひめ)二人(ふたり)(かる)会釈(ゑしやく)して(おく)()さして(すす)()る。
319 二人(ふたり)紅葉姫(もみぢひめ)後姿(うしろすがた)目送(もくそう)しながら()(てん)じて(がく)()れば、320(がく)(うら)(かぎ)(はし)(あら)はれて()る。321高姫(たかひめ)立上(たちあが)り、322()()()れば冠島(かむりじま)沓島(くつじま)宝庫(はうこ)(かぎ)(しる)されてある。323高姫(たかひめ)はニヤリと(わら)ひ、324これさへあれば大願(たいぐわん)成就(じやうじゆ)手早(てばや)懐中(くわいちゆう)捻込(ねぢこ)素知(そし)らぬ(かほ)325青彦(あをひこ)はがたがた(ふる)()し、
326青彦(あをひこ)『もしもし高姫(たかひめ)さま、327ソヽそれは(なん)()(こと)をなされます、328当家(たうけ)什物(じふもつ)貴女(あなた)懐中(くわいちゆう)にお()(あそ)ばすとは合点(がてん)(まゐ)りませぬ』
329高姫(たかひめ)『シーツ、330エヽ融通(ゆうづう)()かぬ(をとこ)だな、331()出神(でのかみ)御命令(ごめいれい)だ、332此家(ここ)冠島(かむりじま)沓島(くつじま)(かぎ)()つて()(こと)天眼通(てんがんつう)でチヤンと(にら)みてある、333(これ)をかぎ()(ため)にやつて()たのだよ、334サアサア(いま)(うち)()(まぎ)れて此処(ここ)()()(ふね)(こしら)冠島(かむりじま)(わた)りませう』
335(さき)()つて()かむとする。
336青彦(あをひこ)一応(いちおう)当家(たうけ)方々(かたがた)御挨拶(ごあいさつ)申上(まをしあ)げねばなりますまい、337(なん)だか心懸(こころがか)りでなりませぬわい』
338高姫(たかひめ)『エヽ合点(がてん)(わる)い、339愚図々々(ぐづぐづ)して()(とき)ぢやない、340時期(じき)切迫(せつぱく)間髪(かんぱつ)()れずと()ふこの場合(ばあひ)だ。341大功(たいこう)細瑾(さいきん)(かへり)みず細君(さいくん)(をつと)(かへり)みず、342神国(しんこく)成就(じやうじゆ)(ため)沐雨櫛風(もくうしつぷう)343獅子(しし)奮迅(ふんじん)大活動(だいくわつどう)(はや)御座(ござ)れ』
344裏門(うらもん)よりそつと(この)()逃出(にげだ)したり。345秋山彦(あきやまひこ)邸内(ていない)(もの)一人(ひとり)として二人(ふたり)(もの)逃走(たうそう)せし(こと)()()かざりける。346二人(ふたり)由良(ゆら)(みなと)()けつけ一艘(いつそう)小船(こぶね)○○(まるまる)し、347青彦(あをひこ)()(あやつ)り、348高姫(たかひめ)(かい)()一生懸命(いつしやうけんめい)(つき)()海原(うなばら)()()したりける。
349大正一一・四・一五 旧三・一九 加藤明子録)
   
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