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第一五章 谷間(たにま)(いのり)〔六〇五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第16巻 如意宝珠 卯の巻 篇:第2篇 深遠微妙 よみ(新仮名遣い):しんえんびみょう
章:第15章 谷間の祈 よみ(新仮名遣い):たにまのいのり 通し章番号:605
口述日:1922(大正11)年04月15日(旧03月19日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年12月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
三人が聖地に上る途中、老若男女が列をなして山奥へ進んで行くのを目にした。聞いてみると、数日前から大江山の麓、剣尖山の谷あいに神様が現れ、霊験あらたかなのだという。
それは、逃げ出したウラナイ教の青彦だった。三人の宣伝使は、青彦を言向け和しに行くことになった。
青彦は人々を惑わしてウラナイ教への改心を進めている。悦子姫は青彦のいる滝の後ろの森林に隠れ、女神に扮して青彦を叱り始めた。青彦は姿の見えない悦子姫を見つけ出そうと焚き火をたく。
焚き火に驚いた雀蜂の群れが青彦を襲って、青彦はその場に倒れてしまった。蜂は参詣人たちにも襲い掛かり、その場は混乱してしまう。
悦子姫は三五教へ改心するように、と説き、一同が惟神霊幸倍坐世を唱えると、蜂の刺し傷はすっかり癒えた。悦子姫は一同に、綾の高天原に参詣するようにと諭すと、参詣人たちは喜び、拍手して帰って行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-02-06 18:03:09 OBC :rm1615
愛善世界社版:187頁 八幡書店版:第3輯 470頁 修補版: 校定版:192頁 普及版:85頁 初版: ページ備考:
001 亀彦(かめひこ)002英子姫(ひでこひめ)003悦子姫(よしこひめ)(さん)(にん)は、004由良(ゆら)(なが)れを(さかのぼ)河守駅(かうもりえき)辿(たど)()き、005路傍(ろばう)(いし)腰打(こしうち)()(いき)(やす)めゐる。006(みぎ)(ひだり)鬱蒼(うつさう)たる老樹(らうじゆ)繁茂(はんも)し、007(ひる)()(くら)(たに)(そこ)008(あり)(あま)きにつくが(ごと)絡繹(らくえき)として数多(あまた)老若(らうにやく)男女(なんによ)山奥(やまおく)目蒐(めが)けて(すす)()く。
009 亀彦(かめひこ)はその(なか)一人(ひとり)(とら)へ、
010亀彦()沢山(たくさん)(ひと)(きた)(きた)へと行列(ぎやうれつ)()みて()くのは、011(なに)()はつたことがあるのか。012様子(やうす)()()いものだナア』
013(をとこ)『ハイハイ(なん)だか()りませぬが、014二三(にさん)(にち)以前(いぜん)から大江山(おほえやま)(ふもと)剣尖山(けんさきやま)谷間(たにあひ)結構(けつこう)(かみ)(さま)(あら)はれたと()ふことで、015(いづ)れも病気(びやうき)平癒(へいゆ)や、016商売(しやうばい)繁昌(はんじやう)などの()(ねがひ)参拝(さんぱい)(いた)すものでございます。017(わたくし)(べつ)(ねがひ)とては()いけれども、018(あんま)沢山(たくさん)(ひと)(まゐ)るなり、019(えら)評判(ひやうばん)だから、020ドンナ(もの)(ひと)()がてらに(まゐ)(ところ)です』
021亀彦(かめひこ)『それは一体(いつたい)(なん)()(かみ)(さま)だ』
022(をとこ)『ナンデも(うら)とか、023(おもて)とか()()()いた畳屋(たたみや)(やう)(かみ)さまぢや(さう)です。024さうして青彦(あをひこ)とか、025青蛙(あをがへる)とか、026青畳(あをだたみ)とか、027ナンデも(あを)()()()取次(とりつぎ)()つて、028()(えだ)(もつ)参拝者(さんぱいしや)一々(いちいち)しばくと、029それで病気(びやうき)立所(たちどころ)(なほ)つたり、030願望(ぐわんばう)成就(じやうじゆ)したりするとか()つて、031それはそれは(えら)人気(にんき)でございます。032流行神(はやりがみ)さまは、033(なん)でも(はや)(まゐ)らねば()神徳(しんとく)()いと、034(みな)剣尖山(けんさきやま)(ふもと)()して弁当持(べんたうもち)参拝(さんぱい)するのです。035マアお(まへ)さまも(めう)(ふう)をしてござるが、036大方(おほかた)(かみ)さまの取次(とりつぎ)ではありますまいか』
037亀彦(かめひこ)『さうぢや、038吾々(われわれ)(かみ)(みち)取次(とりつぎ)ぢや』
039(をとこ)『ヤア貴方(あなた)取次(とりつぎ)()つても、040生臭(なまぐさ)取次(とりつぎ)ぢやろ。041()(おく)谷川(たにがは)(あら)はれた(あを)()()()取次(とりつぎ)は、042精進(しやうじん)潔斎(けつさい)043(をんな)などは(そば)にも()せつけぬと()ふ、044それはそれは(えら)行者(ぎやうじや)ぢやさうな。045それにお(まへ)(にはとり)(なん)ぞの(やう)三羽番(さんばつがひ)で、046(たれ)がお(まへ)()ふことを()くものか、047(わら)ふに(きま)つとるワ。048アハヽヽヽ』
049亀彦(かめひこ)(けつ)して(けつ)して女房(にようばう)でも(なん)でもござらぬ。050各自(めいめい)一個(いつこ)独立(どくりつ)(をしへ)(みち)宣伝使(せんでんし)だ。051(まへ)(たち)(をとこ)(をんな)(ある)いて()れば、052(すぐ)にそれだから(こま)る。053凡夫(ぼんぶ)()(もの)浅猿(あさま)しいものだ』
054(をとこ)『ヘエ、055うまいこと仰有(おつしや)いますワイ。056凡夫(ぼんぶ)(なか)にも聖人(せいじん)があり、057聖人(せいじん)らしう()せても凡夫(ぼんぶ)がある()(なか)ぢや。058(あんま)ボンボン()つて(もら)ふまいかい。059ボンくら凡夫(ぼんぶ)ボンボン宣伝使(せんでんし)()が。060マア悠乎(ゆつくり)路傍(みちばた)三羽番(さんばつがひ)061羽巻(はねまき)でもして狎戯(いちやつ)いたがよからう。062アーア、063コンナ(にせ)宣伝使(せんでんし)(かか)()つて、064(つれ)(やつ)はモー何処(どこ)(さき)()つて(しま)ひやがつた』
065一目散(いちもくさん)()()し、066(おく)(おく)へと(すす)()く。
067亀彦(かめひこ)英子姫(ひでこひめ)さま、068(いま)(をとこ)(はなし)()つて(かんが)へて()ると、069()うやらウラナイ(けう)青彦(あをひこ)のことらしい(やう)(おも)はれます。070(また)もやウラナイ(けう)(ひろ)めて世人(せじん)(まよ)はし、071害毒(がいどく)(なが)(やう)なことがあつては神界(しんかい)(たい)し、072吾々(われわれ)宣伝使(せんでんし)(やく)()みませぬから、073(これ)から(ひと)実地(じつち)調査(てうさ)(まゐ)りませうか』
074英子姫(ひでこひめ)『さうですなア、075(べつ)(いそ)(たび)でも()し、076調(しら)べて()ませうか。077これも(なに)かの(かみ)(さま)()仕組(しぐみ)かも()れませぬ』
078悦子姫(よしこひめ)『それは面白(おもしろ)うございませう。079先日(せんじつ)より(あんま)沈黙(ちんもく)(まも)つて()ましたので、080(くち)(むし)()(やう)不快(ふくわい)(たま)りませぬ。081何卒(どうぞ)今度(こんど)(ひと)(わらは)交渉(かうせふ)をさせて(くだ)さい。082言霊(ことたま)()らむ(かぎ)奮闘(ふんとう)してお()にかけます』
083英子姫(ひでこひめ)『アーそれも面白(おもしろ)からう』
084亀彦(かめひこ)『サアサア(まゐ)りませう。085悦子姫(よしこひめ)さまの雄弁(ゆうべん)()り、086奮戦(ふんせん)()りを拝見(はいけん)さして(もら)ひませう』
087(さん)(にん)群集(ぐんしふ)(まぎ)れて(ひる)()(くら)山道(やまみち)を、088(きた)(きた)へと(すす)()く。
089 一行(いつかう)群集(ぐんしふ)(まぎ)(やうや)剣尖山(けんさきやま)(ふもと)(なが)るる谷川(たにがは)(ほとり)()きぬ。090()谷川(たにがは)岩壁(がんぺき)には産釜(うぶがま)091産盥(うぶだらひ)()(うる)はしき(みづ)(たた)へた天然(てんねん)水壺(みづつぼ)あり。092ウラナイ(けう)宣伝使(せんでんし)青彦(あをひこ)(いかめし)白装束(しろしやうぞく)(まま)093()滝壺(たきつぼ)(そば)()ち、094谷川(たにがは)(みづ)(しやく)()()(しば)(えだ)()きかけ、095数多(あまた)老若(らうにやく)男女(なんによ)(むか)つて(やまひ)(なほ)し、096(あるひ)はいろいろの神占(うらなひ)()し、097数多(あまた)男女(だんぢよ)誑惑(けうわく)しつつありける。098悦子姫(よしこひめ)亀彦(かめひこ)099英子姫(ひでこひめ)(むか)ひ、
100悦子姫『サア()約束(やくそく)(とほ)り、101(これ)から(わらは)一人(ひとり)舞台(ぶたい)102貴方(あなた)(がた)()()れたを(さいは)ひ、103木蔭(こかげ)(ひそ)(わらは)活動(くわつどう)()りを御覧(ごらん)(くだ)さい』
104()()何処(どこ)ともなく深林(しんりん)(なか)姿(すがた)(かく)したり。105青彦(あをひこ)儼然(げんぜん)として水壺(みづつぼ)(そば)()ち、106数多(あまた)人々(ひとびと)(たい)して教訓(けうくん)(ほどこ)()る。
107 (かふ)拍手(はくしゆ)(なが)ら、108(おそ)(おそ)青彦(あをひこ)(まへ)蹲踞(しやが)み、
109生神(いきがみ)(さま)(ひと)()(ねが)ひがございます。110(わたくし)(せん)(やまひ)に、111(ねん)年中(ねんぢう)(くる)しみてゐます。112ナントか()神徳(しんとく)(もつ)()(たす)(くだ)さいませ。113(くすり)(なを)ることなら何薬(なにぐすり)がよいか。114これも()指図(さしづ)(ねが)()うございます』
115青彦(あをひこ)(せん)でも(なん)でも(なを)らぬことは()い。116それはお(まへ)改心(かいしん)次第(しだい)ぢや。117(いち)()(はや)(この)(ごろ)流行(はや)三五教(あななひけう)(ほか)して、118ウラナイ(けう)(かみ)(さま)信者(しんじや)になれ。119(その)()から(せん)病気(びやうき)(うそ)()いた(やう)全快(ぜんくわい)間違(まちが)ひなしぢや』
120(かふ)『ハイハイ()(がた)うございます。121(せん)(なを)ることなら、122何時(いつ)でもウラナイ(けう)になります』
123 (うしろ)(はう)より疳高(かんだか)(をんな)(こゑ)
124女(悦子姫)『ウラナイ(けう)見切(みき)つて三五教(あななひけう)(まこと)()くせ、125疝気(せんき)(むし)三五教(あななひけう)神力(しんりき)(おそ)れて(ほろ)びて(しま)ふぞ。126此奴(こいつ)金毛(きんまう)九尾(きうび)(きつね)使(つか)はれて()曲津(まがつ)容器(いれもの)だ。127ホヽヽヽ』
128(かふ)『モシモシ生神(いきがみ)(さま)129(をとこ)(こゑ)()したり、130(をんな)(こゑ)()したりなさいまして、131(さき)仰有(おつしや)つた(こと)(あと)から仰有(おつしや)つた(こと)とは全然(ぜんぜん)裏表(うらおもて)ぢやありませぬか』
132青彦(あをひこ)(この)(はう)(まこと)(みち)宣伝使(せんでんし)だ。133(けつ)して(けつ)して二言(にごん)(まを)さぬ』
134(かふ)『それでも(いま)(めう)(こゑ)()してござつたぢやありませぬか』
135(また)もや暗黒(くらがり)より(をんな)(こゑ)
136女(悦子姫)(わらは)こそは天上(てんじやう)より(くだ)(きた)れる天照(あまてらす)大神(おほかみ)(おん)使(つかひ)137(みづ)御魂(みたま)(をし)(たま)へる三五教(あななひけう)生神(いきがみ)なるぞ。138青彦(あをひこ)(ごと)体主(たいしゆ)霊従(れいじう)(をしへ)(みみ)()れるな』
139青彦(あをひこ)『ヤアこれは()しからぬ。140何者(なにもの)とも()れず空中(くうちう)(こゑ)()して、141(それがし)宣伝(せんでん)妨害(ばうがい)(いた)魔神(まがみ)(あら)はれたりと(おぼ)ゆ。142コラコラ悪神(あくがみ)(やつ)143この青彦(あをひこ)言霊(ことたま)威力(ゐりよく)(もつ)て、144(なんぢ)正体(しやうたい)(あら)はし()れむ』
145拍手(はくしゆ)し、146言霊(ことたま)(にご)れる神言(かみごと)奏上(そうじやう)(はじ)めたり。147(また)もや暗黒(くらがり)(なか)より(をんな)(こゑ)
148女(悦子姫)『ホヽヽヽ、149面白(おもしろ)面白(おもしろ)い、150()青彦(あをひこ)(あを)(かほ)わいな』
151青彦(あをひこ)『エー(また)しても(また)しても曲津(まがつ)(かみ)()()よつて。152コラコラ(いま)往生(わうじやう)さしてやるぞ』
153(あせ)みどろになり、154一生(いつしやう)懸命(けんめい)天津(あまつ)祝詞(のりと)何回(なんくわい)となく奏上(そうじやう)する。155後方(うしろ)(やま)小高(こだか)暗中(あんちう)より、156(また)もや(をんな)(こゑ)
157女(悦子姫)『オホヽヽヽ、158青彦(あをひこ)159(なんぢ)秋山彦(あきやまひこ)(やかた)(おい)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)亀彦(かめひこ)(なや)まされ、160生命(いのち)辛々(からがら)此処(ここ)まで()()び、161(また)もや悪逆(あくぎやく)無道(ぶだう)継続(けいぞく)事業(じげふ)開始(かいし)してゐるのか。162()加減(かげん)改心(かいしん)(いた)さぬと(なんぢ)霊魂(みたま)引抜(ひきぬ)き、163()(くに)164(そこ)(くに)(おと)してやらうか』
165青彦(あをひこ)『ナンダ、166(まこと)(みち)妨害(ばうがい)(いた)悪魔(あくま)ども、167容赦(ようしや)(いた)さぬ。168(いま)青彦(あをひこ)神徳(しんとく)無限(むげん)のウラナイ(けう)言霊(ことたま)(もつ)て、169(なんぢ)身魂(みたま)破滅(はめつ)せしめむ。170(すみや)かに退散(たいさん)(いた)さばよし、171愚図(ぐづ)々々(ぐづ)(いた)さば容赦(ようしや)はならぬぞ』
172とぶるぶる(ふる)(なが)空元気(からげんき)()けて呶鳴(どな)りゐる。173暗中(あんちう)より、174(また)もや(をんな)(こゑ)
175女(悦子姫)『オホヽヽヽ、176可笑(をか)しい(わい)177(なんぢ)(ちから)(おも)高姫(たかひめ)(いま)フサの(くに)()(かへ)り、178黒姫(くろひめ)行方(ゆくへ)不明(ふめい)となりし今日(こんにち)179何程(なにほど)(なんぢ)180力味返(りきみかへ)るとも(かく)(ごと)(まこと)(かみ)使(つかひ)(あら)はれし(うへ)最早(もはや)(なんぢ)(うん)()き、181一刻(いつこく)(はや)()()退却(たいきやく)(いた)せよ』
182青彦(あをひこ)『エーナント()つても一旦(いつたん)(おも)()つた拙者(それがし)宣伝(せんでん)183たとへ()()八裂(やつざき)()はうとも、184いつかないつかな(こころ)(ひるがへ)すやうな腰抜(こしぬ)けではないぞ。185(いづ)れの魔神(まがみ)()らねども、186(ひと)見損(みそこな)ふにも(ほど)がある。187サア正体(しやうたい)此処(ここ)(あら)はせ。188(まこと)(みち)()いて()かして改心(かいしん)させてやらう(ほど)に』
189暗中(あんちう)より『オホヽヽヽ』
190 (おつ)拍手(かしはで)()ち、
191『モシモシ生神(いきがみ)(さま)192ナンダか貴方(あなた)仰有(おつしや)いますと、193(うしろ)中空(ちうくう)(はう)(めう)(こゑ)(きこ)えます、194ナンデも貴方(あなた)(さま)反対(はんたい)(かみ)(さま)らしうございます。195()(くら)いのに(かみ)(さま)喧嘩(けんくわ)(あそ)ばして吾々(われわれ)なにも()らぬものが側杖(そばづゑ)(くら)ひまして(まこと)迷惑(めいわく)196何卒(どうぞ)()(こゑ)()めて(くだ)さいませぬか』
197 (また)もや(をんな)(こゑ)
198女(悦子姫)『オホヽヽヽ、199()めて()まらぬ(こゑ)(みち)200(みち)二筋(ふたすぢ)(ぜん)(あく)201(ぜん)(まつ)らふか、202(あく)(したが)ふか、203(いづ)れも(いま)ここでハツキリと返答(へんたふ)(いた)せよ』
204青彦(あをひこ)(いづ)れの(かみ)かは()らねども、205拙者(それがし)宣伝(せんでん)妨害(ばうがい)(いた)曲者(くせもの)206了見(れうけん)(いた)さぬぞ』
207 暗中(あんちう)より、208(また)もや、
209女(悦子姫)『オホヽヽヽ、210()のマア青彦(あをひこ)空威張(からいば)り』
211青彦(あをひこ)『ヤア(なん)とはなしに()(おぼ)えのある(こゑ)だ。212(その)(はう)三五教(あななひけう)(をんな)宣伝使(せんでんし)であらう。213(うしろ)(やま)(ひそ)み、214拙者(せつしや)宣伝(せんでん)妨害(ばうがい)(いた)すと(おぼ)えたり。215(いま)正体(しやうたい)(あら)はし()れむ』
216火打(ひうち)取出(とりだ)しカチカチと()()四辺(あたり)枯柴(かれしば)(あつ)めて(さか)ンに()()きつけたり。
217 一同(いちどう)(かほ)(ひる)(ごと)()らされたれど、218()(しげ)みに(かく)れたる悦子姫(よしこひめ)姿(すがた)()えざりける。219悦子姫(よしこひめ)(なほ)(くつ)せず、
220悦子姫『オホヽヽヽ、221ウラナイ(けう)阿呆彦(あはうひこ)宣伝使(せんでんし)222(おそ)(おほ)くも(むかし)天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)(さま)()()まれ(あそ)ばした(とき)に、223産湯(うぶゆ)()らせ(たま)うた産釜(うぶがま)224産盥(うぶだらひ)(そば)()宣伝(せんでん)(いた)すとは、225僣越(せんゑつ)至極(しごく)(なんぢ)振舞(ふるまひ)226(いま)数多(あまた)(はち)(あら)はれ(きた)つて(なんぢ)(まなこ)(つぶ)すであらう。227オホヽヽヽ』
228 焚火(たきび)(ひかり)(おどろ)いて(かたはら)()()つてゐた雀蜂(すずめばち)(むれ)229火焔(くわえん)(した)()()められ(たま)()ね、230青彦(あをひこ)底光(そこびか)りのする目玉(めだま)()がけて、231一生(いつしやう)懸命(けんめい)幾百千(いくひやくせん)ともなく襲撃(しふげき)(はじ)めたるにぞ、232青彦(あをひこ)は、
233青彦『アイター』
234()()(たふ)れける。235(はち)(むれ)青彦(あをひこ)身体(しんたい)一面(いちめん)空地(あきぢ)もなく()()きける。
236 数多(あまた)参詣人(さんけいにん)(はち)(ひか)つた()()され、237(くる)しむもの彼方(あなた)此方(こなた)(あら)はれ、238()くもの、239(わめ)くもの、240(たちま)阿鼻(あび)叫喚(けうくわん)(ちまた)となりぬ。241(また)もや暗中(あんちう)より、
242悦子姫『ヤアヤア此処(ここ)(あつ)まる老若(らうにやく)男女(なんによ)243(けが)らはしき肉体(にくたい)()(なが)ら、244()聖場(せいぢやう)(けが)すこと不届(ふとどき)千万(せんばん)な、245(いち)()(はや)神界(しんかい)謝罪(しやざい)をせよ。246三五教(あななひけう)宣伝歌(せんでんか)(とな)(たてまつ)り、247(はち)災禍(わざはひ)(はら)(あた)へむ。248惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
249(とな)ふる(こゑ)につれ、250一同(いちどう)一生(いつしやう)懸命(けんめい)になりて、
251一同惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)252惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
253(とな)(はじ)めける。
254 ()(こゑ)四辺(あたり)山岳(さんがく)をも(ゆる)がす(ばか)りなり。255暗中(あんちう)より、
256悦子姫『ヤアヤ、257(なんぢ)()(はち)()された()は、258これで全快(ぜんくわい)したであらう。259聖場(せいぢやう)(けが)してはならないから、260一刻(いつこく)(はや)()()立去(たちさ)り、261(あや)高天(たかま)()(れい)のために(とき)(うつ)さず参詣(さんけい)(いた)せよ。262夢々(ゆめゆめ)(うたが)ふな。263惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
264 一同(いちどう)()(こゑ)(おどろ)き、265()(よろこ)び、266(こゑ)する(かた)(むか)つて拍手(はくしゆ)(なが)ら、267長居(ながゐ)(おそ)れと一目散(いちもくさん)河伝(かはづた)ひに(かへ)()く。268アヽ青彦(あをひこ)運命(うんめい)如何(いかん)
269大正一一・四・一五 旧三・一九 外山豊二録)

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5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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