霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第六章 (みづ)宝座(はうざ)〔六一七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第17巻 如意宝珠 辰の巻 篇:第1篇 雪山幽谷 よみ:せつざんゆうこく
章:第6章 第17巻 よみ:みずのほうざ 通し章番号:617
口述日:1922(大正11)年04月21日(旧03月25日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年1月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
樹木が鬱蒼として四方を山に囲まれた清浄の境域に、水晶のような水が流れ、所々に青い清泉が散在している。中空には微妙の音楽と共に天津乙女が舞い、霊鳥が飛び交っている。
苔むす麗しい巌の上に、悦子姫が立って日の丸扇を両手に持って、豊国姫命と三五教を讃える歌を歌い舞っている。
音彦はこれまでの宣伝の経緯を歌に歌った。そして真名井ヶ原の霊場を讃え、ここに禊して瑞霊と成り代わって曲津神を言向け和す決意を表した。
一同は音彦の歌に勇み立った。そして、豊国姫命が神姿を現すという中央の石の宝座に向かって天津祝詞を奏上し、宣伝歌を歌い終わった。
そこへ加米彦が息せき切って報告にやってきた。黒姫が、フサの国からやってきた高山彦という将軍と結婚し、共に軍勢を引き連れて真名井ヶ原に攻め寄せてきたのであった。
音彦は青彦と加米彦に、ウラナイ教軍を言向け和すように命じ、自らは悦子姫とともに豊国姫命の神勅を乞うた。
加米彦、青彦が言霊を射照らすと、魔軍はばたばたと倒れ、高山彦は黒姫とともに馬に乗って遁走した。
二人が戻ってくると、悦子姫に豊国姫命が降臨して、神勅を降しつつあった。
ご神名は、豊雲野尊またの御名を豊国姫神という。
国治立大神と共にいったん地底の国に身を潜めていた。
再び地教山に現れた。
そして国土を修理固成しつつ時の至るのを待っていた。
天運循環し、天津神よりこの聖地を鎮座所と定められた。
この地に霊魂を止めて自転倒島はもとより、大八洲の国々に霊魂を配って世を永遠に守る。
鬼雲彦を使役していた八岐大蛇の片割れが、鬼ヶ城に姿を隠して、聖地を窺っている。悦子姫、音彦、加米彦、青彦は進撃して敵を言向け和せ。
悦子姫らは豊国姫命の神勅により、鬼ヶ城へ向かった。
音彦は、平助親子に祝詞と宣伝歌の力を説いて聞かせた。平助らは家路についた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:79頁 八幡書店版:第3輯 553頁 修補版: 校定版:82頁 普及版:35頁 初版: ページ備考:
001 樹木(じゆもく)鬱蒼(うつさう)として生茂(おひしげ)れる四方(しはう)(やま)(つつ)まれたる清浄(せいじやう)境域(きやうゐき)に、002水晶(すゐしやう)(ごと)(みづ)潺々(せんせん)として(なが)れ、003処々(ところどころ)(あを)()ちたる清泉(せいせん)(いく)つとなく散在(さんざい)して()る。004中空(ちうくう)には容色(ようしよく)(うるは)しき天津乙女(あまつおとめ)七八人(しちはちにん)005微妙(びめう)音楽(おんがく)につれて右往左往(うわうさわう)()(くる)ひ、006迦陵頻伽(がりようびんか)007鳳凰(ほうわう)008孔雀(くじやく)瑞鳥(ずゐちやう)相交(あひまじ)はりて前後左右(ぜんごさいう)()()(さま)は、009天国(てんごく)浄土(じやうど)大祭日(だいさいじつ)()くやと(おも)はるる(ばか)りの壮観(さうくわん)なりき。010(こけ)()(うる)はしき(いはほ)(うへ)容色(ようしよく)端麗(たんれい)にして威儀(ゐぎ)儼然(げんぜん)たる一人(ひとり)女性(ぢよせい)011()(まる)(あふぎ)両手(りやうて)()ちて(うた)()れり。
012自転倒島(おのころじま)(まつ)(くに)
013堅磐常磐(かきはときは)(ゆる)ぎなく
014御代(みよ)(たひ)らに(やす)らかに
015(くに)(ゆたか)(をさ)まりて
016天下(てんか)泰平(たいへい)国土(こくど)成就(じやうじゆ)
017五穀(ごこく)成熟(せいじゆく)(やま)(あを)
018(みづ)(きよ)()豊国姫(とよくにひめ)
019(かみ)(みこと)()らす()
020天津御空(あまつみそら)神国(かみくに)
021常世(とこよ)(はる)永久(とこしへ)
022(さか)(ひさ)しき(まつ)御代(みよ)
023天津神(あまつかみ)たち国津神(くにつかみ)
024(よろづ)(かみ)(たち)(はじ)めとし
025(もも)民草(たみぐさ)()()べて
026(えら)(にぎは)ふミロクの()
027天津乙女(あまつおとめ)天上(てんじやう)
028(にしき)(そで)(ひるがへ)
029(とり)万代(よろづよ)(うた)()
030(あめ)(つち)との水鏡(みづかがみ)
031真如(しんによ)(つき)(うか)べつつ
032神素盞嗚(かむすさのを)大神(おほかみ)
033(この)()(きよ)(あら)ひます
034(みづ)(みたま)弥赫耀(いやちこ)
035(かがや)(わた)大御代(おほみよ)
036(ほまれ)目出度(めでた)三五(あななひ)
037(かみ)(をしへ)遠近(をちこち)
038真名井ケ原(まなゐがはら)()(ひび)
039豊国姫(とよくにひめ)神霊(かむみたま)
040神素盞嗚(かむすさのを)瑞霊(みづみたま)
041野立(のだち)(ひこ)野立姫(のだちひめ)
042暗夜(やみよ)()らす()出別(でわけ)
043一度(いちど)(ひら)()(はな)
044咲耶(さくや)(ひめ)御神姿(おんすがた)
045青雲(あをくも)(たか)富士(ふじ)(やま)
046(とどろ)鳴戸(なると)瀬戸(せと)(うみ)
047(ふか)(めぐ)みの(かみ)(つゆ)
048(うるほ)()こそ(たの)しけれ
049(うるほ)()こそ(たの)しけれ
050(はる)とは()へど(まだ)(さむ)
051四方(よも)山々(やまやま)樹々(きぎ)(ゆき)
052(まと)ひて(うた)(きみ)御代(みよ)
053(きみ)(おみ)とは(むつ)()
054青人草(おほみたから)(まつろ)ひて
055()永久(とこしへ)(さか)()
056国治立(くにはるたち)大神(おほかみ)
057(おもて)(あら)はれ()らす()
058松竹梅(まつたけうめ)永久(とこしへ)
059()()(なが)(つる)(くび)
060万代(よろづよ)(ことほ)緑毛(りよくまう)
061(かめ)(よはひ)(かぎ)りなく
062三五教(あななひけう)(かみ)(のり)
063千代(ちよ)(さか)えよ永久(とことは)
064幾億年(いくおくねん)(すゑ)(まで)
065(うご)かぬ御代(みよ)(すす)()
066()はらぬ御代(みよ)(ひら)()
067(をしへ)(みち)(ひら)()
068御代(みよ)(あふぎ)(すゑ)(ひろ)
069(かみ)御風(みかぜ)(なび)()
070()たさせ(たま)惟神(かむながら)
071(みたま)幸倍(さちはへ)()坐世(ませ)
072アヽ惟神(かむながら)惟神(かむながら)
073(みたま)(さち)永久(とこしへ)
074世人(よびと)(うへ)(ことごと)
075(かむ)らせ(たま)大御神(おほみかみ)
076豊国姫(とよくにひめ)神霊(かむみたま)
077千代(ちよ)八千代(やちよ)()(まつ)る』
078(みづか)(うた)(みづか)()ひつつあるのは三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)悦子姫(よしこひめ)なりき。079音彦(おとひこ)()(あが)り、
080高天原(たかあまはら)(やら)はれて
081地教(ちけう)(やま)伊邪那美(いざなみ)
082(みこと)()はせ(たま)ひつつ
083()高国別(たかくにわけ)(あら)はれし
084活津彦根(いくつひこね)諸共(もろとも)
085山河(やまかは)(わた)野路(のぢ)()
086高山(たかやま)四方(よも)(めぐ)らせる
087西蔵国(チベツトくに)言向(ことむ)けて
088フサの(くに)をば横断(わうだん)
089ウブスナ(やま)(いただき)
090斎苑(いそ)宮居(みやゐ)()(たま)
091熊野樟日(くまのくすび)(みこと)をば
092守護(まもり)(かみ)(さだ)めつつ
093神素盞嗚(かむすさのを)大神(おほかみ)
094八洲(やしま)(くに)(ことごと)
095(めぐ)(たま)ひて(いま)此処(ここ)
096自転倒島(おのころじま)(わた)りまし
097由良(ゆら)(みなと)国司(くにつかさ)
098秋山彦(あきやまひこ)神館(かむやかた)
099暫時(しばし)(いき)をば(やす)ませつ
100聖地(せいち)()して()(たま)
101国武彦(くにたけひこ)大神(おほかみ)
102神政(しんせい)成就(じやうじゆ)経綸(けいりん)
103(かむみ)(はか)りに(はか)らせつ
104(あづま)()して()(たま)
105(あと)(のこ)りし英子姫(ひでこひめ)
106万代(よろづよ)(いは)亀彦(かめひこ)
107(かみ)(みこと)大江山(おほえやま)
108(まが)(たけ)びを(しづ)めむと
109悦子(よしこ)(ひめ)(ともな)ひて
110剣尖山(けんさきやま)(たに)(そこ)
111由緒(ゆいしよ)(ふか)霊泉(れいせん)
112(たま)(きよ)めて皇神(すめかみ)
113(うづ)御舎(みあらか)(つか)へまし
114悦子(よしこ)(ひめ)青彦(あをひこ)
115(とも)なひ(ふたた)大江山(おほえやま)
116魔窟ケ原(まくつがはら)()()れば
117(こころ)(きたな)黒姫(くろひめ)
118辻褄(つじつま)()はぬ繰言(くりごと)
119言向(ことむ)()ねて(すす)()
120(こころ)(きよ)(ゆき)(みち)
121(あま)橋立(はしだて)(あと)()
122(こま)(むちう)膝栗毛(ひざくりげ)
123(この)音彦(おとひこ)諸共(もろとも)
124悦子(よしこ)(ひめ)(あと)()
125真名井ケ原(まなゐがはら)()()れば
126()きしに(まさ)(かみ)(その)
127(あめ)真名井(まなゐ)()にし()
128(きよ)(なが)れに身禊(みそぎ)して
129(みづ)(みたま)となり(かは)
130四方(よも)国々(くにぐに)島々(しまじま)
131羽振(はぶ)りを()かす曲神(まがかみ)
132(こと)むけ向和(やは)神国(かみくに)
133守護(まもり)(かみ)(あら)はれて
134(みづ)(みたま)神習(かむなら)
135御代(みよ)永久(とこしへ)(まも)るべし
136アヽ(いさ)ましし(わが)(こころ)
137アヽ(うる)はしき(かみ)(には)
138(かみ)より()れし(かみ)()
139(つと)めを(つく)すは(この)(とき)
140(かみ)(ちから)()(ひろ)
141(かがや)()らすは(この)(とき)
142アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
143(みたま)幸倍(さちはへ)坐世(ましませ)
144朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
145(つき)()つとも()くるとも
146仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
147(かみ)大道(おほぢ)()へざらめ
148(まこと)(みち)(はづ)さざれ
149(みめ)(かたち)悦子姫(よしこひめ)
150(ひじり)御代(みよ)青彦(あをひこ)
151万代(よろづよ)(いは)加米彦(かめひこ)
152身魂(みたま)()らすは(いま)なるぞ
153(いさ)(すす)みて皇神(すみかみ)
154(うづ)御業(みわざ)(つか)へなむ
155(うづ)御業(みわざ)(つか)へなむ
156アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
157御霊(みたま)幸倍(さちはへ)坐世(ましませ)よ』
158 音彦(おとひこ)(この)(うた)悦子姫(よしこひめ)(はじ)一同(いちどう)(いさ)()ち、159豊国姫(とよくにひめ)時々(ときどき)神姿(しんし)(あら)はし(たま)うてふ、160中央(ちうあう)(いし)宝座(ほうざ)(むか)つて天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)し、161宣伝歌(せんでんか)(うた)(をは)る。162(をり)しも(いき)せききつて(はし)(きた)加米彦(かめひこ)は、
163『ハー悦子姫(よしこひめ)(さま)164音彦(おとひこ)さま、165青彦(あをひこ)さま、166その()御連中様(ごれんちうさま)167御用心(ごようじん)なされませ、168只今(ただいま)ウラナイ(けう)魔神(まがみ)大将株(たいしやうかぶ)なる黒姫(くろひめ)は、169何時(いつ)()にやら数多(あまた)眷族(けんぞく)()(あつ)め、170(この)()(むか)つて()()せ、171貴方等(あなたがた)十重(とへ)二十重(はたへ)取捲(とりま)き、172霊肉(れいにく)ともに殲滅(せんめつ)せしめむとの計略(けいりやく)(ととの)へ、173(とき)ならず(この)()(むか)つて進撃(しんげき)(きた)形勢(けいせい)歴然(れきぜん)たるもので御座(ござ)いますれば、174別条(べつでう)はありますまいが(その)(かんがへ)えで()(くだ)さい。175仮令(たとへ)黒姫(くろひめ)幾千万(いくせんまん)曲神(まがかみ)引率(ひきつ)押寄(おしよ)(きた)るとも、176(この)加米彦(かめひこ)円満清朗(ゑんまんせいろう)なる言霊(ことたま)発射(はつしや)()つて、177一人(ひとり)(のこ)らず言向(ことむ)(やは)すは(あん)(うち)178(かなら)(とも)御油断(ごゆだん)あるな』
179(いき)(はづ)ませ物語(ものがた)る。
180音彦(おとひこ)『アハヽヽヽ、181黒姫(くろひめ)(やつ)182百計(ひやくけい)()きて今度(こんど)死物狂(しにものぐる)ひになりよつたな、183小人(せうじん)(きう)すれば(らん)すとかや。184ヤア(これ)面白(おもしろ)面白(おもしろ)い、185それに()いても(にはか)(えら)元気(げんき)になつたものだナア』
186加米彦(かめひこ)(うけたま)はれば高姫(たかひめ)肝煎(きもい)りにて、187フサの(くに)より高山彦(たかやまひこ)()勇将(ゆうしやう)188数多(あまた)軍勢(ぐんぜい)()()(きた)り、189黒姫(くろひめ)結婚(けつこん)(しき)()勢力(せいりよく)(あは)して大団体(だいだんたい)(つく)り、190一挙(いつきよ)素盞嗚尊(すさのをのみこと)根拠地(こんきよち)たる、191真名井ケ原(まなゐがはら)攻略(こうりやく)せむとの彼等(かれら)計画(けいくわく)(うけたま)はる、192(かなら)(かなら)御油断(ごゆだん)あるな』
193音彦(おとひこ)『アハヽヽヽ、194(また)しても(また)しても、195()んで()()(なつ)(むし)か、196(あは)れな(もの)だな。197青彦(あをひこ)198(なんぢ)加米彦(かめひこ)(とも)に、199言霊(ことたま)(もつ)()()(てき)言向(ことむ)(やは)せ、200(われ)悦子姫(よしこひめ)(さま)(とも)豊国姫(とよくにひめ)降臨(かうりん)(あふ)神勅(しんちよく)()はむ』
201委細(ゐさい)承知(しようち)(つかまつ)りました。202吾々(われわれ)二人(ふたり)ある(かぎ)仮令(たとへ)雲霞(うんか)(ごと)大軍(たいぐん)一時(いちじ)()()(きた)るとも、203言霊(ことたま)速射砲(そくしやはう)(もつ)鏖殺(みなごろ)しに(つかまつ)らむ、204アヽ面白(おもしろ)面白(おもしろ)し』
205(いさ)(よろこ)ぶその健気(けなげ)さ。206悦子姫(よしこひめ)(こゑ)()け、
207『ヤア加米彦(かめひこ)殿(どの)208青彦(あをひこ)殿(どの)209(わらは)皇大神(すめおほかみ)(ふか)御威霊(ごゐれい)(たまは)り、210最早(もはや)神変(しんぺん)自由(じいう)神業(かむわざ)修得(しうとく)したれば、211天下(てんか)(おそ)るるものは何物(なにもの)もなし。212汝等(なんぢら)(わらは)(こころ)()かれず(ちから)(かぎ)言霊(ことたま)(もつ)奮戦(ふんせん)せよ』
213 加米彦(かめひこ)214青彦(あをひこ)一度(いちど)(かうべ)()地上(ちじやう)両手(りやうて)をつき、
215委細(ゐさい)承知(しようち)(つかまつ)りました、216何分(なにぶん)宜敷(よろしく)御願(おねが)(まを)す』
217(いさ)(すす)みて(この)()立退(たちの)かむとする。218(とき)しもあれ、219加米彦(かめひこ)急報(きふはう)(たが)はず(ちか)づき()たる黒姫(くろひめ)軍勢(ぐんぜい)220高山彦(たかやまひこ)先頭(せんとう)旗鼓(きこ)堂々(だうだう)此方(こなた)(むか)つて(すす)(きた)物々(ものもの)しさ。
221 加米彦(かめひこ)222青彦(あをひこ)()()高山彦(たかやまひこ)軍勢(ぐんぜい)(むか)ひ、
223『ヤア高山彦(たかやまひこ)224御参(ござん)なれ、225()(ほど)()らぬ馬鹿者(ばかもの)(ども)226(それがし)言霊(ことたま)速射砲(そくしやはう)にかかつて(くたば)るな』
227 高山彦(たかやまひこ)馬背(ばはい)(またが)(なが)ら、
228『ヤア(なんぢ)(うはさ)()木端武者(こつぱむしや)加米彦(かめひこ)とやら、229その広言(くわうげん)(あと)(いた)せ、230ヤアヤア者共(ものども)231加米彦(かめひこ)232青彦(あをひこ)(むか)つて進撃(しんげき)せよ』
233 常彦(つねひこ)234菊若(きくわか)235夏彦(なつひこ)236富彦(とみひこ)237岩高(いはたか)大将株(たいしやうかぶ)高山彦(たかやまひこ)指図(さしづ)(もと)に、238各々(おのおの)数多(あまた)部下(てした)引率(ひきつ)れ、239二人(ふたり)周囲(しうゐ)をバラバラと()(かこ)み、
240『サア加米彦(かめひこ)241青彦(あをひこ)242(その)()奴輩(やつばら)243もう()うなつては(かな)ふまい、244此方(こなた)(やいば)(さび)とならむよりは、245一時(いちじ)(はや)(こころ)(あらた)素盞嗚尊(すさのをのみこと)邪教(じやけう)()ててウラナイ(けう)(まこと)(みち)帰順(きじゆん)(いた)すか、246(かみ)汝等(なんぢら)(あは)れみ(たま)ふぞ、247()()降参(かうさん)(いた)せば、248如何(いか)反対(はんたい)せし(あく)身魂(みたま)(ゆる)して(つか)はす、249サア返答(へんたふ)如何(どう)じや、250如何(いか)(なんぢ)勇猛(ゆうまう)なりとて多勢(たぜい)無勢(ぶぜい)251最早(もはや)(なんぢ)(うん)(つき)252返答(へんたふ)如何(いか)覚悟(かくご)如何(どう)ぢや』
253四方(しはう)八方(はつぱう)より抜刀(ぬきみ)(そろ)()めかかる、254加米彦(かめひこ)255青彦(あをひこ)一度(いちど)高笑(たかわら)ひ、
256『アハヽヽヽ、257(こころ)(くろ)(いろ)真黒々(まつくろくろ)黒助(くろすけ)黒姫(くろひめ)加担(かたん)(いた)馬鹿者(ばかもの)(ども)258仮令(たとへ)幾万人(いくまんにん)()(きた)(とも)蟷螂(たうらう)(をの)(ふる)つて竜車(りうしや)(むか)ふにも(ひと)しき奴輩(やつばら)259(わが)言霊(ことたま)神力(しんりき)()よ』
260()ふより(はや)双手(もろて)()一生懸命(いつしやうけんめい)神霊(しんれい)注射(ちうしや)をサーチライトの(ごと)指頭(しとう)より発射(はつしや)し、261(みぎ)(ひだり)(むか)つて()(まは)せば、262数多(あまた)()()(にはか)(かしら)(いた)み、263眩暈(めま)ひ、264(した)つり、265身体(しんたい)(あるひ)強直(きやうちよく)(あるひ)痳痺(まひ)し、266ウンウンと呻声(うめきごゑ)()てて(この)()にバタリと(たふ)れたり。267黒姫(くろひめ)(この)(てい)()高山彦(たかやまひこ)(うま)(またが)り、268馬上(ばじやう)二人(ふたり)(いだ)()(なが)(くも)(かすみ)()()可笑(をか)しさ。269加米彦(かめひこ)打笑(うちわら)ひ、
270『アハヽヽヽ、271青彦(あをひこ)殿(どの)272()ても()ても愉快(ゆくわい)(こと)では御座(ござ)らぬか、273吾々(われわれ)(まこと)(かみ)(をしへ)(つた)ふる宣伝使(せんでんし)(むか)ひ、274傍若無人(ばうじやくぶじん)にも凶器(きやうき)(たづさ)()(きた)り、275(もろ)くも(わが)言霊(ことたま)発射(はつしや)にザツクバラン、276身体(しんたい)(すく)(たちま)地上(ちじやう)(たふ)れて藻掻(もが)可笑(をか)しさ、277それに()けても一層(いつそう)面白(おもしろ)きは黒姫(くろひめ)278高山彦(たかやまひこ)両人(りやうにん)279味方(みかた)見捨(みすて)()()狼狽(うろた)へさ加減(かげん)280(なん)愉快(ゆくわい)では御座(ござ)らぬか』
281青彦(あをひこ)『アハヽヽヽ、282(じつ)愉快(ゆくわい)ですな、283矢張(やつぱり)三五教(あななひけう)(ちが)ひますよ』
284加米彦(かめひこ)貴方(あなた)も、285もう高姫(たかひめ)のウラナイ(けう)には、286よもや後戻(あともど)りは()されますまいなア』
287青彦(あをひこ)仮令(たとへ)大地(だいち)()へるとも(かは)つてなりませうか』
288加米彦(かめひこ)『サア、289(なん)とも(わか)らぬ、290まだお(まへ)さまの言霊(ことたま)には(すこ)(ばか)(にご)りがある、291その(にご)りの(ぶん)がまだウラナイ(けう)執着心(しふちやくしん)があるのだ』
292青彦(あをひこ)殺生(せつしやう)(こと)()つて(くだ)さるな、293(その)(にご)りはウラナイ(けう)信仰(しんかう)惰力(だりよく)でせう。294もう(しば)らくお()(くだ)さらば本当(ほんたう)言霊(ことたま)()(やう)になりませう』
295加米彦(かめひこ)『それは()(かく)296悦子姫(よしこひめ)(さま)297音彦(おとひこ)さまがお()()ねでせう、298サアサア(はや)霊場(れいぢやう)()(かへ)しませう』
299(さき)()つて()く。300悦子姫(よしこひめ)音彦(おとひこ)審神(さには)(もと)豊国姫(とよくにひめ)(かみ)御降臨(ごかうりん)最中(さいちう)なりける。
301音彦(おとひこ)只今(ただいま)悦子姫(よしこひめ)(にく)(みや)(かか)らせ(たま)大神(おほかみ)(いづ)れの(かみ)()しますぞ、302(あふ)(ねが)はくば御名(みな)名乗(なの)らせ(たま)へ、303(それがし)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)音彦(おとひこ)審神者(さには)御座(ござ)います、304神界(しんかい)思召(おぼしめし)305何卒(なにとぞ)委細(つぶさ)吾等(われら)(あふ)()けられ(くだ)されますれば有難(ありがた)御座(ござ)います』
306神懸者(しんけんしや)(われ)豊雲野尊(とよくもぬのみこと)307(また)御名(みな)豊国姫(とよくにひめ)(かみ)なるぞ、308国治立(くにはるたち)大神(おほかみ)(とも)一旦(いつたん)地底(ちてい)(くに)()(ひそ)め、309(ふたた)地教(ちけう)(やま)(あら)はれて、310大海原(おほうなばら)(ただよ)へる国土(くぬち)修理固成(つくりかため)なしつつ(とき)(いた)るを()()たりしに、311天運(てんうん)循環(じゆんかん)して天津神(あまつかみ)より(この)聖地(せいち)(わが)鎮座所(すみか)神定(かむさだ)(たま)ひたり。312(われ)(この)()霊魂(みたま)(とど)自転倒島(おのころじま)はいふも(さら)なり、313大八洲(おほやしま)国々(くにぐに)島々(しまじま)(わが)霊魂(みたま)(くば)()きて()永久(とこしへ)(まも)らむ。314(なんぢ)(これ)より鬼雲彦(おにくもひこ)使役(しえき)しつつありし八岐大蛇(やまたをろち)片割(かたわ)鬼ケ城山(おにがじやうざん)姿(すがた)(かく)(とき)(うかが)ひ、315聖地(せいち)蹂躙(じうりん)せむとしつつあれば一日(ひとひ)(はや)(この)()()()り、316加米彦(かめひこ)317青彦(あをひこ)引率(ひきつ)(この)比治山(ひぢやま)峰伝(みねづた)ひに鬼ケ城山(おにがじやうざん)(むか)へよ、318(われ)(なんぢ)影身(かげみ)()ひ、319(ふと)しき功勲(いさを)永久(とこしへ)()てさせむ、320(かなら)(かなら)(あん)(わづら)ふな、321仮令(たとへ)幾千万(いくせんまん)曲神(まがかみ)()(きた)るとも(くつ)するな、322(おそ)るるな、323(かみ)(ちから)(まこと)(つゑ)()(たたか)へ、324(まこと)(ほこ)()つて(てき)言向(ことむ)(やは)せよ、325(また)(この)聖地(せいち)(わが)霊魂(みたま)永久(とことは)(まも)りあれば(あと)(こころ)(のこ)(こと)なく一刻(いつこく)(はや)此処(ここ)()()でよ。326加米彦(かめひこ)327青彦(あをひこ)328汝等(なんぢら)音彦(おとひこ)(とも)鬼ケ城(おにがじやう)(むか)つて進撃(しんげき)せよ』
329音彦(おとひこ)委細(ゐさい)承知(しようち)(つかまつ)りました、330いざ(これ)よりは悦子姫(よしこひめ)(さま)先頭(せんとう)吾々(われわれ)一同(いちどう)(とき)(うつ)さず、331八岐大蛇(やまたをろち)退治(たいぢ)()(むか)ひませう、332何卒々々(なにとぞなにとぞ)御守護(ごしゆご)(あふ)(たてまつ)る』
333豊国姫(とよくにひめ)何事(なにごと)(かみ)(まか)汝等(なんぢら)(ちから)のあらむ(かぎ)(まこと)(つく)せよ』
334()(のこ)(かむ)あがり(たま)ひければ、335悦子姫(よしこひめ)(はじ)めて正気(しやうき)(かへ)り、
336『アヽ有難(ありがた)有難(ありがた)し、337大神(おほかみ)御降臨(ごかうりん)338サア音彦(おとひこ)殿(どの)339その()御一同様(ごいちどうさま)340鬼ケ城(おにがじやう)(とき)(うつ)さず神勅(しんちよく)のまにまに(むか)ひませう』
341委細(ゐさい)承知(しようち)(つかまつ)りました、342左様(さやう)ならば(これ)より(まゐ)りませう』
343加米彦(かめひこ)『サア平助(へいすけ)344(なら)345(せつ)どの、346御苦労(ごくらう)でありました、347(これ)でお(わか)(いた)しませう』
348平助(へいすけ)私達(わたくしたち)(これ)から貴方等(あなたがた)(わか)れて(あと)如何(どう)(いた)しませう、349只今(ただいま)(ごと)数多(あまた)軍勢(ぐんぜい)()()(きた)らば、350吾々(われわれ)如何(いかん)とも(ふせ)(たたか)(こと)出来(でき)ませぬ、351何卒(なにとぞ)吾々(われわれ)一緒(いつしよ)()れて()つて(くだ)さいませぬかナア』
352音彦(おとひこ)『ヤ、353それはなりませぬ、354(しか)(なが)如何(いか)なる(てき)御心配(ごしんぱい)(あそ)ばすな、355(かな)はぬ(とき)三五教(あななひけう)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)宣伝歌(せんでんか)をお(うた)ひなさい。356さすれば如何(いか)なる強敵(きやうてき)(くも)(かすみ)()()つて仕舞(しま)ひます、357(これ)神歌(しんか)功力(くりき)であります。358左様(さやう)なら、359親爺(おやぢ)どの、360()アさま娘子(むすめご)361御縁(ごえん)があらば(また)御目(おめ)(かか)らう』
362左右(さいう)(わか)比治山(ひぢやま)嶺伝(みねづた)ひに(みなみ)()して宣伝歌(せんでんか)(うた)ひつつ一行(いつかう)四人(よにん)(すす)()く。363平助(へいすけ)親子(おやこ)三人(さんにん)名残(なごり)(をし)みつつ、364トボトボと家路(いへぢ)()して(かへ)()く。
365大正一一・四・二一 旧三・二五 北村隆光録)