霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第八章 蚯蚓(みみず)(ささやき)〔六一九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第17巻 如意宝珠 辰の巻 篇:第2篇 千態万様 よみ:せんたいばんよう
章:第8章 第17巻 よみ:みみずのささやき 通し章番号:619
口述日:1922(大正11)年04月22日(旧03月26日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年1月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
正月二十七日の進撃の前、三軍の将に任命された夏彦、常彦、岩高、菊若は、出発に先立って、大将の黒姫への不平不満談に花を咲かせている。
曰く、黒姫の言行一致が最近怪しくなってきた、というのである。そこへ黒姫が現れて、四人の言行を非難し、説教を始めた。
そして出陣したが、青彦、加米彦にさんざんに敗北したのは、先に述べたとおりである。
黒姫の幹部であった夏彦、常彦、岩高、菊若は、黒姫・高山彦結婚の一件以来統一を欠き、三五教に心を移しつつあった。真名井ヶ原攻撃の際も、この四人がわざと敗走したところも大いにあったのである。
人心を収攬するためには、ウラナイ教のように権謀術数・巧言令色では行かないのである。
三五教はただ至誠至実をもって神業に奉仕し、ミロクの精神を惟神的に発揮するのみである。そうすれば人心は期せずして三五教に集まり、何時とはなしに天下の大勢力となる。
黒姫は、青彦に懸想しているお節をまず篭絡し、お節を介して青彦をウラナイ教に引き戻そうと画策していた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm1708
愛善世界社版:125頁 八幡書店版:第3輯 569頁 修補版: 校定版:131頁 普及版:53頁 初版: ページ備考:
001 黒姫(くろひめ)002高山彦(たかやまひこ)発議(はつぎ)により、003(いよいよ)真名井ケ原(まなゐがはら)(みづ)宝座(ほうざ)蹂躙(じうりん)し、004あはよくば占領(せんりやう)せむとの計画(けいくわく)(さだ)まつた。005黒姫(くろひめ)夫婦(ふうふ)婚礼(こんれい)後片付(あとかたづけ)忙殺(ぼうさつ)(きは)めて()る。006三軍(さんぐん)(しやう)(きま)つた夏彦(なつひこ)007常彦(つねひこ)008岩高(いはたか)009菊若(きくわか)四人(よにん)入口(いりぐち)()胡坐(あぐら)をかき、010出発(しゆつぱつ)(さき)だち種々(いろいろ)不平談(ふへいだん)(はな)()かし()たりける。
011常彦(つねひこ)人間(にんげん)()ふものは身勝手(みがつて)のものぢやないか、012石部金吉金兜(いしべきんきちかなかぶと)()しても()いても(この)信仰(しんかう)(うご)かぬ、013神政(しんせい)成就(じやうじゆ)する(まで)(をとこ)のやうなものは(そば)へも()せぬ、014三十珊(さんじふサンチ)大砲(たいはう)(をとこ)()(をとこ)片端(かたつぱし)から肱鉄砲(ひぢでつぱう)()はすのだ、015前達(まへたち)神政(しんせい)成就(じやうじゆ)(まで)(わか)いと()うても(けつ)して(をんな)などに()()れてはならぬぞ、016(わか)(もの)(をんな)()()れるやうな(こと)では神界(しんかい)経綸(しぐみ)成就(じやうじゆ)せぬと、017()けても()れても口癖(くちぐせ)のやうに、018(なが)煙管(きせる)をポンと(たた)いて皺苦茶面(しわくちやづら)をして、019(きび)しいお説教(せつけう)(はじ)めて御座(ござ)つたが、020昨夜(ゆうべ)(ざま)つたら()られたものぢやない、021雪達磨(ゆきだるま)がお天道様(てんだうさま)(ひかり)()けたやうに、022相好(さうがう)(くづ)しよつて、023「モシ高山彦(たかやまひこ)(わが)夫様(つまさま)」ナンテ、024団栗眼(どんぐりまなこ)(ほそ)うしよつて(なに)(ぬか)しよつたやら、025(わけ)(わか)つたものぢやない、026(おれ)やもう(いや)になつて仕舞(しま)つたワ』
027岩高(いはたか)(きま)つた(こと)ぢや、028(をんな)(をとこ)はつきものだ。029茶碗(ちやわん)(はし)030(のみ)(つち)031(きね)(うす)032(なん)()つたつて(この)()(なか)男女(だんぢよ)(そろ)はねば物事(ものごと)成就(じやうじゆ)せぬのだ、033二本(にほん)()二本(にほん)(あし)とがあつて人間(にんげん)自由自在(じいうじざい)(はたら)けるやうなものだ、034三十後家(さんじふごけ)()つても四十後家(しじふごけ)()たぬと()(こと)があるぢやないか』
035常彦(つねひこ)四十後家(しじふごけ)なら仕方(しかた)()いが彼奴(あいつ)五十後家(ごじふごけ)ぢやないか、036コレコレ(つね)さま、037(まへ)因縁(いんねん)身霊(みたま)ぢやによつて、038()うしても三十(さんじふ)になるまで女房(にようばう)()つてはいけませぬぞえ、039人間(にんげん)三十(さんじふ)にして()つと()(こと)があるなぞと()よるが、040(この)時節(じせつ)三十(さんじふ)にして()(やつ)(ろく)なものぢやない、041俺等(おれら)(すで)(すで)十六七(じふろくしち)から()つて()るのぢや、042(いま)(おも)うと()つものは(はら)ばかりぢや』
043夏彦(なつひこ)貴様等(きさまら)(なに)(くだ)らぬ(こと)()うて()るのだ、044高姫(たかひめ)さまだつて(あま)(おほ)きな(こゑ)では()はれぬが、045何々(なになに)何々(なになに)し、046(また)○○(まるまる)○○(まるまる)し、047(それ)(それ)(くち)でこそ立派(りつぱ)道心堅固(だうしんけんご)のやうに()うて()るが、048(くち)(こころ)(おこな)ひの(そろ)つた(やつ)はウラナイ(けう)には一匹(いつぴき)もありやしないワ、049(おれ)魔我彦(まがひこ)や、050蠑螈別(いもりわけ)高姫(たかひめ)(かぎ)つてソンナ(こと)はあるまい、051言行心(げんかうしん)一致(いつち)だと(はじめ)(ほど)(しん)じて()たが、052()(ごろ)()うやら(あや)しくなつて()たやうだ、053本当(ほんたう)気張(きば)(せい)()くなつて(しま)つた。054今迄(いままで)(ふた)()には黒姫(くろひめ)(やつ)055夏彦(なつひこ)()うせう、056常彦(つねひこ)()うせう、057岩高(いはたか)058菊若(きくわか)059()うしたら()からうかなアと(ぬか)しよつて、060(いち)から(じふ)(まで)061ピンからキリ(まで)相談(さうだん)をかけたものだが、062昨日(きのふ)から天候(てんこう)激変(げきへん)063ケロリと吾々(われわれ)念頭(ねんとう)から磨滅(まめつ)しよつて、064(はし)()けた(こと)まで、065ナアもし高山彦(たかやまひこ)さま、066これもしこちの(ひと)067()うしませう、068()うした(はう)宜敷(よろし)くは御座(ござ)いますまいかと、069皺面(しわづら)にペツタリコと(しろ)いものをつけよつて、070田螺(たにし)のやうな()()()し、071(さけ)(ばか)(くら)ひよつて、072俺達(おれたち)には(ひと)()めとも()ひよりやせむ、073かう天候(てんこう)激変(げきへん)すると何時(いつ)俺達(おれたち)(あたま)(うへ)雷鳴(らいめい)(とどろ)き、074暴風(ばうふう)襲来(しふらい)するか(わか)つたものぢやない、075(おれ)はホトホトウラナイ(けう)真相(しんさう)(わか)つて愛想(あいさう)()きたよ。076今更(いまさら)三五教(あななひけう)入信(はいら)うと()つた(ところ)で、077(ちから)(いつ)ぱい高姫(たかひめ)黒姫(くろひめ)言葉(ことば)(しり)について、078素盞嗚尊(すさのをのみこと)悪口雑言(あくこうざふごん)をふれ(まは)して()たものだから、079どうせ三五教(あななひけう)連中(れんちう)(みみ)(はい)つて()るに(ちが)ひない、080さうすれば三五教(あななひけう)入信(はい)(わけ)にも()かず、081ウラナイ(けう)()ても面白(おもしろ)くはなし、082厄介者(やつかいもの)(あつかひ)のやうな態度(たいど)()せられ、083(くる)しい(はう)(ばか)(まは)されて本当(ほんたう)珠算盤(そろばん)があはぬぢやないか、084何時迄(いつまで)もコンナ(こと)をして()ると身魂(みたま)身代限(しんだいかぎり)をしなくてはならぬやうになつて(しま)ふ、085(いま)(うち)各自(めいめい)身魂(みたま)土台(どだい)(しつか)(かた)めて()かうではないか。086よい(ほど)()使(つか)はれて肝腎(かんじん)(とき)になつてから、087(まへ)()うしても改心(かいしん)出来(でき)ぬ、088身魂(みたま)因縁(いんねん)(わる)いナンテ勝手(かつて)理屈(りくつ)()つてお(はら)(ばこ)にせられては(つま)らぬぢやないか』
089常彦(つねひこ)『それやさうだ。090高姫(たかひめ)変性男子(へんじやうなんし)系統(ひつぱう)ぢやと()いた(ばか)りに、091変性女子(へんじやうによし)身魂(みたま)より余程(よほど)立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)だと(おも)うて今迄(いままで)ついて()たのだ。092(しか)()出神(でのかみ)もよい加減(かげん)なものだ。093各自(めいめい)ウラナイ(けう)脱退(だつたい)覚悟(かくご)をしやうではないか』
094菊若(きくわか)『オイ、095ソンナ(おほ)きな(こゑ)()うと(おく)(きこ)えるぞ、096(しづか)にせぬかい』
097夏彦(なつひこ)『ナニ、098今日(けふ)何程(なにほど)(おほ)きな(こゑ)()つたところで俺達(おれたち)(こゑ)黒姫(くろひめ)(みみ)(はい)るものか、099(みみ)(はい)るものは高山彦(たかやまひこ)(こゑ)(ばか)りだ、100俺達(おれたち)(こゑ)(みみ)(はい)(ほど)注意(ちうい)(はら)つて()れる(ほど)親切(しんせつ)があるなら、101もとよりコンナ問題(もんだい)提起(ていき)しないのぢや、102乞食(こじき)(しらみ)ぢやないが(くち)(さき)俺達(おれたち)(うま)(ころ)しよつて、103今迄(いままで)(うま)使(つか)つて()たのだ、104随分(ずゐぶん)()()つたと()え、105()れて松葉(まつば)二人連(ふたりづれ)106(しらみ)(たまご)ぢやないが彼奴(あいつ)()ンでも(はな)れつこは()いぞ、107アハヽヽヽ』
108岩高(いはたか)(しか)し、109そろそろ真名井ケ嶽(まなゐがだけ)出発(しゆつぱつ)時刻(じこく)(ちか)よつて()たが、110前達(まへたち)出陣(しゆつじん)する(かんが)へか』
111夏彦(なつひこ)(いや)()つたつて仕方(しかた)()いぢやないか、112ウラナイ(けう)()以上(いじやう)(いや)でも(おう)でも出陣(しゆつじん)せねばなるまい、113(しか)しながら()つから()つから気乗(きのり)がしなくなつて()た、114仕方(しかた)()いから形式的(おじやうもく)出陣(しゆつぢん)し、115(わざ)三五教(あななひけう)()けて()げてやらうぢやないか、116さうすれば黒姫(くろひめ)(まを)すに(およ)ばず、117高姫(たかひめ)もちつとは(むね)()()てて(かんが)へるだらう、118高山彦(たかやまひこ)だつて愛想(あいさう)をつかして黒姫(くろひめ)()てて()ぬかも()れぬぞ。119(いま)こそ花婿(はなむこ)()たのだと(おも)つて上品(じやうひん)ぶつて、120(おほ)きな鰐口(わにぐち)無理(むり)におちよぼ(ぐち)をしやがつて、121高尚(かうしやう)らしく()せて()るが、122(しばら)くすると地金(ぢがね)()して、123(また)(をんな)だてら大勢(おほぜい)(なか)で、124サイダーやビールの喇叭飲(らつぱの)みをやらかすやうになるのは(きま)つてゐる。125鍍金(めつき)した金属(きんぞく)何時迄(いつまで)()げぬ道理(だうり)はない、126俺達(おれたち)もウラナイ(けう)信者(しんじや)()鍍金(めつき)今迄(いままで)()つて()たが、127もう(たま)らなくなつて、128そろそろ()げかけたぢやないか、129アハヽヽヽ』
130 (かか)(ところ)虎若(とらわか)富彦(とみひこ)両人(りやうにん)(あら)はれ(きた)り、
131(とら)132(とみ)『ヤア四天王(してんわう)大将方(たいしやうがた)133高山彦(たかやまひこ)134黒姫(くろひめ)(さま)御命令(ごめいれい)御座(ござ)る、135一時(いちじ)(はや)真名井ケ原(まなゐがはら)(むか)つて出陣(しゆつじん)用意(ようい)めされ』
136()()てて(この)()(いそ)()()りにけり。
137夏彦(なつひこ)『エヽ(なん)だ、138馬鹿(ばか)にしてゐる。139昨日(きのふ)()(ばか)りの虎若(とらわか)140富彦(とみひこ)使(つか)つて吾々(われわれ)命令(めいれい)(つた)へるナンテ、141あまり吾々(われわれ)軽蔑(けいべつ)()ぎて()るぢやないか、142如何(いか)()()つた高山彦(たかやまひこ)()れて()家来(けらい)ぢやと()つて、143古参者(こさんしや)吾々(われわれ)()つて()勝手(かつて)新参者(しんざんもの)命令(めいれい)(くだ)し、144吾々(われわれ)一段下(いちだんした)(おろ)しよつたな、145これだから()加減(かげん)見切(みき)らねばならぬと()ふのだよ』
146常彦(つねひこ)『アヽ、147仕方(しかた)がない、148()(かく)形式(けいしき)なりと出陣(しゆつぢん)する(こと)にしやうかい』
149 黒姫(くろひめ)突然(とつぜん)(この)()(あら)はれて、
150『これこれ夏彦(なつひこ)151常彦(つねひこ)152(まへ)(いま)(なに)()つてゐらしたの』
153常彦(つねひこ)『ハイ、154真名井ケ嶽(まなゐがだけ)出陣(しゆつぢん)用意(ようい)をしやうと(まをし)()りました』
155黒姫(くろひめ)『それは御苦労(ごくらう)ぢやつたが、156(その)(つぎ)()かして(くだ)さい、157(その)(つぎ)(なん)(おつしや)つた』
158常彦(つねひこ)『ハイハイ、159(つぎ)矢張(やはり)(その)(つぎ)御座(ござ)いますナ』
160黒姫(くろひめ)(てん)(くち)あり、161(かべ)(みみ)()(こと)をお前達(まへたち)()らぬか、162最前(さいぜん)から四人(よにん)(はなし)(はじ)めから(しまひ)(まで)163(つぎ)()(かく)れて()いて()りました。164随分(ずゐぶん)高山(たかやま)さまや黒姫(くろひめ)(こと)()めて(くだ)さつたな』
165 四人(よにん)一時(いちじ)(あたま)()いて、
166『イヤ(なに)滅相(めつさう)御座(ござ)いませぬ、167つい(さけ)()うて(くち)(すべ)りました、168どうぞ神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)()(なほ)して(くだ)さいませ』
169『お(まへ)()うたと()ふが、170何時(いつ)(さけ)()みたのだい』
171夏彦(なつひこ)『ハイ、172(さけ)()みたのは貴女(あなた)高山(たかやま)さまと祝言(しうげん)(さかづき)をなされました(とき)……ぢやから(その)(ため)(ゑい)(まは)つてつい脱線(だつせん)(いた)しました』
173黒姫(くろひめ)馬鹿(ばか)(こと)()ひなさるな、174(さけ)()まぬに(ゑい)(まは)り、175管捲(くだま)(やつ)何処(どこ)にあるものか、176それやお前達(まへたち)177本真剣(ほんしんけん)()つたのだらう、178サアサアウラナイ(けう)はお(まへ)さま(たち)のやうな没分暁漢(わからずや)()(もら)へば邪魔(じやま)になる、179サアサア今日(けふ)(かぎ)何処(どこ)へなりと()つて(くだ)さい。180エイエイ、181前達(まへたち)しやつ(つら)()るのも(けが)らはしい』
182夏彦(なつひこ)『そらさうでせう、183()きな(かほ)()(まへ)にちらついて()たものだから、184吾々(われわれ)しやつ(つら)()るのも(いや)になりましただらう』
185黒姫(くろひめ)『エヽ()らぬ(こと)()ひなさるな、186サアとつとと()んだり()んだり、187ウラナイ(けう)では(ひま)()され、188三五教(あななひけう)では肱鉄(ひぢてつ)()はされ、189野良犬(のらいぬ)のやうに彼方(あつち)にうろうろ、190此方(こつち)にうろうろ、191(しまひ)には棍棒(こんぼう)(あたま)(ひと)つも(くら)はされて、192キヤンキヤンと()うて(また)(もと)のウラナイ(けう)()()つて(かへ)つて()ねばならぬやうにならねばならぬ(こと)()()いて()るわ、193ウラナイ(けう)太元(おほもと)大橋(おほはし)()えてまだ(さき)行方(ゆくへ)(わか)らず後戻(あともど)り、194慢心(まんしん)すると(その)(とほ)り、195白米(しらが)(もみ)(まじ)つたやうに、196謝罪(あやま)つて(かへ)つて()ても(すみ)(はう)(ちひ)さくなつて()るのを()るのが()(どく)ぢや、197(いま)(うち)改心(かいしん)をしてこの黒姫(くろひめ)()(こと)()きなされ、198黒姫(くろひめ)(くち)でかう(きび)しく()つても、199(こころ)(なか)は、200(はな)()もある誠一途(まこといちづ)情深(なさけぶか)性来(しやうらい)ぢや、201(まこと)生粋(きつすゐ)水晶玉(すいしやうだま)()()きの日本魂(やまとだましひ)持主(もちぬし)ぢやぞえ、202サアどうぢや、203(しつか)返答(へんたふ)しなさい、204夏彦(なつひこ)昨夜(ゆうべ)(うた)(なん)ぢや、205目出度(めでた)(とき)だと(おも)うて辛抱(しんばう)して()れば()()になつて悪口(わるくち)たらだら、206大抵(たいてい)(もの)だつたらあの(とき)(つま)()して仕舞(しま)ふのぢやけれど、207神様(かみさま)のお(みち)(まこと)(おく)(さと)つた(この)黒姫(くろひめ)は、208(こころ)(ひろ)いから(まつ)()(かぜ)()(なが)して(ゆる)して()たのだ、209それに(また)もや四人(よにん)大将株(たいしやうかぶ)(つばめ)親方(おやかた)のやうに()らぬ(もの)半分(はんぶん)()らぬ(くせ)(なに)()ふのだい。210前達(まへたち)(まこと)(かみ)大御心(おほみこころ)(わか)つて(たま)るものか、211()らにや()らぬで黙言(だま)つて()なさい』
212夏彦(なつひこ)『ハイハイ、213(まこと)申訳(まをしわけ)がありませぬ、214何卒(どうぞ)今度(こんど)(かぎ)見直(みなほ)()(なほ)して(くだ)さいませ』
215黒姫(くろひめ)(この)(たび)(かぎ)つて(ゆる)して()く、216(この)()(おい)て、217一口(ひとくち)でも半口(はんくち)でも、218高山(たかやま)さまや黒姫(くろひめ)(こと)()はうものなら、219(それ)こそ(たた)(ばらひ)にするからさう(おも)ひなさい、220サアサア常彦(つねひこ)221菊若(きくわか)222岩高(いはたか)(いよいよ)出陣(しゆつぢん)用意(ようい)だ、223高山彦(たかやまひこ)御大将(おんたいしやう)はもはや出陣(しゆつぢん)準備(じゆんび)(ととの)うたぞへ』
224 四人(よにん)一度(いちど)に、
225『ハイ(たしか)承知(しようち)(つかまつ)りました』
226 (ここ)黒姫(くろひめ)227高山彦(たかやまひこ)一族(いちぞく)郎党(らうたう)(あつ)め、228旗鼓(きこ)堂々(だうだう)真名井ケ原(まなゐがはら)(むか)つて進撃(しんげき)したが、229加米彦(かめひこ)230青彦(あをひこ)言霊(ことたま)(もろ)くも()(やぶ)られ、231蜘蛛(くも)()()らすが(ごと)四方(しはう)散乱(さんらん)したりけり。
232 ウラナイ(けう)鍵鑰(けんやく)(にぎ)つて()黒姫(くろひめ)部下(ぶか)四天王(してんわう)(たの)みたる夏彦(なつひこ)233岩高(いはたか)234菊若(きくわか)235常彦(つねひこ)閣僚(かくれう)黒姫(くろひめ)結婚(けつこん)以来(いらい)上下(じやうげ)統一(とういつ)()ぎ、236自然(しぜん)三五教(あななひけう)(むか)つて(その)思想(しさう)暗遷黙移(あんせんもくい)しつつありき。237()()め、238折角(せつかく)真名井ケ原(まなゐがはら)攻撃(こうげき)味方(みかた)四天王(してんわう)より故意(わざ)崩解(ほうかい)し、239黒姫(くろひめ)神力(しんりき)()めたる神算鬼謀(しんさんきぼう)作戦(さくせん)計画(けいくわく)(ほとん)画餅(ぐわべい)()(をは)りたるなりき。240嗚呼(ああ)人心(じんしん)収攪(しうらん)せむとするの(かた)き、241到底(たうてい)巧言令色(こうげんれいしよく)権謀術数(けんぼうじゆつすう)(とう)虚偽(きよぎ)行動(かうどう)をもつて左右(さいう)すべからざるを()るに()る。242(これ)(はん)して三五教(あななひけう)(ひと)つの包蔵(はうざう)もなく手段(しゆだん)もなく、243唯々(ただただ)至誠(しせい)至実(しじつ)をもつて神業(しんげふ)奉仕(ほうし)し、244ミロクの精神(せいしん)惟神的(かむながらてき)発揮(はつき)するのみ。245されば人心(じんしん)()せずして三五教(あななひけう)(あつ)まり、246()()(その)(かず)増加(ぞうか)し、247何時(いつ)とはなしに天下(てんか)大勢力(だいせいりよく)となりぬ。248ウラナイ(けう)(ひろ)大八洲国(おほやしまくに)(おい)直接(ちよくせつ)信徒(しんと)(あつ)めたるもの(ただ)一人(ひとり)もなく、249唯々(ただただ)三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)したる未熟(みじゆく)信者(しんじや)(たい)し、250巧言令色(こうげんれいしよく)をもつて誘引(いういん)し、251()変性男子(へんじやうなんし)系統(けいとう)より()でたる高姫(たかひめ)唯一(ゆゐいつ)看板(かんばん)となし()(あざむ)くのみにして、252根底(こんてい)(よわ)(こと)253砂上(さじやう)()てたる楼閣(ろうかく)(ごと)く、254(その)剥脱(はくだつ)(やす)(こと)炭団(たどん)()せたる金箔(きんぱく)(ごと)く、255豆腐(とうふ)(ごと)く、256(ひと)つの(かなめ)もなく(ただ)(べん)(まか)表面(へうめん)糊塗(こと)するのみ、257(その)()(ところ)(あたか)売薬屋(ばいやくや)効能書(かうのうがき)(ごと)く、258()のみあつて(その)(じつ)なく、259有名無実(いうめいむじつ)260有害無益(いうがいむえき)贅物(ぜいぶつ)とは、261所謂(いはゆる)ウラナイ(けう)代名詞(だいめいし)であらうと(まで)取沙汰(とりざた)されけり。262されど執拗(しつえう)なる高姫(たかひめ)263黒姫(くろひめ)(すこ)しも(くつ)せず……(をんな)一心(いつしん)(いは)でも突貫(つきぬ)く、264()(じや)でも(じや)()でも仮令(たとへ)太陽(たいやう)西天(せいてん)より(のぼ)()ありとも、265一旦(いつたん)(おも)()めたる(こころ)(うち)決心(けつしん)は、266幾千万度(いくせんまんたび)(うま)(かは)死代(しにかは)生死(せいし)往来(わうらい)(たび)(かさ)ぬるとも、267いつかないつかな(くぢ)けてならうか……との大磐石心(だいばんじやくしん)268(かた)まりきつた(をんな)片意地(かたいぢ)269張合(はりあひ)もなき次第(しだい)なり。
270 黒姫(くろひめ)(ちから)(たの)青彦(あをひこ)三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)せし(こと)日夜(にちや)(をし)み、271如何(いか)にもして(ふたた)びウラナイ(けう)謀主(ぼうしゆ)たらしめむと、272千思万慮(せんしばんりよ)結果(けつくわ)273フサの(くに)より高山彦(たかやまひこ)(したが)(きた)れる虎若(とらわか)274富彦(とみひこ)(めい)じ、275青彦(あをひこ)日夜(にちや)念頭(ねんとう)(はな)れざるお(せつ)()きつけ、276(せつ)より青彦(あをひこ)信仰(しんかう)(おと)させむものと肝胆(かんたん)(くだ)きつつありける。
277大正一一・四・二二 旧三・二六 加藤明子録)
   
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