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第二章 (いづ)(はな)〔六三〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第18巻 如意宝珠 巳の巻 篇:第1篇 弥仙の神山 よみ(新仮名遣い):みせんのみやま
章:第2章 厳の花 よみ(新仮名遣い):いずのはな 通し章番号:630
口述日:1922(大正11)年04月24日(旧03月28日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年2月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
爺の豊彦は、一行を自分のあばら家に案内した。豊彦の息子は真名井参りの途中でバラモン教にさらわれて、今は生死もわからないという。
また娘は理由のわからない業病にかかり、十八ケ月も伏せっているという。先だってここを訪れた英子姫によると、これは病気ではなく妊娠だと言われたが、まったく心当たりがない。
悦子姫が見立てて、確かに妊娠であることを確認した。十八ケ月前、夢で白髪の老人が五つの玉を与え、それをお玉に飲ませる夢を親子ともども見た後から、腹が膨れてきたのだという。
悦子姫は、立派な神様の霊魂が宿っているのを見抜いた。そして、厳の御魂の大神がお生まれになる、と診断した。
そのとたん娘のお玉は起き上がり、白髪の神様からも、「七人の女の随一、厳の御霊の誕生」を告げられた、と明かす。そして陣痛を訴え始めた。
悦子姫が取り上げて、無事に女の子が生まれた。悦子姫は女児に、玉照姫と名前をつけた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-03-07 02:20:54 OBC :rm1802
愛善世界社版:33頁 八幡書店版:第3輯 649頁 修補版: 校定版:34頁 普及版:15頁 初版: ページ備考:
001(やま)(やま)との(せま)りたる
002春野(はるの)(はな)右左(みぎひだり)
003(しろ)(むらさき)黄金(こがね)なす
004男蝶(をてふ)女蝶(めてふ)翩翻(へんぽん)
005常世(とこよ)(はる)()(あそ)
006紫雲英(げんげ)(はな)()()ちた
007(やま)(ふもと)田圃道(たんぼみち)
008景色(けしき)(こと)悦子姫(よしこひめ)
009(たに)水音(みなおと)潺湲(せんくわん)
010遠音(とほね)(ひび)音彦(おとひこ)
011加米彦(かめひこ)夏彦(なつひこ)諸共(もろとも)
012白髪(しらが)親爺(おやぢ)豊彦(とよひこ)
013(しづ)伏屋(ふせや)徐々(しづしづ)
014(いし)田楽橋(でんがくばし)()
015蒲公英(たんぽぽ)(はな)()みすだき
016(なかば)(たふ)れた(かや)()
017(やうや)表門(おもて)()きにける。
018 豊彦(とよひこ)は、019(さん)(ぐわつ)菱餅(ひしもち)(やう)になつた門口(かどぐち)()(たた)いて、
020豊彦『オイオイ、021(ばば)022(きやく)さまだ、023(はや)()けぬか』
024(ばば)(豊姫)豊彦(とよひこ)どのか、025マアマア()つて(くだ)され、026敷居(しきゐ)鴨居(かもゐ)(はすかい)になり、027()()みて一寸(ちよつと)やそつとにや()きはせぬ。028(たま)はお(たま)身体(からだ)自由(じいう)にならず、029(ぢい)どの、030(まへ)(そと)から(ちから)()へて(くだ)さい。031アーア貧乏(びんばふ)すると()までが(いや)(さう)(ゆが)()すなり、032(かべ)身上(しんじやう)()せたせいか(ほね)()すなり、033(なさけ)()(こと)だ、034コンナ茅屋(あばらや)にソンナ立派(りつぱ)なお(きやく)さまに()(もら)うた(ところ)で、035(こし)()けて(もら)(ところ)もありやせぬワ』
036 豊彦(とよひこ)(ばば)アと(とも)(うち)(そと)から年寄(としより)金剛力(こんがうりき)()し、037(ひだり)(かた)へグイツとしやくつた(その)途端(とたん)に、038(なかば)(やぶ)れた古戸(ふるど)敷居(しきゐ)(はづ)れてバタリと(なか)()()みたり。
039豊彦(とよひこ)『エーエ、040()()かぬ(ばば)だ、041戸倒(とたふ)しものだナ、042サアサお(きやく)さま、043ずつと(おく)へお(とほ)(くだ)さいませ』
044 加米彦(かめひこ)は、
045加米彦『お(ぢい)さま、046(おく)(とほ)れと()つたつて何処(どこ)(おく)があるのだい、047門口(かどぐち)這入(はい)るなり、048もう裏口(うらぐち)ぢやないか、049ウラナイ(けう)なら(おく)(おく)(おく)があり、050(その)(また)(おく)にも(おく)があるものだが、051こら(また)(なん)(せま)箱枕(はこまくら)(やう)(うち)だなア』
052 音彦(おとひこ)()(どく)がり(なが)ら、
053音彦『コラコラ、054加米(かめ)055(また)はつしやぎよる、056ちつと沈黙(ちんもく)せぬかい失礼(しつれい)な』
057加米彦(かめひこ)『ハイ、058如何(どう)副守(ふくしゆ)(やつ)059加米彦(かめひこ)命令(めいれい)遵奉(じゆんぽう)せないので(こま)る、060モシモシお(ぢい)さま、061何卒(どうぞ)()()へて(くだ)さいますな、062(わたし)茅屋(あばらや)這入(はい)つて()るお(きやく)(まを)したので御座(ござ)います』
063豊彦『さうだらう、064(わたくし)茅屋(あばらや)這入(はい)つて()たお(きやく)一人(ひとり)だ、065さう八釜(やかま)しく()ふと(むすめ)身体(からだ)(さは)ります、066ちつとお(しづか)にして(くだ)さい』
067 加米彦(かめひこ)068小声(こごゑ)になつて、
069加米彦『ハイ、070承知(しようち)(いた)しました、071(しか)(あんま)軽蔑(けいべつ)して(くだ)さるな、072()()えても(むすめ)身体(からだ)(さは)(やう)不躾(ぶしつけ)(こと)(いた)しませぬワ』
073豊彦(とよひこ)『コレコレ(ばば)や、074座蒲団(ざぶとん)()さぬかい、075(ちや)()まぬか、076モシモシお(ひめ)さま、077何卒(どうぞ)(こし)をかけて(くだ)さいませ』
078(ばば)(豊姫)(みな)さま、079よう()(くだ)さいました。080早速(さつそく)(なが)らお(たづ)(いた)しますが(わたくし)()夫婦(ふうふ)(まこと)(うん)(わる)いもので御座(ござ)いまして、081一人(ひとり)息子(むすこ)(よめ)(もら)ひ、082比沼(ひぬ)真名井(まなゐ)(さん)参拝(さんぱい)をさせました(その)途中(とちう)に、083大江山(おほえやま)鬼雲彦(おにくもひこ)とやら()悪人(あくにん)手下(てした)(ども)掻攫(かつさら)はれ、084()きて()るか()んで()るか。085(いま)便(たよ)りが御座(ござ)いませぬ、086それに(また)一人(ひとり)妹娘(いもうとむすめ)は、087一年半(いちねんはん)ほど(まへ)から身体(からだ)(へん)になりまして、088()(もの)()()いと()()し、089(はら)段々(だんだん)090()()(ふと)()し、091最早(もはや)十八(じふはち)(げつ)にもなりますのに、092脹満(てうまん)でもなければ()でもない(やう)な、093(わけ)(わか)らぬ業病(ごふびやう)(かか)つて(くるし)みて()ります。094かう()山奥(やまおく)(ひと)()095(むすめ)元来(もとより)臆病者(おくびやうもの)で、096十八(じふはつ)(さい)今日(こんにち)まで(おや)(そば)半時(はんとき)だつて(はな)れた(こと)はありませぬ、097それだから()宿(やど)(はず)もなし、098(はら)(おさ)へて()れば(おほ)きな(かたまり)がゴロゴロと(うご)いて()るなり、099(なに)(なん)ぢややら(わけ)(わか)らず、100(てん)にも()にも(ただ)一人(ひとり)(むすめ)()めに、101年寄(としより)夫婦(ふうふ)()きの(なみだ)(くら)して()ります。102それに合点(がてん)のゆかぬは、103(この)(あひだ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)英子姫(ひでこひめ)さまとやら()ふお(かた)が、104立派(りつぱ)家来(けらい)をお()(あそ)ばして(この)茅屋(あばらや)立寄(たちよ)つて(くだ)さいまして、105(むすめ)容態(ようだい)をつくづくと(なが)め、106これは妊娠(にんしん)だから大切(たいせつ)にせよとの()言葉(ことば)107妊娠(にんしん)なれば()うの(むかし)(うま)れて()らねばなりませぬが、108もう十八(じふはち)(げつ)にもなりますのに(なん)音沙汰(おとさた)()し、109英子姫(ひでこひめ)さまの(おつ)しやるには四五(しご)(にち)(うち)立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)(よこ)してやるから、110それに(たの)みて無事(ぶじ)()()まして(もら)へとの(こと)でした。111相手(あひて)()いのに()出来(でき)ると()(やう)(こと)(むかし)からあるものでせうか』
112悦子姫(よしこひめ)『アヽそれは()心配(しんぱい)でせう、113一寸(ちよつと)(わたし)()てあげませう』
114とお(たま)(そば)()()ひ、115(はら)()で、
116悦子姫『ア、117これは(まつた)妊娠(にんしん)です、118(しか)(なが)(けつ)して、119人間(にんげん)人間(にんげん)との(いき)から出来(でき)()ではありませぬ、120(なに)心当(こころあた)りは御座(ござ)いませぬか』
121豊彦(とよひこ)『さう()けば()(こと)もありませぬ、122一昨年(おととし)(あき)(はじ)め、123(わたくし)(ゆめ)白髪(はくはつ)異様(いやう)老人(らうじん)(この)茅屋(あばらや)(たづ)ねて()いでになり、124立派(りつぱ)水晶(すゐしやう)とも瑠璃(るり)とも譬方(たとへかた)ない(たま)(いつ)(くだ)さいまして「(これ)をお(まへ)にやるから(むすめ)()ましてやれ」と(おつ)しやいました。125そこで(わたくし)は「承知(しようち)(いた)しました、126(しか)(なが)()んな(かた)いものが()めますか」と(たづ)ねましたら、127その(かた)()はれるのには「(わし)()ましてやらう、128(けつ)して()(にく)(もの)ではない」と(おつ)しやつてお(たま)身体(からだ)をグツと(かか)へ、129(むね)(あた)りに無理(むり)()()みなさつたと(おも)へば()()めました。130さうすると(むすめ)のお(たま)がウンウンと(うな)されて()るので、131(ゆす)()こしてやりますと、132(たま)身体(からだ)一面(いちめん)133(あせ)びしよ()れになり、134(わたくし)()(ゆめ)同様(どうやう)(ゆめ)()た、135それから身体(からだ)(なん)となく(くる)しくなつて(たま)らぬと()ひました。136(いづ)(ゆめ)(こと)だから明日(あした)になつたら(くる)しいのも(なほ)るだらうと()つて、137その(ばん)(やす)みました。138()()けて()ればお(たま)矢張(やつぱり)ウンウンと(うな)つて()ります。139それつきり十八(じふはち)(げつ)今日(こんにち)まで、140(はら)段々(だんだん)(ふく)れる(ばか)りで、141身体(からだ)自由(じいう)()きませず、142不思議(ふしぎ)(こと)があればあるもので御座(ござ)います、143(なに)悪神(あくがみ)所作(しよさ)ではありますまいかな』
144悦子姫(よしこひめ)『ヤ、145心配(しんぱい)なされますな、146悪神(あくがみ)どころか立派(りつぱ)(かみ)(さま)のお霊魂(みたま)宿(やど)らせられていらつしやいます。147(いづ)御霊(みたま)大神(おほかみ)(おん)(うま)れになるのでせう。148(わたし)(いま)(かみ)(さま)にお(ねがひ)(いた)します』
149何事(なにごと)小声(こごゑ)になつて(しき)りに祈願(きぐわん)()らしつつある(をり)しも、150(たま)は『ウン』と一声(いつせい)諸共(もろとも)(はじ)めて()(なほ)夢中(むちう)になつて、
151お玉『ア、152有難(ありがた)御座(ござ)います、153これで(わたくし)(たす)かります、154(しち)(にん)(をんな)随一(ずゐいつ)155(いづ)御霊(みたま)()誕生(たんじやう)だと何時(いつ)やら()えた白髪(はくはつ)(かみ)(さま)(おつ)しやいました、156何卒(どうぞ)157とり()げの用意(ようい)をして(くだ)さいませ、158(きつ)陣痛(しきり)(もよほ)して()ました』
159 豊彦(とよひこ)夫婦(ふうふ)吃驚(びつくり)し、
160豊彦夫婦『ヤア、161それは大変(たいへん)ぢや、162(はや)()()かさねばなるまい』
163悦子姫(よしこひめ)『お(ぢい)さま、164()アさま、165貴方(あなた)()此処(ここ)にぢつとして()(くだ)さい、166これ加米彦(かめひこ)夏彦(なつひこ)さま、167(はや)くお()()かしなさい』
168加米彦(かめひこ)『ハイ((めう)(こゑ)で)ナア夏彦(なつひこ)169どうで(ろく)(こと)ぢや()いと(おも)うて()つた、170コンナ山奥(やまおく)()()てお(さん)()まで()かさして(いただ)くとは、171(おも)ひも()らぬ光栄(くわうえい)ぢやないか』
172夏彦(なつひこ)『ソンナ勿体(もつたい)ない(こと)()ふものぢやない、173結構(けつこう)(かみ)(さま)()出産(しゆつさん)(あそ)ばすのぢや、174その御用(ごよう)(はし)使(つか)うて(もら)ふのは余程(よほど)因縁(いんねん)ぢや()くちや、175コンナ御用(ごよう)(あふ)()かるものかいヤイ、176あら有難(ありがた)(かたじけ)ない』
177(たま)『ウンウン』
178音彦(おとひこ)『サア(はや)く、179加米彦(かめひこ)180夏彦(なつひこ)181()()かして()げぬかい』
182加米彦、夏彦『ハイハイ』
183()(なべ)(みづ)()り、184閉蓋(とぢぶた)をチヤンとのせ、185(たきぎ)をポキポキ()つて火鉢(ひばち)()()()け、186座蒲団(ざぶとん)(かぜ)をおこし、187湯沸(ゆわ)かしに全力(ぜんりよく)(そそ)いで()る。188(たちま)(きこ)ゆる赤子(あかご)(こゑ)
189赤子『ほぎやア ほぎやア ほぎやア』
190悦子姫『アヽ目出度(めでた)目出度(めでた)い、191サア腹帯(はらおび)()めてあげよう』
192悦子姫(よしこひめ)甲斐(かひ)々々(がひ)しくお(たま)(うしろ)(まは)り、193グツと腹帯(はらおび)()め、
194悦子姫『サア(これ)でもう大丈夫(だいぢやうぶ)です、195(ぢい)さま、196()アさま、197安心(あんしん)なさいませ』
198(ぢい)199(ばば)(豊彦、豊姫)『ハイハイ、200有難(ありがた)御座(ござ)います、201とりあげ(まで)させまして(まこと)(なん)とも(おそ)()つた(こと)御座(ござ)います』
202音彦『サア()()いた(やう)です、203どれどれ(わたくし)()(あぶ)せてやりませう、204ヤア(なん)(なが)(こと)(はら)(なか)()られたせいか、205立派(りつぱ)なお()さまだワイ』
206音彦(おとひこ)赤子(あかご)両手(りやうて)(かか)へ、207()手加減(てかげん)をした(うへ)208悦子姫(よしこひめ)(とも)行水(ぎやうずゐ)をさせる。209赤子(あかご)(たらひ)(なか)で、210()でも身体(からだ)(こげ)ついた(やう)真赤(まつか)(かほ)をして()()()る。
211 悦子姫(よしこひめ)はいそいそとして、
212悦子姫『ア、213立派(りつぱ)丈夫(ぢやうぶ)なお()さまだ。214(ぢい)さま、215()アさま、216(たま)さま、217()安心(あんしん)なさいませよ』
218 (さん)(にん)黙然(もくねん)として(なみだ)(こぼ)俯向(うつむ)()る。
219加米彦(なん)不思議(ふしぎ)(こと)があるものぢや()いか、220ナア夏彦(なつひこ)221十八(じふはち)(げつ)()出来(でき)るとは前代(ぜんだい)未聞(みもん)だ。222(おれ)(たち)節季(せつき)()ると何時(いつ)たらい不足(たらひ))で()くが、223(この)(あか)(ばう)は、224ほンのりと(ぬく)(あたた)まつて矢張(やつぱり)たらい(たらひ))で()くのだな、225アハヽヽヽ』
226夏彦(なつひこ)『コラコラ加米(かめ)227(また)そンな(おほ)きな(こゑ)()しよると、228(たま)さまの身体(からだ)(さは)つたら如何(どう)するのだ』
229加米彦さはるのは加米(かめ)とはお(やく)(ちが)(わい)230悦子姫(よしこひめ)さまがさはつて御座(ござ)るぢやないか、231アハヽヽヽ』
232音彦(おとひこ)『コラコラ両人(りやうにん)233(しづか)にせぬか』
234夏彦、加米彦『ハイ(かしこ)まりました』
235(たま)皆様(みなさま)236いかい()世話(せわ)になりました。237()けた()(をとこ)御座(ござ)いますか、238(をんな)御座(ござ)いますか』
239音彦(おとひこ)『オヽ、240さうさう、241あまり(うれ)しうて調査(てうさ)するのを失念(しつねん)して()た。242アア折角(せつかく)(なが)()れて()ますワ』
243豊姫(とよひめ)『エ、244(また)(をんな)御座(ござ)いますか、245矢張(やつぱり)(わたくし)(うち)養子(やうし)でなければ(をさ)まらぬと()えます。246(せがれ)(よめ)(もら)つて(あと)()がさうと(おも)へば、247最前(さいぜん)(まを)した(とほ)行衛(ゆくへ)(わか)らず、248矢張(やつぱり)(いもうと)のお(たま)養子(やうし)をせねばなりませぬ、249今度(こんど)(うま)れた総領(そうりやう)養子(やうし)(もら)(やう)になりました』
250 加米彦(かめひこ)251(また)もやはしやいで、
252加米彦『お(ぢい)さま、253目出度(めでた)う、254これで貴方(あなた)(うち)(うん)(ひら)ける、255養子(やうし)三代(さんだい)(つづ)けば長者(ちやうじや)になると()(こと)だ、256(よろこ)びなさい、257(わたくし)(うれ)しい、258目出度(めでた)い、259()()(あし)()(ところ)()らずだ。260どつこいしよ どつこいしよ』
261跳上(はねあが)田楽橋(でんがくばし)()(はづ)し、262小溝(こみぞ)(なか)へバサリと()ち、
263加米彦(かめひこ)『ヤア折角(せつかく)着物(きもの)()らして仕舞(しま)つた』
264夏彦(なつひこ)『ハヽヽヽ、265狼狽者(あはてもの)だな』
266悦子姫(よしこひめ)『もうこれでお(あん)じなさる(こと)()りませぬ、267大丈夫(だいぢやうぶ)です。268()はおつけなさいますか』
269豊彦(とよひこ)(まこと)()みませぬが、270貴女(あなた)(さま)のお世話(せわ)になつた子供(こども)御座(ござ)いますから、271何卒(どうぞ)()をやつて(くだ)さいませ』
272悦子姫(よしこひめ)承知(しようち)(いた)しました、273ソンナラ(わたし)()をあげませう、274玉照姫(たまてるひめ)とつけませう』
275 豊彦(とよひこ)276豊姫(とよひめ)277(たま)278(いち)()(くち)(そろ)へて、
279豊彦、豊姫、お玉有難(ありがた)(ぞん)じます』
280悦子姫(よしこひめ)『サアサア(わたくし)(これ)からお(やま)参拝(さんぱい)(いた)して(まゐ)ります。281(また)(かへ)りがけに(ゆつ)くり(うかが)ひます、282左様(さやう)なら』
283(はや)くも門口(かどぐち)(また)げる。284(さん)(にん)(なに)()はず()(あは)して悦子姫(よしこひめ)(かた)(むか)つて(をが)ンで()る。285音彦(おとひこ)は、
286音彦『サア、287加米彦(かめひこ)288夏彦(なつひこ)出陣(しゆつぢん)だ』
289悦子姫(よしこひめ)(あと)(したが)旧来(もとき)(みち)引返(ひきかへ)し、290()(にん)(また)もや(みち)()()急坂(きふはん)()()段梯子(だんばしご)(わた)つて(おく)(おく)へと(のぼ)()く。
291大正一一・四・二四 旧三・二八 北村隆光録)

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