霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第九章 (あした)一驚(いつきやう)〔六三七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第18巻 如意宝珠 巳の巻 篇:第3篇 反間苦肉 よみ(新仮名遣い):はんかんくにく
章:第9章 朝の一驚 よみ(新仮名遣い):あしたのいっきょう 通し章番号:637
口述日:1922(大正11)年04月26日(旧03月30日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年2月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
綾彦とお民は、朝起きるとさっそく黒姫に暇乞いをする。黒姫は理由を問う。綾彦とお民は、昨晩浅公らが酔いに任せて、自分たちを計略にかけてここに連れて来たことを自慢しあっていたのを聞いてしまった、と話す。
黒姫は、浅公らを呼んで問い詰め、ウラナイ教を追放する、と言い渡す。梅公は、悪神がウラナイ教を混乱させようと憑依して、あんなことを言わせたのだ、と言い訳する。
黒姫と高山彦は、悪霊退散のために浅公らに谷川で禊をしてくるように、と言う。そして綾彦・お民が聞いた話は、悪霊が浅公らに言わせた嘘だったのだ、と言い聞かせて納得させた。
梅公は禊をしに行く道すがら、自分の策略を自慢する歌を歌い、禊終わって帰ってくる。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-03-17 18:02:14 OBC :rm1809
愛善世界社版:144頁 八幡書店版:第3輯 690頁 修補版: 校定版:148頁 普及版:66頁 初版: ページ備考:
001 晩秋(ばんしう)(なが)()はいつしか()けて、002朝霧(あさきり)()むる東南(とうなん)(てん)に、003太陽(たいやう)(かす)みて(ひく)うかかり()る。004高山彦(たかやまひこ)(やうや)()(あが)り、005不便(ふべん)()()あはぬ贅沢(ぜいたく)三昧(ざんまい)006朝風呂(あさぶろ)007丹前(たんぜん)008長火鉢(ながひばち)009()()(かげ)(あた)つたやうな細長(ほそなが)(からだ)に、010長煙管(ながぎせる)()つた黒姫(くろひめ)二人(ふたり)(むつ)まじさうに、011ニタニタと、012昨夜(さくや)(ゆめ)(おも)()してか、013(えつ)()つて()る。014(かか)(ところ)新参者(しんざんもの)夫婦(ふうふ)(づれ)015(うやうや)しく両手(りやうて)をつかへ、
016綾彦(あやひこ)『コレハコレハお二人(ふたり)(さま)017(はや)御座(ござ)います、018昨夜(さくや)はいかい()厄介(やくかい)になりまして、019吾々(われわれ)夫婦(ふうふ)(あたた)かく()さして(いただ)きました。020どうぞ今日(けふ)より、021折角(せつかく)思召(おぼしめし)では御座(ござ)いますが、022吾々(われわれ)夫婦(ふうふ)にお(ひま)(くだ)さいませ』
023 黒姫(くろひめ)024怪訝(けげん)(かほ)にて、
025黒姫『お(まへ)昨夜(ゆうべ)()(ばか)りぢやないか、026あれ(ほど)(かた)(こと)()つて()つて、027一夜(ひとよさ)()にさうグラグラと(こころ)をかへて()うするのだい。028大方(おほかた)(たみ)高城山(たかしろやま)(つか)はすのが、029夫婦(ふうふ)(とも)()()らぬのだらう、030ヤアそれは(わか)夫婦(ふうふ)として()無理(むり)もない、031(しか)しながら此処(ここ)辛抱(しんばう)だ、032前夜(ぜんや)()つたやうに、033(ひと)つの苦労(くらう)心配(しんぱい)()(こと)がなければ、034人間(にんげん)(まこと)(はな)()きませぬぞや』
035綾彦(かさ)(がさ)ねの()教訓(けうくん)036(まこと)有難(ありがた)御座(ござ)います、037(しか)(なが)吾々(われわれ)夫婦(ふうふ)一旦(いつたん)(かみ)(さま)にお(まか)せした以上(いじやう)は、038仮令(たとへ)夫婦(ふうふ)がこの(まま)生別(いきわか)れにならうとも、039ソンナ(こと)執着心(しふちやくしん)()ちませぬ。040(しか)しながら、041夜前(やぜん)(うけたまは)れば皆様(みなさま)のお(さけ)(うへ)のお(はなし)に、042(はち)(にん)(かた)八百長(やほちやう)をお()りなされて、043(わたくし)をウラナイ(けう)()()手段(しゆだん)で、044(にはか)芝居(しばゐ)仕組(しぐ)まれましたのですから、045(わたくし)のやうな馬鹿(ばか)正直者(しやうぢきもの)は、046到底(たうてい)あの方々(かたがた)(とも)(くら)(こと)出来(でき)ませぬから、047どうぞお(ひま)(くだ)さいませ』
048黒姫(くろひめ)(なん)(めう)(こと)仰有(おつしや)るぢやないか、049(まこと)正直(しやうぢき)一方(いつぱう)のウラナイ(けう)に、050ソンナ八百長(やほちやう)芝居(しばゐ)があるものか、051大方(おほかた)(まへ)(たび)(つか)れで、052ソンナ(ゆめ)でも()たのだらう』
053綾彦(あやひこ)『イエイエ(けつ)して(ゆめ)では御座(ござ)いませぬ、054夜前(やぜん)貴方(あなた)(さま)()挨拶(あいさつ)をして、055()さして(もら)はうと(おも)ひ、056廊下(らうか)(とほ)りますと、057(みな)さまがお(さけ)()ひ、058面白(おもしろ)さうなお(はなし)059()くともなしに吾々(われわれ)夫婦(ふうふ)(みみ)(らい)(ごと)くに(ひび)いたのは、060夜前(やぜん)普甲峠(ふかふたうげ)辛辣(しんらつ)計略(けいりやく)061一伍(いちぶ)一什(しじふ)自慢話(じまんばなし)062(わたくし)(はら)()つやら(おそ)ろしいやら、063一旦(いつたん)有難(ありがた)いと(おも)うた信念(しんねん)(けぶり)()え、064(ただ)口惜(くちを)しさに二人(ふたり)一睡(いつすゐ)もせず、065()()けるのを()つて()いて()りました。066(かなら)(ゆめ)ぢや御座(ござ)いませぬ、067何卒(どうぞ)(ひま)(くだ)さいませ』
068 黒姫(くろひめ)不思議(ふしぎ)(かほ)をして、
069黒姫(なん)とお(まへ)合点(がつてん)()かぬ(こと)仰有(おつしや)る。070どうかして()るのぢやないかな、071此処(ここ)(わか)(もの)には、072毎日(まいにち)()みて(ふく)めるやうに(まこと)(みち)()()かしてある。073()()()いたほども(うそ)()ふものはない、074あまり正直(しやうぢき)()()けて、075当世(たうせい)(やく)()たぬやうな代物(しろもの)ばかりぢや、076ソンナ(はず)(だん)じてありませぬ、077それや(なに)かの(まぼろし)でせう』
078お民『イエイエ(けつ)して(まぼろし)でも(なん)でも御座(ござ)いませぬ、079(げん)夜前(やぜん)のお(かた)自慢話(じまんばなし)仰有(おつしや)つたのをお(たみ)(たし)かに()きました』
080()くより黒姫(くろひめ)(いぶか)しがり、
081黒姫一寸(ちよつと)()つて(くだ)さい、082(めう)(こと)()ひなさる、083(いま)(しら)べて()ませう。084これこれ浅公(あさこう)085幾公(いくこう)086梅公(うめこう)087寅公(とらこう)088辰公(たつこう)089鳶公(とびこう)090皆々(みなみな)此処(ここ)へ、091(たづ)ねたい(こと)がある、092()()なさい』
093(やや)(ふる)(ごゑ)呶鳴(どな)()てる。094(この)(こゑ)一同(いちどう)(はち)(にん)はバラバラと(あら)はれ(きた)り、095各自(めいめい)(かへる)(つくば)ひになつて、
096一同(いま)吾々(われわれ)を、097()びになつたのは、098(なに)御用(ごよう)御座(ござ)いますか、099ねつから()()ひませず、100(たま)(ひと)(たす)けた(くらゐ)沢山(たくさん)()馳走(ちそう)(いただ)き、101まだ(その)(うへ)何彼(なにか)恩命(おんめい)(くだ)(たま)ふのは(あま)勿体(もつたい)なくて冥加(みやうが)()きます、102何一(なにひと)()恩報(おんはう)じも(いた)さず、103(まこと)(はづ)かしい次第(しだい)御座(ござ)います。104ヤアお(まへ)夜前(やぜん)(ひと)105マアマアよかつたねエ、106これと()ふのも(まつた)くウラナイ(けう)(かみ)(さま)のお(かげ)だ、107(つぎ)には(わたくし)(たち)のお(かげ)だよ、108(この)御恩(ごおん)何時迄(いつまで)(わす)れてはなりませぬぞえ』
109 綾彦(あやひこ)110()()らぬ返事(へんじ)
111綾彦『ヘエ』
112(たみ)『ヒン』
113浅公(あさこう)『これこれお(たみ)さまとやら、114その返事(へんじ)(なん)だ。115痩馬(やせうま)(なん)ぞの(やう)あげづらをしてヒンなぞと、116(いのち)恩人(おんじん)(むか)つて嘲弄(てうろう)するのかい、117イヤ挑戦(てうせん)(てき)態度(たいど)()るのだな』
118(たみ)『ヘン』
119黒姫(くろひめ)『お(まへ)(たち)(はち)(にん)(もの)120夜前(やぜん)(はなし)をもう一遍(いつぺん)(くは)しうして(くだ)さらぬか』
121 (うめ)122(かた)(いか)らし得意顔(とくいがほ)で、
123梅公『アヽ夜前(やぜん)吾々(われわれ)功名(こうみやう)手柄話(てがらばなし)ですか、124よう()いて(くだ)さいました。125(ただ)一回(いつくわい)だけでは折角(せつかく)神謀(しんぼう)奇略(きりやく)126ではない辛苦(しんく)艱難(かんなん)したことが、127貴女(あなた)のお(こころ)十分(じふぶん)徹底(てつてい)しないやうな心持(こころもち)がして物足(ものた)りないと(おも)つて()ました。128それはそれは随分(ずゐぶん)沢山(たくさん)(おに)手下(てした)(ども)
129針小(しんせう)棒大(ぼうだい)にべらべらと(しやべ)()てるを黒姫(くろひめ)は、
130黒姫『アヽそれは(うそ)ぢやあるまいなア』
131梅公『エヽ(けつ)して(けつ)して(うそ)坊子(ぼうづ)(あたま)(うま)れてからいう(こと)がありませぬ、132正真(しやうしん)正銘(しやうめい)ネツトプライスの物語(ものがたり)ですよ』
133黒姫『それでもお(まへ)134夜前(やぜん)(さけ)()みて、135種々(しゆじゆ)手段(しゆだん)(めぐ)らし、136八百長(やほちやう)をやつて(この)(かた)無理(むり)信仰(しんかう)させ、137引張(ひつぱ)つて()手柄話(てがらばなし)(かは)(がは)るやつて()たぢやないか、138(まこと)(ひと)つの(かみ)(をしへ)(みち)()ながら、139(なん)()(こと)をするのだい。140綾彦(あやひこ)夫婦(ふうふ)大変(たいへん)残念(ざんねん)がつてこれから(ひま)をくれと()うて()らつしやる(ところ)だ。141何程(なんぼ)()つて()かしてもお(まへ)()駄目(だめ)だ、142サア只今(ただいま)(かぎ)(あさ)143(いく)(ほか)(ろく)(にん)破門(はもん)する。144エヽ(けが)らはしい、145ウラナイ(けう)(やぶ)(もの)(そと)からでない、146ウラナイ(けう)から(あら)はれるから()をつけよと(かみ)(さま)仰有(おつしや)つた、147何程(なにほど)要害(えうがい)堅固(けんご)(はり)をもつて(かた)めた丹波栗(たんばぐり)でも、148(なか)からはぢけ()ちるやうに、149(まへ)()はウラナイ(けう)爆裂弾(ばくれつだん)ぢや、150(かみ)(さま)のお(みち)面汚(つらよご)し、151アヽ(けが)らはしい、152トツトと(いち)()(はや)(かへ)つて(くだ)さい』
153梅公『それは(なに)仰有(おつしや)います、154傘屋(かさや)丁稚(でつち)ぢやないが、155(ほね)()つて小言(こごと)()かされては梅公(うめこう)一同(いちどう)一向(いつこう)算盤(そろばん)()ひませぬ』
156黒姫『それでも(かはづ)(くち)からと()うて、157現在(げんざい)(まへ)(くち)から自白(じはく)したぢやないか』
158 梅公(うめこう)(そら)とぼけて、
159梅公『アヽあれですかい、160夜前(やぜん)沢山(たくさん)なお(さけ)(いただ)いて()(ゆる)みたものですから、161其処(そこ)大江山(おほえやま)悪魔(あくま)(れい)(おそ)うて()よつて、162吾々(われわれ)(はち)(にん)功名(こうみやう)手柄(てがら)抹殺(まつさつ)しやうと(おも)ひ、163(わたくし)(はじ)(みな)にのり(うつ)り、164(さけ)(わたくし)には(あま)()まさず、165悪霊(あくれい)(みな)()みて仕舞(しま)ひ、166(つひ)には(わたくし)()(くち)()りて反間(はんかん)苦肉(くにく)(さく)をやりよつたのですよ、167真実(ほんと)悪霊(あくれい)()ふものは油断(ゆだん)のならぬものですなア、168アハヽヽヽ。169オイ(あさ)170(いく)171(とら)172(たつ)173(とび)174鷹公(たかこう)175貴様(きさま)余程(よほど)腹帯(はらおび)()めぬと昨夜(ゆうべ)(やう)魔霊(まれい)(おそ)はれ、176(おに)容器(いれもの)になつて仕舞(しま)うぞよ』
177辰公(たつこう)(えら)さうに()ふない、178貴様(きさま)にも矢張(やつぱり)(おに)()いて()るのぢやないか』
179梅公(うめこう)『それやさうだ。180(たがひ)さまぢや、181悪平等(あくべうどう)(てき)に、182吾々(われわれ)(はち)(にん)にすつかり憑依(ひようい)しよつたのだ、183アヽ(なん)だか気分(きぶん)(わる)い、184どうぞ高山彦(たかやまひこ)さま、185黒姫(くろひめ)さま、186一遍(いつぺん)悪魔(あくま)(はい)らぬやう、187ウンと神霊(しんれい)注射(ちうしや)鎮魂(ちんこん)をして(くだ)さいませな』
188黒姫(くろひめ)『オホヽヽヽ、189アヽさうだつたか、190大抵(たいてい)ソンナ(こと)だと(おも)うて()た。191(これ)から()をつけなさい、192(おつ)鎮魂(ちんこん)して()げるから、193谷川(たにがは)にでも()つて充分(じゆうぶん)(からだ)(きよ)めて()るのだよ』
194梅公(うめこう)『オイ、195大江山(おほえやま)(おに)住宅(ぢうたく)七軒(しちけん)(やつ)196サア洗濯(せんたく)だ。197(また)もや(おに)()ぬまに洗濯婆(せんたくば)サン()サン』
198()やり()らし(なが)ら、199尻引(しりひ)きからげ、200(ほそ)岩戸(いはと)(くぐ)谷川(たにがは)目蒐(めが)けて(はし)()く。201(あと)には高山彦(たかやまひこ)202黒姫(くろひめ)203綾彦(あやひこ)204(たみ)()(にん)
205黒姫(くろひめ)『ヤア油断(ゆだん)のならぬ悪霊(あくれい)ぢや、206折角(せつかく)綾彦(あやひこ)夫婦(ふうふ)(ぜん)(みち)(すく)はれようとなさる最中(さいちう)に、207執拗(しつえう)なる(おに)(れい)がやつて()よつて引落(ひきおと)しにかからうとする。208高山(たかやま)さま、209(しつか)りせないと、210何時(いつ)悪霊(あくれい)襲来(しふらい)するやら(わか)りませぬなア』
211高山彦(たかやまひこ)『ヤアさうだなア、212これこれお二人(ふたり)のお(かた)213心配(しんぱい)なさるな、214(いま)(きき)(とほ)りだから(けつ)してウラナイ(けう)にはソンナ(わる)いものは()りませぬ、215安心(あんしん)なされ』
216綾彦(あやひこ)悪霊(あくれい)()ふものはソンナものですか、217ヘエ油断(ゆだん)がなりませぬなア』
218黒姫(くろひめ)(すみ)から(すみ)まで、219蜘蛛(くも)()()つたやうに手配(てくば)りをして()ますから、220一寸(ちよつと)油断(ゆだん)出来(でき)ませぬよ、221貴女(あなた)()だウラナイ(けう)(はじ)めてですから、222(れい)(こと)()つても(わか)りますまいが、223(しばら)信神(しんじん)して()なさい、224(なに)()もすつかり(わか)つて()ます、225さうしたらお(まへ)さまの(うたがひ)氷解(ひようかい)するでせう』
226(たみ)『アヽ左様(さやう)御座(ござ)いましたか、227(まこと)にお()()ましまして申訳(まをしわけ)御座(ござ)いませぬ、228どうぞ宜敷(よろしく)(ねが)(いた)します』
229黒姫(くろひめ)『アヽ、230それで()()い、231(おく)()つて(かみ)(さま)にこの解決(かいけつ)がついたお(れい)()つて()なさい』
232 二人(ふたり)叮嚀(ていねい)(あたま)()げ、233静々(しづしづ)神壇(かみだな)()(すす)()く。
234 梅公(うめこう)(ほか)(しち)(にん)黒姫(くろひめ)面部(めんぶ)にさつと(あら)はれた低気圧(ていきあつ)襲来(しふらい)を、235危機(きき)一髪(いつぱつ)()にやつと(ゆる)され、236虎口(ここう)(のが)れた心地(ここち)して谷川(たにがは)目蒐(めが)けて(みそぎ)のために(はし)()く。237梅公(うめこう)道々(みちみち)
238梅公嗚呼(ああ)(おそ)ろしや(おそ)ろしや
239(つるぎ)(わた)心地(ここち)して
240あらぬ智慧(ちゑ)をば(しぼ)()
241反間(はんかん)苦肉(くにく)(さく)()
242(やうや)目的(もくてき)成就(じやうじゆ)して
243意気(いき)揚々(やうやう)()(かへ)
244黒姫(くろひめ)さまの(おん)(まへ)
245忠臣(ちうしん)気取(きどり)報告(はうこく)
246やつと(ほど)けた閻魔顔(えんまがほ)
247福禄寿(げほう)(やう)なハズバンド
248高山彦(たかやまひこ)()(まへ)
249手柄話(てがらばなし)諄々(じゆんじゆん)
250(なら)()つれば黒姫(くろひめ)
251相好(さうがう)(くづ)して感歎(かんたん)
252褒美(ほうび)(つも)りで甘酒(うまざけ)
253どつさり()まして()れた(ゆゑ)
254出会(であ)うた(とき)(かさ)ぬげと
255()(ことわざ)(その)(まま)
256前後(ぜんご)(わす)れて舌鼓(したつづみ)
257うつて(まは)つた(さけ)()
258副守(ふくしゆ)(なに)()らねども
259功名心(こうみやうしん)にかり()され
260迂闊(うつか)(しやべ)つた(たく)(ごと)
261(てん)(くち)あり(かべ)(みみ)
262いつの()にかは綾彦(あやひこ)
263(たみ)(やつ)顛末(てんまつ)
264一切(いつさい)(のこ)らず()()られ
265()らぬが(ほとけ)神心(かみごころ)
266白河(しらかは)夜船(よぶね)のぐうぐうと
267夢路(ゆめぢ)(わた)()(あが)
268(たがひ)(かほ)見合(みあは)せて
269(うま)くやつたな、ようやつた
270(おれ)知識(ちしき)はこの(とほ)
271文殊(もんじゆ)菩薩(ぼさつ)丸跣(まるはだし)
272(これ)から信者(しんじや)(あつ)めるは
273(これ)より(ほか)手段(しゆだん)なし
274これや()(こと)(おぼ)えたと
275(こころ)(ひそか)(ほこ)りつつ
276肩肱(かたひぢ)(いか)らす折柄(をりから)
277黒姫(くろひめ)さまの(たか)(こゑ)
278こいつアてつきり()褒美(はうび)
279(よろこ)(いさ)(はち)(にん)
280西瓜頭(すゐくわあたま)(なら)ぶれば
281電光(でんくわう)石火(せきくわ)(いかづち)
282(とどろ)くやうな(すご)(こゑ)
283胆玉(きもたま)()られ(へそ)ぬかれ
284(つめ)()られて(はぢ)をかき
285(この)難関(なんくわん)如何(いか)にして
286突破(とつぱ)()れむと(くび)ひねる
287(をり)しも()かぶ守護神(しゆごじん)
288法螺(ほら)副守(ふくしゆ)のべらべらと
289布留那(ふるな)(べん)黒姫(くろひめ)
290(けぶり)()いて大江山(おほえやま)
291(おに)悪霊(あくれい)仕業(しわざ)よと
292大責任(だいせきにん)転嫁(てんか)する
293早速(さつそく)頓智(とんち)梅公(うめこう)
294(うま)理屈(りくつ)(あざむ)かれ
295閻魔(えんま)(かほ)(たちま)ちに
296急転(きふてん)直下(ちよくか)地蔵顔(ぢざうがほ)
297(おに)(ほとけ)入替(いれか)はり
298やつと破門(はもん)(たす)かつて
299黒姫(くろひめ)さまの命令(めいれい)
300憑依(ひようい)もしない悪霊(あくれい)
301()()すために谷川(たにがは)
302(みそぎ)をせいと(をし)へられ
303(むね)()()ろし(しわ)()ばし
304国家(こくか)興亡(こうばう)はまだ(おろ)
305危急(ききふ)存亡(そんばう)()始末(しまつ)
306(かは)(なが)した心地(ここち)して
307(やうや)此処(ここ)にやつて()
308あゝ面白(おもしろ)面白(おもしろ)
309孫呉(そんご)(まさ)兵法(へいはふ)
310際限(さいげん)もなく()(いだ)
311虱殺(しらみごろ)しに諸人(もろびと)
312一人(ひとり)(のこ)さずウラナイの
313(をしへ)(みち)()()れて
314鼻高姫(はなたかひめ)黒姫(くろひめ)
315笑壺(ゑつぼ)()るが吾々(われわれ)
316上分別(じやうふんべつ)では()るまいか
317知識(ちしき)(あさ)浅公(あさこう)
318意気地(いくぢ)(よわ)幾公(いくこう)
319うめい智慧(ちゑ)()梅公(うめこう)
320手足(てあし)(つめ)でも頂戴(ちやうだい)
321(せん)じて()めば(えら)くなる
322寅公(とらこう)辰公(たつこう)鳶公(とびこう)
323(これ)から(おれ)()(こと)
324()いて出世(しゆつせ)をするがよい
325黒姫(くろひめ)さまの大将(たいしやう)
326(くち)(きは)めてべらべらと
327(せつ)()いてウラナイの
328(みち)()れよと全力(ぜんりよく)
329(つく)して()てもあの(とほ)
330弁論(べんろん)よりも実行(じつかう)
331直接(ちよくせつ)行動(かうどう)(かぎ)るぞや
332さは()りながら(みな)(もの)
333(ゆめ)にもコンナ計略(はかりごと)
334高山(たかやま)さまや黒姫(くろひめ)
335(かなら)喋舌(しやべ)つちやならないぞ
336()しも(わか)つた(その)(とき)
337(みな)各々(めいめい)(はな)(した)
338大旱魃(だいかんばつ)大恐慌(だいきようくわう)
339(かへる)(くち)から、うつかりと
340(さけ)()(とき)心得(こころえ)
341(こころ)(ひと)つの(つか)ひよで
342(かしこ)()える(また)阿呆(あほ)
343()えると(おも)へば(くち)だけは
344どうぞ(つつし)(くだ)されよ
345賛成(さんせい)のお(かた)()をあげて
346拍手(はくしゆ)喝采(かつさい)してお()
347あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
348御霊(みたま)幸倍(さちはへ)()しませよ
349(つき)()つとも()くるとも
350朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
351仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
352黒姫(くろひめ)さまが(おこ)るとも
353金輪(こんりん)奈落(ならく)この秘密(ひみつ)
354()うてはならぬぞお(たがひ)
355()一大事(いちだいじ)心得(こころえ)
356(かなら)口外(こうぐわい)するでない
357秘密(ひみつ)はどこ(まで)秘密(ひみつ)だよ
358(かみ)(おく)には(おく)がある
359(その)(また)(おく)には(おく)がある
360(おく)(わか)らぬ梅公(うめこう)
361智慧(ちゑ)奥山(おくやま)()()けて
362(しか)梅公(うめこう)()いて()
363こいでこいでと松世(まつよ)はこいで
364末法(まつぱう)()()(かど)()
365(ひと)(ちが)へば(おれ)(たち)
366(かど)()たねば、ならぬとこ
367()つて(うま)れた智慧(ちゑ)(とく)
368(おほ)きな(かほ)して黒姫(くろひめ)
369()めて(もら)うて傲然(ごうぜん)
370ウラナイ(けう)宣伝使(せんでんし)
371あゝ面白(おもしろ)面白(おもしろ)
372(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
373曲津(まがつ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
374()(あやま)ちは都合(つがふ)()
375()(なほ)すのが智慧(ちゑ)(とく)
376あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
377(かな)はぬ(とき)があつたなら
378(あたま)()げて梅公(うめこう)
379ドンナ(こと)でも()くがよい
380()くは当座(たうざ)(はぢ)なれど
381()かずに()つた(かほ)をして
382失敗(しつぱい)したら末代(まつだい)
383それこそ(はぢ)となる(ほど)
384阿呆(あはう)正直(しやうぢき)今迄(いままで)
385態度(たいど)すつくり立替(たてか)へて
386権謀(けんぼう)術策(じゆつさく)戦略(せんりやく)
387(こころ)(そこ)から立直(たてなほ)
388あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
389何故(なぜ)是程(これほど)よい智慧(ちゑ)
390梅公(うめこう)だけは()るであろ
391あゝ(その)(はず)ぢや(その)(はず)ぢや
392(いづ)(みたま)のお筆先(ふでさき)
393一度(いちど)(ひら)(うめ)(はな)
394(うめ)(ひら)いて常磐(ときは)(まつ)
395世界(せかい)(をさ)める(かみ)(みち)
396見違(みちが)ひするなよ(みな)(やつ)
397黒姫(くろひめ)さまは(えら)くとも
398高山(たかやま)さまを(もら)うてから
399(なん)とはなしにぼつとした
400これから(おれ)全軍(ぜんぐん)
401参謀(さんぼう)総長(そうちやう)である(ほど)
402参謀(さんぼう)本部(ほんぶ)梅公(うめこう)
403指揮(しき)命令(めいれい)(したが)つて
404(こと)()るなら()(すぢ)
405横幅(よこはば)(ほど)違算(ゐさん)なし
406余程(よつぽど)(えら)守護神(しゆごじん)
407(おれ)守護(しゆご)をして御座(ござ)
408(かなら)(おれ)()ふでない
409()出神(でのかみ)竜宮(りうぐう)
410乙姫(おとひめ)さまのお脇立(わきだち)
411(なか)でも一層(いつそう)(えら)(やつ)
412()神勅(しんちよく)軽蔑(けいべつ)
413(かなら)ぬかりを()らぬやう
414(みな)(やつ)()()をつける
415あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
416(かな)はぬ(とき)神頼(かみだの)
417アハヽヽ ハツハア アハヽヽヽ』
418一同(いちどう)『アハヽヽヽ、419随分(ずゐぶん)(えら)くメートルを()げたものだなア』
420梅公(うめこう)(なに)をごてごて(ほざ)くのだ、421貴様(きさま)()(いのち)(おや)だ、422(まま)(たね)だ、423サアサア黒姫(くろひめ)さまがお()(かね)だ。424御禊(みそぎ)がすみたら(かへ)らう』
425 一同(いちどう)はバラバラと(もと)地底(ちてい)岩窟(がんくつ)(むか)つて(かへ)()く。
426大正一一・四・二六 旧三・三〇 加藤明子録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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