霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第八章 大悟徹底(たいごてつてい)〔六五三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第19巻 如意宝珠 午の巻 篇:第2篇 意外の意外 よみ:いがいのいがい
章:第8章 第19巻 よみ:たいごてってい 通し章番号:653
口述日:1922(大正11)年05月07日(旧04月11日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年2月28日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
紫姫と若彦たちは、元伊勢の神前に祈願を籠めながら、馬公と鹿公の復命を待っていた。そこへ二人が戻ってきた。鶴公が高姫に報告をしに行ったことを聞いた一同は、高姫の返事を待つために一度世継王山へ帰ることになった。
四五日して、世継王山へ高姫一行が訪ねて来た。一同は、高姫らをもてなした。黒姫は、なぜ策略を使って奪った玉照姫を、こちらへ渡そうとするのか、と聞いた。若彦と紫姫は、自分たちの行為が素盞嗚尊の怒りを買い、三五教を除名され、また玉照姫をウラナイ教に譲るようにと命じられた経緯を語った。
高姫はそれを聞いて、素盞嗚尊の善を悟り、今まで敵対してきたことを詫び、涙にくれてその場に打ち伏した。高姫は素盞嗚尊の真心に打たれ、玉照姫を連れて帰ることはしばらく考えされて欲しい、と申し出た。
そして、高姫一行は一度フサの国へ帰って行った。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-12-09 14:09:59 OBC :rm1908
愛善世界社版:119頁 八幡書店版:第4輯 73頁 修補版: 校定版:122頁 普及版:55頁 初版: ページ備考:
001 紫姫(むらさきひめ)002若彦(わかひこ)003(たま)元伊勢(もといせ)神殿(しんでん)祈願(きぐわん)()(をは)り、004玉照姫(たまてるひめ)介抱(かいほう)しつつ、005(うま)006鹿(しか)両人(りやうにん)復命(ふくめい)如何(いか)にと()つて()た。
007 黄昏(たそがれ)()ぐる(ころ)神殿(しんでん)(むか)つて(いそ)(きた)(ふた)つの(かげ)
008『モシモシ紫姫(むらさきひめ)さま、009若彦(わかひこ)さまは()られますか、010(うま)011鹿(しか)両人(りやうにん)御座(ござ)います』
012若彦(わかひこ)『ヤア馬公(うまこう)鹿公(しかこう)013御苦労(ごくらう)だつたナア。014様子(やうす)如何(どう)ぢや』
015馬公(うまこう)『ハイまアまア(じやう)いきでした。016黒姫(くろひめ)はフサの(くに)(かへ)つて不在中(ふざいちゆう)だとかで、017(のこ)りの十四五人(じふしごにん)連中(れんちう)018(さけ)(くら)()つて大騒(おほさわ)ぎの真最中(まつさいちう)019到頭(たうとう)吾々(われわれ)両人(りやうにん)引張(ひつぱ)()まれ、020(さけ)()(つぶ)され、021敵味方(てきみかた)区別(くべつ)()(たがひ)(くわん)(つく)して()最中(さいちう)へ、022やつて()たのはフサの(くに)本山(ほんざん)より高姫(たかひめ)023黒姫(くろひめ)使(つかひ)として鶴公(つるこう)024亀公(かめこう)両人(りやうにん)025そこで吾々(われわれ)両人(りやうにん)貴女方(あなたがた)御意見(ごいけん)(つた)へますると、026鶴公(つるこう)027亀公(かめこう)(いち)()()承諾(しようだく)をしました。028(しか)(なが)一寸(ちよつと)フサの(くに)まで(うかが)つて()るから、029(かく)たる返答(へんたふ)(のち)(ほど)するとの(こと)でございました』
030紫姫(むらさきひめ)『アヽそれは御苦労(ごくらう)でしたナ。031左様(さやう)ならば御返事(ごへんじ)のあるまで、032一旦(いつたん)聖地(せいち)引返(ひきかへ)しませうか』
033若彦(わかひこ)『それが()よろしうございませう。034玉照姫(たまてるひめ)(さま)元伊勢(もといせ)御参拝(ごさんぱい)御供(おとも)(いた)したと(おも)へば無駄(むだ)にはなりませぬ。035サアサア(いそ)(かへ)りませう』
036一行(いつかう)五人(ごにん)は、037玉照姫(たまてるひめ)(うやうや)しく捧持(ほうぢ)しつつ(ふたた)世継王山麓(よつわうさんろく)(やかた)立帰(たちかへ)りける。038(みね)(あらし)()()らされて満天(まんてん)(くも)何処(いづく)ともなく姿(すがた)()し、039上弦(じやうげん)(つき)東天(とうてん)(かがや)(はじ)めた。040夜明(よあ)けに()もなき(とき)なりける。
041 四五日(しごにち)()ぐる夜半(よなか)(ごろ)042世継王山麓(よつわうさんろく)玉照姫(たまてるひめ)(いほり)(たづ)ねる数名(すうめい)男女(だんぢよ)(あら)はれた。043(こがらし)()(すさ)真夜中(まよなか)(ごろ)044紫姫(むらさきひめ)以下(いか)家族(かぞく)(のこ)らず(しん)(つい)()た。045(もん)()(たた)(をとこ)(こゑ)
046鶴公(つるこう)『モシモシ夜中(よなか)(まゐ)りまして()みませぬが、047(わたくし)御存知(ごぞんぢ)のフサの(くに)のウラナイ(けう)本山(ほんざん)から(まゐ)りました鶴公(つるこう)でございます。048先日(せんじつ)馬公(うまこう)さま、049鹿公(しかこう)さまに御聞(おき)(まを)したことを、050直様(すぐさま)高姫(たかひめ)051黒姫(くろひめ)(さま)御伝(おつた)(いた)しました(ところ)052(こと)(ほか)御悦(およろこ)(あそ)ばして、053唯今(ただいま)此所(ここ)大勢(おほぜい)()れて御出(おい)でになりました』
054 馬公(うまこう)()(こゑ)()き、055(いへ)(なか)より、
056『ヤア(まが)(かた)なき鶴公(つるこう)さまの(こゑ)057一寸(ちよつと)()つて(くだ)さい。058今直(いますぐ)紫姫(むらさきひめ)(さま)申上(まをしあ)げますから、059オイ鹿公(しかこう)060()きぬか、061大変(たいへん)大変(たいへん)だ』
062 鹿公(しかこう)はむつくと()き、
063『ナヽヽ(なに)大変(たいへん)だ。064大方(おほかた)フサの(くに)から黒姫(くろひめ)さま、065高姫(たかひめ)さまが(こと)(ほか)御悦(およろこ)びで御出(おい)でになつたのだらう』
066馬公(うまこう)『なまくらな(やつ)だ、067()いてゐやがつたのだな』
068鹿公(しかこう)『アハヽヽヽ、069モシモシ紫姫(むらさきひめ)さま、070若彦(わかひこ)さま、071高姫(たかひめ)072黒姫(くろひめ)御両人(ごりやうにん)御出(おい)でになりましたよ』
073紫姫(むらさきひめ)『アーそれは御遠方(ごゑんぽう)(ところ)074よう()(くだ)さつた。075馬公(うまこう)や、076(はや)(おもて)()けて(くだ)さい。077さうして受付(うけつけ)一寸(ちよつと)御茶(おちや)でも差上(さしあ)げて、078此方(こちら)(おく)片付(かたづ)くまで()つて()(もら)うて(くだ)さい』
079欣々(いそいそ)として寝床(ねどこ)片付(かたづ)け、080掃除(さうぢ)にかかる。081若彦(わかひこ)寝巻(ねまき)着替(きか)へ、082(あわて)(おもて)()()し、
083若彦(わかひこ)『ヤー黒姫(くろひめ)さま、084高姫(たかひめ)さま、085よう御出(おい)(くだ)さいました。086サアほんの仮小屋(かりごや)貴方(あなた)御在(おいで)(あそ)ばす本山(ほんざん)(くら)ぶれば、087(まる)柴小屋(しばごや)(やう)なものでございますが、088どうぞ御入(おはい)(くだ)さいませ』
089高姫(たかひめ)青彦(あをひこ)さま、090何事(なにごと)神界(しんかい)御都合(ごつがふ)だから今迄(いままで)(こと)は、091全然(すつかり)(みづ)(なが)して仲好(なかよ)うするのだよ』
092若彦(わかひこ)『ハイハイ(あふ)せの(とほ)仲好(なかよ)うする(ほど)093結構(けつこう)なことはございませぬ』
094黒姫(くろひめ)『お(まへ)矢張(やつぱ)(わし)眼識(めがね)(たが)はず、095屹度(きつと)こんな好結果(かうけつくわ)(もたら)すであらうと(おも)つて()つた。096(わし)()矢張(やつぱ)(くろ)いワ。097高姫(たかひめ)さま如何(どう)でございます、098間違(まちが)ひはありますまい』
099高姫(たかひめ)『イヤどうも(おそ)()りました。100サアサア御免(ごめん)(かうむ)りませう』
101一同(いちどう)はぞろぞろと(しきゐ)(また)げて(おく)(すす)()る。
102紫姫(むらさきひめ)『これはこれは皆様(みなさま)よくおはせられました。103毎日(まいにち)日日(ひにち)(くび)()ばして御返事(ごへんじ)如何(いか)にと御待(おま)(まを)してゐました。104こちら(はう)から御返事(ごへんじ)()次第(しだい)(うかが)ふつもりでしたのに、105(みづか)御出張(ごしゆつちやう)(くだ)さいますとは、106(じつ)有難(ありがた)いことでございます。107どうぞ今迄(いままで)御無礼(ごぶれい)御赦(おゆる)(くだ)さいませ』
108黒姫(くろひめ)『モー()うなれば親子(おやこ)同然(どうぜん)だ。109(けつ)して御気遣(おきづか)(くだ)さるな』
110(おく)()正座(しやうざ)一行(いつかう)七人(しちにん)ずらりと(たな)布袋然(ほていぜん)として()(しめ)る。
111 紫姫(むらさきひめ)心底(しんてい)より嬉々(きき)として、112丁寧(ていねい)遠来(ゑんらい)(きやく)をもてなしてゐる。113若彦(わかひこ)114(うま)115鹿(しか)三人(さんにん)(にはか)襷掛(たすきが)けとなり、116御馳走(ごちそう)献立(こんだて)全力(ぜんりよく)(つく)してゐる。117(たま)玉照姫(たまてるひめ)(そば)(はな)れず大切(たいせつ)保護(ほご)して()る。
118黒姫(くろひめ)『これ紫姫(むらさきひめ)さま、119貴女(あなた)本当(ほんたう)見上(みあ)げた御方(おかた)だ。120この黒姫(くろひめ)でさへも深遠(しんゑん)霊妙(れいめう)なる貴女(あなた)秘策(ひさく)には()()かなかつた。121大事(だいじ)遂行(すゐかう)するものは、122さうなくてはならぬものだ。123現在(げんざい)上役(うはやく)(わたし)さへも()らぬやうに、124うまく芝居(しばゐ)仕組(しぐ)まれた()腕前(うでまへ)は、125(じつ)感服(かんぷく)(いた)しました。126モシ高姫(たかひめ)さま、127それだから(わたし)貴女(あなた)御目(おめ)にかけた(とき)128()()(もの)()()つたと()うたぢやありませぬか。129黒姫(くろひめ)眼力(がんりき)も、130あまり()てたものぢやありますまい。131エヘヽヽヽ』
132(かた)(ゆす)る。
133紫姫(むらさきひめ)『イエイエもとより智慧(ちゑ)()らはぬ(わらは)のことでございますから、134(じつ)(ところ)若彦(わかひこ)135(もと)()青彦(あをひこ)二人(ふたり)136悦子姫(よしこひめ)さまの御指図(おさしづ)(したが)つて、137()まぬとは()(なが)黒姫(くろひめ)(さま)(たば)かつたのです。138つまり貴女(あなた)()(つぼ)()はし、139玉照姫(たまてるひめ)(さま)此方(こちら)捧持(ほうぢ)して(かへ)つた(とき)は、140それはそれは(なん)とも()れぬ心持(こころもち)でございました。141(うれ)しいやら(また)(なん)ともなしに気持(きもち)(わる)いやら、142貴女(あなた)(たい)して御気(おき)(どく)やら、143(なに)(こころ)(おく)(おく)(ひと)つの(くろ)(かげ)があるやうな心持(こころもち)でした、144今日(こんにち)となつては(じつ)一点(いつてん)(くも)りも()(やう)になりまして、145こんな(うれ)しいことはございませぬ』
146 黒姫(くろひめ)()(まる)うし、147(くち)(とが)らし、
148黒姫(くろひめ)『さうすると矢張(やつぱ)りお前等(まへら)二人(ふたり)(しめ)()はして、149(わし)()(おと)しにかけたのだな。150ほんにほんに油断(ゆだん)ならぬ途方(とはう)()(はら)(くろ)いお(ひめ)(さま)だ。151オホヽヽヽ』
152高姫(たかひめ)『これ黒姫(くろひめ)さま、153もう()いぢやありませぬか。154改心(かいしん)さへなさつたら(なに)()ふことはありませぬワ。155()()つたことを()うて(たがひ)気分(きぶん)(わる)うするよりも、156(いさ)んで御用(ごよう)をするのが神様(かみさま)(たい)して孝行(かうかう)ぢや。157もうそんな(こと)打切(うちき)りに(いた)して、158打解(うちと)けて(これ)から神業(しんげふ)参加(さんか)しようではありませぬか』
159紫姫(むらさきひめ)有難(ありがた)うございます。160これに()きましては種々(いろいろ)(ふか)理由(わけ)がございますが、161(やが)御膳(ごぜん)支度(したく)出来(でき)ませうから、162ゆつくりと召上(めしあが)つて()(あと)に、163妾等(わたしら)懺悔話(ざんげばなし)()いて(もら)ひませう』
164 (かか)(ところ)若彦(わかひこ)(あら)はれ(きた)り、
165(みな)さま、166御飯(ごはん)用意(ようい)出来(でき)ました。167もう()()けかけましたから、168どうぞ御手水(おてうづ)使(つか)つて御飯(ごはん)召上(めしあが)つて(くだ)さいませ』
169黒姫(くろひめ)『サア(みな)さま、170身体(からだ)(きよ)めて神様(かみさま)御礼(おれい)申上(まをしあ)げ、171御飯(ごはん)頂戴(ちやうだい)して、172ゆるゆると御話(おはなし)(うけたま)はることにしませう』
173 ()言葉(ことば)一同(いちどう)(うら)谷川(たにがは)清泉(せいせん)(くち)(すす)ぎ、174手水(てうづ)使(つか)神前(しんぜん)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、175(をは)つて朝餉(あさげ)(ぜん)()いた。
176黒姫(くろひめ)(なに)から(なに)まで(こころ)()めた結構(けつこう)御馳走(ごちそう)頂戴(ちやうだい)(いた)しました。177青彦(あをひこ)さまの真心(まごころ)()()んで、178(なん)となく美味(おいし)頂戴(ちやうだい)(いた)しました。179(とき)青彦(あをひこ)さまに(いや)紫姫(むらさきひめ)さまに(あらた)めて御訊(おたづ)(いた)しますが、180それだけ仕組(しぐ)んで()年寄(としより)をちよろまかし、181(ここ)まで成功(せいこう)して()(なが)ら、182(なん)(ため)(いま)となつて玉照姫(たまてるひめ)(さま)を、183(わたし)(はう)(わた)さうと()ふのだい。184大方(おほかた)玉照姫(たまてるひめ)(さま)御意(ぎよい)(かな)はずして(なに)(おそ)ろしい(ゆめ)でも毎晩(まいばん)二人(ふたり)(かた)()せられ、185(せめ)られるのが(つら)さに切羽(せつぱ)(つま)つての今度(こんど)降参(かうさん)ぢやないか。186素盞嗚尊(すさのをのみこと)悪神(わるがみ)御用(ごよう)をするお(まへ)として、187どうも不思議(ふしぎ)(たま)らぬぢやないか。188サアすつぱりと打明(うちあ)けて()ひなされ。189(こと)によつたら玉照姫(たまてるひめ)(さま)受取(うけと)つて()げぬこともない』
190若彦(わかひこ)『イエイエ滅相(めつさう)もない。191玉照姫(たまてるひめ)(さま)何時(いつ)大変(たいへん)御機嫌(ごきげん)でゐらせられ、192御神徳(ごしんとく)日々(にちにち)(かがや)きまして、193()御方(おかた)あるため三五教(あななひけう)大変(たいへん)勢力(せいりよく)になつて()ました』
194黒姫(くろひめ)『そんな結構(けつこう)玉照姫(たまてるひめ)(さま)何故(なぜ)(また)あれだけ秘術(ひじゆつ)(つく)して()()(なが)ら、195ウラナイ(けう)受取(うけと)つて(くだ)されと(たの)みに()たのだい』
196若彦(わかひこ)(じつ)剣尖山(けんさきやま)(ふもと)谷川(たにがは)で、197貴女(あなた)御眼(おめ)にかかつた(とき)198紫姫(むらさきひめ)(さま)吾々(われわれ)以心伝心的(いしんでんしんてき)(いつは)つて、199ウラナイ(けう)帰順(きじゆん)()せかけ、200貴女(あなた)計略(けいりやく)をすつかり探知(たんち)し、201うまく()()つて重任(ぢうにん)(あふ)()けらるるところまで()ぎつけ、202これ(さいは)ひと豊彦(とよひこ)(うち)綾彦(あやひこ)夫婦(ふうふ)引伴(ひきつ)れ、203玉照姫(たまてるひめ)(さま)204(たま)さまを受取(うけと)り、205黒姫(くろひめ)さまは今頃(いまごろ)欠伸(あくび)をして()つてゐらつしやるだらう。206エー()いことをした、207痛快(つうくわい)だと(こころ)欣々(いそいそ)(かへ)つて(まゐ)り、208()()(かしづ)(つか)(まつ)り、209その()かげで旭日昇天(きよくじつしようてん)三五教(あななひけう)(いきほ)ひとなり、210素盞嗚大神(すさのをのおほかみ)(さま)(さぞ)御悦(およろこ)びの(こと)(おも)つて()りましたところ、211(ある)()のこと大神様(おほかみさま)御娘(おんむすめ)英子姫(ひでこひめ)(さま)に、212大神様(おほかみさま)より非常(ひじやう)御意見(ごいけん)(あそ)ばされた(うへ)213権謀術数的(けんぼうじゆつすうてき)偽策(ぎさく)(ろう)して(たふと)神様(かみさま)()()れるとは不都合(ふつがふ)千万(せんばん)だ、214三五教(あななひけう)(おい)(もつと)必要(ひつえう)なる玉照姫(たまてるひめ)なれば、215ウラナイ(けう)にも必要(ひつえう)であらう。216黒姫(くろひめ)全力(ぜんりよく)(つく)して()()れようとしてゐるものを、217無慈悲(むじひ)にも何故(なぜ)そんな掠奪的(りやくだつてき)行動(かうどう)()つたのだ。218(おのれ)(ほつ)する(ところ)他人(ひと)(ほどこ)せと()(かみ)(こころ)()らぬか、219一時(いつとき)(はや)黒姫(くろひめ)玉照姫(たまてるひめ)御渡(おわた)(まを)し、220御詫(おわび)(いた)せ。221さうして(その)(はう)()三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)()めよとの意外(いぐわい)なる御不興(ごふきよう)222(きび)しき御命令(ごめいれい)でございました。223それが(ため)紫姫(むらさきひめ)(さま)も、224(わたくし)嗚呼(ああ)縮尻(しくじ)つた。225三五教(あななひけう)精神(せいしん)はそんなものぢやない。226また素盞嗚大神(すさのをのおほかみ)(さま)大御心(おほみこころ)は、227吾々(われわれ)のやうな半清半濁(はんせいはんだく)(たましひ)ではない。228(まこと)(ひと)つの水晶(すゐしやう)御魂(みたま)(かん)()り、229(おそ)()つて()()でならず、230貴女(あなた)依然(いぜん)として魔窟ケ原(まくつがはら)巌窟(がんくつ)御座(ござ)ることと(おも)ひ、231玉照姫(たまてるひめ)(さま)元伊勢様(もといせさま)御参拝(ごさんぱい)御供(おとも)(さいは)ひ、232(うま)233鹿(しか)両人(りやうにん)(つか)はして御詫(おわび)にやつたところ、234生憎(あいにく)本山(ほんざん)御引上(おひきあ)げの御留守中(おるすちう)235(さいは)ひにも本山(ほんざん)より、236(つる)237(かめ)御両人(ごりやうにん)御出(おい)でになつたさうで、238そこで(うま)239鹿(しか)両人(りやうにん)吾々(われわれ)意志(いし)(つた)へて、240貴女(あなた)御願(おねが)ひしたやうな次第(しだい)でございます。241(けつ)して(けつ)して吾々(われわれ)両人(りやうにん)(こころ)からの改心(かいしん)御渡(おわた)(まを)さうと()ふのではございませぬ。242(まつた)大神様(おほかみさま)御命令(ごめいれい)()つたのでございます』
243紫姫(むらさきひめ)唯今(ただいま)若彦(わかひこ)(まを)された(とほ)り、244寸分(すんぶん)相違(さうゐ)もございませぬ。245どうぞ吾々(われわれ)今迄(いままで)悪心(あくしん)御赦(おゆる)(くだ)さいまして、246玉照姫(たまてるひめ)(さま)をウラナイ(けう)御受取(おうけとり)(くだ)さいませ。247吾々(われわれ)一同(いちどう)がフサの(くに)(まで)御供(おとも)(いた)します。248さうして吾々(われわれ)最早(もはや)三五教(あななひけう)除名(ぢよめい)されたものでございますれば、249どうぞ貴女(あなた)幕下(ばくか)御使(おつか)(くだ)さいますように御願(おねが)(まを)します』
250黒姫(くろひめ)『よしよし(わし)(いな)ウラナイ(けう)立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)にして()げませうよ。251御心配(ごしんぱい)なさるな。252(また)玉照姫(たまてるひめ)(さま)もお(たま)さまも(たしか)御受取(おうけと)(いた)しませう』
253高姫(たかひめ)『アヽ一寸(ちよつと)黒姫(くろひめ)さま、254御待(おま)(くだ)さいませ。255こりや吾々(われわれ)(ひと)(かんが)へねばなりますまい。256何程(なにほど)玉照姫(たまてるひめ)(さま)結構(けつこう)御方(おかた)だと()つて、257ハイ左様(さやう)かと(いただ)いて(かへ)(わけ)には()きますまい』
258黒姫(くろひめ)『そりや(また)何故(なぜ)に、259折角(せつかく)ここ(まで)()ぎつけたのに、260神様(かみさま)御神徳(ごしんとく)受取(うけと)らぬと仰有(おつしや)るのですか』
261高姫(たかひめ)(わたくし)(じつ)(こころ)(うち)さもしさ今更(いまさら)(ごと)(はづ)かしくなつて()ました。262素盞嗚尊(すさのをのみこと)(さま)変性女子(へんじやうによし)だ、263悪役(あくやく)だと(いま)(いま)まで(おも)()め、264こんな(かみ)()てた(をしへ)絶対(ぜつたい)根底(こんてい)から粉砕(ふんさい)して(しま)はねば世界(せかい)何時(いつ)(まで)闇黒(くらやみ)だから、265仮令(たとへ)(わたし)生命(いのち)如何(どう)なつても、266素盞嗚尊(すさのをのみこと)悪神(あくがみ)打滅(うちほろぼ)し、267三五教(あななひけう)根底(こんてい)より()へて(まこと)(ひと)つのウラナイの(をしへ)世界(せかい)水晶(すゐしやう)(いた)し、268二度目(にどめ)岩戸(いはと)(びら)きをせなならぬと、269(いま)今迄(いままで)一生懸命(いつしやうけんめい)活動(くわつどう)して()ましたが、270素盞嗚尊(すさのをのみこと)(さま)矢張(やつぱ)(ぜん)であつた。271大善(たいぜん)大悪(だいあく)()たり、272(しん)(かう)不孝(ふかう)()たり、273(まこと)(をしへ)(いつは)りの(をしへ)()たりと()神様(かみさま)御教示(ごけうじ)が、274(わたくし)(むね)(くぎ)さすやうに(ひび)いて()ました。275アヽ(みづ)御霊様(みたまさま)276今迄(いままで)(わたし)取違(とりちが)ひ、277御無礼(ごぶれい)何卒(どうぞ)(ゆる)して(くだ)さいませ』
278両手(りやうて)(あは)せ、279(なみだ)をハラハラと(なが)し、280身体(からだ)(たたみ)打突(うちつ)けるやうに藻掻(もが)いて詫入(わびい)るのであつた。
281 黒姫(くろひめ)(きつね)につままれたやうな(かほ)をして、282一言(いちごん)(はつ)せず、283()ばかりギヨロつかせて一同(いちどう)(なが)めて()る。284梟鳥(ふくろどり)夜食(やしよく)(はづ)れたと()はうか、285(はと)豆鉄砲(まめでつぱう)()つたと()はうか、286(なん)とも形容(けいよう)出来(でき)ぬスタイルを遺憾(ゐかん)なく暴露(ばくろ)してゐる。287紫姫(むらさきひめ)高姫(たかひめ)取縋(とりすが)り、288(なみだ)(なが)らに、
289紫姫(むらさきひめ)『モシモシ高姫(たかひめ)(さま)290どうぞ(ゆる)して(くだ)さいませ。291貴女(あなた)(その)(やう)綺麗(きれい)御心(おこころ)とは()らず、292(いま)今迄(いままで)陰険(いんけん)御方(おかた)(うたが)つて()りました。293(なに)()(これ)にてすつかり御心中(ごしんちう)氷解(ひようかい)(いた)しました。294アー(わたくし)(なん)としたさもしい根性(こんじやう)でありましただらう。295どうぞ私達(わたしたち)(たす)けると(おも)つて、296玉照姫(たまてるひめ)(さま)御受取(おうけと)(くだ)さいませ』
297 高姫(たかひめ)漸々(やうやう)(かほ)()げ、298(なみだ)(そで)にて(ぬぐ)(なが)(はな)(すす)つて、
299高姫(たかひめ)『イヤもう前世(ぜんせ)よりの(ふか)罪業(めぐり)で、300(いま)今迄(いままで)瞋恚(しんい)(くも)(つつ)まれ、301執着心(しふちやくしん)悪魔(あくま)(とら)はれて、302(おも)はぬ(はぢ)神様(かみさま)(まへ)(さら)しました。303国治立(くにはるたち)大神様(おほかみさま)304豊国姫(とよくにひめ)大神様(おほかみさま)305素盞嗚大神(すさのをのおほかみ)(さま)(さぞ)(はした)ない(やつ)だと御笑(おわら)ひでございませう。306それに()けても(ここ)(まで)素盞嗚大神(すさのをのおほかみ)(さま)(かたき)として、307()らむ(かぎ)りの悪口(あくこう)申上(まをしあ)げ、308神業(しんげふ)御邪魔(おじやま)何彼(なにか)につけて(いた)して()ました。309()(ふか)(つみ)をも御咎(おとが)めなく、310大切(たいせつ)玉照姫(たまてるひめ)(さま)私達(わたしたち)御遣(おつか)はし(くだ)された(うへ)311大切(たいせつ)宣伝使(せんでんし)まで懲戒(みせしめ)のため除名(ぢよめい)をするとの御言葉(おんことば)312(なん)たる公平(こうへい)無私(むし)神様(かみさま)でございませう。313アヽ勿体(もつたい)ない、314どうぞ神様(かみさま)(ゆる)して(くだ)さいませ』
315(また)もや()()しける。316黒姫(くろひめ)(なん)となく(かな)しさうに俯向(うつむ)いて、317(かた)(いき)をして()る。
318馬公(うまこう)『オイ鹿公(しかこう)319どうしても世継王山(よつわうざん)(ふもと)はフモトぢや。320(まる)(きつね)(うま)()せたやうな天変(てんぺん)地変(ちへん)勃発(ぼつぱつ)したぢやないか』
321鹿公(しかこう)『そうだから一寸先(いつすんさき)(やみ)()よ。322何事(なにごと)惟神(かむながら)(まか)せ、323人間(にんげん)分際(ぶんざい)(かみ)経綸(しぐみ)(わか)らぬと仰有(おつしや)るのだ』
324馬公(うまこう)『そうだと()つて、325(かは)ると()つても、326あまりぢやないか。327()(ほど)両方(りやうはう)から一生懸命(いつしやうけんめい)になつて、328(ねら)つて()つた玉照姫(たまてるひめ)(さま)(もら)つて()れ、329イヤ勿体(もつたい)ないなんて肝腎(かんじん)玉照姫(たまてるひめ)(さま)馬鹿(ばか)にして()るぢやないか。330此方(こちら)()られ、331彼方(あちら)()られ、332玉照姫(たまてるひめ)さまだつて()(ところ)()いぢやらう。333(おれ)はウラナイ(けう)()れて(かへ)らねば、334(たま)さまと一緒(いつしよ)()(たづさ)へて、335玉照姫(たまてるひめ)(さま)捧持(ほうぢ)し、336何処(どこ)かの山奥(やまおく)()つて、337一旗(ひとはた)()げて()ようと(おも)ふが如何(どう)だらうな』
338鹿公(しかこう)(なに)(ぬか)すのだ。339貴様等(きさまら)玉照姫(たまてるひめ)さまやお(たま)さまが()いて()かつしやると(おも)ふか』
340馬公(うまこう)一寸先(いつすんさき)(やみ)()だ。341人間(にんげん)知識(ちしき)範囲(はんゐ)でわかるものかい。342何事(なにごと)神様(かみさま)御意思(ごいし)(まま)だ。343(しか)しよく(かんが)へてみよ、344高姫(たかひめ)さまや、345黒姫(くろひめ)さまが()いて受取(うけと)らず、346紫姫(むらさきひめ)さまや、347若彦(わかひこ)受取(うけと)つて()れと()ふ。348何方(どちら)にもゆき()がなくなつて、349(ちう)にブラリの玉照姫(たまてるひめ)さまだ。350白羽(しらは)()屹度(きつと)(おれ)にささらねば、351ささるものがないぢやないか』
352鹿公(しかこう)『アハヽヽヽ、353()らぬ(たぬき)皮算用(かはざんよう)だ、354(ひろ)はぬ金子(かね)分配話(ぶんぱいばなし)()たやうな(とぼ)けたことを()ふない。355余程(よつぽど)貴様(きさま)もお目出度(めでた)(やつ)だ。356アハヽヽヽ』
357若彦(わかひこ)『こりや(うま)358鹿(しか)両人(りやうにん)359沈黙(ちんもく)せぬか』
360『ハイ沈黙(ちんもく)(いた)します。361(しか)しお(まへ)さま()のやうに(なみだ)をこぼしての沈黙(ちんもく)とは(ちが)ひますから、362玉石混淆(ぎよくせきこんかう)されては(こま)りますで』
363若彦(わかひこ)()らぬ(くち)をたたくものぢやない』
364 (うま)365鹿(しか)()(ほそ)うし、366(した)をベロツと()し、367(あご)をしやくつて蹲踞(しやが)んで()せた。
368 高姫(たかひめ)(なみだ)(はら)ひ、
369『アヽ()(かく)一旦(いつたん)フサの(くに)本山(ほんざん)(かへ)りまして、370トツクリと思案(しあん)(いた)しまして(その)(うへ)御返事(ごへんじ)をさして(もら)ひませう。371サア黒姫(くろひめ)さま、372御暇(おいとま)()ひをしようではございませぬか』
373黒姫(くろひめ)玉照姫(たまてるひめ)さまの御身(おみ)(うへ)はどうなさる。374(ついで)鄭重(ていちよう)御迎(おむか)(まを)して(かへ)つたら如何(どう)でせう』
375紫姫(むらさきひめ)『どうぞさうなさつて(くだ)さいませ。376ナアお(たま)さま、377貴方(あなた)()つて(くだ)さいますか』
378(たま)『ハイ何事(なにごと)惟神(かむながら)(まか)した(わたし)379どうぞ宜敷(よろし)きやうに御願(おねが)(いた)します』
380高姫(たかひめ)『なんと仰有(おつしや)つて(くだ)さいましても、381(こころ)(はづ)かしくつて玉照姫(たまてるひめ)(さま)御世話(おせわ)さして(いただ)くだけの資格(しかく)がないやうに、382守護神(しゆごじん)(まを)します。383どうぞ(この)()は、384これ()りにして(くだ)さいませ』
385若彦(わかひこ)『どうしても御受取(おうけとり)(くだ)さらぬのですか。386(また)吾々(われわれ)(ねが)ひを()いてやらぬとの御了簡(ごりやうけん)ですか。387それはあまりぢやありませぬか』
388高姫(たかひめ)『なんと仰有(おつしや)つても(しば)らくの御猶予(ごいうよ)(いただ)きます。389どうぞ大切(たいせつ)玉照姫(たまてるひめ)(さま)御世話(おせわ)して()げて(くだ)さいませ。390万々一(まんまんいち)素盞嗚大神(すさのをのおほかみ)(さま)(この)(こと)(つい)て、391貴方(あなた)(がた)をお(とが)めになるやうなことがあれば、392()高姫(たかひめ)がどんな責任(せきにん)でも(おは)して(いただ)きます。393アヽ玉照姫(たまてるひめ)(さま)どうぞ御機嫌(ごきげん)よう三五教(あななひけう)御守(おまも)(くだ)さいませ。394(つみ)(ふか)高姫(たかひめ)395御言葉(おことば)をおかけ(まを)すも(おそ)(おほ)うございますが、396(ひろ)(あつ)大御心(おほみこころ)見直(みなほ)し、397聞直(ききなほ)(くだ)さいまして(つみ)(ふか)吾々(われわれ)どもを御許(おゆる)(くだ)さいませ。398左様(さやう)ならば御暇(おいとま)(いた)しますよ』
399黒姫(くろひめ)『もうお(かへ)りですか』
400高姫(たかひめ)『サア貴方(あなた)(かへ)りませう。401玉照姫(たまてるひめ)(さま)にお(いとま)()ひをなさいませ。402紫姫(むらさきひめ)(さま)403青彦(あをひこ)(さま)404(その)(ほか)御一同様(ごいちどうさま)405突然(とつぜん)(まゐ)りまして、406エライ御造作(ござうさ)をかけました。407一先(ひとま)本山(ほんざん)まで(かへ)つて(まゐ)ります。408何分(なにぶん)(よろ)しうお(ねが)(まを)します』
409紫姫(むらさきひめ)『アヽ()つてさう仰有(おつしや)れば是非(ぜひ)はございませぬ。410これも(まつた)妾等(わたしら)行届(ゆきとど)かないからのこと、411どうぞ(あし)からず思召(おぼしめ)(くだ)さいまして、412将来(しやうらい)何分(なにぶん)宜敷(よろし)御願(おねが)(まを)します』
413馬公(うまこう)是非(ぜひ)ともよろしう』
414鹿公(しかこう)(わたし)(おな)じく是非(ぜひ)ともよろしう』
415高姫(たかひめ)『サア金公(きんこう)416八公(はちこう)417飛行船(ひかうせん)用意(ようい)だ』
418 高姫(たかひめ)一行(いつかう)二隻(にせき)飛行船(ひかうせん)搭乗(たふじやう)するや(いな)や、419(ゑん)(ゑが)いて空中(くうちう)()(のぼ)り、420西天(せいてん)(たか)姿(すがた)(かく)したり。
421 アヽ高姫(たかひめ)422黒姫(くろひめ)今後(こんご)如何(いか)なる行動(かうどう)()づるならむか。
423大正一一・五・七 旧四・一一 外山豊二録)