霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 赤児(あかご)(あやまり)〔六六四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第20巻 如意宝珠 未の巻 篇:第1篇 宇都山郷 よみ(新仮名遣い):うづやまごう
章:第2章 赤児の誤 よみ(新仮名遣い):あかごのあやまり 通し章番号:664
口述日:1922(大正11)年05月12日(旧04月16日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年3月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
鬼雲彦の残党・友彦は、宇都山郷にバラモン教を広めて勢力を保っていた。
松鷹彦のところへ、留公たち四五人の村人がやってきて、家にかくまっている三五教の宣伝使を渡せ、と言ってきた。
松鷹彦と村人が言い争っていると、奥から天の真浦の宣伝歌が聞こえてきた。留公たちはにわかに頭が痛くなり、逃げ帰る。松鷹彦は、ここの村人たちは質朴だが、理解力がないために誤った教えに頑なになっている、と嘆く。
松鷹彦と婆は、聞こえよがしに誰かこの村を救ってくれる者はないか、と会話する。天の真浦はそれを聞いてそっと里に向かって行った。
バラモン教の友彦のところへ、松鷹彦の家から逃げてきた留公ら村人たちが戻ってきた。そして、負け戦の報告をしているところへ、別の村人がやってきて、留公が逃げるときに、畑の芋の苗を踏み潰したと文句をつけた。
友彦はそれを聞いて、留公を一時破門した。留公は怒って、これからは三五教の味方をするのだと言って、出て行ってしまう。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-04-18 19:02:21 OBC :rm2002
愛善世界社版:38頁 八幡書店版:第4輯 162頁 修補版: 校定版:39頁 普及版:17頁 初版: ページ備考:
001(ゆき)(うづ)まる川端(かはばた)
002(しづ)伏家(ふせや)(はる)()
003(つめ)たき(ゆき)何時(いつ)しかに
004()けて(うれ)しき老夫婦(らうふうふ)
005宇都山(うづやま)(がは)(みづ)(ぬる)
006枯木(かれき)青芽(あをめ)()()して
007軒端(のきば)(うめ)(にほ)()
008(たに)()()けて(うぐひす)
009(おとづ)季節(きせつ)となりにける
010(やま)(やま)とに(つつ)まれし
011此処(ここ)世界(せかい)秘密郷(ひみつきやう)
012(ひと)(こころ)質朴(しつぼく)
013宛然(さながら)神代(かみよ)(ごと)くなり
014(とき)しもあれや婆羅門(ばらもん)
015(かみ)(をしへ)宣伝使(せんでんし)
016鬼雲彦(おにくもひこ)残党(ざんたう)
017()(きこ)えたる友彦(ともひこ)
018二十戸(にじつと)(ばか)りの里人(さとびと)
019霊主(れいしゆ)体従(たいじう)標榜(へうぼう)
020(つるぎ)(わた)()(わた)
021水底(みなそこ)(くぐ)()(しづ)
022(とり)さへとまらぬ茨室(いばむろ)
023(さと)男女(なんによ)裸体(はだか)とし
024言葉(ことば)(たくみ)()きつけて
025身体(からだ)(やぶ)(まが)(ぎやう)
026足駄(あしだ)(おも)(くぎ)()
027穿(うが)ちて(あゆ)村人(むらびと)
028(かみ)(つか)ふる第一(だいいち)
029(きよ)御業(みわざ)迷信(めいしん)
030(こころ)(いた)()(いた)
031無理(むり)往生(わうじやう)(うれ)()
032この惨状(さんじやう)(すく)はむと
033(あめ)真浦(まうら)宣伝使(せんでんし)
034松鷹彦(まつたかひこ)(しづ)()
035(なが)らく(あし)(とど)めつつ
036(あさ)(ゆふ)なに(かみ)(みち)
037うまら委曲(つばら)()きつれど
038(まよ)()つたる里人(さとびと)
039(うけご)(こと)とならずして
040(まよ)ひに(まよ)(あは)れさよ。
041 (はる)(やうや)(ふか)く、042菜種(なたね)(はな)すげなく()りて(あを)(さや)(はり)をいただき、043大根(だいこん)(はな)(おく)()(なが)(しろ)()いてゐる。044一方(いつぱう)大川(おほかは)045一方(いつぱう)田圃(たんぼ)(はさ)まれた川堤(かはづつみ)松鷹彦(まつたかひこ)茅屋(ばうをく)さして()(きた)四五(しご)(にん)男女(なんによ)
046(かふ)『ハイ御免(ごめん)なさいませ』
047松鷹彦(まつたかひこ)『ヤアお(まへ)留公(とめこう)か。048大勢(おほぜい)()れで血相(けつさう)()へて何処(どこ)()くのだ』
049留公(とめこう)『イヤ何処(どこ)へも()かぬ。050当家(たうけ)村人(むらびと)代表者(だいへうしや)として、051吾々(われわれ)()(にん)がやつて()たのだ。052今日(けふ)(しつか)りと()いて(もら)ひませう。053(まへ)()夫婦(ふうふ)()(うへ)(くわん)する大問題(だいもんだい)だから』
054松鷹彦(まつたかひこ)大問題(だいもんだい)とはソラ(なん)だ。055(また)(みづ)(なか)河童(かつぱ)()()つたやうな(こと)針小(しんせう)棒大(ぼうだい)()つて()たのだらう』
056 留公(とめこう)(かた)()り、057(うで)(まく)捩鉢巻(ねぢはちまき)をし(なが)ら、058半分(はんぶん)(ばか)()(ごし)になつて、
059留公(とめこう)『オイお(まへ)(たち)060(みち)をサツと()けて()けよ。061まさか(とき)邪魔(じやま)になると(こま)るから』
062松鷹彦(まつたかひこ)『なんだ貴様(きさま)(かた)をいからし、063(うで)をまくり、064よう気張(きば)つたものだなア。065(いま)からそれだけ(ちから)一杯(いつぱい)()して気張(きば)つて()ると、066(ちから)原料(げんれう)欠乏(けつぼう)するぞ。067()じつくりせぬかい』
068 留公(とめこう)(すこ)(かた)(かど)(けづ)り、069手持(てもち)無沙汰(ぶさた)にそつと(まく)つた(うで)(かく)す。
070松鷹彦(まつたかひこ)『なんだ()鉢巻(はちまき)は。071他人(ひと)(うち)()()るのに、072あまり無作法(ぶさはふ)ぢやないか。073(おや)仇敵(かたき)にでも出会(であ)つたやうな(いきほひ)だなア』
074留公(とめこう)(おや)仇敵(かたき)どころかい。075大自在天(だいじざいてん)大国彦(おほくにひこ)(かみ)(さま)の、076(もつと)大切(たいせつ)仇敵(かたき)をお(まへ)(うち)(かく)まうて()るでないか。077其奴(そいつ)(ひと)ふん(じば)つて(かへ)り、078友彦(ともひこ)宣伝使(せんでんし)(おん)(まへ)()()ゑて、079相当(さうたう)処置(しよち)をつけるのだ。080サア(ぢい)081もう()うなつた以上(いじやう)(かく)しても駄目(だめ)だ、082キリキリと宣伝使(せんでんし)おつ()()して吾々(われわれ)(わた)すのだよ。083ゴテゴテ(ぬか)すと村中(むらぢう)貴様(きさま)信用(しんよう)()はないぞ。084ボイコツトを(はじ)めるが、085それでもいいか。086さうすれば、087武志(たけし)(みや)宮司(みやづかさ)は、088足袋屋(たびや)看板(かんばん)足上(あしあが)り、089(はな)(した)大旱魃(だいかんばつ)090大恐慌(だいきようくわう)だ。091(わる)いことは()はないからさつさと(わた)して()れ。092老爺(おやぢ)()()つて(じつ)大切(たいせつ)場合(ばあひ)ぢやぞ。093焦頭(せうとう)爛額(らんがく)急場(きふば)()ふのは(いま)のことだ。094サア(はや)神妙(しんめう)宣伝使(せんでんし)吾々(われわれ)(わた)したがよからう。095里人(さとびと)代表者(だいへうしや)留公(とめこう)言葉(ことば)二言(にごん)はないぞ。096覚悟(かくご)()めて返答(へんたふ)しろ』
097松鷹彦(まつたかひこ)何事(なにごと)かと(おも)へばそんな(こと)かい。098ベラボウ(けう)のドモ(ひこ)だな。099矢張(やつぱ)彼奴(あいつ)何時迄(いつまで)頑張(ぐわんば)つて()るのかい。100(とほ)(むかし)宇都山(うづやま)(さと)から消滅(せうめつ)した(はず)だが、101オイ留公(とめこう)102此方(こちら)には(よう)()いが(たづ)ねたい(こと)があれば、103宣伝使(せんでんし)(おく)にチヤンと(まつ)りこみてあるから、104友彦(ともひこ)()(おん)大将(たいしやう)此処(ここ)()れて()い。105(およ)ばず(なが)松鷹彦(まつたかひこ)天地(てんち)道理(だうり)()(さと)し、106友彦(ともひこ)身魂(みたま)(きよ)めて三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)真浦(まうら)(さま)のお伴彦(ともひこ)として使(つか)つてやるから(はや)(かへ)つて注進(ちうしん)(いた)せ』
107留公(とめこう)中々(なかなか)老耄(おいぼれ)(くせ)(にはか)(つよ)くなりやがつたな。108オイお(はる)109(ゆみ)110樽公(たるこう)111捨公(すてこう)112貴様(きさま)()(なに)愚図(ぐづ)々々(ぐづ)してゐるのだ。113(おれ)一緒(いつしよ)(おく)()んごみ、114宣伝使(せんでんし)ふん(じば)つて(かへ)らうぢやないか。115こんな(やつ)()結構(けつこう)(さと)()やがつて、116三五教(あななひけう)とかを()きやがるものだから、117この()天道(てんだう)(さま)(いろ)()よ。118()機嫌(きげん)(わる)うて(くろ)(くも)()()るぢやないか。119()天道(てんだう)さまのお()()らぬ(やつ)()(さと)()ると、120何時(いつ)(くろ)(くも)()ると()ふことだ。121二三(にさん)日前(にちまへ)から(ひと)()(たうげ)(いただ)きに、122真黒(まつくろ)けの鍋墨(なべずみ)のやうな(くも)(あら)はれたのも、123(まつた)くお(まへ)(たち)仕様(しやう)()(やつ)宿()めて()るからだ。124バラモン(けう)宣伝使(せんでんし)友彦(ともひこ)さまの()(しめ)しだぞ』
125 (おく)()より真浦(まうら)(こゑ)として、126(すず)しき宣伝歌(せんでんか)(こゑ)(きこ)()たる。
127真浦天教山(てんけうざん)(あら)はれし
128木花姫(このはなひめ)分霊(わけみたま)
129玉照彦(たまてるひこ)玉照姫(たまてるひめ)
130(かみ)(みこと)朝夕(あさゆふ)
131(こころ)(きよ)()(きよ)
132(つか)(たま)へる丹波(あかなみ)
133(くに)真秀良場(まほらば)ただなはる
134青垣山(あをがきやま)(めぐ)らせる
135真中(まなか)()てる世継王(よつわう)(ざん)
136御稜威(みいづ)(たか)照山(てらやま)
137(たもと)にひらく(かみ)(その)
138(にしき)(みや)最聖(いときよ)
139(こころ)(はな)咲耶姫(さくやひめ)
140(ひこ)火々出見(ほほでみ)二柱(ふたはしら)
141国治立(くにはるたち)大神(おほかみ)
142豊国姫(とよくにひめ)大神(おほかみ)
143(いづ)御言(みこと)(かしこ)みて
144天地(てんち)にさやる曲津(まがつ)(かみ)
145八岐(やまた)大蛇(をろち)醜狐(しこぎつね)
146バラモン(けう)立籠(たてこも)
147(しこ)曲鬼(まがおに)言向(ことむ)けて
148(この)()(きよ)(すま)さむと
149七十五(しちじふご)(せい)言霊(ことたま)
150(あさ)(ゆふ)なに()()でて
151教司(をしへつかさ)()(つど)
152言依別(ことよりわけ)三五(あななひ)
153(かみ)(はしら)つき()てて
154(にしき)(はた)(おん)経綸(しぐみ)
155(ひら)かせ(たま)常磐木(ときはぎ)
156われは(ちひ)さき(もの)なれど
157(かみ)(めぐみ)(かうむ)りし
158三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
159(あめ)真浦(まうら)(みこと)ぞや
160高天原(たかあまはら)()()でて
161雲霧(くもきり)()けて(くだ)()
162(ひと)()(やま)(たか)くとも
163宇都山(うづやま)(がは)(ふか)くとも
164如何(いか)(およ)ばむ(かみ)(とく)
165バラモン(けう)友彦(ともひこ)
166(した)(つるぎ)(あやつ)られ
167(かみ)よりうけし生血(いきち)をば
168(たき)(ごと)くに(なが)()
169(あは)果敢(はか)なき里人(さとびと)
170(さと)して(まこと)大道(おほみち)
171(すく)はむための鹿島立(かしまだち)
172武志(たけし)(みや)立寄(たちよ)りて
173しばし(やす)らふ折柄(をりから)
174(みや)(つかさ)松鷹彦(まつたかひこ)
175(あら)はれ(きた)吾々(われわれ)
176これの伏家(ふせや)(ともな)ひて
177朝夕(あさゆふ)(とな)ふる太祝詞(ふとのりと)
178(かみ)(めぐ)みもいやちこに
179五風(ごふう)十雨(じふう)順序(ついで)よく
180(はな)(こずゑ)()(みだ)
181(うめ)(つぼみ)はさわさわに
182(えだ)もたわわに(かさ)なり()
183見渡(みわた)(かぎ)()(やま)
184(いろ)蒼々(あをあを)(さか)()
185(かみ)(めぐ)みを()(あた)
186(なが)(なが)らに(いまし)()
187(なに)狼狽(うろた)(さわ)ぐぞよ
188(いち)()(はや)立帰(たちかへ)
189(なんぢ)(おや)(たの)()
190バラモン(けう)友彦(ともひこ)
191わが()(まへ)()(きた)
192(あめ)(つち)とを(まも)ります
193(まこと)(かみ)御心(みこころ)
194うまら委曲(つばら)()(さと)
195(なんぢ)()里人(さとびと)(ことごと)
196(ねむ)れる(まなこ)()まさなむ
197朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
198(つき)()つとも()くるとも
199仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
200(わが)宗門(しうもん)神力(しんりき)
201如何(いか)(つよ)しと(ほこ)るとも
202(まこと)(ひと)つの言霊(ことたま)
203(さちは)(たす)くる三五(あななひ)
204(かみ)(をしへ)(くら)ぶれば
205(つき)(すつぽん)(くも)(どろ)
206天地(てんち)差別(けじめ)あることを
207()らさず(おと)さず(こま)やかに
208(をし)へて()れむ里人(さとびと)
209神代(かみよ)ながらの里人(さとびと)
210(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
211(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
212(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
213直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
214()(あやま)ちを()(なほ)
215(かみ)(をしへ)(かへり)みて
216天地(てんち)(みち)(あやま)りし
217(ふか)(つみ)をも差赦(さしゆる)
218高天原(たかあまはら)神国(かみぐに)
219(をしへ)御子(みこ)何時迄(いつまで)
220(こころ)(やす)きを(あた)ふべし
221(さか)えの(はな)永久(とは)()
222高天原(たかあまはら)(かみ)()
223(うま)(かは)りし(その)(うへ)
224(この)()(おそ)るるものは()
225アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
226御霊(みたま)(さち)はひましまして
227留公(とめこう)(その)()里人(さとびと)
228(やす)きに(すく)(たま)へかし
229アヽ留公(とめこう)里人(さとびと)
230友彦(ともひこ)(ともな)早来(はやきた)
231(あめ)真浦(まうら)神司(かむづかさ)
232(えり)(ただ)して待暮(まちくら)
233アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
234御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
235屋外(をくぐわい)(ひび)竜声(りうせい)留公(とめこう)(はじ)()(にん)男女(なんによ)は、
236四人『ヤア大変(たいへん)だ。237(あたま)(いた)い、238(むね)(くる)しい。239一先(ひとま)(この)()立去(たちさ)り、240友彦(ともひこ)宣伝使(せんでんし)注進(ちうしん)せむ』
241大麦(おほむぎ)242小麦(こむぎ)243豌豆(えんどまめ)244蚕豆畑(そらまめばたけ)踏躙(ふみにじ)り、245周章(あわて)狼狽(ふため)(かへ)()く。
246松鷹彦(まつたかひこ)()(むら)質朴(しつぼく)(かは)りに理解力(りかいりよく)()いので(こま)る。247信仰(しんかう)結構(けつこう)だが無理解(むりかい)信仰(しんかう)にああ(かた)くなつては、248()うにも()うにも()()(かた)()い。249まるで(てつ)(もつ)(かた)めた城壁(じやうへき)(むか)つて、250無手(むて)子供(こども)襲撃(しふげき)するやうなものだ。251アヽ()うしたら(かれ)()()(さま)(こと)出来(でき)ようかなア。252()()(とき)不言(ふげん)実行(じつかう)教理(けうり)徹底(てつてい)(てき)発揮(はつき)して()しいものだ。253(ひろ)世界(せかい)には何処(どこ)かに、254一人(ひとり)半分(はんぶん)(くらゐ)(てん)から(こぼ)れて()()(さう)なものだなア』
255と、256わざと(おく)()(きこ)えよがしに、
257松鷹彦『ナアお(たけ)
258()アに(むか)つて(はな)しかけたればお(たけ)はウナヅイて、
259お竹『さうですな、260随分(ずゐぶん)いろいろの(かみ)(さま)(をしへ)もあり、261宣伝使(せんでんし)沢山(たくさん)ありますが、262どれもこれも言葉(ことば)(はな)山吹(やまぶき)ばつかりで、263()のつた(ためし)()い。264あれだけ(ちか)くにバラモンが跋扈(ばつこ)して()るのだから、265(なん)とかして()(やう)惨酷(ざんこく)(をしへ)根底(こんてい)より転覆(てんぷく)させ、266せめて()(むら)だけなりと(たす)けて()れる真人(しんじん)(あら)はれ(さう)なものだなア』
267とお(たけ)(また)(ぢぢ)言葉尻(ことばじり)について、268(おく)()()けよがしに()つてゐる。269真浦(まうら)(これ)()くや(いな)や、270(おく)()()を、271(おと)させじとソツと(ひら)き、272スタスタと宇都山(うづやま)(さと)()ざして(はし)()く。
273 留公(とめこう)(はな)座敷(ざしき)陣取(ぢんど)つて日夜(にちや)怪気焔(くわいきえん)()里人(さとびと)(けぶり)()いてゐるバラモン(けう)友彦(ともひこ)は、274松鷹彦(まつたかひこ)茅屋(ばうをく)(つか)はしたる使(つかひ)(かへ)()るを、275(いま)(おそ)しと(くび)(なが)くして日当(ひあた)りのよい角窓(かくまど)から(のぞ)いてゐる。276()けつ(まろ)びつ、277ハーハー、278スースーと(いき)(はず)ませ(かへ)()留公(とめこう)一行(いつかう)姿(すがた)()るより、279友彦(ともひこ)は、
280友彦(ともひこ)『ヤア()()ねた。281様子(やうす)如何(どう)だ。282(はや)返答(へんたふ)()かして()れ』
283留公(とめこう)『イヤもう暗雲(あんうん)低迷(ていめい)284前途(ぜんと)暗黒(あんこく)285収拾(しうしふ)すべからざる形勢(けいせい)御座(ござ)いました。286この留公(とめこう)深遠(しんゑん)微妙(びめう)言霊(ことたま)()つて、287(やうや)騒乱(さうらん)鎮静(ちんせい)曙光(しよくわう)(みと)めました』
288友彦(ともひこ)『アヽさうか、289それは大儀(たいぎ)であつたのう』
290(はる)『モシモシ宣伝使(せんでんし)(さま)291(まつた)くですよ。292(まつた)くは(まつた)くだが零敗(ゼロはい)大当違(おほあてちが)ひ、293夜食(やしよく)(はづ)れた梟鳥(ふくろどり)(あは)(はか)なき(れつ)(みだ)した頓狂(とんきやう)()り、294(じつ)()()てられぬ惨状(さんじやう)でしたワ』
295留公(とめこう)『コラコラ(をんな)差出(さしで)るところでない。296(だま)つて物言(ものい)へ。297それだから(をんな)大事(だいじ)()かされぬと(むかし)聖人(せいじん)()つたのだ』
298友彦(ともひこ)一体(いつたい)何方(どちら)本当(ほんたう)だ。299(きち)(きよう)か、300(てん)()か、301(つき)(すつぽん)か、302(ゆき)(すみ)か』
303(はる)(すつぽん)(すみ)(やう)なものです。304(ぢい)さま、305中々(なかなか)剛情者(がうじやうもの)村中(むらぢう)協議(けふぎ)結果(けつくわ)(いち)()もなく退(しりぞ)け、306青瓢箪(あをべうたん)のやうなヘボ宣伝使(せんでんし)加勢(かせい)ばつかりやつて()ます。307さうして(おく)()から何百(なんびやく)(にん)とも()れぬ(おほ)きな(こゑ)(そろ)へて、308()るとか(くも)るとか(うた)()つた。309()(こゑ)(わたし)(たち)結構(けつこう)(かさ)(だい)(たちま)地異(ちい)天変(てんぺん)310()()ふ、311(はな)はうづく、312(くち)自然(しぜん)(ゆる)んで下顎(したあご)(ちち)(あたり)まで垂下(すゐか)する、313(むね)早鐘(はやがね)をつく消防夫(せうばうふ)駆出(かけだ)す、314(まとひ)はガサガサ チヤンチヤン』
315友彦(ともひこ)『オイオイ貴様(きさま)(なに)()つてゐるのだ。316何処(どこ)()つて()たのだ』
317留公(とめこう)『ハイ一寸(ちよつと)小火(ぼや)があつたものですから』
318(はる)(とめ)さま、319(なに)をボヤボヤして()るのだ。320火事(くわじ)つたら何処(どこ)にあつたのだい』
321留公(とめこう)『エー貴様(きさま)()えない、322(とほ)(とほ)神霊界(しんれいかい)無形(むけい)火事(くわじ)があつたのだよ。323霊眼(れいがん)(ひら)けないデモ信者(しんじや)窺知(きち)()(かぎ)りでないワイ。324(をんな)だてらブカブカと()場面(ばめん)()()して(みづ)をさすよりも(をんな)らしう(しば)らく沈艇(ちんてい)をしてゐて()れ』
325友彦(ともひこ)『アハアお(まへ)たちはフの()だな』
326(はる)『フの()ですとも、327それはそれは()のやうな腑抜(ふぬ)(だま)ですよ。328戦況(せんきやう)詳細(しやうさい)報告(はうこく)(いた)しませうか』
329留公(とめこう)『オイ敗軍(はいぐん)(しやう)(へい)(かた)らずだ。330弱虫(よわむし)弱虫(よわむし)らしう(ひか)へて()らう』
331 ()(いさか)(ところ)へ、332スタスタと(あら)はれて()一人(ひとり)(をとこ)333(くは)をかたげ頬被(ほほかぶ)りをし(なが)ら、
334(をとこ)(田吾作)(とめ)さん、335一寸(ちよつと)(そと)()(くだ)さい。336(おれ)(とこ)大事(だいじ)赤子(あかご)()(ころ)しやがつて、337如何(どう)して()れるのだい』
338留公(とめこう)貴様(きさま)(いへ)赤子(あかご)があるのか。339何時(いつ)()()()んだのだ。340(かかあ)()(くせ)如何(どう)して赤子(あかご)()まれる道理(だうり)があるか』
341(をとこ)(田吾作)()らいでか、342()りやこそ()うて()たのだ。343(うそ)(おも)ふなら(おれ)(とこ)(はたけ)までやつて()い。344さうしたら一目(いちもく)瞭然(れうぜん)貴様(きさま)成程(なるほど)合点(がつてん)がいくだらう』
345留公(とめこう)赤子(あかご)(みつ)つや(いつ)()(ころ)したつて、346なんだい。347()(むら)(いま)地異(ちい)天変(てんぺん)最中(さいちう)だ。348ちつと(くらゐ)辛抱(しんばう)して作戦(さくせん)用意(ようい)にかからねばならぬだないか。349悠々(いういう)野良(のら)()仕事(しごと)をして()場合(ばあひ)ぢやない。350挙国(きよこく)一致(いつち)(てき)(あた)らねばならぬ危急(ききふ)存亡(そんばう)場合(ばあひ)だぞ』
351(をとこ)(田吾作)『それでも貴重(きちよう)赤子(あかご)()ててまで馬鹿(ばか)らしい、352()んな戦争(せんそう)出来(でき)るかい。353婦人(ふじん)国有論(こくいうろん)(おこ)つて赤子(あかご)一人(ひとり)でも()やさにやならぬ(とき)に、354二十(にじふ)三十(さんじふ)()(ころ)されてたまるものかい』
355留公(とめこう)貴様(きさま)(ねずみ)のやうな(やつ)だな。356沢山(たくさん)赤子(あかご)如何(どう)して()んだのだい。357あまり仕様(しやう)()種子(たね)()くと、358(こめ)騰貴(とうき)して国家(こくか)(てき)破産(はさん)(きた)さねばならぬやうになるぞ。359産児(さんじ)制限(せいげん)問題(もんだい)(やかま)しい(とき)だ。360(おれ)()(ころ)したのも国家(こくか)()めだよ』
361(をとこ)(田吾作)天地(てんち)大神(おほかみ)(さま)御恵(みめぐ)みで、362やうやうと()をふき、363()出来(でき)364(はな)一寸(ちよつと)()きかけたとこだ。365それを貴様(きさま)三五教(あななひけう)宣伝歌(せんでんか)(おどろ)(あわ)てて、366(ひろ)道路(みち)があるのに(おれ)(とこ)芋畑(いもばたけ)(とほ)りやがつて、367三度芋(さんどいも)三度芋はジャガイモの別称。赤子(あかご)をすつかり踏割(ふみわ)つて(しま)ひやがつた』
368留公(とめこう)(なに)(ぬか)しやがるのだい。369(おれ)(また)人間(にんげん)赤子(あかご)だと早合点(はやがつてん)して、370(いささ)同情(どうじやう)(なみだ)にくれて()つたのだ。371貴様(きさま)芋畑(いもばたけ)(とほ)つたものは(おれ)ばかりぢやないぞ、372()(にん)()るのだから、373そりや大方(おほかた)人違(ひとちがひ)だらう』
374(をとこ)(田吾作)馬鹿(ばか)()ふな、375足型(あしがた)でよく(わか)つて()る。376六本(ろつぽん)(ゆび)のある(やつ)は、377(この)(むら)には貴様(きさま)一人(ひとり)より()いのだ。378(ゆび)(かた)証拠(しようこ)だ。379モシモシ バラモン(けう)先生(せんせい)380あんなことをしても(かみ)(さま)(ゆる)されますか。381(わたくし)何時(いつ)貴方(あなた)()(はなし)()いてゐますが、382畔放(あはな)ちの(つみ)()ふことは大変(たいへん)(おも)(つみ)だ。383そんなことを(いた)したものは(ただち)にバラモン(けう)破門(はもん)すると仰有(おつしや)いましたなア』
384友彦(ともひこ)『それは何時(いつ)()うて()(とほ)りだ。385オイ留公(とめこう)386(まへ)今日(けふ)(かぎ)破門(はもん)する。387(しか)(なが)明日(あす)(また)明日(あす)のことだ。388()(かく)(をしへ)(ゆる)さぬから(この)()立去(たちさ)つたがよからう』
389留公(とめこう)『エー()きやがれ、390(いま)まで先生(せんせい)々々(せんせい)(あが)めてやれば、391()()になりやがつて、392なんだい芋種子(いもだね)二十(にじふ)三十(さんじふ)()(にじ)つたと()つて、393それがそれ(ほど)(わる)いのか。394(いも)人間(にんげん)何方(どちら)(たつと)い、395(いも)よりも(やす)()られるのなら、396(おれ)此方(こちら)から破門(はもん)だ。397()(かは)りにタツタ(いま)(あたま)(いた)い、398(むね)(くるし)宣伝歌(せんでんか)(うた)つて、399(あめ)真浦(まうら)とか()(えら)生神(いきがみ)(さま)がやつて()るから、400その(とき)犬突這(いぬつくば)ひになつて、401ベソをかかぬやうに用心(ようじん)せい。402これが(おれ)(わか)れのお土産(みやげ)だ。403オイお(はる)404貴様(きさま)()加減(かげん)()(さま)せ。405(おれ)はこれから三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)()味方(みかた)するのだ』
406()()て、407一目散(いちもくさん)駆出(かけだ)した。
408大正一一・五・一二 旧四・一六 外山豊二録)

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