霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第七章 再生(さいせい)(よろこび)〔六六九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第20巻 如意宝珠 未の巻 篇:第2篇 運命の綱 よみ:うんめいのつな
章:第7章 再生の歓 よみ:さいせいのよろこび 通し章番号:669
口述日:1922(大正11)年05月13日(旧04月17日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年3月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
松鷹彦が出て行った後、宗彦とお勝は庵に残された。お勝は、宗彦に暇乞いを切り出す。お勝は松鷹彦と宗彦の話により、自分が宗彦の生き別れの妹だということを悟り、気に病んでいたのであった。
そこへ松鷹彦をはじめ、田吾作、真浦、留公、お春らが四五の村人たちと共に、戻ってきた。松鷹彦は真浦の脇の下の痣を見て、確かに真浦が自分の生き別れの長男であることを確認した。
真浦は涙にくれるが、田吾作がその場の湿った雰囲気を吹き飛ばそうと、歌を歌いだす。その歌は、普段のひょうきんな様子に似ず、真面目な歌だった。
田吾作は歌の中に、お勝が真浦、宗彦の妹であることを歌いこみ、知らずに犯したのであれば、兄妹婚の罪も必ず赦されるだろう、と歌い込んだ。
田吾作の歌で、宗彦はなぜお勝が突然暇乞いを言い出したのか悟り、離縁を受け入れた。松鷹彦と真浦は、お勝が生き別れの身内と知って、驚きかつ喜んだ。
真浦は立ち上がり、悪魔の荒ぶ世の中に生き別れた一家が、再び再開できた歓びを、大神に感謝した。村人たちは武志の宮に集まり、祝いの宴に夜を明かした。
真浦はお春と夫婦になって、松鷹彦の後を継ぎ、武志の宮の神主となった。お勝は田吾作と添うことになった。
宗彦と田吾作は聖地に上り、言依別命に会って三五教の教理を体得し、世界いたるところに足跡を残して神業に参加した。後に二人は遂に神素盞嗚大神に見出されて、大宣伝使となるのである。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:150頁 八幡書店版:第4輯 203頁 修補版: 校定版:156頁 普及版:66頁 初版: ページ備考:
001 松鷹彦(まつたかひこ)あかざ(つゑ)をつき、002田吾作(たごさく)003(はる)(あわ)てて駆出(かけだ)した(あと)気遣(きづか)ひ、004覚束(おぼつか)ない(あし)つきにて二人(ふたり)留守(るす)(たく)しながら()()つて仕舞(しま)つた。005(あと)には夫婦(ふうふ)()れ、006(いづ)れも(よろこ)びと(おどろ)きの(なみだ)()れて()る。
007(かつ)『モシ宗彦(むねひこ)さま、008何卒(どうぞ)(わたし)(いとま)(くだ)さいませぬか』
009宗彦(むねひこ)『そりやお(まへ)010本当(ほんたう)()しいのか』
011(かつ)(なに)しに(こころ)にもない(こと)()ひませう、012一寸(ちよつと)(かん)じた(こと)御座(ござ)いますから、013何卒(どうぞ)今日(けふ)(かぎ)(えん)()つて(くだ)さい』
014宗彦(むねひこ)『ハハ(わか)つた、015(まへ)は、016(わたし)父親(てておや)は、017もつと立派(りつぱ)なものと(おも)うて()たのだらう、018あの(おやぢ)さまが、019(わたし)(おや)()(こと)(わか)つたので(にはか)(いや)になつたのだな』
020(かつ)『イエイエどうしてどうして、021(いや)になりますものか、022層一層(そういつそう)(なつか)しうなつて()ました』
023宗彦(むねひこ)『そんなら尚更(なほさら)(こと)024夫婦(ふうふ)(むつ)まじく(くら)して()れたらどうだ。025(おれ)折角(せつかく)(とう)さまに()うて(よろこ)()もなく、026(をんな)(はう)から(いとま)(もら)つてどうして(おや)(あは)(かほ)があらうか、027昨日(きのふ)(まで)なら()むを()ざれば()つてもやるが、028(いま)となつてそんな(こと)出来(でき)るものか、029(おれ)(こころ)(ちつ)とは(さつ)して()れたらどうだ』
030(かつ)『それはさうで御座(ござ)いますが、031これには()ふに()はれぬ仔細(しさい)があつて』
032宗彦(むねひこ)遠慮会釈(ゑんりよゑしやく)もない夫婦(ふうふ)(なか)033()はれぬ秘密(ひみつ)があらう(はず)はない、034サアその秘密(ひみつ)()かして()れ』
035(かつ)(その)秘密(ひみつ)(まを)()げたら貴方(あなた)吃驚(びつくり)をきつとなさいませう、036(これ)(ばか)りは()んでも(まを)()げられませぬ』
037宗彦(むねひこ)『ハヽア、038さうするとお(まへ)田吾作(たごさく)さまと、039なんか(おれ)内証(ないしよう)契約(けいやく)でもしたのだらう、040田吾作(たごさく)とお(まへ)視線(しせん)がどうも(あや)しかつた』
041(かつ)(なん)()(なさけ)ない(こと)(おつ)しやるのですか、042(わたし)(はら)()つてでも()せて()げたい、043(いづ)()なねばならぬ(つみ)(おも)いこの(からだ)
044()ふり(はや)(ふところ)懐剣(くわいけん)()()し、045帷子(かたびら)薄衣(うすぎぬ)(うへ)からグサリと()()てようとした。046宗彦(むねひこ)(おどろ)いてぐつと(その)()(にぎ)り、
047宗彦(むねひこ)()()て』
048(かつ)『イエイエ()うぞ()めて(くだ)さいますな、049(いさぎよ)()なして(くだ)さいませ、050(はら)()つて臨終(いまは)(きは)一言(ひとこと)(まを)()げて、051神様(かみさま)貴方(あなた)にお(わび)(まを)()げます』
052宗彦(むねひこ)生死(せいし)(とも)にしようと()つて、053山野河海(さんやかかい)見窄(みすぼ)らしい巡礼姿(じゆんれいすがた)となり()がり、054()()()つて此処迄(ここまで)(たがひ)父母(ふぼ)(あと)(した)()たのではないか、055(まへ)大方(おほかた)(わたし)親子(おやこ)対面(たいめん)をしたので(うら)めしうなつたのだらう、056イヤ失望落胆(しつばうらくたん)したのであらう、057きつと()時節(じせつ)()るから短気(たんき)(おこ)して()れな、058(をつと)(つま)()をついて、059サア(この)(とほ)りだ』
060片手(かたて)にお(かつ)(うで)(にぎ)り、061片手(かたて)()(まへ)()きつけて、062(なみだ)(とも)にお(かつ)(おが)む。
063(かつ)『アヽ勿体(もつたい)ない、064そこ(まで)(おも)うて(くだ)さるなれば()ぬのは()めませう、065安心(あんしん)して(くだ)さいませ、066その(かは)只今(ただいま)(かぎ)無条件(むでうけん)でお(ひま)(ねが)ひたう御座(ござ)います』
067宗彦(むねひこ)(ひま)をやらねば()ぬと()ふなり、068(ひま)をやれば親父(おやぢ)心配(しんぱい)をかけるなり、069嗚呼(ああ)(おん)(こひ)との締木(しめぎ)にかかつて、070こんな(くるし)(こと)()にあらうか。071これお(かつ)072何卒(どうぞ)(しばら)くでいいから夫婦(ふうふ)になつて()てくれ、073(また)(とき)をみてお(まへ)(のぞ)(どほ)り、074離縁(りえん)をするから』
075(かつ)『それが()たれるやうな(こと)なれば、076なぜ(わたくし)がお(ねが)(いた)しませう、077女房(にようばう)(をつと)(たい)離縁(りえん)申込(まをしこ)むなぞと()ふやうな、078不合理(ふがふり)(こと)何処(どこ)御座(ござ)いませう。079貴方(あなた)嘸々(さぞさぞ)不貞腐(ふてくさ)れの(をんな)だと思召(おぼしめ)すでせうが、080(わたくし)(むね)(うち)千万無量(せんまんむりやう)081焼鏝(やきごて)()てるやうで御座(ござ)います』
082宗彦(むねひこ)『アヽ()うしたら(この)(くるし)みを(のが)れる(こと)出来(でき)ようかなア、083(ひま)をくれと()へば()(ほど)(こころ)(うち)(こひ)()曲者(くせもの)(をど)()し、084(おれ)(からだ)焦熱地獄(せうねつぢごく)()ちたやうだ』
085(ふと)(いき)をつく。086夫婦(ふうふ)(あひだ)()()はれぬ悲惨(ひさん)(くも)(まく)()りた。087()かる(ところ)松鷹彦(まつたかひこ)はいそいそと(かへ)(きた)り、
088松鷹彦(まつたかひこ)『ヤア宗彦(むねひこ)089(かつ)090(まへ)()いて()るのか、091こんな目出度(めでた)(とき)夫婦(ふうふ)(そろ)うて()くと()(こと)があるものか、092()きたければ(また)夜中(よなか)(ゆつ)くりと()いて満足(たんのう)するがよい、093(いま)其処(そこ)(むら)(しう)()御座(ござ)るから、094サアサア(はや)機嫌(きげん)(なほ)して()れ』
095宗彦(むねひこ)『お(とう)さま、096(あま)(うれ)しうて(うれ)(なみだ)(こぼ)れたのです、097御心配(ごしんぱい)(くだ)さいますな』
098松鷹彦(まつたかひこ)『アヽ、099さうだらう さうだらう無理(むり)()い、100(しか)しお(かつ)()いて()たやうだ、101()()らして()るぢやないか、102これこれお(かつ)103()つともない、104()いて()れな』
105(とど)めながら松鷹彦(まつたかひこ)自分(じぶん)()()した。
106宗彦(むねひこ)『お(とう)さま、107申上(まをしあ)(にく)(こと)ですが、108女房(にようばう)只今(ただいま)より(ひま)()しいと()ふのです、109それで(じつ)二人(ふたり)談判(だんぱん)して()つたのです』
110松鷹彦(まつたかひこ)(わか)(もの)()ふものは仕方(しかた)がないものだな、111(わし)(おぼ)えがある。112天下(てんか)御免(ごめん)だから(いぬ)()はぬ喧嘩(けんくわ)(せい)()してやつて()れ』
113 (あと)(うれ)(なみだ)をしやくり()げる。
114 (かか)(ところ)へ、115(あめ)真浦(まうら)宣伝使(せんでんし)(はじ)め、116田吾作(たごさく)117留公(とめこう)118(はる)四五(しご)里人(さとびと)(とも)に、119スタスタとやつて()た。
120田吾作(たごさく)『モシモシ、121(ぢい)さま、122(よろこ)びなさいませ、123真浦(まうら)宣伝使(せんでんし)(たしか)(ひだり)(わき)(した)(うめ)(もん)(あざや)かに(あら)はれて()ります。124屹度(きつと)最前(さいぜん)仰有(おつしや)つた、125貴方(あなた)御長男(ごちやうなん)(まつ)さまに間違(まちが)ひありません。126ナア真浦(まうら)さま、127さうでせう』
128真浦(まうら)『ハイ』
129()つたきり、130(なん)となく(こころ)()()かぬ返事(へんじ)をして()る。
131松鷹彦(まつたかひこ)『モシモシ真浦(まうら)さま、132失礼(しつれい)(こと)をお(たづ)(いた)しますが、133あなたのお(くに)何所(どこ)御座(ござ)いましたか』
134真浦(まうら)『ハイ、135(わたくし)()(くに)熊野(くまの)(うま)れで御座(ござ)います』
136松鷹彦(まつたかひこ)『お(とう)さま、137(かあ)さまはお達者(たつしや)にして御座(ござ)るでせうな』
138真浦(まうら)『イエ(ちち)(はは)行方不明(ゆくへふめい)となり、139三人(さんにん)兄妹(きやうだい)()うなつたか、140何分(なにぶん)(ちひ)さい(とき)(わか)れたのものですから(かほ)()らず、141全然(まるで)()(なか)親族(みうち)(なに)もない一人(ひとり)ぼつちです。142(わたくし)(ちから)とするのは(ただ)もう仁慈(じんじ)無限(むげん)神様(かみさま)(ばか)り、143度々(たびたび)(ゆめ)()ますが、144(わたくし)(ちち)はどうも貴方(あなた)()()()るやうに(おも)ひます。145(しか)しこれは(ゆめ)(こと)ですから、146あてにはなりませぬ。147何卒(なにとぞ)(こころ)さへ(くだ)さいますな』
148松鷹彦(まつたかひこ)『お(まへ)さま(ひだり)(わき)(うめ)(はな)(あざ)があると()(こと)ぢやが、149それは真実(ほんたう)ですか、150真実(ほんたう)なら一寸(ちよつと)()せて(くだ)さい。151(わし)子供(こども)には兄弟(きやうだい)とも(あに)(ひだり)(おとうと)(みぎ)に、152不思議(ふしぎ)(こと)には(うめ)(もん)(あざ)がついて()る、153(なん)でも(これ)神様(かみさま)(うま)(がは)りと()いて()る。154一人(ひとり)(むすめ)には(へそ)(うへ)三角星(さんかくせい)のやうな黒子(ほくろ)があつた』
155真浦(まうら)(これ)(めう)(こと)(うけたま)はります、156サア()うぞお調(しら)(くだ)さいませ』
157(はだ)()ぐ。158松鷹彦(まつたかひこ)()(ひか)らし、159つくづくと(なが)めて、
160松鷹彦(まつたかひこ)『マヽ(まが)(かた)なき(わし)(せがれ)であつた。161有難(ありがた)有難(ありがた)い、162これと()ふのも神様(かみさま)のお()(あは)せ、163(ばば)(いき)()たらどれだけ(よろこ)ぶであらうに、164可憐(かはい)さうな(こと)をした。165(ばば)()()三人(さんにん)子供(こども)(こと)(おも)()しては()き、166()()しては()き、167可憐(かはい)さうに()いて()いて()(くら)し、168(しまひ)には自暴自棄(やけ)になつて、169(かは)(うを)(すなど)り、170殺生(せつしやう)ばかりして悶々(もんもん)(じやう)(なぐさ)めて()た。171アーア可憐(かはい)さうだつた』
172流石(さすが)(つま)(おも)愛情(あいじやう)(くも)(つつ)まれて(その)()(ちから)なく()(しづ)む。
173田吾作(たごさく)『こんな目出度(めでた)(とき)(なに)をベソベソ()くのだ。174(をとこ)()ふものは(なみだ)()から(そと)(おと)すのは大変(たいへん)(はぢ)だ、175(いさぎよ)うなさいませ。176(うた)でも(うた)つて(いは)ひの(さけ)でも()んで機嫌(きげん)ようするのだなア、177(わたし)(なん)だか陰気(いんき)になつて()た。178サア(ひと)(うた)つて()ようかな、179ぢやと()うて(さけ)()まずに(なん)だか拍子抜(へうしぬけ)がしたやうだ。180(ゆみ)(やつ)181(さけ)()うて()つて()くと()ひながら、182(なに)をして()るのだらう。183(また)(おやぢ)いちやついて()るのだなからうかなア』
184(わざ)(いさぎよ)(しやべ)()てる。185留公(とめこう)は、
186留公(とめこう)『モシモシ、187真浦(まうら)宣伝使(せんでんし)さま、188(なに)俯向(うつむ)いて()るのだ。189(はや)くお(とう)さまに(ひさ)()りの御対面(ごたいめん)御挨拶(ごあいさつ)をなさらぬか、190(なん)だか目出度(めでた)(こと)だと(おも)うて()たのに薩張(さつぱり)()湿(しめ)つて仕舞(しま)ひ、191五月雨(さみだれ)(そら)のやうだ。192ヤアお(ゆみ)さんが(さけ)()つて()た。193オイ田吾作(たごさく)194(まへ)酒好(さけず)きだから、195(はや)()んで(ひと)(をど)つて(この)()空気(くうき)一洗(いつせん)してくれ、196(おれ)御馳走(ごちそう)用意(ようい)にかかるから、197追々(おひおひ)(むら)(もの)()()時分(じぶん)ぢやから愚図々々(ぐづぐづ)しては()られぬぞや』
198足早(あしばや)炊事場(すゐじば)()して(はし)()く。
199 田吾作(たごさく)はお(ゆみ)()つて()(さけ)をグイと()手繰(たぐ)り、200(その)(まま)(くち)にあてて法螺貝飲(ほらがひの)みを(はじ)めて()る。201松鷹彦(まつたかひこ)202真浦(まうら)203宗彦(むねひこ)204(かつ)四人(よにん)(よろこ)びと(かな)しさの(くも)(つつ)まれ、205黙念(もくねん)として傾首(うなだ)れて()る。206田吾作(たごさく)(さけ)機嫌(きげん)(うた)()した。
207『とうとうたらりや とうたらり
208たらりや たらりや とうたらり
209天下泰平(てんかたいへい)国土成就(こくどじやうじゆ)
210(かみ)(おもて)(あら)はれて
211(ぜん)(あく)とを()()ける
212(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
213(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
214(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
215直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)
216()(あやま)ちは()(なほ)
217三五教(あななひけう)(かみ)(みち)
218(かみ)御稜威(みいづ)のいや(たか)
219武志(たけし)(みや)御前(おんまへ)
220親子(おやこ)夫婦(ふうふ)邂逅(めぐりあひ)
221三千世界(さんぜんせかい)(うめ)(はな)
222(ひだり)(かひな)厳御霊(いづみたま)
223(みぎ)りの(かひな)瑞御霊(みづみたま)
224(いづ)(みづ)との(かみ)()
225(いよいよ)此処(ここ)(あら)はれて
226三五(さんご)(つき)御教(みをしへ)
227四方(よも)(ひろ)むる常磐木(ときはぎ)
228松鷹彦(まつたかひこ)のお(よろこ)
229臍下丹田(あまのいはと)のその(うへ)
230(みづ)御霊(みたま)(しるし)ある
231黒子(ほくろ)出来(でき)たお(かつ)さま
232(わたし)ばかりは()つて()
233さはさりながら(みな)(ひと)
234(かなら)(あや)しみ(たま)ふなよ
235わしとお(かつ)さんの(その)(なか)
236(けが)れた(こと)(つゆ)もない
237宇都(うづ)河原(かはら)にお(かつ)さま
238御禊(みそぎ)せられた(その)(とき)
239(よこ)から一寸(ちよつと)()()いた
240松鷹彦(まつたかひこ)先刻(さきほど)
241御物語(おものがたり)(うかが)へば
242これぞてつきり御兄妹(ごきやうだい)
243松竹梅(まつたけうめ)三人(さんにん)
244(いよいよ)(そろ)うた(かみ)(まへ)
245(みな)さま(よろこ)びなさいませ
246こんな目出度(めでた)(こと)はない
247仮令(たとへ)天地(てんち)(かは)るとも
248親子(おやこ)(えん)(かは)りやせぬ
249親子(おやこ)一世(いつせ)夫婦(ふうふ)二世(にせ)
250()るに()られぬ(おや)()
251(なが)(あひだ)()(わか)
252此処(ここ)()うたは優曇華(うどんげ)
253(はな)()(はる)(うめ)(はな)
254(ひら)いて()るな()(むす)
255七重(ななへ)八重(やへ)九重(ここのへ)
256十重(とへ)廿重(はたへ)()(にほ)
257(かみ)(をしへ)瑞祥(ずゐしやう)
258アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
259御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましまして
260()らず()らずに(をか)したる
261宗彦(むねひこ)夫婦(ふうふ)()(つみ)
262三五教(あななひけう)大御神(おほみかみ)
263直日(なほひ)見直(みなほ)しましまして
264(つみ)(けが)れもあら(かは)
265淵瀬(ふちせ)(なが)して(きよ)めませ
266アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
267御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ』
268剽軽(へうきん)(をとこ)()ず、269今日(けふ)(かぎ)つて真面目(まじめ)(うた)ひ、270真面目(まじめ)()うて()せた。271この言霊(ことたま)(しら)けかかつた一座(いちざ)(にはか)陽気(やうき)だち、272(いづ)れも顔色(かほいろ)()へて春風(はるかぜ)(さくら)(ほころ)(ごと)笑顔(ゑがほ)()せたり。
273宗彦(むねひこ)『アヽお(かつ)274(まへ)合点(がてん)()かぬ(こと)(にはか)()うと(おも)つて()たが、275アヽ(いもうと)であつたか。276なぜ遠慮(ゑんりよ)をするのだ、277(もと)より兄妹(きやうだい)()つて天則(てんそく)(をか)したのでもなし、278()らず()らずの反則(はんそく)であるから神様(かみさま)(ゆる)して(くだ)さるだらう。279()うぞ心配(しんぱい)してくれな、280(しか)兄妹(きやうだい)(わか)つた以上(いじやう)は、281(まへ)(のぞ)(どほ)(ひま)()げませう』
282 松鷹彦(まつたかひこ)283真浦(まうら)打驚(うちおどろ)き、284(ゆめ)(うつつ)か、285(おや)()兄妹(きやうだい)かと、286()()見合(みあは)し、287(あき)れて言葉(ことば)()(ばか)り。288(あめ)真浦(まうら)()(あが)り、
289(あめ)(つち)との(その)(なか)
290(うま)(きた)りし人草(ひとぐさ)
291(なか)にも()けて()親子(おやこ)
292運命(うんめい)(かみ)(あやつ)られ
293親子(おやこ)四方(よも)離散(りさん)して
294行方(ゆくへ)()らぬ(たび)(そら)
295(おや)(わが)()行先(ゆくさき)
296(たづ)ねて風雨(ふうう)()()らし
297慈愛(じあい)(なみだ)そそぎつつ
298山河(やまかは)(わた)荒野(あれの)()
299我等(われら)(あと)(おい)()
300(うき)(わす)れてあちこちと
301彷徨(さまよ)ひませる親心(おやごころ)
302(やま)より(たか)(うみ)よりも
303(ふか)(たふと)御恵(おんめぐ)
304我等(われら)三人(みたり)兄妹(けうだい)
305(おや)(はな)れし雛鳥(ひなどり)
306()()(なぎさ)捨小舟(すてをぶね)
307(なが)(ただよ)ひあちこちと
308(つれ)なき(ひと)(さいな)まれ
309(もも)(なや)みを(しの)ぎつつ
310(わが)垂乳根(たらちね)行先(ゆくさき)
311(あさ)(ゆふ)なに(あて)もなく
312(さぐ)りし(こと)(かな)しさよ
313天地(てんち)(かみ)のますならば
314(かな)しき我等(われら)がこの(おも)
315()らさせ(たま)ひて片時(かたとき)
316(はや)()はさせ(たま)へやと
317(かみ)(いの)りをかけまくも
318(かしこ)御稜威(みいづ)(さち)はひて
319(おも)ひもかけぬ(おや)()
320今日(けふ)対面(たいめん)(なん)として
321天地(てんち)(かみ)礼代(いやしろ)
322言霊(ことたま)さへもなくばかり
323アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
324御霊(みたま)(さち)(たま)はりし
325(めぐみ)(ふか)三五(あななひ)
326(みち)(まも)らす大御神(おほみかみ)
327神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)
328(みづ)(ひかり)()らされて
329(つき)()今日(けふ)邂逅(めぐりあひ)
330(ちち)(この)()にましませど
331(はは)(はや)くも娑婆(しやば)世界(せかい)
332(あと)見捨(みす)てて()りましぬ
333さはさりながら(われ)のみは
334(こひ)しき(はは)()らずして
335()にかかりし(うれ)しさよ
336(この)()(はは)のましまさば
337如何(いか)(よろこ)(たま)ふらむ
338嗚呼(ああ)父上(ちちうへ)(おとうと)
339日頃(ひごろ)(たづ)ねし(いもうと)
340いざ()れよりは大神(おほかみ)
341(まこと)(みち)服従(まつろ)ひて
342生命(いのち)(かぎ)()(きは)
343(まこと)(ひと)つの言霊(ことたま)
344悪魔(あくま)(たけ)現世(うつしよ)
345(あら)(きよ)めて母上(ははうへ)
346御心(みこころ)(なぐさ)(たてまつ)
347(ちち)(ほまれ)万代(よろづよ)
348(つた)へむものと(はげ)みませ
349淵瀬(ふちせ)(かは)(ひと)()
350明日(あす)をも()らぬ()(うへ)
351(うれ)しき(はる)(めぐ)()
352(たがひ)(かほ)をみたり()
353一度(いちど)(ひら)(うめ)(はな)
354三千世界(さんぜんせかい)()()ひし
355三角星座(さんかくせいざ)(しるし)ある
356()さへ目出度(めでた)梅子姫(うめこひめ)
357常磐堅磐(ときはかきは)にいつ(まで)
358松竹梅(まつたけうめ)(いさ)ましく
359()(なが)らへて()(ちち)
360(あた)(かぎ)りの孝養(かうやう)
361()くすも(うれ)兄妹(けうだい)
362今日(けふ)(よろこ)月照(つきてる)
363ミロクの(かみ)御前(おんまへ)
364(よろこ)感謝(かんしや)(たてまつ)
365アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
366御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ』
367(うた)(をは)つて()についた。
368 村中(むらぢう)老若男女(らうにやくなんによ)(のこ)らず空家(あきや)にして(この)()馳集(はせあつ)まり、369()めよ(うた)へよの大祝(おほいは)ひに()()かした。
370 (あめ)真浦(まうら)(なが)武志(たけし)(みや)(とど)まりて(ちち)孝養(かうやう)(つく)し、371(はる)女房(にようばう)()ち、372(ちち)(あと)()(こと)となつた。373(かつ)留公(とめこう)媒酌(ばいしやく)にて田吾作(たごさく)(つま)となり、374夫婦(ふうふ)(なか)よく一生涯(いつしやうがい)(おく)り、375子孫(しそん)繁栄(はんゑい)して(ゆたか)()となつた。
376 宗彦(むねひこ)(およ)田吾作(たごさく)二人(ににん)はこれより聖地(せいち)(のぼ)り、377言依別命(ことよりわけのみこと)(えつ)し、378三五教(あななひけう)教理(けうり)体得(たいとく)し、379自転倒島(おのころじま)(はじ)め、380世界(せかい)(いた)(ところ)足跡(そくせき)(いん)神業(しんげふ)参加(さんか)し、381(つひ)には素盞嗚大神(すさのをのおほかみ)見出(みいだ)されて立派(りつぱ)なる大宣伝使(だいせんでんし)となりにける。
382大正一一・五・一三 旧四・一七 加藤明子録)