霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 如意(によい)宝珠(ほつしゆ)〔六七四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第20巻 如意宝珠 未の巻 篇:第3篇 三国ケ嶽 よみ(新仮名遣い):みくにがだけ
章:第12章 如意宝珠 よみ(新仮名遣い):にょいほっしゅ 通し章番号:674
口述日:1922(大正11)年05月14日(旧04月18日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年3月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
聖地では、高姫、黒姫、若彦、紫姫ら幹部が集まって、夜もすがら秘密の話にふけっている。高姫は、元々青雲山から持ってこられて埴安彦が桶伏山に隠していた、黄金の玉がバラモン教に奪われたことを明かした。
高姫、黒姫、若彦は、その責任の所在を巡って言い争いになる。その声を聞きつけて、言依別命が部屋に入ってきた。
悠然としている言依別命に対して、高姫は、黄金の玉紛失の事態の責任を問う。しかし言依別命は、すべて神様の仕組がしてあるから大丈夫だと請合う。
そこへ、夜警の鬼丸から、お玉の方と黄金の玉が戻ったと注進があった。言依別命は祝意を表して立ち、宣伝歌を歌った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-04-18 03:39:38 OBC :rm2012
愛善世界社版:266頁 八幡書店版:第4輯 247頁 修補版: 校定版:276頁 普及版:121頁 初版: ページ備考:
001(こころ)(いろ)照山(てらやま)
002(ふもと)()てる高殿(たかどの)
003(にしき)(みや)社務所(ながとこ)
004()()(わた)(あき)(かぜ)
005紅葉(もみぢ)(にしき)()()きて
006(さむ)()()(とき)もあれ
007(かしら)(しも)(いただ)きし
008三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
009黒姫(くろひめ)高姫(たかひめ)青彦(あをひこ)
010紫姫(むらさきひめ)終夜(よもすがら)
011(ねむ)りもやらずヒソヒソと
012秘密(ひみつ)(はなし)(ふけ)()る。
013高姫(たかひめ)(みな)さま、014(たか)(こゑ)では()はれませぬが、015玉照彦(たまてるひこ)(さま)016玉照姫(たまてるひめ)(さま)()両人(りやうにん)大切(たいせつ)だが、017それよりも、018もつともつと肝腎要(かんじんかなめ)根本(こつぽん)生粋(きつすゐ)神政(しんせい)成就(じやうじゆ)のお(たから)紛失(ふんしつ)したのを(みな)さま()つて()ますか』
019 青彦(あをひこ)は『エヽツ』と頓狂(とんきやう)(こゑ)()し、020(おどろ)いて仰向(あふむ)きに(たふ)れようとしてやつと()(ささ)へた。
021高姫(たかひめ)『コレコレ、022青彦(あをひこ)さま……お(まへ)()若彦(わかひこ)ぢやが……つい口癖(くちぐせ)になつて()うたのだから(こら)へて(くだ)されや。023若葉(わかば)(いろ)(あを)いから若彦(わかひこ)でも青彦(あをひこ)でもよう(かよ)ひますからな……(しか)し、024ちつと()(しづ)めて()いて(くだ)さい。025(ほか)(ひと)()んな(はなし)(きこ)えたら高天原(たかあまはら)大騒動(おほさうどう)ぢや、026(なん)とか工夫(くふう)せねばなるまい。027こんな(こと)はまだ(たれ)にも()うては()いのぢやが本当(ほんたう)心配(しんぱい)(こと)出来(でき)()るのだよ』
028黒姫(くろひめ)心配(しんぱい)(こと)とは何事(なにごと)(おこ)りました、029(わたし)(ちから)(およ)ぶことなら生命(いのち)()ててでも御用(ごよう)()かして(もら)ひませう』
030高姫(たかひめ)(じつ)はお(たま)(かた)がバラモン(けう)悪神(あくがみ)(さら)はれて仕舞(しま)ひ、031(いま)行方(ゆくへ)(わか)らぬので言依別(ことよりわけの)(みこと)(さま)にも申上(まをしあ)げ、032心配(しんぱい)をして()るのぢや』
033 (これ)()いて黒姫(くろひめ)034紫姫(むらさきひめ)035若彦(わかひこ)真蒼白(まつさを)(かほ)をし『ヘエ』と()つたきり(あき)れて、036(たがひ)()()見合(みあは)すのみで途方(とはう)()れて()る。
037高姫(たかひめ)『お(まへ)さま、038(たま)(かた)(さら)はれたと()つてそれだけ吃驚(ぴつくり)する(やう)(こと)では仕方(しかた)がないぢやないか、039ちつと(どう)()ゑなさい。040身魂(みたま)(みが)けて()らぬと真逆(まさか)(とき)にびく()くぞよ。041身魂(みたま)さへ(みが)いて()けば如何(どん)心配(しんぱい)(おこ)つても(どう)(すわ)つて(らく)(しの)げるぞよ」とお筆先(ふでさき)()りませうがな、042まだまだ吃驚(びつくり)親玉(おやだま)がモ(ひと)つありますぞや』
043紫姫(むらさきひめ)高姫(たかひめ)さま、044吃驚(びつくり)親玉(おやだま)とは如何(どん)(こと)です、045何卒(どうぞ)()かして(くだ)さい。046(わたし)(ちから)一杯(いつぱい)出来(でき)(こと)なら(つと)めさして(いただ)きますから』
047高姫(たかひめ)親玉(おやだま)()つたら(たま)()られたのぢやがなア』
048紫姫(むらさきひめ)『あのお(たま)(かた)をですか』
049高姫(たかひめ)『お(たま)もお(たま)ぢやが、050そんな(たま)とは(たま)(たま)(ちが)ふのぢや。051天地(てんち)がデングリ(がへ)(やう)大騒動(おほさうどう)ぢや。052(みな)さまに()うて()()いけれど、053あまり(どう)(すわ)つて()らぬので如何(どう)する(こと)出来(でき)やしない。054アヽア、055(かみ)(さま)の、056もつと(しつか)りしたお道具(だうぐ)()(ひと)()しいものだなア』
057黒姫(くろひめ)(たま)とは(なん)御座(ござ)います』
058高姫(たかひめ)(きん)(たま)ぢや、059それを()られたのぢや』
060黒姫(くろひめ)『それは言依別(ことよりわけ)(さま)ですか、061高山彦(たかやまひこ)さまですか、062そんな(とこ)を……また(たれ)如何(どう)して……(むさくる)しい……()つたのでせう』
063高姫(たかひめ)『エー、064合点(がつてん)(わる)(ひと)ぢや、065睾丸(きんたま)(ちが)ひますよ。066桶伏山(をけふせやま)埴安彦(はにやすひこの)(かみ)(さま)(かく)して()かれた、067青雲山(せいうんざん)から()つて()られた神政(しんせい)成就(じやうじゆ)元津(もとつ)御霊(みたま)黄金(こがね)(たま)068如意(によい)宝珠(ほつしゆ)宝物(ほうもつ)を……(みんな)()をつけぬものだから、069到頭(たうとう)()られて仕舞(しま)うた。070こりや屹度(きつと)バラモン(けう)(さら)へて()んだのに(ちが)ひない、071大変(たいへん)だらうがな』
072黒姫(くろひめ)大変(たいへん)です、073如何(どう)したら(よろ)しからう、074言依別(ことよりわけの)(みこと)(さま)(うかが)ひませうか』
075若彦(わかひこ)(こま)つた(こと)になりましたなア、076そつと(うかが)つて()ませうか』
077高姫(たかひめ)『そんな(こと)(この)(あひだ)から幾度(いくど)幾度(いくど)も、078(わし)がそつと言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)相談(そうだん)()つて()るのぢやけれども、079()んとか、080かんとか()つて、081「マア(だま)つて()つて(くだ)さい、082(なん)とか(かみ)(さま)がして(くだ)さるでせう」なんて、083キヨロリ、084カンと大山(たいざん)(くづ)れて()ても(うご)かぬと()ふやうな態度(たいど)をして御座(ござ)るものだから、085(わし)は、086もう()()めて()めて、087()つても()ても()られぬから、088今日(けふ)はお(まへ)さま(たち)()つて(もら)つて、089(なん)とかせねばならぬと(おも)ひ、090相談(そうだん)をするのぢや』
091黒姫(くろひめ)『これは(また)092どえらい失敗(しつぱい)をしたものですな、093夜警(やけい)にも(まは)(もの)()かつたのかいな』
094高姫(たかひめ)『その夜警(やけい)ぢやて、095三五教(あななひけう)信者(しんじや)らしう()せて這入(はい)つて()よつて、096其奴(そいつ)手引(てびき)して黄金(こがね)(たま)(ぬす)み、097何処(どこ)かへ()げて()きよつたのぢや。098それだから(かみ)(さま)各自(めんめ)()をつけて()けと仰有(おつしや)るのぢや。099(わか)(もの)(ねむ)たい(さか)りに夜警(やけい)をさして、100()つきの(わる)年寄(としより)が、101無理(むり)()ようとして無精(ぶしやう)をかわくものだから、102(かみ)(さま)改心(かいしん)()めに(ばつ)をあてなさつたのぢや。103(これ)から年寄(としより)(よる)()(こと)にして(くだ)さい。104その(かは)(ひる)何程(いくら)なりと()て、105(よさり)()()けて(もら)はねば、106(これ)から(さき)如何(どん)(こと)(おこ)るか(わか)つたものぢやない。107(わか)(もの)(ひる)(あそ)ばし(よさり)夜警(やけい)をさすと、108屹度(きつと)(ろく)(こと)出来(でき)はしない。109夜分(やぶん)(よひ)から()させ、110(ひる)(はたら)けば()いのぢやに、111第一(だいいち)幹部(かんぶ)のやり(かた)()神慮(しんりよ)(かな)はぬものだから、112()んな心配事(しんぱいごと)(おこ)るのぢや。113黒姫(くろひめ)さま、114ちつと()をつけなされや』
115黒姫(くろひめ)『ハイハイ、116()をつけます。117(なん)()つても身魂(みたま)因縁(いんねん)性来(しやうらい)だから仕方(しかた)がありませぬワ。118(あく)御用(ごよう)をさされる身魂(みたま)(ぜん)御用(ごよう)をさされる身魂(みたま)と、119(かみ)(さま)立別(たてわ)けて()せて(くだ)さるのぢやから、120最前(さいぜん)高姫(たかひめ)さまが「(かみ)さまの(ばち)(あた)つた」と仰有(おつしや)つたが、121そりやチツトお(かんが)(ちが)ひぢやありませぬか。122(かみ)(さま)(みづか)らがお仕組(しぐみ)(あそ)ばす肝腎(かんじん)(たから)(てき)()られて(まで)123(わたし)(たち)(ばち)()てるなんて…可怪(をか)しいぢやありませぬか。124(わたし)()()られたのぢやない、125畢竟(つまり)(かみ)(さま)神業(かむわざ)(たから)()られなさつたのぢや、126()はば(かみ)(さま)(ばち)(あた)つたのぢや。127さうぢやから素盞嗚(すさのをの)(みこと)(さま)()(とこ)もあるけど、128変性(へんじやう)女子(によし)だから(あひさ)大縮尻(おほしくじり)をなさるのぢや。129(よこ)(さとく)()ちたり(いと)()れると()ふのは、130ここの(こと)でせう。131(たて)一条(ひとすぢ)()(とほ)してさへ()れば()んな(こと)()いのだけれどなア。132アーア(しか)時世(ときよ)時節(じせつ)には(かみ)(さま)(かな)はぬのだから、133(わたし)()一旦(いつたん)改心(かいしん)した以上(いじやう)は、134(とき)天下(てんか)(したが)ふより(ほか)(みち)()りませぬ、135大将(たいしやう)がしつかりしてくれぬと(した)(もの)(まで)難儀(なんぎ)をする。136一匹(いつぴき)(うま)(くる)へば千匹(せんびき)(うま)(くる)ふとやら()うて、137()大将(たいしやう)(かみ)(さま)()しいものだ。138如何(どう)しても変性(へんじやう)女子(によし)身魂(みたま)()()つた(とき)()んな懲戒(みせしめ)()()るのぢや。139(かみ)さんだつて矢張(やつぱり)失敗(しつぱい)はあるのだからなア』
140若彦(わかひこ)『これ、141黒姫(くろひめ)さま、142そりやちつと量見(りやうけん)(ちが)ひはせぬか、143()へばお(まへ)さま(たち)取締(とりしまり)(わる)いから()んな(こと)になつたのぢや。144自分(じぶん)責任(せきにん)(たな)()げて(ふた)()には(みづ)御霊(みたま)さんへ責任(せきにん)()つて()くのぢやな、145何程(なにほど)千座(ちくら)置戸(おきど)()うて(くだ)さる(かみ)さまぢやと()うても……そいつア(あんま)りぢや、146(まへ)さまの論法(ろんぱふ)脱線(だつせん)だらけぢやないか』
147黒姫(くろひめ)『ちつとは脱線(だつせん)もしようかい、148天変(てんぺん)地異(ちい)大騒動(おほさうどう)(おこ)つとるのだから……(ひと)つや(ふた)汽車(きしや)電車(でんしや)脱線(だつせん)はありさうなものぢや』
149高姫(たかひめ)何時(いつ)まで()んな(こと)()うて()つた(とこ)で、150黄金(こがね)(たま)(かへ)つて()気遣(きづか)ひも()し、151(たま)(かた)(もど)つて御座(ござ)(はず)もない。152ここは(ひと)我々(われわれ)千騎(せんき)一騎(いつき)活動(くわつどう)をして、153生命(いのち)(まと)黄金(こがね)(たま)取返(とりかへ)し、154(たま)(かた)(さが)して(かへ)つて()ねば、155第一(だいいち)我々(われわれ)(はじ)貴女(あなた)(がた)責任(せきにん)()みますまい』
156 (この)(とき)ガラガラと(おもて)()()けて這入(はい)つて()二人(ふたり)(をとこ)157若彦(わかひこ)目早(めばや)()て、
158若彦(わかひこ)『ヤア、159(まへ)はテルヂーにコロンボぢやないか、160しつかり夜警(やけい)をして()るかな』
161テルヂー『夜警(やけい)神妙(しんめう)にやつて()ますが、162黄金(こがね)(たま)を、163(まへ)()()つた(とく)野郎(やらう)()164バラモン(けう)蜈蚣姫(むかでひめ)間者(まはしもの)共謀(ぐる)になりやがつて、165ソツと(たま)(ぬす)んで()きやがつてからと()ふものは、166(なん)()めに夜警(やけい)をするのやら有名(いうめい)無実(むじつ)167馬鹿(ばか)らしうて夜警(やけい)やけ気味(ぎみ)になつて()ます(わい)
168高姫(たかひめ)『なに、169あの(とく)()(この)(あひだ)から姿(すがた)()せぬと(おも)へば、170彼奴(あいつ)手引(てびき)をして()つたのか。171(なん)(わる)(やつ)ぢやな、172それで(ひと)(こころ)(ゆる)すでないぞよと(かみ)(さま)仰有(おつしや)るのだ、173(みな)さまよう()いて(くだ)さいや、174うまい(こと)()うて()ても(かみ)(うかが)はねば相手(あひて)になつては()かぬとのお筆先(ふでさき)(あんま)(かる)()()つたから、175()んな(こと)になつて仕舞(しま)ふのぢや』
176黒姫(くろひめ)『モシ高姫(たかひめ)(さま)177貴方(あなた)何時(いつ)(とく)さんは(えら)い、178(まこと)(ひと)ぢや、179あんな(ひと)ばつかり信者(しんじや)になつて()つたら、180三五教(あななひけう)一遍(いつぺん)世界(せかい)(てのひら)(かへ)(こと)出来(でき)ると()うて()めそやし、181(まへ)(とく)さまを見習(みなら)うて手本(てほん)にしなさいと仰有(おつしや)いましたな。182貴方(あなた)仰有(おつしや)(こと)()いて手本(てほん)にでもして()つたものなら、183今頃(いまごろ)如何(どん)騒動(そうだう)がオツ(ぱじ)まつて()るやら(わか)りやしませぬぞえ。184(すつぽん)(けつ)(あな)()はれた(やう)惨目(みじめ)()()つて仕舞(しま)ふのだ』
185高姫(たかひめ)黒姫(くろひめ)さま、186(まへ)(なに)()ふのぢやぞえ、187(たれ)がそんな(こと)()うたのぢや。188一寸(ちよつと)一遍(いつぺん)手洗(てうづ)でも使(つか)うて()なさい』
189 言依別(ことよりわけの)(みこと)(なん)となく(こころ)いそいそして(ねむ)られぬままに、190(つき)(ひかり)()び、191(ステツキ)をついてブラブラと(この)高殿(たかどの)(まへ)にやつて()た。192屋内(をくない)(いさか)(ごゑ)(みみ)をとめ、193(みづか)雨戸(あまど)()()けて(すす)()り、
194言依別(ことよりわけ)『ヤア(みな)さま、195(おそ)(まで)エライ勉強(べんきやう)ですな、196(なん)結構(けつこう)なお(はなし)でもありますかな』
197高姫(たかひめ)貴方(あなた)高天原(たかあまはら)大将(たいしやう)ぢやありませぬか、198()うそんな気楽(きらく)(こと)()うて()られますな、199肝腎要(かんじんかなめ)根本(こつぽん)のお(たから)紛失(ふんしつ)し、200(たま)(かた)(にく)(みや)行方(ゆくへ)不明(ふめい)となつて、201(わたし)(たち)()(ろく)によう()ず、202(この)(とほ)()(あか)うして心配(しんぱい)をして()ますのに、203貴方(あなた)(なん)ともありませぬか。204貴方(あなた)(あんま)平気(へいき)(かほ)して御座(ござ)るものですから、205幹部(かんぶ)連中(れんちう)さまが(たれ)(かれ)も、206いや惟神(かむながら)とか、207()都合(つがふ)だとか()つて、208(つく)すべき(こと)(つく)さず、209懐中(ふところ)()(つか)ね、210(にぎ)麻羅(まら)でポカンとみて()るのぢや、211ちつと(しつか)りして(くだ)さい』
212言依別(ことよりわけ)『ハヽヽヽヽ、213エライ()心配(しんぱい)()けて()みませぬな、214(かみ)(さま)抜目(ぬけめ)()りませぬから、215さう心配(しんぱい)はなさいますな』
216高姫(たかひめ)抜目(ぬけめ)()(かみ)(さま)なら、217なんで()んな大切(たいせつ)(たま)()られなさつたのぢや。218(かみ)さまだつて此方(こちら)から()をつけて()げなければ如何(どう)なるものか、219こんな不調法(ぶてうはふ)ばかりなさる、220筆先(ふでさき)にも「何卒(どうぞ)(まこと)(もの)(かみ)()をつけて(くだ)されよ」と(あら)はれて()るぢやないか、221()うマア、222ほんにほんにそんな陽気(やうき)浮気(うはき)如何(どう)して(この)高天原(たかあまはら)(しろ)(たも)てますか、223大勢(おほぜい)(もの)統一(とういつ)出来(でき)ますかい』
224言依別(ことよりわけ)黄金(こがね)(たま)も、225(たま)(かた)も、226(いづ)明日(あす)(あさ)昼頃(ひるごろ)には此処(ここ)(かへ)つて()えますよ。227(かみ)さまがちやんと仕組(しぐ)んで()られるから……貴方(あなた)(がた)何程(なにほど)(しやち)になつても駄目(だめ)ですよ』
228 (この)(とき)(もん)()(あわただ)しく(たた)き、
229鬼丸(又は谷丸)『モシモシ、230言依別(ことよりわけの)(かみ)(さま)はお()えになつて()りませぬか』
231黒姫(くろひめ)(たれ)だいなア、232無作法(ぶさはふ)な……()()れる(ほど)ポンポン(たた)いて……ヤアお(まへ)谷丸(たにまる)ぢやな、233身体(しんたい)()谷丸(たにまる)(ところ)ぢや、234(はや)彼方(あつち)()つて夜警(やけい)をして()なさい』
235鬼丸(おにまる)『エー、236滅相(めつさう)夜警(やけい)どころですかい、237大変(たいへん)(こと)(おこ)りました。238何卒(どうぞ)(はや)言依別(ことよりわけの)(かみ)(さま)(かへ)つて(もら)()いのです。239(じつ)(ところ)(この)(あひだ)(ぬす)まれた黄金(こがね)(たま)とお(たま)(かた)(いま)表門(おもてもん)まで無事(ぶじ)(かへ)られました』
240言依別(ことよりわけ)宗彦(むねひこ)一緒(いつしよ)(かへ)つたかな』
241鬼丸(おにまる)『ハイ、242宗彦(むねひこ)さまも、243その(ほか)三人(みたり)のお(とも)もついてお(かへ)りになりました』
244 言依別(ことよりわけの)(みこと)莞爾(にこにこ)(なが)鬼丸(おにまる)(ともな)表門(おもてもん)(すす)()く。
245高姫(たかひめ)『サア黒姫(くろひめ)さま、246(あを)さま、247(わか)さま、248(むらさき)さま、249如何(どう)しよう如何(どう)しよう、250大変(たいへん)ぢや大変(たいへん)ぢや』
251 若彦(わかひこ)252紫姫(むらさきひめ)253黒姫(くろひめ)254高姫(たかひめ)(うれ)しさの(あま)室内(しつない)狼狽(うろた)(まは)つて()る。255(たま)(かた)()かれて黄金(こがね)(たま)()神体(しんたい)()とまづ(にしき)(みや)殿内(でんない)(ふか)(をさ)まり(たま)うた。256あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
257 言依別(ことよりわけの)(みこと)祝意(しゆくい)(へう)()つて宣伝歌(せんでんか)(うた)(はじ)めたり。
258言依別命朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
259(つき)()つとも()くるとも
260仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
261(まこと)(ちから)()(すく)
262三五教(あななひけう)神宝(かんだから)
263黄金(こがね)(たま)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)
264バラモン(けう)曲神(まがかみ)
265そつと(ぬす)まれ言依(ことより)
266(わけ)(みこと)(おどろ)いて
267(にしき)(みや)()(さん)
268玉照彦(たまてるひこ)玉照(たまてる)
269(ひめ)(みこと)(うかが)へば
270宝珠(ほつしゆ)(たま)三国岳(みくにだけ)
271バラモン(けう)副棟梁(ふくとうりやう)
272(こころ)(おに)(じやう)(ざん)
273(とりで)(かま)へし鬼熊別(おにくまわけ)
274(しこ)魔神(まがみ)宿(やど)(つま)
275蜈蚣(むかで)(ひめ)鬼婆(おにば)さま
276岩窟(いはや)(なか)()(こも)
277(うづ)(たから)(うば)()
278(たま)(かた)諸共(もろとも)
279占奪(せんだつ)せりと()きしより
280(われ)神勅(しんちよく)(かしこ)みて
281(ひと)()らさず三五(あななひ)
282(みち)(つかさ)新参者(しんざんもの)
283(あめ)真浦(まうら)(おとと)なる
284(こころ)(きよ)宗彦(むねひこ)
285(むね)(ふく)めて(きり)(うみ)
286(わた)りて三国(みくに)山奥(やまおく)
287(つか)はしければ宗彦(むねひこ)
288使命(しめい)(はた)(やうや)うに
289(たま)(かた)諸共(もろとも)
290いそいそ此処(ここ)(かへ)りけり
291玉照彦(たまてるひこ)玉照姫(たまてるひめ)
292(かみ)(みこと)神司(かんづかさ)
293(たま)(かた)()(みたま)
294黄金(こがね)(たま)()(みたま)
295()つと()つとの(むつ)()
296此処(ここ)(いよいよ)三五(あななひ)
297(かみ)(をしへ)()(わた)
298三五(さんご)月照彦(つきてるひこ)(かみ)
299(おも)ひも此処(ここ)足真彦(だるまひこ)
300(をしへ)四方(よも)弘子彦(ひろやすひこ)
301(かみ)(みこと)(あら)はれて
302()しき(やまひ)少名彦(すくなひこ)
303(いよいよ)(かみ)御光(みひかり)
304高照姫(たかてるひめ)純世姫(すみよひめ)
305真澄(ますみ)(ひめ)(かがみ)なす
306(たふと)(をしへ)竜世姫(たつよひめ)
307御代(みよ)(ゆたか)国治立(くにはるたち)
308(かみ)(みこと)豊国姫(とよくにひめ)
309(みづ)御魂(みたま)のお喜悦(よろこぴ)
310埴安彦(はにやすひこ)埴安姫(はにやすひめ)
311(きよ)御魂(みたま)(いさ)()
312天津(あまつ)(かみ)(たち)八百万(やほよろづ)
313国津(くにつ)(かみ)(たち)八百万(やほよろづ)
314(これ)聖地(せいち)神集(かむつど)
315今日(けふ)生日(いくひ)喜悦(よろこび)
316(ことほ)(たま)(うれ)しさよ
317あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
318御霊(みたま)幸倍(さちはひ)()しまして
319()久方(ひさかた)(そら)(たか)
320天津(あまつ)日嗣(ひつぎ)永久(とこしへ)
321(うご)かぬ御代(みよ)(まも)りませ
322円山姫(まるやまひめ)(まも)られし
323黄金(こがね)(たま)(つつが)なく
324(ふたた)此処(ここ)(かへ)りまし
325五六七(みろく)神政(しんせい)神業(かむわざ)
326(ひかり)(あら)はれ(たま)ふらむ
327(いさ)めよ(いさ)諸人(もろびと)
328(ひと)(いさ)めば(かみ)(いさ)
329(われ)言依別(ことよりわけの)(みこと)
330コーカス(ざん)斎苑(いそ)(やかた)
331(うづ)(みやこ)のヱルサレム
332エデンの(その)()れませる
333御神(みかみ)(とも)(よろこ)びて
334堅磐(かきは)常磐(ときは)何時(いつ)までも
335(さか)えませよと(いの)りつつ
336()出神(でのかみ)()出別(でわけ)
337()花姫(はなひめ)()活動(はたらき)
338天地(てんち)(かみ)三五(あななひ)
339(をしへ)(つかさ)信徒(まめひと)
340(えら)(よろこ)()(あそ)
341(つる)(よはひ)末長(すゑなが)
342(かめ)万歳(ばんざい)永久(とこしへ)
343(まも)らせ(たま)(この)(をしへ)
344あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
345御霊(みたま)幸倍(さちはひ)()しませよ』
346大正一一・五・一四 旧四・一八 北村隆光録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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