霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四章 砂利喰(じやりくひ)〔六七八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第21巻 如意宝珠 申の巻 篇:第1篇 千辛万苦 よみ(新仮名遣い):せんしんばんく
章:第4章 砂利喰 よみ(新仮名遣い):じゃりくい 通し章番号:678
口述日:1922(大正11)年05月16日(旧04月20日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年4月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
三人は高熊山の岩窟に詣でて心を洗い魂を清め、進んでいった。戸隠岩の麓に着いて路傍の石に腰を掛けて休息を取った。
するとそこから一丁ばかり先に、五六人の怪しい男たちがたむろして、こちらを窺っている。玉治別は、盗人を改心させるには、盗人の中に入らなければならない、と二人に言う。
玉治別が玉公親分となりすまし、竜公・国公を子分として男たちのところへ行くと、自分は三国ケ岳の鬼婆の片腕だと名乗った。盗人たちは、仲間に入ってくれと言うが、玉治別は、追いはぎなどは小さい盗人のすることだ、と言って、自分に付いて来るようにと男たちを誘う。
玉治別は、黄金の玉と紫の玉があれば三千世界のことが思いのままになる、その玉を取りに行くのだ、と言って盗人たちを自分の子分にしてしまった。
盗人たちが言うには、自分たちの頭がいて、今三五教の本山に、徳公と名乗って入り込んでいるのだ、と明かした。玉治別は、徳公なら知っているが、あの程度の者を頭に頂いているよりも、自分たち宣伝使にしたがった方がよいと、正体を明かして盗人たちを諭す。
盗人たちは玉治別の説得に、一も二もなく、神様の道に仕える事を誓った。このとき、宣伝歌の声が聞こえてきた。宣伝歌は、一行が高春山に乗り込んで活躍する様を歌っていた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-05-02 01:21:24 OBC :rm2104
愛善世界社版:80頁 八幡書店版:第4輯 294頁 修補版: 校定版:84頁 普及版:36頁 初版: ページ備考:
001梅照彦(うめてるひこ)朝夕(あさゆふ)
002(かみ)(をしへ)()(つた)
003(うづ)(やかた)(あと)にして
004ここに三人(みたり)宣伝使(せんでんし)
005玉照彦(たまてるひこ)()れませる
006高熊山(たかくまやま)巌窟(がんくつ)
007(こころ)(あら)(たま)(きよ)
008神国守(かみくにもり)(おく)られて
009来勿止(くなどめ)(やかた)門前(もんぜん)
010(いとま)()げてスタスタと
011(あし)(まか)せて(すす)()
012天狗(てんぐ)(いは)にて()(たか)
013境峠(さかひたうげ)打渡(うちわた)
014小幡(をばた)(かは)上流(じやうりう)
015(しり)(まく)つて対岸(むかふぎし)
016青野(あをの)(はら)右左(みぎひだり)
017(なが)めて(すす)法貴谷(ほふきだに)
018戸隠岩(とがくしいは)(まへ)()く。
019 (さん)(にん)激湍(げきたん)飛沫(ひまつ)(おと)(たか)谷川(たにがは)沿()へる、020樹木(じゆもく)鬱蒼(うつさう)たる谷道(たにみち)をエチエチ(のぼ)つて、021(やうや)戸隠岩(とがくしいは)(ふもと)()路傍(ろばう)(いは)(こし)打掛(うちか)け、022(いき)(やす)めてゐる。023其処(そこ)より一丁(いつちやう)(ばか)(はな)れた坂道(さかみち)五六(ごろく)(にん)(あや)しき(をとこ)(かげ)024(なに)(しき)りに(ささや)いてゐる。
025玉治別(たまはるわけ)竜国別(たつくにわけ)026国依別(くによりわけ)兄貴(あにき)027(なん)だ、028(むか)ふの(はう)怪体(けつたい)(やつ)(ささや)いてゐるぢやないか。029()山道(やまみち)(なに)をして()るのだらうかな』
030国依別(くによりわけ)『あれは泥棒(どろばう)(むれ)だ。031往来(ゆきき)(ひと)衣類(いるゐ)持物(もちもの)を、032すつかり()がせる追剥(おひはぎ)商売(しやうばい)(あら)はれたのだよ。033最前(さいぜん)真裸体(まつぱだか)になつて(をんな)()きもつて(とほ)つただらう。034あれは屹度(きつと)(てき)さんにやられたのに(ちが)ひないぞ。035(おれ)(たち)()うして蓑笠(みのかさ)()(ある)いて()るものだから、036()(をんな)吾々(われわれ)同類(どうるゐ)()よつたか、037(こは)さうにキヤーと()つて一目散(いちもくさん)()げたぢやないか』
038竜国別(たつくにわけ)『それに間違(まちが)ひは()い。039吾々(われわれ)屹度(きつと)()がされるのだな。040(ひと)此処(ここ)(なん)とか(かんが)へねばなるまいぞ』
041玉治別(たまはるわけ)『なアに、042()くとこ(まで)()つて()(わか)るものか、043刹那心(せつなしん)だ。044取越(とりこし)苦労(くらう)をするに(およ)ばないぞ、045万々一(まんまんいち)先方(むかう)泥棒(どろばう)だつたら、046此方(こちら)率先(そつせん)して泥棒(どろばう)仮声(こわいろ)使(つか)ひ、047泥棒(どろばう)仲間(なかま)(まじ)つて、048彼奴(あいつ)()をうまく改心(かいしん)させるのだな。049木花姫(このはなひめの)(みこと)(さま)三十三(さんじふさん)(さう)()(げん)盗人(ぬすびと)改心(かいしん)させようと(おも)へば自分(じぶん)から盗人(ぬすびと)になつて、050一緒(いつしよ)(はたら)いて()て「オイ、051盗人(ぬすびと)()ふものは随分(ずゐぶん)世間(せけん)(せま)いものの(おそ)ろしいものだ。052()んな(つま)らない(こと)()めて天下(てんか)()れての正業(せいげふ)()かうぢやないか」と()つて、053盗人(ぬすびと)改心(かいしん)させなさると()ふことだ。054(さけ)()みを改心(かいしん)させるには、055自分(じぶん)一緒(いつしよ)(さけ)()み、056賭博打(ばくちうち)改心(かいしん)させるには自分(じぶん)賭博打(ばくちう)ちになつて、057さうして改心(かいしん)させるのが(かみ)(さま)()経綸(けいりん)だ。058吾々(われわれ)(ひと)先方(むかう)盗人(ぬすびと)だつたら、059此方(こちら)盗人(ぬすびと)()けて、060()曳合(ひきあ)うて仲間入(なかまい)りをなし、061さうして改心(かいしん)させれば()いのだ』
062国依別(くによりわけ)『なんぼ()うでも、063盗人(ぬすびと)だけは断然(だんぜん)()めたいなア』
064玉治別(たまはるわけ)『ナニ、065(こころ)から盗人(ぬすびと)になれと()ふのぢやない。066盗人(ぬすびと)()めさせるための手段(しゆだん)だから(かま)はぬぢやないか。067それが(くわん)自在天(じざいてん)身魂(みたま)(はたら)きだ。068万一(まんいつ)先方(むかう)盗人(ぬすびと)であつたら、069()玉治別(たまはるわけ)(おれ)盗賊(たうぞく)親方(おやかた)だと()つて威喝(ゐかつ)するのだから、070(まへ)(たち)(おれ)乾児(こぶん)()けて()るのだぞ。071さうして竜国別(たつくにわけ)とか、072国依別(くによりわけ)とか、073()んな道名(だうめい)(とな)へては先方(むかう)(さと)られるから、074此処(ここ)()(しばら)()へて竜公(たつこう)075国公(くにこう)076玉公(たまこう)親分(おやぶん)()くことにしよう。077先方(むかう)から「オイ旅人(たびびと)一寸(ちよつと)()つた、078持物(もちもの)一切(いつさい)(わた)して()かつせエ」なんて()はれてからは面白(おもしろ)くない。079(さき)んずれば(ひと)(せい)すだ。080泥棒(どろばう)見込(みこ)みがついたら、081(ひと)(おれ)(はう)から口火(くちび)をつけるのだ。082オイ竜公(たつこう)083国公(くにこう)084玉公(たまこう)親分(おやぶん)さんに()いて()い』
085竜国別(たつくにわけ)到頭(たうとう)宣伝使(せんでんし)泥棒(どろばう)乾児(こぶん)にして(しま)ひやがつたなア』
086国依別(くによりわけ)『エーこれも仕方(しかた)がない。087(くわん)自在天(じざいてん)()化身(けしん)になると(おも)へば、088辛抱(しんぼう)出来(でき)ぬことはない、089サア玉公(たまこう)親分(おやぶん)090(さき)()つて(くだ)さい』
091 玉治別(たまはるわけ)(さき)()大手(おほて)()(なが)ら、092五六(ごろく)(にん)(をとこ)車座(くるまざ)になつて(みち)(ふさ)いで()(まへ)(ちか)づき()れば、093(いま)()()つたらしい(をんな)衣服(いふく)(かたはら)()るに()()いた。094的切(てつき)此奴(こいつ)泥棒(どろばう)と、095玉治別(たまはるわけ)はわざと(おほ)きな(こゑ)で、
096玉治別(たまはるわけ)『オイ(たつ)097(くに)098(はや)()んかい。099彼処(あこ)五六(ごろく)(にん)(をとこ)()る。100彼奴(あいつ)着物(きもの)をフン(だく)つて真裸(まつぱだか)にしてやるのだ』
101(すす)んで()く。102五六(ごろく)(にん)泥棒(どろばう)(この)(こゑ)()いて(いづ)れも呆気(あつけ)にとられてゐる。
103玉治別(たまはるわけ)『コレヤ木端(こつぱ)泥棒(どろばう)104(おれ)(たれ)だと(おも)つて()るか。105三国(みくに)(だけ)鬼婆(おにばば)片腕(かたうで)(きこ)えたる大泥棒(おほどろばう)玉公(たまこう)親分(おやぶん)さんぢやぞ。106サア持物(もちもの)一切(いつさい)(この)(はう)にすつぱりと(わた)さばよし、107愚図(ぐづ)々々(ぐづ)(ぬか)すと何奴(どいつ)此奴(こいつ)一蓮(いちれん)托生(たくしやう)108素首(そつくび)引抜(ひきぬ)いて(しま)ふぞ』
109(かふ)(やかま)しう()ふない。110(おれ)だつて(おな)じことだ。111商売(しやうばい)(よし)みで、112(おれ)(たち)着物(きもの)だけは(こら)へて()れ』
113玉治別(たまはるわけ)(こら)へて()れとぬかしやア(はなし)次第(しだい)によつては(こら)へぬ(こと)()いが、114()うだ、115(いち)(まい)だけ(おれ)(わた)さないか。116大難(だいなん)小難(せうなん)にして(ゆる)してやるのだから』
117(おつ)『モシ親方(おやかた)118一寸(ちよつと)()つて(くだ)さい。119(いま)吾々(われわれ)集会(しふくわい)(いた)しまして、120ヌースー会社(ぐわいしや)創立(さうりつ)委員(ゐゐん)となり、121株式(かぶしき)募集(ぼしふ)協議(けふぎ)最中(さいちう)でございます。122貴方(あなた)もどうぞ沢山(どつさり)(かぶ)()つて(くだ)さい、123(しな)()つたら社長(しやちやう)さまに推薦(すいせん)するかも()れませぬから』
124玉治別(たまはるわけ)(おれ)(かぶ)()つてはやらうが、125一番(いちばん)親方(おやかた)だから株代(かぶだい)(はら)はないぞ。126優先株(いうせんかぶ)八百万(はつぴやくまん)(かぶ)ばかり(おれ)献上(けんじやう)(いた)せ。127さうすれば徹胴(てつどう)敷設(ふせつ)でも(なん)でも、128うまく認可(にんか)してやらう』
129(かふ)『そんな認可(にんか)をして(もら)つたつて、130()泥棒(どろばう)会社(ぐわいしや)(よう)()い。131徹胴(てつどう)刃過(にんか)鉄道(てつだう)認可(にんか))や無銭出(むせんで)()無線(むせん)電話(でんわ))や田紳(でんしん)電信(でんしん))の()かげで、132吾々(われわれ)商売(しやうばい)大変(たいへん)邪魔(じやま)になつて()るのだから、133そんなものは()らないわ』
134玉治別(たまはるわけ)貴様(きさま)矢張(やつぱり)狐鼠(こそ)盗人(ぬすと)だな。135通行人(つうかうにん)着物(きもの)(くらゐ)()がして(いぢ)めて(なん)になるかい。136モツト羽織(はおり)(はかま)()たり、137洋服(やうふく)をつけて立派(りつぱ)万年筆(まんねんひつ)(さき)で、138一遍(いつぺん)難渋万(なんじふまん)139難迫万(なんびやくまん)140難船万(なんぜんまん)()泥棒(どろばう)をせぬのかい。141徹胴(てつどう)敷設(ふせつ)をすればレールをかぢり、142道路(だうろ)開鑿(かいさく)すれば砂利(じやり)をかぢり、143軍艦(ぐんかん)(こしら)へては鋼鉄(かうてつ)をかぢり、144缶詰(くわんづめ)請負(うけお)うては(いし)詰込(つめこ)み、145()()立派(りつぱ)智慧(ちゑ)()してヌースー(しき)をやるのだ。146さうすれば(べつ)()んな山奥(やまおく)(かく)れて、147(ふる)うて()らないでも()いのだ、148白昼(はくちう)堂々(だうだう)大都会(だいとくわい)まん(なか)自動車(じどうしや)()ばし、149白首(しらくび)()せて天下(てんか)馬鹿者(ばかもの)どもを睥睨(へいげい)しつつ、150葉巻(はまき)(くゆ)らして(おほ)きな(つら)をしていけるのだぞ。151モウ()んな仕様(しやう)もない小盗人(こぬすと)()めて、152世界一(せかいいち)(たから)()()れる商売(しやうばい)()()へたら()うだい。153軍艦(ぐんかん)かぢりよりも、154レール()ひよりも、155砂利(じやり)()ひよりも何万倍(なんまんばい)とも()れぬ結構(けつこう)商売(しやうばい)があるのだぞ』
156(かふ)『エヽそんな商売(しやうばい)が、157親方(おやかた)何処(どこ)にありますか』
158玉治別(たまはるわけ)『あらいでかい。159(おれ)にまア二三(にさん)(にち)ついて(ある)いて()よ。160()うして(おれ)乞食(こじき)のやうな(ふう)()けて()るが、161(その)(じつ)立派(りつぱ)なものだぞ。162(いま)()(なか)(いへ)(かざ)り、163衣服(いふく)(かざ)り、164身体中(からだぢう)(きん)ピカに(やつ)して()(やつ)は、165(かへつ)内実(ないじつ)(くる)しいものだ。166(いへ)(なか)()(あめ)()つて()る。167(おれ)(たち)()うして表面(うはべ)(きたな)(ふう)をして()(かは)りに、168かかりものが沢山(やつと)はかからず、169大変(たいへん)気楽(きらく)で、170世界(せかい)(もの)()らぬ結構(けつこう)(たから)()()れて、171毎日(まいにち)日日(ひにち)(うれ)(うれ)しの(はな)()かして(たの)しんで()るのだ。172(ひと)貴様(きさま)(おれ)乾児(こぶん)になつたらどうだ。173随分(ずゐぶん)小盗人(こぬすと)(くる)しいものだらうが』
174(かふ)『お(さつ)しの(とほ)随分(ずゐぶん)(くる)しいものです。175(しか)し、176しようことなしに、177()んな商売(しやうばい)をやつて()るのです』
178(おつ)三国(みくに)(だけ)鬼婆(おにば)アさまは、179(なん)でも蜈蚣姫(むかでひめ)とか()うたさうですな。180蜈蚣(むかで)(せい)から(うま)れたのぢやありませぬか』
181玉治別(たまはるわけ)『なアに、182そんなことがあるものか、183随分(ずゐぶん)あの()アさまは(おれ)親方(おやかた)自慢(じまん)するぢやないが(えら)いものだよ。184世界中(せかいぢう)金銭(かね)自由(じいう)にして()るのだ。185それだからお(あし)(あし))が、186たんと()るので蜈蚣姫(むかでひめ)()ふのだよ』
187(へい)『アーそれで蜈蚣姫(むかでひめ)()ふのですか。188(なに)()つても金銭(かね)()(なか)ですから、189せめて蜈蚣姫(むかでひめ)乾児(こぶん)になりとして()しいものですな』
190玉治別(たまはるわけ)(おれ)蜈蚣姫(むかでひめ)代理(だいり)(つと)めて()玉公(たまこう)()ふものだ。191此処(ここ)二人(ふたり)192怪体(けたい)(つら)をして()()(やつ)は、193竜公(たつこう)194国公(くにこう)()つて、195随分(ずゐぶん)貴様(きさま)(やう)奴甲斐性(どがひしやう)()い、196(ちひ)さい小盗人(こぬすと)をチヨコチヨコやつて()つた(やつ)だが、197到頭(たうとう)往生(わうじやう)しよつて(おれ)乾児(こぶん)になつたのだ。198金銭(かね)よりも(なに)よりも、199モツトモツト立派(りつぱ)(たから)発見(はつけん)されたのだ。200それを(おれ)(たち)二人(ふたり)乾児(こぶん)()れて()りにゆくのだ、201それは立派(りつぱ)なものだぞ。202(むらさき)(たま)黄金(わうごん)(たま)だ』
203(おつ)『へーい、204それは立派(りつぱ)なものでせうなア』
205玉治別(たまはるわけ)『その(たま)さへあれば、206三千(さんぜん)世界(せかい)(こと)(なん)でも()でも、207自分(じぶん)(こころ)(まま)になるのだ。208貴様(きさま)(おれ)乾児(こぶん)にしてやるから、209()(とも)をしたらどうだい。210さうして()(なん)()ふか』
211(かふ)『ハイ(わたくし)遠州(ゑんしう)(まを)します、212それから此奴(こいつ)駿州(すんしう)213此奴(こいつ)甲州(かふしう)214武州(ぶしう)三州(さんしう)()ふものです。215モー一人(ひとり)(やつ)雲助(くもすけ)()がりだから雲州(うんしう)()()がつけてあるのです』
216玉治別(たまはるわけ)『さうか、217よし、218それでは小盗人(こぬすと)今日(けふ)(かぎ)()めるか、219()うだ』
220 遠州(ゑんしう)(はじ)一同(いちどう)は、
221一同『ヘイヘイ(たれ)()んな(ちひ)さい商売(しやうばい)を、222アタ(こは)い、223(いた)しますものか。224貴方(あなた)()(とも)(いた)しまして、225これから(その)(たま)()りに(まゐ)りませう』
226玉治別(たまはるわけ)『オイ此処(ここ)()竜州(たつしう)国州(くにしう)は、227貴様(きさま)()兄貴分(あにきぶん)だから、228よく()(こと)()かねばならぬぞ。229それも承知(しようち)か』
230遠州(ゑんしう)(わたくし)承知(しようち)(いた)しました。231一同(いちどう)(やつ)異議(いぎ)はありますまい』
232玉治別(たまはるわけ)『さうか、233それならよし。234今日(けふ)からこの玉州(たましう)さんの新乾児(しんこぶん)だ、235オイ竜州(たつしう)236国州(くにしう)237(おれ)(いま)(にはか)(はら)(いた)めずに、238これだけ(おほ)きな()()んだのだから、239貴様(きさま)(たち)子守役(こもりやく)になつて世話(せわ)をしてやつて()れよ』
240竜国別(たつくにわけ)『エー仕方(しかた)()い。241(くに)242()うするつもりだい』
243国依別(くによりわけ)『どうすると()つたところで、244()きつきばつたりだ。245まア()くとこ(まで)()つて(たま)掠奪(りやくだつ)した(うへ)のことだ。246オイオイ貴様(きさま)()(おれ)弟分(おとうとぶん)だ。247(おれ)(たち)二人(ふたり)()(こと)神妙(しんめう)()くのだぞ。248どんな(よう)があつても直接(ちよくせつ)に、249頭領(かしら)玉州(たましう)さんに(くち)()いちやならない。250この国州(くにしう)竜州(たつしう)相談(そうだん)をかけ、251指揮(しき)(あふ)ぐのだぞ』
252遠州(ゑんしう)『ハイ委細(ゐさい)承知(しようち)(いた)しました。253(しか)(なが)(わたくし)大親分(おほおやぶん)天州(てんしう)()(やつ)があります。254()天州(てんしう)(いま)三五教(あななひけう)本山(ほんざん)へ、255(なに)結構(けつこう)(たま)があるに(ちが)ひないといつて、256信者(しんじや)化込(ばけこ)んで這入(はい)つて()ります。257それは徳公(とくこう)()智慧(ちゑ)(ちから)立派(りつぱ)(そな)はつた大親分(おほおやぶん)です』
258玉治別(たまはるわけ)『ナニ、259あの徳公(とくこう)貴様(きさま)親分(おやぶん)()ふのか。260彼奴(あいつ)聖地(せいち)門掃(かどはき)をして()つた(やつ)ぢや。261あんな(やつ)親分(おやぶん)(あふ)貴様(きさま)だから()れたものだ。262(じつ)(ところ)(おれ)泥棒(どろばう)でも(なん)でもない、263三五教(あななひけう)(まこと)(ひと)つの(をしへ)宣伝(せんでん)する玉治別(たまはるわけ)のプロパガンデイストだ。264さうしてこの()二方(ふたかた)竜国別(たつくにわけ)265国依別(くによりわけ)()立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)だ。266サアこれから其方(そのはう)()が、267すつぱりと改心(かいしん)をして、268(まこと)(みち)復帰(たちかへ)るか、269さうでなければ、270(その)(はう)(たち)言霊(ことたま)発射(はつしや)して、271ビリツとも出来(でき)ないやうに、272()(ねん)でも(じふ)(ねん)でも(かた)めて()くがそれでもよいか』
273一同(いちどう)『エー貴方(あなた)は、274さうすると三国(みくに)(だけ)鬼婆(おにばば)乾児(こぶん)ではないのですか』
275玉治別(たまはるわけ)(きま)つた(こと)だよ。276(たれ)泥棒(どろばう)商売(しやうばい)のやうな、277世間(せけん)(せま)引合(ひきあ)はぬことをするものかい。278(おれ)(たち)(ひと)相手(あひて)にせず、279(てん)相手(あひて)にすると()ふ、280(じつ)武勇(ぶゆう)絶倫(ぜつりん)なる不世出(ふせいしゆつ)英雄(えいゆう)豪傑(がうけつ)だ』
281(かふ)泥棒(どろばう)親分(おやぶん)でさへ結構(けつこう)だと(おも)つてゐるのに、282三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)とは(おも)ひもよりませなんだ。283(しか)泥棒(どろばう)より幾千倍(いくせんばい)284イヤ(てん)()との差異(ちがひ)ある(かみ)(さま)()(みち)285どうぞ吾々(われわれ)可愛(かあい)がつて(すく)うて(くだ)さいませぬか』
286玉治別(たまはるわけ)『ヨシヨシ(すく)うてやる。287その(かは)りに吾々(われわれ)指揮(しき)命令(めいれい)盲従(もうじう)(つづ)けるのだよ』
288 (この)(とき)空中(くうちう)(すず)しき宣伝歌(せんでんか)(おも)はるる(きよく)(きこ)えて()た。
289三千(さんぜん)世界(せかい)(うめ)(はな)
290一度(いちど)(ひら)(とき)(きた)
291本霊(もとつみたま)(くも)らせし
292(あは)れな世人(よびと)(ことごと)
293(まこと)(かみ)御教(みをしへ)
294(すく)(とき)とは()りにけり
295この谷道(たにみち)(あら)はれし
296遠州(ゑんしう)武州(ぶしう)(はじ)めとし
297甲州(かふしう)三州(さんしう)(その)(ほか)
298曲津(まがつ)をことごと言向(ことむ)けて
299(かみ)(まこと)(のり)()
300いよいよ(われ)()(むつ)()
301(ちから)(あは)せて高春(たかはる)
302(やま)()()()(つく)
303アルプス(けう)司神(つかさがみ)
304鷹依姫(たかよりひめ)本城(ほんじやう)
305どつと()()如意(によい)宝珠(ほつしゆ)
306黄金(こがね)(たま)(むらさき)
307(たま)をマンマと()()れて
308三千(さんぜん)世界(せかい)(かみ)()
309立直(たてなほ)さむは()(あた)
310遠州(ゑんしう)駿州(すんしう)甲州(かふしう)武州(ぶしう)
311雲州(うんしう)三州(さんしう)諸共(もろとも)
312(きた)れや(きた)れいざ(きた)
313(てき)幾万(いくまん)あるとても
314(なん)(おそ)るることやある
315直日(なほひ)(つるぎ)()きつれて
316(むら)がる奴輩(やつばら)(ことごと)
317(かみ)(まこと)言霊(ことたま)
318縦横(じうわう)無尽(むじん)()めなやめ
319勝鬨(かちどき)()げて神界(しんかい)
320堅磐(かきは)常磐(ときは)御使(みつかひ)
321千代(ちよ)万代(よろづよ)()()げて
322()きぬ生命(いのち)何時(いつ)(まで)
323()かして(とほ)(かみ)(みち)
324朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
325(つき)()つとも()くるとも
326鷹依姫(たかよりひめ)()()てる
327宝珠(ほつしゆ)(たま)()(かへ)
328(この)()(すく)ひの(かみ)として
329(われ)()(とも)抜群(ばつぐん)
330功名(こうみやう)手柄(てがら)をしよぢやないか
331アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
332御霊(みたま)(さち)はひましませと
333
 
334さしもに(けは)しき山坂(やまさか)
335(さき)()つてぞ(すす)()
336(みづ)御霊(みたま)三柱(みはしら)
337()つの身魂(みたま)(くは)へつつ
338三五(さんご)(つき)()夜半(よなか)ごろ
339別院村(べつゐんむら)()()えて
340大槻並(おほつきなみ)能勢(のせ)(さと)
341()せて馳行(はせゆ)口車(くちぐるま)
342摂津(せつつ)(くに)多田(ただ)(さと)
343(なみ)(たた)へし津田(つだ)(うみ)
344(ほとり)にこそは()きにける
345
 
346()物語(ものがたり)(なが)けれど
347(ねむ)りの(かみ)(さそ)はれて
348(よこ)()(なが)()(くに)
349華胥(くわしよ)(くに)(すす)()
350アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
351御霊(みたま)(さち)はひましませと
352(あと)()(かへ)(なが)むれば
353外山(とやま)(かすみ)晴渡(はれわた)
354高春山(たかはるやま)(いただ)きに
355豊二(ゆたかに)()らす朝日影(あさひかげ)
356(あが)るを()つて()(つづ)
357いと(こま)やかに(つた)ふべし。
358大正一一・五・一六 旧四・二〇 外山豊二録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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