霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】霊界物語読者アンケート集計結果発表!(7/20)こちらのページです。
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第四章 砂利喰(じやりくひ)〔六七八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第21巻 如意宝珠 申の巻 篇:第1篇 千辛万苦 よみ:せんしんばんく
章:第4章 第21巻 よみ:じゃりくい 通し章番号:678
口述日:1922(大正11)年05月16日(旧04月20日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年4月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
三人は高熊山の岩窟に詣でて心を洗い魂を清め、進んでいった。戸隠岩の麓に着いて路傍の石に腰を掛けて休息を取った。
するとそこから一丁ばかり先に、五六人の怪しい男たちがたむろして、こちらを窺っている。玉治別は、盗人を改心させるには、盗人の中に入らなければならない、と二人に言う。
玉治別が玉公親分となりすまし、竜公・国公を子分として男たちのところへ行くと、自分は三国ヶ岳の鬼婆の片腕だと名乗った。盗人たちは、仲間に入ってくれと言うが、玉治別は、追いはぎなどは小さい盗人のすることだ、と言って、自分に付いて来るようにと男たちを誘う。
玉治別は、黄金の玉と紫の玉があれば三千世界のことが思いのままになる、その玉を取りに行くのだ、と言って盗人たちを自分の子分にしてしまった。
盗人たちが言うには、自分たちの頭がいて、今三五教の本山に、徳公と名乗って入り込んでいるのだ、と明かした。玉治別は、徳公なら知っているが、あの程度の者を頭に頂いているよりも、自分たち宣伝使にしたがった方がよいと、正体を明かして盗人たちを諭す。
盗人たちは玉治別の説得に、一も二もなく、神様の道に仕える事を誓った。このとき、宣伝歌の声が聞こえてきた。宣伝歌は、一行が高春山に乗り込んで活躍する様を歌っていた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm2104
愛善世界社版:80頁 八幡書店版:第4輯 294頁 修補版: 校定版:84頁 普及版:36頁 初版: ページ備考:
001梅照彦(うめてるひこ)朝夕(あさゆふ)
002(かみ)(をしへ)()(つた)
003(うづ)(やかた)(あと)にして
004ここに三人(みたり)宣伝使(せんでんし)
005玉照彦(たまてるひこ)()れませる
006高熊山(たかくまやま)巌窟(がんくつ)
007(こころ)(あら)(たま)(きよ)
008神国守(かみくにもり)(おく)られて
009来勿止館(くなどめやかた)門前(もんぜん)
010(いとま)()げてスタスタと
011(あし)(まか)せて(すす)()
012天狗(てんぐ)(いは)にて()(たか)
013境峠(さかひたうげ)打渡(うちわた)
014小幡(をばた)(かは)上流(じやうりう)
015(しり)(まく)つて対岸(むかふぎし)
016青野ケ原(あをのがはら)右左(みぎひだり)
017(なが)めて(すす)法貴谷(ほふきだに)
018戸隠岩(とがくしいは)(まへ)()く。
019 三人(さんにん)激湍飛沫(げきたんひまつ)(おと)(たか)谷川(たにがは)沿()へる、020樹木(じゆもく)鬱蒼(うつさう)たる谷道(たにみち)をエチエチ(のぼ)つて、021(やうや)戸隠岩(とがくしいは)(ふもと)()路傍(ろばう)(いは)(こし)打掛(うちか)け、022(いき)(やす)めてゐる。023其処(そこ)より一丁(いつちやう)(ばか)(はな)れた坂道(さかみち)五六人(ごろくにん)(あや)しき(をとこ)(かげ)024(なに)(しき)りに(ささや)いてゐる。
025玉治別(たまはるわけ)竜国別(たつくにわけ)026国依別(くによりわけ)兄貴(あにき)027(なん)だ、028(むか)ふの(はう)怪体(けつたい)(やつ)(ささや)いてゐるぢやないか。029()山道(やまみち)(なに)をして()るのだらうかな』
030国依別(くによりわけ)『あれは泥棒(どろばう)(むれ)だ。031往来(ゆきき)(ひと)衣類(いるゐ)持物(もちもの)を、032すつかり()がせる追剥(おひはぎ)商売(しやうばい)(あら)はれたのだよ。033最前(さいぜん)真裸体(まつぱだか)になつて(をんな)()きもつて(とほ)つただらう。034あれは屹度(きつと)(てき)さんにやられたのに(ちが)ひないぞ。035俺達(おれたち)()うして蓑笠(みのかさ)()(ある)いて()るものだから、036()(をんな)吾々(われわれ)同類(どうるゐ)()よつたか、037(こは)さうにキヤーと()つて一目散(いちもくさん)()げたぢやないか』
038竜国別(たつくにわけ)『それに間違(まちが)ひは()い。039吾々(われわれ)屹度(きつと)()がされるのだな。040(ひと)此処(ここ)(なん)とか(かんが)へねばなるまいぞ』
041玉治別(たまはるわけ)『なアに、042()くとこ(まで)()つて()(わか)るものか、043刹那心(せつなしん)だ。044取越苦労(とりこしくらう)をするに(およ)ばないぞ、045万々一(まんまんいち)先方(むかう)泥棒(どろばう)だつたら、046此方(こちら)率先(そつせん)して泥棒(どろばう)仮声(こわいろ)使(つか)ひ、047泥棒(どろばう)仲間(なかま)(まじ)つて、048彼奴等(あいつら)をうまく改心(かいしん)させるのだな。049木花姫命(このはなひめのみこと)(さま)三十三相(さんじふさんさう)()(げん)盗人(ぬすびと)改心(かいしん)させようと(おも)へば自分(じぶん)から盗人(ぬすびと)になつて、050一緒(いつしよ)(はたら)いて()て「オイ、051盗人(ぬすびと)()ふものは随分(ずゐぶん)世間(せけん)(せま)いものの(おそ)ろしいものだ。052()んな(つま)らない(こと)()めて天下(てんか)()れての正業(せいげふ)()かうぢやないか」と()つて、053盗人(ぬすびと)改心(かいしん)させなさると()ふことだ。054(さけ)()みを改心(かいしん)させるには、055自分(じぶん)一緒(いつしよ)(さけ)()み、056賭博打(ばくちうち)改心(かいしん)させるには自分(じぶん)賭博打(ばくちう)ちになつて、057さうして改心(かいしん)させるのが神様(かみさま)御経綸(ごけいりん)だ。058吾々(われわれ)(ひと)先方(むかう)盗人(ぬすびと)だつたら、059此方(こちら)盗人(ぬすびと)()けて、060()曳合(ひきあ)うて仲間入(なかまい)りをなし、061さうして改心(かいしん)させれば()いのだ』
062国依別(くによりわけ)『なんぼ()うでも、063盗人(ぬすびと)だけは断然(だんぜん)()めたいなア』
064玉治別(たまはるわけ)『ナニ、065(こころ)から盗人(ぬすびと)になれと()ふのぢやない。066盗人(ぬすびと)()めさせるための手段(しゆだん)だから(かま)はぬぢやないか。067それが観自在天(くわんじざいてん)身魂(みたま)(はたら)きだ。068万一(まんいつ)先方(むかう)盗人(ぬすびと)であつたら、069()玉治別(たまはるわけ)(おれ)盗賊(たうぞく)親方(おやかた)だと()つて威喝(ゐかつ)するのだから、070前達(まへたち)(おれ)乾児(こぶん)()けて()るのだぞ。071さうして竜国別(たつくにわけ)とか、072国依別(くによりわけ)とか、073()んな道名(だうめい)(とな)へては先方(むかう)(さと)られるから、074此処(ここ)()(しばら)()へて竜公(たつこう)075国公(くにこう)076玉公(たまこう)親分(おやぶん)()くことにしよう。077先方(むかう)から「オイ旅人(たびびと)一寸(ちよつと)()つた、078持物(もちもの)一切(いつさい)(わた)して()かつせエ」なんて()はれてからは面白(おもしろ)くない。079(さき)んずれば(ひと)(せい)すだ。080泥棒(どろばう)見込(みこ)みがついたら、081(ひと)(おれ)(はう)から口火(くちび)をつけるのだ。082オイ竜公(たつこう)083国公(くにこう)084玉公(たまこう)親分(おやぶん)さんに()いて()い』
085竜国別(たつくにわけ)到頭(たうとう)宣伝使(せんでんし)泥棒(どろばう)乾児(こぶん)にして(しま)ひやがつたなア』
086国依別(くによりわけ)『エーこれも仕方(しかた)がない。087観自在天(くわんじざいてん)御化身(ごけしん)になると(おも)へば、088辛抱(しんぼう)出来(でき)ぬことはない、089サア玉公(たまこう)親分(おやぶん)090(さき)()つて(くだ)さい』
091 玉治別(たまはるわけ)(さき)()大手(おほて)()(なが)ら、092五六人(ごろくにん)(をとこ)車座(くるまざ)になつて(みち)(ふさ)いで()(まへ)(ちか)づき()れば、093(いま)()()つたらしい(をんな)衣服(いふく)(かたはら)()るに()()いた。094的切(てつき)此奴(こいつ)泥棒(どろばう)と、095玉治別(たまはるわけ)はわざと(おほ)きな(こゑ)で、
096玉治別(たまはるわけ)『オイ(たつ)097(くに)098(はや)()んかい。099彼処(あこ)五六人(ごろくにん)(をとこ)()る。100彼奴(あいつ)着物(きもの)をフン(だく)つて真裸(まつぱだか)にしてやるのだ』
101(すす)んで()く。102五六人(ごろくにん)泥棒(どろばう)(この)(こゑ)()いて(いづ)れも呆気(あつけ)にとられてゐる。
103玉治別(たまはるわけ)『コレヤ木端(こつぱ)泥棒(どろばう)104(おれ)(たれ)だと(おも)つて()るか。105三国ケ岳(みくにがだけ)鬼婆(おにばば)片腕(かたうで)(きこ)えたる大泥棒(おほどろばう)玉公(たまこう)親分(おやぶん)さんぢやぞ。106サア持物(もちもの)一切(いつさい)(この)(はう)にすつぱりと(わた)さばよし、107愚図々々(ぐづぐづ)(ぬか)すと何奴(どいつ)此奴(こいつ)一蓮托生(いちれんたくしやう)108素首(そつくび)引抜(ひきぬ)いて(しま)ふぞ』
109(かふ)(やかま)しう()ふない。110(おれ)だつて(おな)じことだ。111商売(しやうばい)(よし)みで、112俺達(おれたち)着物(きもの)だけは(こら)へて()れ』
113玉治別(たまはるわけ)(こら)へて()れとぬかしやア(はなし)次第(しだい)によつては(こら)へぬ(こと)()いが、114()うだ、115一枚(いちまい)だけ(おれ)(わた)さないか。116大難(だいなん)小難(せうなん)にして(ゆる)してやるのだから』
117(おつ)『モシ親方(おやかた)118一寸(ちよつと)()つて(くだ)さい。119(いま)吾々(われわれ)集会(しふくわい)(いた)しまして、120ヌースー会社(ぐわいしや)創立(さうりつ)委員(ゐゐん)となり、121株式(かぶしき)募集(ぼしふ)協議(けふぎ)最中(さいちう)でございます。122貴方(あなた)もどうぞ沢山(どつさり)(かぶ)()つて(くだ)さい、123(しな)()つたら社長(しやちやう)さまに推薦(すいせん)するかも()れませぬから』
124玉治別(たまはるわけ)(おれ)(かぶ)()つてはやらうが、125一番(いちばん)親方(おやかた)だから株代(かぶだい)(はら)はないぞ。126優先株(いうせんかぶ)八百万株(はつぴやくまんかぶ)ばかり(おれ)献上(けんじやう)(いた)せ。127さうすれば徹胴(てつどう)敷設(ふせつ)でも(なん)でも、128うまく認可(にんか)してやらう』
129(かふ)『そんな認可(にんか)をして(もら)つたつて、130()泥棒(どろばう)会社(ぐわいしや)(よう)()い。131徹胴(てつどう)刃過(にんか)鉄道(てつだう)認可(にんか))や無銭出(むせんで)()無線電話(むせんでんわ))や田紳(でんしん)電信(でんしん))の()かげで、132吾々(われわれ)商売(しやうばい)大変(たいへん)邪魔(じやま)になつて()るのだから、133そんなものは()らないわ』
134玉治別(たまはるわけ)貴様(きさま)矢張(やつぱり)狐鼠盗人(こそぬすと)だな。135通行人(つうかうにん)着物(きもの)(くらゐ)()がして(いぢ)めて(なん)になるかい。136モツト羽織袴(はおりはかま)()たり、137洋服(やうふく)をつけて立派(りつぱ)万年筆(まんねんひつ)(さき)で、138一遍(いつぺん)難渋万(なんじふまん)139難迫万(なんびやくまん)140難船万(なんぜんまん)()泥棒(どろばう)をせぬのかい。141徹胴(てつどう)敷設(ふせつ)をすればレールをかぢり、142道路(だうろ)開鑿(かいさく)すれば砂利(じやり)をかぢり、143軍艦(ぐんかん)(こしら)へては鋼鉄(かうてつ)をかぢり、144缶詰(くわんづめ)請負(うけお)うては(いし)詰込(つめこ)み、145()()立派(りつぱ)智慧(ちゑ)()してヌースー(しき)をやるのだ。146さうすれば(べつ)()んな山奥(やまおく)(かく)れて、147(ふる)うて()らないでも()いのだ、148白昼(はくちう)堂々(だうだう)大都会(だいとくわい)まん(なか)自動車(じどうしや)()ばし、149白首(しらくび)()せて天下(てんか)馬鹿者(ばかもの)どもを睥睨(へいげい)しつつ、150葉巻(はまき)(くゆ)らして(おほ)きな(つら)をしていけるのだぞ。151モウ()んな仕様(しやう)もない小盗人(こぬすと)()めて、152世界一(せかいいち)(たから)()()れる商売(しやうばい)()()へたら()うだい。153軍艦(ぐんかん)かぢりよりも、154レール()ひよりも、155砂利(じやり)()ひよりも何万倍(なんまんばい)とも()れぬ結構(けつこう)商売(しやうばい)があるのだぞ』
156(かふ)『エヽそんな商売(しやうばい)が、157親方(おやかた)何処(どこ)にありますか』
158玉治別(たまはるわけ)『あらいでかい。159(おれ)にまア二三日(にさんにち)ついて(ある)いて()よ。160()うして(おれ)乞食(こじき)のやうな(ふう)()けて()るが、161(その)(じつ)立派(りつぱ)なものだぞ。162(いま)()(なか)(いへ)(かざ)り、163衣服(いふく)(かざ)り、164身体中(からだぢう)(きん)ピカに(やつ)して()(やつ)は、165(かへつ)内実(ないじつ)(くる)しいものだ。166(いへ)(なか)()(あめ)()つて()る。167俺達(おれたち)()うして表面(うはべ)(きたな)(ふう)をして()(かは)りに、168かかりものが沢山(やつと)はかからず、169大変(たいへん)気楽(きらく)で、170世界(せかい)(もの)()らぬ結構(けつこう)(たから)()()れて、171毎日(まいにち)日日(ひにち)(うれ)(うれ)しの(はな)()かして(たの)しんで()るのだ。172(ひと)貴様(きさま)(おれ)乾児(こぶん)になつたらどうだ。173随分(ずゐぶん)小盗人(こぬすと)(くる)しいものだらうが』
174(かふ)『お(さつ)しの(とほ)随分(ずゐぶん)(くる)しいものです。175(しか)し、176しようことなしに、177()んな商売(しやうばい)をやつて()るのです』
178(おつ)三国ケ嶽(みくにがだけ)鬼婆(おにば)アさまは、179(なん)でも蜈蚣姫(むかでひめ)とか()うたさうですな。180蜈蚣(むかで)(せい)から(うま)れたのぢやありませぬか』
181玉治別(たまはるわけ)『なアに、182そんなことがあるものか、183随分(ずゐぶん)あの()アさまは(おれ)親方(おやかた)自慢(じまん)するぢやないが(えら)いものだよ。184世界中(せかいぢう)金銭(かね)自由(じいう)にして()るのだ。185それだからお(あし)(あし))が、186たんと()るので蜈蚣姫(むかでひめ)()ふのだよ』
187(へい)『アーそれで蜈蚣姫(むかでひめ)()ふのですか。188(なに)()つても金銭(かね)()(なか)ですから、189せめて蜈蚣姫(むかでひめ)乾児(こぶん)になりとして()しいものですな』
190玉治別(たまはるわけ)(おれ)蜈蚣姫(むかでひめ)代理(だいり)(つと)めて()玉公(たまこう)()ふものだ。191此処(ここ)二人(ふたり)192怪体(けたい)(つら)をして()()(やつ)は、193竜公(たつこう)194国公(くにこう)()つて、195随分(ずゐぶん)貴様(きさま)(やう)奴甲斐性(どがひしやう)()い、196(ちひ)さい小盗人(こぬすと)をチヨコチヨコやつて()つた(やつ)だが、197到頭(たうとう)往生(わうじやう)しよつて(おれ)乾児(こぶん)になつたのだ。198金銭(かね)よりも(なに)よりも、199モツトモツト立派(りつぱ)(たから)発見(はつけん)されたのだ。200それを俺達(おれたち)二人(ふたり)乾児(こぶん)()れて()りにゆくのだ、201それは立派(りつぱ)なものだぞ。202(むらさき)(たま)黄金(わうごん)(たま)だ』
203(おつ)『へーい、204それは立派(りつぱ)なものでせうなア』
205玉治別(たまはるわけ)『その(たま)さへあれば、206三千世界(さんぜんせかい)(こと)(なん)でも()でも、207自分(じぶん)(こころ)(まま)になるのだ。208貴様(きさま)(おれ)乾児(こぶん)にしてやるから、209御供(おとも)をしたらどうだい。210さうして()(なん)()ふか』
211(かふ)『ハイ(わたくし)遠州(ゑんしう)(まを)します、212それから此奴(こいつ)駿州(すんしう)213此奴(こいつ)甲州(かふしう)214武州(ぶしう)三州(さんしう)()ふものです。215モー一人(ひとり)(やつ)雲助(くもすけ)()がりだから雲州(うんしう)()()がつけてあるのです』
216玉治別(たまはるわけ)『さうか、217よし、218それでは小盗人(こぬすと)今日(けふ)(かぎ)()めるか、219()うだ』
220 遠州(ゑんしう)(はじ)一同(いちどう)は、
221『ヘイヘイ(たれ)()んな(ちひ)さい商売(しやうばい)を、222アタ(こは)い、223(いた)しますものか。224貴方(あなた)御供(おとも)(いた)しまして、225これから(その)(たま)()りに(まゐ)りませう』
226玉治別(たまはるわけ)『オイ此処(ここ)()竜州(たつしう)国州(くにしう)は、227貴様等(きさまら)兄貴分(あにきぶん)だから、228よく()(こと)()かねばならぬぞ。229それも承知(しようち)か』
230遠州(ゑんしう)(わたくし)承知(しようち)(いた)しました。231一同(いちどう)(やつ)異議(いぎ)はありますまい』
232玉治別(たまはるわけ)『さうか、233それならよし。234今日(けふ)からこの玉州(たましう)さんの新乾児(しんこぶん)だ、235オイ竜州(たつしう)236国州(くにしう)237(おれ)(いま)(にはか)(はら)(いた)めずに、238これだけ(おほ)きな()()んだのだから、239貴様(きさま)(たち)子守役(こもりやく)になつて世話(せわ)をしてやつて()れよ』
240竜国別(たつくにわけ)『エー仕方(しかた)()い。241(くに)242()うするつもりだい』
243国依別(くによりわけ)『どうすると()つたところで、244()きつきばつたりだ。245まア()くとこ(まで)()つて(たま)掠奪(りやくだつ)した(うへ)のことだ。246オイオイ貴様等(きさまら)(おれ)弟分(おとうとぶん)だ。247俺達(おれたち)二人(ふたり)()(こと)神妙(しんめう)()くのだぞ。248どんな(よう)があつても直接(ちよくせつ)に、249頭領(かしら)玉州(たましう)さんに(くち)()いちやならない。250この国州(くにしう)竜州(たつしう)相談(そうだん)をかけ、251指揮(しき)(あふ)ぐのだぞ』
252遠州(ゑんしう)『ハイ委細(ゐさい)承知(しようち)(いた)しました。253(しか)(なが)(わたくし)大親分(おほおやぶん)天州(てんしう)()(やつ)があります。254()天州(てんしう)(いま)三五教(あななひけう)本山(ほんざん)へ、255(なに)結構(けつこう)(たま)があるに(ちが)ひないといつて、256信者(しんじや)化込(ばけこ)んで這入(はい)つて()ります。257それは徳公(とくこう)()智慧(ちゑ)(ちから)立派(りつぱ)(そな)はつた大親分(おほおやぶん)です』
258玉治別(たまはるわけ)『ナニ、259あの徳公(とくこう)貴様(きさま)親分(おやぶん)()ふのか。260彼奴(あいつ)聖地(せいち)門掃(かどはき)をして()つた(やつ)ぢや。261あんな(やつ)親分(おやぶん)(あふ)貴様(きさま)だから()れたものだ。262(じつ)(ところ)(おれ)泥棒(どろばう)でも(なん)でもない、263三五教(あななひけう)(まこと)(ひと)つの(をしへ)宣伝(せんでん)する玉治別(たまはるわけ)のプロパガンデイストだ。264さうしてこの御二方(おふたかた)竜国別(たつくにわけ)265国依別(くによりわけ)()立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)だ。266サアこれから其方等(そのはうら)が、267すつぱりと改心(かいしん)をして、268(まこと)(みち)復帰(たちかへ)るか、269さうでなければ、270(その)(はう)(たち)言霊(ことたま)発射(はつしや)して、271ビリツとも出来(でき)ないやうに、272五年(ごねん)でも十年(じふねん)でも(かた)めて()くがそれでもよいか』
273一同(いちどう)『エー貴方(あなた)は、274さうすると三国ケ嶽(みくにがだけ)鬼婆(おにばば)乾児(こぶん)ではないのですか』
275玉治別(たまはるわけ)(きま)つた(こと)だよ。276(たれ)泥棒(どろばう)商売(しやうばい)のやうな、277世間(せけん)(せま)引合(ひきあ)はぬことをするものかい。278俺達(おれたち)(ひと)相手(あひて)にせず、279(てん)相手(あひて)にすると()ふ、280(じつ)武勇絶倫(ぶゆうぜつりん)なる不世出(ふせいしゆつ)英雄(えいゆう)豪傑(がうけつ)だ』
281(かふ)泥棒(どろばう)親分(おやぶん)でさへ結構(けつこう)だと(おも)つてゐるのに、282三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)とは(おも)ひもよりませなんだ。283(しか)泥棒(どろばう)より幾千倍(いくせんばい)284イヤ(てん)()との差異(ちがひ)ある神様(かみさま)御道(おみち)285どうぞ吾々(われわれ)可愛(かあい)がつて(すく)うて(くだ)さいませぬか』
286玉治別(たまはるわけ)『ヨシヨシ(すく)うてやる。287その(かは)りに吾々(われわれ)指揮(しき)命令(めいれい)盲従(もうじう)(つづ)けるのだよ』
288 (この)(とき)空中(くうちう)(すず)しき宣伝歌(せんでんか)(おも)はるる(きよく)(きこ)えて()た。
289三千世界(さんぜんせかい)(うめ)(はな)
290一度(いちど)(ひら)(とき)(きた)
291本霊(もとつみたま)(くも)らせし
292(あは)れな世人(よびと)(ことごと)
293(まこと)(かみ)御教(みをしへ)
294(すく)(とき)とは()りにけり
295この谷道(たにみち)(あら)はれし
296遠州(ゑんしう)武州(ぶしう)(はじ)めとし
297甲州(かふしう)三州(さんしう)(その)(ほか)
298曲津(まがつ)をことごと言向(ことむ)けて
299(かみ)(まこと)(のり)()
300いよいよ吾等(われら)(むつ)()
301(ちから)(あは)せて高春(たかはる)
302(やま)()()()(つく)
303アルプス(けう)司神(つかさがみ)
304鷹依姫(たかよりひめ)本城(ほんじやう)
305どつと()()如意宝珠(によいほつしゆ)
306黄金(こがね)(たま)(むらさき)
307(たま)をマンマと()()れて
308三千世界(さんぜんせかい)(かみ)()
309立直(たてなほ)さむは()(あた)
310遠州(ゑんしう)駿州(すんしう)甲州(かふしう)武州(ぶしう)
311雲州(うんしう)三州(さんしう)諸共(もろとも)
312(きた)れや(きた)れいざ(きた)
313(てき)幾万(いくまん)あるとても
314(なん)(おそ)るることやある
315直日(なほひ)(つるぎ)()きつれて
316(むら)がる奴輩(やつばら)(ことごと)
317(かみ)(まこと)言霊(ことたま)
318縦横無尽(じうわうむじん)()めなやめ
319勝鬨(かちどき)()げて神界(しんかい)
320堅磐常磐(かきはときは)御使(みつかひ)
321千代(ちよ)万代(よろづよ)()()げて
322()きぬ生命(いのち)何時(いつ)(まで)
323()かして(とほ)(かみ)(みち)
324朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
325(つき)()つとも()くるとも
326鷹依姫(たかよりひめ)()()てる
327宝珠(ほつしゆ)(たま)()(かへ)
328(この)()(すく)ひの(かみ)として
329吾等(われら)(とも)抜群(ばつぐん)
330功名(こうみやう)手柄(てがら)をしよぢやないか
331アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
332御霊(みたま)(さち)はひましませと
333
 
334さしもに(けは)しき山坂(やまさか)
335(さき)()つてぞ(すす)()
336(みづ)御霊(みたま)三柱(みはしら)
337()つの身魂(みたま)(くは)へつつ
338三五(さんご)(つき)()夜半(よなか)ごろ
339別院村(べつゐんむら)()()えて
340大槻並(おほつきなみ)能勢(のせ)(さと)
341()せて馳行(はせゆ)口車(くちぐるま)
342摂津(せつつ)(くに)多田(ただ)(さと)
343(なみ)(たた)へし津田(つだ)(うみ)
344(ほとり)にこそは()きにける
345
 
346()物語(ものがたり)(なが)けれど
347(ねむ)りの(かみ)(さそ)はれて
348(よこ)()(なが)()(くに)
349華胥(くわしよ)(くに)(すす)()
350アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
351御霊(みたま)(さち)はひましませと
352(あと)()(かへ)(なが)むれば
353外山(とやま)(かすみ)晴渡(はれわた)
354高春山(たかはるやま)(いただ)きに
355豊二(ゆたかに)()らす朝日影(あさひかげ)
356(あが)るを()つて()(つづ)
357いと(こま)やかに(つた)ふべし。
358大正一一・五・一六 旧四・二〇 外山豊二録)
   
逆リンク[?]このページにリンクを張っている外部サイトを自動的に探して表示します。ブログの場合、トップページやカテゴリページは無視されます。エントリーのページだけです。該当ページからすでにリンクが削除されている場合もありますが、反映されるのに数週間かかります。[×閉じる]逆リンク集はこちら