霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一七章 (さけ)(いき)〔六九一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第21巻 如意宝珠 申の巻 篇:第4篇 反復無常 よみ:はんぷくむじょう
章:第17章 第21巻 よみ:さけのいき 通し章番号:691
口述日:1922(大正11)年05月21日(旧04月25日) 口述場所: 筆録者:谷村真友 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年4月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
アルプス教の本山・高春山では鷹依姫が、力と頼む臣下のテーリスタンとカーリンスに説教をしていた。二人が酒におぼれて酔っ払っているのを咎めていたのである。
しかしテーリスタンとカーリンスは酔って鷹依姫の小言をまぜっかえしている。そこへお初がつかつかと入ってきて、テーリスタンとカーリンスのお酌をすると申し出た。
お初は、父の杢助が雨の森までやってきて、アルプス教をやっつけようとしていることを話した。テーリスタンとカーリンスは、杢助の子分になった方がいいと思い直し、酔ったまま鷹依姫にあからさまに反抗しだした。
鷹依姫は自分に忠誠を誓ったことを持ち出して、テーリスタンとカーリンスを非難する。すると二人は、拳を固めて鷹依姫に殴りかかろうとした。
お初は鷹依姫に対して、悪い奴を信用したものだ、と同情する。テーリスタンとカーリンスは聞きとがめてお初に言い訳をするが、お初は、自分は子供だから思ったことを口にするのだ、と言う。
テーリスタンとカーリンスは、杢助に取り入ろうとお初に胡麻をする。そして、杢助がやってくる前に、高姫と黒姫を岩戸から救出しておこうと相談し、テーリスタンが鷹依姫を見張り、カーリンスは岩窟に向かって走っていった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm2117
愛善世界社版:277頁 八幡書店版:第4輯 366頁 修補版: 校定版:286頁 普及版:125頁 初版: ページ備考:
001 アルプス(けう)仮本山(かりほんざん)(きこ)えたる、002高春山(たかはるやま)山巓(さんてん)岩窟(がんくつ)数多(あまた)部下(ぶか)(あつ)めて、003大自在天(だいじざいてん)大国別命(おほくにわけのみこと)神業(しんげふ)恢興(くわいこう)せむと、004捻鉢巻(ねぢはちまき)大車輪(だいしやりん)005心胆(しんたん)()つて(とき)()()るアルプス(けう)教主(けうしゆ)鷹依姫(たかよりひめ)は、006(ひたひ)小皺(こじわ)()(なが)ら、007長煙管(ながきせる)をポンとはたき、008股肱(ここう)(しん)なるテーリスタン、009カーリンスの二人(ふたり)(ひざ)(ちか)(まね)き、010口角泡(こうかくあわ)をにじませ(なが)ら、
011『これテーリスタン、012カーリンスの二人(ふたり)013(まへ)()加減(かげん)(さけ)をやめたらどうだえ。014どうやら大切(たいせつ)なアルプス(けう)秘密(ひみつ)書類(しよるゐ)紛失(ふんしつ)してから、015(まは)(まは)りて三五教(あななひけう)()(はい)つて()(やう)(かん)じがして仕方(しかた)がない。016何程(なにほど)要害(えうがい)堅固(けんご)(かた)めて()つても、017あの地図(ちづ)()られたが最後(さいご)018(この)本山(ほんざん)没落(ぼつらく)するより仕方(しかた)がない。019こんな危険(きけん)場合(ばあひ)何時迄(いつまで)(さけ)ばかり()んで、020(くだ)()いて()(とき)ぢやありますまい。021チツトしつかりして(くだ)さらぬと(この)(しろ)維持(もち)ませぬぞえ』
022 テーリスタンはヅブ(ろく)()ひ、023()(じた)になつて、
024『そんな(こと)抜目(ぬけめ)のある(やう)なテーリスタンとは、025ヘン、026チツト(ちが)ひますワイ。027あんまり天下(てんか)勇士(ゆうし)(やす)()つて(くだ)さるまいかい。028(わたし)()()ひが御座(ござ)らぬワ、029なア、030カーリンス』
031『オーさうともさうとも、032年老(としよ)りの冷水(ひやみづ)()つてナ、033冷水(ひやみづ)をあびせ()けられると、034折角(せつかく)()うた(さけ)までが()めて(しま)ふワ。035俺達(おれたち)(さけ)()むのは()うて(くだ)()き、036浩然(かうぜん)()(やしな)(ため)だ。037(この)きつい山坂(やまさか)()何回(なんくわい)となく、038(のぼ)つたり(くだ)つたり(たま)つたものぢやない。039(たまたま)高姫(たかひめ)()つて()飛行船(ひかうせん)占領(せんりやう)し、040ブウブウとやつたと(おも)へば深霧(ふかぎり)(ため)方向(はうかう)(うしな)ひ、041大谷山(おほたにやま)(よこ)(つら)()()けて()つて(しま)ひ、042(その)(とき)にアタ怪体(けつたい)(わる)い、043大切(たいせつ)(ひじ)()り、044(やうや)(いま)(もと)のものになりかけた(ところ)だ。045それでも時々(ときどき)(もの)()ひよつて、046(つめ)たい(あさ)になるとヅキヅキと(いた)むのだ。047これ(だけ)(いのち)(まと)にアルプス(けう)()めに活動(くわつどう)して()るのだ。048(さけ)一杯(いつぱい)二杯(にはい)()んだつて、049それがナナ(なん)だい。050鷹依姫(たかよりひめ)御大将(おんたいしやう)051(ひと)(かしら)()らうと(おも)へば、052マチツト(おほ)きな(こころ)にならつしやい。053イチヤイチヤ()ふと(たれ)(かれ)愛想(あいさう)()かして、054()げて(しま)ふぢやないか、055ナア、056テーリスタン』
057『お前達(まへたち)はそれだから(さけ)()ますと(こま)るのよ。058(さけ)(くらゐ)はチツトも(をし)くはないが、059(あと)八釜敷(やかまし)いので(こま)ると()ふのだ。060(いま)にも三五教(あななひけう)(くび)突込(つつこ)んだとか()ふ、061豪傑(がうけつ)杢助(もくすけ)でもやつて()たら、062それこそ大変(たいへん)ぢやないか』
063(なに)064そんな心配(しんぱい)がいりますか。065それは老婆心(らうばしん)()ふものだ。066まだ大将(たいしやう)中婆(ちうばあ)さんだから、067中婆心(ちうばしん)(くらゐ)(ところ)()めて()いて()れるといいのだけれど、068(あんま)深案(ふかあん)じをなさるから、069(かへ)つて計画(けいくわく)齟齬(そご)(きた)し、070(いすか)(はし)(ほど)することなす(こと)食違(くひちが)ふのだ。071杢助(もくすけ)だらうが雲助(くもすけ)だらうが、072あんなものが五打(ごダース)十打(じふダース)(たば)になつて()たつて(なに)(こは)いのだ。073そんな(こと)天下万民(てんかばんみん)をバラモン教乃至(ないし)アルプス(けう)へ、074入信(にふしん)させて(すく)(こと)出来(でき)るものか』
075『お前達(まへたち)今日(けふ)にかぎつて、076何時(いつ)もの謹厳(きんげん)にも()ず、077教主(けうしゆ)(わし)に、078反抗的(はんかうてき)態度(たいど)をとるのかい』
079(べつ)反抗(はんかう)服従(ふくじゆう)もありませぬワイ。080(こころ)(ほつ)する(まま)(さけ)()はせて()るのだ。081辛抱(しんばう)して()(さけ)()ふのぢや女房(にようばう)(ども)」と()冠句(くわんく)何処(どこ)やらで()いた(こと)がある。082(けつ)して肉体(にくたい)()つて()るのぢやありませぬよ。083(さけ)()ふのですから(さけ)(しか)つて(くだ)さい。084(さけ)()ふものは()いもの……(わる)う……ヤツパリないものだ。085アヽ、086サーサ()いたり()いたり、087瓢箪(へうたん)(ばか)りが()(もの)か、088俺達(おれ)(こころ)浮物(うきもの)だ。089(さん)ぷん五厘(ごりん)浮世(うきよ)(くら)し、090浮世(うきよ)トンボの楽天主義(らくてんしゆぎ)091これでなければ人間(にんげん)長命(ながいき)出来(でき)ないなア。092()アさま、093そんな小六ケ敷(こむつかし)(かほ)をせずと、094チツトはお(まへ)さまも(さけ)でも()んで、095雪隠(せんち)洪水(こうずゐ)では()いが糞浮(ばばうき)になつて()たらどうだいなア』
096 鷹依姫(たかよりひめ)(つら)(ふく)らし、097一生懸命(いつしやうけんめい)二人(ふたり)()()けて、
098『お前達(まへたち)二人(ふたり)(この)大勢(おほぜい)団体(だんたい)を、099統率(とうそつ)して()かねばならぬ役目(やくめ)でありながら、100(なん)といふ不心得(ふこころえ)(こと)だえ。101前達(まへたち)はアルプス(けう)教主(けうしゆ)軽蔑(けいべつ)するのかナ』
102『どうでバラモン(けう)脱走組(だつそうぐみ)だから、103支店(してん)()(うり)(あるひ)意匠登録権(いしやうとうろくけん)侵害教(しんがいけう)だ、104何処(どこ)尊敬(そんけい)する価値(かち)がありますかい。105今迄(いままで)(ねこ)(かぶ)つて()つたが、106肝腎(かんじん)(むらさき)(たま)高姫(たかひめ)()んでしまはれ、107黒姫(くろひめ)高姫(たかひめ)中々(なかなか)(がう)のものだから、108(はり)(あな)からでも、109()ようと(おも)へば()るといふ魔力(まりよく)のある(やつ)だ。110彼奴(あいつ)がアーして神妙(しんめう)百日(ひやくにち)(もの)()はずに平然(へいぜん)として()るのは、111(なに)(こころ)(たの)(ところ)があるからだ。112愚図々々(ぐづぐづ)して()ると(この)(やかた)三方(さんぱう)から三五教(あななひけう)攻撃(こうげき)せられ、113(かに)手足(てあし)をもいだ(やう)な、114身動(みうご)きもならぬ憂目(うきめ)()ふのは目睫(もくせふ)(あひだ)(せま)つて()る。115エーもう雪隠(せんち)火事(くわじ)だ。116焼糞(やけくそ)だ。117(まへ)(やう)(ばば)相手(あひて)になつて()つても(すゑ)見込(みこみ)がない。118サア(おこ)るなら(おこ)つて()よ。119棺桶(くわんをけ)片足(かたあし)突込(つつこ)んだ(ばば)と、120屈強盛(くつきやうざか)りのテーリスタン、121カーリンスには到底(たうてい)歯節(はぶし)()つまい、122アハヽヽヽ』
123徳利(とくり)(くち)()てガブリガブリと()んでは、124(みぎ)()自分(じぶん)(ひたひ)(たた)き、
125『ナア、126カーリンス、127()()(さけ)ぢやないか。128(ばば)(みみ)より余程(よつぽど)()きがよいぞ、129オホヽヽヽアハヽヽヽ』
130無性(むしやう)矢鱈(やたら)にヤケ(ざけ)(あふ)つて()る。
131 其処(そこ)六歳(ろくさい)になつたお(はつ)が、132御免(ごめん)とも(なん)とも()はずツカツカと(あら)はれ(きた)り、
133小父(をぢ)さま、134(わたし)にも一杯(いつぱい)つがして頂戴(ちやうだい)な』
135『ヤアお(まへ)何処(どこ)から()たのか。136ホンに可愛(かあい)()だなア。137(ばば)(かほ)()てお小言(こごと)頂戴(ちやうだい)しながら(さけ)()んでも()つから(うま)くない、138子供(こども)でもよい、139(その)可愛(かあい)らしい()(ひと)()いで()れ。140(しか)徳利(とくり)(おも)いから(おと)さぬ(やう)にしてくれよ』
141小父(をぢ)さま、142こんな徳利(とくり)(おも)たいやうな(こと)で、143こんな岩窟(いはや)一人(ひとり)這入(はい)つて()られますか』
144『そらさうだ。145(まへ)悧巧(りかう)(やつ)だ。146さうして一人(ひとり)()たのかい』
147『イエイエお(とう)さまに背負(おぶさ)つて()たのよ。148(とう)さまは(いま)高姫(たかひめ)149黒姫(くろひめ)さまを引張(ひつぱ)りだし、150鷹依姫(たかよりひめ)とかいふお()アさまを改心(かいしん)させ、151テー、152カーの両人(りやうにん)乾児(こぶん)にして()らうと()うて、153(あめ)(もり)相談(そうだん)をして()たよ』
154(なに)155(まへ)のお(とう)さまが、156(おれ)乾児(こぶん)にして()らうと()つて()つたか。157あんな大将(たいしやう)乾児(こぶん)になれば、158世界(せかい)(おそ)()(もの)なしだ。159チツト(ばか)りの(さけ)()んでも愚図々々(ぐづぐづ)()(やう)大将(たいしやう)(しらみ)(たまご)(やう)()んでも(はな)れぬと()(やう)調子(てうし)()いて()つては大変(たいへん)だ。160ヤアこれで(さけ)もチツトは(あぢ)()()たやうだ。161オイ()アさま、162(この)テー、163カーは最早(もはや)(まへ)部下(ぶか)ではない(ほど)に、164勿体(もつたい)なくも武術(ぶじゆつ)達人(たつじん)165湯谷ケ嶽(ゆやがだけ)杢助(もくすけ)さまの乾児(こぶん)だ、166いや兄弟分(きやうだいぶん)だ。167サア、168トツトと(しろ)()(わた)して()やつせい。169愚図々々(ぐづぐづ)して()ると三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(この)()(あら)はれて、170(まへ)土堤腹(どてつぱら)(おほ)きな風穴(かぜあな)穿(うが)ち、171其処(そこ)から棍棒(こんぼう)(とほ)して、172聖地(せいち)(かつ)いで(かへ)るかも()れないぞ。173足許(あしもと)(あか)るい(うち)に、174(はや)くトツトと(しり)()つからげたがお(まへ)(とく)だらうよ、175のうカーリンス』
176()んとお前達(まへたち)水臭(みづくさ)(やつ)だなア。177何処々々(どこどこ)(まで)もお(とも)(いた)しますと(ちか)つたぢやないか』
178馬鹿(ばか)だなア、179さう()はなくちや、180(おも)(もち)ひて()れないから、181処世上(しよせいじやう)慣用(くわんよう)手段(しゆだん)として、182()はば円滑(ゑんくわつ)辞令(じれい)(もち)ひたまでだよ、183のうテーリスタン』
184()んとよくお前達(まへたち)(こころ)(かは)るものだなア』
185(きま)つた(こと)だ、186(とき)天下(てんか)(したが)へと()(こと)がある。187何時迄(いつまで)()()()りにはならぬぞ。188(かは)時節(じせつ)にや(かみ)でも(かは)るのだ。189(とぼ)けた(こと)()ふない。190矢張(やつぱり)(ばば)だけあつて(あたま)(ふる)いなア。191チツト(ふる)()()して(あたら)しい()()()へて()らうかい』
192といきなり(こぶし)(かた)めて(たた)かうとするを、193(はつ)(さへぎ)つて、
194『これこれ小父(をぢ)さま、195そんな乱暴(らんばう)してはいけませぬ。196()アさま、197随分(ずゐぶん)貴女(あなた)(わる)(やつ)信用(しんよう)したものですなア』
198『コラコラ子供(こども)(くせ)()んと()(わる)(こと)()ふのだい。199小父(をぢ)さまは()()えても時代(じだい)順応(じゆんおう)する、200立派(りつぱ)文化生活(ぶんくわせいくわつ)をやつて()(あたら)しい人間(にんげん)だぜ。201(あんま)見損(みそこな)ひをしてくれるない』
202小父(をぢ)さま、203子供(こども)だから(なに)()ふか()れはしないよ。204(おほ)きな(をとこ)学齢(がくれい)にも(たつ)しない子供(こども)(つか)まへて、205理屈(りくつ)()ふのが間違(まちが)つて()るよ、206オホヽヽヽ』
207『ヤア杢助(もくすけ)親分(おやぶん)のお(ぢやう)さまだけあつて、208さすが(えら)いものだなア。209…お(ぢやう)さま、210どうぞ我々(われわれ)二人(ふたり)を、211(とう)さまに()()つて、212可愛(かあい)がつて(くだ)さいねエ』
213子供(こども)大人(おとな)可愛(かあい)がつて()れと()ふのは、214チツト可笑(をか)しいぢやありませぬか、215(めう)なおつさんだなア』
216『お前達(まへたち)二人(ふたり)は、217ほんたうに杢助(もくすけ)乾児(こぶん)になるつもりかい』
218()まり()つた(こと)だい、219(はや)何処(どこ)なと()()け。220(いま)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)()えたら、221黒姫(くろひめ)222高姫(たかひめ)をあんな(ところ)突込(つつこ)んで(おい)ては申訳(まをしわけ)がない。223……カーリンス、224(まへ)(この)()監督(かんとく)(この)(ばば)見張(みは)りをして()れ。225(おれ)(おく)()つて、226高姫(たかひめ)227黒姫(くろひめ)二人(ふたり)さまにお(ねが)(まを)して、228岩戸(いはと)から()(もら)ふから、229()いか』
230『ヨシヨシ()()んだ、231(はや)()つてこい。232愚図々々(ぐづぐづ)して()ると最早(もはや)難関(なんくわん)突破(とつぱ)して三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)が、233二百三高地(にひやくさんかうち)とも()()(あめ)(もり)にやつて()()るのだから、234開城(かいじやう)するなら()よう開城(かいじやう)する(はう)(あと)利益(ため)だ』
235()()てて、236高姫(たかひめ)237黒姫(くろひめ)()()めた岩窟(いはや)(まへ)周章(あわただ)しく(かけ)()く。
238大正一一・五・二一 旧四・二五 谷村真友録)