霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 不知火(しらぬひ)〔六九五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第22巻 如意宝珠 酉の巻 篇:第1篇 暗雲低迷 よみ:あんうんていめい
章:第3章 第22巻 よみ:しらぬい 通し章番号:695
口述日:1922(大正11)年05月24日(旧04月28日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年7月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
黒姫は今度は、テーリスタンとカーリンスの主人だった鷹依姫に疑いをかける。朝参の後に竜国別の家に立ち寄り、鷹依姫に対して、テーリスタンとカーリンスに盗み出させた黄金の玉を返せ、と詰め寄る。
鷹依姫は必死に抗弁するが、黒姫はあくまで鷹依姫を疑って聞かない。鷹依姫は居丈高に尋問する黒姫の態度に、腹立たしくなり泣いている。そこへ竜国別が帰ってきた。
そこへテーリスタンとカーリンスが入ってきた。カーリンスは竜国別らに、黒姫が黄金の玉を紛失し、自分たちが池に身投げした黒姫を助けたのがあべこべに、玉盗人の疑いをかけられてしまっている顛末を語った。
竜国別は黄金の玉が紛失したこと、黒姫がその疑いをテーリスタン、カーリンス、鷹依姫にかけていることを知ると、ご神前にお伺いを立てに行った。戻ってきた竜国別は、「時節を待て」という神示があったことを告げた。
黒姫はあくまで鷹依姫を疑い、憎まれ口を叩いた後、懐剣を抜いて自害しようとする。するとテーリスタンとカーリンスは突然、玉を盗んだのは自分たち二人であり、玉はすでにバラモン教の蜈蚣姫に渡したのだ、と狂言を始めた。
黒姫、鷹依姫、竜国別は、てっきり真犯人が自白したと思い、二人を相手に大喧嘩を始める。そこへ言依別命が館の前を通りかかり、騒ぎを聞きつけた。
言依別命が訳を尋ねると、黒姫はテーリスタンとカーリンスが黄金の玉を盗んだことを白状したのだ、と説明した。
言依別命はテーリスタンとカーリンスが、黒姫の疑いが鷹依姫や竜国別に飛び火するのを防ぐために、自ら濡れ衣を着たことを悟って二人を褒めた。
言依別命は一同に対して、玉が紛失した責任はすべて自分が負うので、もうこれ限りこのことは水に流してくれ、と言ってその場を祓い清めた。黒姫は言依別命が玉の紛失を追及しないので肝を抜かれて唖然としている。
この後、黒姫、鷹依姫、竜国別、テーリスタン、カーリンスの五人は、神界の仕組の糸に操られて、黄金の玉探索という名目で四方の国々を訪ね、悪魔退治の旅を行うことになるのであった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm2203
愛善世界社版:35頁 八幡書店版:第4輯 392頁 修補版: 校定版:36頁 普及版:17頁 初版: ページ備考:
001 黒姫(くろひめ)(にしき)(みや)朝参(てうさん)()ませ、002帰途(きと)竜国別(たつくにわけ)(いへ)()()り、003(おく)一室(ひとま)()鷹依姫(たかよりひめ)と、004ひそひそ(はなし)(はじ)めかけた。
005黒姫(くろひめ)鷹依姫(たかよりひめ)さま、006()(なか)(たから)()うたら(なに)一番(いちばん)だと(おも)ひますか』
007鷹依姫(たかよりひめ)(わたくし)如意宝珠(によいほつしゆ)よりも、008黄金(わうごん)(たま)よりも、009(むらさき)(たま)よりも、010天地(てんち)(まこと)一番(いちばん)(たから)だと(かんが)へて()ります』
011『ア左様(さやう)か、012それは御尤(ごもつと)も。013(しか)貴女(あなた)はその(たから)如何(どう)しました』
014何分(なにぶん)にも(くも)つた身魂(みたま)御座(ござ)いますから、015(まこと)(たから)()(はい)らいで、016神様(かみさま)(たい)しはづかしいことで御座(ござ)います。017神様(かみさま)(まこと)(たま)(はや)()れよと()()して御座(ござ)るのですが、018()うも人間(にんげん)身魂(みたま)(くも)りが(ひど)いのでお(もら)(まを)(こと)出来(でき)ませぬ。019(なん)とかして(はや)(まこと)()(たから)()()れたいと朝夕(あさゆふ)(いの)つて()ります』
020『お(まへ)さまはさうぢやありますまい。021(まこと)(たま)よりも、022黄金(わうごん)(たま)結構(けつこう)なのでせう。023三五教(あななひけう)唯一(ゆいつ)(たから)024黄金(わうごん)(たま)を、025貴女(あなた)こつそりと何処(どこ)(かく)しましたか』
026『エ、027(なん)とおつしやいます。028合点(がてん)()かぬお言葉(ことば)029黄金(わうごん)(たま)()うなつたと仰有(おつしや)るのですか』
030白々(しらじら)しい、031(とぼ)けなさいますな。032(こころ)(おぼ)えが御座(ござ)いませう。033(なん)とお(かく)しなさつても、034(この)黒姫(くろひめ)()でちやんと(にら)んだら(はづ)れつこはありませぬ。035(すで)にテーリスタンや、036カーリンスがお(まへ)さまの命令(めいれい)で、037黄金(わうごん)(たま)(ぬす)んだと()はぬばかりの口吻(くちぶり)をして()ますよ』
038『あの、039テー、040カーの二人(ふたり)がそんな(こと)()ひましたか。041(なに)証拠(しようこ)にそんな(だい)それた(うそ)()ふのでせうか』
042『ヘン、043貴女(あなた)よく(とぼ)けますねえ。044(まつ)根元(ねもと)から()()しなさつた、045あの黄金(わうごん)(たま)ですよ。046貴女(あなた)高春山(たかはるやま)でアルプス(けう)教主(けうしゆ)()うて威張(ゐば)つて()られた(とき)047徳公(とくこう)聖地(せいち)()()ませ、048(たま)在処(ありか)(かんが)へさして()つたぢやありませぬか。049あの(とく)()(やつ)蜈蚣姫(むかでひめ)在処(ありか)()らした(やつ)だ。050それが(また)(まへ)さまの三五教(あななひけう)偽帰順(にせきじゆん)(とも)に、051素知(そし)らぬ(かほ)をして(はい)つて()()ませうがな。052真実(ほんと)彼奴(あいつ)手引(てび)きで、053テー、054カーの両人(りやうにん)(わたし)保管(ほくわん)して()黄金(わうごん)(たま)を、055(まへ)さまの指図(さしづ)()つたに(ちが)ひありませぬ。056(わたし)も、057もう(いのち)がけだ。058(まへ)さまの生首(なまくび)()()いて、059(わたし)(いさぎよ)()んで仕舞(しま)ふのだ、060さあ()うだ』
061(やぶ)から(ぼう)詰問(きつもん)に、062鷹依姫(たかよりひめ)(あき)()て、063茫然(ばうぜん)として(かほ)真蒼(まつさを)にし、064黒姫(くろひめ)凝視(みつ)めて()る。
065悪事(あくじ)千里(せんり)()うて、066(わる)(こと)出来(でき)ますまいがな。067(しか)神様(かみさま)屹度(きつと)(ゆる)して(くだ)さいますから綺麗(きれい)薩張(さつぱり)白状(はくじやう)なさいませ。068(まへ)さまは可愛(かあい)一人(ひとり)息子(むすこ)竜国別(たつくにわけ)さまに毒茶(どくちや)()ませ、069熱湯(ねつたう)()びせるやうなものだ。070(わたし)仮令(たとへ)一日(いちにち)でも大切(たいせつ)(たま)紛失(ふんしつ)して()つたと()ふことが、071(みな)さまに()れては大変(たいへん)だから、072何処迄(どこまで)秘密(ひみつ)(まも)つて、073(まへ)さまが(ぬす)んだとは()はないから、074サア、075ちやつと()して(くだ)さい。076(まへ)さまの()のため、077竜国別(たつくにわけ)さまのためだ。078随分(ずゐぶん)温順(おとなし)さうな(かほ)をして()つて、079貴女(あなた)敏腕家(やりて)ぢやなア。080黒姫(くろひめ)(その)腕前(うでまへ)には感心(かんしん)(いた)しましたよ。081ホヽヽヽヽ』
082(いや)らしく(わら)ふ。083鷹依姫(たかよりひめ)当惑顔(たうわくがほ)084(なみだ)をぼろぼろと(なが)し、
085『あゝ神様(かみさま)086何卒(どうぞ)(この)黒白(こくびやく)()けて(くだ)さいませ。087(わたくし)(いま)088大変(たいへん)難題(なんだい)(かうむ)つて()ります』
089()(あは)す。090黒姫(くろひめ)(こゑ)(とが)らして、
091鷹依姫(たかよりひめ)さま、092馬鹿(ばか)真似(まね)をなさいますな。093そんな(うそ)()黒姫(くろひめ)とは、094ヘン、095(ちつ)(たね)(ちが)ひますぞや』
096黒姫(くろひめ)さま、097そりや貴女(あなた)本気(ほんき)仰有(おつしや)るのですか。098(ゆめ)にも(おも)はぬ難題(なんだい)(わたくし)()ちかけ、099自分(じぶん)監督不行届(かんとくふゆきとどき)(つみ)()りつけようと(あそ)ばすのか。100(わたくし)もかう()えても一度(いちど)一教派(いちけうは)教主(けうしゆ)をして()たものだ。101滅多(めつた)(こと)仰有(おつしや)ると了簡(りやうけん)なりませぬぞや』
102了簡(りやうけん)ならぬとは、103そりや(たれ)()ふのだえ。104此方(こちら)からこそ了簡(りやうけん)ならぬ。105(なん)図太(づぶと)胆玉(きもだま)だなア』
106黒姫(くろひめ)(さま)107貴女(あなた)(なに)(わたし)(うらみ)があつてそんな難題(なんだい)()きかけるのでせう。108それならそれで宜敷(よろし)い、109(わたし)にも(かんが)へがある。110(まへ)さまの(やう)()のないものならそれで()いが、111(わたし)には(てん)にも()にも一人(ひとり)可愛(かあい)(せがれ)がある。112そんな難題(なんだい)()つかけられて()うして(せがれ)()(なか)()つて()けませう。113竜国別(たつくにわけ)母親(ははおや)聖地(せいち)(おい)(たから)(ぬす)んだと()はれては、114(せがれ)どころか先祖(せんぞ)()(まで)(けが)すぢやありませぬか。115(なに)証拠(しようこ)にそんな無茶(むちや)(こと)仰有(おつしや)るのだ。116(わたし)高姫(たかひめ)(さま)のやうに、117()んだり()いたり、118そんな芸当(げいたう)はよう(いた)しませぬ。119(まへ)さまは(わたし)(はら)にでも()んで()るやうに(おも)うて()るのでせう』
120『そりや貴女(あなた)(はら)にありませう。121(ひと)(はら)(そと)からは(わか)りませぬからなア』
122『そんなら(わたし)潔白(けつぱく)(しめ)すために(はら)()つてお()にかける。123その(かは)り、124もし()んで()なかつたら()うして(くだ)さる』
125(たま)(かく)すのは(はら)ばつかりぢやありませぬ。126(つち)(なか)でも、127(くら)(なか)でも、128(かは)(なか)でも、129どつこへでも(かく)せるぢやありませぬか。130そんなあざとい(こと)()うて、131黒姫(くろひめ)ちよろまかさうと(おも)つても、132いつかな いつかな、133(この)黒姫(くろひめ)(ちつ)(ちが)ひますから、134(まへ)さまの口車(くちぐるま)には()りませぬぞい。135オホヽヽヽ』
136(あご)をしやくり、137(かた)四角(しかく)にし、138舌端(ぜつたん)(くちびる)(ところ)(すこ)()して、139()までしばづかせて()せた。140鷹依姫(たかよりひめ)無念(むねん)さ、141口惜(くや)しさに(こゑ)をあげて()()てる。
142()いて(こと)()むと(おも)うて()なさるか、143なぜ堂々(だうだう)仰有(おつしや)らぬのだ。144()いて(おど)さうと(おも)つたつて、145女郎(おやま)(なみだ)同然(どうぜん)146そんな()()(わし)かいな』
147(また)(あご)をしやくつて馬鹿(ばか)にする。148鷹依姫(たかよりひめ)腹立(はらだ)たしさに益々(ますます)()()る。149(こゑ)()きつけて(いま)門口(かどぐち)(かへ)つて()たばかりの竜国別(たつくにわけ)(はし)(きた)り、
150『お(かあ)さま、151何処(どこ)(わる)御座(ござ)いますか、152()うなさいました。153ヤア黒姫(くろひめ)さま、154(はや)御座(ござ)います。155(はは)何処(どこ)(わる)いのですか』
156 黒姫(くろひめ)憎々(にくにく)しげに、
157『よう、158(まへ)竜国別(たつくにわけ)159(わる)けりやこそ()くのぢやないか。160(いき)(つま)つて、161ものの(こたへ)出来(でき)なくなつたものだから()()るのだよ。162(まへ)(おや)()ふぢやないが、163ほんとに、164(おどろ)いた悪党(あくたう)だ』
165黒姫(くろひめ)さま、166(わたくし)(はは)悪党(あくたう)だとは、167そりや(また)()うした(わけ)で』
168 黒姫(くろひめ)につこ(わら)ひ、
169(おな)(あな)(きつね)170ようここまで信頼(しんらい)したものだナア。171(まへ)()ひ、172テーリスタンと()ひ、173カーリンスと()ひ、174これだけマア(あく)四魂(しこん)(そろ)へば、175どんな悪事(あくじ)でも出来(でき)ますワイ。176油断(ゆだん)(すき)もあつたものぢや御座(ござ)いませぬワイなア。177オホヽヽヽヽ』
178(こし)から(うへ)(ゆす)つて()せる。
179 ()かる(ところ)へテーリスタン、180カーリンスの両人(りやうにん)はバラバラと()(きた)る。181竜国別(たつくにわけ)はこれを()て、
182『オイ、183テー、184カーの二人(ふたり)185(なん)(その)(かほ)は、186貴様(きさま)187喧嘩(けんくわ)でもしたのか』
188カーリンス『イヤもう大変(たいへん)(こと)です。189黒姫(くろひめ)(やつ)190(たま)()られ、191せう(こと)なしに(いけ)()()げ、192それを吾々(われわれ)(たす)けてやつたら、193あべこべに鷹依姫(たかよりひめ)さまと共謀(きようぼう)して黄金(わうごん)(たま)(ぬす)んだと()ふのです。194黒姫(くろひめ)さまも大切(たいせつ)(たま)監督(かんとく)役目(やくめ)仕損(しそん)じたのだから、195(なに)どころぢやありますまい。196(さつ)しはするが、197(しか)吾々(われわれ)二人(ふたり)(はじ)め、198鷹依姫(たかよりひめ)さままでを泥坊(どろばう)にするとは(あんま)りぢやありませぬか。199(わたし)(しまひ)にはテーリスタンを(うたが)()し、200テーリスタンは(わたし)(うたが)ふと()ふので、201(しばら)大喧嘩(おほげんくわ)をやつてこんな(ざま)になつたのです。202(しか)()うしても吾々(われわれ)二人(ふたり)(はじ)め、203鷹依姫(たかよりひめ)さまは潔白(けつぱく)です。204(なん)とかして黒姫(くろひめ)さまの(うたがひ)()きたいものです』
205竜国別(たつくにわけ)『そりや大変(たいへん)だ。206(なに)()もあれ大切(たいせつ)御神宝(ごしんぽう)207こりや(この)(まま)にしては()かれぬ。208神様(かみさま)(うかが)つて()るから、209それ(まで)()つて()(くだ)さい。210(かあ)さま、211御心配(ごしんぱい)なさいますな。212貴女(あなた)潔白(けつぱく)(わたくし)承知(しようち)して()ます』
213黒姫(くろひめ)(なん)()つてもお前達(まへたち)三人(さんにん)共謀者(きようぼうしや)(みと)めます。214竜国別(たつくにわけ)はあんな(こと)()つて(しり)こそばゆくなつて()げたのだらう。215オホヽヽヽ、216どれもこれも、217(こころ)(おぼ)えがあると()えて、218あの(つま)らなささうな(かほ)ワイな。219(おも)(うち)にあれば(いろ)(そと)(あら)はる、220神様(かみさま)正直(しやうぢき)だ。221(あま)可笑(をか)しさを(とほ)()して阿呆(あはう)らしいワイのう。222オホヽヽヽ』
223身体(からだ)(ゆす)嘲弄(てうろう)する。224(しばら)くあつて竜国別(たつくにわけ)(ちう)()んで(かへ)つて()た。
225黒姫(くろひめ)竜国別(たつくにわけ)226()うだつたかナ』
227神様(かみさま)御神籤(おみくじ)(うかが)ひましたら、228時節(じせつ)()てと仰有(おつしや)いました』
229『あゝさうだらう、230神様(かみさま)(なに)そんな(こと)仰有(おつしや)るものか。231(まへ)(こころ)(おぼ)えのある(こと)を…誰人(たれ)阿呆(あはう)らしい。232神様(かみさま)だつて返答(へんたふ)なさるものかい。233テツキリ前達(まへたち)(わし)失策(しくじ)らさうと(おも)つて(かく)したのか、234(ただ)しは蜈蚣姫(むかでひめ)気脈(きみやく)(つう)じて御神宝(ごしんぱう)(ぬす)()(かんが)へだらう。235そんなあざとい(こと)をしたつて、236その(あく)何処迄(どこまで)やり()けるものぢやありませぬワイ。237(しか)(なが)()うでも(この)(たま)在処(ありか)()れぬと()へば、238(わし)()なねばならぬ。239(わし)(ばか)りぢやあるまい、240鷹依姫(たかよりひめ)さま、241竜国別(たつくにわけ)さま、242(まへ)(はら)でも()つて()(わけ)をなさらにやなるまい。243さあ(わし)から自害(じがい)をするから、244前達(まへたち)冥途(めいど)(とも)をなさいませ』
245懐剣(くわいけん)()()(わが)(のど)()てむとする(とき)しも、246テーリスタン、247カーリンスの二人(ふたり)(かた)(ゆす)り、
248『オイ黒姫(くろひめ)249(ざま)()やがれ、250(その)(じつ)鷹依姫(たかよりひめ)さま、251竜国別(たつくにわけ)さまも()つた(こと)ぢやないワ。252このテーリスタン、253カーリンスの御両人様(ごりやうにんさま)(ぬす)()して、254とうの(むかし)蜈蚣姫(むかでひめ)()秘蔵(ひざう)されてあるのだよ。255()しけりや蜈蚣姫(むかでひめ)(たの)んで(かへ)して(もら)へ。256アハヽヽヽ、257小気味(こぎみ)のよい(こと)だ』
258大声(おほごゑ)(ののし)()した。259黒姫(くろひめ)かつとなり、
260『こりやテー、261カーの両人(りやうにん)262この黒姫(くろひめ)()間違(まちが)ひなからう、263(だい)それた(やつ)だ。264さあ(はや)(その)(たま)蜈蚣姫(むかでひめ)()から()(かへ)して()い。265神罰(しんばつ)(おそ)ろしいぞや』
266テ、267カ『神罰(しんばつ)(おそ)ろしいやうな(こと)で、268(たれ)がそんな玉盗人(たまぬすびと)をするものか。269馬鹿(ばか)々々(ばか)
270連発(れんぱつ)する。271黒姫(くろひめ)272竜国別(たつくにわけ)273鷹依姫(たかよりひめ)三人(さんにん)一斉(いつせい)()(あが)り、
274極悪無道(ごくあくぶだう)蜈蚣姫(むかでひめ)(くわん)(つう)ずる両人(りやうにん)275もはや了簡(りやうけん)ならぬぞ』
276(ここ)五人(ごにん)()(みだ)れて大喧嘩(おほげんくわ)をおつ(はじ)めた。
277 言依別命(ことよりわけのみこと)(にしき)(みや)拝礼(はいれい)(をは)り、278静々(しづしづ)(この)(まへ)(とほ)り、279騒々(さうざう)しき物音(ものおと)何事(なにごと)ならむと(おく)()(きた)()れば、280()(さわ)ぎ。
281言依別命(ことよりわけのみこと)『これこれ(みな)さま、282宣伝使(せんでんし)信者(しんじや)()(もつ)(なに)喧嘩(けんくわ)をなさるのか』
283黒姫(くろひめ)言依別命(ことよりわけのみこと)(さま)284此奴(こいつ)両人(りやうにん)285(わたくし)保管(ほくわん)して()(たま)(ぬす)んだのはテー、286カーだ。287蜈蚣姫(むかでひめ)(わた)してやつたのだ。288馬鹿者(ばかもの)よと()うて、289私等(わたくしら)嘲弄(てうろう)する不届(ふとど)きな(やつ)御座(ござ)います』
290言依別命(ことよりわけのみこと)『テーリスタン、291カーリンス、292(まへ)(じつ)感心(かんしん)(やつ)だ。293さうなくてはならぬ、294三五教(あななひけう)信者(しんじや)亀鑑(きかん)だ。295(まこと)(たま)()くも()()れたなア』
296 テー、297カーの二人(ふたり)(うれ)(なみだ)()れて、
298『ハイハイ』
299()つたきり(たたみ)()ひついて()いて()る。
300黒姫(くろひめ)『モシモシ言依別命(ことよりわけのみこと)(さま)301前様(まへさま)(なん)()(こと)仰有(おつしや)る。302こんなドラ盗人(ぬすびと)()めると()(こと)がありますか。303()うかして()ますなア』
304言依別命(ことよりわけのみこと)『アヽ、305黒姫(くろひめ)306鷹依姫(たかよりひめ)307竜国別(たつくにわけ)308テーリスタン、309カーリンス殿(どの)310何事(なにごと)神様(かみさま)御計(おはか)らひだ。311御心配(ごしんぱい)なさいますな、312神様(かみさま)(ふか)思召(おぼしめし)のある(こと)でせう。313只今(ただいま)(かぎ)(たま)(こと)()はないがよい。314(たがひ)迷惑(めいわく)ですから、315何事(なにごと)(わたくし)(まか)して()いて(くだ)さい』
316黒姫(くろひめ)(たま)がなくてもかまひませぬのか』
317言依別命(ことよりわけのみこと)責任(せきにん)(わたくし)()ひます。318(みな)さま、319これきり(わす)れて(くだ)さい』
320(ふところ)より(ぬさ)()()し、
321(はら)(たま)(きよ)(たま)へ』
322()ひながら左右左(さいうさ)()()り、
323『さあ(みな)さま、324これですつかり解決(かいけつ)がつきましたよ』
325 黒姫(くろひめ)(すわ)つたまま(ひだり)(うで)()()り、326(からだ)(ななめ)にして言依別命(ことよりわけのみこと)(かほ)(あな)のあくほど凝視(みつ)め、327(すつぽん)(しり)()かれたやうなスタイルで、
328『ヘー』
329長返事(ながへんじ)しながら落着(おちつ)かぬ面色(おももち)である。
330言依別命(ことよりわけのみこと)『サア(みな)さま、331(みや)参拝(さんぱい)しませう』
332(さき)()つ。333一同(いちどう)(やうや)(むね)()(おろ)し、334(にしき)(みや)参拝(さんぱい)せむと竜国別(たつくにわけ)(いへ)()()でた。
335 初春(はつはる)太陽(たいやう)六人(ろくにん)(あたま)煌々(くわうくわう)(まばゆ)きまでに(てら)(たま)うた。
336黄金(わうごん)(たま)如意宝珠(によいほつしゆ)
337紫玉(むらさきだま)(また)宝珠(ほつしゆ)
338金剛不壊(こんがうふゑ)神玉(しんぎよく)
339如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(とな)ふなり
340(なか)にも()けて高姫(たかひめ)
341(はら)()()神玉(しんぎよく)
342神宝(たから)(なか)神宝(たから)なり
343言依別命(ことよりわけのみこと)より
344委託(ゐたく)されたる黄金(わうごん)
345(たま)在処(ありか)(うしな)ひし
346黒姫(くろひめ)(こころ)落着(おちつ)かず
347テーリスタンやカーリンス
348鷹依姫(たかよりひめ)まで(うたが)ひて
349色々(いろいろ)雑多(ざつた)()(いら)
350ヤツサモツサの最中(さいちう)
351言依別(ことよりわけ)(あら)はれて
352一先(ひとま)づその()(こと)もなく
353(をさ)まりつれど(をさ)まらぬ
354(こころ)(そら)雲霧(くもきり)
355(はら)(すべ)なき折柄(をりから)
356十字街頭(じふじがいとう)高姫(たかひめ)
357(にしき)(みや)参詣(さんけい)
358(をり)(をり)とて出会(しゆつくわい)
359黒姫(くろひめ)(はじ)(ほか)四人(よにん)
360高姫宅(たかひめたく)(せう)ぜられ
361(たふと)(かみ)御宝(みたから)
362紛失(ふんしつ)したる責任(せきにん)
363()()められて黒姫(くろひめ)
364いよいよ(ここ)決心(けつしん)
365(ほぞ)(かた)めて聖域(せいゐき)
366あとに(なが)めつ黄金(わうごん)
367(たま)在処(ありか)(さぐ)らむと
368鷹依姫(たかよりひめ)竜国別(たつくにわけ)
369テーリスタンやカーリンス
370五人(ごにん)各自(かくじ)(あめ)(した)
371四方(よも)国々(くにぐに)(くま)もなく
372(たづ)()くこそ神界(しんかい)
373(ふか)経綸(しぐみ)白雲(しらくも)
374余所(よそ)(もと)むるあはれさよ
375さはさりながら(この)(たび)
376(たま)在処(ありか)言依別(ことよりわけ)
377(かみ)(みこと)(むね)(うち)
378(かみ)命令(みこと)(かしこ)みて
379(こころ)(ふか)()めおきし
380(この)神策(しんさく)(かみ)ならぬ
381(ひと)()として()るよしも
382泣々(なくなく)()()くあさましさ
383これより五人(ごにん)神界(しんかい)
384仕組(しぐみ)(いと)(あやつ)られ
385悪魔(あくま)退治(たいぢ)神業(かむわざ)
386()らず()らずに奉仕(ほうし)する
387(くし)神代(かみよ)物語(ものがたり)
388口述(こうじゆつ)(すす)むに(したが)ひて
389次第(しだい)々々(しだい)面白(おもしろ)
390(ふか)神慮(しんりよ)(さと)()
391あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
392御霊(みたま)(さち)はへましませよ。
393大正一一・五・二四 旧四・二八 加藤明子録)