霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一三章 捨小舟(すてをぶね)〔七二五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第23巻 如意宝珠 戌の巻 篇:第3篇 有耶無耶 よみ(新仮名遣い):うやむや
章:第13章 捨小舟 よみ(新仮名遣い):すておぶね 通し章番号:725
口述日:1922(大正11)年06月12日(旧05月17日) 口述場所: 筆録者:谷村真友 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年4月19日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
玉能姫に逃げられた高姫一行は海岸にやってくるが、自分たちが乗ってきた舟もなくなっているのに気が付いた。
高姫は東助に当り散らし、玉能姫とぐるになって自分たちを計略にはめたのだろうと責め立てる。東助は覚えのない非難に怒るが、高姫はあくまでも東助を疑い、部下たちに東助を見張らせて自分は山の上に行ってしまった。
その間に東助は、高姫の部下たちに自分の弁解をして打ち解ける。また、東助は自分が淡路島の大金持ちということを明かして気を引く。
そうしているうちに、東助の持ち舟は波に流されて岸に戻ってきた。それを見た貫州は高姫に知らせに行くが、その間に東助と他の三人は舟に乗って島を出てしまった。
海岸から高姫と貫州が呼びかけても、東助は天罰が当たったのだと二人を助ける気はない。鶴公、清公、武公は東助の子分になってしまった。
高姫は今度は貫州に当り散らす。しかし貫州も日の出神のくせにまったく神力がないと高姫に非難の応酬をする。高姫は怒って黙って山上に上って行ってしまうが、貫州は境遇を悲観して、松の枝から首を吊ってしまった。
しかし足が枝に引っかかってうまくいかなかったのだが、物音に驚いた高姫は、貫州が首を吊って息絶えてしまったと思って嘆き、貫州に詫びを入れ始めた。
貫州は高姫の我を折ってやろうと思って、幽霊の振りをして高姫に改心の約束をさせる。しかし高姫は貫州の首が締まっていないことに気づくと、また元のように威張り出した。
貫州はまた首を吊ろうと思って適当な松の枝を探していてると、高姫は貫州の横面を張ってやめさせた。
二人が磯端に戻ってくると、玉能姫からの贈り物として、舟が一艘横付けになっていた。高姫は、玉能姫が竜神が玉を持っていったと言ったのは、玉が竜宮島に隠してあるに違いないと一人合点し、玉能姫や東助の後は追わず、舟に果物を積むと貫州と共に竜宮島を目指して西へと漕ぎ出した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-07-03 18:36:03 OBC :rm2313
愛善世界社版:209頁 八幡書店版:第4輯 571頁 修補版: 校定版:212頁 普及版:97頁 初版: ページ備考:
001 高姫(たかひめ)一行(いつかう)(つつ)みたる濃霧(のうむ)は、002(しばら)くにして消散(せうさん)し、003四辺(あたり)(もと)(ごと)(あか)るくなつて()た。004玉能姫(たまのひめ)行衛(ゆくゑ)如何(いか)にと、005高姫(たかひめ)以下(いか)血眼(ちまなこ)になつて(さが)(まは)せど、006(なん)(かげ)もなく(つひ)には、007船着場(ふなつきば)(まで)一行(いつかう)ゾロゾロやつて()た。008()れば玉能姫(たまのひめ)()つて()(ふね)高姫(たかひめ)(ふね)もない。009高姫(たかひめ)地団太(ぢだんだ)()んで口惜(くや)しがり、
010高姫(たかひめ)『アヽ残念(ざんねん)011口惜(くちを)しやな、012(せつ)(やつ)013濃霧(のうむ)(さいは)ひに()つの(たから)掘出(ほりだ)し、014(ふね)()つて()(かへ)つたか。015それにしても残念(ざんねん)なは(ふね)(まで)どうやら()つて(かへ)つたらしい。016まるで島流(しまなが)しに()はされた(やう)なものだ。017……コレコレ東助(とうすけ)さま、018第一(だいいち)(まへ)()がきかぬからだ。019船頭(せんどう)(ふね)にくつついて()れば()いのに、020職責(しよくせき)(わす)れて宣伝使(せんでんし)(やう)(やま)(のぼ)つて()るものだから、021こんな()()うたのだ。022サアどうして(くだ)さる』
023東助(とうすけ)『どうして(くだ)さるもあつたものかい。024大切(たいせつ)商売(しやうばい)道具(だうぐ)()られて仕舞(しま)つて()(あし)()(やう)()い。025(かへ)(わけ)にも()かず、026第一(だいいち)(まへ)()んな(ところ)謀反(むほん)(おこ)して()つて()るものだから、027神罰(しんばつ)(あた)つたのだ。028サア(おれ)(ふね)をどうして()れる』
029高姫(たかひめ)『ヨウマアそんな(こと)()へたものだ、030大切(たいせつ)なお(きやく)()れて()ながら、031(ふね)()られてどうするのだ。032大方(おほかた)(せつ)(やつ)(はら)()はし、033()出神(でのかみ)()んな(ところ)押込(おしこ)める計略(けいりやく)をして()つたのだらう。034油断(ゆだん)(すき)もあつたものだ()い』
035 東助(とうすけ)(おほ)いに(いか)り、
036東助(をんな)(おも)(やはら)かく(まを)せば、037無体(むたい)難題(なんだい)038(この)東助(とうすけ)貴様(きさま)(ごと)悪人(あくにん)ではない。039正直(しやうぢき)一方(いつぱう)()(とほ)つた船頭(せんどう)だ。040(をとこ)(かほ)(どろ)()()つたなア。041モウ量見(りやうけん)(いた)さぬ覚悟(かくご)をせい』
042 高姫(たかひめ)(あご)をシヤクリ(なが)ら、
043高姫『オホヽヽヽ、044何程(なにほど)(ちから)(つよ)くても、045此方(こちら)()(にん)046(まへ)一人(ひとり)047到底(たうてい)駄目(だめ)だよ。048それよりも綺麗(きれい)薩張(さつぱり)白状(はくじやう)したらどうだ』
049東助(とうすけ)白状(はくじやう)せいと()つたつて()らぬ(こと)白状(はくじやう)出来(でき)るかい。050(あんま)馬鹿(ばか)にするない』
051高姫(たかひめ)『オホヽヽヽ、052アノ(しら)つぱくれようわいのう。053()らぬかと(おも)うてツベコベと(その)弁解(べんかい)054余人(よじん)()らぬが、055(ひと)(こころ)のドン(ぞこ)(まで)見透(みす)かす()神力(しんりき)(たか)い、056()出神(でのかみ)誤魔化(ごまくわ)さうとはチツト(むし)好過(よす)ぎるぞ。057(まへ)玉能姫(たまのひめ)にいくら(かね)(もら)うた。058うまい(こと)をやつたな』
059 東助(とうすけ)(あま)りの腹立(はらだ)たしさに、060(もの)をも()はず(くちびる)をビリビリ(ふる)はせ、061(こぶし)(にぎ)無念(むねん)(なみだ)()れて()る。062高姫(たかひめ)は、
063高姫『さうだらう、064()(わけ)があるまい。065何程(なにほど)弁解(べんかい)(たくみ)(いた)しても、066(かみ)(まへ)では言霊(ことたま)使(つか)へまいがな。067(まへ)大勢(おほぜい)(まへ)()けの(かは)をむかれ残念(ざんねん)であらうが、068それが自業(じごう)自得(じとく)だ。069つまり(おのれ)あざのう(なは)(おの)(くび)(しめ)たも同然(どうぜん)070ほんにほんに可愛相(かはいさう)なものだ。071(あく)(たく)みは到底(たうてい)成就(じやうじゆ)せぬといふ(こと)(わか)つただらう。072淡路島(あはぢしま)難船(なんせん)した(とき)時間(じかん)見計(みはか)らひ、073ノソノソ()つて()(この)高姫(たかひめ)をだまし()み、074(うま)くやらうと(かんが)へたのも(みづ)(あわ)075(たちま)()出神(でのかみ)眼力(がんりき)看破(かんぱ)され、076(その)(ざま)()んだ。077(おほ)きな(をとこ)(くせ)に、078メソメソと吠面(ほえづら)かわき()つともない。079(いづ)れは玉能姫(たまのひめ)同類(どうるゐ)だから、080(たま)(かく)場所(ばしよ)()つて()(はず)だ。081どうだお(まへ)082玉能姫(たまのひめ)(たま)()つて(かへ)つたであらうがな』
083 東助(とうすけ)口許(くちもと)痙攣(けいれん)させ(なが)ら、
084東助(とうすけ)『シヽ()らぬワイ、085バヽ馬鹿(ばか)にするな』
086(やうや)奇数(きすう)(てき)癇声(かんごゑ)()して呶鳴(どな)つた。
087高姫(たかひめ)『シヽ()らぬぢや()からう。088シヽしぶといワイ。089バヽ馬鹿(ばか)にするないと()つたが、090(まへ)(はう)から()出神(でのかみ)馬鹿(ばか)にしようとかかつて馬鹿(ばか)()たのだから仕方(しかた)があるまい』
091貫州(くわんしう)『モシモシ高姫(たかひめ)さま、092肝腎(かんじん)(ふね)()くては、093どうする(こと)出来(でき)ないぢやありませぬか。094そんな(はなし)(つぎ)(つぎ)にして、095先決(せんけつ)問題(もんだい)として(ふね)詮索(せんさく)から(かか)らなくては、096我々(われわれ)安心(あんしん)出来(でき)ないぢやありませぬか』
097高姫(たかひめ)『オホヽヽヽ、098(まへ)(とし)(わか)いから心配(しんぱい)するのだが、099玉能姫(たまのひめ)同類(どうるゐ)東助(とうすけ)()以上(いじやう)屹度(きつと)(ひと)()へて、100素知(そし)らぬ(かほ)して(ふね)()つて()るに(ちが)ひない。101(その)(とき)手早(てばや)東助(とうすけ)()(その)(ふね)()()り、102一目散(いちもくさん)()(かへ)計略(けいりやく)103今度(こんど)(ふね)()たら(かなら)(かなら)東助(とうすけ)(はな)してならぬぞ。104此奴(こいつ)()つたら此方(こちら)一緒(いつしよ)(かへ)るのだから、105(まへ)()()(にん)此奴(こいつ)見張(みは)りをして()つて()れ。106そうして(ふね)()たら(この)(なか)から一人(ひとり)(わたし)(むか)ひに()るのだ。107それ(まで)(ふね)船頭(せんどう)()(つか)まへて(はな)(こと)ならぬぞや』
108()()山上(さんじやう)目蒐(めが)けて足早(あしばや)(のぼ)()く。109(あと)()(にん)(をとこ)磯端(いそばた)()()め、110(ひろ)海面(かいめん)(なが)めて呆気(ほうけ)(やう)(かほ)をして()る。111東助(とうすけ)はやうやう(こころ)(やはら)いだと()えて、112そろそろ(しや)べり()した。
113東助(とうすけ)『オイお(まへ)(たち)114(おれ)高姫(たかひめ)とやらが()うた(やう)悪人(あくにん)だと(おも)ふのか。115(おれ)肝腎(かんじん)商売(しやうばい)道具(だうぐ)()られて仕舞(しま)ひ、116(その)(うへ)(おも)はぬ難題(なんだい)()(かけ)られ、117こんな引合(ひきあ)はぬ(こと)はあつたものぢやない。118本当(ほんたう)災難(さいなん)()ふものは何時(いつ)()るか(わか)らぬものだワイ』
119貫州(くわんしう)(おれ)(べつ)にお(まへ)悪人(あくにん)(やう)には(おも)はぬが、120高姫(たかひめ)大将(たいしやう)がアー()()したら全然(まるき)気違(きちが)ひだから、121メツタに口答(くちごた)へは出来(でき)ないので(だま)つて辛抱(しんばう)して()たのだが、122(まへ)様子(やうす)といひ顔色(かほいろ)()ひ、123(まつた)玉能姫(たまのひめ)(はら)()はして()(やう)(をとこ)でないと(おも)ふ』
124東助(とうすけ)『アヽ()()うて()れた。125それで(おれ)一寸(ちよつと)安心(あんしん)した。126(みな)さまは如何(どう)いふ()感想(かんさう)()つて()られますか、127腹蔵(ふくざう)なく()つて(くだ)さい』
128 (さん)(にん)一度(いちど)に、
129三人貫州(くわんしう)()つた(とほ)り、130どうもお(まへ)(わる)いとは(おも)はれないよ。131本当(ほんたう)にエライお災難(さいなん)だ、132()同情(どうじやう)(まを)()げる。133何分(なにぶん)あの大将(たいしやう)はあの(とほ)りだから(こま)つてしまふ。134玉能姫(たまのひめ)()げて()(さい)に、135(ふね)何処(どこ)かへ(なが)()つたのは(にく)らしいが、136(しか)(なが)(いま)高姫(たかひめ)()てられては(はな)(した)(たちま)ちだからなア』
137東助(とうすけ)(みな)さま、138そんな心配(しんぱい)()らないよ。139(わし)淡路島(あはぢしま)(もの)だが、140前方(まへがた)(さん)(にん)()(にん)幾日(いくにち)(あそ)んで()つて()つても、141滅多(めつた)(おれ)(うち)(つぶ)れはせぬ。142()うして(おれ)船頭(せんどう)()きでやつて()るものの、143淡路島(あはぢしま)第一等(だいいちとう)物持(ものもち)主人公(しゆじんこう)だ。144様子(やうす)あつて船頭(せんどう)はして()るが普通(ふつう)駄賃(だちん)()りの船頭(せんどう)とはチツと(ちが)ふのだ。145(まへ)()(うへ)(おれ)引受(ひきう)けてやるから心配(しんぱい)するな』
146鶴公(つるこう)『それは有難(ありがた)い、147(しか)本当(ほんたう)か』
148東助(とうすけ)本当(ほんたう)でなうて(なん)とせう。149(むかし)から正直者(しやうぢきもの)()()つた東助(とうすけ)とは(おれ)(こと)だ。150(をとこ)()りにも(うそ)()へるものかい』
151鶴公(つるこう)『さう()けばさうかも()れぬな』
152(はな)()(ところ)(かぜ)()(まは)しにて一旦(いつたん)(おき)(なが)されて()東助(とうすけ)持船(もちぶね)は、153ダンダンと此方(こなた)(むか)つて(ちか)づいて()るのが()()いた。154東助(とうすけ)()()つて、
155東助(とうすけ)『アヽ(うれ)しい、156(かぜ)のお(かげ)(なが)れて()つた(ふね)が、157ドウヤラ此方(こちら)(なが)れて()さうだ。158(みな)さま、159(よろこ)びなさい』
160 ()(にん)()つて海面(かいめん)(なが)めながら、161(かぜ)()かれて(ちか)より(きた)(ふね)()て、162(おも)はず()()ち『ウローウロー』と(さけ)()る。
163東助(とうすけ)最早(もはや)此方(こつち)のものだ。164俊寛(しゆんくわん)島流(しまなが)しも、165ドウヤラ赦免(しやめん)(ふね)()(やう)だ。166サア()(かく)(かへ)らねばなるまい。167()んな(ところ)長居(ながゐ)をして()れば、168(また)最前(さいぜん)(やう)濃霧(のうむ)(つつ)まれ神罰(しんばつ)(かうむ)るか(わか)つたものではない。169……これ貫州(くわんしう)さま、170(はや)高姫(たかひめ)さまを()んで()(くだ)さい、171(ふね)用意(ようい)をするから』
172貫州(くわんしう)『オイ鶴公(つるこう)173清公(きよこう)174武公(たけこう)175(しつか)(ふね)(つか)まへて東助(とうすけ)さまを()()けよ。176(おれ)(いそ)いで大将(たいしやう)()んで()るから』
177東助(とうすけ)『アハヽヽヽ、178滅多(めつた)()げて(かへ)りも(いた)さぬ。179安心(あんしん)して(この)山中(さんちう)(さが)して()なさい。180()つて()るから……(しか)(わが)()(かへ)つて……』
181小声(こごゑ)にて(あと)()けた。182貫州(くわんしう)一目散(いちもくさん)(いさ)んで高姫(たかひめ)報告(はうこく)()森林(しんりん)(のぼ)()く。183(ふね)磯端(いそばた)(やうや)()つて()た。184東助(とうすけ)拍手(はくしゆ)しながら、
185東助(とうすけ)『アヽ、186船神(ふながみ)(さま)187()(がた)御座(ござ)います。188サアサ(さん)(にん)方々(かたがた)()つたり()つたり』
189鶴公(つるこう)高姫(たかひめ)さまと貫州(くわんしう)はまだ()えませぬから、190一寸(ちよつと)()つてやつて(くだ)さいな』
191東助(とうすけ)()つてはやるが(うち)(かへ)つて()(こと)にせう。192サア()つたり()つたり』
193鶴公(つるこう)『ハヽヽヽヽ、194矢張(やつぱり)両人(りやうにん)島流(しまなが)しだな。195アーそれもよからう。196何分(なにぶん)にも()出神(でかみ)()いて御座(ござ)るから滅多(めつた)(こと)はあるまい。197マアとつくりと()修業(しうげふ)出来(でき)てよからう』
198()(なが)()(にん)はひらりと(ふね)飛乗(とびの)り、199()をギクギクと漕出(こぎだ)(はじ)めた。200猜疑心(さいぎしん)(ふか)高姫(たかひめ)最前(さいぜん)より、201(かたはら)森林(しんりん)()(ひそ)め、202一同(いちどう)(はなし)(うかが)()いて()たが、203コリヤ大変(たいへん)貫州(くわんしう)(さそ)ひながら磯端(いそばた)(はし)(きた)り、
204高姫(たかひめ)『コレコレ東助(とうすけ)さま、205(まへ)何処(どこ)()くのだ。206(わし)をどうする(つも)りだい』
207東助(とうすけ)何処(どこ)へも()きませぬ。208淡路(あはぢ)洲本(すもと)(まで)(かへ)るのだ』
209高姫(たかひめ)『そら約束(やくそく)(ちが)うぢやないか。210チヨツと(ふね)此方(こつち)()けて(くだ)さい。211(わたし)()つて(かへ)らねばならぬから、212そんなことをなさると今迄(いままで)賃銀(ちんぎん)(はら)ひませぬぞ』
213東助(とうすけ)賃銀(ちんぎん)()つて生活(せいくわつ)して()東助(とうすけ)とはチツと(ちが)ふのだ。214(わし)はこう()えても淡路島(あはぢしま)第一(だいいち)財産家(ざいさんか)だ。215船頭(せんどう)道楽(だうらく)でやつて()るのだから、216賃銀(ちんぎん)なぞは此方(こちら)から(ひら)にお(ことわ)(まを)します。217(かね)()しけりや幾程(いくら)でも此方(こつち)からやるワ。218マア(ゆつ)くりと(この)(しま)でお二人(ふたり)さま、219修業(しうげふ)なさいませ』
220(また)もや()()()す。221高姫(たかひめ)(こゑ)(かぎ)り、
222高姫(たかひめ)『コレコレそんな無茶(むちや)(こと)がありますか。223天罰(てんばつ)(あた)りますぞ』
224東助(とうすけ)天罰(てんばつ)(あた)つたのはお(まへ)二人(ふたり)だ。225(あま)精神(せいしん)()くないから、226修業(しうげふ)()めに(のこ)して()くのぢやから、227有難(ありがた)(おも)ひなさい。228……コレコレ鶴公(つるこう)229清公(きよこう)230武公(たけこう)231(まへ)(たち)(わたし)(ふね)(たす)けてやつたのだから、232一挙(いつきよ)一動(いちどう)233(わたし)()(やう)にするのだよ』
234 (さん)(にん)(こゑ)(そろ)へて、
235三人承知(しようち)しました、236何分(なにぶん)宜敷(よろし)()指導(しだう)(ねが)ひます』
237貫州(くわんしう)『オーイオーイ東助(とうすけ)さま、238そりや(あんま)りぢや、239一遍(いつぺん)(ふね)此方(こちら)()けて(くだ)さい』
240 東助(とうすけ)(した)をペロツと()す、241(さん)(にん)(かほ)見合(みあ)はして(おな)じく(した)をペロツと()す。
242東助(とうすけ)折角(せつかく)だが今日(けふ)荷物(にもつ)(おほ)いからお(ことわ)(まを)しませうかい。243(この)(うへ)(つみ)(おほ)人間(にんげん)()ると沈没(ちんぼつ)すると迷惑(めいわく)だからなア』
244 (さん)(にん)一度(いちど)(くち)(そろ)へて、245東助(とうすけ)言葉(ことば)(その)(まま)繰返(くりかへ)す。246東助(とうすけ)(なん)頓着(とんちやく)もなく()()ぎ、247(こゑ)(すず)しく船歌(ふなうた)(うた)ひながら追々(おひおひ)(しま)(とほ)ざかり()く。248高姫(たかひめ)249貫州(くわんしう)二人(ふたり)磯端(いそばた)地団太(ぢだんだ)()んで『オーイオーイ』と()んで()る。250東助(とうすけ)は、
251追分(おひわけ)
252東助家島(えじま)()()で、253神島(かみじま)()えて、254(むか)ふに()ゆるは淡路島(あはぢしま)
255(同上)
256東助誠明石(まことあかし)の、257海峡(かいけふ)よぎり、258洲本(すもと)(わが)()(かへ)ります』
259(同上)
260東助(あと)(のこ)りしお二人(ふたり)の、261高姫(たかひめ)さまや貫州(くわんしう)は、262鬼界(きかい)(しま)俊寛(しゆんくわん)か。263どうして月日(つきひ)(おく)るやら』
264(うた)(こゑ)265海風(かいふう)(おく)られて両人(りやうにん)(みみ)()ママる。266二人(ふたり)狂気(きやうき)(ごと)(たけ)(くる)(さわ)(まは)れども、267()んと船影(せんえい)()(なみだ)268トボトボと(ちから)なげに深林(しんりん)(なか)(うす)(かげ)(かく)すのであつた。269(あと)(のこ)された高姫(たかひめ)()(ばち)気味(ぎみ)になり、270芝生(しばふ)(うへ)()()げる(やう)(よこ)たはりながら、271(あし)をピンピン(うご)かし、
272高姫(たかひめ)『コレコレ貫州(くわんしう)273(まへ)余程(よほど)イヽ頓馬(とんま)だな。274アレ()()んで()(やう)()うて()いたのに、275(ひと)()(こと)(しり)()()るから、276天罰(てんばつ)(あた)つて、277こんな()()はされるのだよ。278()れから(わし)()(こと)素直(すなほ)()くのだよ』
279貫州(くわんしう)天罰(てんばつ)()同様(どうやう)だ。280貴女(あなた)矢張(やつぱ)()んなに()いとけ()りを()はされたのは、281(なに)(ふか)(つみ)があるからでせう。282(わたし)貴女(あなた)(つみ)巻添(まきぞ)へに()うたのです。283(たれ)(うら)める(ところ)もない、284(ただ)高姫(たかひめ)さまを(うら)(ばか)りだ』
285高姫(たかひめ)(まこと)水晶(すゐしやう)()出神(でのかみ)(つみ)があつて(たま)りますか。286つまりお(まへ)(つみ)巻添(まきぞ)へに()うたのだ。287それだから(かみ)(さま)何時(いつ)水晶(すゐしやう)身魂(みたま)は、288(よご)れた(もの)一緒(いつしよ)()くと総損(そうぞこな)ひになると仰有(おつしや)るのだ。289これを(しほ)にスツパリと改心(かいしん)をなされ。290さうして()出神(でのかみ)(さま)絶体(ぜつたい)服従(ふくじゆう)をするのだよ』
291貫州(くわんしう)()んな人影(ひとかげ)もない(しま)()てられる(やう)()出神(でのかみ)さまも、292(たよ)りない()加減(かげん)なものですなア』
293高姫(たかひめ)『お(まへ)(なん)ぞと()うと、294(すぐ)()出神(でのかみ)わざ(やう)()ひなさる。295それが第一(だいいち)慢心(まんしん)といふものだよ』
296貫州(くわんしう)貴女(あなた)()説教(せつけう)何時(いつ)隔靴(かくか)掻痒(さうよう)とか()つて徹底(てつてい)せず、297(はぢ)()き、298あたまを()き、299(ひと)には靴靴(くつくつ)(わら)はれ、300(いた)かゆい(やう)()がしていけませぬワ』
301高姫(たかひめ)動中静(どうちうせい)あり、302静中動(せいちうどう)あり、303千変(せんぺん)万化(ばんくわ)304自由(じいう)自在(じざい)(かみ)(さま)()経綸(けいりん)305(しらみ)()いた(ふん)にわいた(むし)(やう)人間(にんげん)が、306(いやし)くも天地(てんち)()先祖(せんぞ)(さま)(おん)(こと)(たい)し、307ゴテゴテ小言(こごと)()資格(しかく)がありますか。308(いは)んや広大(くわうだい)無辺(むへん)()神徳(しんとく)(そな)はり(たま)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)(おい)てをやだ。309モウ(これ)()()出神(でのかみ)(さま)(たい)し、310不足(ふそく)がましい(こと)()はぬが(よろ)しいぞや』
311(かた)(なな)めに()りながら、312四辺(あたり)雑草(ざつさう)蹴散(けち)らす(やう)(あし)つきで、313ピンピン(しり)()りつつ坂路(さかみち)(のぼ)つて()く。314貫州(くわんしう)是非(ぜひ)なく二三間(にさんげん)(おく)れて不性(ふしよう)無精(ぶしよう)()いて()く。315高姫(たかひめ)(いか)心頭(しんとう)(たつ)し、316益々(ますます)(かた)をくねりくねりと(たが)(ちが)ひに(ゆす)(なが)ら、317見向(みむ)きもせず山上(さんじやう)目蒐(めが)けて(のぼ)つて()く。318貫州(くわんしう)(うしろ)より独語(ひとりごと)
319貫州(くわんしう)『アヽ今年(ことし)()んとしてこんな年廻(としまは)りが(わる)いだらうか。320(ちから)(おも)高姫(たかひめ)さまは伊勢蝦(いせえび)(やう)にピンピンとはねなさる、321(ふね)には見棄(みす)てられる。322こらマア()うなるのであらうかなア。323…アー此処(ここ)枝振(えだぶり)()(まつ)()がニユーツと()()る。324(ひと)一思(ひとおも)ひに徳利結(とくりむす)びをやつて、325(ひと)はねプリンプリンと出掛(でか)けやうかな。326アヽ()うなり()くも因縁(いんねん)だ』
327(おび)()徳利結(とくりむすび)(こしら)へ、328(まつ)()(えだ)よりプリンと(さが)つた。329(この)物音(ものおと)高姫(たかひめ)(あと)振返(ふりかへ)()てびつくりし、330周章(あわただ)しく七八間(しちはちけん)駆戻(かけもど)り、331貫州(くわんしう)体躯(からだ)取付(とりつ)き、
332高姫(たかひめ)『コレコレ貫州(くわんしう)333(なん)といふ短気(たんき)(こと)をして()れた。334(この)(しま)(はう)(のこ)され、335(ちから)(たの)むお(まへ)()なれては、336どうして(この)高姫(たかひめ)がたまらうか。337(なん)といふ(なさけ)ない(こと)をするのだいなア……』
338 貫州(くわんしう)はポイと()んだ拍子(へうし)灌木(くわんぼく)(えだ)(あし)がツンと()()かり、339(くび)(しま)らず(すこ)しの(いた)さも(かん)じなかつた。340されど(こころ)(うち)に『エー(ついで)だ、341高姫(たかひめ)()()つて()らねばなるまい』と(わざ)(ほそ)いイヤらしい(こゑ)()し、
342貫州(くわんしう)『アーア(うら)めしや、343(わたし)高姫(たかひめ)(さま)(あま)()(つよ)いので、344度々(たびたび)()意見(いけん)をするのだけれどもチツトも()いて(くだ)さらぬ。345(それ)(ゆゑ)()んで高姫(たかひめ)さまに意見(いけん)をするのだ。346改心(かいしん)さへ出来(でき)たらばまだ()んで()()いから、347(すぐ)()(かへ)(ふたた)御用(ごよう)をするのだけれども、348到底(たうてい)改心(かいしん)出来(でき)ない。349アヽ高姫(たかひめ)(さま)もたつた(ひとり)(さび)しからう。350(しか)(なが)らたつた(いま)(むか)ひに()()げる(ほど)に、351(かなら)心配(しんぱい)しなさるなヤア』
352 高姫(たかひめ)(おどろ)いて、
353高姫(たかひめ)『コレコレ貫幽(くわんいう)どの、354(わたし)(わる)かつた。355これからもう()()らぬから、356(いま)一遍(いつぺん)娑婆(しやば)(かへ)つてお()れ。357これこの(とほ)りだ』
358()(あは)俯向(うつむ)途端(とたん)に、359貫州(くわんしう)灌木(くわんぼく)(えだ)両足(りやうあし)(とも)チヨンと(とま)り、360首筋(くびすぢ)()れば徳利結(とくりむすび)はチツトも(しま)つて()ない。361ハテ不思議(ふしぎ)やと(くび)(かたむ)けて()(その)(あひだ)に、362貫州(くわんしう)(ゆる)やかな首縄(くびなは)をグイと(はな)し、
363貫州(くわんしう)『アヽ高姫(たかひめ)さまよう改心(かいしん)して(くだ)さつた。364(かげ)肉体(にくたい)貴女(あなた)御用(ごよう)がさして(いただ)(ます)
365高姫(たかひめ)『アタ阿呆(あはう)らしい。366(まへ)狂言(きやうげん)をしたのだらう。367本当(ほんたう)かと(おも)つて(きも)(つぶ)しかけた。368イヽ加減(かげん)てんごうして()きなされ』
369貫州(くわんしう)てんごうでも()んでもありませぬ。370本真剣(ほんしんけん)でやつたのだが、371(をり)()くか(をり)(あし)くか()らぬが、372(あし)()まりが出来(でき)()(そこな)うたのだ。373そんなら今度(こんど)(あらた)めて本真剣(ほんしんけん)にやりませうか』
374 高姫(たかひめ)(また)もやツンとして、
375高姫(たかひめ)勝手(かつて)にしなされ。376(まへ)(いのち)をお(まへ)(うしな)ふのだから』
377貫州(くわんしう)『ハイ有難(ありがた)う。378(ゆる)しが()ましたら即座(そくざ)決行(けつかう)します。379(その)(かは)最前(さいぜん)(やう)()(ごと)()うて(もら)ひませぬぜ、380(まよ)ひますと(こま)りますからなア』
381手早(てばや)(まつ)(えだ)にくくり()けた(おび)をほどき、382(ふたたび)徳利結(とくりむすび)(こしら)へ、383適当(てきたう)枝振(えだぶり)(さが)して()る。384高姫(たかひめ)は、
385高姫(たかひめ)『エーしつかりせぬかいな』
386平手(ひらて)横面(よこづら)(ふた)()つピシヤピシヤとやつた。
387貫州(くわんしう)『アイタヽヽ、388高姫(たかひめ)さま、389そんな無茶(むちや)をしなさるな。390(なに)(はら)(たち)ますか』
391高姫(たかひめ)『お(まへ)(いま)死神(しにがみ)()かれて(くび)()つて()つたぢやないか。392それだから()()けてやつたのだよ』
393貫州(くわんしう)『ヘー』
394生返事(なまへんじ)をしながら顔色(かほいろ)をサツと()へ、395両方(りやうはう)()(くび)(あた)りを、396(いや)らしさうに()(まは)して()る。
397高姫(たかひめ)『アヽ今日(けふ)(なん)となく気分(きぶん)(わる)い。398ササ貫州(くわんしう)399磯辺(いそべ)()つて、400(ひろ)(うみ)でも(なが)めて()()へて()よう。401(また)(ふね)一艘(いつそう)(なが)れて()るかも()れない。402ササしつかりしつかり』
403(せな)()()(たた)き、404貫州(くわんしう)()()山坂(やまさか)(くだ)つて、405(ふたたび)(もと)磯端(いそばた)(かへ)つて()た。406()れば艪櫂(ろかい)()いた(あたら)しい(ふね)一隻(いつせき)磯端(いそばた)横付(よこづ)けになつて()る。407()()()れば(ふね)中側(なかべり)に『玉能姫(たまのひめ)より高姫(たかひめ)(さま)(この)(ふね)進上(しんじやう)(つかまつ)ります』と(しる)して()つた。408高姫(たかひめ)はこれを()て、
409高姫(たかひめ)『オホヽヽヽ、410さすがの玉能姫(たまのひめ)()出神(でのかみ)()神力(しんりき)(おそ)れ、411寝心地(ねごこち)(わる)くなつたと()えて、412こんな(あたら)しい(ふね)何処(どこ)からか買求(かひもと)め、413そつと此処(ここ)()いといて()げて()んだのだな。414意地(いぢ)くね(わる)(やつ)似合(にあ)はず、415一寸(ちよつと)()()いた(こと)()()るワイ。416サア(この)(ふね)さへあれば何日(なんにち)(この)(しま)()つたつて心配(しんぱい)()いが、417(あま)(なが)らく()いて()くと(にはか)(こころ)(かは)りあの(ふね)(をし)くなつたと()うて、418取返(とりかへ)しに()られては、419それこそ此方(こちら)取返(とりかへ)しの()かぬ縮尻(しくじり)をやらねばならぬから、420今日(けふ)()(かく)(この)(ふね)()つて(たま)所在(ありか)(さが)して()う。421どうも(この)(しま)には()りさうにない。422玉能姫(たまのひめ)言葉(ことば)に、423竜神(りうじん)()つて()()つたと()うた(こと)がある。424大方(おほかた)南洋(なんやう)竜宮島(りうぐうじま)へでも(をさ)まつて()るだらう。425(この)(しま)果物(くだもの)沢山(たくさん)積込(つみこ)兵糧(ひやうらう)をドンと用意(ようい)して、426(かみ)随意(まにまに)(この)(ふね)(つづ)(かぎ)り、427腕力(うでぢから)のあらむ(かぎ)(さが)しに()く。428(まへ)結構(けつこう)御用(ごよう)だから、429()(とも)をさして()げるから(よろこ)びなさい』
430貫州(くわんしう)()()くなら(この)(とも)ばかりは、431除隊(ぢよたい)にして(もら)()いものですなア』
432高姫(たかひめ)『オホヽヽヽ、433(まへ)中々(なかなか)しれ(もの)だ。434除隊(ぢよたい)のない(こと)仰有(おつしや)るわい』
435果物(くだもの)数多(あまた)積込(つみこ)み、436高姫(たかひめ)下手(へた)ながらも()(あやつ)り、437貫州(くわんしう)(かい)使(つか)ひながら家島(えじま)(あと)瀬戸(せと)(うみ)西(にし)西(にし)へと(すす)()く。
438大正一一・六・一二 旧五・一七 谷村真友録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
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