霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四章 一島(ひとつじま)女王(ぢよわう)〔七三四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第24巻 如意宝珠 亥の巻 篇:第1篇 流転の涙 よみ:るてんのなみだ
章:第4章 第24巻 よみ:ひとつじまのじょおう 通し章番号:734
口述日:1922(大正11)年06月14日(旧05月19日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年5月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
小糸姫は、舟の漕ぎ手に襲われて三五教の宣伝使に助けられたと思いきや、それは夢であった。ニュージーランド近くにさしかかったと思うと舟は嵐に巻き込まれ、舟は海中の岩にぶつかって粉々になってしまった。
舟の漕ぎ手のチャンキーとモンキーの姿は見えなくなってしまった。小糸姫はかろうじて岩にしがみついて経文を唱え、助けを求めていた。嵐は収まったが、そこへ四人の女を乗せた舟がやってきて小糸姫に気づき、助け上げた。
小糸姫は、自分を助け上げた女たちを見れば、顕恩郷で侍女として仕えていた、五十子姫、梅子姫、宇豆姫、今子姫であった。
五十子姫と梅子姫は神素盞嗚尊の娘である素性を隠して、バラモン教に占領された顕恩郷に潜入していたが、太玉命と力を合わせて顕恩郷を取り戻した。その際に、元はバラモン教であった侍女の宇豆姫、今子姫も三五教に改心させていたのであった(第十五巻)。
四人は、友彦と駆け落ちしたはずの小糸姫が、なぜこのような所にいるのかを尋ねた。小糸姫はこれまでの経緯を語ったが、四人はその年に似合わぬ豪胆さに舌を巻いた。そして、三五教の教理を体得させて竜宮島の宣伝をさせることにした。
三五教の教理を授けられた小糸姫は、勝手に五十子姫、梅子姫を参謀となし、宇豆姫と今子姫を侍女として女王気取りでまだ未開の竜宮島に上陸した。
五人は宣伝歌を歌いながら、竜宮島の中心地、萱野ヶ原にやってきて、天津祝詞を唱えた。現地の住民は、五人を天女の降臨と思って集まり、拝礼し始めた。
そこへ、一つ島の棟梁と自称するブランジーという豪族がやってきて、武装した部下たちに五人を包囲させ、何者か問い質した。小糸姫は少しも恐れず、逆にブランジーに対して、自分たちは天津神の使いであると厳として申し渡し、帰順を迫った。
ブランジーの部下たちは武装を捨ててひざまずいた。ブランジーも我を折って帰順の意を表した。
ブランジーを従えた小糸姫は、黄竜姫と名乗って竜宮島に三五教を宣布し、その名を四辺に轟かせた。五十子姫は今子姫と共に、自転倒島の神素盞嗚大神の元へ帰って行った。梅子姫と宇豆姫が、黄竜姫の補佐として残った。
ブランジーは妻のクロンバーと共に黄竜姫の宰相と取り立てられて、姫の威光によって島中に名を轟かせるまでになっていた。
あるときクロンバーは黄竜姫のもとにやってきて、自分は元は聖地に仕えていた者であることを明かした。そして、自分は紛失した大切な如意宝珠の玉、黄金の玉、紫の玉を探しており、黄竜姫の天眼通によって玉のありかを知らせて欲しいと懇願した。
黄竜姫は、三つの玉は自転倒島に故あって隠されていると告げ、今は玉への執着心を離れてブランジーと共に国務に奉仕するように、と申し渡して姿を隠してしまった。
クロンバーとは黒姫の名を変えた姿で、ブランジーは高山彦であった。二人は竜宮島風に名を変えて、国人を使役して玉のありかを探していたのであった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm2404
愛善世界社版:57頁 八幡書店版:第4輯 632頁 修補版: 校定版:58頁 普及版:27頁 初版: ページ備考:
001 今迄(いままで)皎々(かうかう)たる浄玻璃(じやうはり)(つき)(たちま)黒雲(くろくも)(おほ)はれ、002満天(まんてん)星光(ほしかげ)(またた)(うち)(くも)(とばり)(つつ)まれた。003海面(かいめん)(にはか)薄闇(うすぐら)く、004暴風(ばうふう)(たちま)(いた)り、005小舟(こぶね)(なみ)のまにまに翻弄(ほんろう)虐待(ぎやくたい)する。006船底(ふなぞこ)(よこ)たはり以前(いぜん)(ゆめ)()()小糸姫(こいとひめ)(おどろ)いて()(みは)り、
007『アヽ大変(たいへん)(おそ)ろしい(ゆめ)()た。008……これ船頭(せんどう)さま、009(にはか)(くら)くなつたぢやないか、010此処(ここ)一体(いつたい)(なん)()(ところ)だなア?』
011『あまり(くら)くて薩張(さつぱ)見当(けんたう)がとれなくなりました。012(しか)大方(おほかた)ニユージーランドの近辺(きんぺん)だと(おも)ひます。013(なみ)刻々(こくこく)(たか)くなり、014もう(この)(うへ)(かぜ)(まか)して()(ところ)まで()るより仕方(しかた)がありませぬ。015()()(とき)にバラモン(けう)のお(きやう)(とな)へて(くだ)さつたら、016チツトは(かぜ)()ぎませう。017(ひめ)(さま)018何卒(どうぞ)神様(かみさま)(ねが)つて(くだ)さいな』
019(この)(とほ)(かぜ)()(なみ)(あら)()(さわ)ぎ……櫓櫂(ろかい)(はう)一生懸命(いつしやうけんめい)(ちから)()れて()れる(かた)(わたし)()つて何程(なにほど)安全(あんぜん)だか()れませぬよ。020最前(さいぜん)(ゆめ)(やう)()()はされては迷惑(めいわく)だから……』
021(ゆめ)にドンナ()()はれましたな?』
022()(なが)一生懸命(いつしやうけんめい)()()いで()る。023山岳(さんがく)(ごと)(なみ)(あひだ)を、024(ふね)()()(かぜ)()(ごと)()きつ(しづ)みつ、025荒波(あらなみ)翻弄(ほんろう)(まか)すより(みち)はなかつた。026(たちま)巨大(きよだい)なる音響(おんきやう)(とも)(ふね)(ひと)つの岩山(いはやま)衝突(しようとつ)し、027滅茶々々(めちやめちや)になつて仕舞(しま)つた。028小糸姫(こいとひめ)(から)うじて(かべ)()てた(ごと)(いは)壁蝨(だに)(やう)()ひつき、029(うん)(てん)(まか)経文(きやうもん)(とな)へて()る。030二人(ふたり)(をとこ)如何(どう)なつたか(なみ)(おと)(さへぎ)られ、031一声(ひとこゑ)さへも()(こと)出来(でき)なかつた。032一時(ひととき)ばかり()つと(おも)(ごろ)033(そら)(つつ)みし黒雲(くろくも)(ぬぐ)ふが(ごと)()れ、034(かぜ)()ぎ、035(なみ)(しづ)まり、036魚鱗(ぎよりん)月光(げつくわう)海上(かいじやう)一面(いちめん)不知火(しらぬひ)(ごと)(またた)()めた。037()かる(ところ)四人(よにん)(をんな)()せた一艘(いつそう)小舟(こぶね)038島影(しまかげ)より悠々(いういう)(あら)はれ(きた)り、039小糸姫(こいとひめ)(さけ)(こゑ)()きつけ、040(なか)一人(ひとり)(さを)をさし()漸々(やうやう)にして小糸姫(こいとひめ)船中(せんちう)(すく)()げた。041二人(ふたり)(をとこ)(かげ)()(あた)らなかつた。042小糸姫(こいとひめ)疲労(ひらう)結果(けつくわ)043船底(ふなそこ)(よこ)たはつたまま二時(ふたとき)044三時(みとき)ばかり(かほ)得上(えあ)げず、045(れい)をも()はず(かに)()うな(あわ)()いて(くる)しみ()たり。
046メソポタミヤの顕恩郷(けんおんきやう)
047鬼雲彦(おにくもひこ)本城(ほんじやう)
048種々(いろいろ)雑多(ざつた)()(やつ)
049神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)
050御言(みこと)(かしこ)八乙女(やをとめ)
051鬼雲彦(おにくもひこ)側近(そばちか)
052(つか)(はべ)りてバラモンの
053悪逆無道(あくぎやくぶだう)立直(たてなほ)
054国治立(くにはるたち)大神(おほかみ)
055至仁(しじん)至愛(しあい)御息(みいき)より
056(あら)はれ()でたる三五(あななひ)
057(かみ)(をしへ)(まつろ)はせ
058名実(めいじつ)(かな)顕恩(けんおん)
059(さと)(むかし)(かへ)さむと
060(こころ)(くば)折柄(をりから)
061(あめ)太玉(ふとだま)宣伝使(せんでんし)
062数多(あまた)(つかさ)(ともな)ひて
063顕恩城(けんおんじやう)()(きた)
064言霊戦(ことたません)開始(かいし)して
065鬼雲彦(おにくもひこ)大棟梁(だいとうりやう)
066(その)()魔神(まがみ)伊照(いて)らせば
067(たちま)大蛇(をろち)()(へん)
068(くも)(おこ)して()()りぬ
069(あめ)太玉(ふとだま)宣伝使(せんでんし)
070顕恩郷(けんおんきやう)(つかさど)
071此処(ここ)八人(やたり)乙女子(をとめご)
072天地(あめつち)四方(よも)国々(くにぐに)
073三五教(あななひけう)御教(みをしへ)
074()(つた)へんと()()けて
075荒野(あらの)彷徨(さまよ)折柄(をりから)
076バラモン(けう)枉神(まがかみ)
077嗅出(かぎいだ)されて(とら)へられ
078いたいけ(ざか)りの姉妹(おとどい)
079(なかば)(やぶ)れし釣舟(つりぶね)
080()()れられて(なみ)(うへ)
081何処(いづく)()てと(さだ)めなく
082(ただよ)(きた)折柄(をりから)
083大海中(おほわだなか)()()てる
084(いは)ばかりなる(ひと)(じま)
085(ほとり)()()(なが)むれば
086(いづ)れの(ひと)()らねども
087年端(としは)()かぬ真娘(まなむすめ)
088(いは)()()(こゑ)(かぎ)
089(すく)ひを(もと)めて(さけ)()
090仁慈無限(じんじむげん)五十子姫(いそこひめ)
091三人(みたり)女子(をみな)諸共(もろとも)
092()はず(かた)らず(こころ)()
093(さを)()ばして(すく)ひあげ
094(たがひ)櫓櫂(ろかい)(あやつ)りつ
095(かぜ)(おく)られ西(にし)(みなみ)
096竜宮島(りうぐうじま)()して()
097あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
098(みたま)(さち)(くま)もなく
099世人(よびと)(うへ)()らします
100至仁至愛(みろく)(かみ)御救(みすく)ひに
101小糸(こいと)(ひめ)()きかへり
102()(かへ)りたる心地(ここち)して
103朝日(あさひ)豊栄(とよさか)(のぼ)(ころ)
104(やうや)(かしら)(もた)げける
105四辺(あたり)()れば四柱(よはしら)
106顕恩郷(けんおんきやう)見覚(みおぼ)えの
107(むすめ)()るより仰天(ぎやうてん)
108(しば)言葉(ことば)()かりしが
109(やうや)(こころ)()()けて
110『あゝ(いぶ)かしやいぶかしや
111(ゆめ)(うつつ)(まぼろし)
112五十子(いそこ)(ひめ)梅子姫(うめこひめ)
113御供(みとも)宇豆姫(うづひめ)今子姫(いまこひめ)
114貴女(あなた)何故(なにゆゑ)海原(うなばら)
115彷徨(さまよ)(きた)()しますぞ
116(これ)には(ふか)理由(ことわり)
117(おは)するならむ詳細(まつぶさ)
118()らせ(たま)へ』と()(あは)
119(むね)もどきどき()ひかくる。
120 五十子姫(いそこひめ)小糸姫(こいとひめ)(むか)ひ、
121貴女(あなた)顕恩郷(けんおんきやう)鬼熊別(おにくまわけ)(さま)のお娘子(むすめご)122如何(どう)して、123マア斯様(かやう)(ところ)へお()しなされましたか。124さうして友彦(ともひこ)(さま)如何(どう)(あそ)ばしましたか』
125『それよりも貴女(あなた)(がた)四人様(よつたりさま)126斯様(かやう)(ところ)御船(おふね)()つてお()(あそ)ばすとは合点(がつてん)(まゐ)りませぬ。127(なん)御用(ごよう)何処(どこ)()いでになりますか、128()かせ(くだ)さいませな』
129(これ)には(ふか)仔細(しさい)御座(ござ)いまする。130(いづ)れゆるゆる()いて(いただ)きませうが、131貴女(あなた)から何卒(どうぞ)(さき)へお口開(くちびら)きを(ねが)ひます』
132 小糸姫(こいとひめ)は『ハイ』と(こた)へて、133顕恩郷(けんおんきやう)()でしよりその()友彦(ともひこ)(わか)れ、134此処迄(ここまで)()(きた)りし一伍一什(いちぶしじふ)顛末(てんまつ)(つつ)(かく)さず()()てた。135四人(よにん)(とし)にも似合(にあ)はぬ小糸姫(こいとひめ)悪竦(あくらつ)にして豪胆(がうたん)なるに(した)()きける。
136 梅子姫(うめこひめ)(あき)(がほ)にて、
137随分(ずゐぶん)貴女(あなた)人格(じんかく)がお(かは)りになりましたね』
138『さうでせうとも、139(わたし)竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)未来(みらい)女王(ぢよわう)ですから、140今迄(いままで)(やう)(ぢやう)(ぼう)では数多(あまた)国人(くにびと)(をさ)める(こと)出来(でき)ませぬ』
141()島影(しまかげ)さへも()えぬ(うち)から、142(はや)くも竜宮島(りうぐうじま)(はら)()んで()豪胆(がうたん)不敵(ふてき)(をんな)なり。
143 五十子姫(いそこひめ)144梅子姫(うめこひめ)善悪(ぜんあく)()(かく)145野蛮(やばん)未開(みかい)()女王(ぢよわう)としては最適任(さいてきにん)ならむ、146(この)(ふね)()つたのを(さいは)竜宮島(りうぐうじま)到着(たうちやく)する幾多(いくた)日数(につすう)応用(おうよう)して三五教(あななひけう)教理(けうり)体得(たいとく)せしめ、147精神的(せいしんてき)天国(てんごく)建設(けんせつ)せしめむと(はや)くも(こころ)(さだ)め……顕恩郷(けんおんきやう)()()で、148三五教(あななひけう)教理(けうり)四方(よも)宣伝(せんでん)せむとする(とき)しも、149バラモン(けう)片彦(かたひこ)150釘彦(くぎひこ)一派(いつぱ)(とら)へられ、151此海(ここ)漂流(へうりう)(きた)りし(こと)顛末(てんまつ)(つぶ)さに物語(ものがた)り、152(たがひ)敵味方(てきみかた)障壁(しやうへき)除却(ぢよきやく)し、153一蓮托生(いちれんたくしやう)(ふね)(うへ)にて(つい)首尾(しゆび)よく小糸姫(こいとひめ)三五教(あななひけう)教理(けうり)植付(うゑつ)けた。
154 小糸姫(こいとひめ)船中(せんちう)より(すで)女王(ぢよわう)気取(きどり)五十子姫(いそこひめ)155梅子姫(うめこひめ)顧問(こもん)参謀(さんぼう)(やう)(ひと)()めにして仕舞(しま)つた。156今子姫(いまこひめ)157宇豆姫(うづひめ)自分(じぶん)小使(こづかひ)として待遇(たいぐう)して()た。158五十子姫(いそこひめ)159梅子姫(うめこひめ)()機関(きくわん)()たりと(よろこ)び、160表面(へうめん)十六才(じふろくさい)阿婆摺(あばず)(むすめ)小糸姫(こいとひめ)首領(しゆりやう)(さだ)め、161(やうや)くにして五人(ごにん)(をんな)竜宮島(りうぐうじま)のクスの(みなと)無事(ぶじ)到着(たうちやく)し、162(ふね)岸辺(きしべ)(つな)ぎ、163五人(ごにん)宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)らさしもに(ひろ)(ひと)(じま)(あし)(まか)せて(すす)()く。164()(やうや)(ぼつ)して四方(しはう)闇黒(やみ)(つつ)まれ、165五人(ごにん)はとある谷川(たにがは)(ほとり)(みの)()安々(やすやす)(ねむり)()きけり。
166 猛獣(まうじう)(こゑ)山岳(さんがく)(ゆる)ぐばかり(うな)()した。167豪胆(がうたん)不敵(ふてき)五人(ごにん)(をんな)松風(まつかぜ)(おと)(こと)()(くらゐ)(かる)見做(みな)し、168(その)(こゑ)就寝(しうしん)(しほり)とし、169他愛(たあい)()此処(ここ)一夜(いちや)(あか)した。170四辺(あたり)果実(このみ)むしりて(はら)(こしら)へ、171(くさ)茫々(ばうばう)()(ぼつ)するばかりの谷道(たにみち)宣伝歌(せんでんか)(こゑ)木霊(こだま)(ひび)かせ(なが)ら、172(すす)(すす)みて()(ひと)つの平坦(へいたん)なる部落(ぶらく)()たり。173(やま)(やま)とに(つつ)まれたる摺鉢(すりばち)(そこ)(やう)(やや)(ひろ)原野(げんや)山腹(さんぷく)(あな)穿(うが)ち、174炭焼竈(すみやきがま)(やう)各戸(かくこ)(けむり)をボウボウと()てて()る。175五人(ごにん)原野(げんや)中央(ちうあう)にある小高(こだか)大岩(おほいは)(うへ)(のぼ)り、176(こゑ)(かぎ)りに天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)宣伝歌(せんでんか)(うた)()した。177(この)(こゑ)(おどろ)いてか、178山腹(さんぷく)(かず)(かぎ)りもなき(あな)より(いろ)(くろ)老若男女(らうにやくなんによ)(ひと)つの(あな)より(あるひ)五人(ごにん)(あるひ)十人(じふにん)179二十人(にじふにん)()()(おのおの)柄物(えもの)()にし、180五人(ごにん)()てる大岩(おほいは)周囲(しうゐ)(あり)(ごと)(むら)がり(あつ)まつた。181此処(ここ)(ひと)(じま)にても(やや)都会(とくわい)(きこ)えたる萱野ケ原(かやのがはら)といふ(ところ)であつた。182一同(いちどう)(いろ)(しろ)五人(ごにん)美女(びぢよ)岩上(がんじやう)()てる姿(すがた)()て、183天津乙女(あまつをとめ)天上(てんじやう)より(くだ)(たま)ひしものと(かた)(しん)随喜(ずいき)(なみだ)(なが)(なが)ら、184四方(しはう)八方(はつぱう)より()(あは)拝跪敬礼(はいきけいれい)して()る。
185 ()かる(ところ)山奥(やまおく)より法螺貝(ほらがひ)(こゑ)「ブウブウ」と(ひび)(わた)り、186()れば数百人(すうひやくにん)荒男(あらをとこ)(ひき)ゐた大男(おほをとこ)駻馬(かんば)(また)がり、187ツカツカと(この)()(あら)はれ(きた)り、
188『ヤア、189(なんぢ)(いづ)れの(くに)より漂着(へうちやく)してうせた。190(この)(ひと)(じま)は、191他国人(たこくじん)上陸(じやうりく)(ゆる)さざる秘密境(ひみつきやう)だ。192(たれ)許可(ゆるし)()()てうせた。193(すみやか)(その)(いは)(くだ)一々(いちいち)事情(じじやう)(まを)(つた)へよ』
194 小糸姫(こいとひめ)泰然自若(たいぜんじじやく)195満面(まんめん)(ゑみ)(たた)へて大男(おほをとこ)一行(いつかう)看守(みまも)つた。196四人(よにん)宣伝使(せんでんし)(おな)じく両手(りやうて)()(あは)せ、197儼然(げんぜん)として小糸姫(こいとひめ)両脇(りやうわき)()ち、198一同(いちどう)(かほ)()看守(みまも)つた。199(だい)(をとこ)(こゑ)(あら)らげ、
200(この)(はう)(ひと)(じま)大棟梁(だいとうりやう)ブランジーと()(もの)である。201(この)(はう)威勢(ゐせい)(おそ)れぬか。202一時(いちじ)(はや)()(くだ)我等(われら)(ばく)につけ』
203(おに)(ごと)()(ひか)らしグツと()めつけたるを、204小糸姫(こいとひめ)莞爾(につこ)(わら)ひ、
205(おろか)なりブランジー、206(われ)天津神(あまつかみ)(めい)()け、207只今(ただいま)四柱(よはしら)従者(ともびと)(ひき)ゐ、208五色(ごしき)(くも)()(この)(ひと)(じま)天降(あまくだ)りしものぞ。209(この)(くに)(われ)(をさ)むべき(かみ)(さだ)めの真秀良場(まほらば)なれば今日(こんにち)より(われ)誠心(まごころ)(ささ)げて(つか)ふるか。210さもなくば、211天譴(てんけん)(くだ)して(やり)(あめ)()らせ、212(いかづち)(たま)(もつ)懲戒(みせしめ)()汝等(なんぢら)打滅(うちほろぼ)()れむ。213返答(へんたふ)如何(いか)に』
214とキツと()(わた)せば、215流石(さすが)のブランジーも崇高(すうかう)なる(をんな)姿(すがた)(かうべ)(かたむ)け、216(しば)思案(しあん)()れて()た。217数百人(すうひやくにん)荒男(あらをとこ)武装(ぶさう)(まま)大地(だいち)平伏(ひれふ)し、218五人(ごにん)(むか)つて萱野ケ原(かやのがはら)住民(ぢゆうみん)(とも)両手(りやうて)(あは)随喜(ずいき)(なみだ)()れて()る。219ブランジーは(この)光景(くわうけい)()()()り、220(また)もや(うま)(くだ)大地(だいち)平伏(へいふく)して帰順(きじゆん)()(へう)したり。221小糸姫(こいとひめ)言葉(ことば)(しと)やかに、
222(なんぢ)天津乙女(あまつをとめ)棚機姫(たなばたひめ)帰順(きじゆん)せし(とく)()つて、223(われ)従司(じうしん)となし(おも)(もち)ひむ。224飽迄(あくまで)(まこと)(もつ)吾等(われら)(つか)へよ』
225(うま)言霊(ことたま)応用(おうよう)すれば一同(いちどう)(かん)()たれ、226五人(ごにん)宣伝使(せんでんし)神人(しんじん)(うやま)ひ、227前後(ぜんご)(まも)りて(やや)展開(てんかい)せる(うる)はしき原野(げんや)(なか)都会(とくわい)(みちび)き、228広殿(ひろどの)五人(ごにん)(むか)へて(こころ)よりの馳走(ちそう)(こしら)へ、229いと(ねんごろ)誠意(せいい)(へう)したりける。
230 (ここ)五人(ごにん)(ひと)(じま)(はな)(うた)はれ、231三五(あななひ)(かみ)(をしへ)四方(よも)宣伝(せんでん)し、232(その)驍名(げうめい)全島(ぜんたう)(とどろ)(わた)りけり。233此処(ここ)(これ)より地恩郷(ちおんきやう)命名(めいめい)し、234小糸姫(こいとひめ)(つい)島人(しまびと)()げられて女王(ぢよわう)となり黄竜姫(わうりようひめ)改名(かいめい)する(こと)となりける。
235 (ここ)五十子姫(いそこひめ)今子姫(いまこひめ)(したが)へ、236梅子姫(うめこひめ)237宇豆姫(うづひめ)小糸姫(こいとひめ)左右(さいう)()せしめ、238自転倒島(おのころじま)さして神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)御跡(みあと)(した)(すす)(わた)(こと)となりぬ。239ブランジーの(つま)にクロンバーといふ(をんな)あり。240夫婦(ふうふ)(いづ)れも五十(ごじふ)(さか)()(いつ)()えたる年輩(ねんぱい)なり。241ブランジーはクロンバーと(とも)(いま)黄竜姫(わうりようひめ)宰相役(さいしやうやく)となり、242遠近(ゑんきん)(その)()(とどろ)かして()た。243クロンバーは(ある)(とき)黄竜姫(わうりようひめ)拝謁(はいえつ)()(おく)()(ちか)(すす)()り、
244黄竜姫(わうりようひめ)(さま)折入(をりい)つてお(ねが)ひが御座(ござ)います。245(わたし)(をつと)ブランジーは貴女様(あなたさま)のお見出(みだ)しに(あづか)り、246宰相(さいしやう)として恩寵(おんちよう)(かたじけ)なうし、247(この)(しま)(おい)ては()(とり)(おと)(いきほひ)となりました。248クロンバー()にとり有難(ありがた)御礼(おれい)(まを)()(やう)御座(ござ)いませぬ。249御存(ごぞん)じの(とほ)大男(おほをとこ)不束者(ふつつかもの)御座(ござ)いますれば、250何卒(どうぞ)御見捨(おみす)てなく末永(すえなが)使(つか)つてやつて(くだ)さいませ。251(わたし)(じつ)(この)(しま)(うま)れではなく、252聖地(せいち)エルサレムに(つか)へて()りました(もの)御座(ござ)いますが、253大切(たいせつ)なる(たま)紛失(ふんしつ)せし()(その)所在(ありか)(たづ)ねむと、254竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(さま)生宮(いきみや)として今年(ことし)(ほとん)満二年(まんにねん)255(のこ)(くま)なく(さが)せども(いま)所在(ありか)(わか)らず、256何卒々々(なにとぞなにとぞ)貴女(あなた)天眼力(てんがんりき)(もつ)御示(おしめ)(くだ)さらば()(がた)御座(ござ)います』
257 黄竜姫(わうりようひめ)厳然(げんぜん)として、
258(これ)(めづ)らしき(なんぢ)(ねが)ひ、259(その)(たま)(まを)すは如何(いか)なる(たま)なるぞ』
260『ハイ、261左様(さやう)御座(ござ)います。262金剛不壊(こんがうふえ)如意宝珠(によいほつしゆ)黄金(こがね)(たま)263(むらさき)(たま)()つの御宝(みたから)御座(ござ)います。264今迄(いままで)自転倒島(おのころじま)三五教(あななひけう)東本山(ひがしほんざん)(をさ)めありし(ところ)265何者(なにもの)にか(ぬす)()られ(いま)行方(ゆくへ)(わか)りませぬ。266黄金(こがね)(たま)(わたし)保管(ほくわん)(いた)して()りました(ところ)267何者(なにもの)にか(ぬす)()され、268(また)(のこ)(ふた)つの(たま)(うはさ)()けば(これ)(また)行方不明(ゆくへふめい)との(こと)269何卒(どうぞ)貴女(あなた)御神力(ごしんりき)(もつ)て、270(この)(しま)(いづ)れの地点(ちてん)にあるやお(しめ)(くだ)さらば()(がた)(ぞん)じます』
271 黄竜姫(わうりようひめ)はさも鷹揚(おうやう)さうに微笑(ほほゑ)(なが)ら、
272(その)宝玉(ほうぎよく)(この)竜宮島(りうぐうじま)には(かく)しては()い。273自転倒島(おのころじま)(ある)地点(ちてん)(かく)しあり、274容易(ようい)発掘(はつくつ)すべからず、275最早(もはや)(なんぢ)(たま)(たい)する執着心(しふちやくしん)(はな)れ、276ブランジーと(とも)誠心(まごころ)(つく)して国務(こくむ)奉仕(ほうし)したが()からう』
277()()()ぐるが(ごと)奥殿(おくでん)姿(すがた)(かく)して仕舞(しま)つた。278(あと)にクロンバーは独言(ひとりごと)
279『アーア、280仕方(しかた)がない。281黄金(こがね)(たま)紛失(ふんしつ)し、282高姫(たかひめ)(さま)(しか)()ばされ、283守護神(しゆごじん)(ささや)きに()つて竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)(かく)しあると()き、284此処(ここ)まで(たづ)ねて()たものの、285(この)(ひろ)(しま)三年(さんねん)五年(ごねん)国人(くにびと)使(つか)うて(さが)して()(ところ)(くも)(つか)(やう)(はな)し、286黄竜姫(わうりようひめ)(さま)のお言葉(ことば)()れば(みつ)つの(たから)(この)(しま)には()いとの(こと)287如何(どう)したら()からうか。288()(たま)()(とき)如何(どう)しても聖地(せいち)(かへ)高姫(たかひめ)(さま)()はす(かほ)がない。289(この)黒姫(くろひめ)(をつと)高山彦(たかやまひこ)(とも)にブランジー、290クロンバーと外国様(からさま)()()へて(この)(しま)()るものの、291もう()うなつては何程(なにほど)結構(けつこう)(やく)(あふ)()けられても聖地(せいち)(くら)ぶれば(もの)(かず)でも()い。292アヽ(はや)(かへ)()いものだナア』
293(かた)(をり)しもブランジーは(この)()(あら)はれ、
294『ヤア黒姫(くろひめ)295(はや)(やかた)(かへ)らうぢやないか。296黄竜姫(わうりようひめ)(さま)御機嫌(ごきげん)(そこ)ねてはならないぞ』
297高山(たかやま)さま、298(なに)仰有(おつしや)る、299もう(わたし)(この)(しま)(いや)になりました。300何程(なにほど)(さが)したとて(この)(ひろ)(しま)手掛(てがか)りの出来(でき)(はず)がありませぬ。301(この)(うへ)(やぶ)れかぶれ、302一旦(いつたん)聖地(せいち)()(かへ)り、303三五教(あななひけう)根本(こんぽん)より立直(たてなほ)し、304言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)()()()さねば(むし)得心(とくしん)(いた)しませぬ。305我々(われわれ)夫婦(ふうふ)波濤万里(はたうばんり)(この)(しま)()苦労(くらう)するのも、306(みな)言依別(ことよりわけ)のためではありませぬか、307エヽ残念(ざんねん)や、308口惜(くちをし)や、309(わたし)はもう(やぶ)れかぶれ、310(これ)から狂乱(きやうらん)になりますから(その)(つも)りで()(くだ)さい』
311『ハヽヽヽヽ、312(また)何時(いつ)もの疳癪病(かんしやくびやう)突発(とつぱつ)したのか。313マアマア(うち)(かへ)つて、314(さけ)でもゆつくり()んで(その)(うへ)(こと)にしようかい』
315(せな)()()()ち、316クロンバーの()()いて(おのれ)(やかた)(かへ)()く。
317大正一一・六・一四 旧五・一九 北村隆光録)
   
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