霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一六章 慈愛(じあい)(なみだ)〔七四六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第24巻 如意宝珠 亥の巻 篇:第4篇 蛮地宣伝 よみ(新仮名遣い):ばんちせんでん
章:第16章 慈愛の涙 よみ(新仮名遣い):じあいのなみだ 通し章番号:746
口述日:1922(大正11)年07月05日(旧閏05月11日) 口述場所: 筆録者:谷村真友 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年5月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
一つ島の諏訪の湖の神宝は、皇大神が三千年の遠い昔から、ミロク神政のあかつきに厳の御魂と現して神の御国を固めようと秘めておいた珍宝であった。
一つ島の奥深く諏訪の湖まで達した五人の宣伝使は、善一筋、人に譲る三五の特性を培い、禊を終えた後は大野ケ原を進んで行った。この湖辺の野原は金砂銀砂が敷き詰められて道をなしていた。
すると向こうから十五人の悪漢が現れて、五人にいきなり殴りかかり、さんざんに打ち据えた。五人は十五人に感謝し涙に咽んで手を合わせた。五人の態度にさしもの悪漢も陳謝の涙を流しひれ伏して詫びた。
ふと五人が後を振り返ると、十五人の悪漢の姿はどこにもなかった。初稚姫は、あれは木花咲耶姫命のお気付けだったと一行に告げた。玉能姫一同は、感謝の涙を流した。
さらに進んで行くと、祠の前で熱心に祈願している老人に出会った。ふと声を掛けると、男は体中が膿み腐れる病気にかかっていた。そして女の唇で膿を吸ってもらえると治るので、宣伝使なら人助けに吸ってくれないか、と懇願した。
玉能姫、初稚姫、お民は何のためらいもなく全身の膿を吸い始めた。すべての膿を吸いだし終わると、五人は男を囲んで天津祝詞を奏上した。男は喜び感謝し、元気に歩いてその場を立ち去った。
五人は結構な神徳をいただいたことを感謝し、西へ西へと宣伝歌を歌いながら進んで行った。これより五人が西部一体を試練に会いながら宣伝してオーストラリヤ全島に三五教を宣布する物語は、後日詳述することとなる。
因みに初稚姫の御魂は三十万年後に大本教祖出口直子と顕れ給う神誓である。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-08-18 01:12:13 OBC :rm2416
愛善世界社版:273頁 八幡書店版:第4輯 713頁 修補版: 校定版:282頁 普及版:127頁 初版: ページ備考:
001七十五(しちじふご)(せい)言霊(ことたま)
002(ちな)みて()める諏訪(すは)(うみ)
003(すめ)大神(おほかみ)三千歳(みちとせ)
004(とほ)神代(かみよ)(むかし)より
005ミロク神政(しんせい)(あかつき)
006(いづ)御霊(みたま)(あら)はして
007(かみ)御国(みくに)(かた)めむと
008諏訪(すは)(みづうみ)(そこ)(ふか)
009()(たま)ひたる珍宝(うづたから)
010(たつ)宮居(みやゐ)司神(つかさがみ)
011玉依姫(たまよりひめ)言依(ことよ)さし
012三千(さんぜん)世界(せかい)(うめ)(はな)
013五弁(ごべん)身魂(みたま)一時(いつとき)
014(ひら)常磐(ときは)(まつ)()
015()たせ(たま)ひし(かしこ)さよ
016(なみ)()()けて()れませる
017(たま)(あざむ)姫神(ひめがみ)
018(いつ)ツの(たま)()()たし
019(をしへ)御子(みこ)五柱(いつはしら)
020(まへ)実物(じつぶつ)(あら)はせて
021往後(わうご)(いまし)神業(しんげふ)
022完成(くわんせい)したる(あかつき)
023手渡(てわた)しせむと(おごそ)かに
024(ちか)(たま)ひし(こと)()
025()(にん)御子(みこ)(かしこ)みて
026夢寐(むび)にも(わす)れず千早(ちはや)()
027(かみ)(まこと)(こころ)とし
028(ひつじ)(ごと)くおとなしく
029如何(いか)なる(てき)にも刃向(はむか)はず
030善一筋(ぜんひとすぢ)三五(あななひ)
031至誠(まこと)(みち)()(とほ)
032(ひと)(ゆづ)るの徳性(とくせい)
033(つちか)(そだ)てし健気(けなげ)さよ
034玉治別(たまはるわけ)玉能姫(たまのひめ)
035一層(ひとしほ)(さか)しき初稚姫(はつわかひめ)
036(かみ)(みこと)瑞御霊(みつみたま)
037久助(きうすけ)、お(たみ)五人(ごにん)(づれ)
038諏訪(すは)(みづうみ)()(をが)
039七日(なぬか)七夜(ななや)(みそぎ)して
040()(たましひ)(きよ)めつつ
041大野(おほの)(はら)をエチエチと
042金砂(きんしや)銀砂(ぎんしや)敷詰(しきつ)めし
043道芝(みちしば)イソイソ(すす)()く。
044(むか)ふの(はう)より()(きた)
045(だい)(をとこ)(じふ)()(にん)
046出会(であひ)がしらに一行(いつかう)
047目蒐(めが)けて(こぶし)(かた)めつつ
048(ところ)かまはず打据(うちす)ゑて
049一同(いちどう)(いき)()()えに
050無念(むねん)(なみだ)くひしばり
051笑顔(ゑがほ)(つく)()ひけらく
052(こころ)きたなき我々(われわれ)
053金砂(きんしや)銀砂(ぎんしや)敷詰(しきつ)めし
054(きよ)大地(だいち)(すす)みつつ
055(こころ)(はぢ)らふ折柄(をりから)
056何処(いづく)(かた)()らねども
057(われ)()身魂(みたま)(きよ)めむと
058(こころ)(あつ)皇神(すめかみ)
059(めぐみ)(こぶし)(くま)もなく
060(きたな)身体(からだ)(くは)へまし
061有難涙(ありがたなみだ)(むせ)びます
062嗚呼(ああ)諸人(もろびと)諸人(もろびと)
063(なれ)(われ)()身魂(みたま)をば
064(みが)かせ(たま)御恵(みめぐみ)
065(ふか)くまします真人(まさびと)
066あゝ有難(ありがた)有難(ありがた)
067()れより(こころ)(あらた)めて
068(たら)はぬ(われ)()(おこな)ひを
069(おぎな)(まつ)三五(あななひ)
070(かみ)(をしへ)(つかさ)とし
071天地(てんち)(かみ)諸人(もろびと)
072(はぢ)らふ(こと)()きまでに
073身魂(みたま)(みが)(まつ)るべし
074嗚呼(ああ)惟神(かむながら)々々(かむながら)
075(めぐみ)(しもと)(うれ)しみて
076(すめ)大神(おほかみ)御教(みをしへ)
077四方(よも)国々(くにぐに)()(つた)
078世人(よびと)()めに真心(まごころ)
079(つく)さむ(しをり)(いた)します
080(やま)より(たか)(ちち)(おん)
081(うみ)より(ふか)(はは)(おん)
082(めぐみ)()きぬ父母(たらちね)
083(わが)()(いた)はる真心(まごころ)
084(まさ)りて(たふと)(おん)(めぐ)
085(つつし)感謝(かんしや)(たてまつ)
086朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
087(つき)()つとも()くるとも
088仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
089(われ)()(いのち)()するとも
090(かみ)(めぐみ)(この)(むち)
091(その)有難(ありがた)何時(いつ)(まで)
092(わす)るる(こと)はあらざらめ
093(なれ)普通(ふつう)(ひと)ならじ
094諏訪(すは)湖水(こすゐ)()れませる
095(すめ)大神(おほかみ)御心(みこころ)
096()ちて()れます(かみ)ならむ
097(つつし)感謝(かんしや)(たてまつ)
098嗚呼(ああ)惟神(かむながら)々々(かむながら)
099御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ
100(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
101(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
102(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
103直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
104()(あやま)ちは()(なほ)
105三五教(あななひけう)吾々(われわれ)
106如何(いか)なる(こと)惟神(かむながら)
107(すべ)善意(ぜんい)解釈(かいしやく)
108(ただ)一言(ひとこと)(うら)まずに
109(なさけ)(むち)(うれ)しみて
110(あつ)感謝(かんしや)(たてまつ)
111(みづ)()らさぬ皇神(すめかみ)
112(たふと)仕組(しぐみ)(いま)(むち)
113()けたる(この)()今日(けふ)よりは
114(こころ)(こま)(むちう)ちて
115時々(ときどき)(きざ)悪念(あくねん)
116(やま)()()()()らし
117(かは)()(ごと)追払(おひはら)
118大慈(だいじ)大悲(だいひ)大神(おほかみ)
119大御心(おほみこころ)(むく)ふべし
120(すす)めよ(すす)めよいざ(すす)
121(しのび)(やま)逸早(いちはや)
122(つるぎ)(やま)(なん)のその
123仮令(たとへ)()(なか)(みづ)(そこ)
124(かみ)大道(おほぢ)(ため)ならば
125などか(いと)はむ敷島(しきしま)
126大和心(やまとごころ)(ふり)おこし
127国治立(くにはるたち)(おん)(まへ)
128()しき功績(いさを)()(まつ)
129目出度(めでたく)神代(かみよ)にかへり(ごと)
130(まを)さむ()()(たの)しまむ
131嗚呼(ああ)惟神(かむながら)々々(かむながら)
132御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
133小声(こごゑ)玉治別(たまはるわけ)(うた)(をは)り、134打擲(ちやうちやく)された十五(じふご)(にん)(をとこ)(むか)ひ、135一同(いちどう)()(あは)せて、136(うれ)(なみだ)(むせ)びける。137さしも猛悪(まうあく)なる悪漢(あくかん)も、138()(にん)態度(たいど)(あき)(かへ)り、139感涙(かんるゐ)(むせ)(なが)両手(りやうて)()はせて大地(だいち)平伏(ひれふ)し、140陳謝(ちんしや)(ことば)()たざりけり。141玉治別(たまはるわけ)(おほ)いに(よろこ)(ここ)一場(いちぢやう)宣伝(せんでん)をなしながら、142悠々(いういう)として(この)()()()りにけり。
143 (あと)()(かへ)()れば障害(しやうがい)なき大野原(おほのはら)十五(じふご)(にん)荒男(あらをとこ)は、144(いづ)れへ()えしか、145(かげ)(かたち)()えずなり()たりける。146初稚姫(はつわかひめ)は、
147初稚姫(みな)さま、148(いま)(かた)誰方(どなた)(おも)ひますか』
149玉治別玉治別(たまはるわけ)には、150どうも合点(がてん)(まゐ)りませぬ。151何処(どこ)()かれたのでせう』
152初稚姫『イエイエ、153あの(かた)天教山(てんけうざん)(あら)はれ(たま)ひし、154木花(このはな)咲耶姫(さくやひめ)()化身(けしん)御座(ござ)いましたよ』
155 玉能姫(たまのひめ)はこれを()くより「ワツ」と(ばか)りに(こゑ)()(うれ)()きしながら、
156玉能姫『アヽ(かみ)(さま)157有難(ありがた)御座(ござ)いました。158何処迄(どこまで)吾々(われわれ)(たましひ)()(まも)(くだ)さいまして、159今度(こんど)()神業(しんげふ)につきましては不断(たえず)160()(れい)申上(まをしあ)げやうなき()(こころ)()けを(くだ)さいまして、161有難(ありがた)御座(ござ)います。162(なん)とも()(れい)申上(まをしあ)(やう)御座(ござ)いませぬ。163()(かげ)(もつ)(やうや)忍耐(にんたい)(さか)()える()けの()神力(しんりき)(いただ)きました』
164(はな)(すす)(うれ)(なみだ)(しぼ)る。165玉治別(たまはるわけ)(すす)()一言(ひとこと)(はつ)()嗚咽(をえつ)(なが)ら、166自転倒(おのころ)(じま)(むか)両手(りやうて)(あは)(なみだ)をタラタラと(なが)し、167(これ)(また)感謝(かんしや)余念(よねん)なく、168久助(きうすけ)169(たみ)(ただ)両手(りやうて)(あは)せシヤクリ()きするのみ。170初稚姫(はつわかひめ)は、
171初稚姫皆様(みなさま)172大神(おほかみ)(さま)(しん)()慈愛(じあい)(わか)りましたか』
173 一同(いちどう)は、
174一同『ハイ』
175()つたきり(なみだ)滂沱(ばうだ)として腮辺(しへん)(たき)(ごと)(した)たらし()たり。176嗚呼(ああ)惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
177 一行(いつかう)感謝(かんしや)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)(をは)つて、178(また)もや炎熱(えんねつ)()くが(ごと)原野(げんや)(あせ)着物(きもの)(ひた)(なが)(あし)(はや)めて宣伝歌(せんでんか)(うた)(すす)()く。
179 (をり)しも(ちひ)さき(ほこら)(まへ)(みにく)一人(ひとり)(をとこ)180何事(なにごと)祈願(きぐわん)()るにぞ、181玉治別(たまはるわけ)はツカツカと(すす)()り、
182玉治別『モシモシ貴方(あなた)何処(いづれ)(かた)御座(ござ)るか、183()れば()病気(びやうき)体躯(からだ)()えまする。184(いづ)れへお()(あそ)ばすか』
185(たづ)ぬるに(をとこ)玉治別(たまはるわけ)言葉(ことば)にフト(かほ)()げたり。186()れば顔面(がんめん)天刑病(てんけいびやう)にて(つぶ)れ、187体躯(からだ)一面(いちめん)()()はれぬ臭気(しうき)芬々(ふんぷん)として膿汁(うみしる)(なが)れて()る。188玉治別(たまはるわけ)(あん)相違(さうゐ)突立(つつた)つた(まま)189()白黒(しろくろ)して(その)(をとこ)黙視(もくし)してゐる。
190(わし)(この)(むか)ふの谷間(たにあひ)()(もの)だが、191コンナ(みぐ)るしい(やまひ)(わづら)ひ、192誰一人(たれひとり)相手(あひて)になつて()れるものもなし、193(わか)(とき)より体主(たいしゆ)霊従(れいじう)のあらん(かぎ)りを(つく)し、194(かみ)(そむ)いた天罰(てんばつ)で、195モシ……コレ(この)(とほ)り、196世間(せけん)みせしめ()うて()るのだ。197最早(もはや)一足(ひとあし)(あゆ)(こと)出来(でき)ぬ………お(まへ)さま、198(ひと)(たす)ける宣伝使(せんでんし)なれば、199(この)病気(びやうき)(なほ)して(くだ)さいませ。200モシ(をんな)(くちびる)(もつ)(この)膿汁(うみしる)()へば、201病気(びやうき)全快(ぜんくわい)すると()きました。202何卒(なにとぞ)(なさけ)(たす)けて(くだ)さるまいか』
203 初稚姫(はつわかひめ)はニコニコし(なが)ら、
204初稚姫『おぢさま、205()うて(なほ)(こと)なら()はして(くだ)さい』
206()ふより(はや)足許(あしもと)膿汁(うみしる)を「チユウチユウ」と()うては()き、207()うては()(はじ)めたり。208玉能姫(たまのひめ)(あたま)(はう)より顔面(がんめん)209肩先(かたさ)()()順序(じゆんじよ)に、210「チユウチユウ」と(うみ)()うては()()す。211玉治別(たまはるわけ)212久助(きうすけ)(あま)りの(こと)(かほ)得上(えあ)げず、213(こころ)(うち)にて(いち)()(はや)病気(びやうき)平癒(へいゆ)をなさしめ(たま)へと、214祈願(きぐわん)()らして()る。215(たみ)(また)もや立寄(たちよ)つて腹部(ふくぶ)目蒐(めが)けて、216膿汁(うみしる)を「チユウチユウ」と()(はじ)めたり。217(しばら)くの(うち)全身(ぜんしん)(くま)なく膿汁(うみしる)()()(をは)りぬ。218(をとこ)(よろこ)(なが)両手(りやうて)(あは)せ、219路上(ろじやう)蹲踞(しやが)んで(あつ)(なみだ)()()たり。220()(にん)一度(いちど)(その)(をとこ)(なか)()き、221(かたはら)(なが)(みづ)(くち)(すす)()(あら)天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)する。222(をとこ)(たちま)(うれ)しさうな(かほ)をし(なが)ら、
223『アヽ有難(ありがた)御座(ござ)いました。224(たれ)がコンナ(きたな)(もの)を、225(わが)()だとて()うて()れませう。226(れい)言葉(ことば)(つく)されませぬ』
227一礼(いちれい)(なが)(ただち)()ちて常人(じやうじん)(ごと)(あし)(すこや)かに(あゆ)()し、228(つひ)(とほ)姿(すがた)()えずなりにけり。229玉治別(たまはるわけ)感激(かんげき)面色(おももち)にて、
230玉治別(さん)(にん)()(かた)231ヨウマア(たす)けてやつて(くだ)さいました。232(わたし)(をんな)ならば貴方(あなた)(がた)()うに御用(ごよう)(いた)したいので御座(ござ)いますが、233()(をとこ)(をんな)でなければ不可(いか)ぬと(まを)しましたのでつい(ひか)へて()ました。234イヤもう(おそ)()つた()仁慈(じんじ)235国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)236(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)御心(みこころ)(ひと)しき()(こころざし)237感激(かんげき)()へませぬ』
238(また)もや熱涙(ねつるゐ)(むせ)ぶ。239(さん)(にん)愉快気(ゆくわいげ)神徳(しんとく)(かたじけ)なみ、
240三人『あゝ(かみ)(さま)241今日(けふ)結構(けつこう)()神徳(しんとく)(いただ)きました』
242両手(りやうて)(あは)感謝(かんしや)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、243一行(いつかう)()(にん)西(にし)西(にし)へと、244金砂(きんしや)銀砂(ぎんしや)敷詰(しきつ)めたる(ごと)(うるは)しき野路(のみち)を、245宣伝歌(せんでんか)(うた)(すす)()く。
246 (ちなみ)()ふ。247初稚姫(はつわかひめ)霊魂(みたま)三十万(さんじふまん)(ねん)(のち)大本(おほもと)教祖(けうそ)出口(でぐち)直子(なほこ)(あら)はれ(たま)神誓(しんせい)にして、248()れより()(にん)西部(せいぶ)一帯(いつたい)宣伝(せんでん)し、249種々(いろいろ)試練(しれん)()ひ、250(つひ)にオーストラリヤの全島(ぜんたう)三五教(あななひけう)(をしへ)(みちび)き、251神業(しんげふ)成就(じやうじゆ)したる種々(いろいろ)(かん)()行為(かうゐ)物語(ものがたり)は、252紙数(しすう)都合(つがふ)()りて後日(ごじつ)詳述(しやうじゆつ)する(こと)となしたり。253嗚呼(ああ)惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
254大正一一・七・五 旧閏五・一一 谷村真友録)

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