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第一一章 風声鶴唳(ふうせいかくれい)〔七五七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第25巻 海洋万里 子の巻 篇:第3篇 竜の宮居 よみ:たつのみやい
章:第11章 第25巻 よみ:ふうせいかくれい 通し章番号:757
口述日:1922(大正11)年07月10日(旧閏05月16日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年5月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
地恩城では、黄竜姫が配下を従えて月見の宴を催していた。突如、黄竜姫は顔色青ざめ、友彦とその軍勢の幻影を空中に見て、高殿から転落して人事不省となってしまった。
しかし不思議なことに、配下の者たちからは黄竜姫は依然としてその場にあるが如くに見えていた。蜈蚣姫だけには、転落した黄竜姫が見えていた。蜈蚣姫は慌てて駆け下りて行く。
これは二人の執着心の鬼によって、幻覚が見えたのであった。またその罪悪より成れる肉体は、千尋の谷底に落とされ、後には二人の本守護神のみが残っていた。
本守護神となった黄竜姫はますます荘厳の度を増し、月の大神様を宴の肴として宴を開いたことを悔いた。一同は宴を中止し、梅子姫は導師となって神言を奏上した。以後は月見の宴を為すことは厳禁された。
すると貫州と武公が慌てて注進にやってきた。二人は、城外に友彦の大軍勢が押し寄せて城は陥落寸前だという。スマートボールは黄竜姫の命で様子を見に行くと、城外には誰もいなかった。
スマートボールは戻って来て貫州と武公を平手打ちすると、二人はようやく我に返った。二人は取り越し苦労が募って夢を見たと一同に詫びた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm2511
愛善世界社版:162頁 八幡書店版:第5輯 90頁 修補版: 校定版:168頁 普及版:73頁 初版: ページ備考:
001 蒼空(さうくう)一点(いつてん)(くも)なく、002星光(せいくわう)(まばら)にして中秋(ちうしう)(つき)中空(ちうくう)(かか)り、003(かがみ)(ごと)温顔(をんがん)をもて下界(げかい)(てら)(たま)ふ。004地恩城(ちおんじやう)(むね)(ちりば)めたる十曜(とえう)金紋(きんもん)は、005月光(げつくわう)(えい)じて()(まばゆ)きばかりなり。
006 地恩城(ちおんじやう)女王(ぢよわう)黄竜姫(わうりようひめ)は、007梅子姫(うめこひめ)008蜈蚣姫(むかでひめ)009左守(さもり)のスマートボール、010宇豆姫(うづひめ)(はじ)右守(うもり)鶴公(つるこう)011貫州(くわんしう)012武公(たけこう)(その)()(したが)へ、013高殿(たかどの)(のぼ)月見(つきみ)(えん)(ひら)いて()る。014果物(くだもの)(さけ)芳醇(はうじゆん)なる(にほひ)(はな)ち、015柑子(こうづ)016バナナ、017(もも)()()()()(うるは)しき(うつは)()り、018一同(いちどう)(くわん)(つく)して月光(げつくわう)(あふ)(をり)しも、019黄竜姫(わうりようひめ)(たちま)顔色(がんしよく)蒼白(あを)ざめ、020身体(しんたい)(しき)りに動揺(どうえう)して、021心中(しんちう)不安(ふあん)(くも)(つつ)まれし(ごと)容態(ようたい)となれり。
022 梅子姫(うめこひめ)023(その)()人々(ひとびと)()には、024中秋(ちうしう)(つき)皎々(かうかう)(かがや)き、025紺碧(こんぺき)(そら)(いよいよ)(たか)く、026(かぜ)(すず)しく(なん)とも()へぬ気分(きぶん)(つつ)まれて()る。027(ひと)黄竜姫(わうりようひめ)(まなこ)(えい)じたるは、028ジヤンナ(きやう)のテールス(ひめ)(をつと)となり、029三五(あななひ)(みち)をネルソン(ざん)以西(いせい)()き、030旭日昇天(きよくじつしようてん)(いきほひ)ありと(しよう)せらるる友彦(ともひこ)先頭(せんとう)に、031数多(あまた)(おに)(ごと)土人(どじん)032(あや)しき黒雲(くろくも)()り、033幾十万(いくじふまん)とも(かぎ)りなく鋭利(えいり)なる(やり)(たづさ)へ、034中空(ちうくう)より地上(ちじやう)(なが)め、035黄竜姫(わうりようひめ)頭上(づじやう)(むか)つて鋼鉄(まがね)(ほこ)驟雨(しうう)(ごと)()らせ、036()(くるま)()()れ、037(あを)038(あか)039(くろ)(おに)040虎皮(こひ)(ふんどし)()め、041(うし)(ごと)(つの)()やし()(きた)(おそ)ろしさに、042身体(しんたい)(たちま)震動(しんどう)して、043高殿(たかどの)より(つひ)顛落(てんらく)044人事不省(じんじふせい)(おちい)りける。
045 蜈蚣姫(むかでひめ)(おどろ)きてものをも()はず、046(おい)()甲斐々々(かひがひ)しく階段(かいだん)(くだ)()く。047されど梅子姫(うめこひめ)048スマートボール(その)()面々(めんめん)には、049黄竜姫(わうりようひめ)姿(すがた)(ならび)蜈蚣姫(むかでひめ)姿(すがた)依然(いぜん)として高殿(たかどの)(つき)(しやう)するかの(ごと)()()たり。050それ(ゆゑ)蜈蚣姫(むかでひめ)周章(あわて)階段(かいだん)(くだ)()きし(こと)も、051黄竜姫(わうりようひめ)高殿(たかどの)より墜落(つゐらく)せし(こと)(ゆめ)にも()らざりし。052(えう)するに黄竜姫(わうりようひめ)053蜈蚣姫(むかでひめ)本守護神(ほんしゆごじん)は、054依然(いぜん)として(この)高殿(たかどの)(その)(まま)(たい)(あら)はし、055嬉々(きき)として(つき)(しやう)しつつありしなり。056二人(ふたり)身体(からだ)(のこ)れる執着心(しふちやくしん)(おに)()めに()くの(ごと)幻覚(げんかく)(おこ)し、057(また)(その)罪悪(ざいあく)凝固(かたまり)より()れる肉体(にくたい)は、058副守護神(ふくしゆごじん)容器(いれもの)として高殿(たかどの)(した)なる千仭(せんじん)谷間(たにま)()(おと)されたるなりき。
059 (あと)(のこ)つた黄竜姫(わうりようひめ)姿(すがた)は、060(あだか)鼈甲(べつかふ)(ごと)身体(しんたい)(なか)()(とほ)りて一層(いつそう)()(くは)へ、061言葉(ことば)(にはか)(すず)しく()荘重(さうちよう)()()たりぬ。
062梅子姫(うめこひめ)黄竜姫(わうりようひめ)(さま)063不思議(ふしぎ)(こと)があるもので御座(ござ)いますな。064今迄(いままで)貴女(あなた)のお姿(すがた)とうつて(かは)り、065一入(ひとしほ)立派(りつぱ)御顔色(おんかんばせ)066身体(からだ)恰好(かつかう)までも、067何処(どこ)ともなく威厳(ゐげん)(くは)はつた(やう)(おも)ひます。068(かは)ると()つても、069()迅速(じんそく)向上(かうじやう)(あそ)ばすと()(こと)は、070不思議(ふしぎ)でなりませぬ』
071黄竜姫(わうりようひめ)『ハイ、072(わたし)勿体(もつたい)なくも三五教(あななひけう)神司(かむづかさ)となり、073(かつ)地恩城(ちおんじやう)女王(ぢよわう)(まで)(のぼ)りつめ、074(やや)得意(とくい)(いろ)(うか)安心(あんしん)()にうたれて、075勿体(もつたい)なくも(つき)大神様(おほかみさま)玩弄物(おもちや)(なに)かの(やう)に、076酒肴(さけさかな)()()月見(つきみ)(えん)だと、077花見(はなみ)雪見(ゆきみ)(やう)(おそ)(おほ)(こと)(なん)とも(おも)はず(はじ)めましたが、078(たちま)大空(おほぞら)月光菩薩(げつくわうぼさつ)御威勢(ごゐせい)()らされハテ、079()まない(こと)をした、080(わたし)(いま)こそ()(とり)(おと)(やう)威勢(ゐせい)()うして此処(ここ)安楽(あんらく)(くら)して()るが、081(つき)(かがみ)(わたし)(ふる)(きず)がスツカリ(うつ)つた(やう)心持(こころもち)になり、082月見(つきみ)どころか、083(あな)でもあらば這入(はい)()(やう)心持(こころもち)になり、084悔悟(くわいご)(ねん)(くる)しむ(とき)しも、085満天(まんてん)(ほし)黒雲(くろくも)(つつ)まれ月光(げつくわう)(かげ)(かく)四面(しめん)咫尺(しせき)暗澹(あんたん)となりしと(おも)()もなく、086ジヤンナの(さと)三五(あななひ)(みち)(つた)ふる友彦(ともひこ)(わたし)(むかし)(かれ)(あた)へた凌辱(りようじよく)(うら)みを(かへ)さむと数多(あまた)(おに)(したが)へ、087天上(てんじやう)より鋼鉄(まがね)(ほこ)(あめ)(ごと)くに()らせ、088()(くるま)(もつ)(わが)肉体(にくたい)(むか)(きた)(その)(おそ)ろしさ。089(つみ)にかたまつた肉体(にくたい)(きぬ)神様(かみさま)御恵(みめぐみ)()つて()()られ、090(また)母上(ははうへ)()(あい)(おぼ)(たま)執着心(しふちやくしん)(ころも)は、091(この)谷間(たにま)()ちて白烟(はくえん)となり()()せました。092アヽ()くなる(うへ)最早(もはや)(わたし)肉体(にくたい)には一点(いつてん)雲霧(くもきり)()く、093(まさ)(この)中秋(ちうしう)のお月様(つきさま)(ごと)身魂(しんこん)(うま)(かは)つた(やう)御座(ござ)います。094それに()いては皆様(みなさま)095只今(ただいま)より月見(つきみ)(えん)(はい)し、096神様(かみさま)にお(わび)(いた)しませう』
097との物語(ものがた)りに梅子姫(うめこひめ)(かん)()り、098(みづか)導師(だうし)となつて高殿(たかどの)端坐(たんざ)し、099月光(げつくわう)(むか)つて感謝(かんしや)祈願(きぐわん)神言(かみごと)奏上(そうじやう)し、100月見(つきみ)(もち)ゐたる(すべ)ての(うつは)(この)高殿(たかどの)より眼下(がんか)谷底(たにそこ)目蒐(めが)けて一品(ひとしな)(のこ)らず()げやり、101今後(こんご)(けつ)して月見(つきみ)(えん)()さざる(こと)神明(しんめい)(やく)し、102悄然(せうぜん)として地恩城(ちおんじやう)奥殿(おくでん)姿(すがた)(かく)し、103(ふたた)一同(いちどう)打揃(うちそろ)天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)する(こと)となりぬ。
104 地恩城(ちおんじやう)黄竜姫(わうりようひめ)(はじ)め、105(おも)だちたる幹部(かんぶ)奥殿(おくでん)()り、106祝詞(のりと)奏上(そうじやう)(をは)つて神酒(みき)(いただ)()(さい)107(あわただ)しく(おく)()目蒐(めが)けて駆入(かけい)(きた)貫州(くわんしう)108武公(たけこう)両人(りやうにん)は、109(いき)()()えに後鉢巻(うしろはちまき)グツと()め、110各自(てにてに)(いばら)(むち)(にぎ)つた(まま)
111(まを)()げます。112タヽヽヽ大変(たいへん)御座(ござ)います。113御用意(ごようい)(あそ)ばしませ』
114(いき)もつき(あへ)泣声(なきごゑ)になつて言上(ごんじやう)する。
115スマートボール『(その)(はう)貫州(くわんしう)116武公(たけこう)両人(りやうにん)117大変(たいへん)とは何事(なにごと)だ。118(くる)しうない、119(ちか)()つて(つぶ)さに物語(ものがた)つたが()からうぞ』
120 貫州(くわんしう)両手(りやうて)にて(むね)()(なが)ら、121(やや)反身(そりみ)になつて、
122我々(われわれ)両人(りやうにん)123地恩城(ちおんじやう)城門(じやうもん)を、124スマートボールの命令(めいれい)()数多(あまた)部下(ぶか)監督(かんとく)し、125用心(ようじん)堅固(けんご)(まも)(をり)しも(はるか)(きこ)ゆる(とき)(こゑ)126何事(なにごと)ならむと高殿(たかどの)一目散(いちもくさん)駆登(かけのぼ)り、127(つき)(ひかり)()らして(むか)ふをキツと(なが)むれば、128十曜(とえう)(もん)旗印(はたじるし)129瓢箪形(へうたんがた)馬標(うまじるし)幾十百(いくじふひやく)とも()樹々(きぎ)()()出没(しゆつぼつ)し、130赤鉢巻(あかはちまき)赤襷(あかたすき)131数多(あまた)(こま)(またが)りて(とき)(つく)つて()()(きた)(その)(いきほ)ひの(すさま)じさ、132(てき)何者(なにもの)ならむと斥候(せきこう)(はな)ち、133よくよく()れば(あに)(はか)らむや、134(さき)城外(じやうぐわい)()()されたる(もと)のバラモン(けう)友彦(ともひこ)135ジヤンナの荒武者(あらむしや)(ども)引率(ひきつ)れ、136黄竜姫(わうりようひめ)厳談(げんだん)せむと()ばはり(なが)ら、137猛虎(まうこ)(いきほひ)にて()(きた)る。138味方(みかた)薄衣(うすぎぬ)綾錦(あやにしき)139数万(すうまん)敵軍(てきぐん)甲冑(かつちう)()(かた)小手(こて)脛当(すねあ)て、140鋭利(えいり)武器(ぶき)(たづさ)旗鼓(きこ)堂々(だうだう)()()(きた)物々(ものもの)しさ。141吾々(われわれ)両人(りやうにん)は、142味方(みかた)奴輩(やつばら)(のこ)らず()(あつ)め、143()()(てき)(むか)つて言霊戦(ことたません)開始(かいし)し、144(あま)数歌(かずうた)(うた)()げて両手(もろて)()み、145指頭(しとう)より五色(ごしき)霊光(れいくわう)発射(はつしや)(てき)魔軍(まぐん)(むか)つて(ふせ)(たたか)(ども)146(かれ)強者(しれもの)147言霊(ことたま)(もつ)応酬(おうしう)し、148(その)(うへ)鋭利(えいり)なる武器(ぶき)(たづさ)へ、149時々刻々(じじこくこく)近寄(ちかよ)(きた)(あやふ)さ。150日頃(ひごろ)無抵抗主義(むていかうしゆぎ)地恩城(ちおんじやう)なれども、151()くなる(うへ)最早(もはや)(せん)なし、152武器(ぶき)()へて所在(あらゆる)小石(こいし)引掴(ひつつか)み、153()()(きた)敵軍(てきぐん)(むか)つて雨霰(あめあられ)乱射(らんしや)すれば、154(てき)雪崩(なだれ)をうつて一二丁(いちにちやう)ばかり一旦(いつたん)ドツと()()げしが、155(また)もや(とき)(つく)つて、156暴虎憑河(ばうこひようが)(いきほひ)(おそ)ろしく、157(くち)より火焔(くわえん)()(なが)ら、158(あを)159(あか)160(くろ)鬼神(おにがみ)(ども)先頭(せんとう)()ち、161(らい)(ごと)怪声(くわいせい)(はな)ちて攻来(せめきた)る。162味方(みかた)(わづか)三百有余人(さんびやくいうよにん)163死力(しりよく)(つく)して(いど)(たたか)へども、164(てき)()()大軍(たいぐん)165(またた)(うち)縦横無尽(じうわうむじん)薙立(なぎた)てられ、166無念(むねん)(なが)らも我々(われわれ)両人(りやうにん)167(てき)()()(やうや)(この)()()(かへ)(さふらふ)(ほど)に、168この(ところ)御座(ござ)あつては御身辺(ごしんぺん)(あや)ふし、169一時(いちじ)(はや)裏門(うらもん)より、170山伝(やまづた)ひにシオン(ざん)方面(はうめん)()して()()(たま)へ。171サア、172(はや)(はや)く』
173()(ふる)はし、174左右(さいう)()()()()()注進(ちゆうしん)(およ)(その)(あや)しさ。175スマートボールは合点(がてん)()かず、
176只今(ただいま)まで高殿(たかどの)(おい)月見(つきみ)(えん)(もよほ)()たりし我々(われわれ)177(てき)押寄(おしよ)(きた)気配(けはい)あれば(なん)とか神界(しんかい)より御示(おしめ)しあるべき(はず)178()ても合点(がてん)()かぬ(こと)であるワイ。179……もうし黄竜姫(わうりようひめ)(さま)180梅子姫(うめこひめ)(さま)181如何(いかが)思召(おぼしめ)(たま)ふや、182合点(がてん)()かぬ両人(りやうにん)注進(ちゆうしん)
183二人(ふたり)(かほ)()見守(みまも)り、184(やや)不安(ふあん)面持(おももち)にて(むね)(をど)らせて()る。185黄竜姫(わうりようひめ)悠揚(いうやう)(せま)らず、
186『あいや、187スマートボール、188……貫州(くわんしう)189武公(たけこう)両人(りやうにん)(わが)(まへ)(ともな)(きた)れ』
190との厳命(げんめい)にスマートボールは両人(りやうにん)()()き、191黄竜姫(わうりようひめ)膝下(しつか)(みちび)いた。192二人(ふたり)(かうべ)()れ、193(ねこ)()はれし(ねずみ)(ごと)畏縮(ゐしゆく)して(ふる)(あが)つて()る。
194黄竜姫(わうりようひめ)『あいや、195貫州(くわんしう)196武公(たけこう)両人(りやうにん)197只今(ただいま)(なんぢ)注進(ちゆうしん)せし(こと)過去(くわこ)出来事(できごと)なりや、198(はた)未来(みらい)(こと)なるか、199(ただし)現在(げんざい)(こと)か、200明瞭(めいれう)答弁(たふべん)せよ』
201武公(たけこう)『ハイ、202過去(くわこ)(こと)未来(みらい)出来事(できごと)ならば我々(われわれ)(けつ)して斯様(かやう)心配(しんぱい)(いた)しませぬ。203(すで)城内(じやうない)者共(ものども)(ほとん)滅亡(めつぼう)(いた)し、204我々(われわれ)両人(りやうにん)()くの(ごと)(かほ)手疵(てきず)()ひし以上(いじやう)は、205只今(ただいま)(こと)206(いま)や……アレアレあの(とほ)間近(まぢか)くなつた(こゑ)207人馬(じんば)物音(ものおと)208(いま)友彦(ともひこ)209鋼鉄(まがね)(ほこ)打振(うちふる)(この)()()()(きた)りますれば、210何卒(どうぞ)一時(いつとき)(はや)裏門(うらもん)より()()びて(くだ)さいませ』
211黄竜姫(わうりようひめ)『あいや、212スマートボール、213其方(そなた)表門(おもてもん)()つて実否(じつぴ)調査(てうさ)(きた)れ』
214 スマートボールは『ハイ』と(こた)へて()(あが)らむとする。215貫州(くわんしう)(その)(すそ)(つか)んで、
216『モシモシ左守様(さもりさま)217()(くだ)さいませ、218衆寡(しうくわ)(てき)せず、219()んで()()(なつ)(むし)220(けつ)して(わる)(こと)(まを)しませぬ。221……黄竜姫(わうりようひめ)(さま)222(はや)(はや)御用意(ごようい)(あそ)ばしませ』
223梅子姫(うめこひめ)(いま)武公(たけこう)言葉(ことば)におひおひ(ちか)づく(とき)(こゑ)224人馬(じんば)物音(ものおと)(まを)したが、225天地(てんち)(いた)つて静寂(せいじやく)226(なん)(こゑ)()いではありませぬか』
227武公(たけこう)『ソヽヽそりや(なに)仰有(おつしや)います。228あの(こゑ)(わか)りませぬか』
229顔色(がんしよく)()へて()()かぬ()に、230(ふる)(ふる)(こた)へる。
231 スマートボールは貫州(くわんしう)()()(はな)し、232一目散(いちもくさん)表門(おもてもん)(あら)はれ()れば、233(つき)皎々(かうかう)(かがや)(ねこ)()一匹(いつぴき)其辺(そこら)()えぬ。234『ハテ不思議(ふしぎ)』と高殿(たかどの)(のぼ)四方(しはう)をキツと見渡(みわた)せば(やま)はコバルト(いろ)(あを)ずんで一点(いつてん)白雲(はくうん)もなく、235(やま)()()輪画(りんくわく)一入(ひとしほ)瞭然(れうぜん)として、236(さび)しき(うち)()()はれぬ雅味(がみ)(みなぎ)らして()る。237スマートボールは悠々(いういう)として奥殿(おくでん)(かへ)(きた)り、238二人(ふたり)(まへ)立現(たちあら)はれ、239矢庭(やには)平手(ひらて)(もつ)貫州(くわんしう)240武公(たけこう)横面(よこづら)(ふた)()つピシヤピシヤと()てば、241二人(ふたり)(はじ)めてポカンとした(やう)(つら)(さら)し、
242両人(りやうにん)『ヤア……これはこれは不躾(ぶしつけ)千万(せんばん)にも女王様(ぢよわうさま)御殿(ごてん)何時(いつ)()にか侵入(しんにふ)(いた)し、243(じつ)(まを)(わけ)なき(こと)御座(ござ)います。244何卒(どうぞ)(ゆる)(くだ)さいませ』
245平伏(へいふく)する。
246蜈蚣姫(むかでひめ)『ほんにほんに、247(わし)荒肝(あらぎも)()りかけよつた。248(まへ)一体(いつたい)(なん)()(こと)()つて()るのだ。249大方(おほかた)(ゆめ)()()つたのだらう』
250両人(りやうにん)『ハイ、251(いま)(かんが)へて()ますれば、252(ゆめ)連続的(れんぞくてき)行為(かうゐ)御座(ござ)いました。253あまり友彦(ともひこ)()()()()ると心配(しんぱい)して()つたものですから、254ドエライ(ゆめ)()たので御座(ござ)いませう……あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
255両手(りやうて)(あは)せ、
256両人(りやうにん)『マアマア(ゆめ)結構(けつこう)御座(ござ)いました。257……(みな)さま、258目出度(めでた)う、259(いは)(まを)します』
260 黄竜姫(わうりようひめ)261梅子姫(うめこひめ)262宇豆姫(うづひめ)一度(いちど)()()し、
263『プツフヽヽヽ、264オホヽヽヽ』
265 (やかた)(そと)には皎々(かうかう)たる明月(めいげつ)(かがや)き、266松虫(まつむし)267鈴虫(すずむし)268蟋蟀(こほろぎ)269螽斯(きりぎりす)(こゑ)(にぎは)しく(きこ)えて()る。
270大正一一・七・一〇 旧閏五・一六 北村隆光録)
   
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