霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一七章 (もり)(ささやき)〔七六三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第25巻 海洋万里 子の巻 篇:第5篇 千里彷徨 よみ:せんりほうこう
章:第17章 第25巻 よみ:もりのささやき 通し章番号:763
口述日:1922(大正11)年07月12日(旧閏05月18日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年5月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫、黒姫、高山彦は、部下のアールとエースを連れて、大船に乗ってタカの港を出港していた。太平洋を横切って、淡路の洲本に帰還し、酋長の東助館にやってきた。
東助館の門番として、虻公と蜂公が控えていた。高姫は傲然として中に入れるように命令するが、虻公と蜂公は、東助から高姫が来ることを言い含められていたようで、取り合わない。
虻公と蜂公は、高姫を何とか誤魔化してこの場に釘付けにしようとするが、聖地で御用があることを匂わせる。高姫は勘違いして東助館の中に秘密があると思って入ろうとする。そこへ東助の妻・お百合が騒ぎを聞きつけて出てきた。
お百合は、館の中は至る所に暗渠があって、地図がないと歩けないのだ、と脅すと、ようやく高姫はあきらめて去っていった。
一方、生田の森の杢助館には、国依別、秋彦、駒彦の三人が留守をしていた。国依別は、今回の竜宮島の神宝納めの神業のために聖地に行かなければならないため、秋彦と駒彦に留守を頼んでいた。
三人がちょうど高姫の噂をしていると、窓の外に高姫一行が夜叉のような顔をしてやってくるのが見えた。駒彦は二人を奥の間に隠れさせて、自分が応対係りになると買って出た。
駒彦は高姫らを馬鹿な話で煙に巻こうとする。その中で、すでに神宝は聖地に納まったことを仄めかす。高姫は奥の間にも人がいることに気が付き、国依別と秋彦を見つける。二人は鼠の真似をして高姫を馬鹿にする。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm2517
愛善世界社版:243頁 八幡書店版:第5輯 120頁 修補版: 校定版:255頁 普及版:108頁 初版: ページ備考:
001 黄金(こがね)(たま)紛失(ふんしつ)し、002高姫(たかひめ)追放(つゐはう)されて、003オセアニヤの(ひと)(じま)(たま)所在(ありか)(さぐ)らむと艱難(かんなん)辛苦(しんく)(をか)して立向(たちむか)うた黒姫(くろひめ)は、004(をつと)高山彦(たかやまひこ)(とも)に、005(ひと)(じま)酋長格(しうちやうかく)となり、006数多(あまた)土人(どじん)()なづけ、007一時(いちじ)武力(ぶりよく)(もつ)東半分(ひがしはんぶん)()勢力(せいりよく)扶植(ふしよく)しつつあつた。
008 其処(そこ)小糸姫(こいとひめ)009五十子姫(いそこひめ)010梅子姫(うめこひめ)011今子姫(いまこひめ)012宇豆姫(うづひめ)容色(ようしよく)端麗(たんれい)なる美人(びじん)(あら)はれ(きた)り、013土人(どじん)崇敬(すうけい)(こと)(はなはだ)しく、014高山彦(たかやまひこ)015黒姫(くろひめ)(これ)排斥(はいせき)するの余地(よち)なきを(さと)り、016抜目(ぬけめ)なき両人(りやうにん)(ただち)(ねこ)(かぶ)つて小糸姫(こいとひめ)部下(ぶか)となり、017(つい)には(こころ)より小糸姫(こいとひめ)悦服(えつぷく)し、018地恩城(ちおんじやう)にブランジー、019クロンバーの(しよく)(つと)め、020二年(ふたとせ)三年(みとせ)一意専心(いちいせんしん)(たま)所在(ありか)を、021土人(どじん)(もつ)捜索(そうさく)せしめつつあつた。022されども(たま)らしき(もの)何一(なにひと)()()らず、023(ほとん)絶望(ぜつばう)(おも)ひに(しづ)(とき)024高姫(たかひめ)(その)()一行(いつかう)此島(ここ)(きた)るに(くわい)し、025最早(もはや)本島(ほんたう)(よう)()し、026仮令(たとへ)オセアニヤ全島(ぜんたう)(わが)()(にぎ)(とも)027三千世界(さんぜんせかい)(たから)たる(みつ)つの神宝(しんぽう)には(およ)(べか)らず。028躊躇(ちうちよ)逡巡(しゆんじゆん)せば、029(また)何人(なんぴと)にか宝玉(ほうぎよく)所在(ありか)(さぐ)られむと、030高姫(たかひめ)031黒姫(くろひめ)032高山彦(たかやまひこ)は、033日頃(ひごろ)手撫(てな)づけ()きたるアール(愛三)、034エース(栄三)の二人(ふたり)引連(ひきつ)れ、035(やや)(ひろ)(だい)なる樟製(くすせい)(ふね)()(まか)せ、036タカの(みなと)(ひそか)立出(たちい)で、037後白浪(あとしらなみ)()(いだ)す。
038 やうやうにして太平洋(たいへいやう)波濤(なみ)横断(よこぎ)り、039数多(あまた)島嶼(たうしよ)()うて馬関(ばくわん)()ぎり、040瀬戸(せと)(うみ)帰還(きくわん)し、041淡路(あはぢ)洲本(すもと)(いま)岩屋(いはや)(あた)り)に(やうや)(ふね)(よこ)たへ高姫(たかひめ)先頭(せんとう)一行(いつかう)五人(ごにん)042洲本(すもと)酋長(しうちやう)東助(とうすけ)(やかた)()して(すす)()く。043()れば非常(ひじやう)宏大(くわうだい)なる邸宅(ていたく)にして、044表門(おもてもん)には二人(ふたり)門番(もんばん)阿吽(あうん)仁王(にわう)(やう)儼然(げんぜん)(ひか)へて()る。045よくよく(かほ)(なが)むれば、046生田(いくた)(もり)杢助館(もくすけやかた)(おい)出会(でつくわ)した虻公(あぶこう)047蜂公(はちこう)両人(りやうにん)である。
048高姫(たかひめ)『オヽお(まへ)虻公(あぶこう)049蜂公(はちこう)……如何(どう)してマア泥棒(どろばう)がそこまで出世(しゆつせ)をしたのだい。050()出神(でのかみ)御入来(ごにふらい)だから、051一時(いつとき)(はや)(やかた)(あるじ)東助殿(とうすけどの)に、052()出神(でのかみ)御光来(ごくわうらい)だと報告(はうこく)をしてお()れ』
053横柄(わうへい)命令(めいれい)する(やう)()ふ。
054虻公(あぶこう)(この)(ごろ)御主人(ごしゆじん)はお不在(るす)御座(ござ)いますから、055何人(どなた)がお入来(いで)になつても、056(この)(もん)通過(つうくわ)さしてはならないと()はれて、057()我々(われわれ)両人(りやうにん)厳重(げんぢう)(かた)めて()るのだから、058()出神(でのかみ)さまであらうが、059仮令(たとへ)国治立尊(くにはるたちのみこと)(さま)であらうが、060(とほ)(こと)(まか)りなりませぬワイ。061主人(しゆじん)在宅(ざいたく)(とき)門番(もんばん)(たれ)()ないのだが、062主人(しゆじん)一寸(ちよつと)神様(かみさま)御用(ごよう)で、063何々(なになに)方面(はうめん)御越(おこ)(あそ)ばし、064(その)不在中(るすちう)戸惑(とまど)(もの)……何々(なになに)四五人連(しごにんづれ)でやつて()るから、065(けつ)して()れてはならぬぞ。066()(わが)命令(めいれい)(やぶ)つて門内(もんない)(とほ)(やう)(こと)があつたら、067(その)(はう)(すぐ)(ひま)()れる。068さうすれば貴様(きさま)虻蜂(あぶはち)()らずになつて(しま)ふぞよ……と(きび)しき御命令(ごめいれい)絶対(ぜつたい)(とほ)(こと)はなりませぬ……なア蜂公(はちこう)069さうぢやないか』
070蜂公(はちこう)『さうだ、071国依別(くによりわけ)さまが生田(いくた)(もり)からお(むか)へにお()でた(とき)072鷹姫(たかひめ)とか、073鳶姫(とびひめ)とか、074烏姫(からすひめ)とか、075黒姫(くろひめ)とか()(やつ)がキツと此館(ここ)へゴテゴテ()うて()るに(ちが)ひないから、076一度(いちど)でも(かほ)見知(みし)つた虻公(あぶこう)077蜂公(はちこう)門番(もんばん)にして()くがよからう……と()つて、078東助(とうすけ)さまと相談(さうだん)(うへ)079臨時(りんじ)門番(もんばん)(つと)めて()るのだ。080神様(かみさま)()ふものは(えら)いものだ。081チヤンと()出神(でのかみ)(さま)(やう)に、082(さき)()つて御座(ござ)るのだから(たま)らぬワイ、083アツハヽヽヽ』
084 高姫(たかひめ)(すこ)しく(こゑ)(とが)らし、
085泥棒(どろばう)(あが)りの虻蜂(あぶはち)分際(ぶんざい)として、086(この)結構(けつこう)神柱(かむばしら)(たか)だの、087(とび)だの、088(からす)だのと、089(なん)()口汚(くちぎたな)(こと)(まを)すのだ。090大方(おほかた)言依別(ことよりわけ)()ハイカラから()かされたのだらう』
091虻公(あぶこう)『そんなこたア如何(どう)でもよい。092(たれ)()つたのか()らぬが、093世界中(せかいぢう)()らぬ(もの)はありますまい。094つひこの(ちか)くに結構(けつこう)(たま)(かく)してあるのに、095オーストラリヤ三界(さんかい)まで()んで()くと()(はね)(つよ)いお(まへ)(ども)だから、096(とり)(たとへ)られても仕方(しかた)があるまい。097グヅグヅして()ると国依別(くによりわけ)東助(とうすけ)さまが(たま)所在(ありか)()()して、098(また)(まへ)さまに()られぬ(やう)にと(たから)埋換(うめかへ)(あそ)ばすと()え、099(なん)でも立派(りつぱ)(たま)聖地(せいち)(をさ)まるから、100(むか)へとか、101受取(うけと)りとかに()かはりました。102(まへ)さまの()らぬ()聖地(せいち)には……(うはさ)()くと、103(なん)でも(ちか)(うち)104五色(ごしき)(たま)(をさ)まると()(こと)105それなつと受取(うけと)つて、106(また)(まへ)さまに(かく)さしたら、107チツトは高姫(たかひめ)108黒姫(くろひめ)病気(びやうき)(なほ)るだらうと、109国依別(くによりわけ)さまが(わら)半分(はんぶん)()つてましたよ。110アハヽヽヽ』
111黒姫(くろひめ)『あの()つの御宝(おたから)を、112言依別(ことよりわけ)(また)()けなほすと()ふのかい、113エーエ(むね)がスイとした。114初稚姫(はつわかひめ)(やう)()チツペや、115玉能姫(たまのひめ)などが末代(まつだい)御用(ごよう)をしたと(おも)つて……三十万年(さんじふまんねん)未来(みらい)までは(なん)仰有(おつしや)つても(まを)()げられませぬ……なんて威張(ゐば)つて()つたのが……(おも)へば(おも)へば可憐(いぢ)らしいわいの。116……それはさうと言依別(ことよりわけ)()ハイカラ、117クレクレと(ねこ)()(ほど)精神(せいしん)(かは)るのだから、118今度(こんど)(また)国依別(くによりわけ)のヤンチヤや、119船頭(せんどう)あがりの東助(とうすけ)御用(ごよう)をさすのらしい。120コリヤうつかりとして()られますまい。121……サア(あぶ)122(はち)御両人(ごりやうにん)123そこまで()いて()以上(いじやう)は、124モツと(くは)しい(こと)御承知(ごしようち)だらう。125(まへ)中々(なかなか)正直者(しやうぢきもの)だ、126それでこそ御神業(ごしんげふ)(つと)まると()ふもの、127サア(わたし)一緒(いつしよ)聖地(せいち)(かへ)様子(やうす)偵察(ていさつ)して、128末代(まつだい)御神業(ごしんげふ)(つか)へませう。129(その)(かは)(この)高姫(たかひめ)130黒姫(くろひめ)御用(ごよう)()けば、131立派(りつぱ)御出世(ごしゆつせ)出来(でき)まする。132(よろ)しいかな、133(わか)りましたか』
134三歳児(みつご)をたらす(やう)に、135(あま)つたるい(こゑ)()して()()まうとする。
136蜂公(はちこう)『グヅグヅして()ると、137国依別(くによりわけ)肝腎(かんじん)御用(ごよう)をしますで、138(はや)うお(かへ)りなされ。139(わる)(こと)()ひませぬ……(小声(こごゑ))と()()うて(もん)(くぐ)らさぬ(やう)に、140()ひまくる(やう)にする(おれ)計略(けいりやく)だ』
141(ちひ)さい(こゑ)(つぶや)くのを、142高姫(たかひめ)耳敏(みみざと)くも、143半分(はんぶん)(ばか)()()り、
144『コリヤ門番(もんばん)古狸(ふるだぬき)()が、145黒姫(くろひめ)さまはお(まへ)にチヨロまかされても、146世界(せかい)大門開(おほもんびら)きを(いた)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)東助(とうすけ)門番(もんばん)(くらゐ)誤魔化(ごまくわ)されはせぬぞ。147(だま)つて()いて()れば(なに)()ふか(わか)つたものぢやない。148(さつ)する(ところ)家島(えじま)絵島(ゑじま))か、149神島(かみじま)四辺(あたり)(かく)()いたる三個(さんこ)宝玉(ほうぎよく)を、150我々(われわれ)(とほ)(ところ)()つたのを(さいは)ひ、151ヌツクリと()()し、152初稚姫(はつわかひめ)玉能姫(たまのひめ)揚壺(あげつぼ)()はし、153(この)(やかた)言依別(ことよりわけ)154国依別(くによりわけ)155東助(とうすけ)(ひそ)んで、156(たま)相談(さうだん)をやつて()(こと)は、157()出神(でのかみ)天眼通(てんがんつう)にチヤンと(うつ)つて()る。158どうだ、159(あぶ)160(はち)161(おそ)()つたか』
162 (あぶ)163(はち)一度(いちど)に、
164『アハヽヽヽ、165エライ()出神(でのかみ)さまだなア。166(なに)()もよう御存(ごぞん)じだワイ』
167高姫(たかひめ)()まつた(こと)だ。168世界(せかい)()えすく水晶身魂(すゐしやうみたま)()出神(でのかみ)(さま)仰有(おつしや)(こと)間違(まちが)ひがあつてたまらうか。169……サアサア高山彦(たかやまひこ)さま、170黒姫(くろひめ)さま、171アール、172エース、173……(あぶ)174(はち)両人(りやうにん)取押(とりおさ)へてフン(じば)り、175我々(われわれ)(おく)(すす)()つて、176三人(さんにん)(つら)(かは)()いてやりませう』
177高山彦(たかやまひこ)高姫(たかひめ)さま、178コリヤ……(ひと)(かんが)(もの)ですな。179多寡(たか)()れた(あぶ)180(はち)門番(もんばん)181そんな秘密(ひみつ)(わか)らう(はず)がない。182グヅグヅして()ると、183()翫弄物(おもちや)にしられるかも()れませぬぞ』
184高姫(たかひめ)『そら(なに)仰有(おつしや)高山(たかやま)さま、185千騎一騎(せんきいつき)(この)場合(ばあひ)186チツト確乎(しつかり)なさらぬかいな。187……黒姫(くろひめ)さまも余程(よつぽど)耄碌(まうろく)しましたね』
188虻公(あぶこう)(おれ)()(おさ)へるの、189フン(じば)るのと、190そりや(なに)()ふのだ、191()いるなら這入(はい)つて()よ。192(あぶ)ない(こと)がして()るぞ。193(たちま)(かみ)(ばち)(あた)つて、194虻蜂(あぶはち)()らずの()()つても()けら、195ドシドシとお(とほ)りなさい……と()ひたいが、196金輪奈落(こんりんならく)(この)(もん)(とほ)しちやならぬと()厳命(げんめい)()けて()るのだから、197表門(おもてもん)(おれ)責任(せきにん)があるから、198入口(いりぐち)一所(ひとところ)ぢやない。199貴様(きさま)勝手(かつて)這入(はい)つたがよからうぞ。200(この)(まへ)にやつて()たお(まへ)()(やう)宣教師(せんけうし)(かはや)(なか)からでも()()たのだから、201(うら)(はう)へそつと(まは)つて、202(かはや)(した)から(くそ)まぶれになつて這入(はい)らうと這入(はい)るまいと、203ソラお(まへ)勝手(かつて)だ。204(この)(もん)だけは、205絶対(ぜつたい)(とほ)(こと)(まか)りならぬのだ。206ウツフヽヽヽ。207……(みつ)つの(たま)とか、208(いつ)つの(たま)とか、209今頃(いまごろ)には聖地(せいち)(たま)(ひかり)(うつく)しい(こと)だらうな。210初稚姫(はつわかひめ)さまも、211玉能姫(たまのひめ)さまも、212(あま)(よく)深過(ふかす)ぎるワイ。213(みつ)つの(たま)御用(ごよう)をし(なが)ら、214今度(こんど)(また)竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)結構(けつこう)(たま)(いつ)つも()()れて八咫烏(やあたがらす)とかに()つて(かへ)つて御座(ござ)るとか、215御座(ござ)つたとか()無声霊話(むせいれいわ)が、216頻々(ひんぴん)東助(とうすけ)さまの(やかた)へかかつて()た。217アヽさうぢや、218杢助(もくすけ)さまも結構(けつこう)生田(いくた)(もり)(やかた)()てて聖地(せいち)()かつしやる(はず)だ。219初稚姫(はつわかひめ)220玉能姫(たまのひめ)さまは、221(とし)(わか)うても、222流石(さすが)立派(りつぱ)(かた)だ。223一度(いちど)ならぬ、224二度(にど)ならぬ、225三千世界(さんぜんせかい)御神業(ごしんげふ)花形(はながた)役者(やくしや)だ。226(こころ)(ひと)つの持様(もちやう)で、227あんな結構(けつこう)御用(ごよう)出来(でき)るのだからなア。228そこらの(ひと)229(つめ)(あか)でも(せん)じて()んだら(くすり)になるだらう。230ウツフヽヽヽ』
231高姫(たかひめ)(たれ)(なん)()つても()くものか。232そんな(うま)(こと)()つて、233(この)(やかた)高姫(たかひめ)()れまいと防禦線(ばうぎよせん)()るのだらうが。234そんな(こと)を……ヘン()高姫(たかひめ)御座(ござ)いますかい。235そんなら(よろ)しい。236裏門(うらもん)から這入(はい)つてやらう。237さうすればお(まへ)(かほ)()つだらう』
238掛合(かけあ)(ところ)へ、239東助(とうすけ)(つま)百合(ゆり)門口(かどぐち)(やかま)しき(ごゑ)()()られ、240()()ちて一人(ひとり)侍女(じぢよ)(とも)(この)()(あら)はれ(きた)る。
241虻公(あぶこう)『これはこれは奥様(おくさま)242よう()(くだ)さいました。243三五教(あななひけう)のヤンチヤ(ぐみ)高姫(たかひめ)一行(いつかう)がお()でになりやがつて、244(この)(もん)(とほ)せと仰有(おつしや)りやがるのです。245如何(どう)()つて謝絶(ことわ)つても、246(かへ)らうと仰有(おつしや)りやがらず、247それ(ほど)這入(はい)りたければ、248友彦(ともひこ)(やう)(かはや)(あな)からでも這入(はい)れと()つてゐる(ところ)御座(ござ)います。249(この)御館(おやかた)表門(おもてもん)(ばか)りで、250裏門(うらもん)()へば雪隠(せついん)(あな)(ばか)り、251そこからでも這入(はい)らうと()熱心(ねつしん)(かた)ですから……どうでせう、252御主人(ごしゆじん)はあれ(だけ)(きび)しくお(いまし)めになつて()ますけれども、253そこは(また)臨機(りんき)応変(おうへん)254どつと譲歩(はづ)んで(とほ)してやつたら如何(どう)でせう』
255百合(ゆり)『これはこれは高姫(たかひめ)(さま)御一行(ごいつかう)御座(ござ)いますか、256(うはさ)(うけたま)はつて()りましたが、257ホンに立派(りつぱ)なお(かた)(ばか)り、258ようお入来(いで)なさいました』
259高姫(たかひめ)(わたし)仰有(おつしや)(とほ)り、260高姫(たかひめ)261高山彦(たかやまひこ)262黒姫(くろひめ)三人(さんにん)御座(ござ)います。263何時(いつ)やらは御主人(ごしゆじん)東助(とうすけ)どんに、264家島(えじま)まで(おく)つて(もら)ひ、265アタ意地(いぢ)くねの(わる)い、266(わたし)家来(けらい)(きよ)267(つる)268(たけ)三人(さんにん)自分(じぶん)(ふね)()せ、269(わたし)家島(えじま)島流(しまなが)しも同様(どうやう)()()はし、270(その)(のち)()ふものはイロイロ雑多(ざつた)(この)高姫(たかひめ)(くるし)めて(くだ)さいまして、271(じつ)有難(ありがた)御座(ござ)います。272(その)(かげ)余程(よつぽど)(わたし)身魂(みたま)(みが)きをさして(いただ)きました』
273百合(ゆり)『どう(いた)しまして、274(れい)には(およ)びませぬ。275苦労(くらう)(かたまり)(はな)()三五教(あななひけう)御座(ござ)いますから、276貴方(あなた)(やう)肝腎(かんじん)のお(かた)改心(かいしん)させる御用(ごよう)(つと)めた(わたし)主人(しゆじん)は、277()はば高姫(たかひめ)のお師匠(ししやう)さま(かく)ですな。278オツホヽヽヽ』
279高姫(たかひめ)(なん)と、280理窟(りくつ)()れば()るものだな。281海賊(かいぞく)(あが)りの東助(とうすけ)女房(にようばう)(だけ)(こと)あつて、282(うま)逆理屈(さかりくつ)をお()(あそ)ばす。283()んな立派(りつぱ)(やかた)()てて、284酋長(しうちやう)々々(しうちやう)()つて()つても、285人品骨柄(じんぴんこつがら)下劣(げれつ)(こと)286(やぶ)船頭(せんどう)(しやう)()ふとる。287海賊(かいぞく)をやつて沢山(たくさん)(たから)(うば)()り、288財産家(ざいさんか)となつて、289栄耀栄華(えいようえいぐわ)()りたけを(つく)し、290今度(こんど)(みつ)つの御神宝(ごしんぱう)にソロソロ()()()した大泥棒(おほどろばう)計画中(けいくわくちう)だらう。291(なん)()つても(おく)()()み、292言依別(ことよりわけ)293国依別(くによりわけ)(たす)けて失敗(しつぱい)をさせない(やう)注意(ちうい)するのが男子(なんし)系統(ひつぽう)高姫(たかひめ)(やく)だ。294サア案内(あんない)をなされ』
295百合(ゆり)『そんなら開放(かいはう)(いた)しませう。296自由自在(じいうじざい)御勝手(ごかつて)にお(さが)(あそ)ばせ。297(この)(やかた)四方(しはう)八方(はつぱう)蜘蛛(くも)()(ごと)く、298(いた)(ところ)暗渠(あんきよ)()つて御座(ござ)いますから、299うつかりお這入(はい)りになると生命(いのち)がお(あぶ)なう御座(ござ)いますぞ。300これ(ほど)(ひろ)屋敷(やしき)でも、301安心(あんしん)して歩行(ある)ける(ところ)は、302ホンの(おび)(ほど)より()りませぬ。303それも生憎(あひにく)東助殿(とうすけどの)絵図面(ゑづめん)()つて()()られるものですから、304私達(わたしたち)庭先(にはさき)だとて迂濶(うつか)(ある)けないので御座(ござ)います。305それ(だけ)(さき)御注意(ごちうい)(まを)()げておきます』
306虻公(あぶこう)()()(かみ)天眼通様(てんがんつうさま)307貴女(あなた)はよく御存(ごぞん)じだらう。308サア、309トツトと(はや)くお(はい)りなされ』
310 高姫(たかひめ)双手(もろて)()んで思案(しあん)()(なが)ら、311一生懸命(いつしやうけんめい)祈願(きぐわん)()らし()した。312(やや)あつて高姫(たかひめ)は、
313『あゝ此処(ここ)にはヤツパリ()りませぬワイ。314……サア黒姫(くろひめ)さま、315高山彦(たかやまひこ)さま、316一時(いちじ)(はや)生田(いくた)(もり)(まゐ)りませう。317()方面(はうめん)三箇(さんこ)宝玉(ほうぎよく)(あら)はれました。318(わたし)天眼通(てんがんつう)にチヤンと(うつ)つた。319(はや)()かないと(また)チヨロまかされると大変(たいへん)だ』
320百合(ゆり)『どうぞ、321さう仰有(おつしや)らずと、322()ゆつくり(あそ)ばしませ』
323高姫(たかひめ)『ヘン(きやう)のお茶漬(ちやづけ)()いて(くだ)されや』
324とプリンプリンと(かた)(しり)互交(たがひちが)ひに()(なが)ら、325磯端(いそばた)(ふね)()(まか)せ、326アール、327エースの両人(りやうにん)艪櫂(ろかい)(あやつ)らせ、328一目散(いちもくさん)再度山(ふたたびやま)(みね)目標(めあて)()いで()く。
329執着心(しふちやくしん)(からま)れて
330(たま)()かれた高姫(たかひめ)
331黒姫(くろひめ)二人(ふたり)(たま)(さが)
332太平洋(たいへいやう)彼方(あなた)まで
333(こころ)(いら)ちて()()だし
334どう(さが)しても(たま)()しの
335(ちから)()ちて捨小舟(すてをぶね)
336高山彦(たかやまひこ)()五人連(ごにんづ)
337折角(せつかく)(なが)肝煎(きもい)りも
338(あわ)()えゆく(なみ)(うへ)
339誠明石(まことあかし)向岸(むかふぎし)
340(なみ)淡路(あはぢ)島影(しまかげ)
341(ふね)()ぎつけ東助(とうすけ)
342(やかた)(もん)()せついて
343(あぶ)(はち)との門番(もんばん)
344()げつ(おろ)しつ、揶揄(からか)はれ
345(こころ)(いら)ちて高姫(たかひめ)
346(また)もや(たま)執着(しふちやく)
347益々(ますます)(つよ)()こしつつ
348再度山(ふたたびやま)山麓(さんろく)
349生田(いくた)(もり)へと(いそ)()く。
350 生田(いくた)(もり)杢助館(もくすけやかた)には、351国依別(くによりわけ)352秋彦(あきひこ)353駒彦(こまひこ)三人(さんにん)が、354臨時(りんじ)留守居役(るすゐやく)として(ひか)へて()た。
355国依別(くによりわけ)玉能姫(たまのひめ)さまも(この)(やかた)をお()ちになつてから、356随分(ずゐぶん)月日(つきひ)()つたが、357どうやら今度(こんど)竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)から結構(けつこう)(たから)受取(うけと)つて、358聖地(せいち)へお(かへ)りになると()(こと)だ。359(いづ)初稚姫(はつわかひめ)(さま)360玉治別(たまはるわけ)一緒(いつしよ)だらう。361何時(いつ)までも(わたし)()うしては()られないから、362聖地(せいち)へお(むか)へに()かねばならぬから、363……秋彦(あきひこ)さま、364駒彦(こまひこ)さまと両人(りやうにん)此館(ここ)(まも)つて()(くだ)さい。365(すぐ)(また)(かへ)つて()ますから、366……』
367秋彦(あきひこ)『ハイ承知(しようち)(いた)しました。368(しか)(なが)万々一(まんまんいち)369(れい)高姫(たかひめ)一行(いつかう)(かへ)つて()て、370国依別(くによりわけ)さまは何処(どこ)()つたと(たづ)ねた(とき)には、371(なん)()つて(よろ)しいか、372それを()かして()いて(もら)ひたいですなア』
373国依別(くによりわけ)滅多(めつた)高姫(たかひめ)(かへ)つて()(やう)(こと)はあるまい。374(しか)万一(まんいち)()たならば、375一層(いつそう)(こと)376事実(じじつ)(もつ)(はな)すのだな』
377秋彦(あきひこ)『そんな(こと)(はな)さうものなら、378高姫(たかひめ)気違(きちがひ)になつて(しま)ひますよ。379(みつ)つの(たま)所在(ありか)(わか)らず、380それが(ため)一生懸命(いつしやうけんめい)になつて()矢先(やさき)381(また)もや結構(けつこう)(いつ)つの(たま)を、382(おな)竜宮島(りうぐうじま)から、383初稚姫(はつわかひめ)(さま)玉能姫(たまのひめ)さまが(いただ)いて(かへ)つたのだと()はうものなら、384大変(たいへん)ですからなア』
385駒彦(こまひこ)『オイ秋彦(あきひこ)386取越(とりこ)苦労(くらう)はせなくても()いよ。387(その)(とき)(その)(とき)(こと)だ。388……国依別(くによりわけ)さま、389何事(なにごと)刹那心(せつなしん)我々(われわれ)はやつてのけますから、390御安心(ごあんしん)(くだ)さつて、391どうぞ一時(いつとき)(はや)聖地(せいち)へお(むか)へに()つて(くだ)さいませ』
392国依別(くによりわけ)『それぢや安心(あんしん)して(まゐ)りませう』
393(はなし)して()る。394(まど)()かしてフト(ほか)()れば、395夜叉(やしや)(やう)(かほ)した高姫(たかひめ)396黒姫(くろひめ)397高山彦(たかやまひこ)(ほか)二人(ふたり)398此方(こなた)(むか)つて(あはただ)しく(すす)んで()る。
399駒彦(こまひこ)『ヤア国依別(くによりわけ)さま、400秋彦(あきひこ)401あれを()よ。402()ぶより(そし)れだ。403高姫(たかひめ)血相(けつさう)()へて(かへ)つて()よつた。404三人(さんにん)()うして()ると面倒(めんだう)だから、405()(この)駒彦(こまひこ)瀬踏(せぶ)みを(いた)します。406あなた(がた)二人(ふたり)(おく)這入(はい)つて、407様子(やうす)(かんが)へて()つて(くだ)さい。408(わたし)(ひと)談判(だんぱん)委員(ゐゐん)になりますから……サアサア(はや)く、409()つけられぬ(うち)に……』
410(うなが)せば、411国依別(くによりわけ)412秋彦(あきひこ)はニタリと(わら)(なが)ら、413(つぎ)()()り、414火鉢(ひばち)(なか)松葉煙草(まつばたばこ)(くす)べて様子(やうす)(かんが)へて()た、415(やうや)近付(ちかづ)いて()高姫(たかひめ)416(おもて)()(たた)いて、
417『モシモシ(たの)みます』
418 (なか)より駒彦(こまひこ)はワザと(ばば)アの(つく)(ごゑ)をし、
419(この)山中(さんちゆう)(ひと)()(たた)くは、420水鶏(くいな)か、421(たぬき)か、422(きつね)か、423高姫(たかひめ)か……オツトドツコイ(とんび)真黒黒姫(まつくろくろひめ)(からす)親方(おやかた)か、424ダ……ダ……ダ……(たれ)だい』
425 (そと)から高姫(たかひめ)426婆声(ばばごゑ)()して、
427(たれ)でもない、428()出神(でのかみ)生宮(いきみや)だ。429(はや)()()けぬか』
430駒彦(こまひこ)(いま)()(くれ)だ、431()出神(でのかみ)朝方(あさがた)()()るものだ。432蝙蝠(かふもり)(かみ)なれば()()けてやるが、433()出神(でのかみ)なればマアマア御免(ごめん)コウモリだよ。434オツホヽヽヽ』
435高姫(たかひめ)此館(ここ)には国依別(くによりわけ)()()ハイカラが留守番(るすばん)をして()(はず)だが、436(まへ)一体(いつたい)437(なん)()(ばば)アだ。438()つから()()れぬ(こゑ)だが、439(たれ)(たの)まれて不在(るす)(いへ)占領(せんりやう)して()るのだ』
440駒彦(こまひこ)『オツホヽヽヽ、441(わし)かいな。442(わし)国依別(くによりわけ)(めかけ)だ。443雀百(すずめひやく)まで牡鳥(をんどり)(わす)れぬと()うて、444棺桶(くわんをけ)片足(かたあし)突込(つつこ)んで()鰕腰(えびごし)(ばば)アでも、445(しうとめ)十八(じふはち)()ふぢやないが、446(むかし)随分(ずゐぶん)あちらからも此方(こちら)からも(そで)()かれ、447()()数多(あまた)花菖蒲(はなあやめ)448それはそれは随分(ずゐぶん)もてたものだよ。449(のこ)りの色香(いろか)()(がた)く、450どこやら、451()(にほ)ひがあると()えて、452(いろ)(みち)には苦労(くらう)をなされた国依別(くによりわけ)さまが、453ゾツコンわたしに惚込(ほれこ)んで五十(ごじふ)(ちが)(とし)をし(なが)(あさ)から(ばん)まで大事(だいじ)にして(くだ)さるのだ。454(おも)へば(おも)へば(わし)(やう)(うん)()(もの)何処(どこ)にあらうか。455(をとこ)やもめ(うぢ)()くと()ふが、456(をんな)やもを(ほど)結構(けつこう)なものはないワイの。457(まへ)はどこの(ばば)アだか()らぬが、458余程(よつぽど)よい因果者(いんぐわもの)()えて、459(その)(つら)(なん)だい。460汐風(しほかぜ)()かれ(かほ)(いろ)真黒(まつくろ)け、461何方(どちら)黒姫(くろひめ)だか、462アカ(ひめ)だかテント見当(けんたう)()れぬお仕組(しぐみ)だ。463オツホヽヽヽ。464()(どく)(さま)(なが)ら、465(ばば)一人暮(ひとりぐら)し、466(ちや)(ひと)()げる(わけ)には()かぬから、467トツトと(かへ)つて(くだ)され』
468 高姫(たかひめ)()節穴(ふしあな)から一寸(ちよつと)(なか)(のぞ)き、
469()()れの(こと)とて確実(はつきり)(わか)らぬがお(まへ)(ばば)アの仮声(こわいろ)使(つか)つて()るが(をとこ)ぢやないか。470チツと(あや)しいと(おも)つて()た。471白状(はくじやう)せぬかい。472()出神(でのかみ)()(くら)ます(こと)出来(でき)やしないぞ』
473 駒彦(こまひこ)ヤツパリ(ばば)仮声(こわいろ)()して、
474言霊(ことたま)(をんな)(からだ)(をとこ)だ。475変性男子(へんじやうなんし)根本(こんぽん)生粋(きつすゐ)神国魂(やまとだましひ)御身魂(おんみたま)だよ』
476高姫(たかひめ)『ヘンお(まへ)(もと)馬公(うまこう)()つた駒彦(こまひこ)だらう。477(うま)(こと)()つて私達(わたしたち)(こま)らさうと(おも)つても、478()出神(でのかみ)は……ヘン、479そんな(こと)では(こま)りませぬワイ。480グヅグヅ(まを)さずに、481サツサと()けなされ』
482駒彦(こまひこ)『アツハヽヽヽ、483とうと()出神(でのかみ)発見(はつけん)せられました。484……(たた)けば(ひら)(かど)(くち)485(たた)いて(わか)(おれ)(くち)486サツパリ()けが(あら)はれたか。487三千世界(さんぜんせかい)大化物(おほばけもの)薩張(さつぱり)駄目(だめ)だ』
488無駄口(むだぐち)(たた)(なが)ら、489ガラリと()押開(おしあ)け、490駒彦(こまひこ)(こし)(かが)め、491()()をし(なが)(をんな)(こゑ)使(つか)ひ、
492『これはこれは三五教(あななひけう)にて(かく)れなき御威勢(ごゐせい)(たか)き、493変性男子(へんじやうなんし)系統(ひつぽう)高姫(たかひめ)(さま)494黒姫(くろひめ)(さま)495高山彦(たかやまひこ)(さま)御一行(ごいつかう)496よくよくお(たづ)(くだ)さいました、497(わたし)若彦(わかひこ)(つま)玉能姫(たまのひめ)(まを)(もの)498何時(いつ)何時(いつ)結構(けつこう)御教訓(ごけうくん)(たま)はりまして有難(ありがた)御座(ござ)ります。499紀州(きしう)(おい)高姫(たかひめ)(さま)夫婦(ふうふ)対面(たいめん)(ところ)見付(みつ)けられ、500イヤモウ赤面(せきめん)(いた)しました。501オツホヽヽヽ』
502高姫(たかひめ)『コレ駒彦(こまひこ)さま、503(ひと)馬鹿(ばか)にするのかい。504(おほ)きな(くち)無理(むり)におチヨボ(ぐち)にしたり、505玉能姫(たまのひめ)仮声(こわいろ)使(つか)つて(なん)(ざま)だ。506(ばば)になつたり、507(むすめ)になつたり、508(この)(ごろ)はチツとどうかしとりますな』
509『ハイ、510(おほい)にどうかしとります。511何分(なにぶん)三箇(さんこ)(たま)紛失(ふんしつ)(いた)し、512玉能姫(たまのひめ)に、513折角(せつかく)御用(ごよう)(うけたま)はり(なが)ら、514(たこ)揚壺(あげつぼ)()はされ、515(この)(ごろ)(また)(いつ)つの(たま)聖地(せいち)這入(はい)つたとやら()(こと)516それで(この)駒彦(こまひこ)()()でならず心配(しんぱい)をして()ると、517最前(さいぜん)(やう)黒姫(くろひめ)とか()(ばば)アの(れい)(うつ)つたり、518玉能姫(たまのひめ)(れい)(うつ)つたり、519時々刻々(じじこくこく)(こゑ)までが(かは)ります。520ハイハイ(まこと)面目(めんぼく)次第(しだい)御座(ござ)りませぬワイ。521アツハヽヽヽ』
522(かた)(ゆす)る。523黒姫(くろひめ)は、
524『お(まへ)さまは黒姫(くろひめ)(れい)(うつ)つたと仰有(おつしや)つたが、525それは(たれ)(こと)ですか。526聞捨(ききずて)ならぬ(いま)のお言葉(ことば)…』
527鼻息(はないき)(あら)くする。
528駒彦(こまひこ)身魂(みたま)(かみ)御用(ごよう)使(つか)ふて()るから、529イロイロの霊魂(みたま)(うつ)るぞよ。530駒彦(こまひこ)(まを)しても駒彦(こまひこ)()ふのでないぞよ。531(くち)()(ばか)りであるぞよ。532駒彦(こまひこ)(うら)めて(くだ)さるなよ。533何事(なにごと)(かみ)仕組(しぐみ)であるぞよ。534駒彦(こまひこ)(なん)にも()らず…ウンウン』
535 ドスン、536バタンと()びあがつて()せた。
537黒姫(くろひめ)『エー馬鹿(ばか)にしなさるな。538(しか)(この)(やかた)はお(まへ)一人(ひとり)かな』
539駒彦(こまひこ)一人(ひとり)()へば一人(ひとり)540大勢(おほぜい)()へばマア大勢(おほぜい)だ』
541黒姫(くろひめ)(その)大勢(おほぜい)何処(どこ)()るのだい』
542駒彦(こまひこ)(なに)()うても神様(かみさま)容器(いれもの)(つく)られた(この)肉体(にくたい)543天津神(あまつかみ)544国津神(くにつかみ)545八百万(やほよろづ)(かみ)出入(でい)(あそ)ばす駒彦(こまひこ)(にく)(みや)546チヨコチヨコ()出神(でのかみ)もおいで(あそ)ばすなり、547竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)さまもチヨコチヨコ()えますぞよ。548(まこと)乙姫(おとひめ)(この)(ごろ)駒彦(こまひこ)(にく)(みや)宿換(やどがへ)(いた)したぞよ……と仰有(おつしや)つて結構(けつこう)(たま)()せて(くだ)さいますワイ。549ここにも(げん)(てん)(くわ)(すゐ)()(けつ)(いつ)つの(たま)が、550ヤツパリ……ヤツパリぢやつた。551マア()はぬが(はな)ですかいな』
552 高姫(たかひめ)得意顔(したりがほ)になり、
553『それ、554黒姫(くろひめ)さま、555高山彦(たかやまひこ)さま、556(わたし)天眼通(てんがんつう)(ちが)ひますまい。557キツと生田(いくた)(もり)(かく)して()るに(ちが)ひないと()つたぢやありませぬか。558東助館(とうすけやかた)にグヅグヅして()ようものなら(また)(あと)(まつり)になる(ところ)だつたが、559()自分(じぶん)(くち)から白状(はくじやう)した以上(いじやう)は、560てつきり(たま)所在(ありか)(この)(やかた)間違(まちがひ)ない。561……サア駒彦(こまひこ)562モウ(かな)はぬ。563綺麗(きれい)サツパリと(その)(たま)所在(ありか)系統(ひつぽう)肉体(にくたい)にお()かしなされ』
564駒彦(こまひこ)(たま)所在(ありか)竜宮島(りうぐうじま)諏訪(すは)(みづうみ)565玉依姫命(たまよりひめのみこと)さまが、566モウ時節(じせつ)到来(たうらい)したから、567身魂(みたま)立派(りつぱ)守護神(しゆごじん)(わた)したい(わた)したいと仰有(おつしや)るので、568玉照姫(たまてるひめ)(さま)御命令(ごめいれい)()り、569言依別神(ことよりわけのかみ)(さま)から、570東助(とうすけ)さまや国依別(くによりわけ)さまに……お(まへ)受取(うけと)りに()つて()んか……と()つて御命令(ごめいれい)(くだ)つたさうです、571(わたし)御用(ごよう)()きたいのだが怪体(けつたい)(わる)い、572留守番(るすばん)(めい)ぜられ、573(ゆび)(くは)へて(ひと)手柄(てがら)(とほ)(ところ)から傍観(ばうくわん)して()るのだ。574本当(ほんたう)(うらや)ましい(こと)だワイな』
575高姫(たかひめ)『そりや(また)本当(ほんたう)かい。576モウ(すで)聖地(せいち)(をさ)まつたと()ふぢやないか』
577何分(なにぶん)578時間(じかん)空間(くうかん)超越(てうゑつ)した神界(しんかい)御経綸(ごけいりん)だから、579過去(くわこ)とも未来(みらい)とも現在(げんざい)とも、580サツパリ凡夫(ぼんぶ)我々(われわれ)にや(わか)りませぬワイ。581アツハヽヽヽ』
582高姫(たかひめ)『どうやら(おく)()(ひと)気配(けはい)がする。583煙草(たばこ)()うて()るのか、584煙管(きせる)火鉢(ひばち)をポンポン(くら)はして()るぢやないか。585松葉(まつば)(くさ)(かをり)がして来出(きだ)した。586(たれ)()るのだ、587白状(はくじやう)なされ』
588『ハイ(ねずみ)二三匹(にさんびき)(おく)()(あば)れて()るのでせう』
589『それでも(けむり)()るぢやないか』
590(ねずみ)煙草(たばこ)()うて()るのでせうかい』
591 高姫(たかひめ)はスタスタと(おく)()(ふすま)()()けて()びこみ、592二人(ふたり)姿(すがた)()て、
593『これはしたり、594国依別(くによりわけ)595秋彦(あきひこ)両人(りやうにん)596卑怯(ひけふ)千万(せんばん)にも不在(るす)使(つか)ひ、597(おく)()姿(すがた)(かく)し、598我々(われわれ)邪魔者扱(じやまものあつかひ)になさるのかーツ』
599言葉尻(ことばじり)(ちから)()れ、600(かど)()てて呶鳴(どな)りつけた。601国依別(くによりわけ)杢助流(もくすけりう)にグレンと仰向(あふむ)けにひつくり(かへ)り、602()(あし)(うへ)(はう)にニユウと()ばし、
603『チユウ チユウ チユウ』
604(ねずみ)()(ごゑ)をして()せる。605秋彦(あきひこ)(また)グレンと転倒(ひつくりかへ)り、606(おな)じく手足(てあし)天井(てんじやう)(はう)へニユウと()ばし、
607『クツクツ キユツ キユツ キユツ』
608(わき)(した)(わら)ひを(おさ)へて()る。609高姫(たかひめ)は、
610(なん)()不作法(ぶさはふ)(こと)をなさるのだ。611四足(よつあし)真似(まね)をしたりして、612本守護神(ほんしゆごじん)(あら)はれたのだ。613アヽ(かく)されぬものだ。614身魂(みたま)()ふものは……()出神(でのかみ)御威光(ごゐくわう)()らされて、615(この)(あは)れな(ざま)616()んな身魂(みたま)言依別(ことよりわけ)()ハイカラが信用(しんよう)して()るのだから……本当(ほんたう)(かな)しくなつて()た。617幹部(かんぶ)(やつ)色盲(しきまう)(ばか)りだから、618人物(じんぶつ)()()()いから(こま)つたものだ。619(まこと)のものは排斥(はいせき)され、620()んな(もの)雪隠虫(せんちむし)高上(たかあが)りをするのだからなア』
621国依別(くによりわけ)『チウ チウ チウ』
622秋彦(あきひこ)『クウ クウ クウ』
623国依別(くによりわけ)『サツパリ………身魂(みたま)がチウクウに(まよ)うて()るワイの、624ウツフヽヽヽ。625キユツ キユツ キユツ キユツ』
626(からだ)一面(いちめん)(わら)ひを(しの)んで、627(なみ)()たせて()る。
628高姫(たかひめ)『コレコレ黒姫(くろひめ)さま、629高山彦(たかやまひこ)さま、630一寸(ちよつと)()御覧(ごらん)631大変(たいへん)(こと)出来(しゆつたい)(いた)しました。632(てん)()となり、633()(てん)となり、634サツパリ身魂(みたま)性来(しやうらい)(あら)はれて、635(あし)(うへ)になつて(ある)人間(にんげん)(あら)はれました。636どうぞ(みな)さま、637やつて()天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)し、638(もと)人間(にんげん)になる(やう)(をが)んでやつて(くだ)さい。639あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)640惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
641()(どく)さうな(かほ)して、642一生懸命(いつしやうけんめい)祈願(きぐわん)をこめて()る。
643大正一一・七・一二 旧閏五・一八 松村真澄録)
   
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