霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 清潔法(せいけつはふ)〔七八四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第27巻 海洋万里 寅の巻 篇:第1篇 聖地の秋 よみ:せいちのあき
章:第2章 清潔法 よみ:せいけつほう 通し章番号:784
口述日:1922(大正11)年07月22日(旧閏05月28日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年6月20日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫館の前をとおりかかった友彦は、奥の間から人の話し声が聞こえてくるのに立ち止まり、久しぶりに館に戻ってきた主の様子を窺おうと、門の戸を叩いた。
門番の安公は、意地の悪い友彦を中に入らすわけにはいかないと押し留める。友彦はむきになって入ろうと門を押し始める。安彦は、今中に入って高姫と波風立てられてはこちらが迷惑するのでやめてくれ、と懇願する。
友彦は、それなら今日は帰ってやるが、明日は秘密の話があると高姫に伝えるようにと安公に申し渡した。
安彦は、友彦が来たと高姫に知られたら、四足御魂が来たから邸内をすっかり掃除して清めろ、と言われるのが落ちだと独り言を言っていた。それを通りかかった高姫が聞きつけ、友彦が来たなら掃除をしておけ、と安彦に言いつけた。
安彦は月明かりに庭に水を撒きながら、明日も友彦がやってきたらまた掃除を言いつけられて、こちらの体がもたない、と泣き言を言っている。そして、高姫のような人使いの荒い者には仕えていられない、と国依別を頼って館を逃げ出してしまった。
勝公は高姫たちのお膳を据えていたが、高姫から、安公のように逃げ出さないようにしてくれ、と言われて、しまった、安公に先を越されたと漏らす。
高姫は、逃げるつもりだったのかと勝公に問いただした。勝公は、逃げたいのはやまやまだが、高姫の留守居役をしていたので、誰も使ってくれないので仕方なくここに居るだけだ、と高姫に本心を明かす。
高姫はそれを聞いて怒るが、勝公がいなくなると飯の支度をする者がいなくなると困るから、仕方なく置いてやろうという。一方勝公も、早く逃げ出したいとこぼしながら納戸の方に姿を隠した。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:44頁 八幡書店版:第5輯 258頁 修補版: 校定版:45頁 普及版:19頁 初版: ページ備考:
001西(にし)円山(まるやま)(ひがし)小雲(こくも)
002(やま)(かは)とに(はさ)まれし
003並木(なみき)(まつ)片傍(かたほと)
004(ひのき)(まつ)(すぎ)柏木(かしはぎ)
005丈余(ぢやうよ)にあまる大木(たいぼく)
006(てん)(ふう)じて()(なら)
007それの木蔭(こかげ)瀟洒(せうしや)たる
008丸木柱(まるきばしら)(ささ)屋根(やね)
009(あを)(しろ)(あか)庭石(にはいし)
010どことは()しに配置(はいち)よく
011()(なら)べたる(には)(おく)
012(かす)かに(きこ)ゆる話声(はなしごゑ)
013()くともなしに友彦(ともひこ)
014(おも)はず(もん)をかい(くぐ)
015(なに)かの(つな)()かれしごと
016何時(いつ)()にやら(かど)(くち)
017此処(ここ)高姫御館(たかひめおんやかた)
018(おく)には(かす)かな(ひと)(こゑ)
019何処(どこ)(きやく)かは()らねども
020(なに)()もあれ()(たた)
021主人(あるじ)様子(やうす)(うかが)はん
022さうぢやさうぢやと独言(ひとりごと)
023(たちま)表戸(おもてど)()(たた)
024(をしへ)(みち)友彦(ともひこ)
025久方振(ひさかたぶり)にお(やかた)
026(かへ)()ませる高姫(たかひめ)
027敬意(けいい)(へう)して御挨拶(ごあいさつ)
028(まを)さんものと()(もの)
029()らずに(たづ)()ましたぞ
030(かま)ひなくば表戸(おもてど)
031(はや)()けさせ(たま)へかし』
032()べば(なか)より安公(やすこう)
033折角(せつかく)(なが)友彦(ともひこ)
034(まへ)意地久根悪(いぢくねわる)(ゆゑ)
035高姫(たかひめ)さまの()()はぬ
036(いま)(いま)とて(くに)さまや
037秋彦(あきひこ)さまがやつて()
038(なん)ぢや()んぢやと駄句(だく)りつつ
039形勢(けいせい)不穏(ふおん)見済(みす)まして
040(しり)(から)げて()にました
041(まへ)立派(りつぱ)(をとこ)なら
042(ちつ)とは(かんが)へなされませ
043(おく)一間(ひとま)高姫(たかひめ)
044高山彦(たかやまひこ)黒姫(くろひめ)
045夏彦(なつひこ)常彦(つねひこ)(まへ)()
046秘密(ひみつ)(はなし)をして御座(ござ)
047秘密(ひみつ)何処(どこ)(まで)秘密(ひみつ)ぢやと
048高姫(たかひめ)さまの常套語(じやうたうご)
049今日(けふ)風向(かぜむき)(わる)(ゆゑ)
050()んだがお(まへ)(とく)だらう
051(をとこ)()げて(かへ)るより
052貞操(ていさう)(ふか)きテールスの
053(ひめ)(みこと)親密(しんみつ)
054(たふと)(かみ)御言葉(おことば)
055調(しらべ)(さと)つた(その)(うへ)
056喧嘩(けんくわ)材料(ざいれう)(たくは)へて
057(この)()出直(でなほ)堂々(だうだう)
058捲土重来(けんどぢうらい)するがよい
059七尺男(しちしやくをとこ)高姫(たかひめ)
060黒姫(くろひめ)さまに(へこ)まされ
061(あわ)()くのも()ともない
062(まへ)(わし)()きな(ひと)
063(はな)(あか)愛嬌者(あいけうもの)
064木花姫(このはなひめ)再来(さいらい)
065勝公(かつこう)さまが()うて()
066一度(いちど)(ひら)蓮花(はちすばな)
067此処(ここ)聖地(せいち)蓮華台(れんげだい)
068それの(ふもと)神館(かむやかた)
069(うそ)(まこと)()らねども
070系統(ひつぽう)身魂(みたま)(かか)られし
071()出神(でのかみ)御座(ござ)るぞや
072竜宮海(りうぐうかい)乙姫(おとひめ)
073黒姫(くろひめ)さまを機関(きくわん)とし
074天狗(てんぐ)身魂(みたま)()()うて
075高山彦(たかやまひこ)夫婦(ふうふ)()
076三人(さんにん)()(もと)結構(けつこう)
077()ました(かほ)御座(ござ)るのに
078赤鼻(あかはな)天狗(てんぐ)がやつて()
079(はな)(はな)とが衝突(しようとつ)
080(また)もや悶着(もんちやく)(おこ)りなば
081安公(やすこう)さまも勝公(かつこう)
082()うして(そば)()られよか
083地震(ぢしん)(かみなり)()(あめ)
084さまで(おそ)れぬ豪傑(がうけつ)
085安公(やすこう)さまも高姫(たかひめ)
086その鼻息(はないき)にや(たま)らない
087(をとこ)一匹(いつぴき)(たす)けると
088(おも)うて(かへ)つて(くだ)さんせ
089肝腎要(かんじんかなめ)性念場(しやうねんば)
090秘密話(ひみつばなし)最中(さいちう)
091(まへ)()たと()いたなら
092(たちま)(おこ)暴風雨(ばうふうう)
093(はしら)(たふ)屋根(やね)(めく)
094険難(けんのん)至極(しごく)修羅場裏(しゆらぢやうり)
095あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
096御霊(みたま)(さち)はへましまして
097(しろ)(たま)をば(あづ)かつた
098ジヤンナの(さと)救世主(きうせいしゆ)
099此処(ここ)では(つま)らぬ宣伝使(せんでんし)
100(かみ)(うへ)には(うへ)がある
101(くち)(わる)いと(はら)()てて
102(おこ)つて()れなよ高姫(たかひめ)
103今日(けふ)今日(けふ)とて()うて()
104(おれ)()うので()(ほど)
105()出神(でのかみ)生宮(いきみや)
106御霊(みたま)(うつ)つて()(あか)
107()()(うち)にも高姫(たかひめ)
108(みみ)(はい)れば大変(たいへん)
109地異(ちい)天変(てんぺん)()のあたり
110(はや)(かへ)れ』と(うなが)せば
111友彦(ともひこ)フフンと(はな)(いき)
112(たま)ぬけ()さまの高姫(たかひめ)
113四股(しこ)雄健(をたけ)()(たけ)
114何程(なにほど)(いきほひ)(つよ)くとも
115バラモン(けう)友彦(ともひこ)
116()(うた)はれた(おれ)だもの
117高姫(たかひめ)(くらゐ)(なに)(こは)
118(をんな)一人(ひとり)十人(じふにん)
119(こは)くて(この)()()られよか
120腰抜(こしぬ)野郎(やらう)』と()ひながら
121(ちから)(かぎ)表戸(おもてど)
122()()()らんとする(ところ)
123千騎一騎(せんきいつき)(この)場合(ばあひ)
124友彦(ともひこ)(ごと)きに這入(はい)られて
125()うして門番(もんばん)(つと)まろか
126(あと)でゴテゴテ高姫(たかひめ)
127小言(こごと)()くのが(たま)らない
128友彦(ともひこ)(まへ)(それ)(ほど)
129(もの)道理(だうり)(わか)らぬか
130荒浪(あらなみ)()いだ明朝(あすのあさ)
131(また)出直(でなほ)して()てお()
132(その)(とき)こそは(よろこ)んで
133𧘕𧘔(かみしも)つけて門口(かどぐち)
134(わたし)出迎(でむか)(いた)します
135(たの)(たの)む』と()(ごゑ)
136(はな)てば友彦(ともひこ)()()まり
137平地(へいち)(なみ)(おこ)すよな
138悪戯(いたづら)しても()まないと
139(こころ)(やはら)(こゑ)()
140『お(まへ)()ふのも(もつと)もだ
141そんなら今日(けふ)(かへ)ります
142高姫(たかひめ)さまや黒姫(くろひめ)
143友彦(ともひこ)さまがやつて()
144秘密(ひみつ)(はなし)があるさうぢや
145邪魔(じやま)をしてはならないと
146(かしこ)いお(かた)(こと)なれば
147先見(せんけん)つけて(わが)(やかた)
148いそいそ(かへ)つて()きました
149万一(もしも)明日(みやうにち)()たなれば
150高姫(たかひめ)さまも黒姫(くろひめ)
151高山彦(たかやまひこ)安公(やすこう)
152𧘕𧘔(かみしも)姿(すがた)でお出迎(でむか)
153(かなら)粗相(そさう)あるまいぞ
154()()(まをし)()(ほど)
155沢山(たくさん)さうに友彦(ともひこ)
156(まへ)(おも)うて()るだらう
157黄金(こがね)(はな)()竜宮(りうぐう)
158(ひと)(じま)にて()(たか)
159ネルソン(ざん)峰続(みねつづ)
160ジヤンナの(さと)救世主(きうせいしゆ)
161小野(をの)小町(こまち)衣通(そとをり)
162ネルソンパテイか楊貴妃(やうきひ)
163テールス(ひめ)かと()ふやうな
164古今無双(ここんむさう)のナイスをば
165女房(にようばう)()つた果報者(くわほうもの)
166(かなら)(かなら)ずこの言葉(ことば)
167(わす)れちやならぬぞ高姫(たかひめ)
168(あたま)(ひく)尻高(しりたか)
169犬蹲踞(いぬつくばい)身構(みがま)へし
170申伝(まをしつた)へて()れよかし
171高姫(たかひめ)さまも友彦(ともひこ)
172光来(くわうらい)ありしと()くならば
173(たちま)顔色(かほいろ)(あを)くして
174()()(やま)友彦(ともひこ)
175(たづ)ねて()たのを素気(すげ)なくも
176主人(あるじ)(われ)無断(むだん)にて
177(かへ)すと()(こと)あるものか
178()()いた(わり)()()けた
179安公(やすこう)野郎(やらう)(あたま)から
180(かみなり)さまが()ちるだろ
181(それ)(おも)へば安公(やすこう)
182()(どく)にて(たま)らない
183()らず(ぐち)ぢやと(おも)ふなよ
184武士(ぶし)言葉(ことば)二言(にごん)ない
185(みが)(さと)りし天眼通(てんがんつう)
186(かがみ)(うつ)したその(ごと)
187一切万事(いつさいばんじ)()れて()
188あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
189御霊(みたま)幸倍(さちはへ)(まし)ませよ
190青垣山(あをがきやま)()けるとも
191和知(わち)(ながれ)()れるとも
192友彦(ともひこ)さまの()つた(こと)
193一分一厘(いちぶいちりん)(ちが)はない
194大地(だいち)(ねら)つて()()ろす
195(この)棍棒(こんぼう)(はづ)れても
196(わが)一言(いちごん)(はづ)れない
197(あご)(はづ)れて(あわ)()いて
198吠面(ほえづら)かわいて梟鳥(ふくろどり)
199夜食(やしよく)(はづ)れた(とき)のよな
200(めう)(つら)つきせぬやうに
201親切心(しんせつごころ)友彦(ともひこ)
202一寸(ちよつと)(まへ)()をつける
203(をしへ)(みち)友達(ともだち)
204好誼(よしみ)ぢや(ほど)安公(やすこう)
205(けつ)して(あだ)()くでない
206(あめ)(した)には(てき)()
207一人(ひとり)(あく)()(ほど)
208(こころ)(へだ)ての柴垣(しばがき)
209(はや)()()()(なか)
210(ひと)(のこ)らず仁愛(じんあい)
211ミロクの(まなこ)()るならば
212(たふと)(かみ)御子(みこ)ばかり
213高姫(たかひめ)さまに(この)(こと)
214(かさ)ねて()うて()くがよい
215(わか)れに(のぞ)んで友彦(ともひこ)
216一寸(ちよつと)(にく)まれ(ぐち)(たた)
217あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
218御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
219(うた)(なが)夕焼(ゆふやけ)(そら)()(あふ)ぎつつ、220いそいそと(わが)()をさして(かへ)()く。
221 友彦(ともひこ)(かへ)()後姿(うしろすがた)()えぬ(まで)見送(みおく)つた安公(やすこう)は、
222安公(やすこう)『アヽとんでも()(やつ)がやつて()やがつて、223いらぬ()()ましやがつた。224()めて()なさうと(おも)へば調子(てうし)()つて這入(はい)らうとする。225仕方(しかた)()いから(わる)()つて(かへ)さうと(おも)へば、226無理(むり)やりに()()()けて這入(はい)らうとする。227(こま)つた(やつ)だ。228あんな(をとこ)()結構(けつこう)()出神(でのかみ)のお(やかた)()れやうものなら、229(また)高姫(たかひめ)さまが四足身魂(よつあしみたま)()たから、230此辺(ここら)(けが)れたから、231(しほ)をふれ、232(みづ)()け、233其辺(そこら)()けと矢釜(やかま)しく仰有(おつしや)るに(ちが)ひない。234(この)(ひろ)庭前(ていぜん)俺達(おれたち)二人(ふたり)何程(なにほど)(しやち)んなつても、235()()るやうな(こと)出来(でき)はしない。236マアマア高姫(たかひめ)さまに(わか)らいで掃除(さうぢ)だけは(たす)かつた。237友彦(ともひこ)(やつ)()らず(ぐち)(たた)きやがつて、238𧘕𧘔(かみしも)姿(すがた)でお出迎(でむか)ひせよと馬鹿(ばか)にしやがる。239(しか)(おれ)一寸(ちよつと)(その)()(のが)れにお仕着(しき)言葉(ことば)使(つか)つたのが(あやま)りだ。240……(なに)241変説改論(へんせつかいろん)()(なか)242日進月歩(につしんげつぽ)だ。243今日(こんにち)哲学者(てつがくしや)()つて真理(しんり)となす(ところ)244(かなら)ずしも明日(あす)真理(しんり)でない。245(また)(それ)以上(いじやう)大真理(だいしんり)発見(はつけん)せられたら、246今日(こんにち)真理(しんり)三文(さんもん)価値(かち)()社会(しやくわい)から(はうむ)られて仕舞(しま)ふのだ。247エヽそんな(こと)(かんが)へて取越苦労(とりこしくらう)をするのは馬鹿(ばか)らしい。248刹那心(せつなしん)(たの)しむのだ。249あゝ(いま)()(この)刹那(せつな)心配(しんぱい)()うたら()つたものでない。250(しか)しマア無事(ぶじ)(かへ)つて()れたので、251(おれ)今晩(こんばん)(あし)(なが)うして()られるワイ』
252(くち)(なか)(つぶや)いて()たが、253いつしか声高(こわだか)になり、254高姫(たかひめ)小便(こやう)()つた(かへ)りがけ、255フト(みみ)()り、
256高姫(たかひめ)『これこれ安公(やすこう)さま、257(まへ)(いま)(おほ)きな(こゑ)(なに)()つて()たの』
258安公(やすこう)『ハイ、259眼下(がんか)(ひとみ)(はな)てば淙々(そうそう)たる小雲(こくも)清流(せいりう)老松(らうしよう)(えだ)(ひた)し、260清鮮(せいせん)溌溂(はつらつ)たる(うを)(こずゑ)(をど)る。261(じつ)天下(てんか)絶景(ぜつけい)だ。262それにつけても(この)庭先(にはさき)263勝公(かつこう)安公(やすこう)さま両人(りやうにん)丹精(たんせい)により、264(じつ)清浄(きれい)なものだ。265(じつ)一点(いつてん)(ちり)もなく(けが)れも()い。266まるで御主人(ごしゆじん)身魂(みたま)()()綺麗(きれい)庭先(にはさき)だと、267感歎(かんたん)して()(ところ)御座(ござ)いますワイ』
268高姫(たかひめ)友彦(ともひこ)(なん)とか、269……()うて()たぢやないか』
270安公(やすこう)『ヘー、271……ヘヽヽヽー、272左様(さやう)御座(ござ)います。273()()(はな)(とも)()(はな)ち、274あの水面(すゐめん)()(わた)(ふね)(うつく)しさ。275()(かく)(なん)ともかんとも()はれぬ、276結構(けつこう)(なが)めだと()つて()ましたのですよ』
277高姫(たかひめ)『これ安公(やすこう)さま、278(まへ)掃除(さうぢ)するのが(きら)ひだらう』
279安公(やすこう)『ハイ、280(けつ)して(けつ)して、281身魂(みたま)洗濯(せんたく)282(こころ)掃除(さうぢ)するために(この)聖地(せいち)修業(しうげふ)(まゐ)り、283貴女(あなた)のお(やかた)掃除番(さうぢばん)をさして(いただ)き、284日々(にちにち)身魂(みたま)結構(けつこう)(みが)かして(もら)うて()ます』
285高姫(たかひめ)()うも糞彦(くそひこ)(にほ)ひがする。286(かはや)(あな)から()()(をとこ)友彦(ともひこ)()たのぢやないかな』
287安公(やすこう)(なん)とまア貴女(あなた)(はな)()()きますね。288(まる)でワンワンさまのやうですわ』
289高姫(たかひめ)(わし)()(こと)なれば()いて(くだ)さるかな』
290安公(やすこう)『ハイハイ如何(いか)なる(こと)でも()きまする。291仮令(たとへ)貴女(あなた)()ねと仰有(おつしや)つても(そむ)かずに()きまする』
292高姫(たかひめ)(みみ)だけ()くのぢやないよ。293()くと()ふのは(おこな)ひをする(こと)ぢや。294サア(これ)から屋敷中(やしきぢう)(すみ)から(すみ)まで(はうき)()(きよ)め、295(しほ)をふり、296(みづ)一面(いちめん)()つて(くだ)さい。297さうして(この)雨戸(あまど)にも()うやら四足(よつあし)()()したやうな(にほひ)がする、298(この)()(うす)くなる(ほど)(すな)(みが)いて(こす)つて()きなさい』
299安公(やすこう)『それや……(ちつ)と……ぢや御座(ござ)いませぬか』
300高姫(たかひめ)(ちつ)とで不足(ふそく)なら座敷(ざしき)から(かはや)(なか)(まで)掃除(さうぢ)をさして()げやう。301人間(にんげん)苦労(くらう)せなくては神様(かみさま)(こと)(わか)りませぬぞエ』
302安公(やすこう)『チー……、303チツト……、304ムヽヽヽですな』
305高姫(たかひめ)『そんならとつと今日(けふ)(かぎ)(かへ)つて(くだ)さい』
306安公(やすこう)勝公(かつこう)さまと二人(ふたり)掃除(さうぢ)をさして(いただ)くのでせうなア』
307高姫(たかひめ)勝公(かつこう)さまは炊事(すゐじ)万端(ばんたん)308座敷(ざしき)(よう)もあるし、309一息(ひといき)()()()けませぬ。310エヽ(なん)だか(きたな)(にほひ)がする。311(これ)から()()けても(かま)はぬ、312掃除(さうぢ)をするのだよ』
313安公(やすこう)『アヽ掃除(さうぢ)ですか』
314(ちから)()げに頸垂(うなだ)れる。
315高姫(たかひめ)安公(やすこう)さま、316間違(まちがひ)()からうなア』
317安公(やすこう)『ヘエー……』
318長返辞(ながへんじ)(なが)水桶(みづをけ)()つて井戸端(ゐどばた)に、319のそりのそりと(すす)()く。320高姫(たかひめ)(ほそ)廊下(らうか)(つた)つて(おく)()姿(すがた)(かく)した。
321 安公(やすこう)はブツブツ()(なが)ら、322十三夜(じふさんや)(つき)(ひかり)(さいはひ)に、323さしもに(ひろ)(には)(おも)に、324(ふか)井戸(ゐど)から撥釣瓶(はねつるべ)()()げては手桶(てをけ)(うつ)し、325撒布(さんぷ)しながら、326小言(こごと)()つて()る。
327安公(やすこう)『アヽ大変(たいへん)(こと)(おこ)つて()た。328天変地異(てんぺんちい)よりも(なに)よりも(おれ)()つては大問題(だいもんだい)だ。329大国治立尊(おほくにはるたちのみこと)(さま)三千世界(さんぜんせかい)をお立替(たてか)(あそ)ばし、330綺麗(きれい)薩張(さつぱり)水晶(すゐしやう)()になさる以上(いじやう)大神業(だいしんげふ)だ。331(しか)(なが)折角(せつかく)ちやんと掃除(さうぢ)()まし、332高姫(たかひめ)衛生(えいせい)委員長(ゐゐんちやう)試験(しけん)にやつと合格(がふかく)して、333やれやれと(いき)()れる時分(じぶん)に、334(また)もや友彦(ともひこ)明日(あす)になるとやつて()よる。335さうすりや(また)(おな)(こと)繰返(くりかへ)さねばなるまい。336高姫(たかひめ)高姫(たかひめ)じや、337友彦(ともひこ)友彦(ともひこ)ぢや、338(たか)とも(とんび)とも339(おに)とも340(じや)とも341馬鹿(ばか)とも342(なん)とも(わけ)(わか)らぬ代者(しろもの)寄合(よりあひ)だ。343さうぢやと()つて(この)(まま)掃除(さうぢ)をせずに()(わけ)にも()かず、344是非(ぜひ)とも(みな)やらねばならぬ。345(あさひ)()とも(くも)とも346(つき)()とも()くるとも347仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)とも348(ともひこ)(いのち)のある(かぎ)り、349やつて()とも(わか)らない。350(こま)つたものだ。351(おな)(かみ)さまの(みち)()ながら、352何故(なぜ)(いぬ)(さる)のやうに(なか)(わる)いのだらう。353(とも)()()()うて()かねばならぬ(かみ)のお(みち)354とも(かく)(こま)つたものだなア、355エヽ焼糞(やけくそ)だツ。
356今日(けふ)九月(くぐわつ)十三夜(じふさんや)
357(おれ)副守(ふくしゆ)()つく()
358(かなら)(わす)れちやならないぞ
359こんな(くる)しい()()ふも
360鼻赤男(はなあかをとこ)友彦(ともひこ)
361()やがつたばかりに肉体(にくたい)
362(まへ)(とも)苦労(くらう)する
363苦労(くらう)するのがイヤなれば
364(おれ)(からだ)一寸(ちよつと)(はな)
365鼻赤(はなあか)天狗(てんぐ)憑依(ひようい)して
366(また)しても友彦(ともひこ)()ぬやうに
367(あたま)(いた)(あし)(いた)
368鉄条網(てつでうまう)()つて()
369毎日(まいにち)日日(ひにち)()られては
370(おれ)肉体(からだ)がつづかない
371あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
372(かな)はん(かな)はん(たま)らない
373(かな)はん(とき)神頼(かみだの)
374(おな)主人(あるじ)()つならば
375言依別神(ことよりわけのかみ)さまや
376杢助(もくすけ)さまのやうな(ひと)
377(かみ)さま()たして(くだ)しやんせ
378鼻高姫(はなたかひめ)頑固者(ぐわんこもの)
379偏狭(へんけふ)(こころ)()しよつて
380()()はぬ(やつ)()たと()
381(よご)れて(くさ)いとは(なん)(こと)
382(わが)(まま)気儘(きまま)(ほど)がある
383(ひと)使(つか)はうと(おも)つたら
384一度(いちど)使(つか)はれ()るがよい
385高姫(たかひめ)さまのやうな(ひと)
386(いよいよ)(いや)になつて()
387(これ)から(この)()夜抜(よぬ)けして
388国依別(くによりわけ)秋彦(あきひこ)
389(やかた)()して()()まうか
390宇都山郷(うづやまごう)破屋(あばらや)
391松鷹彦(まつたかひこ)真似(まね)をした
392(おれ)矢張(やつぱり)(くに)さまの
393(おや)御霊(みたま)()れないぞ
394エヽエヽ(おも)へば高姫(たかひめ)
395小癪(こしやく)(さは)つて(たま)らない
396小癪(こしやく)(さは)つて(たま)らない
397小杓(こしやく)(にぎ)つた(この)()さへ
398びりびり(ふる)()して()
399エヽ邪魔(じやま)くさい邪魔(じやま)くさい』
400()ふより(はや)水桶(みづをけ)
401頭上(づじやう)(たか)()()げて
402(には)(なら)んだ()(いし)
403(にら)んでどつと()ちつける
404(をけ)(たちま)ちめきめきと
405()()微塵(みじん)潰滅(くわいめつ)
406(みづ)一度(いちど)()()つて
407高姫(たかひめ)黒姫(くろひめ)(その)(ほか)
408居間(ゐま)障子(しやうじ)()()かる
409高姫(たかひめ)(おどろ)外面(そとも)をば
410(なが)める途端(とたん)安公(やすこう)
411『お(まへ)高姫(たかひめ)黒姫(くろひめ)
412(なが)らくお世話(せわ)になりました
413(まへ)のやうなえぐい(ひと)
414(たれ)がヘイヘイハイハイと
415粗末(そまつ)粗末(そまつ)椀給(わんきふ)
416御用(ごよう)()(やつ)がありませうか
417一先(ひとま)御免(ごめん)(さふら)へ』と
418(あと)()()()()いて
419(つき)(ひかり)()びながら
420黍畠(きびばた)(ふか)(かく)れける。
421高姫(たかひめ)『エヽ仕方(しかた)のないものだ。422とうとう彼奴(あいつ)国依別(くによりわけ)悪霊(あくれい)()かれて仕舞(しま)つたな。423(これ)から国依別(くによりわけ)(やかた)()くと、424独言(ひとりごと)()うて()た。425()(あし)身魂(みたま)()()ると、426(ろく)(こと)(ひと)つも出来(でき)はしない。427……なア黒姫(くろひめ)さま、428(しつか)りしないと貴方(あなた)何時(いつ)悪神(わるがみ)憑依(ひようい)せられるか(わか)りませぬぜ』
429黒姫(くろひめ)『オホヽヽヽ』
430 ()かる(ところ)勝公(かつこう)は、
431勝公(かつこう)『もしもし御一同(ごいちどう)さま、432大変(たいへん)御飯(ごはん)(おく)れて()みませぬ。433どうぞ(この)(まど)()けて、434(つき)さまを()(なが)ら、435(ゆつ)くりとお(あが)(くだ)さいませ』
436高姫(たかひめ)『あゝ(それ)御苦労(ごくらう)だつた。437(まへ)(はや)御飯(ごはん)をお(あが)り、438安公(やすこう)のやうに()()さぬやうにして(くだ)されや』
439勝公(かつこう)『ヘエ、440もう彼奴(あいつ)()()しましたかな。441ヤヽ仕舞(しま)つた。442先立(さきだ)たれたか、443残念(ざんねん)だ』
444高姫(たかひめ)『これこれ勝公(かつこう)さま、445(まへ)(なに)()ふのだ。446高姫館(たかひめやかた)(いや)になつたので、447()()(つも)りで()たのだらう』
448勝公(かつこう)(なん)だか聖地(せいち)方々(かたがた)(たい)しても肩身(かたみ)(せま)いやうな()(いた)しましてなア。449立寄(たちよ)れば大木(おほぎ)(かげ)とやら、450何程(なにほど)(この)(やかた)大木(たいぼく)沢山(たくさん)あつても、451(はし)親分(おやぶん)丈夫(ぢやうぶ)なのがよいとか(まを)しましてな。452(じつ)一寸(ちよつと)思案(しあん)をして()りますので御座(ござ)いますワイ』
453高姫(たかひめ)宜敷(よろし)い、454旗色(はたいろ)のよい(はう)につくのが当世(たうせい)だ。455体主霊従(たいしゆれいじう)杢助(もくすけ)さまにでも()()げて(もら)ひなさい』
456勝公(かつこう)今日(けふ)から此処(ここ)()されては(じつ)(こま)ります。457(なん)()つても、458○○の留守(るす)をして()つた(やつ)だからと()つて、459(たれ)(かれ)排斥(はいせき)して使(つか)つて()れませぬから、460()むを()貴方(あなた)のお(たく)にお世話(せわ)になつて()ました。461よい(くち)があれば(たれ)がこんな(ところ)半時(はんとき)でも()りませうか。462(わたし)(くち)出来(でき)(まで)一寸(ちよつと)(こし)かけに()いて(くだ)さい』
463高姫(たかひめ)『エヽ(けが)らはしい。464そんな(こころ)(ひと)はトツトと()んで(くだ)さい、465反吐(へど)()る』
466勝公(かつこう)神様(かみさま)反吐(へど)()るやうな(きたな)(もの)(あつ)めて洗濯(せんたく)をなさるのぢやありませぬか。467(きよ)らかな(もの)(ばか)りなら、468(べつ)(をしへ)()てる必要(ひつえう)はありますまい。469高姫(たかひめ)さまもよい洗濯(せんたく)材料(ざいれう)出来(でき)たと(おも)つて、470(すこ)(わたし)身魂(みたま)洗濯(せんたく)して(くだ)さいな』
471高姫(たかひめ)『もう洗濯屋(せんたくや)廃業(はいげふ)しました。472洗濯(せんたく)がして(ほつ)しければ一本木(いつぽんぎ)(まで)いつて()なさい。473サアサアトツトと(かへ)つた(かへ)つた……とは()ふものの、474明日(あす)から(たれ)(めし)()いて()れるだらう。475チヨツ、476いまいましいが、477そんなら(しばら)()いて()げよう』
478勝公(かつこう)(なん)だか安公(やすこう)()やがつてから(おれ)()たくなつた。479(なん)ぼう()いてやると()うても()()もせず、480あゝ仕方(しかた)がないなア』
481(ちい)さい(こゑ)(つぶや)きながら、482納戸(なんど)(はう)姿(すがた)(かく)した。
483大正一一・七・二二 旧閏五・二八 加藤明子録)