霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一七章 (ぬま)女神(めがみ)〔七九九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第27巻 海洋万里 寅の巻 篇:第5篇 清泉霊沼 よみ:せいせんれいしょう
章:第17章 沼の女神 よみ:ぬまのめがみ 通し章番号:799
口述日:1922(大正11)年07月28日(旧06月05日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年6月20日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
琉球の島に残った三人は親子親密に島を納めて、人々の尊敬を集めていた。ある夜、清彦の夢に、琉球沼という沼の対岸に、清子姫と照子姫が現れて歌い踊り、清彦を差し招いた。
清彦は目が覚めてから島人に尋ねると、確かに島にはその沼があるとのことであった。沼の中央の珊瑚礁の地下には千畳敷があるという伝説から、島人は誰も近づかないという。清彦は照彦を沼に行こうと誘った。常楠も島を探検するよう二人に命じた。
清彦と照彦は従者を連れて沼に到着した。二人は沼に着くと、湖面を眺めながら清子姫、照子姫への想いを歌った。
一行は砂を敷き詰めた麗しい沼を進んで行った。水深が深くて進めない所に来ると、八尋鰐の群れが現れて橋となり、一行はその上を渡って行き珊瑚礁に着いた。
清彦は珊瑚礁の上で、自分たちが到着したことを知らせる歌を歌った。すると珊瑚礁の小島の岩窟の中から四人の男が現れて一同の前で黙礼し、岩窟を降って一行を案内した。
広場に着いた一行が休んでいると、盛装した清子姫と照子姫が現れた。清子姫は、自分たちは天使長・広宗彦の系統だが、常楠はその従臣であった国彦・国姫の子孫であることを述べた。そして、これこそ言依別教主が定めた因縁であることを明かした。
清彦は、差し招く清子姫の手を取り、清子姫に夫婦の契りを承諾する返歌を返した。同様に照子姫と照彦も夫婦の契りの歌を交わした。
清彦と清子姫は、この沼を中心として島を治めて、琉の島の守り神となって子孫栄え、世は太平に治まった。照彦と照子姫は南の島に渡って治め、人々の尊敬を集めた。南の島を球の島と言い、現在の八重山群島はこの一部が残っている者である。照彦夫婦は台湾島北部にまで教勢を伸ばした。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:263頁 八幡書店版:第5輯 337頁 修補版: 校定版:271頁 普及版:116頁 初版: ページ備考:
001 言依別命(ことよりわけのみこと)002国依別(くによりわけ)高砂島(たかさごじま)へ、003若彦(わかひこ)自転倒島(をのころじま)へ、004照子姫(てるこひめ)005清子姫(きよこひめ)言依別(ことよりわけ)(あと)(した)うて立去(たちさ)つた(あと)清彦(きよひこ)006照彦(てるひこ)は、007(ちち)常楠(つねくす)(とも)(この)(はな)(じま)(のこ)され、008(あたか)遠島(ゑんたう)(なが)されし(ごと)(さび)しみを(かん)じた。009これより親子(おやこ)三人(さんにん)交際(かうさい)益々(ますます)親密(しんみつ)(くは)へ、010よく父子(おやこ)兄弟(きやうだい)順序(じゆんじよ)(おこな)はれ、011数多(あまた)土人(どじん)益々(ますます)崇敬(すうけい)(まと)となつて()た。
012 (この)(しま)琉球沼(りうきうぬま)()(いた)つて(ひろ)()密生(みつせい)した(ぬま)がある。013(ある)()清彦(きよひこ)(ゆめ)に……清子姫(きよこひめ)照子姫(てるこひめ)二人(ふたり)014(ぬま)対岸(むかふぎし)(あら)はれ、015(しろ)(ほそ)()をさし()べて清彦(きよひこ)(むか)ひ、
016琉球(りうきう)へおじやるなら、017草鞋(わらぢ)穿()いておじやれ、018琉球(りうきう)石原(いしはら)019小石原(こいしはら)
020(うた)つて(をど)りしと(ゆめ)()()()めた。
021 土人(どじん)のエムとセムとの従者(じゆうしや)(むか)つて清彦(きよひこ)は、
022清彦(きよひこ)(この)(しま)琉球沼(りうきうぬま)()広大無辺(くわうだいむへん)清泉(せいせん)(たた)へた(ぬま)があるか』
023(たづ)ねて()た。024エム、025セムの二人(ふたり)言下(げんか)(くび)(たて)にふり(なが)ら、
026エム『()ります()ります、027(たしか)立派(りつぱ)(ぬま)があつて、028()周辺(しうへん)密生(みつせい)し、029比較的(ひかくてき)(あさ)く、030さうして(ほか)(ぬま)とは(ちが)つて、031水底(みなそこ)小砂利(こじやり)(もつ)(しき)つめた(やう)気分(きぶん)()(ぬま)です。032その中央(ちうあう)珊瑚礁(さんごせう)(つく)られた立派(りつぱ)(いは)があり、033(その)(いは)には(おほ)きな(あな)()いて()る。034(その)(あな)這入(はい)ると(なか)千畳敷(せんぜうじき)で、035時々(ときどき)立派(りつぱ)美人(びじん)(その)(あな)より二人(ふたり)(あら)はれ、036金扇(きんせん)(ひろ)げて(をど)(くる)()ふとの(こと)です』
037セム『(この)(さと)(もの)伝説(でんせつ)()(ばか)り、038(おそ)れて近寄(ちかよ)つた(もの)はありませぬ』
039清彦(きよひこ)『お(まへ)()つて()るなら、040そこまで案内(あんない)をして()れないか』
041エム『御案内(ごあんない)(いた)しますが、042うつかり(ぬま)(なか)へでも這入(はい)つて(もら)つたら大変(たいへん)です』
043清彦(きよひこ)照彦(てるひこ)044(まへ)()かうぢやないか。045清子姫(きよこひめ)046照子姫(てるこひめ)寸分(すんぶん)(ちが)はぬ美人(びじん)(あふぎ)(ひろ)げて我々(われわれ)兄弟(きやうだい)両人(りやうにん)()つて()るぞよ』
047照彦(てるひこ)兄貴(あにき)048それは(ゆめ)だないか。049(あんま)(きよ)さま(てる)さまに精神(せいしん)()られて()るものだから、050そんな(ゆめ)()たのだよ。051キツと大蛇(をろち)御化(おばけ)にきまつてゐる。052(わし)はマア()めておかうか』
053清彦(きよひこ)『ハテ()(よわ)い。054()(かく)経験(けいけん)(ため)()つて()たら如何(どう)だ。055(べつ)(ほか)(いそが)しい(よう)があると()ふのではない。056(もの)経験(けいけん)ぢやないか。057将来(しやうらい)(この)(しま)覇王(はわう)とならうと(おも)へば、058隅々(すみずみ)までも探険(たんけん)しておく必要(ひつえう)があるだらう。059……お(とう)さま、060如何(どう)でせう。061我々(われわれ)兄弟(きやうだい)062エムとセムを案内者(あんないしや)として一度(いちど)探険(たんけん)()つて()たいと(おも)ひますが……』
063常彦(つねひこ)(なに)()つても、064ここは世界(せかい)秘密国(ひみつこく)だ。065御苦労(ごくらう)だが(ひと)調(しら)べて(もら)ひたい。066……エム、067セムの両人(りやうにん)068(まへ)御苦労(ごくらう)だが、069二人(ふたり)案内(あんない)をしてやつて()れ』
070 エム、071セムの二人(ふたり)(いち)()もなく承諾(しようだく)をした。072(ここ)四人(よにん)常楠(つねくす)(とも)天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)し、073成功(せいこう)祈願(きぐわん)(をは)つて、074草鞋(わらぢ)脚絆(きやはん)軽装(けいさう)にて、075一本(いつぽん)(つゑ)(たづさ)へ、076芭蕉(ばせう)()()んだ一文字笠(いちもんじがさ)(かしら)(いただ)(なが)ら、077一天(いつてん)(くも)なき青空(あをぞら)(くさ)()けて、078琉球沼(りうきうぬま)(ほとり)辿(たど)()いた。079里程(りてい)(ほとん)(いま)十里(じふり)(くらゐ)である。080湖辺(こへん)()いた(ごろ)太陽(たいやう)(すで)にセークス(ざん)(いただ)きに(ぼつ)し、081(やま)(かげ)湖面(こめん)(おほ)(ころ)であつた。
082 清彦(きよひこ)(ぬま)(ほとり)()つて、083湖面(こめん)(なが)(うた)つて()た。
084清彦(きよひこ)(かみ)(をしへ)(きよ)められ
085(たま)(みが)いた清彦(きよひこ)
086身魂(みたま)四方(よも)()(わた)
087照彦(てるひこ)宣伝使(せんでんし)
088琉球(りうきう)(ぬま)永久(とこしへ)
089(しづ)まりゐます(こころ)(きよ)清子姫(きよこひめ)
090身魂(みたま)もてれる照子姫(てるこひめ)
091(きよ)(きよ)との(きよ)(なか)
092(てる)(てる)との(あか)(なか)
093エムとセムとの案内(あない)にて
094(まへ)()はんとこがれこがれて
095()()たやさしい(をとこ)
096セークス(ざん)()(かく)
097(はや)烏羽玉(うばだま)()(ちか)づいた
098(きよ)(きよ)朝日(あさひ)(ごと)
099(あか)(あか)天津(あまつ)()
100()(かがや)(ごと)
101()(うるは)しき(をとこ)(をとこ)
102(ゆめ)(なか)なる(をんな)(たづ)
103(ゆめ)夢見(ゆめみ)心地(ここち)して
104此処(ここ)まで(たづ)ねて()(をとこ)
105(ぬま)女神(めがみ)(こころ)あらば
106(をとこ)(せつ)ない(おも)ひを()めよ
107(ゆめ)(なか)とは()(なが)
108(まへ)(わし)(きよ)(こころ)
109()んだでないか
110(しろ)きただむき淡雪(あはゆき)
111(わか)やる(むね)()だたき
112たたきまながり真玉手(またまで)玉手(たまで)
113(たがひ)にさしまき腿長(ももなが)
114水火(いき)(あは)して(この)(しま)
115(まも)りの(かみ)とならうでないか
116(ゆめ)(なか)なる清子姫(きよこひめ)
117照子(てるこ)(ひめ)遥々(はるばる)
118(たづ)(きた)れる清彦(きよひこ)
119照彦(てるひこ)真心(まごころ)
120(あだ)(おも)ふな(ぬま)(ぬし)
121(うた)つた。
122 照彦(てるひこ)清彦(きよひこ)(うた)(をは)るを()()ねた(やう)に、
123照彦(てるひこ)『かくれた かくれた日輪様(にちりんさま)
124セークス(ざん)(いただ)きに
125(ぬま)(つつ)んだ(すず)しい(かげ)
126我等(われら)(こころ)(すず)しくなつた
127(こころ)()()身魂(みたま)(きよ)
128小石(こいし)(なら)んだ(ぬま)(そこ)
129小魚(さな)(をど)りもよく()える
130(をど)るは小魚(こうを)のみでない
131照彦(てるひこ)(こころ)(いさ)()
132(おも)はず手足(てあし)(をど)()
133()れよ()()(こころ)(ひかり)
134(きよ)身魂(みたま)宿(やど)つた(かみ)
135(わけ)霊魂(みたま)清彦(きよひこ)兄貴(あにき)
136兄弟(きやうだい)二人(ふたり)姉妹(おとどい)
137(たづ)ねて()たのも(ほか)でない
138昨夜(ゆうべ)兄貴(あにき)()(ゆめ)
139(ぬま)(をんな)()ひたさに
140()丸殿(まるどの)立出(たちい)でて
141エムとセムとに(おく)られて
142草野(くさの)()けてやつて()
143男心(をとこごころ)()()つて
144(はや)姿(すがた)(あら)はせよ
145(ぬま)(うか)んだ珊瑚礁(さんごせう)
146エムとセムとの(はなし)()けば
147黄金(こがね)(あふぎ)(うち)ひろげ
148天女(てんによ)(やう)乙女子(をとめご)
149何時(いつ)(あら)はれますと()
150私等(わしら)二人(ふたり)琉球(りうきう)
151(くに)(かしら)()けられて
152此処(ここ)(あら)はれ()りわたる
153月日(つきひ)(ひかり)()()けて
154二人(ふたり)二人(ふたり)(こころ)(あは)
155(きた)(みなみ)夫婦島(めをとじま)
156千代(ちよ)(ちぎり)(むす)ばうと
157(まへ)にこがれて()(をとこ)
158(あだ)(かへ)すな(ぬま)(ぬし)
159(うた)(をは)つて、160四人(よにん)(うる)はしき(すな)()きつめた(やう)(あさ)(ぬま)を、161(ちい)さき雑魚(ざこ)(おどろ)かせ(なが)らバサバサと、162(とき)ならぬ(なみ)()てて(すす)んで()く。
163 (はるか)彼方(あなた)(くろ)ずんで()いて()珊瑚礁(さんごせう)(かげ)164()(やうや)地平線下(ちへいせんか)(ぼつ)し、165そろそろ(やみ)(とばり)(おろ)されて()た。166(すず)しき(かぜ)一行(いつかう)(おもて)()で、167水深(すゐしん)最早(もはや)太腿(ふともも)(ところ)まで(ひた)された。168(たちま)(しま)はポーツと(あか)くなつた。169四人(よにん)(なん)となく(こころ)(いさ)(あか)りを目当(めあて)(すす)んで()く。
170 (たちま)(あら)はれた八尋鰐(やひろわに)171此処(ここ)よりは水深(すゐしん)(にはか)()して到底(たうてい)前進(ぜんしん)する(こと)出来(でき)ない。172ハタと当惑(たうわく)して()矢先(やさき)173八尋鰐(やひろわに)(はし)(やう)になつて(その)(まへ)(よこ)たはつた。174幾十(いくじふ)とも()れぬ(わに)珊瑚礁(さんごせう)基点(きてん)として、175(なが)(はし)()けた(やう)単縦陣(たんじうぢん)(つく)り、176四人(よにん)(をとこ)(この)(うへ)(わた)れ……と()はぬ(ばか)りの意思(いし)(しめ)した。
177 清彦(きよひこ)(ほか)三人(さんにん)神言(かみごと)奏上(そうじやう)(なが)ら、178(わに)()覚束(おぼつか)なげに()みこえ()みこえ、179(やうや)くにしてポツと(あか)珊瑚礁(さんごせう)辿(たど)()いた。180()りかへり()れば今迄(いままで)(あら)はれた八尋鰐(やひろわに)姿(すがた)水泡(みなわ)(ごと)()()て、181(あと)には(なみ)(しづ)かに魚鱗(ぎよりん)(ごと)(ただよ)うて()た。
182 清彦(きよひこ)珊瑚礁(さんごせう)安着(あんちやく)した(いは)ひに、183(こころ)(なん)となくいそいそし(なが)ら、184(また)(うた)(をど)つて()た。
185清彦(きよひこ)『ここは琉球(りうきう)中心地点(ちうしんちてん)
186(ゆめ)(なか)なる恋妻(こひづま)
187堅磐常磐(かきはときは)(かく)れたる
188高砂島(たかさごじま)珍島(うづしま)
189(うづ)女神(めがみ)御玉(みたま)住処(すみか)
190琉球(りうきう)へおじやるなら
191草鞋(わらぢ)穿()いておじやれ
192琉球(りうきう)石原(いしはら)小石原(こいしはら)
193(うた)つて()かした二人(ふたり)のナイス
194(いま)はいづくに()をかくす
195はるばる(たづ)ねて()(をとこ)
196出迎(でむか)へせぬとは無礼(ぶれい)ぞや
197(わし)(をとこ)(はし)ではないか
198(たつ)化身(けしん)天女(てんによ)(はて)
199(ただし)清子(きよこ)照子(てるこ)幻像(げんざう)
200真偽(しんぎ)(ほど)我々(われわれ)
201(こひ)(まよ)うた(まなこ)には
202ハツキリ(わか)らない
203(ゆめ)(をど)つたお(まへ)姿(すがた)
204(しろ)(はだへ)(しろ)(もも)
205(ふと)乳房(ちぶさ)をブラブラと
206()せたる(とき)心持(こころもち)
207(おれ)はどうしても(わす)られぬ
208(こひ)暗路(やみぢ)(まよ)うた(をとこ)
209琉球(りうきう)(ぬま)兄弟(きやうだい)
210(こひ)(とりこ)とならうとは
211(ゆめ)にも(おも)はぬ清彦(きよひこ)
212(あか)(こころ)()るならば
213(ゆめ)(やぶ)つて現実(げんじつ)
214清子(きよこ)(ひめ)照子姫(てるこひめ)
215(はや)姿(すがた)(あら)はせよ
216(まへ)()ひたさ(かほ)()たさ
217千代(ちよ)八千代(やちよ)()ひたさに
218(ちち)(まへ)にて言挙(ことあ)げし
219(おとうと)までも(いざな)うて
220やつて()たのは阿呆(あほ)らしい
221清姫(きよひめ)照姫(てるひめ)(こころ)あらば
222(ゆめ)姿(すがた)現実(げんじつ)
223(はや)(あら)はせ自転倒(おのころ)
224(かみ)(しま)をば(あと)にして
225遥々(はるばる)(たづ)ねて()(をとこ)
226児島半島(こじまはんたう)磯端(いそばた)(ちか)
227(なみ)()まれて暗礁(あんせう)
228(ふね)()りあげ(たま)()
229()ゆる(いのち)(たす)けた俺達(おれたち)兄弟(きやうだい)
230(みづ)宝座(ほうざ)(つか)へて()つた
231(まへ)二人(ふたり)女房(にようばう)にしようと
232兄弟(きやうだい)二人(ふたり)目星(めぼし)をつけて
233(たがひ)(こひ)(あらそ)ひつ
234(その)(うるさ)さに烏羽玉(うばたま)
235(やみ)(まぎ)れて()()した
236(まへ)(きよ)さま(てる)さまだらう
237言依別(ことよりわけ)(あと)()うて
238万里(ばんり)波濤(はたう)(よこ)ぎりつ
239高砂島(たかさごじま)(わた)()したと(おも)うたお(まへ)
240やはり琉球(りうきう)(こひ)しうて
241五月蠅(うるさ)二人(ふたり)振棄(ふりすて)
242(みづ)(かこ)んだ(この)(ぬま)
243珊瑚礁(さんごせう)をば宝座(ほうざ)とし
244千代(ちよ)八千代(やちよ)永久(とこしえ)
245(この)岩窟(がんくつ)()(ひそ)
246(こひ)(ほうむ)るお(まへ)(こころ)
247とは()ふものの(たましひ)
248ヤツパリ我々(われわれ)兄弟(きやうだい)
249(わす)れかねてか昨夜(ゆうべ)(ゆめ)
250黄金(こがね)扇子(せんす)(うち)ひろげ
251(こころ)(きよ)清彦(きよひこ)
252(ゑみ)(たた)へて(まね)いたぢやないか
253(かみ)(むす)んだ(たふと)(をつと)
254出迎(でむか)へせぬとは没義道(もぎだう)
255(こひ)上下(じやうげ)(へだ)てはなかろ
256三国一(さんごくいち)婿(むこ)()
257(はや)鉄門(かなど)()しあけて
258二人(ふたり)(をとこ)(むか)()
259(まへ)初恋(はつこひ)うまうまと
260(かな)へてやらう(また)(わし)
261初恋(はつこひ)ならぬ二度目(にどめ)恋路(こひぢ)
262(くに)(のこ)した妻子(さいし)はあれど
263何時(いつ)()にやら(ひと)(つま)
264行方(ゆくへ)()らぬ妻子(つまこ)()(うへ)
265かうなる(うへ)はよもや
266天則違反(てんそくゐはん)()はれはすまい
267(なん)躊躇(ちうちよ)()るものか』
268(うた)(をは)つた。269(この)(とき)岩窟(がんくつ)(なか)より、270(いは)()取外(とりはづ)して(あら)はれ()でた、271ダラダラ(すぢ)被衣(はつぴ)をつけた四人(よにん)(をとこ)272四人(よにん)(まへ)目礼(もくれい)し、273無言(むごん)(まま)()(まね)き、274うす(ぐら)岩窟(がんくつ)(さき)()つて(くだ)つて()く。275四人(よにん)(あと)(したが)ひ、276(ほそ)岩窟(がんくつ)(やや)(こし)(かが)めて、277(みぎ)(ひだり)(のぼ)りつ(くだ)りつ、278パツと(あか)るい広場(ひろば)辿(たど)()いた。
279 (むか)への(をとこ)手真似(てまね)で、280ここに(しばら)休息(きうそく)せよと(しめ)した。281四人(よにん)恰好(かつかう)(いは)突起(とつき)(こし)()ちかけ、282(しばら)(いき)(やす)むることとなつた。283(むか)への(をとこ)(その)(まま)どこともなく姿(すがた)(かく)した。284嚠喨(りうりやう)たる音楽(おんがく)()四辺(あたり)より(ひび)(きた)る。
285 (しばら)くあつて二人(ふたり)美人(びじん)桃色(ももいろ)顔容(かんばせ)纓絡(ようらく)()いたる(かむり)(いただ)き、286玉串(たまぐし)両手(りやうて)(ささ)げ、287悠々(いういう)として(この)()(あら)はれ(きた)り、288一人(ひとり)(やや)丸顔(まるがほ)(すこ)しく身体(しんたい)(ふと)り、289一人(ひとり)(すこ)しく(とし)(わか)(かほ)細型(ほそがた)(からだ)もそれに(おう)じて(やや)(ほそ)く、290三十二相(さんじふにさう)具備(ぐび)したる観自在天(くわんじざいてん)(ごと)容色(ようしよく)端麗(たんれい)にして、291(その)崇高(けだか)(こと)(たとへ)ふる(もの)なき(ばか)りであつた。292清彦(きよひこ)293照彦(てるひこ)(あま)りの(うる)はしさと荘厳(さうごん)さと、294どこともなく(をか)(べか)らざる威厳(ゐげん)(そな)はるあるに、295(やや)怖気(おぢけ)づき、296呆然(ばうぜん)として(その)姿(すがた)看守(みまも)るのみであつた。297(さき)()つた女神(めがみ)清子姫(きよこひめ)である。298(はな)(ごと)(くちびる)(しと)やかに(ひら)いて清彦(きよひこ)(むか)ひ、299(うた)つて()ふ。
300清子姫(きよこひめ)(わらは)聖地(せいち)エルサレム
301(かみ)(みやこ)(つか)へたる
302天使(てんし)(をさ)()れませる
303広宗彦(ひろむねひこ)四代(よだい)(まご)
304身魂(みたま)(きよ)清子姫(きよこひめ)
305(なれ)(ちち)常楠(つねくす)
306国彦(くにひこ)国姫(くにひめ)三代目(さんだいめ)曾孫(ひまご)
307(もと)(ただ)せば(いにしへ)より
308()つても()れぬ(かみ)(つな)
309(こひ)懸橋(かけはし)永久(とこしへ)
310()ちず(なが)れず清彦(きよひこ)
311(つま)となるべき清子姫(きよこひめ)
312(まへ)身魂(みたま)因縁(いんねん)
313(かへり)みずして照子姫(てるこひめ)
314(おも)ひをかけし恋男(こひをとこ)
315モウ()うなる(うへ)
316(さだ)まる(えにし)(あきら)めて
317清子姫(きよこひめ)(をつと)となり
318夫婦(ふうふ)(なか)よく(この)(しま)
319いや永久(とこしへ)住居(すまゐ)して
320(くに)(つかさ)とならうでないか
321(つき)(ほら)にて出会(であ)うた(をんな)
322姿(すがた)(かほ)(すこ)しも(かは)らぬ清子姫(きよこひめ)
323最早(もはや)(まへ)(あや)しの(ゆめ)
324()めたであらう
325あなにやし好男(えーをとこ)
326あなにやし好乙女(えーをとめ)よと
327八千代(やちよ)(ちぎ)玉椿(たまつばき)
328幾千代(いくちよ)(まで)()()げて
329(かみ)御旨(みむね)(かな)へまつれよ
330(わが)()ふる清彦(きよひこ)(つかさ)
331これぞ(まつた)言依別(ことよりわけ)
332教主(けうしゆ)(さだ)(たま)ひし
333二人(ふたり)(えにし)
334よもや否応(いやおう)ありますまいぞ
335(いろ)()応答(いらへ)松虫(まつむし)
336()いて(くら)した(わが)(こころ)
337(あだ)には()てな三五(あななひ)
338(かみ)(つかさ)清彦(きよひこ)
339朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
340(つき)()つとも()くるとも
341仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
342(かみ)(むす)んだ(この)(えにし)
343(まへ)(こころ)(あや)しき曲者(くせもの)
344(やぶ)られさうな(こと)はない』
345 『サアサアおじや』……と()()れば、346清彦(きよひこ)(あん)相違(さうゐ)面持(おももち)にて、347清子(きよこ)(ひめ)をよつく凝視(みつ)め、348(にはか)(ひめ)(こひ)しくなり、349()()かれ(なが)(うた)()した。
350清彦(きよひこ)(かみ)(むす)んだ二人(ふたり)のえにし
351(ふか)仕組(しぐみ)()らずして
352(けが)()てたる身魂(みたま)()(なが)
353(まへ)(すき)ぢや(きら)ひぢやと
354小言(こごと)()うた(はづ)かしさ
355照子(てるこ)(ひめ)(いや)まさる
356(いま)のお(まへ)姿(すがた)(なが)
357(とみ)(こひ)しくなつて()
358ホンニお(まへ)(うつく)しい
359()(あい)らしい(いも)ぢやぞえ
360(ゆめ)牡丹餅(ぼたもち)地獄(ぢごく)(ほとけ)
361(なん)(たとへ)今日(けふ)喜悦(よろこび)
362(ゆめ)(なか)なるナイスに出会(であ)
363(いま)夢見(ゆめみ)心地(ここち)して
364(むね)鼓動(こどう)はドキドキと
365まだ(をさ)まらぬ清彦(きよひこ)
366(こころ)(せつ)なさ(うれ)しさよ
367(これ)(ゆめ)ではあるまいか
368(ゆめ)なら(ゆめ)でも是非(ぜひ)はない
369いついつまでも(この)(まま)
370(ゆめ)()めざれ(ゆめ)夢見(ゆめみ)
371浮世(うきよ)(ゆめ)
372天国(てんごく)浄土(じやうど)のパラダイス
373芙蓉(はちす)(やま)永久(とこしえ)
374(しづ)まりゐます木花咲耶姫(このはなさくやひめ)
375(かみ)(めぐみ)(つゆ)にぬれ
376(この)(まま)此処(ここ)()(なれ)
377夫婦(ふうふ)(ちぎり)いや(なが)
378相生(あひおひ)(まつ)(いろ)(ふか)
379()せずにあれや惟神(かむながら)
380御霊(みたま)(さち)はひましまして
381(こころ)清彦(きよひこ)清子姫(きよこひめ)
382幾久(いくひさ)しくも(ゆめ)浮世(うきよ)
383(ゆめ)()めざれ』
384(うた)ひつつ(おく)(ふか)(みちび)かれ()く。385音楽(おんがく)(こゑ)(しき)りに(ひび)(きた)り、386()()はれぬ芳香(はうかう)四辺(しへん)(つつ)む。
387 照子姫(てるこひめ)莞爾(につこ)として照彦(てるひこ)(むか)ひ、
388照子姫(てるこひめ)『アヽ好男(えーをとこ)好男(えーをとこ)
389(こころ)(いろ)照彦(てるひこ)
390離久(りきう)(やみ)()(はら)
391(かみ)(むす)びし(いも)()
392えにしを(ちぎ)今日(けふ)生日(いくひ)足日(たるひ)こそ
393(かみ)(みやこ)のエルサレム
394(みなもと)(とほ)広宗彦(ひろむねひこ)
395(うづ)血筋(ちすぢ)(うま)れたる
396照子(てるこ)(ひめ)(いま)(ここ)
397(なんぢ)(きた)るを待受(まちう)けて
398(こころ)(きよ)藺草(ゐぐさ)をば
399()()(きた)()(たか)
400藺草(ゐぐさ)(たたみ)()りなして
401今迄(いままで)()ちし(こひ)(ふち)
402(こころ)(うか)日月(じつげつ)
403(ぬま)清水(しみづ)(おも)(きよ)
404照子(てるこ)(ひめ)真心(まごころ)
405いとも(つぶ)さに(あら)はしぬ
406離久(りきう)(ゆめ)(いま)さめて
407(かみ)(むす)びし(あが)(つま)
408(めぐ)()ひしも(いにしへ)
409(ふか)きえにしの(めぐ)()
410(なれ)(ふたた)添臥(そひぶ)しの
411夢路(ゆめぢ)辿(たど)新枕(にひまくら)
412身魂(みたま)(すぢ)白浪(しらなみ)
413(ふち)(しづ)んだお(まへ)(こころ)
414照子(てるこ)(ひめ)余所(よそ)にして
415(こころ)(きよ)清子姫(きよこひめ)
416秋波(しうは)(おく)(たま)ひたる
417(こころ)(そら)(つれ)なさよ
418(うら)(かこ)つぢやなけれども
419()きぬえにしに(から)まれて
420(むす)ぶの(かみ)(むす)びてし
421二人(ふたり)(なか)(この)(ぬま)
422いと(あさ)からぬ契合(ちぎりあ)
423久遠(くをん)(ゆめ)(いま)(ここ)
424(やうや)()れてたらちねの
425(かみ)身魂(みたま)のいそいそと
426(ゑら)(たま)へる今日(けふ)()
427千代(ちよ)八千代(やちよ)永久(とこしへ)
428(なれ)(わが)()()となりて
429いつくしみませ()れも(また)
430(なれ)をこよなき()となして
431(かみ)()さしの神業(かむわざ)
432(つか)(まつ)らむあが(ねが)
433(なれ)(こころ)(いは)()
434(ひら)いて(かた)(むね)(おく)
435あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
436御霊(みたま)(さち)はひましまして
437(この)岩窟(いはやど)のいや(かた)
438(いや)永久(とこしへ)(かは)りなく
439(あま)御柱(みはしら)つき(かた)
440(くに)御柱(みはしら)永遠(とことは)
441(かた)(ちぎ)らん夫婦仲(めをとなか)
442あゝ照彦(てるひこ)照彦(てるひこ)
443天津御空(あまつみそら)(つき)()
444()()(くも)()(なか)
445二人(ふたり)(なか)永久(とこしへ)
446(こころ)(うか)日月(じつげつ)
447(たがひ)照彦(てるひこ)照子姫(てるこひめ)
448月日(つきひ)()()常世(とこよ)(くも)
449(あい)(あい)との(たがひ)(むね)
450(かみ)(なさけ)(あめ)()る』
451()(をは)つて、452照彦(てるひこ)()()(おく)(ふか)(みちび)()る。453照彦(てるひこ)()()かれ(なが)ら、454(この)やさしき(うる)はしき女神(めがみ)(あと)(したが)ひ、455精神(せいしん)恍惚(くわうこつ)として、456前後(ぜんご)(わきま)へず、457只々(ただただ)感謝(かんしや)喜悦(きえつ)(なみだ)(むせ)(なが)(うた)()した。
458照彦(てるひこ)琉球(りうきう)(ぬま)(みづ)(きよ)
459(ちり)をも()めぬ清子姫(きよこひめ)
460(こころ)(いろ)清彦(きよひこ)
461水火(いき)(あは)せて神業(しんげふ)
462(つか)(まつ)るぞ目出度(めでた)けれ
463(なれ)(こころ)照子姫(てるこひめ)
464()かれて(すす)照彦(てるひこ)
465(はじ)めて()れた(こひ)(やみ)
466二人(ふたり)(つま)()()かれ
467黄金(こがね)(はし)(わた)るよな
468(すず)しき心地(ここち)二人(ふたり)()()
469雲井(くもゐ)(そら)(いや)(たか)
470(かみ)(すく)ひの(ふね)として
471(きん)(ぎん)(どう)三橋(さんけう)
472(むかし)(かみ)(わた)りたる
473(きよ)(おも)ひに()たされて
474天教山(てんけうざん)(くだ)るごと
475日頃(ひごろ)()ひたる(わが)(おも)
476ここに(いよいよ)(つき)御柱(みはしら)(めぐ)()
477あなにやし好男(えーをとこ)
478あなにやし好乙女(えーをとめ)をと
479千代(ちよ)(ちぎり)(いしずゑ)(かた)めたる
480(きよ)けき(かみ)(おこな)ひを
481繰返(くりかへ)(ごと)心地(ここち)して
482()かれ()()(たの)しけれ
483(つき)()つとも()くるとも
484仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
485三五(さんご)(つき)御教(みをしへ)
486堅磐常磐(かきはときは)()れよかし
487我等(われら)二人(ふたり)(その)(なか)
488三五(さんご)(つき)何時(いつ)(まで)
489天津御空(あまつみそら)にいと(まる)
490琉球(りうきう)(ぬま)(かげ)(うつ)
491(あめ)(かがや)照彦(てるひこ)
492(ぬま)(うつ)りし照子姫(てるこひめ)
493(あめ)(つち)とは永久(とこしへ)
494()()(ひか)(はな)()
495(いや)永久(とこしへ)(もも)()
496()ちずにあれや夫婦仲(めをとなか)
497(かみ)(むす)びし(この)えにし
498幾億万年(いくおくまんねん)(すゑ)までも
499二人(ふたり)()()()りかはし
500天津御空(あまつみそら)(ほし)(ごと)
501(はま)真砂(まさご)数多(かずおほ)
502御子(みこ)()()永久(とこしへ)
503人子(ひとご)(つかさ)となりなりて
504(この)浮島(うきじま)(まも)(がみ)
505あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
506御霊(みたま)(さち)はひましまして
507二人(ふたり)(ゆめ)何時(いつ)(まで)
508()めずにあれや永久(とこしへ)
509(かみ)御前(みまへ)()ぎまつる』
510(うた)(をは)つた。511(たちま)(おく)()(へだ)ての()引開(ひきあ)けて(なか)より(あら)はれた、512清彦(きよひこ)513清子姫(きよこひめ)二人(ふたり)514顔色(がんしよく)(うるは)しく(ゑみ)(たた)へて、515清子姫(きよこひめ)照子姫(てるこひめ)()()り、516清彦(きよひこ)照彦(てるひこ)()()り、517琉球畳(りうきうたたみ)()きつめた、518岩窟(いはや)似合(にあ)はぬ(うる)はしき居間(ゐま)(みちび)いた。519バナナ、520いちご、521(かき)522木茄子(きなすび)523林檎(りんご)(その)(ほか)種々(くさぐさ)(うる)はしき果物(くだもの)524(ぬま)特産物(とくさんぶつ)たる赤貝(あかがひ)(にく)525石茸(いしたけ)なぞ数多(あまた)(なら)べられ、526ここに二夫婦(ふたふうふ)芽出度(めでた)夫婦(めをと)(ちぎり)(むす)(こと)となつた。
527 (これ)より清彦(きよひこ)528清子姫(きよこひめ)二人(ふたり)(この)(ぬま)中心(ちうしん)として、529さしもに(ひろ)(りう)(しま)(まも)(がみ)となり、530子孫(しそん)永遠(ゑいゑん)(さか)へて、531(かみ)(ごと)くに(うやま)はれ、532数多(あまた)土人(どじん)(その)(とく)悦服(えつぷく)し、533()太平(たいへい)(をさ)まつたのである。534(つぎ)照彦(てるひこ)照子姫(てるこひめ)(とも)に、535(みなみ)(しま)(わた)り、536(おな)じく(この)(しま)(まも)(がみ)となつて子孫(しそん)繁栄(はんゑい)し、537土人(どじん)(かみ)(ごと)く、538(おや)(ごと)尊敬(そんけい)された。
539 (みなみ)(しま)一名(いちめい)(きう)(しま)()ふ。540(いま)八重山群島(やへやまぐんたう)(きう)(しま)一部(いちぶ)(のこ)つて()るのである。541照彦(てるひこ)夫婦(ふうふ)時々(ときどき)(きう)(しま)より、542(とほ)海路(うなぢ)(わた)り、543台湾島(たいわんたう)北部(ほくぶ)にまで、544(その)勢力(せいりよく)拡充(くわくじゆう)して()た。
545大正一一・七・二八 旧六・五 松村真澄録)