霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第六章 (たま)行衛(ゆくゑ)〔八二八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第29巻 海洋万里 辰の巻 篇:第2篇 石心放告 よみ:せきしんほうこく
章:第6章 第29巻 よみ:たまのゆくえ 通し章番号:828
口述日:1922(大正11)年08月11日(旧06月19日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年9月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
休息中も高姫は言葉を和らげて、常彦・春彦が船中で言依別一行から聞いたという玉のありかを聞き出そうとする。
常彦ははぐらかしながら、高姫のころころ変わる態度を皮肉っている。高姫はしきりにお世辞を言うが、常彦は、玉のありかを漏らしたら、高姫は手のひらを返して自分たちを見捨てるだろうからと警戒する。
常彦は高姫をからかった挙句、春彦と二人で走って逃げてしまった。高姫はそれを追いかけて転倒してしまう。高姫が血を流して倒れているところに四五人の男たちが通りかかり、高姫を気の毒がってお土で手当てをしてくれた。
高姫は、日の出神の生き宮を助けた功徳を与えてあげたのだから感謝しろ、と男たちに言う。男たちは高姫の傲慢にあきれ、早く玉を供えに行こうと言う。
高姫は玉と聞いて、男たちの一人に金を払って情報を得る。男たちは、アリナの滝の鏡の池に玉を供えに行く途中だった。高姫は、常彦が言っていた玉のありかはてっきりここだと思い定め、一目散にアリナの滝へ駆け出した。
木陰で休んでいた常彦と春彦はそれを見て、後を追いかけていく。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm2906
愛善世界社版:83頁 八幡書店版:第5輯 495頁 修補版: 校定版:84頁 普及版:38頁 初版: ページ備考:
001 高姫(たかひめ)言葉(ことば)(やは)らげ、
002『コレコレ常彦(つねひこ)さま、003ヤツパリお(まへ)(わたし)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(なか)でも、004一番(いちばん)()()いた立派(りつぱ)(かた)だと(おも)うて()れて()たが、005……ヤツパリ(この)高姫(たかひめ)()(ちが)ひませぬワイ。006ようマア目敏(めざと)くも、007言依別(ことよりわけ)や、008国依別(くによりわけ)(ふね)()つてるのが()がつきましたなア』
009常彦(つねひこ)(じや)(みち)(へび)ですからなア。010どうも言依別(ことよりわけ)国依別(くによりわけ)(にほひ)(ふね)()つた(とき)から、011(はな)について仕方(しかた)がないものですから、012一寸(ちよつと)(かんが)へてゐましたが、013いよいよ此奴(こいつ)(へん)だと(おも)うてかぎつけました』
014春彦(はるひこ)『まるで(いぬ)(やう)(はな)()(をとこ)だなア。015(じや)(みち)(へび)でなくて、016(しし)(みち)(いぬ)ぢやないか。017さうして本当(ほんたう)言依別(ことよりわけ)さまや国依別(くによりわけ)立派(りつぱ)(たま)()つて御座(ござ)つたのか』
018常彦(つねひこ)貴様(きさま)(うみ)(をど)つて落込(おちこ)んだ(とき)に、019(つな)()げて()れた船客(せんきやく)国依別(くによりわけ)だつたのだ。020つまりお(まへ)国依別(くによりわけ)さまに生命(いのち)(たす)けて(もら)うたのだよ』
021春彦(はるひこ)『アヽさうか、022それは有難(ありがた)い。023(ひと)御礼(おれい)()うぢやつたに、024(まへ)()つて()れぬものだから、025つい御無礼(ごぶれい)をした。026ヤツパリ国依別(くによりわけ)さまは親切(しんせつ)だなア。027(ふた)()には足手纏(あしてまと)ひになるの、028エヽ加減(かげん)にまいて(しま)はぬと、029あんなヒヨツトコは邪魔(じやま)になるとか仰有(おつしや)生神(いきがみ)もあるなり、030()種々(いろいろ)だ。031そして立派(りつぱ)(たま)をお(まへ)拝見(はいけん)したのか』
032常彦(つねひこ)天機(てんき)()らす()からずだ。033(おほ)きな(こゑ)()ふない。034そこに高姫(たかひめ)さまが()いて御座(ござ)るぢやないか。035高姫(たかひめ)さまの御座(ござ)らぬ(ところ)で、036トツクリとお(まへ)(だけ)一厘(いちりん)秘密(ひみつ)()らしてやるワ。037オツと(しま)うた、038(あま)(おほ)きな(こゑ)でウツカリ(しやべ)つて(しま)つた。039……モシ高姫(たかひめ)さま、040(いま)(わたし)(なに)()うたか(きこ)えましたか。041(あま)りハツキリとは(きこ)えては()やせぬだらうな。042(きこ)えたら大変(たいへん)ぢやからなア。043アヽ桑原々々(くはばらくはばら)044(つつし)むべきは言葉(ことば)なりけりぢや、045アハヽヽヽ』
046高姫(たかひめ)『コレ常彦(つねひこ)さま、047(まへ)048そんなにイチヤつかすものぢやありませぬぞえ。049トツトと有体(ありてい)仰有(おつしや)い。050そしたら(この)高姫(たかひめ)()ふに(およ)ばず、051(にしき)(みや)教主(けうしゆ)となり、052(まへ)総務(そうむ)にして立派(りつぱ)神業(しんげふ)使(つか)つて()げます。053五六七(みろく)()でも()()()なさい。054それはそれはあんな(もの)がこんな(もの)になつたと()御仕組(おしぐみ)ですから、055それで(かみ)には(かな)はぬと仰有(おつしや)るのぢやぞえ』
056常彦(つねひこ)『ハヽア、057さうすると最前(さいぜん)アンナ、058カナンに()けたのも、059(あなが)徒労(とらう)ではありませぬな。060(わたし)がアンナ、061春彦(はるひこ)はカナン、062(わたし)はアンナ(もの)がコンナ(もの)になり、063春彦(はるひこ)立派(りつぱ)人間(にんげん)になつて、064高姫(たかひめ)さまでも何人(なんぴと)でも、065到底(たうてい)カナンと()立派(りつぱ)人間(にんげん)になると()前兆(ぜんてう)ですか、066ハツハヽヽヽ。067これと()ふのも国依別(くによりわけ)さまが御親切(ごしんせつ)に、068(たま)所在(ありか)(けつ)して他言(たごん)はならぬと(かた)(いまし)めて仰有(おつしや)つて(くだ)さつたのは、069本当(ほんたう)有難(ありがた)い。070よく(わたし)(たま)(さと)つて(くだ)さつた。071()(おのれ)()(もの)(ため)()すとか()つて、072自分(じぶん)真心(まごころ)()ぬいてくれた(ひと)(くらゐ)073有難(ありがた)(おも)ふものはない。074(わたし)(をとこ)見込(みこ)まれて、075大事(だいじ)秘密(ひみつ)(たま)所在(ありか)()らされ、076実物(じつぶつ)(まで)拝見(はいけん)さして(いただ)いたのだから、077(この)(くび)仮令(たとへ)千切(ちぎ)れても、078国依別(くによりわけ)さまが()つてもよいと仰有(おつしや)(まで)(まを)されませぬワイ。079アヽ()はな(わか)らず、080()うてはならず、081(むつ)かしい仕組(しぐみ)であるぞよ……とお筆先(ふでさき)神様(かみさま)仰有(おつしや)つてゐるのは、082大方(おほかた)こんな(こと)だらう。083筆先(ふでさき)文句(もんく)がキタリキタリと()()て、084()()みわたる(やう)御座(ござ)いますワイ』
085高姫(たかひめ)『お(まへ)()はねばならぬ(ひと)には(かく)して()はぬなり、086()うて(わる)(ひと)には()はうとするから、087国依別(くによりわけ)さまが(きび)しく口止(くちど)めをしたのだよ。088よう(かんが)へて御覧(ごらん)なさい。089(わたし)(とも)になつて()()るお(まへ)秘密(ひみつ)()かすと()(こと)は、090つまり高姫(たかひめ)()らせよと()(なぞ)ですよ。091(この)(こと)(くは)しう高姫(たかひめ)(つた)へてくれと()つたら、092(かへつ)心易(こころやす)(おも)ひ、093(わす)れて(しま)ふだらうから、094()ふな……と()つておけば、095大事(だいじ)(こと)(おも)ひ、096(まへ)念頭(ねんとう)にかけ、097コッソリとお(まへ)(わたし)()うだらうと、098(さき)(さき)まで()をまはし、099(まへ)()うたのだよ。100国依別(くによりわけ)中々(なかなか)(えら)いワイ。101よう理窟(りくつ)()(をとこ)だが、102どこともなく(かう)ばしい(ところ)のある(をとこ)だと(おも)うた。103……コレコレ常彦(つねひこ)104()ひなさい、105キット(あと)(わたし)引受(ひきう)けますから……』
106常彦(つねひこ)『メッサウな、107そんな(こと)()うてなりますかいな。108(まへ)さまは(わたし)を、109(うま)くたらして()はさうと(おも)ひ、110巧言令色(かうげんれいしよく)(かぎ)りを(つく)して、111うまく誘導(いうだう)訊問(じんもん)をなさるが、112マア()めておきませうかい。113こんな(ところ)でお(まへ)さまに()はうものなら、114あとは尻喰(しりくら)観音(くわんのん)115そこに()るかとも仰有(おつしや)らせないだらう。116マア()はずにおけば常彦(つねひこ)御機嫌(ごきげん)(そこな)はぬ(やう)親切(しんせつ)()をかけてくれるに(ちが)ひない。117()ひさへせなきや、118桜花爛漫(おうくわらんまん)常彦(つねひこ)身辺(しんぺん)()(にほ)ふといふものだ。119()うたが最後(さいご)120明日(あす)ありと(おも)(こころ)仇桜(あだざくら)121夜半(よは)(あらし)()かぬものかは……と(たちま)高姫颪(たかひめおろし)()きおろされ、122ザックバランな()()はされるに(きま)つてる。123(はな)半開(はんかい)にして、124(なが)(こずゑ)()(にほ)(くらゐ)(ところ)()めておきませうかい。125イッヒヽヽヽ。126アヽこんな愉快(ゆくわい)(こと)(また)(ふたた)三千世界(さんぜんせかい)にあらうかいな。127三千世界(さんぜんせかい)一度(いちど)(ひら)(うめ)(はな)128(ひら)時節(じせつ)()たら秘密(ひみつ)(くら)()けて()せて()げませう。129それも一寸(ちよつと)でも(わたし)御機嫌(ごきげん)(そこ)ねたが最後(さいご)駄目(だめ)ですよ』
130高姫(たかひめ)『コレ常彦(つねひこ)131(なさけ)ない(こと)()うておくれな。132なんぼ(わたし)だつてさう現金(げんきん)(をんな)ぢやありませぬぞえ。133(いま)人間(にんげん)思惑(おもわく)さへ()ちや、134(あと)見向(みむ)きもせぬのが(おほ)いが、135(いやし)くも、136善一筋(ぜんひとすぢ)誠生粋(まこときつすゐ)大和魂(やまとだましひ)根本(こつぽん)性来(しやうらい)の、137(しか)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)138変性男子(へんじやうなんし)系統(ひつぽう)139これ(だけ)(なに)もかも資格(しかく)(そろ)うた高姫(たかひめ)がそんな人間(にんげん)(くさ)(こころ)()ち、140(おこな)ひを(いた)さうものなら、141第一(だいいち)神様(かみさま)のお(みち)(つぶ)れるぢやありませぬか。142変性男子(へんじやうなんし)身魂(みたま)(たい)しても、143(かほ)(どろ)()るやうなものなり、144()出神(でのかみ)さまに(たい)しても申訳(まをしわけ)がありませぬ。145さうだから大丈夫(だいぢやうぶ)ですよ。146(さき)()ふも(いま)()ふも(おな)じことだ。147さう()(をし)みをせずと、148(まへ)(はら)(いた)(こと)ぢやなし、149一口(ひとくち)150かうだとお(まへ)(くち)()して()れたら()いぢやないか。151サア常彦(つねひこ)152ホンにお(まへ)()()(ひと)だ。153そんなにピンとすねずにチヤツと仰有(おつしや)つて(くだ)さいナ』
154常彦(つねひこ)(ねこ)があれ(ほど)(すき)(ねずみ)生捕(いけどり)にしても中々(なかなか)さうムシヤムシヤと()ひはしますまい。155くはへては()()げ、156くはへては()()げ、157()ひかけたり(おさ)へたり、158何遍(なんべん)何遍(なんべん)もイチヤつかして、159終局(しまひ)には嬲殺(なぶりごろし)にして、160(たのし)んで()ふように、161(この)(はなし)もさう直々(ぢきぢき)申上(まをしあ)げると、162大事件(だいじけん)だから値打(ねうち)がなくなる。163マア(たの)しんで(わたし)()いて()なさい。164(その)(かは)りに(ある)時期(じき)()たら()らして()げますから、165(ひと)約束(やくそく)をしておかねばなりませぬ。166高姫(たかひめ)さま、167(もの)(をし)へて(もら)(もの)弟子(でし)で、168(をし)へる(もの)先生(せんせい)ですなア』
169高姫(たかひめ)『きまつた(こと)だよ。170(をし)へる(もの)先生(せんせい)だ。171さうだからお前達(まへたち)(わたし)弟子(でし)になつて()るぢやないか』
172常彦(つねひこ)『あゝそれで(わか)りました。173(その)御考(おかんが)へなれば、174()()くは(たま)所在(ありか)(をし)へて()げませう。175(その)(かは)今日(けふ)から(わたし)先生(せんせい)でお(まへ)さまは弟子(でし)だよ。176サア荷物(にもつ)()つて()いて()なさい』
177高姫(たかひめ)『コレ常彦(つねひこ)178おまへは(なに)()(こと)()ふのだい。179天地(てんち)顛倒(てんたう)(はなはだ)しいぢやないか。180(たれ)がお(まへ)弟子(でし)になる(もの)があるものか。181(いやしく)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)ですよ。182(あま)馬鹿(ばか)にしなさるな』
183常彦(つねひこ)『これはこれは失礼(しつれい)(こと)(まを)()げました。184そんならどうぞ(なに)もかも(をし)へて(くだ)さいませ。185(わたし)(をし)へる資格(しかく)がありませぬから、186モウ()(かぎ)(なに)申上(まをしあ)げませぬ。187(をし)へて()げやうと()へばお目玉(めだま)頂戴(ちやうだい)するなり、188(その)(はう)(よろ)しい。189モウ()(かぎ)り、190夜前(やぜん)あなたの仰有(おつしや)つた(やう)(この)(くに)(ひと)弟子(でし)にして、191半鐘(はんしよう)泥棒(どろぼう)蜥蜴面(とかげづら)吾々(われわれ)(はな)れて活動(くわつどう)して(くだ)さい。192……なア春彦(はるひこ)193半鐘(はんしよう)泥棒(どろぼう)蜥蜴面(とかげづら)()いて()ると高姫(たかひめ)さまのお邪魔(じやま)になるから、194これでお(わか)れせうかい』
195春彦(はるひこ)(なに)(なん)だか、196(おれ)やモウサツパリ(わけ)(わか)らぬ(やう)になつて()たワイ。197……オイ常彦(つねひこ)198そんな意地(いぢ)(わる)(こと)()はずに、199(をとこ)らしう薩張(さつぱり)高姫(たかひめ)さまに(まを)()げたら如何(どう)だ』
200高姫(たかひめ)『コレコレ春彦(はるひこ)201流石(さすが)はお(まへ)見上(みあ)げたものだ。202さうなくては宣伝使(せんでんし)とは()へませぬワイ。203……コレ常彦(つねひこ)204()はな()はぬで(よろ)しい。205(まへ)()(ところ)()いて()きさへすればキット(わか)るのだから……』
206常彦(つねひこ)『ソラ(わか)りませう。207(しか)(なが)(わたし)出直(でなほ)してくる(とも)208(まへ)さまの()いて(ござ)(かぎ)りは、209(たま)()方面(はうめん)へは(けつ)して(あし)()けませぬワ。210そしたら如何(どう)なさる。211オホヽヽヽ』
212高姫(たかひめ)『エヽ気色(きしよく)(わる)い、213しぶとい(やつ)だなア。214ヨシヨシ(いま)神界(しんかい)奏上(そうじやう)して、215(くち)(なに)()けぬ(やう)金縛(かなしば)りをかけてやるから、216それでも(よろ)しいか』
217常彦(つねひこ)『どうぞ(はや)うかけて(くだ)さい。218(まへ)さまに(たま)所在(ありか)()()へと()うて(せま)られるのが、219(つら)うてたまらぬから、220(もの)()へぬようにして(くだ)されば、221それで(わたし)責任(せきにん)(のが)れると()ふものだ。222どうぞ(はや)うかけて(くだ)さいな。223不動(ふどう)金縛(かなしば)りを……』
224()(なが)ら、225(した)一寸(ちよつと)上下(うへした)(くちびる)(あひだ)(はさ)んで高姫(たかひめ)(まへ)(あご)をしやくり、226()()して()せる。
227高姫(たかひめ)『エヽどうもかうも仕方(しかた)のない、228()げも()ろしもならぬ動物(どうもの)ぢやなア』
229常彦(つねひこ)『オイ春彦(はるひこ)230駆足々々(かけあしかけあし)231高姫(たかひめ)さまをまくのだよ』
232尻引(しりひき)まくり、233一生懸命(いつしやうけんめい)地響(ぢひび)きさせ(なが)ら、234(くだ)(ざか)駆出(かけだ)した。235高姫(たかひめ)(あと)より一生懸命(いつしやうけんめい)二人(ふたり)姿(すがた)見失(みうしな)はじと()つかけて()く。
236 高姫(たかひめ)(たか)(いし)(つまづ)きパタリと大地(だいち)(たふ)れ、237(ひたい)をしたたか()ち、238()をタラタラ(なが)し、239()膝頭(ひざがしら)()つて、240(あたま)()(あし)()で、241()藻掻(もが)いてゐる。242二人(ふたり)高姫(たかひめ)(かなら)()つかけ()るものと(しん)じて、243一生懸命(いつしやうけんめい)(みなみ)(みなみ)へと(はし)()く。
244 ここを(とほ)りかかつた四五人(しごにん)(をとこ)245高姫(たかひめ)(きず)()()(どく)がり、246(かたはら)(まじ)()のない(つち)(みづ)()かし、247(ひたい)(あし)とに()りつける。248高姫(たかひめ)は、
249何方(どなた)()りませぬが、250ようマア(たす)けて(くだ)さいました。251これも(まつた)()出神(でのかみ)さまのお神徳(かげ)(ござ)います。252貴方方(あなたがた)結構(けつこう)なお神徳(かげ)(いただ)きなさつたな。253高姫(たかひめ)()ふお(かた)は、254(まこと)結構(けつこう)身魂(みたま)であるから、255(この)身魂(みたま)(みづ)一杯(いつぱい)でも、256(ちや)一滴(ひとしづく)でも供養(くやう)した(もの)は、257大神様(おほかみさま)のお(よろこ)びによつて、258(いへ)代々(だいだい)富貴(ふうき)繁昌(はんじやう)259子孫(しそん)長久(ちやうきう)260五穀(ごこく)豊饒(ほうぜう)261病気(びやうき)平癒(へいゆ)262千客万来(せんきやくばんらい)瑞祥(ずゐしやう)()(まゐ)ります。263(みな)さま、264結構(けつこう)御用(ごよう)をさして(もら)ひなさつた。265サア、266(これ)から、267三五教(あななひけう)神様(かみさま)御礼(おれい)をなさい。268(わたし)一緒(いつしよ)御礼(おれい)をしてあげます』
269甲『(なん)(めう)(こと)()(ばば)アぢやのう。270(ひと)世話(せわ)になつておいて、271反対(あべこべ)にお(れい)をせい、272御礼(おれい)をして()げるのと、273(わけ)(わか)らぬぢやないか。274大方(おほかた)これはキ(じるし)かも()れぬぞ。275うつかり相手(あひて)にならうものなら大変(たいへん)だ。276イヽ加減(かげん)にして()かうぢやないか』
277高姫(たかひめ)『コレコレ(わか)(しう)278(じるし)ですよ。279三千世界(さんぜんせかい)大狂者(おほきちがひ)大化物(おほばけもの)変性男子(へんじやうなんし)系統(ひつぽう)生神様(いきがみさま)ぢや』
280乙『それ(ほど)エライ生神(いきがみ)さまが、281(なん)(また)(みち)(たふ)れて怪我(けが)をなさるのだらう。282(この)(てん)一寸(ちよつと)合点(がつてん)()かぬぢやないか』
283高姫(たかひめ)『そこが神様(かみさま)御仕組(おしぐみ)だ。284(えん)なき衆生(しうじやう)()(がた)しと()(こと)がある。285()出神(でのかみ)(さま)が、286一寸(ちよつと)(この)肉体(にくたい)(みち)(たふ)してみせて、287ワザとお前等(まへら)世話(せわ)をさせて、288手柄(てがら)をさして、289因縁(いんねん)(つな)()け、290結構(けつこう)にして(たす)けてやらうと(あそ)ばすのだ。291(わか)りましたかなア』
292乙『()つから(わか)りませぬワイ。293……オイ(みな)連中(れんぢう)294(はや)(たま)御供(おそな)へに()かうぢやないか。295結構(けつこう)(たま)(そな)へたら、296結構(けつこう)にしてやらうと()(かみ)があるから、297(はや)何々(なになに)(まで)(いそ)がうぢやないか』
298丙『随分(ずゐぶん)沢山(たくさん)にお(まゐ)りだから、299ヤツと(たま)種々(いろいろ)()つて()るだらうなア』
300乙『ソリヤお(まへ)301一遍(いつぺん)(おれ)(まゐ)つて()たが、302それはそれは立派(りつぱ)(たま)(やま)(ごと)くに(かみ)さまの(まへ)()んであつたよ。303金剛不壊(こんがうふゑ)如意宝珠(によいほつしゆ)黄金(こがね)(たま)304竜宮(りうぐう)麻邇宝珠(まにほつしゆ)(たま)とか()つて、305(むらさき)306(あを)307(しろ)308(あか)309()310立派(りつぱ)(たま)目醒(めざま)しい(ほど)(そな)へてあつたよ』
311高姫(たかひめ)『コレコレお(まへ)312(その)(たま)はどこに(そな)へてあるのだ。313一寸(ちよつと)()つて(くだ)さらぬか』
314乙『(その)(たま)所在(ありか)ですかいな。315ソリヤ一寸(ちよつと)何々(なになに)して(もら)はぬと、316何々(なになに)何々(なになに)(をさ)まつて()ると()(こと)()はれませぬなア』
317高姫(たかひめ)『そんならお(かね)()げるから仰有(おつしや)つて(くだ)さい』
318乙『(わたし)(じつ)貧乏(びんばふ)(こま)つてをるのだ。319金儲(かねまう)けになる(こと)なら()つてあげようかな。320ここに五人(ごにん)()るけれど、321(たま)場所(ばしよ)()つた(もの)(おれ)(だけ)だから(まう)放題(はうだい)だ。322一口(ひとくち)にナンボ(かね)()しますか』
323高姫(たかひめ)一口(ひとくち)一両(いちりやう)づつ()げよう。324()()二口(ふたくち)(くらゐ)(くは)しう()つて(くだ)さいや』
325乙『中々(なかなか)一口(ひとくち)二口(ふたくち)には()ひませぬで、326一口(ひとくち)()うたら一両(いちりやう)づつ引替(ひきかへ)(いた)しませう。327それも先銭(さきせん)ですよ』
328高姫(たかひめ)『サア一両(いちりやう)
329()()す。
330乙『ア……』
331高姫(たかひめ)(あと)()はぬかいな』
332乙『モウ一両(いちりやう)だけ、333一口(ひとくち)がとこ()つたぢやないか。334一両(いちりやう)(くだ)さい。335(その)(つぎ)()うて()げよう』
336高姫(たかひめ)『あゝ仕方(しかた)がない、337……それ一両(いちりやう)
338(また)()()す。
339乙『リ……』
340()(なが)ら、341(また)一両(いちりやう)()れと()()()す。
342高姫(たかひめ)(なん)(たか)案内料(あんないれう)ぢやなア。343モチト(なが)()うてお()れぬかいな』
344乙『(もと)からの約束(やくそく)だ、345ア……と()へば一口(ひとくち)かかる。346リ……といへば(また)一口(ひとくち)ぢやないか』
347高姫(たかひめ)『エヽ(よく)(をとこ)ぢや。348……それ一両(いちりやう)349今度(こんど)はチト(なが)()うて()れ』
350 (おつ)(また)一両(いちりやう)(ふところ)にねぢ()み、
351乙『今度(こんど)(なが)()ひますよ。352……ナーー……』
353 かう()調子(てうし)に『アリナの(たき)水上(みなかみ)354(かがみ)(いけ)(まへ)沢山(たくさん)宝玉(ほうぎよく)(そな)へてある』と()(こと)(をし)へられ、355高姫(たかひめ)(いきほひ)()んでテルの(くに)のアリナの(たき)()して、356一生懸命(いつしやうけんめい)()けり()く。
357 道傍(みちばた)木蔭(こかげ)(やす)んで()常彦(つねひこ)358春彦(はるひこ)は、359高姫(たかひめ)血相(けつさう)()へて()姿(すがた)(なが)め、
360『オイオイ高姫(たかひめ)さま、361一寸(ちよつと)()つて(くだ)さいなア』
362()びかけた。363高姫(たかひめ)(あと)一寸(ちよつと)振向(ふりむ)き、364上下(うへした)()密着(みつちやく)させ、365ニユツと(くち)から(あら)はし、366(あご)二三遍(にさんぺん)しやくつて、
367高姫(たかひめ)『イヽヽ、368(おほ)きに(はばか)りさま。369(たま)所在(ありか)()出神(でのかみ)さまから()らして(もら)ひました。370(かなら)()いて()(くだ)さるなや』
371一生懸命(いつしやうけんめい)(はし)()く。372常彦(つねひこ)は、
373常彦(つねひこ)本当(ほんたう)(たま)(この)(くに)(かく)してあるのかな。374こりや(ひと)高姫(たかひめ)さまの(あと)から()いて()つて、375白玉(しろたま)でも黄玉(きだま)でも、376(ひと)(ひろ)はぬと、377はるばる()()甲斐(かひ)がないワ。378……オイ春彦(はるひこ)379(いそ)げ』
380(しり)ひつからげ大股(おほまた)にドンドン、381(かみ)()(みだ)砂煙(すなけぶり)()(なが)ら、382高姫(たかひめ)(とほ)つた(あと)一目散(いちもくさん)(はし)()く。
383大正一一・八・一一 旧六・一九 松村真澄録)
   
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