霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第一四章 カーリン(まる)〔八三六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第29巻 海洋万里 辰の巻 篇:第3篇 神鬼一転 よみ:しんきいってん
章:第14章 第29巻 よみ:かーりんまる 通し章番号:836
口述日:1922(大正11)年08月12日(旧06月20日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年9月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫一行は湖のほとりで一夜を明かすと、湖水で顔を洗って禊をし、朝拝を行った。ふと路傍を見ると、石の神像が立っている。その像の裏を見ると、鷹依姫たちがここで改心した記念に彫ったものであることがわかった。
高姫はこの奇縁に驚き、また自分が鷹依姫たちを追い出したことで苦労をかけたと嘆き、自らの過去の行いを悔いた。そして罪滅ぼしのために、この神像を自転倒島まで背負って行こうと決心した。これが地蔵の石像の濫觴だという。
一行は湖水の中に、縦筋の入っためくら魚と、横筋の入っためくら魚が泳いでいるのを見た。そこへ、縦横十文字の立派な魚が泳いできた。これを見て高姫は、三五教の中でも経・緯それぞれもののわからない信者同士がいがみあっても御神業は成就しないということを思い、反省した。
一行は旅を続け、アルの海岸に着き、船に乗り込んだ。船客たちは、鷹依姫一行の噂をしており、高姫にも話が及んでいた。高姫は恥ずかしさに小さくなっている。
さらに船客たちは、去年この船に乗った鷹依姫が誤って海中に落ち、それを助けようとした竜国別、テーリスタン、カーリンスの三人も行方が知れなくなっていることを話し出した。
船客の一人は、鷹依姫一行が海中に落ちて悲惨な目にあったのも、元はといえば自転倒島を追い出した高姫のせいだと憤っている。高姫は自ら船客の前に名乗り出て懺悔をし、船客の気が済むように自分を処分してくれと真心から謝罪した。
憤っていた船客は高姫の真心に打たれて知らずのうちに高姫に尊敬の念を抱くようになった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm2914
愛善世界社版:203頁 八幡書店版:第5輯 540頁 修補版: 校定版:209頁 普及版:94頁 初版: ページ備考:
001 三人(さんにん)湖水(こすゐ)(かたはら)なる椰子樹(やしじゆ)(もり)一夜(いちや)()かした。002(その)()比較的(ひかくてき)(かぜ)(つよ)く、003湖水(こすゐ)(なみ)(おと)(らい)(ごと)時々(ときどき)ドンドンと(ひび)いて()た。004(この)湖水(こすゐ)()(たま)(うみ)()ふ。005東西(とうざい)五十里(ごじふり)006南北(なんぽく)三十五里(さんじふごり)(ぐらゐ)大湖水(だいこすゐ)であつた。007そして(この)湖水(こすゐ)(かたち)瓢箪(へうたん)(たて)()つて半分(はんぶん)仰向(あふむ)けにしたやうな(かたち)をしてゐる。008地平線上(ちへいせんじやう)より(あらた)(うま)()(たま)真紅(しんく)太陽(たいやう)はニコニコとして()(くる)(なが)ら、009刻々(こくこく)昇天(しようてん)(たま)ふ。010一同(いちどう)湖水(こすゐ)(かほ)(あら)ひ、011(くち)(すす)()(きよ)め、012拍手(はくしゆ)感謝(かんしや)(ことば)奏上(そうじやう)し、013蔓苺(つるいちご)(たなごころ)一杯(いつぱい)むしり()つて朝飯(あさめし)()へた。014()()()れば(かたはら)(かみ)姿(すがた)した(いし)()つて()る。015()不思議(ふしぎ)裏面(りめん)()れば、016(やはら)かき石像(せきざう)(うら)に、017鷹依姫(たかよりひめ)018竜国別(たつくにわけ)019テーリスタン、020カーリンスの一行(いつかう)四人(よにん)021改心(かいしん)記念(きねん)(ため)(この)(いし)(ざう)(きざ)()く……』と()()けてあつた。022常彦(つねひこ)(この)文面(ぶんめん)()()げて高姫(たかひめ)()かした。023高姫(たかひめ)(おどろ)いて、
024高姫(たかひめ)『あゝ矢張(やつぱり)鷹依姫(たかよりひめ)さまも竜国別(たつくにわけ)さまも、025テー、026カーも、027つまり(この)荒原(くわうげん)彷徨(さまよ)うて御座(ござ)つたと()える。028ホンにお()(どく)な、029あるにあられぬ苦労(くらう)をなさつたであらう。030(この)高姫(たかひめ)無慈悲(むじひ)にも、031黒姫(くろひめ)さまが黄金(こがね)(たま)紛失(ふんしつ)したと()つて、032鷹依姫(たかよりひめ)さまや、033(ほか)三人(さんにん)(かた)にまで難題(なんだい)()ひつのり、034聖地(せいち)()()したのは、035(なん)()気強(きづよ)いことをしたのであらう。036(いま)になつて過去(くわこ)(かへり)みれば、037(わたし)(をか)した(つみ)038(ひと)さまの(うら)みが(じつ)(おそ)ろしくなつて()た。039せめては鷹依姫(たかよりひめ)さま一同(いちどう)苦労(くらう)なさつて(とほ)られた(あと)を、040()うして修業(しうげふ)(ある)かして(もら)ふのも、041(わたし)罪亡(つみほろ)ぼし、042(また)因果(いんぐわ)(めぐ)(めぐ)りて(おな)(ところ)迂路(うろ)つき(まは)るやうになつたのだらう。043(ことわざ)にも……(ひと)(のろ)はば(あな)(ふた)つ……とやら、044(なさけ)(ひと)(ため)ならずとやら、045(ぜん)にもあれ、046(あく)にもあれ、047何事(なにごと)(みな)吾身(わがみ)(むく)うて()るものだ……と(くち)にはいつも立派(りつぱ)人様(ひとさま)(むか)つて、048(さと)しては()たものの、049()うして自分(じぶん)実地(じつち)(あた)つて()ると、050尚更(なほさら)神様(かみさま)(をしへ)()沁々(しみじみ)()(わた)つて、051有難(ありがた)いやら(おそ)ろしいやら、052(なん)とも申上(まをしあ)げやうが御座(ござ)いませぬ。053……あゝ鷹依姫(たかよりひめ)(さま)054竜国別(たつくにわけ)(さま)055テー、056カーの両人(りやうにん)さま、057高姫(たかひめ)のあなた(がた)(くは)へた残虐無道(ざんぎやくぶだう)(つみ)058どうぞ(ゆる)して(くだ)さいませ。059あなたがこんな遠国(ゑんごく)()種々(いろいろ)雑多(ざつた)苦労(くらう)をなさるのも、060(みな)(この)高姫(たかひめ)憑依(ひようい)してゐた、061金毛九尾(きんまうきうび)悪狐(あくこ)()せし(わざ)062どうぞ(ゆる)して(くだ)さいませ。063(この)石像(せきざう)は、064鷹依姫(たかよりひめ)(さま)065竜国別(たつくにわけ)(さま)(こころ)()められた記念物(きねんぶつ)066(これ)()るにつけても、067おいとしいやら、068()(どく)やら、069(なつ)かしいような()(いた)します。070何程(なにほど)(おも)たくても(つみ)(ほろ)ぼしの(ため)(この)石像(せきざう)を、071鷹依姫(たかよりひめ)(さま)072(ほか)御一同(ごいちどう)(おも)自転倒島(おのころじま)まで()うて(かへ)り、073(みや)()てて、074朝夕(あさゆふ)にお給仕(きふじ)(いた)し、075(わたし)(おも)(つみ)(ゆる)して(いただ)かねばなりませぬ』
076(ねん)(なが)ら、077四辺(あたり)蔓草(つるぐさ)()つて(なは)(つく)り、078背中(せなか)(くく)りつけ、079(その)(うへ)から(みの)(かぶ)り、080持重(もちおも)りのする石像(せきざう)背中(せなか)()うて、081たうとうアマゾン(がは)森林(しんりん)(まで)(かへ)つて(しま)つたのである。082これが家々(いへいへ)に、083(ちい)さき地蔵(ぢざう)(つく)り、084屋敷(やしき)(すみ)に、085(いし)(たた)み、086(その)(うへ)(まつ)ることとなつた濫觴(らんしやう)である。
087 さて高姫(たかひめ)石像(せきざう)()()ひ、088エチエチし(なが)草野(くさの)()けて湖畔(こはん)(ひがし)(ひがし)へと二人(ふたり)同行(どうぎやう)(とも)(すす)()く。
089 高姫(たかひめ)(たま)湖畔(こはん)(すす)(なが)ら、090湖中(こちう)溌溂(はつらつ)として(およ)げる、091(なん)とも()へぬ(うつく)しき五色(ごしき)の、092縦筋(たてすぢ)横筋(よこすぢ)(とほ)つた(うを)(なが)め、
093高姫(たかひめ)『コレコレ、094一寸(ちよつと)御覧(ごらん)なさい、095常彦(つねひこ)096不思議(ふしぎ)(さかな)()ります。097これが(うはさ)()いた、098(たま)(うみ)錦魚(にしきのうを)といふのでせう。099一名(いちめい)金魚(きんぎよ)とか()ふさうですが、100本当(ほんたう)綺麗(きれい)なものぢや御座(ござ)いませぬか』
101常彦(つねひこ)成程(なるほど)102天火水地結(てんくわすいちむすび)青赤紫白黄(あをあかむらさきしろき)103順序(じゆんじよ)()縦筋(たてすぢ)がはいつて()りますな。104(これ)所謂(いはゆる)縦魚(たてうを)御座(ござ)いませう。105あゝ此処(ここ)にも(よこ)(また)(おな)()うな五色(ごしき)(もん)()いた(うを)(およ)いでゐます。106どちらが(をん)で、107どちらが(めん)でせうかなア』
108春彦(はるひこ)()まつた(こと)よ。109縦筋(たてすぢ)(はう)(をん)で、110横筋(よこすぢ)のはいつた(はう)(めん)だ。111(たて)(よこ)夫婦(ふうふ)(そろ)うて(にしき)(はた)()ると()ふのだから、112錦魚(にしきのうを)()ふのだ。113(この)(はた)()よ、114随分(ずゐぶん)立派(りつぱ)(はた)ぢやないか』
115常彦(つねひこ)(しか)(この)(うを)には()()いぢやないか。116此奴(こいつ)アどうも不思議(ふしぎ)ぢやないか』
117春彦(はるひこ)(この)縦筋(たてすぢ)のはいつた盲魚(めくらうを)一名(いちめい)高姫魚(たかひめうを)()ひ、118横筋(よこすぢ)のはいつたのは春彦魚(はるひこうを)()ふのだ。119どちらも(めくら)だから、120マタイものだ。121それ(この)(とほ)()げも(なに)もせぬぢやないか。122(しか)()()ると、123やつぱりピンピン()ねよるワ。124ヤア其処(そこ)本当(ほんたう)錦魚(にしきうを)がやつて()たぞ。125此奴(こいつ)縦横(たてよこ)十文字(じふもんじ)126素的(すてき)滅法界(めつぽふかい)127綺麗(きれい)(すぢ)がはいつて、128ピカピカ(ひか)つてゐる。129()(おほ)きな()があいてゐる。130……なア高姫(たかひめ)さま、131これを()ても(たて)(よこ)(そろ)はねば、132変性男子(へんじやうなんし)系統(ひつぽう)ばかりでも()えず、133女子(によし)行方(やりかた)ばかりでも後先(あとさき)()えぬと()神様(かみさま)御教訓(ごけうくん)ですな』
134 高姫(たかひめ)(しき)りに(くび)()り、
135高姫(たかひめ)『ウーン、136なんとまア神様(かみさま)御経綸(ごけいりん)()ふものは(おそ)()つたもので御座(ござ)います。137これを()改心(かいしん)せねばなりませぬワイ。138今迄(いままで)三五教(あななひけう)(やう)に、139経緯(たてよこ)(めくら)同士(どうし)盲縞(めくらじま)()つて()つては、140何時迄(いつまで)(にしき)(はた)()()がりませぬ。141(それ)()いては(わたし)第一(だいいち)(わる)かつた。142経糸(たていと)はヂツとさへして()れば()いのに、143緯糸(よこいと)以上(いじやう)藻掻(もが)くものだから、144薩張(さつぱり)ワヤになつて(しま)うたのぢや。145あゝ(なに)()ても神様(かみさま)教訓(けうくん)(ばか)り、146何故(なにゆゑ)今迄(いままで)こんな見易(みやす)道理(だうり)(わか)らなんだのだらう。147ヤツパリ金毛九尾(きんまうきうび)(まなこ)(くら)まされてゐたのだ』
148長大嘆息(ちやうだいたんそく)をしてゐる。149()れより一行(いつかう)()()()ぎ、150(やうや)くにしてアルの海岸(かいがん)()いた。151(さいは)(ふね)はゼムの(みなと)(むか)つて出帆(しゆつぱん)せむとする間際(まぎは)であつた。152高姫(たかひめ)(あわただ)しく『オーイオーイ』と呼止(よびと)めた。153船頭(せんどう)(いま)(ともづな)()いて(みなと)(すこ)しばかり(はな)れた(ふね)引返(ひきかへ)し、154三人(さんにん)()らしめ、155(をり)からの南風(なんぷう)()(はら)ませ、156ゼムの(みなと)()して波上(はじやう)ゆるやかに(すべ)()く。
157 (なが)海上(かいじやう)退屈(たいくつ)(まぎ)れに船客(せんきやく)(あひだ)にあちらこちらと雑談(ざつだん)(はじ)まつた。158高姫(たかひめ)一行(いつかう)(ふね)片隅(かたすみ)(ちい)さくなつて(ひか)へてゐる。
159甲『去年(きよねん)(こと)だつたか、160(この)(ふね)()つてゼムの(みなと)(わた)(とき)船客(せんきやく)(はな)しに、161テルの(くに)のアリナの(たき)とやらに大変(たいへん)玉取神(たまとりがみ)さまが(あら)はれ、162彼方(あちら)からも此方(こちら)からも、163種々雑多(たくさん)(たま)をお(そな)へに()つて、164いろいろの願事(ねがひごと)(かな)へて(もら)はうと、165(よく)連中(れんぢう)(ひき)()らず参拝(さんぱい)してゐたさうぢや。166さうすると(なん)でもヒルとか(よる)とか()(くに)(えら)いお(かた)黄金(こがね)(たま)をお(そな)へになつた。167玉取神(たまとりがみ)さまはその黄金(こがね)(たま)()()つたと()えて、168()さりの(あひだ)(たま)()(かつ)ぎ、169何処(どつか)()()し、170ウヅの(くに)櫟ケ原(くぬぎがはら)とかで、171折角(せつかく)持出(もちだ)した(たま)を、172天狗(てんぐ)取上(とりあ)げられ、173這々(はうはう)(てい)でウヅの(くに)(アルゼンチン)の大原野(だいげんや)横断(わうだん)し、174アルの(みなと)から(ふね)()つて、175アマゾン(がは)河上(かはかみ)まで()つたと()(こと)だ。176(しか)(かみ)さまの(なか)にもいろいろあつて、177(よく)(かみ)さまもあればあるものぢやなア。178(その)玉取神(たまとりがみ)さまの大将(たいしやう)は、179(なん)でも自転倒島(おのころじま)(たか)とか(とび)とか(からす)(やう)()のつく、180矢釜(やかま)しい女神(をんながみ)があつて、181大切(たいせつ)(まも)つて()つた(たま)玉取神(たまとりがみ)(うしな)うたので(おこ)つて(たた)()し、182(その)(たま)()()れる(まで)183(かへ)つて()な……と(この)(ひろ)()(なか)(たま)(ひと)(ぐらゐ)184何程(なんぼ)(さが)したつて、185(わか)りさうなことがないのに、186無茶(むちや)()うて、187いぢり(たふ)したと()(はなし)()いたが、188随分(ずゐぶん)(わる)(かみ)もあればあるものだなア。189屹度(きつと)其奴(そいつ)には八岐(やまた)大蛇(をろち)やら、190金毛九尾(きんまうきうび)(きつね)()いてをつて、191そんな無茶(むちや)なことを()はしたり、192さしたりすると()(はな)しだ。193本当(ほんたう)(かみ)さまだと()つても、194無茶苦茶(むちやくちや)信神(しんじん)出来(でき)ぬものだ。195鷹鳶姫(たかとびひめ)とか玉取姫(たまとりひめ)とか()ふケチな(かみ)もある()(なか)だからなア』
196乙『玉取姫(たまとりひめ)(くらゐ)なら()どろいこつちやが、197世間(せけん)には沢山(たくさん)198嬶取彦(かかとりひこ)爺取姫(おやぢとりひめ)(あら)はれて、199随分(ずゐぶん)社会(しやくわい)秩序(ちつじよ)(みだ)し、200(この)()(なか)(あく)(たね)()(かみ)も、201(この)(ごろ)大分(だいぶん)出来(でき)()たぞよ。202アハヽヽヽ』
203他愛(たあい)なく(わら)ふ。204高姫(たかひめ)真赤(まつか)(かほ)して(ちい)さくなつて、205甲乙(かふおつ)(はなし)()いて()た。
206 常彦(つねひこ)高姫(たかひめ)(みみ)(くち)()せ、
207高姫(たかひめ)さま、208どうも世間(せけん)(ひろ)いやうで(せま)いものですな。209海洋万里(かいやうばんり)()んな(ところ)まで、210自転倒島(おのころじま)出来事(できごと)が、211仮令(たとへ)間違(まちが)ひにもせよ、212大体(だいたい)行渡(ゆきわた)つて()るとは(じつ)(おどろ)きましたねえ。213玉野原(たまのはら)(たま)(うみ)椰子樹(やしじゆ)(した)に、214竜国別(たつくにわけ)さまが(きざ)んでおいた四人(よにん)石像(せきざう)215仮令(たとへ)何万年(なんまんねん)()つたつて、216貴女(あなた)私達(わたしたち)()にとまる(はず)がないのに、217何百里(なんびやくり)とも際限(さいげん)のない()(なか)に、218こんな()つぽけな(もの)(ただ)(ひと)つ、219それが()うして貴女(あなた)(せな)()はれる(やう)になると()ふも、220不思議(ふしぎ)ぢやありませぬか。221(これ)(おも)うと人間(にんげん)余程(よほど)心得(こころえ)なくてはなりませぬなア』
222高姫(たかひめ)『サアそれについて、223(わたし)(むね)(なに)引裂(ひきさ)けるやうになつて()ました。224(わたし)変性男子様(へんじやうなんしさま)系統々々(ひつぽうひつぽう)()つて、225それを(はな)にかけ、226金毛九尾(きんまうきうび)誑惑(きやうわく)されて、227今迄(いままで)一生懸命(いつしやうけんめい)(いづ)御霊(みたま)御徳(おとく)()とすこと(ばか)りやつて()たかと(おも)へば、228如何(どう)して(この)(つみ)(あがな)へやうかと、229(まこと)(おそ)ろしく、230(かな)しくなつて()ました』
231(なみだ)ぐむ。232船客(せんきやく)(また)もや(さか)んに(しやべ)()した。
233丙『オイお(まへ)()うて()つた鷹鳶姫(たかとびひめ)()ふのは、234ソリヤ高姫(たかひめ)間違(まちが)ひだらう。235そして玉取姫(たまとりひめ)()ふのは鷹依姫(たかよりひめ)間違(まちが)ひだらう。236高姫(たかひめ)()(やつ)はなア、237徹底的(てつていてき)我慢(がまん)(つよ)(やつ)で、238変性男子(へんじやうなんし)とか()立派(りつぱ)なお(かた)(はら)から(うま)れて、239それはそれは意地(いぢ)(わる)頑固者(ぐわんこもの)の、240利己主義(われよし)口達者(くちたつしや)の、241(ろん)にも(くひ)にも(かか)らぬ化物(ばけもの)ださうな。242そして金剛不壊(こんがうふゑ)如意宝珠(によいほつしゆ)とか()ふお宝物(ほうもつ)(はら)()んだり、243()したり、244(まる)手品師(てじなし)のやうなことをやる、245悪神(あくがみ)容物(いれもの)だと()(こと)だ。246(うはさ)()いて(にく)らしうなつて()る。247どうで(とほ)自転倒島(おのころじま)(はな)しだから、248到底(たうてい)吾々(われわれ)には一代(いちだい)()ふことは出来(でき)まいが、249()しも出会(であ)うたが最後(さいご)250世界(せかい)(ため)(おれ)素首(そつくび)引抜(ひきぬ)いてやらうと(おも)つてゐるのだ。251(なん)だか高姫(たかひめ)(はな)しが()ると、252(はら)(そこ)からむかついて()(たま)らないワ。253去年(きよねん)今頃(いまごろ)だつた。254高姫(たかひめ)(つか)へて()つた鷹依姫(たかよりひめ)255(その)息子(むすこ)(はな)素的(すてき)滅法界(めつぽふかい)(たか)竜国別(たつくにわけ)256それに一寸(ちよつと)人種(じんしゆ)(かは)つた、257(はな)(たか)細長(ほそなが)い、258(いろ)(すこ)(しろ)いテーリスタンとかカーリンスとか()四人連(よにんづ)れが、259アリナの(たき)の……(なん)でも近所(きんじよ)(かがみ)(いけ)とか()不思議(ふしぎ)(いけ)があつて、260そこに(なが)らく()つた(ところ)261(にはか)にどんな事情(じじやう)()らぬが、262()れなくなつて、263たうとうアリナ山脈(さんみやく)()えて、264ウヅの(くに)櫟ケ原(くぬぎがはら)横断(わうだん)し、265アルの(みなと)からヒルへ()途中(とちう)266(あやま)つて(ばば)アはデツキの(うへ)から海中(かいちう)陥没(かんぼつ)し、267皆目(かいもく)姿(すがた)がなくなつて(しま)つた。268そこで息子(むすこ)竜国別(たつくにわけ)が、269()アさまを(たす)けようとドブンと(ばか)飛込(とびこ)んだが、270これも(また)(なみ)()かれて()(がた)()れず、271テ、272カの二人(ふたり)(つづ)いてドブンとやつたが、273此奴(こいつ)もテンで行方(ゆくへ)()れなくなつて(しま)つた。274彼奴(あいつ)悪人(あくにん)(なに)()らぬが随分(ずゐぶん)親孝行者(おやかうかうもの)だ。275母親(ははおや)(はま)つたのを(たす)けようと(おも)うて、276(せがれ)竜国別(たつくにわけ)飛込(とびこ)んで殉死(じゆんし)し、277(また)弟子(でし)二人(ふたり)(たす)けようと(おも)つたか、278殉死(じゆんし)覚悟(かくご)だつたか()らぬが、279(とも)水泡(みなわ)()えて(しま)つた。280随分(ずゐぶん)(この)航路(かうろ)では有名(いうめい)(はな)しだ。281(まへ)まだ(みみ)にして()らぬのか』
282乙『成程(なるほど)283親子(おやこ)主従(しゆじゆう)心中(しんちう)とか()つて、284随分(ずゐぶん)有名(いうめい)(はなし)だが、285(その)……(なん)だなア、286宣伝使(せんでんし)一行(いつかう)のことか、287(おれ)(また)どつかの親子(おやこ)主従(しゆじゆう)心中(しんちう)かと(おも)つてゐた。288ホンに可哀相(かあいさう)なこつたナア』
289丙『それと()ふのも(もと)(ただ)せば、290ヤツパリ高姫(たかひめ)()(やつ)(わる)いからだ。291彼奴(あいつ)無理難題(むりなんだい)()ひかけて、292自転倒島(おのころじま)から高砂島(たかさごじま)南米(なんべい)三界(さんがい)(まで)()()したものだから、293たうとうあんなことになつて(しま)つたのだ。294四人(よにん)宣伝使(せんでんし)可哀相(かあいさう)でたまらぬ。295(おれ)やモウ(その)(はな)しを()いてから、296(そら)()つてる(たか)()ても(しやく)(さは)つて(たま)らぬのだ。297人間(にんげん)にでも(たか)()()()いてる(やつ)()うと、298其奴(そいつ)(にく)らしくなつて()て、299(なぐ)りつけたいやうな()がするのだよ。300(あか)他人(たにん)(おれ)が、301何故(なぜ)鷹依姫(たかよりひめ)竜国別(たつくにわけ)の、302それ(だけ)贔屓(ひいき)をせにやならぬかと(おも)うと、303不思議(ふしぎ)でたまらないワ。304大方(おほかた)あの(はま)(とき)に、305アヽ可哀相(かあいさう)だと(おも)うて()てゐたものだから、306(その)亡魂(ばうこん)でも憑依(ひようい)したのか……。307今日(けふ)(なん)だか(その)タカと()()のついた(やつ)()つて()やせぬかなア。308(なん)だかむかついてむかついて仕方(しかた)がないのだ』
309()真赤(まつか)にし、310歯噛(はが)みし、311(こぶし)(にぎ)り、312形相(ぎやうさう)(すさま)じく(いき)(はづ)ませてゐる。
313甲『ハヽヽヽヽ、314他人(たにん)疝気(せんき)頭痛(づつう)()むと()ふのはお(まへ)のことだ。315そんなことはイヽ加減(かげん)にしておけ。316何程(なにほど)(りき)んでみた(ところ)で、317肝腎(かんじん)本人(ほんにん)海洋万里(かいやうばんり)自転倒島(おのころじま)()るのだから駄目(だめ)だよ』
318丙『(なん)だか(にはか)(からだ)(ふる)()した。319(なん)でも(この)(ふね)高姫(たかひめ)()(やつ)320()つてゐるのぢやあるまいかな。321オイ一寸(ちよつと)女客(をんなきやく)()を、322御苦労(ごくらう)だが、323一々(いちいち)(たづ)ねて()()れぬか』
324甲『馬鹿(ばか)()ふない、325おれが(たづ)ねなくても、326船長(せんちやう)さまに()けば、327チヤンと帳面(ちやうめん)()けてあるワ』
328丙『それもさうだ、329そんなら(たづ)ねて()やうかな』
330立上(たちあ)がらうとする。331高姫(たかひめ)は、332(へい)(そで)(ひか)へて、
333高姫(たかひめ)『モシモシ何処(どこ)(かた)かは()りませぬが、334鷹依姫(たかよりひめ)335竜国別(たつくにわけ)一行(いつかう)(ため)に、336()うそこ(まで)一心(いつしん)(おも)うてやつて(くだ)さいます。337(さだ)めて四人(よにん)(もの)冥土(めいど)から(よろこ)んで()ることで御座(ござ)いませう。338あなたは最前(さいぜん)から(うけたま)はれば、339四人(よにん)(うみ)()ちたのを()()なさつたさうですが、340(あと)(なに)(のこ)つてゐませなんだか。341(わたし)があなたの(にく)いと思召(おぼしめ)自転倒島(おのころじま)から()高姫(たかひめ)御座(ござ)いますよ。342(つみ)(ふか)(わたし)343サアどうぞ貴方(あなた)存分(ぞんぶん)にして(くだ)さいませ。344さうすれば、345四人(よにん)(もの)(さだ)めし()かぶことで御座(ござ)いませう。346(いま)(わたし)()うて()ります(いし)には、347(みぎ)四人(よにん)姿(すがた)()()んで御座(ござ)います。348かやうなことがあらうとて(むし)()らしたのか、349チヤンと自分(じぶん)から石碑(せきひ)(こしら)へて(のこ)しておいたと()えます。350あゝ因縁(いんねん)()ふものは(おそ)ろしいものだ。351天網恢々(てんまうくわいくわい)()にして()らさず、352こんなことと()つたら、353あんな(むご)いことを()ふのぢやなかつたに』
354()(なが)ら、355背中(せなか)石像(せきざう)(まへ)()ゑ、356()(あは)せ、
357高姫(たかひめ)『コレコレ四人(よにん)御方(おかた)358どうぞ(こら)へて(くだ)さい。359三千世界(さんぜんせかい)御神業(ごしんげふ)参加(さんか)せなくてはならぬ大切(たいせつ)(からだ)なれど、360(わたし)(いま)(この)御方(おかた)生首(なまくび)引抜(ひきぬ)かれて国替(くにがへ)(いた)し、361(まへ)さまの(そば)()つて、362(あらた)めてお(わび)(いた)します。363あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)364鷹依姫(たかよりひめ)365竜国別(たつくにわけ)366テーリスタンにカーリンス、367頓生菩提(とんしやうぼだい)368あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
369一生懸命(いつしやうけんめい)(ねん)じてゐる。370(へい)高姫(たかひめ)真心(まごころ)より悔悟(くわいご)した(その)言葉(ことば)挙動(きよどう)とに、371今迄(いままで)()()つた(いきほひ)もどこへか()け、372(いま)(かへつ)て、373高姫(たかひめ)崇拝者(すうはいしや)(こころ)(なか)()らず()らずの(あひだ)になつてしまつてゐた。
374大正一一・八・一二 旧六・二〇 松村真澄録)
   
逆リンク[?]このページにリンクを張っている外部サイトを自動的に探して表示します。ブログの場合、トップページやカテゴリページは無視されます。エントリーのページだけです。該当ページからすでにリンクが削除されている場合もありますが、反映されるのに数週間かかります。[×閉じる]逆リンク集はこちら
オニド関連サイト最新更新情報
10/28霊界物語音読第37、38、63巻と、大本神諭、伊都能売神諭をアップしました。
10/26【霊界物語ネット】大本神諭を「年月日順」で並べた時の順序が、一部おかしいものがあったので修正しました。(os176,192,193,191,235 の5つ)