霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一六章 (なみ)(ひびき)〔八三八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第29巻 海洋万里 辰の巻 篇:第3篇 神鬼一転 よみ:しんきいってん
章:第16章 第29巻 よみ:なみのひびき 通し章番号:838
口述日:1922(大正11)年08月12日(旧06月20日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年9月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
引き続いてヨブは入信の喜びの歌を歌った。次に春彦が、これまでの行程で起こったことを読み込んだ歌を歌った。そして高姫が、自身の改心とヨブの入信を喜び祝う歌を歌った。
船は三日三夜海上を走り、ゼムの港に着いた。一行四人は上陸し、ゼムの町から二三里離れた天祥山の大瀑布に御禊をなすべく、宣伝歌を歌いながら進んで行った。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm2916
愛善世界社版:230頁 八幡書店版:第5輯 550頁 修補版: 校定版:237頁 普及版:107頁 初版: ページ備考:
001 常彦(つねひこ)(いはひ)()ねたる(いつは)らざる告白歌(こくはくか)(はげ)まされ、002ヨブは立上(たちあ)がり、003入信(にふしん)祝歌(しゆくか)(うた)つた。
004ヨブ『高天原(たかあまはら)(さだ)まりし
005(うづ)聖地(せいち)のエルサレム
006国治立大神(くにはるたちのおほかみ)
007三千世界(さんぜんせかい)(すく)はむと
008(かみ)御言(みこと)(かしこ)みて
009(をしへ)(ひら)(たま)ひつつ
010天地(てんち)律法(りつぽふ)制定(せいてい)
011()平安(へいあん)(をさ)まりて
012神人和楽(しんじんわらく)瑞祥(ずゐしやう)
013(たのし)(たま)ふも(つか)()
014隙行(ひまゆ)(こま)曲神(まがかみ)
015(あめ)御柱(みはしら)国柱(くにはしら)
016転覆(てんぷく)されて葦原(あしはら)
017瑞穂(みづほ)(くに)守護権(しゆごけん)
018常世(とこよ)(くに)(うま)れたる
019(まが)(かしら)(わた)しつつ
020天教山(てんけうざん)火坑(くわこう)より
021根底(ねそこ)(くに)におりまして
022(しの)びて(この)()(まも)ります
023(その)功績(いさをし)(たふと)けれ
024()かる(たふと)皇神(すめかみ)
025いかで(この)(まま)()(くに)
026(そこ)御国(みくに)にましまさむ
027時節(じせつ)()つて天教(てんけう)
028(ふたた)(やま)(あら)はれて
029野立(のだち)(ひこ)()(へん)
030埴安彦(はにやすひこ)()れまして
031(まよ)へる四方(よも)人草(ひとぐさ)
032(やす)きに(すく)(たす)けむと
033仁慈(じんじ)無限(むげん)(こころ)より
034三五教(あななひけう)建設(けんせつ)
035(かみ)(つかさ)四方(よも)(くに)
036間配(まくば)(たま)ひて(かは)()
037(やま)()()(いた)(まで)
038(たふと)御教(みのり)()(たま)
039あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
040(かみ)(こころ)白波(しらなみ)
041天足彦(あだるのひこ)胞場姫(えばひめ)
042(つみ)より()れし醜神(しこがみ)
043(しこ)(さけ)びに(ばか)されて
044世人(よびと)(こころ)()(つき)
045(くも)()くこそ忌々(ゆゆ)しけれ
046(いづ)御霊(みたま)大神(おほかみ)
047国武彦(くにたけひこ)()れまして
048四尾(よつを)(やま)神峰(しんぽう)
049(この)()(しの)(たま)ひつつ
050五六七(みろく)御世(みよ)経綸(けいりん)
051(おこな)(たま)素盞嗚(すさのを)
052神尊(かみのみこと)瑞御霊(みづみたま)
053コーカス(ざん)産土(うぶすな)
054斎苑(いそ)(やかた)()れまして
055八洲(やしま)(くに)にわだかまる
056八岐(やまた)大蛇(をろち)醜狐(しこぎつね)
057曲鬼(まがおに)(ども)言向(ことむ)けて
058天地(てんち)にさやる村雲(むらくも)
059(かみ)伊吹(いぶき)(はら)はむと
060(こころ)(くば)らせ(たま)ひつつ
061言依別(ことよりわけ)(あら)はして
062自転倒島(おのころじま)中心地(ちうしんち)
063(あや)高天(たかま)(きこ)えたる
064(にしき)(みや)神司(かむづかさ)
065(きよ)神務(しんむ)(めい)じつつ
066世人(よびと)(すく)(たま)ひけり。
067旭日(あさひ)()るとも(くも)るとも
068(つき)()つとも()くるとも
069仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
070高砂島(たかさごじま)(ほろ)(とも)
071(まこと)(かみ)御教(みをしへ)
072いかでか(そむ)きまつらむや
073大和田中(おほわだなか)(うか)びたる
074カーリン(たう)(かみ)御子(みこ)
075ヨブは(いま)より高姫(たかひめ)
076(きよ)(こころ)(うべ)なひて
077仮令(たとへ)()(すゑ)(やま)(おく)
078(とら)(おほかみ)獅子(しし)大蛇(をろち)
079如何(いか)なる曲津(まがつ)棲処(すみか)をも
080おめず(おく)せず(みち)(ため)
081(こころ)(つく)()(つく)
082皇大神(すめおほかみ)()(なか)
083青人草(あをひとぐさ)(その)(ため)
084(つか)へまつらむ惟神(かむながら)
085(かみ)(めぐみ)(さち)はひて
086ヨブが身魂(みたま)(みが)()
087(たふと)(うづ)御柱(みはしら)
088()さし(たま)へよ天津神(あまつかみ)
089国津神(くにつかみ)(たち)八百万(やほよろづ)
090国魂神(くにたまがみ)御前(おんまへ)
091(つつし)(ゐやま)()ぎまつる
092あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
093御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
094(うた)(をは)つて()()いた。095春彦(はるひこ)(また)もや(うた)()したり。
096(あや)聖地(せいち)(あと)にして
097変性男子(へんじやうなんし)御系統(ごひつぽう)
098高姫(たかひめ)さまに(したが)ひて
099瀬戸内海(せとないかい)打渡(うちわた)
100南洋諸島(なんやうしよたう)()けめぐり
101如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(たづ)ねつつ
102高砂島(たかさごじま)手前(てまへ)まで
103小舟(をぶね)(あやつ)(きた)(をり)
104(かく)れた(いは)突当(つきあた)
105当惑(たうわく)したるをりもあれ
106高島丸(たかしままる)(たす)けられ
107(やうや)くテルの(みなと)まで
108到着(たうちやく)するや高姫(たかひめ)
109数多(あまた)船客(せんきやく)かきわけて
110先頭一(せんとういち)上陸(じやうりく)
111吾等(われら)二人(ふたり)をふりまいて
112暗間(くらま)(やま)松林(まつばやし)
113姿(すがた)(かく)(たま)ひしが
114(あや)聖地(せいち)()れませる
115杢助(もくすけ)さまに高姫(たかひめ)
116監督役(かんとくやく)(めい)ぜられ
117居乍(ゐなが)ら のめのめ見失(みうしな)
118如何(どう)して言訳(いひわけ)()つものか
119(いそ)(いそ)げと一散(いつさん)
120(しり)ひつからげ大地(だいち)をば
121ドンドン威喝(ゐかつ)させ(なが)
122暗間(くらま)(やま)(ふもと)(まで)
123(きた)りて様子(やうす)(うかが)へば
124高姫(たかひめ)さまの独言(ひとりごと)
125常彦(つねひこ)春彦(はるひこ)両人(りやうにん)
126半鐘泥棒(はんしやうどろぼう)蜥蜴面(とかげづら)
127間抜男(まぬけをとこ)(ともな)うて
128高砂島(たかさごじま)人々(ひとびと)
129軽蔑(けいべつ)されてはたまらない
130(なん)とか立派(りつぱ)国人(くにびと)
131(うま)(あやつ)弟子(でし)となし
132千変万化(せんぺんばんくわ)一芝居(ひとしばゐ)
133()つて()ようと水臭(みづくさ)
134吾等(われら)二人(ふたり)放棄(はうき)して
135(うま)(こと)のみ(かんが)へる
136(その)蔭言(かげごと)灌木(くわんぼく)
137(しげ)みに(かく)れて()(をは)
138(あま)りに(はら)()つままに
139ガサガサガサと飛出(とびだ)せば
140高姫(たかひめ)さまの(いは)くには
141油断(ゆだん)のならぬ()(なか)ぢや
142仮令(たとへ)(けもの)といひ(なが)
143(いま)秘密(ひみつ)()きよつた
144(かみ)(みたま)(さづ)かりし
145()(あし)なれば一言(ひとこと)
146()かれちや都合(つがふ)がチト(わる)
147(てん)(くち)あり(かべ)(みみ)
148(つつし)むべきは(くち)なりと
149後悔(こうくわい)(あそ)ばす可笑(をか)しさよ
150常彦(つねひこ)春彦(はるひこ)両人(りやうにん)
151足音(あしおと)(かく)して二三丁(にさんちやう)
152(やま)(ふもと)(しの)(あし)
153それから足音(あしおと)(たか)めつつ
154ヒルの国王(こきし)のお側役(そばやく)
155(わたし)はアナンと(まを)(もの)
156暗間(くらま)(やま)如意宝珠(によいほつしゆ)
157(かく)してあると()いた(ゆゑ)
158(わたし)(さが)しに()きました
159されど(おく)れた(その)(ため)
160(あと)(まつ)りと常彦(つねひこ)
161(こゑ)高々(たかだか)(はなし)する
162そこで(わたし)はテルの(くに)
163国王様(こくわうさま)のお側役(そばやく)
164カナンと(まを)(をとこ)ぞと
165八百長話(やほちやうばなし)(はじ)むれば
166(ねこ)松魚節(かつぶし)()()うに
167高姫(たかひめ)さまが()びついて
168もうしもうし(たび)(ひと)
169(しばら)くお()ちなされませ
170変性男子(へんじやうなんし)系統(ひつぽう)
171()出神(でのかみ)生宮(いきみや)
172()(うた)はれた高姫(たかひめ)ぢや
173(まへ)中々(なかなか)(えら)(ひと)
174(わたし)(はなし)()きなされ
175(むかし)(むかし)根本(こつぽん)
176(たふと)因縁(いんねん)()かさうと
177()アの(くせ)小娘(こむすめ)
178やうな(やさ)しい(つく)(ごゑ)
179吹出(ふきだ)すように(おも)へども
180ここで(わら)うては一大事(いちだいじ)
181大事(だいじ)(まへ)小事(せうじ)ぢやと
182(わき)のあたりでキユーキユーと
183(わら)ひの(かみ)をしめつけて
184足音(あしおと)(ひく)(たか)くして
185(はるか)(むか)うから後戻(あともど)
186して()たように(つく)りなし
187どこの何方(どなた)()らね(ども)
188(わたし)(むか)つて(なに)御用(ごよう)
189(はや)()かして(くだ)されと
190(われ)から可笑(をか)しい(つく)(ごゑ)
191流石(さすが)高姫(たかひめ)()ぎつけて
192(まへ)はアンナと()ふけれど
193半鐘泥棒(はんしようどろぼう)常彦(つねひこ)
194カナンと名乗(なの)蜥蜴面(とかげづら)
195春彦(はるひこ)さまにきまつたり
196(あんま)(ひと)馬鹿(ばか)にすな
197(こゑ)(とが)らし(おこ)()
198暴風(ばうふう)襲来(しふらい)低気圧(ていきあつ)
199二百十日(にひやくとをか)風害(ふうがい)
200(きた)らむとする(その)(とき)
201(わたし)がアンナと()うたのは
202筆先(ふでさき)にもある(とほ)
203(かみ)仕組(しぐみ)はアンナ(もの)
204こんな(もの)になつたかと
205世界(せかい)(ひと)がビツクリし
206アフンとさせるお仕組(しぐみ)ぢや
207カナンと()うて名乗(なの)つたは
208春彦(はるひこ)さまの平常(へいぜい)
209赤子(あかご)のやうな(ひと)なれど
210(かみ)(うつ)つた(その)(とき)
211(たれ)でもカナン身魂(みたま)ぢやと
212()はして(ひと)大道(たいだう)
213(みちび)くお(やく)逆理窟(さかりくつ)
214一本(いつぽん)かましてやつたれば
215高姫(たかひめ)さまは(はら)()
216私等(わたしら)二人(ふたり)(ふり)すてて
217(また)()げよとする(ゆゑ)
218高島丸(たかしままる)船中(せんちう)
219国依別(くによりわけ)面会(めんくわい)
220金剛不壊(こんがうふゑ)如意宝珠(によいほつしゆ)
221(その)(ほか)(うづ)御宝(みたから)
222拝見(はいけん)さして(もら)うたと
223カマをかけたら高姫(たかひめ)
224(たま)にかけたら(ゆめ)うつつ
225(たちま)機嫌(きげん)(なほ)()
226ホンにお(まへ)(えら)(ひと)
227()()(をとこ)(おも)うてゐた
228さうして如意(によい)宝玉(ほうぎよく)
229国依別(くによりわけ)如何(どう)したか
230()らしてお()れと()(ゆゑ)
231(この)春彦(はるひこ)()らねども
232(きつね)のやうに常彦(つねひこ)
233眉毛(まゆげ)(つば)をつけ(なが)
234三千世界(さんぜんせかい)神宝(しんぱう)
235高砂島(たかさごじま)にコツソリと
236言依別(ことよりわけ)国依(くにより)
237(かみ)(つかさ)()(まゐ)
238何々々(なになになに)何々(なになに)
239絶対(ぜつたい)秘密(ひみつ)ぢや()はれない
240国依別(くによりわけ)のお言葉(ことば)
241(まへ)(をとこ)見込(みこ)んでの
242肝腎要(かんじんかなめ)秘密(ひみつ)をば
243()かした(うへ)高姫(たかひめ)
244(けつ)して()ふちやならないぞ
245(わたし)常彦(つねひこ)宣伝使(せんでんし)
246()はぬと()つたらどこ(まで)
247(くび)がとれても()はないと
248約束(やくそく)したから如何(どう)しても
249高姫(たかひめ)さまには()まないが
250これ(ばつか)りは御免(ごめん)だと
251常彦(つねひこ)(くち)から出任(でまか)せに
252からかひまはす可笑(をか)しさよ
253とうとう喧嘩(けんくわ)(はな)()
254常彦(つねひこ)(わたし)両人(りやうにん)
255高姫(たかひめ)さまを(ふり)すてて
256今度(こんど)二人(ふたり)()()した
257高姫(たかひめ)さまは(おどろ)いて
258吾等(われら)二人(ふたり)引捉(ひつとら)
259(たま)所在(ありか)白状(はくじやう)させ
260(あや)聖地(せいち)持帰(もちかへ)
261()出神(でのかみ)生宮(いきみや)
262天眼通(てんがんつう)(この)(とほ)
263(みな)さまこれから吾々(われわれ)
264言葉(ことば)(そむ)いちやならないと
265法螺(ほら)()()てる御算段(ごさんだん)
266そんな(こと)には()るものか
267三十六計(さんじふろくけい)(おく)()
268最極端(さいきよくたん)発揮(はつき)して
269(くも)(かすみ)()()せば
270高姫(たかひめ)さまは(みち)()
271(たか)小石(こいし)(つまづ)いて
272大地(だいち)にバタリと打倒(うちたふ)
273(ひたい)打破(うちわ)(ひざ)(くじ)
274生血(なまち)(なが)してアイタタと
275(あたま)()でたり膝坊主(ひざぼうづ)
276(おさ)へて(かほ)をしかめゐる
277(この)(とき)四五(しご)若者(わかもの)
278どこともなしに()(きた)
279高姫(たかひめ)さまを介抱(かいほう)して
280(いだ)(おこ)して(たす)くれば
281いつも(かは)らぬ()らず(ぐち)
282結構(けつこう)なおかげをお前等(まへら)
283(いただ)きなさつた神様(かみさま)
284御礼(おれい)なされよ(わたし)にも
285御礼(おれい)仰有(おつしや)(かみ)(つな)
286(わたし)がかけて()げました
287などと(また)もや世迷言(よまいごと)
288(たま)所在(ありか)()ると()
289一人(ひとり)(をとこ)(だま)されて
290アと()つては(きん)一両(いちりやう)
291リと()いては(きん)一両(いちりやう)
292ナーと()つては(かね)()られ
293(たき)()つては二両(にりやう)()られ
294(かがみ)(いけ)()つの(くち)
295(また)もや六両(ろくりやう)はぎ()られ
296()()(がほ)高姫(たかひめ)
297吾々(われわれ)二人(ふたり)路端(みちばた)
298(いこ)(ところ)をドシドシと
299肩肱(かたひぢ)いからし高姫(たかひめ)
300()出神(でのかみ)御告(おつ)げにて
301(たま)所在(ありか)()つた(ゆゑ)
302これから(ひと)()(ほど)
303間抜男(まぬけをとこ)()るでない
304(かみ)仕組(しぐみ)邪魔(じやま)になる
305(かなら)()いて()てくれな
306言葉(ことば)(のこ)してドンドンと
307テル(くに)街道(かいだう)()せて()
308吾等(われら)二人(ふたり)高姫(たかひめ)
309(あと)()ひつつ駆出(かけだ)して
310(うし)のお(えど)衝突(しようとつ)
311ヤツサモツサと(あらそ)ひつ
312牛童丸(うしどうまる)横笛(よこぶえ)
313(くび)()(ほど)(よこ)(つら)
314やられた(とき)(その)(いた)
315常彦(つねひこ)さまが()つた(こと)
316(わたし)傍杖(そばづゑ)くわされて
317あんなつまらぬ(こと)はない
318牛童丸(うしどうまる)(うし)(もら)うて
319常彦(つねひこ)さまは(うし)(せな)
320(わたし)(つな)()(なが)
321小川(をがは)(つた)うて杉林(すぎばやし)
322十間(じつけん)(ばか)(さかのぼ)
323高姫(たかひめ)さまが他愛(たあい)なく
324(やす)んで(ござ)(その)(まへ)
325(うし)(ひき)つれて()()れば
326モウモウモウと(うな)()
327(その)大声(おほごゑ)()()まし
328高姫(たかひめ)さまはうるさがり
329(また)二人(ふたり)振棄(ふりす)てて
330アリナの(たき)只一人(ただひとり)
331(たま)占領(せんりやう)せむものと
332()かうとしたので吾々(われわれ)
333(まへ)はアリナの(たき)(うへ)
334(かがみ)(いけ)()くのだろ
335吾等(われら)二人(ふたり)(うし)()
336(まへ)さまより二三日(にさんにち)
337(さき)にアリナへ到着(たうちやく)
338(たま)()にして(かへ)ります
339左様(さやう)ならばと立出(たちい)づる
340高姫(たかひめ)さまは(また)しても
341猫撫声(ねこなでごゑ)早変(はやがは)はり
342コレコレ常公(つねこう)春公(はるこう)
343(わたし)(こころ)()らぬのか
344海山(うみやま)()えてはるばると
345こんな所迄(とこまで)やつて()
346(まへ)(わか)れて如何(どう)ならう
347一緒(いつしよ)()かうぢやないかいと
348相談(さうだん)かけて()れた(ゆゑ)
349モウモウモーさん()んでよと
350(うし)(むか)つて言霊(ことたま)
351発射(はつしや)(いた)せばアラ不思議(ふしぎ)
352(けぶり)となつて()えにける
353()れより三人(さんにん)()()いて
354テルの街道(かいだう)ドシドシと
355大西洋(たいせいやう)(なが)めつつ
356アリナの(たき)のほとりなる
357(かがみ)(いけ)()()れば
358数千年(すうせんねん)沈黙(ちんもく)
359(やぶ)りて(いけ)はブクブクと
360(あわ)()てたりウンウンと
361(いや)らし(こゑ)にて(うな)()
362高姫(たかひめ)さまは(たま)どこか
363肝腎要(かんじんかなめ)魂抜(たまぬ)かれ
364焼糞気味(やけくそぎみ)になりまして
365月照彦神(つきてるひこのかみ)さまと
366いろはにほへとちりぬるの
367四十八文字(しじふやもじ)掛合(かけあひ)
368奴肝(どぎも)()かれて失心(しつしん)
369人事(じんじ)不覚(ふかく)となられける
370懸橋御殿(かけはしごてん)神司(かむづかさ)
371(あら)はれまして高姫(たかひめ)
372(たす)(たま)へば高姫(たかひめ)
373(あひ)(かは)らぬ(にく)(こと)
374百万(ひやくまん)ダラリと(なら)()
375(そば)(ひか)えた吾々(われわれ)
376(あま)(にく)うて(よこ)(つら)
377(なぐ)つてやりたいよに(おも)うた
378夫程(それほど)(わか)らぬ()(ぶと)
379高姫(たかひめ)さまもどうしてか
380櫟ケ原(くぬぎがはら)真中(まんなか)
381天教山(てんけうざん)()れませる
382()花姫(はなひめ)御化身(おんけしん)
383()出姫(でのひめ)訓戒(くんかい)
384(こころ)(そこ)から改心(かいしん)
385(とら)(おも)うた高姫(たかひめ)
386サツパリ(ねこ)早変(はやがは)
387それから段々(だんだん)おとなしく
388もの()ひさへも(あらた)まり
389(まこと)可愛(かあい)うなつて()
390(たま)湖水(こすい)(ほとり)にて
391椰子樹(やしじゆ)(もり)()()かし
392鷹依姫(たかよりひめ)竜国別(たつくにわけ)
393(かみ)(つかさ)やテー、カーの
394姿(すがた)(きざ)んだ石地蔵(いしぢざう)
395(なが)めて高姫(たかひめ)()(あは)
396コレコレ四人(よにん)のお(かた)さま
397(この)高姫(たかひめ)(わる)かつた
398どうぞ勘忍(かんにん)しておくれ
399黒姫(くろひめ)さまの(あやま)ちを
400(まへ)さま()無理(むり)()うて
401(あや)聖地(せいち)()(いだ)
402苦労(くらう)をかけたは()みませぬ
403罪亡(つみほろぼ)しに今日(けふ)からは
404前等(まへら)四人(よにん)姿(すがた)をば
405(きざ)んだ(おも)たい(この)(いし)
406背中(せなか)()うて自転倒(おのころ)
407(しま)(まで)大事(だいじ)()(かへ)
408(ほこら)()てて奉斎(ほうさい)
409朝晩(あさばん)給仕(きふじ)(いた)します
410どうぞ(ゆる)して(くだ)されと
411(こころ)(そこ)から善心(ぜんしん)
412立返(たちかへ)られた健気(けなげ)さよ
413(あんま)(はや)(かは)りよで
414(わたし)一寸(ちよつと)(うたが)うた
415アルの(みなと)(ふね)()
416高姫(たかひめ)さまが(いつは)らぬ
417(その)告白(こくはく)感歎(かんたん)
418ヨブさま(まで)(おどろ)いて
419高姫(たかひめ)さまの弟子(でし)となり
420入信(にふしん)されたお目出度(めでた)
421あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
422(かみ)(めぐみ)()のあたり
423こんな(うれ)しい(こと)はない
424高姫(たかひめ)(さま)御改心(ごかいしん)
425入信(にふしん)なされたヨブさまの
426前途(ぜんと)益々(ますます)健全(けんぜん)
427(わた)らせ(たま)ひて神徳(しんとく)
428世界(せかい)()らし(たま)()
429指折(ゆびをり)(かぞ)()ちまする
430あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
431御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
432 最後(さいご)高姫(たかひめ)改心(かいしん)入信(にふしん)(よろこ)びの(うた)(うた)ひけり。
433『あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
434(たふと)(かみ)御恵(みめぐみ)
435常夜(とこよ)(やみ)()れわたり
436真如(しんによ)(つき)村肝(むらきも)
437(こころ)(そら)(かがや)きて
438金毛九尾(きんまうきうび)曲神(まがかみ)
439すぐはれ()たる(わが)身魂(みたま)
440(いま)(やうや)(ゆめ)()めて
441曲津(まがつ)(かみ)(かげ)もなく
442(かみ)(たま)ひし伊都能売(いづのめ)
443(みたま)(ひかり)(かがや)きて
444(こころ)(なや)みも()()せぬ
445(あさひ)()(とも)(くも)るとも
446(つき)()つとも()くるとも
447仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
448一旦(いつたん)改心(かいしん)した(うへ)
449身魂(みたま)(この)()にある(かぎ)
450天地(てんち)(ちか)うて(かは)らまじ
451(この)高姫(たかひめ)改心(かいしん)
452一日(いちにち)(おく)れて()つたなら
453(この)船中(せんちう)でヨブさまに
454(いのち)()らるるとこだつた
455変性男子(へんじやうなんし)筆先(ふでさき)
456(なに)よりかより改心(かいしん)
457一番(いちばん)結構(けつこう)()うてある
458改心(かいしん)すれば(その)()から
459(てき)もなければ苦労(くらう)もない
460(はや)改心(かいしん)なされよと
461幾度(いくたび)となく()いてある
462あゝ改心(かいしん)改心(かいしん)
463()花姫(はなひめ)御言葉(おことば)
464(はじ)めて(さと)つた改心(かいしん)
465(まこと)(あぢ)(この)(とほ)
466(わたし)(かたき)(ねら)うたる
467カーリン(たう)のヨブさまが
468()つて(かは)つて高姫(たかひめ)
469師匠(ししやう)(あふ)いで入信(にふしん)
470無事(ぶじ)(この)()(をさ)まりし
471(その)原因(げんいん)(たづ)ぬれば
472ヤツパリ(わたし)改心(かいしん)ぢや
473改心(かいしん)入信(にふしん)一時(ひととき)
474()(こと)(ばか)りが()つて()
475こんな(うれ)しい(こと)はない
476さはさり(なが)海中(かいちう)
477(おちい)(たま)ひし四人連(よにんづれ)
478(おも)へば(おも)へばいぢらしい
479せめては(みたま)(なぐさ)めて
480(あさ)(ゆふ)なに奉斎(ほうさい)
481叮嚀(ていねい)にお給仕(きふじ)(いた)しませう
482鷹依姫(たかよりひめ)御一同(ごいちどう)
483(ひろ)(こころ)見直(みなほ)して
484(わたし)(つみ)(ゆる)しませ
485あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
486(かみ)御前(みまへ)(つつし)みて
487今日(けふ)(よろこ)永久(とこしへ)
488感謝(かんしや)しまつり鷹依姫(たかよりひめ)
489(のり)(つかさ)三人(さんにん)
490冥福(めいふく)(いの)(たてまつ)
491あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
492御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
493 ()(うた)(をは)りて、494莞爾(くわんじ)として()()いた。495(ふね)三日三夜(みつかみよ)海上(かいじやう)逸走(いつそう)し、496(やうや)くゼムの(みなと)安着(あんちやく)した。497高姫(たかひめ)一行(いつかう)四人(よにん)はここに上陸(じやうりく)し、498ゼムの(まち)二三里(にさんり)(ばか)(へだ)てたる天祥山(てんしやうざん)大瀑布(だいばくふ)御禊(みそぎ)をなすべく、499意気(いき)揚々(やうやう)として、500宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)(やま)(ふか)(すす)()りにける。501あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
502大正一一・八・一二 旧六・二〇 松村真澄録)
   
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