霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第九章 (しこ)言霊(ことたま)〔八五一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻 篇:第3篇 神縁微妙 よみ:しんえんびみょう
章:第9章 第30巻 よみ:しこのことたま 通し章番号:851
口述日:1922(大正11)年08月15日(旧06月23日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年9月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
テル高山の幾百千の谷から流れてくる水が集まる巽の池は、底知らずの池と唱えられ、ときどき風もないのに池のここかしこに波が逆巻き水煙が天に沖するという尋常ならざる場所であった。
一行が池に近づくと、にわかに天はかき曇り、波の音は轟然として身の毛もよだつばかりとなってきた。末子姫は石熊に向かい、ここに来るまでにカールから周到な注意があったが、いったん許した限りは大蛇退治の大役を取り消すわけにはいかないと、言霊戦の開始を促した。
石熊は真っ青になり、唇を震わせて弱音を吐き、辞退を申し出た。末子姫は姿勢をただし、荘重な口調にて石熊を叱り活を入れた。石熊はぜひなく頭を掻いて大役を了承した。カールは石熊をからかうが、末子姫に一喝されて口を閉じた。
石熊は池の面をじっと見つめると、大蛇を帰順させるための言霊歌を歌い始めた。石熊の歌は自分の強さや偉大さを前面に押し出し、自らの言霊に大蛇をまつろわせようとするものであった。
しかし雲はますます舞い下がり、水面は波高く、雨はつぶてのように池の面に降り注いでいた。カールは石熊の言霊が威力を表さないことをからかった。石熊は心中不安に思いながら、空元気をつけている。
末子姫は石熊に、宣り直しを促した。石熊は早くも末子姫に助けを求めている。末子姫とカールに活を入れられて、石熊は再び言霊を宣りはじめたが、池の波はますます激しく、筆舌に尽くしがたいほどになってきた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm3009
愛善世界社版:109頁 八幡書店版:第5輯 611頁 修補版: 校定版:117頁 普及版:42頁 初版: ページ備考:
001 テル高山(かうざん)百谷千谷(ももたにちたに)より(なが)(あつ)まる(たつみ)大池(おほいけ)は、002紺碧(こんぺき)(なみ)(たた)へ、003(そこ)()らずの(いけ)(とな)へられ、004時々(ときどき)(かぜ)もなきに、005池中(ちちう)此処彼処(ここかしこ)に、006(なみ)(ゑん)(えが)き、007(くぢら)(うしほ)()(ごと)水煙(みづけぶり)008(てん)(ちう)する(すさま)じさ、009普通(ふつう)(いけ)にあらざる(こと)(これ)()ても()らるるのである。
010 末子姫(すゑこひめ)一行(いつかう)(やうや)くにして、011(すこ)しく街道(かいだう)(みぎ)()問題(もんだい)(たつみ)(いけ)(ほとり)()いた。012今迄(いままで)晃々(くわうくわう)(かがや)(たま)ひし天津(あまつ)()(かみ)黒雲(くろくも)(つつ)まれ、013(くも)次第(しだい)濃厚(のうこう)()()し、014追々(おひおひ)低下(ていか)して(やみ)(とばり)(いけ)近辺(きんぺん)(くだ)つて()た。015形勢(けいせい)容易(ようい)ならざる恐怖(きようふ)暗澹(あんたん)(まく)()りた。016(なみ)(おと)轟然(ぐわうぜん)として、017百雷(ひやくらい)一時(いちじ)(とどろ)(ごと)く、018()()もよだつ(ばか)りである。019末子姫(すゑこひめ)言葉(ことば)(しづ)かに石熊(いしくま)(むか)ひ、
020末子(すゑこ)石熊(いしくま)さま、021ここへ(まゐ)途中(とちう)(おい)て、022カールさまの周到(しうたう)なる御注意(ごちうい)御座(ござ)いました。023されど(わらは)(くち)より一旦(いつたん)(ゆる)した以上(いじやう)取消(とりけ)(わけ)には(まゐ)りませぬ。024(また)あなたも折角(せつかく)希望(きばう)中途(ちうと)放棄(はうき)(あそ)ばすのも、025御無念(ごむねん)でせう。026サアどうぞあなた、027先陣(せんぢん)(つと)めて(くだ)さいませ』
028 石熊(いしくま)真青(まつさを)になり、029(くちびる)をビリビリ(ふる)はせ、030()をガチガチと()らせ(なが)ら、
031石熊(いしくま)『ハイ、032アヽ有難(ありがた)(ぞん)じます。033(じつ)(ところ)はさう(おも)ひましたけれど、034途中(とちう)(おい)てカールさまの御意見(ごいけん)(うけたま)はり、035如何(いか)にもまだ身魂(みたま)(みが)けない吾々(われわれ)036立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)さまを(さし)おき、037先陣(せんぢん)(こう)()()ようなどとは、038(もつ)ての(ほか)不心得(ふこころえ)御座(ござ)いました。039どうぞ(これ)(ばか)りは御取消(おとりけ)しを御願(おねが)(まを)します』
040半泣(はんな)きになつて(ことわ)つて()る。041末子姫(すゑこひめ)可笑(をか)しさを(こら)へ、042ワザと姿勢(しせい)(ただ)し、043言葉(ことば)荘重(さうちよう)に、
044末子(すゑこ)石熊(いしくま)さま!宣伝使(せんでんし)言葉(ことば)取消(とりけし)御座(ござ)いませぬ。045三五教(あななひけう)には(なん)()退却(たいきやく)すると()(こと)御座(ござ)いませぬ。046(また)初一念(しよいちねん)貫徹(くわんてつ)するのは、047男子(だんし)たる(もの)本分(ほんぶん)御座(ござ)いませう』
048とまだ歳若(としわか)き、049(はな)なれば(つぼみ)末子姫(すゑこひめ)にきめつけられ、050(かへ)言葉(ことば)もなく、051(あたま)()(なが)ら、
052石熊(いしくま)『ハイ……左様(さやう)ならば(あふ)せに(したが)ひ、053言霊(ことたま)を……ハヽ発射(はつしや)(いた)しませう』
054カール『アハヽヽヽ、055面白(おもしろ)面白(おもしろ)い、056石熊(いしくま)さまの抜群(ばつぐん)功名(かうみやう)057ドレ中立(ちうりつ)地帯(ちたい)()()いて、058今日(けふ)戦闘(せんとう)観戦(くわんせん)(いた)しませう……石熊(いしくま)さま!シツカリ(たの)みますよ。059(どう)()えてお(かか)りなさい、060腹帯(はらおび)もシツカリ()めて()なさらぬと、061産後(さんご)逆上(ぎやくじやう)(おそれ)がありますから、062取上(とりあ)(ばば)アでも()んで()ませうか、063モルヒネ注射(ちうしや)用意(ようい)でもしておきませうかなア アハヽヽヽ』
064末子(すゑこ)『コレ、065カールさま!(しばら)御控(おひか)えなされませ』
066カール『ハイ、067キツと謹慎(きんしん)(いた)します』
068捨子(すてこ)大分(だいぶん)大蛇(をろち)(はう)戦闘(せんとう)準備(じゆんび)調(ととの)ふたと()えまして、069黒雲(くろくも)四辺(しへん)(つつ)み、070荒波(あらなみ)(たち)さわぎ、071大粒(おほつぶ)(あめ)はパラパラやつて()ました。072第一(だいいち)(この)(くも)打払(うちはら)ひ、073言霊(ことたま)によつて(あめ)(とど)(つい)大蛇(をろち)帰順(きじゆん)()段取(だんどり)(ねが)ひます』
074石熊(いしくま)『ハイ、075そんなら()つときの勇気(ゆうき)()()して、076(ひと)奮戦(ふんせん)激闘(げきとう)(いた)して()ませう』
077(とどろ)(むね)をジツと(しづ)め、078大蛇(をろち)帰順歌(きじゆんか)(うた)(はじ)めたり。
079(たつみ)(いけ)(ひそ)みたる
080(しこ)大蛇(をろち)()つく()
081(いま)昨日(きのふ)(おれ)でない
082(いぬゐ)(いけ)()(かま)
083貴様(きさま)(おす)(たき)(うへ)
084(おれ)水行(みづげう)()めつけて
085野心(やしん)(たく)んで()りよつた
086バラモン(けう)神司(かむづかさ)
087(こころ)(かた)石熊(いしくま)
088腕節(うでふし)までも(かた)いぞよ
089大蛇(をろち)(やつ)(くち)あけて
090でかい目玉(めだま)()(なが)
091猪口才(ちよこざい)千万(せんばん)一呑(ひとの)みと
092(ねら)つてゐよる可笑(をか)しさよ
093直立(ちよくりつ)不動(ふどう)姿勢(しせい)にて
094大蛇(をろち)()()(おに)()
095仮令(たとへ)千匹(せんびき)万匹(まんびき)一度(いちど)()(きた)
096(おれ)(むか)つて()()(とも)
097(なに)をか(をそ)れむ高照山(たかてるやま)
098(なが)れも(きよ)(たに)あひに
099(をしへ)(やかた)(ひろ)()
100教主(けうしゆ)(きみ)(あふ)がれた
101天下無双(てんかむさう)豪傑(がうけつ)
102バラモン(けう)(つかさ)さへ
103是丈(これだけ)勇気(ゆうき)()るものを
104(この)()(つく)(かた)めたる
105三五教(あななひけう)主宰神(しゆさいしん)
106国治立大神(くにはるたちのおほかみ)
107(うづ)御弟子(みでし)となつた(おれ)
108(みづ)御霊(みたま)()れませる
109神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)
110(うづ)御子(おんこ)末子姫(すゑこひめ)
111言霊(ことたま)すぐれさせ(たま)
112(たふと)きお(かた)弟子(でし)となり
113只今(ただいま)(ここ)(むか)うたり
114昨日(きのふ)(つよ)()たけれど
115今日(けふ)一層(いつそう)(つよ)いぞや
116神力(しんりき)無双(むさう)石熊(いしくま)
117(あま)沼矛(ぬほこ)()りまはし
118()言霊(ことたま)(あぢ)はひて
119(はや)(かぶと)()ぐがよい
120(かみ)(おもて)(あら)はれて
121善神(ぜんしん)邪神(じやしん)(たて)わける
122(あく)(たく)みは何時(いつ)までも
123(つづ)きはせないと心得(こころえ)
124(まへ)(こころ)立直(たてなほ)
125(はや)解脱(げだつ)をするがよい
126あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
127御霊(みたま)(さち)はひましまして
128大蛇(をろち)魔術(まじゆつ)(つつ)みたる
129八重(やへ)黒雲(くろくも)打払(うちはら)
130(つぶて)(やう)(この)(あめ)
131(はや)()らさせ(たま)へかし
132三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
133(こころ)(からだ)石熊(いしくま)
134鉄石心(てつせきしん)発揮(はつき)して
135大慈(だいじ)大悲(だいひ)大神(おほかみ)
136(めぐみ)(すく)(あた)へむと
137いよいよ此処(ここ)(むか)うたり
138(まへ)大蛇(をろち)(めす)だらう
139(おす)大蛇(をろち)末子姫(すゑこひめ)
140()らせ(たま)ひし言霊(ことたま)
141(うれ)(なみだ)(なが)しつつ
142畜生(ちくしやう)仲間(なかま)解脱(げだつ)して
143(てん)にいそいそ(のぼ)()
144さぞ今頃(いまごろ)天上(てんじやう)
145(かみ)御許(みもと)参上(まゐのぼ)
146高天(たかま)(はら)安々(やすやす)
147皇大神(すめおほかみ)(みぎ)()
148下界(げかい)(のぞ)()るであらう
149あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
150(かみ)(ちから)(かうむ)りて
151言霊戦(ことたません)開始(かいし)する
152(おれ)言葉(ことば)(わか)らねば
153(まへ)勝手(かつて)にするがよい
154(こころ)(ひと)つの持様(もちやう)
155(この)()(くる)しう(くら)さうと
156(いさ)んで(らく)(くら)さうと
157(てん)(のぼ)つて(かみ)となり
158()安々(やすやす)(わた)らうと
159何時(いつ)まで(いけ)(そこ)()
160()三熱(さんねつ)三寒(さんかん)
161(なや)みを()けて何時迄(いつまで)
162(なや)(くら)さうとお(まへ)(こころ)(むね)(ひと)
163(はや)改心(かいしん)するがよい
164(かみ)(おもて)(あら)はれて
165(ぜん)(あく)とを立別(たてわ)ける
166(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
167(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
168直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
169青人草(あをひとぐさ)()ふも(さら)
170大蛇(をろち)(おに)(みたま)まで
171(やす)きに(すく)(たす)けます
172(かみ)(めぐみ)(よろこ)んで
173(わが)言霊(ことたま)服従(まつろ)へよ
174朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
175(つき)()つとも()くるとも
176仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
177(まこと)(ひと)つの言霊(ことたま)
178生命(いのち)(つづ)(その)(かぎ)
179(おれ)はお(まへ)(たす)けにやおかぬ
180(おれ)(たふと)真心(まごころ)
181よく()()つて逸早(いちはや)
182(あめ)八重雲(やへくも)()きはらし
183(あや)しき(あめ)()()めて
184(ふたた)天津御光(あまつみひか)りを
185(あら)はし(まつ)醜大蛇(しこをろち)
186(まへ)(すく)真心(まごころ)
187あふれて(ここ)(いけ)(みづ)
188(ふか)(めぐみ)()()れよ
189あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
190御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
191(うた)(をは)つた。192何故(なにゆゑ)(くも)益々(ますます)()ひさがり水面(すゐめん)はいよいよ(なみ)(たか)く、193(あめ)(つぶて)(ごと)くポツリポツリと(ところ)まんだらに、194(いけ)(おも)小石(こいし)()げたやうな波紋(はもん)(いん)して()(そそ)いでゐる。195されど不思議(ふしぎ)にも、196一行(いつかう)七人(しちにん)肉体(にくたい)には一粒(ひとつぶ)(あめ)もかからなかつた。
197カール『アハヽヽヽ、198なんとマアよう()言霊(ことたま)ですなア。199(まへ)さまが言霊(ことたま)発射(はつしや)する(たび)(ごと)(たたか)益々(ますます)(たけなは)なりといふ調子(てうし)で、200(なみ)次第々々(しだいしだい)(たか)まつて()る、201(くも)追々(おひおひ)濃厚(のうこう)となる、202大粒(おほつぶ)(あめ)刻々(こくこく)(しげ)()つて()る、203(なん)言霊(ことたま)使(つか)()()つては、204どうでもなるものだなア! こんな(をとこ)言霊(ことたま)発射(はつしや)させるのは、205丁度(ちやうど)気違(きちがひ)松明(たいまつ)()たして、206()()した(やう)なものだ、207危険(きけん)至極(しごく)()()られない。208それだから(おれ)道々(みちみち)御遠慮(ごゑんりよ)したら()からうと、209忠告(ちうこく)(あた)へてやつたのだ、210いらぬチヨツカイを()して、211いい(はぢ)をかいたものだなア。212(おれ)はどうかしてお(まへ)失敗(しつぱい)をさせともないと(おも)つて、213()めたのだよ。214(えう)するに()かぬ太刀(たち)功名(こうみやう)をさせてやりたかつたばかりだ。215世界一(せかいいち)(ちから)(つよ)角力(すまう)(かみ)さま、216摩利支天(まりしてん)にだつて、217一度(いちど)(まけ)(こと)のない、218()のカールの忠告(ちうこく)219なぜ()かなかつたのだ。220仮令(たとへ)(ひめ)(さま)がお(すす)めなさつても、221遠慮(ゑんりよ)をするのが(みち)ではないか』
222石熊(いしくま)『さう()めて()れない。223(いま)言霊(ことたま)効用(かうよう)(あら)はれるだらうから、224(しばら)時間(じかん)(あた)へて、225(おれ)腕前(うでまへ)拝観(はいくわん)するが()いワ。226さうして、227(いま)御前(おまへ)はあの摩利支天様(まりしてんさま)にも(まけ)たことがないと()つたが、228どこで何時(いつ)角力(すまう)()つたのだ』
229カール『世界一(せかいいち)力強(ちからづよ)角力(すまう)(かみ)でも、230組合(くみあ)ひせなかつたら、231(まけ)(ため)しはないぢやないか。232それだからお(まへ)沈黙(ちんもく)して、233(ひめ)(さま)にお(まか)せしておけば、234大蛇(をろち)(まけ)たと()はれて、235末代(まつだい)(はぢ)をさらすにも(およ)ぶまいと(おも)つたから、236親切(しんせつ)()つてやつたのだ。237良薬(りやうやく)(くち)(にが)く、238諫言(かんげん)(みみ)(さか)らうと()(こと)があるから、239(おれ)露骨(ろこつ)忠告(ちうこく)は、240キツとお(まへ)(よろこ)ばれさうな(はず)はない。241けれ(ども)(おれ)阿諛諂佞(あゆてんねい)()ではないから、242正々堂々(せいせいだうだう)至誠(しせい)吐露(とろ)して注意(ちうい)したのだ。243(しか)(なが)らモウ()うなつては取返(とりかへ)しはつかない。244あゝ(こま)つたものだ、245……それ()よ! ますます(なみ)(たか)()(くる)()したぢやないか!』
246石熊(いしくま)大方(おほかた)(おれ)言霊(ことたま)威力(ゐりよく)()たれて、247大蛇(をろち)(やつ)248地底(ちてい)苦悶(くもん)して、249のた(うち)(まは)つて()れてゐるのだらう。250さうでなくば、251あれ(だけ)(なみ)(たち)さわぐ道理(だうり)がないぢやないか。252細工(さいく)流々(りうりう)マア仕上(しあ)げを()てゐて(くだ)されよだ、253アハヽヽヽ』
254空元気(からげんき)()(なが)ら、255心中(しんちう)不安(ふあん)(ねん)()られて()る。
256末子(すゑこ)石熊(いしくま)さま、257どうもあなたの言霊(ことたま)(すこ)不結果(ふけつくわ)でした。258一度(いちど)()(なほ)しなさいませ』
259石熊(いしくま)『ハイ、260最早(もはや)言霊(ことたま)材料(ざいれう)欠乏(けつぼう)(いた)しまして、261(なん)とも仕方(しかた)御座(ござ)いませぬ。262どうぞ(すこ)資本(しほん)御貸(おか)(くだ)さいませぬか』
263末子(すゑこ)『ホヽヽヽヽ、264あのマア気楽(きらく)なこと仰有(おつしや)つて、265(はや)くなさらないと、266大変(たいへん)なことが出来(しゆつたい)(いた)しますよ。267あなたが(おこ)した(こと)は、268あなたが結末(けつまつ)をつけなくては、269(ほか)(もの)如何(どう)ともする(こと)出来(でき)ませぬ。270サア(ここ)(はや)天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)し、271(あま)数歌(かずうた)(うた)()げ、272(あらた)めて、273(こころ)(きよ)め、274(ふたた)大蛇(をろち)(むか)つて、275言霊(ことたま)御発(おはつ)しなさいませ』
276カール『それ()よ……それだから、277(はじめ)から手出(てだ)しをすなと()うたぢやないか。278二進(につち)三進(さつち)もならぬとは(この)(こと)だ。279(まる)でとりもち(をけ)(あし)をふんごんだ(やう)破目(はめ)(おちい)つたぢやないか。280サアお(ひめ)(さま)(あふ)せの(とほ)り、281シツカリ(どう)()えて、282ウンと(いき)臍下丹田(さいかたんでん)()め、283円満(ゑんまん)晴朗(せいらう)言霊(ことたま)発射(はつしや)せよ。284そして大蛇(をろち)(たい)し、285(あま)軽蔑的(けいべつてき)言辞(げんじ)(もち)ゐてはならないぞ。286善言美詞(みやび)神嘉言(かむよごと)(もつ)て、287万有(ばんいう)帰順(きじゆん)せしむるのが神事(しんじ)兵法(へいはふ)だ。288サア(はや)く、289(こころ)立替(たてかへ)立直(たてなほ)しをして、290臍下丹田(あまのいはと)押開(おしひら)き、291生言霊(いくことたま)発射(はつしや)せよ』
292 石熊(いしくま)是非(ぜひ)なく、293(また)もや(いけ)(おも)(むか)つて一生懸命(いつしやうけんめい)言霊(ことたま)()(はじ)めた。294(いけ)(なみ)時々刻々(じじこくこく)(たか)まり、295(やま)(ごと)くになつて()た。296(その)光景(くわうけい)(すさま)じさ、297到底(たうてい)筆舌(ひつぜつ)(つく)(かぎ)りではなかつた。
298大正一一・八・一五 旧六・二三 松村真澄録)
   
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10/28霊界物語音読第37、38、63巻と、大本神諭、伊都能売神諭をアップしました。
10/26【霊界物語ネット】大本神諭を「年月日順」で並べた時の順序が、一部おかしいものがあったので修正しました。(os176,192,193,191,235 の5つ)