霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 (つめた)親切(しんせつ)〔八七八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第31巻 海洋万里 午の巻 篇:第2篇 紅裙隊 よみ:こうくんたい
章:第12章 第31巻 よみ:つめたいしんせつ 通し章番号:878
口述日:1922(大正11)年08月19日(旧06月27日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年9月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
ユーズは国依別がやってきたことに恐れをなし、ブールの居間にかけこんで、国依別が来たことを注進し、エスを牢から出してその場を取り繕うようにと進言した。
ブールはユーズの案に賛同した。ユーズは早速エスの水牢に行き、エスに呼びかけた。しかしエスは、結構な修行をさせてもらっていると意固地になって牢から出ようとしない。エスは国依別が娘のエリナを連れて洞窟までやってきたことを知っており、ユーズの呼び掛けにはまったく耳を貸さなかった。
そうこうするうちに、国依別一行は、助け出したキジとマチを連れて、ブールの居間にやってきていた。ブールは態度を変えて、にこやかに一行を迎え入れる。
ブールは、キジとマチにこれまでの仕打ちを責められて震えていた。そこへ、やはり青い顔をしたユーズが帰ってきた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm3112
愛善世界社版:138頁 八幡書店版:第6輯 92頁 修補版: 校定版:141頁 普及版:64頁 初版: ページ備考:
001 ユーズは国依別(くによりわけ)002(ほか)二女(にぢよ)(ここ)(あら)はれしと()き、003(おどろ)いてアナンを入口(いりぐち)(はう)(むか)はしめ、004(なん)とか()とか()つて、005(その)(あひだ)にブール教主(けうしゆ)納得(なつとく)させ、006エスを水牢(みづらう)より(すく)()し、007(なに)()はぬ(かほ)をして、008(うま)国依別(くによりわけ)歓心(くわんしん)()ひ、009鋭鋒(えいほう)をさけむと苦慮(くりよ)(なが)ら、010ブールの居間(ゐま)(あは)ただしくかけ()り、
011『モシ、012教主様(けうしゆさま)013タヽ大変(たいへん)(こと)突発(とつぱつ)(いた)しました』
014大変(たいへん)とは何事(なにごと)だ』
015『ヘエ一寸(ちよつと)申上(まをしあ)げて()いやら、016()げぬがよいやら、017(わたし)には見当(けんたう)()きませぬが、018()(かく)申上(まをしあ)げて()ませうかな。019大変(たいへん)にあなたが御喜(およろこ)びの(はなし)と、020(おどろ)きの(はなし)とが、021ごつちや苦茶(くちや)になつて()りますので、022(じつ)はどうも、023目出(めで)たいやら、024()(どく)やらで、025(じつ)申上(まをしあげ)かねてゐます』
026(かま)はないから(はや)()つて()れ』
027『あなたの数年前(すうねんぜん)から御執心(ごしふしん)(あそ)ばすヒルの(みやこ)紅井姫(くれなゐひめ)(さま)が、028ブール(さま)直接(ちよくせつ)()にかかつて、029(ねがひ)(まを)したい(こと)御座(ござ)いまして、030ワザワザ御伺(おうかが)(いた)しました……と仰有(おつしや)つたかどうか、031(その)(てん)(まで)はハツキリと(ぞん)じませぬが、032マアマア美人(びじん)()ふものは人気(にんき)のよいもので御座(ござ)いますワイ』
033『ナニ、034ヒルの(やかた)紅井姫(くれなゐひめ)(たづ)ねて()たとは、035そりや本当(ほんたう)か』
036本当(ほんたう)本当(ほんたう)037一文生中(いちもんきなか)掛値(かけね)御座(ござ)いませぬワイ。038()いては(よろこ)びあれば(かな)しみあり……とか(まを)しまして、039あなたがお()きになつたならば、040さぞやさぞや、041ブールブールと(ふる)(あが)つて、042(かほ)(いろ)まで(あを)くなり、043(いへ)(すみ)くたに、044(ひと)(かほ)をも()()せず、045(ちぢ)(あが)りて()らねばならぬぞよと、046三五教(あななひけう)御神諭(ごしんゆ)(やう)(こと)になるかも()れませぬ。047それだから第一(だいいち)国依別(くによりわけ)(つか)はしたキジ、048マチの両人(りやうにん)(すく)()し、049彼奴(あいつ)にドツサリ(さけ)でも()まして口塞(くちふさ)ぎをし、050(また)エリナの(ちち)のエスをば、051(いま)(うち)牢獄(らうごく)から引張(ひつぱり)()し、052此奴(こいつ)十分(じふぶん)大切(たいせつ)にして御馳走(ごちそう)()めに()はし、053(なに)()はない(やう)にするのが上分別(じやうふんべつ)だと(かんが)へますが、054どう取計(とりはか)らひませうかなア』
055『そりや大変(たいへん)だ。056表口(おもてぐち)はアナンが、057さうして暇取(ひまど)らせて()(あひだ)に、058(はや)くこちらは準備(じゆんび)をせなくてはならぬ。059(まへ)御苦労(ごくらう)だが、060エスを(はや)()(ぱり)()して()()れ』
061『これはこれは(まこと)(もつ)て、062吾々(われわれ)(ごと)はした(もの)進言(しんげん)をお(きき)(とど)(くだ)さいまして、063御仁慈(ごじんじ)(ふか)教主殿(けうしゆどの)御心(みこころ)064イヤもう吾々(われわれ)(たす)けて(もら)つたように有難(ありがた)(ぞん)じまする。065エスも本当(ほんたう)()(どく)なものですワイ。066ウラル(けう)宣伝使(せんでんし)であり(なが)ら、067三五教(あななひけう)神司(かむつかさ)()めたとか()つて、068世間(せけん)(せま)(こと)主張(しゆちやう)し、069無理難題(むりなんだい)をかけて、070あの(やう)(ところ)(はう)()みおくと()無慈悲(むじひ)(こと)で、071如何(どう)して御道(おみち)(ひろ)まりませうか、072神様(かみさま)大御心(おほみこころ)(かな)ひませうか、073オツト()てよ、074エスを(はう)()みた張本人(ちやうほんにん)矢張(やつぱり)ユーズだつた。075ヤア(これ)取消(とりけ)します。076教主(けうしゆ)さま、077もし国依別(くによりわけ)(たれ)がエスを(はう)()みたかと(たづ)ねたらあなたは(この)ブールだと、078部下(ぶか)責任(せきにん)引受(ひきう)けて()つて(くだ)さいや、079(たの)みますから』
080(なに)をグヅグヅ()つてゐるのだ。081間髪(かんはつ)()れざる(この)場合(ばあひ)082(はや)()かないか。083ユーズの()かぬ(やつ)だなア』
084教主様(けうしゆさま)のユーズが()かないから、085それで(さき)御相談(ごさうだん)をして()るのぢやありませぬか。086折角(せつかく)()(ぱり)()して()て、087(わたし)一人(ひとり)悪者(わるもの)にせられちや、088やり()れませぬからなア』
089『どうでもよい、090(おれ)引受(ひきう)けてやるから、091(はや)()して()い』
092『ハイ(かしこ)まりました。093ウントコドツコイ、094シテコイナ』
095(しり)ひつからげ牢獄(らうごく)()して、096タツタツタツと(くら)がり(みち)(はし)()き、097(やうや)水牢(みづろう)外面(そとも)(はし)()り、
098『コレコレエス(さま)099さぞさぞ御難儀(ごなんぎ)御座(ござ)りましただらう。100何分(なにぶん)ここの大将(たいしやう)がブールブール()うて(おこ)()らし、101(この)ユーズが融通(ゆうづう)()かして、102幾度(いくど)(すく)()してあげたいと(おも)ひ、103(ほね)()りましたけれど、104(なん)()つてもお(まへ)さまは、105一生涯(いつしやうがい)()(こと)出来(でき)ぬと頑張(ぐわんば)つて()りましたよ。106本当(ほんたう)にひどいものですなア。107(しか)(なが)(ひる)(よる)(わたし)が、108教主(けうしゆ)(そば)附添(つきそ)うて千言万語(せんげんばんご)(つく)し、109(やうや)くあなたを(すく)()段取(だんどり)りになりました。110サア(はや)()(くだ)さい』
111()(なが)ら、112(ぢやう)をガタリと(はづ)した。113エスは(くら)(ろう)(なか)から、
114(なん)()つても、115吾々(われわれ)此処(ここ)結構(けつこう)御宮殿(おみと)だと(かんが)へ、116天然(てんねん)()()(いは)(みづ)(すく)つて()み、117(はじ)めは(すこ)(くら)かつたが、118()(なれ)()て、119そこらが(すこ)()かるくなつた。120滾々(こんこん)として(なが)()づる清泉(せいせん)(なが)め、121(みづ)御霊(みたま)大神様(おほかみさま)御恵(みめぐ)みは(この)(とほ)りと、122(わたくし)結構(けつこう)修業(しうげふ)をさして(もら)つた。123(たれ)(なん)()つてもここを()(こと)出来(でき)ぬ。124(さけ)()みたいと(おも)へば(この)清水(せいすゐ)(さけ)(かは)り、125葡萄酒(ぶだうしゆ)(かは)り、126(あつ)(かみ)御恵(みめぐみ)結構(けつこう)()()びて()るのだから、127そンな殺生(せつしやう)(こと)()はず、128そこを()めておいて(くだ)さい。129(なん)()つても、130吾々(われわれ)はここを()(こと)不賛成(ふさんせい)ですワイ』
131『コリヤ(また)(めう)(こと)仰有(おつしや)りますなア。132こンなせせつこましい(ところ)()()められて、133(くるし)ンでゐるよりも、134(ひろ)世界(せかい)()()して、135自由自在(じいうじざい)に、136ちつと(そと)(なが)めて()たらどうですか。137(てん)(あを)くすみ(わた)り、138山川(やまかは)(きよ)くさやけく、139()(おも)には黄金(こがね)(なみ)()ち、140(とり)(うた)(てふ)()ひ、141果物(くだもの)(みの)り、142(はな)()き、143こンな(ところ)蟄居(ちつきよ)してるのとは比較(ひかく)になりませぬよ。144サア(はや)()(もら)はぬと、145(この)(やかた)(つま)らぬ(こと)出来(でき)るのだ。146サア(たの)みだから、147どうぞ()(くだ)さいな、148サア(はや)(はや)う』
149吾々(われわれ)(たれ)(なん)()つても、150此処(ここ)()(こと)出来(でき)ない。151(まへ)たちは(せま)牢獄(らうごく)だと(おも)つてゐるだらうが、152(かみ)(めぐみ)()けた俺達(おれたち)()から()れば、153(この)(せま)一室(いつしつ)宇宙大(うちうだい)()えるのだから、154仕方(しかた)がないワ。155小鳥(ことり)(かご)(なが)らく()うておき、156()をあけて(ひろ)世界(せかい)()()してやつても、157(その)(とり)(また)(もと)(かご)(こひ)しうて(かへ)つて()るものだ。158おれも()うなつては挺子(てこ)でも(ぼう)でも(うご)きませぬぞや。159(けが)らはしい(こと)()はずに(はや)立去(たちさ)るが()い』
160 ユーズ(こころ)(なか)にて、161普通(ふつう)では此奴(こいつ)(うご)きよらぬと(かんが)へ……エリナが此処(ここ)()腹痛(ふくつう)(おこ)してゐると()へば、162何程(なにほど)頑固(ぐわんこ)なエスでも、163吾子(わがこ)()たさに、164()ると()ふだらう、165オウそれがよい……と(こころ)にうなづき(なが)ら、
166(じつ)(ところ)はお(まへ)さまの独娘(ひとりむすめ)167エリナさまが、168ここへお(むか)へにお()(あそ)ばし、169(いま)ブールさまの御居間(おゐま)腹痛(ふくつう)(おこ)し、170()うさまに()ひたい()ひたいと仰有(おつしや)るのだから、171(まへ)さまも()可愛(かあい)(あぢ)()つてるだらう。
172 白銀(しろがね)黄金(こがね)(たま)(なに)かせむ ()にます(たから)()にあらめやも
173()(うた)があるでせう。174(その)大切(たいせつ)()()てゐるのぢや。175サアサア(はや)()て、176エリナさまに目出(めで)たく対面(たいめん)してあげて(くだ)さいナ。177(おや)()(たい)する愛情(あいじやう)は、178到底(たうてい)門外漢(もんぐわいかん)(うかが)()(ところ)ではないさうだ。
179 早乙女(さおとめ)()()(はう)にうゑて()
180 (ひろ)はるる(おや)(かげ)から()(あは)
181()つて、182()(くらゐ)可愛(かあい)いものはないぢやないか、183なあエスさま』
184『アハヽヽヽ、185国依別(くによりわけ)宣伝使(せんでんし)御出(おいで)になり、186ヒルの(やかた)紅井姫(くれなゐひめ)(さま)と、187(あが)(むすめ)のエリナの三人(さんにん)がやつて()て、188キジ(こう)189マチ(こう)両人(りやうにん)(すく)()げ、190(いま)ブールの居間(ゐま)乗込(のりこ)まうとする最中(さいちう)であらうがナ。191ブールの大将(たいしやう)橡麺棒(とちめんぼう)()つて、192(うま)(その)()をつくらはうと(おも)ひ、193今更(いまさら)(おれ)大事相(だいじさう)にして()せたつて駄目(だめ)だよ』
194『ヤア、195何時(いつ)()にそれ(だけ)(なに)()()(わか)(やう)になつたのかな。196大方(おほかた)金毛九尾(きんまうきうび)でも()きよつたのだな。197どうも(あや)しい。198こンな(ところ)()つて(なに)()(みな)()つて()るぢやないか』
199(おれ)をどなたと心得(こころえ)()るか。200(なが)らく(この)(いづみ)()()づる牢獄内(らうごくない)(おい)御霊(みたま)(きよ)め、201大悟(たいご)徹底(てつてい)した御蔭(おかげ)勿体(もつたい)なくも()花姫(はなひめ)(さま)御分霊(ごぶんれい)(いただ)き、202(なに)もかも世界中(せかいぢう)(こと)()えすく(やう)になつたのだ。203(おれ)女房(にようばう)もあの地震(ぢしん)()くなつたであらうがな。204あの(やう)(わか)らぬ(やつ)(のこ)つて()ると、205大切(たいせつ)神業(しんげふ)邪魔(じやま)(いた)すに()つて、206神界(しんかい)から御引上(おひきあげ)になつたのだ。207(けつ)して(おれ)女房(にようばう)(くらゐ)には()をくれてをらぬ。208(また)何程(なにほど)吾子(わがこ)可愛(かあい)いと()つても、209神様(かみさま)には()へられないから、210もしもエリナが(おや)()ひたいと(おも)ふならば、211ここ(まで)面会(めんくわい)()たがよからう。212(なん)()つても、213()ぬと(まを)したら、214金輪際(こんりんざい)215五六七(みろく)()(まで)此処(ここ)()ないのだから、216(はや)くブールに(むか)つて、217さう()つておくがよからうぞ。218あゝ折角(せつかく)気分(きぶん)よく(ねむ)つてゐた(ところ)()まされて、219()()かない。220マアゆつくりと此処(ここ)一寝入(ひとねい)りして、221岩屋(いはや)(なか)活劇(くわつげき)透視(とうし)する(こと)にせうかい』
222()(なが)ら、223ゴロンと(よこ)になり、224(はや)くも(いた)背中(せなか)()うて、225蒲鉾(かまぼこ)(やう)に、226グウグウと(いびき)()き、227寝入(ねい)らむとする。228(おち)つき(はら)つたエスの態度(たいど)に、229ユーズは(あき)()て、230すごすごとブールの居間(ゐま)(かへ)()く。
231 国依別(くによりわけ)二男(になん)二女(にぢよ)(ともな)ひブールの居間(ゐま)(とほ)れば、232ブールは(にはか)態度(たいど)()へ、233(には)()り、234揉手(もみで)(なが)ら、
235『これはこれは、236国依別(くによりわけ)(さま)(その)(ほか)御一同様(ごいちどうさま)237よくマア斯様(かやう)(ところ)御来訪(ごらいはう)(くだ)さいました。238先達(せんだつ)ては三倉山(みくらやま)谷川(たにがは)(おい)て、239失礼(しつれい)(いた)しました。240(じつ)にあの(とき)のあなたの理義(りぎ)明白(めいはく)なる御言葉(おことば)には(かん)()りまして、241(ひそ)かに御高徳(ごかうとく)(した)つて()りましたが、242何分(なにぶん)にも沢山(たくさん)部下(ぶか)手前(てまへ)243(その)()であなた(さま)御弟子(おでし)になる(わけ)にも()かず、244今日迄(こんにちまで)どうぞしてあの宣伝使(せんでんし)にお()にかかり、245立派(りつぱ)御教(みをしへ)()かして(いただ)きたいと、246(あさ)(ゆふ)なに(ねん)じて()りました。247(その)(こう)(むな)しからず、248今日(けふ)(また)(なん)たる吉日(きちじつ)でせう。249あなた(さま)のみならず、250皆様(みなさま)賑々(にぎにぎ)しく御来訪(ごらいはう)(くだ)さいまして、251(なん)御礼(おれい)(まを)してよいやら御礼(おれい)(ことば)(わか)りませぬ。252ヤア御遠慮(ごゑんりよ)なくズツと御入(おはい)(くだ)さいませ、253(いま)御酒(おさけ)用意(ようい)出来(でき)ませうから』
254仮令(たとへ)(こころ)反対(はんたい)でも、255さう御叮嚀(ごていねい)言霊(ことたま)使(つか)つて(もら)ふのは気分(きぶん)()いものですよ。256左様(さやう)ならば、257遠慮(ゑんりよ)なく国依別(くによりわけ)も、258御免(ごめん)(かうむ)りませう……サア(みな)さま、259(わたし)一所(いつしよ)におあがりなさいませ』
260『サアどなた(さま)も、261むさくるしい(ところ)御座(ござ)いますが、262ブールの(わたし)居間(ゐま)です。263御遠慮(ごゑんりよ)なく、264ズツと(おく)へお(すす)(くだ)さいませ』
265『ハイ有難(ありがた)う』
266五人(ごにん)はブールの居間(ゐま)半月形(はんげつがた)(すわ)()んだ。267ブールは(おそ)(おそ)()をつき、268国依別(くによりわけ)発言(はつげん)()つて()る。
269『どうも(なが)らく、270キジ、271マチの両人(りやうにん)が、272(ふか)(つめ)たい御同情(ごどうじやう)(あづか)りまして、273おかげで生命(いのち)(だけ)()りとめました。274(これ)()ふのも(まつた)(たふと)(かみ)さまの御守(みまも)り、275(また)あなた(さま)残酷(ざんこく)なる同情(どうじやう)()つて、276おかげで両人(りやうにん)(たま)(みが)き、277立派(りつぱ)人間(にんげん)仕上(しあが)りました。278(あらた)めて国依別(くによりわけ)279御礼(おれい)(まを)します』
280『ハイ、281(まこと)行届(ゆきとど)かぬ(こと)御座(ござ)いました。282何分(なにぶん)(わざはい)(しも)からと()つて、283(わたくし)ブールの()らない(こと)を、284(した)奴等(やつら)勝手(かつて)(いた)すもので御座(ござ)いますから、285エヽ、286キジ、287マチ両人(りやうにん)さまにも、288どんな御扱(おあつか)ひをして()つたか、289(わたし)はちつとも(ぞん)じませぬ。290(さだ)めて御不自由(ごふじゆう)御座(ござ)いましたらう。291これも前生(ぜんせい)因縁(いんねん)だと(あきら)めて、292どうぞ御立腹(ごりつぷく)(てん)見直(みなほ)聞直(ききなほ)し、293(ゆる)しあらむ(こと)御願(おねが)(いた)します』
294 キジはニコニコし(なが)ら、
295『モシ、296ブールさまどうも有難(ありがた)御座(ござ)いました……とは(まを)されませぬ。297(しか)修業(しうげふ)(いた)しまして、298(たま)(みが)いたのは(わたくし)信仰(しんかう)(ちから)御座(ござ)いますから、299あなたの感知(かんち)さるる(ところ)ではありませぬから、300(れい)(まを)しませぬワ。301なア、302マチ(こう)さうだらう』
303『さうともさうとも、304(あま)(ひと)虐待(ぎやくたい)しておくと、305(あと)何々(なになに)ぢやからなア。306一本(いつぽん)のマチくづがあれば、307大都会(だいとくわい)でも、308三千世界(さんぜんせかい)でも()きつくせるのだから、309(この)マチ(こう)だつて馬鹿(ばか)にはなりませぬワイ。310(まか)マチがへば、311どこやらの(ひと)が、312ブールブールと蒟蒻(こんにやく)のお(ばけ)のやうに(ふる)(あが)(やう)悲惨事(ひさんじ)突発(とつぱつ)するかも()れませぬワイ。313用心(ようじん)なさいませや。314マチ湿(しめ)つて()(あひだ)至極(しごく)安全(あんぜん)ですが、315湿(しめ)つぽい陥穽(おとしあな)から()ひあがつて()てこう(はしや)()すと、316随分(ずいぶん)険呑(けんのん)ですよ。317アハヽヽヽ』
318御立腹(ごりつぷく)御尤(ごもつと)もで御座(ござ)いますが、319どうぞ神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)し、320聞直(ききなほ)して(くだ)さいませ。321ブールが御詫(おわび)(いた)します』
322『アハヽヽヽ、323コリヤ(うそ)だ、324マチがひだ。325吾々(われわれ)三千世界(さんぜんせかい)(てき)もなければ味方(みかた)()たない。326(ただ)神様(かみさま)(おや)とし、327世界(せかい)万物(ばんぶつ)兄弟(けうだい)(おも)つてゐるのだから、328(けつ)して祖神様(おやがみさま)御心配(ごしんぱい)をなさる(やう)兄弟喧嘩(けうだいげんくわ)(いた)しませぬから、329ブールさま御安心(ごあんしん)(くだ)さいませ。330ここに(ひな)さまの(やう)にして(なら)ンで御座(ござ)るナイスは、331ヒルの神館(かむやかた)有名(いうめい)紅井姫(くれなゐひめ)(さま)御座(ござ)いますよ。332そしてモ一人(ひとり)はお(まへ)さまが水牢(みづろう)()れて(くるし)めて()るエスさまの(むすめ)エリナさまですよ』
333言尻(ことばぢり)(ちから)をこめ、334大声(おほごゑ)(おも)はず呶鳴(どな)つて、335()()(にら)みつける。336ブールは(おどろ)いてブルブルと()(ふる)はし、
337『ハイ、338左様(さやう)御座(ござ)いますか、339()うマア()(くだ)さいました。340(とう)さまも世間(せけん)からは如何(どう)()つて()るか()りませぬが、341十分(じふぶん)大切(たいせつ)にして()つて(もら)うて()りますから、342(いま)(ここ)へお()でになりませう。343どうぞ御安心(ごあんしん)(くだ)さいませ』
344『さうでせう、345キジの(わたし)さへも陥穽(おとしあな)(おと)し、346エス(さま)真黒(まつくろ)けの水牢(みづろう)(なか)大切(たいせつ)()けておくのだから、347(あき)れますワイ。348吾々(われわれ)(おな)じく、349陥穽(おとしあな)(そこ)で、350大切(たいせつ)(なし)(くさ)つたのや、351林檎(りんご)虫喰(むしく)ひを、352あひさに()てがはれ、353随分(ずいぶん)大切(たいせつ)にして(いただ)きました。354なアエリナさま、355ブールさまに()くお(れい)申上(まをしあ)げなさいや。356(まる)(おに)(やう)(じや)(やう)残虐(ざんぎやく)なブールさま……ではない……(こと)はない(こと)はない(こと)はないのですから、357そこはそれ、358御礼(おれい)にもいろいろ種類(しゆるゐ)がありますからなア』
359 ()(はな)(をり)しもユーズは真青(まつさを)(かほ)をし(なが)ら、360のそりのそりと(この)()(かへ)()たりける。
361大正一一・八・一九 旧六・二七 松村真澄録)
362(昭和九・一二・一八 王仁校正)
   
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