霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二三章 老婆心切(らうばしんせつ)〔九一四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第32巻 海洋万里 未の巻 篇:第4篇 天祥地瑞 よみ:てんしょうちずい
章:第23章 第32巻 よみ:ろうばしんせつ 通し章番号:914
口述日:1922(大正11)年08月24日(旧07月02日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年10月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
国依別と末子姫の縁談の噂は、たちまち館の内外に喧伝された。言依別命は結婚の準備に独り心をはたらかせていた。そこへすっとふすまを開けて高姫が入ってきた。
高姫は、こともあろうに瑞の御霊の大神の御娘子を国依別とめあわせるなど飛んでもないことだと、この結婚話に反対するべく言依別命を説得に来たのであった。
言依別命は用事があるからと、逃げ向上を述べて高姫を避ける。高姫は捨て台詞でその場を離れると、国依別本人のところへやってきた。
国依別は、独身生活でのんびりできるのは今のうちだと、素っ裸で畳の上にあおむけになっていた。そこへ入ってきた高姫は目を丸くして国依別を怒鳴りつけた。
国依別は単衣をひっかぶって高姫と問答を始めたが、国依別は相変わらずの茶目ぶりで高姫の説教を煙に巻いた。高姫は馬鹿にされ、怒ってあわただしくこの場を去って行った。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm3223
愛善世界社版:273頁 八幡書店版:第6輯 241頁 修補版: 校定版:278頁 普及版:101頁 初版: ページ備考:
001 国依別(くによりわけ)002末子姫(すゑこひめ)結婚(けつこん)(うはさ)は、003(たちま)(やかた)内外(ないぐわい)(らい)(ごと)駄賃(だちん)()らずの飛脚(ひきやく)(くち)から喧伝(けんでん)されて(しま)つた。004(これ)()いた高姫(たかひめ)はムツクと立上(たちあが)り、005言依別命(ことよりわけのみこと)居間(ゐま)(たづ)ねた。006言依別命(ことよりわけのみこと)結婚(けつこん)準備(じゆんび)()いて、007いろいろと(ひと)(こころ)(はたら)かせて()(ところ)である。008高姫(たかひめ)(ふすま)をソツと引開(ひきあ)け、009叮嚀(ていねい)(あたま)()げ、
010言依別(ことよりわけ)(さま)011御邪魔(おじやま)(いた)しますが、012一寸(ちよつと)貴方(あなた)御相談(ごさうだん)(まを)したきこと、013(いや)御尋(おたづ)(まを)したき(こと)御座(ござ)いまして(うかが)ひました。014差支(さしつかへ)御座(ござ)いますまいかなア』
015『ハイ、016(べつ)(たい)した(よう)御座(ござ)いませぬ。017どうぞ御這入(おはい)(くだ)さいませ』
018気乗(きの)りのせぬ(やう)言葉(ことば)()きである。019高姫(たかひめ)はツカツカと言依別(ことよりわけ)(まへ)(すす)み、020行儀(ぎやうぎ)よく(ひざ)()つてすわり、021両手(りやうて)(ひざ)(うへ)()せ、022(きは)めて謹厳(きんげん)態度(たいど)で、
023言依別(ことよりわけ)(さま)024(うけたま)はりますれば、025末子姫(すゑこひめ)(さま)(たい)国依別(くによりわけ)宣伝使(せんでんし)養子婿(やうしむこ)になられるにきまつたとか()(もつぱ)らの(うはさ)ですが、026それは実際(じつさい)御話(おはなし)御座(ござ)いますか?』
027『ハイ、028実際(じつさい)御座(ござ)います。029(わたくし)松若彦(まつわかひこ)両人(りやうにん)肝煎(きもいり)(やうや)婚約(こんやく)成立(せいりつ)(いた)しました』
030『それは(また)()しからぬ(こと)ぢや御座(ござ)いませぬか。031三千世界(さんぜんせかい)(すく)(ぬし)032水晶玉(すいしやうだま)神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)(さま)御娘子(おむすめご)033生粋(きつすい)大和魂(やまとだましひ)末子姫(すゑこひめ)(さま)(めあ)はすに、034(ひと)もあらうに、035国依別(くによりわけ)(やう)悪戯者(いたづらもの)御周旋(ごしうせん)なさるとは、036(あま)りぢや御座(ござ)いませぬか。037()(かんが)へて御覧(ごらん)なさい、038(をんな)だましの御家倒(ごけたふ)し、039家潰(いへつぶ)しの天則(てんそく)違反者(ゐはんしや)040瓢軽者(へうきんもの)041揶揄(からかひ)上手(じやうず)の、042至極(しごく)粗末(そまつ)出来上(できあが)つた(をとこ)……(まる)(さぎ)(からす)夫婦(ふうふ)ぢやありませぬか。043(その)(やう)(けが)れた身魂(みたま)水晶(すゐしやう)(うぶ)末子姫(すゑこひめ)(さま)御世話(おせわ)をするなんて、044折角(せつかく)結構(けつこう)身魂(みたま)(また)(みだ)して(しま)ふぢやありませぬか。045さうすれば、046折角(せつかく)ウヅの(くに)五六七(みろく)()になりかけてゐるのに、047(ふたた)泥海(どろうみ)となり、048()げも(おろ)しもならぬやうなことが出来(しゆつたい)(いた)します。049(わたし)(この)縁談(えんだん)ばかりは仮令(たとへ)大神様(おほかみさま)(なん)(おほ)せられようとも、050神界(しんかい)(ため)御道(おみち)(ため)御家(おいへ)(ため)に、051どこ(まで)反対(はんたい)せなくては()きませぬぞえ。052まだ(さいは)結婚(けつこん)(しき)()げてゐらつしやらないのだから、053(いま)(うち)ならば如何(どう)でもなります。054縁談(えんだん)()ふものは、055(まま)たく()にも(ひえ)ると()(こと)だ。056(この)(はなし)取消(とりけ)した(ところ)で、057(いま)ならば(なん)のイサクサも(おこ)りますまい。058国依別(くによりわけ)()しもゴテゴテ()ふならば、059(およ)ばずながら高姫(たかひめ)(もの)道理(だうり)()(さと)し、060納得(なつとく)させて()せませう。061(また)末子姫(すゑこひめ)(さま)如何(どう)してもお()きにならなければ、062高姫(たかひめ)老婆心(らうばしん)()はれるか()りませぬが、063(この)(みち)にかけたら千軍万馬(せんぐんばんば)(こう)()高姫(たかひめ)064三寸(さんずん)舌鋒(ぜつぽう)(もつ)て、065どちらも得心(とくしん)()(やう)になだめすかし、066(この)結婚(けつこん)問題(もんだい)蛇尾(じやみ)にして()せませう。067……言依別(ことよりわけ)さま、068(この)(こと)はどうぞ(わたし)一任(いちにん)して(くだ)さいませ。069キツと成功(せいこう)させて()せますから……』
070一旦(いつたん)男子(だんし)男子(だんし)契約(けいやく)した以上(いじやう)は、071(いま)となつて(うご)かすことは出来(でき)ませぬ。072(わたくし)(をとこ)です。073一旦(いつたん)()()した(こと)(あと)へは()きませぬ。074第一(だいいち)大神様(おほかみさま)御所望(ごしよまう)ですから』
075仮令(たとへ)大神様(おほかみさま)御所望(ごしよまう)であらうとも、076なぜお(まへ)さまは御忠言(ごちうげん)申上(まをしあ)げないのだ。077(ひげ)(ちり)(はら)つて自分(じぶん)地位(ちゐ)安全(あんぜん)(まも)らうと()御考(おかんが)へだらう。078良薬(りやうやく)(くち)(にが)し、079諫言(かんげん)(みみ)(さか)らふとやら、080至誠(しせい)(もつ)(いさ)(まつ)り、081もし()かなければ、082(いさぎよ)()(もつ)(けつ)すると()ふ、083(まへ)さまに誠意(せいい)がありさへすれば、084こんな不都合(ふつがふ)(はなし)持上(もちあ)がらない(はず)だ。085あんな(もの)末子姫(すゑこひめ)(さま)(をつと)にしようものなら、086それこそ三五教(あななひけう)権威(けんゐ)(たちま)()()ち、087末子姫(すゑこひめ)(さま)御信用(ごしんよう)はサツパリ、088ゼロとなつて(しま)ひますよ』
089『あんな(もの)()んな(もの)になつたと()仕組(しぐみ)でせうかい、090アハヽヽヽ』
091『コレ(わら)ひごつちやありませぬぜ。092千騎一騎(せんきいつき)国家(こくか)興亡(こうばう)(くわん)する(この)場合(ばあひ)093気楽(きらく)さうに(つら)をあげてアハヽヽヽとはソリヤ(なん)()心得(こころえ)(ちが)ひな(こと)ですか。094それだから(とし)(わか)(もの)(こま)ると()ふのだ。095何程(なにほど)(にく)まれても、096(この)高姫(たかひめ)(かま)はねば三五教(あななひけう)はサツパリ駄目(だめ)だ。097アーア、098()のもめる(こと)だ。099(かた)(かひな)もメキメキ()うて()たわいのう』
100折角(せつかく)御親切(ごしんせつ)御注意(ごちうい)101(じつ)有難(ありがた)御座(ござ)います。102(しか)(なが)(この)問題(もんだい)()いては、103一分(いちぶ)たりとて(うご)かす(こと)出来(でき)ませぬ。104……高姫(たかひめ)(さま)105どうぞ貴女(あなた)もゆつくり御考(おかんが)(くだ)さいませ。106(わたくし)(すこ)取急(とりいそ)用事(ようじ)御座(ござ)いますから、107失礼(しつれい)(いた)します』
108『チト(けぶ)たうなつて()ましたかなア。109ドレドレ(わか)(かた)のお(そば)へ、110歯抜婆(はぬけばば)アが()()(ねつ)()き、111(けぶ)たがられて()るよりも、112(これ)から国依別(くによりわけ)居間(ゐま)()つて、113(ひと)つドンナ意見(いけん)だか(たた)いて()ませう。114(しやう)()むと(ほつ)する(もの)()(その)(うま)()よだ。115(なん)()つても言依別(ことよりわけ)さまは、116(とし)(わか)いから、117こんな(こと)談判(だんぱん)(いや)だらう。118それも無理(むり)もない、119(にく)まれ(ついで)高姫(たかひめ)が、120(みち)(ため)に、121国依別(くによりわけ)改心(かいしん)する(ところ)まで、122()すわり談判(だんぱん)をやつて()ませう』
123(つぶや)きながら、124イソイソと(この)()()つて()でて()く。
125 国依別(くによりわけ)高姫(たかひめ)意見(いけん)()るとは(ゆめ)にも()らず、
126『あゝ(これ)から(おれ)窮屈(きうくつ)生活(せいくわつ)(はい)らねばならぬか。127(いま)(うち)気楽(きらく)のしたんのうをしておかうかい』
128(まど)()をガラリとあけ、129赤裸(まつぱだか)になつて、130仰向(あふむ)けになり、131手足(てあし)をピンピンさせて、132座敷(ざしき)運動(うんどう)余念(よねん)なかつた。133そこへ高姫(たかひめ)はあわただしくガラリと()()()(きた)り、134(この)(さま)()()(まる)くし、135(くち)(とが)らせ、
136『マアマアマア(くに)さまかいな。137(その)(ざま)一体(いつたい)(なん)(こと)だい! ()()らぬかと(おも)つて(その)(ざま)(なん)ぢやいな。138ヤツパリ(ひと)()(ところ)では鹿爪(しかつめ)らしうしてゐても、139鍍金(めつき)()げて()()(くせ)(ひやく)(まで)とやら、140(まへ)(わか)(とき)から、141そんな不規律(ふきりつ)生活(せいくわつ)をして()たのだらう。142エヽ(こま)つたものだ。143時々刻々(じじこくこく)愛想(あいさう)がつきて()た。144……コレ国依別(くによりわけ)どの、145高姫(たかひめ)ですよ、146()きて(もら)ひませう』
147高姫(たかひめ)さま、148一寸(ちよつと)ここを写真(しやしん)にうつして、149大神様(おほかみさま)末子姫(すゑこひめ)(さま)御前(ごぜん)御覧(ごらん)()れて(くだ)さいな。150国依別(くによりわけ)(じつ)にトチ面棒(めんぼう)をふつてゐますワイ』
151『エヽ(また)しても、152()(あし)正体(しやうたい)をあらはし、153(その)(ざま)(なん)(こと)だい。154大神様(おほかみさま)末子姫(すゑこひめ)(さま)写真(しやしん)にとつて()せてくれなんて、155ヘン、156自惚(うぬぼれ)にも(ほど)がある。157(たれ)だつてそんなとこを()ようものなら、158三年(さんねん)(こひ)一度(いちど)()めますぞや。159或処(あるところ)(わか)(むすめ)綺麗(きれい)(わか)(をとこ)恋慕(こひした)ひ、160よい(なか)になつて()つたが、161(その)(をとこ)(をんな)(まへ)(しり)をまくり、162()(ひと)つプンと()つたが最後(さいご)163(その)(をんな)はそれきり、164(こひ)しい(をとこ)()るも(いや)になつて(しま)うた(ため)しがありますぞえ。165それにそんな(ざま)末子姫(すゑこひめ)(さま)御覧(ごらん)()れてくれとは(あま)りぢやないか。166色男(いろをとこ)気取(きど)結構(けつこう)結婚(けつこん)(まを)()まれ、167(あま)(うれ)しいので逆上(ぎやくじやう)して(しま)ひ、168赤裸(まつぱだか)になつて、169一角(いつかど)よい姿(すがた)(おも)ひ……(この)姿(すがた)恋女(こひをんな)()せ……とはよい加減(かげん)(ほう)けておきなさい。170エヽ()つともない、171(はや)着物(きもの)()なさらぬか!』
172何分(なにぶん)(かど)(ひろ)いものだから、173こんな(ふう)でもして撃退策(げきたいさく)でも(かう)じなけりや、174やり()れませぬワイ。175ア、176あちらからも此方(こちら)からも、177()ひき(そで)ひき連中(れんぢう)沢山(たくさん)で、178国依別(くによりわけ)(じつ)迷惑(めいわく)(いた)して()るぞよ。179(をとこ)裸百貫(はだかひやくくわん)(まを)して、180(かざ)りのないのが値打(ねうち)であるぞよ。181(もと)(うま)赤児(あかご)になりて(かみ)御用(ごよう)(いた)して(くだ)されよ。182(うま)赤児(あかご)(もう)せば、183みんな丸裸(まるはだか)ばかりであるぞよ。184アツハヽヽヽ』
185『コレ(くに)どの、186(まへ)一国(いつこく)大将(たいしやう)にでもならうと()千騎一騎(せんきいつき)大峠(おほたうげ)差掛(さしかか)つて()(なが)ら、187チツと(つつし)んだら如何(どう)だいなア。188油断(ゆだん)(いた)すと、189(さか)(くるま)()すが(ごと)(あと)(もど)りますぞえ』
190『あとへ(もど)るやうに(さか)になつて、191油断(ゆだん)でなうて冗談(じようだん)をして逆様車(さかさまぐるま)()してゐるのだ、192アツハヽヽヽ。193アーア、194(はや)此処(ここ)(たれ)か、195一寸(ちよつと)(のぞ)いて愛想(あいさう)をつかして()れないかな。196高姫(たかひめ)さまに愛想(あいさう)つかされても、197()つから目的(もくてき)(たつ)しませぬワイ』
198『コレ(くに)どの』
199(こゑ)(たか)め、200国依別(くによりわけ)太腿(ふともも)を三つ四つ平手(ひらて)でピシヤピシヤと(なぐ)りつける。201国依別(くによりわけ)(この)(はず)みに、202ガバとはねおき、203(あわただ)しく窓際(まどぎは)にかけておいた単衣(ひとへ)をひつ(かぶ)り、204三尺帯(さんしやくおび)無雑作(むざふさ)にキリキリとまきつけ、205ドスンと高姫(たかひめ)(まへ)にすわり()んだ。
206高姫(たかひめ)(さま)207(なん)御用(ごよう)御座(ござ)いますかな。208どうぞ実際(じつさい)(こと)仰有(おつしや)つて(くだ)さい』
209『お(たのし)みでせうな! (この)(ごろ)半日(はんにち)()百日(ひやくにち)()つやうな()がするでせう。210イヤもう御心配(ごしんぱい)御察(おさつ)(まを)しますワイ。211(しか)(なが)ら、212(つき)にも()つる()くるがあり、213村雲(むらくも)のかくすこともあり、214綺麗(きれい)(はな)には(むし)がつき、215(あらし)()(あひだ)()いて()て、216無残(むざん)にも()らすことがありますぞや。217モウ大丈夫(だいぢやうぶ)此方(こちら)(もの)だと、218笑壺(ゑつぼ)()つて()ると、219(よる)()天候(てんこう)(たちま)激変(げきへん)し、220(をんな)(はう)から(あき)(そら)221(こがらし)(つめ)たい(かぜ)()いて()ぬとも(かぎ)りませぬぞや。222さうなつてから、223梟鳥(ふくろどり)夜食(やしよく)(はづ)れたやうな、224(つま)らぬ(かほ)(いた)しても、225何程(なにほど)アフンと(いた)しても、226(あと)(まつ)りで、227取返(とりかへ)しは出来(でき)ませぬぞや。228それよりも(をとこ)らしく(いま)(うち)に、229(はな)()らされぬ(うち)に、230(まへ)さまの(はう)から、231キレイサツパリと縁談(えんだん)御断(おことわ)りなさい。232国依別(くによりわけ)どののやうな、233……()ふとすまぬが……ガンガラと水晶(すゐしやう)生粋(きつすい)のお(ひめ)(さま)夫婦(ふうふ)になつても、234末子姫(すゑこひめ)()げられますまい。235(わる)(こと)()ひませぬぞえ。236(いま)(うち)(をとこ)らしう破談(はだん)をなさい。237さうしたら天晴(あつぱ)国依別(くによりわけ)男前(をとこまへ)(あが)りますぞや。238(この)(ひろ)いウヅの(くに)第一(だいいち)美人(びじん)で、239(しか)評判(ひやうばん)のよい御姫様(おひめさま)を、240国依別(くによりわけ)(ひと)つポンと肱鉄(ひぢてつ)をかましたと()ふことが世間(せけん)(ひろ)がつて()なさい。241それこそどれ(だけ)(まへ)さまの威徳(ゐとく)(あが)るか()れたものぢやない。242さうして(うし)(うし)づれ(うま)馬連(うまづ)れと()つて、243似合(にあ)うた女房(にようばう)(もら)ひ、244(たれ)(はばか)らず天下(てんか)横行(わうかう)濶歩(くわつぽ)する(はう)が、245窮屈(きうくつ)(かご)(とり)(やう)()()ひ、246一人(ひとり)(ひめ)(さま)忠勤(ちうきん)()りを発揮(はつき)するよりも何程(なにほど)(とく)(わか)りませぬぞえ。247(まへ)さまが(ひめ)(さま)(をつと)になり、248天下(てんか)権利(けんり)(にぎ)るやうな(こと)があつたら、249それこそ天地(てんち)がひつくりかへりますぞや、250いかな高姫(たかひめ)神様(かみさま)御用(ごよう)はやめねばなりませぬワイ。251かうズケズケと(わたし)()ふので、252(まへ)さまは御気(おき)()らぬだらうが、253チツとは(わたし)()(こと)も、254()きなさつたがよからう。255随分(ずゐぶん)(まへ)さまもいたづらぢやないか。256野天狗(のてんぐ)(なに)()らぬが、257如意宝珠(によいほつしゆ)(たま)(その)(ほか)(ふた)つの(たま)は、258近江(あふみ)(くに)竹生島(ちくぶじま)(かく)してあるなどと、259(だい)それた(うそ)()つて、260はるばると(とし)()つた吾々(われわれ)をチヨロまかすと()腕前(うでまへ)だから、261(わたし)言葉(ことば)がチツト(くらゐ)きつくても辛抱(しんぼう)しなさい』
262『アツハヽヽヽ面白(おもしろ)面白(おもしろ)い、263(わたし)(じつ)今度(こんど)結婚(けつこん)(いや)でたまらないのだけれど、264(あま)大神様(おほかみさま)言依別(ことよりわけ)(さま)265(その)(ほか)方々(かたがた)御熱心(ごねつしん)御取(おと)りなしで(ことわ)(わけ)にも()かず、266義理(ぎり)にせめられ承諾(しようだく)したのだから、267さうけなりさうに法界悋気(ほふかいりんき)をして(くだ)さるな。268国依別(くによりわけ)(じつ)迷惑(めいわく)(いた)しますワイ』
269『オツホヽヽヽ、270(いや)(かな)はぬなどと、271よう()へたものだ。272(この)縁談(えんだん)蛇尾(じやみ)にされるのが、273イヤでイヤで(かな)はぬのだらう。274そんなテレ(かく)しを()つたつて、275()出神(でのかみ)生宮(いきみや)……オツトドツコイ、276(これ)()ふのぢやなかつた……高姫(たかひめ)(くろ)()でチヤンと(にら)ンだら間違(まちが)ひつこはありませぬぞや』
277『アーア、278(こま)つた(こと)出来(でて)()たワイ。279どうしたらよからうな、280この(くに)どのも』
281何程(なにほど)(こま)つても仕方(しかた)がない。282(この)縁談(えんだん)ばかりは言依別(ことよりわけ)(なん)()はうと、283仮令(たとへ)天地(てんち)がかへらうと、284金輪際(こんりんざい)(みづ)をさして、285グチヤグチヤにして(しま)はなくちや、286折角(せつかく)大神様(おほかみさま)艱難(かんなん)苦労(くらう)なされてお(つく)(あそ)ばしたウヅの(くに)総崩(そうくづ)れになつて(しま)ひますワイ。287(まへ)一人(ひとり)さへ改心(かいしん)出来(でき)たら、288国中(くにぢう)(もの)(よろこ)ぶのだから、289(をんな)一人(ひとり)(くらゐ)(をとこ)らしう(おも)()つて数多(あまた)人民(じんみん)(たす)けた(はう)が、290何程(なにほど)立派(りつぱ)()れませぬぜ。291(また)何程(なにほど)愉快(ゆくわい)(わか)りますまいがなア』
292『アーア、293最早(もはや)幽界(いうかい)神界(しんかい)もいやになつて(しま)つた。294現界(げんかい)(わる)い……高姫(たかひめ)さま、295(わたし)(はら)(そこ)如何(どう)しても、296神界(しんかい)真解(しんかい)出来(でき)ませぬのかい』
297『それは(なに)ユーカイ……皆目(かいもく)(まへ)さまの(はら)(そこ)諒解(りやうかい)することが出来(でき)ぬぢやないかい』
298『アーア、299仕方(しかた)がない……(わたし)一寸(ちよつと)急用(きふよう)がありますので、300そこ(まで)()つて()ます。301どうぞ(また)四五日(しごにち)したら、302ゆつくりと(あそ)びにお()(くだ)さりませ』
303最早(もはや)明日(あす)(せま)つた(この)結婚(けつこん)304四五日(しごにち)してから()(くだ)さい……なンて、305ヘン、306(うま)いことを仰有(おつしや)りますワイ。307どうでも()うでも、308今夜(こんや)(うち)にお(まへ)所存(しよぞん)をきめさせて、309(その)(うへ)末子姫(すゑこひめ)さまに御意見(ごいけん)をして()ねばならぬのだから、310さう逃腰(にげごし)にならずに、311ジツクリと()きなさい』
312()きなさいつても、313危機一髪(ききいつぱつ)でも()きませぬワイ……御免(ごめん)(さふら)へ、314高姫(たかひめ)さま、315(わたし)結婚(けつこん)用意(ようい)(いそ)ぎますから、316(かみ)()いたり、317(ひげ)をそつたり、318チツクを一寸(ちよつと)つけたり、319頬紅(ほほべに)もさしたり、320口紅(くちべに)もチツとあしらはねばならず、321(かがみ)一寸(ちよつと)()()ねばなりませぬ。322そんな(いろ)(くろ)(かほ)のお()アさまに相手(あひて)になつてをると、323ますます末子姫(すゑこひめ)さまが(こひ)しうなつて()る。324左様(さやう)なら……』
325とあわてて()()さうとする。326高姫(たかひめ)(うしろ)よりグツと()きとめ、
327『コレコレ(くに)どの、328何処(どこ)()くのだい。329マア()ちなされ、330ジツクリとすわつて、331天地(てんち)道理(だうり)()いて(くだ)さい。332(けつ)して(わる)いことは(まを)しませぬぞや』
333『どうぞ(はな)して(くだ)さい。334そんな(かた)()(にぎ)られると(いた)くて仕方(しかた)がない。335一時(いつとき)(はや)末子姫(すゑこひめ)さまのお(そば)()かねばならぬワイなア。336(いは)()かれるか、337真綿(まわた)()かれるかと()(ほど)懸隔(けんかく)があるのだから(たま)らない……高姫(たかひめ)さま、338どうぞ後生(ごしやう)だから(はな)して頂戴(ちやうだい)な』
339『エヽ(これ)(はな)してなるものかい』
340高姫(たかひめ)さま、341(いま)これが(はな)してなるものか、342()ひましたな。343そんならヤツパリ二人(ふたり)(なか)(はな)さぬといふ御意見(ごいけん)ですか?』
344『そりや(はなし)(ちが)ふ。345(はな)れさすと()(はなし)だ。346(いま)がお(まへ)(うん)のきめ(どころ)347サアさつぱりここでツンと(おも)()りましたと立派(りつぱ)言挙(ことあ)げしなさい』
348『そんなら……スツカリ(おも)()りました』
349『ヤレヤレ(うれ)しや、350(まへ)本当(ほんたう)見上(みあ)げたものだよ』
351『スツカリ(おも)()つたのは、352皺苦茶婆(しわくちやばば)アの高姫(たかひめ)さまとの交際(かうさい)だ、353アハヽヽヽ』
354『エヽ(くに)どの、355(おぼ)えて()なさいや。356明日(あす)(ばん)にはアフンとさして()げますぞや、357(をんな)一心(いつしん)(いは)でもつきぬく、358これが(とほ)らいでなるものかい!』
359()をつり()げながら、360あわただしく(この)()立去(たちさ)る。
361大正一一・八・二四 旧七・二 松村真澄録)
   
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