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第一章 高論(かうろん)濁拙(たくせつ)〔九一六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第33巻 海洋万里 申の巻 篇:第1篇 誠心誠意 よみ(新仮名遣い):せいしんせいい
章:第1章 高論濁拙 よみ(新仮名遣い):こうろんたくせつ 通し章番号:916
口述日:1922(大正11)年08月24日(旧07月2日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年11月10日
概要: 舞台:ウヅの館 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
結婚の式が今宵に迫り、松若彦と捨子姫は準備に全力を注いで、信徒たちに指示を出しつつ、いずれも東奔西走していた。
しかし高姫のみは、これまで体主霊従の限りを尽くしてきた国依別が、瑞霊大神様の娘子と婚姻するなどとんでもないと、夜叉のごとき勢いで駆け巡っていた。高姫は松若彦の館にやってきて、門口にて大声で呼ばわった。
カールが出迎えて、軽口で高姫をいなそうとするが、高姫は主人に会わせず門口で門前払いするとはけしからんと、むりやり館に入ろうとする。カールと高姫は言い争いになってしまう。
松若彦は奥からあわただしく走り来て、今は忙しいからまた日を改めてほしいと高姫に懇願した。高姫は、五分でいいから話を聞いて頷いてくれればよいと詰め寄る。松若彦はそれならと頷いて、そのまま奥に走り逃げてしまった。
高姫はいきりたって館の奥へ走り込み、松若彦を探して追いかける。そのうちに、ふと館から外を見ると、松若彦が裏道を逃げていくのが見えた。高姫は悔しがり、松若彦を追っかけて行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-08-10 16:30:48 OBC :rm3301
愛善世界社版:9頁 八幡書店版:第6輯 259頁 修補版: 校定版:9頁 普及版:3頁 初版: ページ備考:
001(いづ)御霊(みたま)由緒(ゆかり)ある
002伊豆(いづ)神国(かみくに)田方(たかた)(こほり)
003湯ガ島(ゆがしま)温泉(をんせん)湯本館(ゆもとくわん)
004(のき)(なが)るる狩野川(かのがは)
005連日(れんじつ)連夜(れんや)大雨(おほあめ)
006水量(みづかさ)まさり囂々(がうがう)
007伊猛(いたけ)(くる)(みづ)(おと)
008(また)もや()()大雨(おほあめ)
009亜鉛板(トタン)屋根(やね)(とどろ)かし
010(みみ)さわがしき雨館(あめやかた)
011(すめ)大神(おほかみ)(まつ)りたる
012(おく)一間(ひとま)瑞月(ずゐげつ)
013安全(あんぜん)椅子(いす)横臥(わうぐわ)して
014(みづ)御霊(みたま)由緒(ゆかり)ある
015三十三(さんじふさん)(くわん)物語(ものがたり)
016完全(うまら)委曲(つばら)()()つる
017あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
018御霊(みたま)(さち)はひましまして
019()ちに()ちたる霊界(れいかい)
020三十(みづ)三巻(みまき)物語(ものがたり)
021(すめ)大神(おほかみ)(みち)(ため)
022世人(よびと)(ため)三五(あななひ)
023(のり)蘊奥(おくが)()(さと)
024(この)真心(まごころ)(うべ)なひて
025(かみ)(をしへ)()(つき)
026(しげ)(さか)えてどこ(まで)
027(みち)(はしら)となさしめよ
028朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
029(つき)()つとも()くるとも
030仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
031(かみ)言葉(ことば)何時(いつ)までも
032天地(てんち)(つづ)(その)(かぎ)
033月日(つきひ)(とも)(かは)らまじ
034天地(あめつち)(ひら)けし(はじ)めより
035天津(あまつ)(かみ)(たち)八百万(やほよろづ)
036国津(くにつ)(かみ)(たち)八百万(やほよろづ)
037(なか)にも()けて国治立(くにはるたち)
038(かみ)(みこと)()来歴(らいれき)
039(その)(ほか)(こと)御功績(みいさを)
040(いちじる)しきを()(あつ)
041雲霧(くもきり)()けて瑞月(ずゐげつ)
042宇宙(うちう)(そと)()(なが)
043松雲(しよううん)太夫(だいふ)(ふで)とらせ
044とく物語(ものがたり)永久(とことは)
045五六七(みろく)御世(みよ)(すゑ)までも
046()らさせ(たま)惟神(かむながら)
047(かみ)御前(みまへ)()ぎまつる
048(かみ)御前(みまへ)()ぎまつる。
049蒼空(さうくう)一点(いつてん)雲影(うんえい)もなく
050天津(あまつ)()東天(とうてん)
051高山(かうざん)(いただ)きを(かす)めて
052(のぼ)らせ(たま)
053平和(へいわ)(かがや)きを
054地上(ちじやう)()(たま)
055(すず)しき(かぜ)
056天然(てんねん)音楽(おんがく)(そう)
057山野(さんや)樹木(じゆもく)
058惟神(かむながら)(てき)(きそ)うて舞踏(ぶたう)をなす
059(てふ)翩翻(へんぽん)として
060心地(ここち)よげに()びまはり
061(さかな)溌溂(はつらつ)として
062清泉(せいせん)(をど)
063()()にし()高砂島(たかさごじま)
064瑞祥(ずゐしやう)を、()(あた)
065天地(あめつち)四方(よも)(あら)はしぬ
066今日(けふ)はしも(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)
067天降(あまくだ)(たま)ひて
068アルゼンチンの(うづ)神館(かむやかた)
069()でさせ(たま)
070八人(やたり)乙女(をとめ)(すゑ)御子(みこ)
071末子(すゑこ)(ひめ)(はな)(はる)
072一度(いちど)(ひら)()(はな)
073(つぼみ)(うへ)におく(つゆ)
074いとすがすがしげに()えにける。
075三五教(あななひけう)神司(かむつかさ)
076(たつ)(あぎと)(きう)(たま)
077(その)神徳(しんとく)()()けて
078(すく)ひの(かみ)(かがや)ける
079国依別(くによりわけ)神司(かむつかさ)
080(うづ)(みやこ)(あるじ)とし
081末子(すゑこ)(ひめ)(めあ)はして
082千代(ちよ)八千代(やちよ)高砂(たかさご)
083ほまれを四方(よも)(つた)へむと
084(こころ)欣々(いそいそ)大神(おほかみ)
085(いま)さし(のぼ)天津(あまつ)()
086(むか)つて両手(りやうて)(あは)せつつ
087(いの)(たま)ふぞ(たふと)けれ。
088 (いよいよ)結婚(けつこん)(しき)今宵(こよひ)差迫(さしせま)り、089松若彦(まつわかひこ)090捨子姫(すてこひめ)数多(あまた)神司(かむづかさ)(はじ)め、091信徒(しんと)使役(しえき)して、092今夜(こんや)慶事(けいじ)準備(じゆんび)万端(ばんたん)全力(ぜんりよく)(そそ)ぎ、093(いづ)れも甲斐(かひ)々々(がひ)しく東奔(とうほん)西走(せいさう)して、094喜色(きしよく)満面(まんめん)にあらはれ、095上下(しやうか)一致(いつち)096()()(あし)()(ところ)()らず、097(われ)(わす)れて大活動(だいくわつどう)をなせる折柄(をりから)098(この)慶事(けいじ)(すこ)しも(しゆく)せざるのみか、099体主(たいしゆ)霊従(れいじう)(かぎ)りを(つく)(きた)りし国依別(くによりわけ)が、100(みづ)御霊(みたま)生娘(うぶむすめ)101末子姫(すゑこひめ)(めあ)ひて、102(きよ)御魂(みたま)混濁(こんだく)し、103折角(せつかく)ここ(まで)(つく)()げた高砂島(たかさごじま)瑞祥(ずゐしやう)黒白(あやめ)(わか)(やみ)()(くつが)へさむは()(あた)り、104(かみ)(おん)(ため)()(ため)に、105()(まで)(これ)(こば)(さへぎ)破約(はやく)せしめむと、106夜叉(やしや)(いきほひ)(すさま)じく、107彼方(かなた)此方(こなた)駆巡(かけめぐ)り、108()()()げ、109(かほ)(あか)らめ、110(くち)(とが)らせて(はこ)(あゆ)みも荒々(あらあら)しく、111今夜(こんや)準備(じゆんび)()のまはる(ほど)多忙(たばう)をきはめ()たる松若彦(まつわかひこ)(やかた)(たた)き、112(あわ)ただしく()(きた)るは(れい)高姫(たかひめ)さまであつた。113高姫(たかひめ)門口(かどぐち)より(とが)つた(こゑ)で、
114高姫(たかひめ)御免(ごめん)なさいませ……(わたし)(みな)さまに(にく)まれ(もの)()()つた身魂(みたま)(わる)高姫(たかひめ)御座(ござ)います。115急々(きふきふ)()にかかつて申上(まをしあ)げたい(こと)御座(ござ)いますから、116どうぞ松若彦(まつわかひこ)(さま)少時(しばらく)(よろ)しいから、117()()にかかりたう御座(ござ)います。118どうぞ()取次(とりつぎ)(ねが)ひます』
119とエライ権幕(けんまく)(よば)はつて()る。120カールは(この)(こゑ)(おもて)駆出(かけい)で、
121カール『これはこれは、122(たふと)高姫(たかひめ)さまで御座(ござ)いましたか。123よくマア()入来(じゆらい)124(なん)(よう)かは(ぞん)じませぬが、125今日(けふ)貴方(あなた)()(きき)(およ)びの(とほ)り、126瑞月(ずゐげつ)祥日(しやうじつ)(まを)しまして、127アルゼンチン(ひら)けて以来(このかた)128(また)とない結構(けつこう)()日柄(ひがら)御座(ござ)います。129御存(ごぞん)じの(とほ)り、130一片(いつぺん)雲影(うんえい)もなき青空(あをぞら)に、131天津(あまつ)()大神(おほかみ)(さま)赫々(かくかく)として(かがや)かせ(たま)ひ、132()三五(さんご)明月(めいげつ)133銀玉(ぎんぎよく)(そら)()けたる(ごと)瑞祥(ずゐしやう)今日(こんにち)134イヤもう目出(めで)たうて目出(めで)たうて、135(つる)(せん)(ねん)136(かめ)(まん)(ねん)137東方朔(とうはうさく)九千(きうせん)(ねん)138三浦(みうら)王統家(わうすけ)五千歳(ごせんざい)「鶴は千年~三浦の王統家」は伊都能売神諭大正八年一月二七日の一節。139三千(さんぜん)(ねん)()仕組(しぐみ)一厘(いちりん)(はな)(ひら)きそめ、140目出(めで)たいの目出(めで)たくないのつて、141(なに)仰有(おつしや)つても、142今日(けふ)(かぎ)つてグサグサした言葉(ことば)はテンと(みみ)には這入(はい)りませぬ。143御用(ごよう)があれば(あらた)めて明日(あす)(うけたま)はりますから、144どうぞ今日(けふ)(はや)()(かへ)(あそ)ばし、145貴方(あなた)()結婚(けつこん)準備(じゆんび)()手伝(てつだひ)御殿(ごてん)へお(あが)(くだ)さいませ。146さぞ末子姫(すゑこひめ)(さま)()()ちかねで御座(ござ)いませうぞえ』
147高姫(たかひめ)『コレコレ、148カール殿(どの)149(まへ)(はな)さうと(おも)つて()たのぢやない。150主人(しゆじん)松若彦(まつわかひこ)意見(いけん)をしようと(おも)うて()たのですよ。151主人(しゆじん)にも取次(とりつ)がず、152僣越(せんゑつ)至極(しごく)にも門前払(もんぜんばら)ひをくらはすとはチト脱線(だつせん)ぢやありますまいか。153(また)(この)高姫(たかひめ)(たい)し、154(はや)御殿(ごてん)(あが)り、155()手伝(てつだ)ひをせよと仰有(おつしや)つたやうだが、156そんな命令(めいれい)(くだ)すお(まへ)に、157ヘン、158権利(けんり)がありますかい。159グヅグヅして()ると、160()()れます。161さうすりやサツパリ(あと)(まつ)り、162サアもうお(まへ)さまに(かか)()つて()つては、163(こと)(おく)れる。164エヽそこ退(どか)つしやれ』
165カール『コレコレ高姫(たかひめ)さま、166貴方(あなた)強行(きやうかう)(てき)家宅(かたく)侵入(しんにふ)をするのですか、167法律(はふりつ)心得(こころえ)てゐますかなア』
168高姫(たかひめ)『エヽ小癪面(こしやくづら)をさげて、169法律(はふりつ)(くそ)のて、170(なに)()ふのだ。171法律(はふりつ)死物(しぶつ)だ、172()きた人間(にんげん)(これ)使(つか)へば()きるが、173(まへ)のやうなデモ法律家(はふりつか)(なに)(ほざ)いたつて、174三文(さんもん)価値(かち)もありませぬぞや。175それだから(かみ)(さま)法律(はふりつ)()へるぞよと仰有(おつしや)るのだよ』
176カール『高姫(たかひめ)さま(あんま)馬鹿(ばか)にして(くだ)さるな。177これでも赤門出(あかもんで)のチヤキチヤキの法学士(はふがくし)178(しか)優等(いうとう)()たカールさまだよ。179(あんま)馬鹿(ばか)にして(もら)ひますまいかい。180やがて博士(はかせ)称号(しやうがう)(さが)らむとしてゐる(ところ)だ』
181高姫(たかひめ)博士(はかせ)()いて(あき)れますぞえ、182(まへ)のは博士(はかせ)でなうて、183バカセだ。184(むかし)はハカセとよんだが(いま)はハクシと()むのだよ。185読方(よみかた)()らぬような法学士(はふがくし)(なん)になるか、186法学士(はふがくし)でなうて、187方角(はうがく)()らずと()馬鹿者(ばかもの)だらう。188薄志(はくし)弱行(じやくかう)()(ばか)りが(あつ)まつて()るから、189(いま)ではハクシといふのだ。190白紙(はくし)主義(しゆぎ)()うて、191白紙(はくし)(やう)(きよ)精神(せいしん)なればまだしもだが、192真黒(まつくろ)々助(くろすけ)(にご)つた(たましひ)で、193法学士(はふがくし)博士(はくし)もあつたものかいな。194法律(はふりつ)(ころ)して(みな)(はか)(うづ)めるのだから、195ハカセと(むかし)()つたのだ。196(この)(ごろ)松若彦(まつわかひこ)さまの庭先(にはさき)()つて、197(はうき)(もつ)庭掃(にはは)かせになるとこだと()つて威張(ゐば)つて()るのだらう。198何程(なにほど)(はうき)法規(はふき))が立派(りつぱ)でも、199(かみ)(さま)自然(しぜん)憲法(けんぱふ)には抵抗(ていかう)することは出来(でき)ますまい。200法律(はふりつ)()ふものは(その)(みなもと)神界(しんかい)憲法(けんぱふ)(はつ)して()るのだ。201(その)(もと)(つか)んだ日本(やまと)(だましひ)生粋(きつすゐ)高姫(たかひめ)(たい)し、202何程(なにほど)弁護士(べんごし)もどきに滔々(たうたう)懸河(けんが)(べん)(ふる)つても駄目(だめ)ですよ。203舌端(ぜつたん)()()き、204(ほのほ)()いて高姫(たかひめ)(けむり)にまき、205()(かへ)さうと(おも)つても、206いつかないつかな()出神(でのかみ)の…オツトドツコイ……()()(やう)(いきほひ)でも、207(ただ)一口(ひとくち)ジユンと(みづ)()したら、208(たちま)消滅(せうめつ)して(しま)(やう)屁理屈(へりくつ)()ふものぢやありませぬぞえ。209それだから、210人間(にんげん)(つく)つた不完全(ふくわんぜん)学問(がくもん)駄目(だめ)だと()ふのですよ。211(がく)ありたとて、212知慧(ちゑ)ありたとて、213神界(しんかい)仕組(しぐみ)人民(じんみん)では(わか)るものではないぞよ』と(この)()根本(こつぽん)()(つく)(あそ)ばした大先祖(おほせんぞ)国治立(くにはるたちの)(みこと)(さま)(あほせ)られて御座(ござ)るぢやありませぬか。214(その)大神(おほかみ)(さま)片腕(かたうで)となつて()手伝(てつだ)(まを)身魂(みたま)()ふことを、215()(づら)して()くと()ふやうな不都合(ふつがふ)千万(せんばん)罰当(ばちあた)りが、216どこにありますか。217エーエ面倒(めんだう)(くさ)い、218家宅(かたく)侵入(しんにふ)だらうが、219(なん)だらうが、220そんな(こと)(かま)うてゐる(ひま)がない、221カールさますつこんでゐなさい』
222 ()(あらそ)(ところ)へ、223松若彦(まつわかひこ)(あわ)ただしく、224何事(なにごと)ならむと(おく)()より(はし)(きた)り、
225松若彦(まつわかひこ)『ヤア貴方(あなた)高姫(たかひめ)(さま)226(なに)御用(ごよう)(ぞん)じませぬが、227なることならば明日(みやうにち)228どうぞ()(たづ)(くだ)さいませ。229万一(まんいち)()都合(つがふ)(わる)ければ、230(わたくし)(はう)から明日(みやうにち)(あらた)めて()(うかが)(いた)(かんが)へで御座(ござ)いますから……』
231高姫(たかひめ)間髪(かんぱつ)()れざる危急(ききふ)存亡(そんばう)今日(こんにち)場合(ばあひ)232そんな暢気(のんき)(こと)()つて()られませぬ。233(なん)でもかでも、234(まへ)発頭人(ほつとうにん)だから、235ここで(ひと)生命(いのち)()へても往生(わうじやう)させねばならぬ大問題(だいもんだい)差迫(さしせま)つて()()ります。236(あと)後悔(こうくわい)()()ひませぬからなア』
237松若彦(まつわかひこ)『これはこれは(なん)御用(ごよう)かと(おも)へば、238大変(たいへん)急用(きふよう)との()(はなし)239そんなら(わたし)結婚(けつこん)準備(じゆんび)()いて、240(なに)かと繁忙(はんばう)をきはめ、241只今(ただいま)言依別(ことよりわけ)(さま)()(やかた)出仕(しゆつし)する(ところ)御座(ござ)いましたが、242(わづか)()分間(ふんかん)だけ繰合(くりあは)せまして()(はなし)(うけたま)はりませう』
243高姫(たかひめ)(べつ)()分間(ふんかん)もかかりませぬ。244(まへ)さまが高姫(たかひめ)()ふことを……ウンさうか、245御尤(ごもつと)も……と(くび)(たて)(ひと)つふりさへすれば、246それで万事(ばんじ)解決(かいけつ)がつくのだ』
247 松若彦(まつわかひこ)言依別(ことよりわけ)248国依別(くによりわけ)249竜国別(たつくにわけ)より昨夜(さくや)高姫(たかひめ)妨害(ばうがい)運動(うんどう)(はや)くも()かされてゐたので、250テツキリ、251(この)(こと)ならむと早合点(はやがつてん)し、
252松若彦(まつわかひこ)高姫(たかひめ)さま……如何(いか)にも御尤(ごもつと)も、253仰有(おつしや)(とほ)りに(いた)します……ウンウン……』
254 ガクリガクリと(くび)(たて)にふり、
255松若彦(まつわかひこ)左様(さやう)なら……』
256()つたきり、257足早(あしばや)裏口(うらぐち)よりぬけ(いだ)し、258言依別(ことよりわけの)(みこと)(やかた)()して、259(くも)(かすみ)()げて()く。
260高姫(たかひめ)『コレ……(まつ)261ワヽ(わか)262ヒヽ(ひこ)(なに)をビコビコとしてゐるのだ。263(おく)()にかくれて()つても、264(らち)はあきませぬぞえ。265……ヤツパリ()(とが)めると()えて、266蒟蒻(こんにやく)のやうにビリビリふるつて、267(おく)()(かく)れたのだな。268(のみ)蒲団(ふとん)縫目(ぬひめ)(あたま)(ばか)(かく)して、269(しり)()しとるやうな、270アザとい(こと)をしたつて駄目(だめ)ですよ。271今日(けふ)(おく)()の、272とつときの()出神(でのかみ)(さま)(あら)はして侵入(しんにふ)しますぞ。273今日(けふ)肉体(にくたい)高姫(たかひめ)では御座(ござ)いませぬぞ。274(あらた)めてカールさま、275(ねん)()しておくから、276(あと)刑法(けいはふ)だの、277民法(みんぽふ)だのと小言(こごと)()うて(くだ)さるなや』
278()ひながら(おく)()さして足音(あしおと)(たか)くかけ()んだ。279()れば松若彦(まつわかひこ)(かげ)もない。
280高姫(たかひめ)『ハテ、281どこへ(かく)れたか』
282()ひつつ、283(まど)をガラリと()けて外面(そと)(なが)むれば、284松若彦(まつわかひこ)一生(いつしやう)懸命(けんめい)285裏道(うらみち)(しり)ひつからげて、286どこかを()して(はし)()姿(すがた)()えた。287高姫(たかひめ)地団駄(ぢだんだ)ふんで(くや)しがり、
288高姫(たかひめ)『エヽ卑怯(ひけふ)未練(みれん)松若彦(まつわかひこ)289彼奴(あいつ)往生(わうじやう)させねば(この)()はサツパリ泥海(どろうみ)だ。290千騎(せんき)一騎(いつき)神界(しんかい)御用(ごよう)だ』
291()ひながら、292裏口(うらぐち)あけて松若彦(まつわかひこ)(あと)をトントントンと()つかけて()く。
293大正一一・八・二四 旧七・二 松村真澄録)

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5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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