霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一五章 (ばば)論議(ろんぎ)〔九三〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第33巻 海洋万里 申の巻 篇:第3篇 時節到来 よみ(新仮名遣い):じせつとうらい
章:第15章 婆論議 よみ(新仮名遣い):ばばろんぎ 通し章番号:930
口述日:1922(大正11)年08月28日(旧07月6日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年11月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫一行は清子姫・照子姫と別れて、ハラの港を目指して行く。
清子姫と照子姫は琉球を出て高砂島にやってきたとき、言依別命の命によって三倉山の谷川に進んで国魂神・竜世姫命の宮に詣で、国人たちを教え導いていたのであった。
そしてヒル、カル、間の国を経て常世の国にわたり、鬼武彦ら白狐神たちに守られてロッキー山の鬼城山に至り三五の道を宣伝した。その後清子姫は日の出神の命によりヒルの都の楓別命の妻となり、照子姫とともにこの瀑布にやってきて百日百夜の修行をしようとしていたところに、高姫一行に出会ったのであった。
後に照子姫は国依別の媒酌によって石熊の妻となった。石熊は国依別から光国別という名を授かり、高照山の館に三五教を開いた。そして楓別命夫婦と合い協力して、ヒル、カルの国にまだ残っていた大蛇を退治する大神業に奉仕することとなった。
ウヅの国に残った春彦は、タルチールとともに常世の国を越えて北方の雪国まで進み、抜群の功名を立てたが、その物語はまた後日とする。
高姫たちはハラの港から高島丸に乗り込んだ。高姫は船中の人々の雑談を聞くともなしに聞いている。松公と鶴公は、高姫が高砂島にやってきたときの無茶な振る舞いを話のネタにして、わざと船中の人々に聞こえよがしに高姫を非難している。
テーリスタンが話に割ってはいると、二人は実はウヅの館の松若彦の命で、高姫を追ってきた三五教の宣伝使だと明かした。二人は、神素盞嗚大神様の御内命で、高姫たちに麻邇の宝珠の誠の御用がさせたいために、付いて教訓を垂れていたのだと語った。
そしてまた、自転倒島に着いたらさらに明かす秘密があると言い、一行は道中を共にすることとなった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ:松公(松彦)、鶴公(鶴彦) データ凡例: データ最終更新日:2022-08-25 23:03:08 OBC :rm3315
愛善世界社版:164頁 八幡書店版:第6輯 311頁 修補版: 校定版:171頁 普及版:61頁 初版: ページ備考:
001 高姫(たかひめ)一行(いつかう)(ろく)(にん)はタルチール、002清子姫(きよこひめ)003照子姫(てるこひめ)(さん)(にん)(たもと)(わか)ち、004ハラの(みなと)()して(すす)()く。
005 (ちなみ)清子姫(きよこひめ)(いもうと)照子姫(てるこひめ)(とも)言依別(ことよりわけの)(みこと)(めい)()り、006三倉山(みくらやま)谷川(たにがは)(すす)み、007国魂神(くにたまがみ)竜世姫(たつよひめの)(みこと)(みや)(まう)で、008数多(あまた)国人(くにびと)(をし)(みちび)き、009それよりヒル、010カル、011(はざま)(くに)()て、012常世(とこよ)(くに)(わた)り、013ロツキー(ざん)(すす)み、014鬼城山(きじやうざん)(いた)り、015鬼武彦(おにたけひこ)以下(いか)白狐神(びやくこしん)(まも)られ、016三五(あななひ)(みち)宣伝(せんでん)し、017清子姫(きよこひめ)()出神(でのかみ)(めい)()りて、018ヒルの(みやこ)楓別(かへでわけの)(みこと)(つま)となり、019ヒルの(やかた)立出(たちい)で、020(いもうと)照子姫(てるこひめ)(とも)(この)瀑布(ばくふ)前章に出た「乾の滝」のこと立向(たちむか)ひ、021山中(さんちう)(たま)(いけ)中心(ちうしん)屹立(きつりつ)せる岩石(がんせき)(うへ)(ちひ)さき(ちん)()て、022(ひやく)(にち)百夜(ひやくや)修行(しうぎやう)をせむとしてゐたのであつた。023(また)照子姫(てるこひめ)国依別(くによりわけの)(みこと)媒酌(ばいしやく)()つて、024バラモン(けう)教主(けうしゆ)たりし石熊(いしくま)(つま)となり、025高照山(たかてるやま)(やかた)(おい)三五教(あななひけう)(ひら)(こと)となつた。026さうして石熊(いしくま)国依別(くによりわけの)(みこと)より、027光国別(てるくにわけ)()神名(しんめい)(いただ)き、028夫婦(ふうふ)相和(あひわ)して大蛇(をろち)退治(たいぢ)大神業(だいしんげふ)奉仕(ほうし)する(こと)となつた。
029 アマゾン(がは)魔神(まがみ)(および)時雨(しぐれ)(もり)猛獣(まうじう)鷹依姫(たかよりひめ)()尽力(じんりよく)()りて、030(いづ)れも(かみ)(みち)(すく)はれたれ(ども)031(いま)だヒルの(くに)一部(いちぶ)(および)カルの(くに)森林(しんりん)には、032八岐(やまた)大蛇(をろち)系統(けいとう)邪神(じやしん)数多(あまた)棲息(せいそく)して暴威(ばうゐ)(ふる)ひ、033人民(じんみん)(くる)しめ()たれば、034(ここ)光国別(てるくにわけ)035楓別(かへでわけの)(みこと)(りやう)夫婦(ふうふ)(かみ)(ちから)()て、036苦心(くしん)惨憺(さんたん)結果(けつくわ)037(やうや)邪神(じやしん)言向和(ことむけやは)すことが出来(でき)たのである。038さうして高姫(たかひめ)(したが)(きた)りし春彦(はるひこ)は、039タルチールと(とも)常世(とこよ)(くに)()()え、040(とほ)北方(ほくぱう)雪国(ゆきぐに)(すす)み、041抜群(ばつぐん)功名(こうみやう)()てたのである。042(この)物語(ものがたり)後日(ごじつ)(あらた)めて()ぶることに(いた)しませう。
043 高姫(たかひめ)一行(いつかう)はハラの(みなと)より(また)もや都合(つがふ)よく高島丸(たかしままる)()()み、044自転倒(おのころ)(じま)(むか)つて(かへ)(こと)となつた。045海上(かいじやう)(なみ)(しづ)かにして、046さしもに(ひろ)大西洋(たいせいやう)(かがみ)(ごと)()ぎわたつて()る。047船中(せんちう)無聊(むれう)(なぐさ)むる(ため)048あちらの(すみ)にも、049こちらの(すみ)にも雑談(ざつだん)(はじ)まつて()る。
050 高姫(たかひめ)一行(いつかう)(しづ)かに諸人(もろびと)雑談(ざつだん)をゆかしげに()いて()た。051高姫(たかひめ)(かたはら)()()めた三人(さんにん)()れの(をとこ)052チビリチビリと(ひさご)(さけ)()(なが)ら、053雑談(ざつだん)(ふけ)りゐたり。
054(かふ)(松公)(さき)(とし)055竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)からテルの(くに)(かへ)つて()途中(とちう)056ヤツパリ(この)高島丸(たかしままる)()つて(かへ)つたが、057(その)(とき)(めう)なことがあつたよ。058(ちひ)さい(ふね)(ばば)一人(ひとり)059屈強(くつきやう)(をとこ)二人(ふたり)()つて()暗礁(あんせう)(ふね)()て、060()むを()ず、061大胆(だいたん)至極(しごく)にも(なみ)(うへ)(ある)()した(ところ)062(にはか)暴風(ばうふう)(なみ)(たか)くなり、063(こま)つて()(ところ)へ、064高島丸(たかしままる)がそこを(とほ)(あは)せ、065(すく)()げた(こと)がある。066(その)(とき)(なん)でも、067高姫(たかひめ)とか()()だと記憶(きおく)して()るが、068(ふね)(うへ)から真逆(まつさか)さまに海中(かいちう)墜落(つゐらく)し、069()れの(をとこ)(たす)けられて、070反対(はんたい)理屈(りくつ)()うた悪垂婆(あくたればば)アが()つてゐた。071随分(ずゐぶん)()(なか)には(めう)(ばば)アもあるものぢやないか』
072(おつ)(鶴公)高姫(たかひめ)(かぎ)らず、073どこの(ばば)アでも中々(なかなか)意地(いぢ)(わる)いものだよ。074それだから老婆心(らうばしん)()うて(ひと)(いや)がるのだ。075(ばば)アに(ろく)(やつ)一人(ひとり)もありやしない。076(おれ)んとこも女房(にようばう)()てから、077今迄(いままで)大切(たいせつ)にしてくれた(うち)母者人(ははじやしと)(にはか)心機(しんき)一転(いつてん)して、078一人(ひとり)息子(むすこ)(おれ)(たい)してさへ、079(なん)とか(かん)とか()つて(つよ)(あた)るのだものなア。080(よめ)()がつきや(わが)()(にく)いとか()つて(ばば)アのつむじ(まが)りは、081如何(どう)にも()うにも仕方(しかた)がないものだ。082(あま)(うち)(ばば)アが(よめ)につらく(あた)つて(いぢ)()らすものだから、083(おれ)()るに()かねて……(ばあ)さま、084まだ(とし)(わか)(よめ)だから、085経験(けいけん)がないのは無理(むり)はない。086これからボツボツと(をし)()んで、087家風(かふう)()(やう)に、088()アさまのお()()るやうにさすから、089(しばら)女房(にようばう)のする(こと)は、090うるさくても()をつぶつてゐて(くだ)さい……と(たの)()んだ(ところ)091()アさまの(おこ)るの(おこ)らないのつて、092(たちま)()(たて)にして(しま)ひ……お(まへ)今迄(いままで)(わし)随分(ずゐぶん)孝行(かうかう)にして()れたが、093あのお(かめ)()てから、094(にはか)了見(りやうけん)(わる)くなり、095親不孝(おやふかう)になりよつた。096これと()ふのも、097(けつ)してお(まへ)(わる)いのぢやない。098あのお(かめ)()(この)年老(としより)邪魔者(じやまもの)(あつか)ひにして、099(はや)くあの(ばば)アが()んでくれれば()いがと毎朝(まいあさ)(かみ)(さま)祈願(きぐわん)をこめて()やがる。100(わたし)血統(ちすぢ)にはそんな不孝(ふかう)()(うま)れる気遣(きづか)ひはない、101鶴公(つるこう)性来(しやうらい)がおとなしい孝行者(かうかうもの)だ。102()(かく)女房(にようばう)(わる)いのだ……などと、103勝手(かつて)理屈(りくつ)()つて、104(おれ)(じつ)(こま)つて()るのだ。105(ばば)アになるとなぜあの(やう)に、106奴根性(どこんじやう)(わる)くなるのかなア』
107(かふ)(松公)(その)(くらゐ)無理(むり)()(ばば)(べつ)(めづら)しい(こと)はないワ。108村中(むらぢう)九分(くぶ)(どほり)まで(その)(しき)(ばば)ばかりだ。109(しか)(ばば)(いへ)(たから)だから()尊敬(そんけい)(はら)はねばなるまい、110が、111(おれ)()高姫婆(たかひめばば)()(やつ)ア、112(また)特別製(とくべつせい)代物(しろもの)でそんなヘドロイ(ばあ)さまぢやないワ。113八岐(やまた)大蛇(をろち)金毛(きんまう)九尾(きうび)か、114モールバンドかと()(やう)なエグイ(ばば)アだと()(こと)だよ。115(なん)でも金剛(こんがう)不壊(ふゑ)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)とか、116(その)(ほか)いろいろの立派(りつぱ)(たま)()んだり()いたりする、117()()うな(ばば)アださうぢや。118其奴(そいつ)貴様(きさま)119高砂島(たかさごじま)まではるばるやつて()よつて時雨(しぐれ)(もり)のモールバンドに出会(でくわ)し、120其奴(そいつ)角力(すまふ)とつて、121彼奴(あいつ)(しり)(けん)()つて(かへ)り、122自転倒(おのころ)(じま)とかで威張(ゐば)()らさうと()途方(とはう)途轍(とてつ)もない悪垂婆(あくたればば)アの鬼婆(おにばば)だからなア』
123鶴公(つるこう)『オイ松公(まつこう)124()(なか)(ひろ)(やう)でも(せま)いものだぞ。125そんなこと()ふとると、126(その)()本人(ほんにん)()しや(この)(ふね)にでも()つて()らうものなら、127サツパリ始末(しまつ)()へぬぞ。128チト()をつけぬかい』
129松公(まつこう)(いづ)(この)(ふね)には人間(にんげん)(ばか)りが()つて()るのだから、130(ばば)だつて、131一人(ひとり)二人(ふたり)()るだらう。132高姫(たかひめ)()()(つら)した(やつ)(おれ)近所(きんじよ)()(やう)()がするのだ。133それだから高姫(たかひめ)類似者(るゐじしや)(れい)(おれ)(うつ)りよつて、134高姫(たかひめ)(こと)(おも)はせ、135()むを()ず、136(はな)さなければならなくなつたのだ。137言依別(ことよりわけ)(かみ)さまも、138()加減(かげん)意茶(いちや)つかさずに、139(その)(たま)高姫(たかひめ)()ましてやると、140根性(こんじやう)(なほ)るのだけれどなア。141(とら)でも(おほかみ)でも(はら)がふくれて()れば、142メツタに人間(にんげん)にかぶりつくものぢやない。143(ひと)()たら(すぐ)にカブリついて、144ワンワン(ぬか)痩犬(やせいぬ)でも(はら)さへふくらしてやれば、145すぐに()()つておとなしくなる(やう)なもので、146高姫(たかひめ)だつて、147金剛(こんがう)不壊(ふゑ)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(はら)()()んでおきさへすりや、148おとなしうなつて、149言依別(ことよりわけ)さまとやらを、150夜叉(やしや)(やう)に、151こんな(ところ)まで()ひかけて()やしようまいになア』
152鶴公(つるこう)『まるで人間(にんげん)()(あし)(たと)へとるぢやないか。153高姫(たかひめ)()いたら、154(ひと)馬鹿(ばか)にすると()うて(おこ)るだらうよ』
155松公(まつこう)『ナーニ、156高姫(たかひめ)だつて、157()(あし)のサツクだ。158宣伝使(せんでんし)とか()雅号(ががう)()つてるだけで、159(なに)(かは)つた(やつ)(やう)(おも)へるだけだ。160宣伝服(せんでんふく)()がし赤裸(まつぱだか)にして()よ。161(おれ)んとこのお(たけ)よりも(とし)()つとるだけ値打(ねうち)がなくて、162おまけに()つともない。163尊敬(そんけい)(ねん)はチツトも(おこ)りやしないよ。164(をとこ)でも(をんな)でも赤裸(まつぱだか)にして()なくちや、165本当(ほんたう)価値(かち)(わか)るものぢやない。166大将(たいしやう)だとか(かしら)だとか偉相(えらさう)()つて、167立派(りつぱ)風呂敷(ふろしき)(かぶ)つて()るから、168大将(たいしやう)らしう()えたり、169(かしら)らしう()えるのだが、170(はだか)にすりや(おれ)たちと(べつ)にどこも(かは)つたところはありやアしない。171どうぞ赤裸(まつぱだか)人間(にんげん)ばかり()んで()る、172(まこと)(ひと)つの()(なか)()()しいものだなア』
173鶴公(つるこう)鷹依姫(たかよりひめ)とか()(ばば)アも、174アリナの(たき)(うま)(こと)()つて、175沢山(たくさん)(たま)(あつ)め、176終局(しまひ)()てにや、177ヒルの(くに)のテーナの(さと)から(をさ)まつた黄金(わうごん)(たま)をチヨロまかし、178夜裏(よさり)()同類(どうるゐ)()(にん)が、179随徳寺(ずゐとくじ)をきめこみ、180荒野(あらの)(はら)(かみ)さまに散々(さんざん)(あぶら)(しぼ)られ、181とうとう改心(かいしん)とか安心(あんしん)とかしよつて、182アマゾン(がは)(ほとり)(うさぎ)(わう)になつたとか()(うはさ)があるが、183貴様(きさま)()いて()るか』
184松公(まつこう)『ソラ()いて()る。185何程(なにほど)(おほ)きうても、186(うし)尻尾(しつぽ)になるよりも、187(にはとり)(あたま)になる(はう)人間(にんげん)としての理想(りさう)だから、188鷹依姫(たかよりひめ)余程(よほど)(えら)(やつ)だと、189(おれ)何時(いつ)感心(かんしん)して()るのだ。190あの(ばば)アも、191ヤツパリ自転倒(おのころ)(じま)から高姫(たかひめ)無理(むり)難題(なんだい)()つて()げて()たと()(はなし)だ。192本当(ほんたう)高姫(たかひめ)()(やつ)は、193他人(たにん)()いても、194(むか)(ぱら)()悪垂婆(あくたればば)アだなア』
195鶴公(つるこう)『オイ(あま)(おほ)きな(こゑ)()ふない。196(まへ)(うしろ)()二人(ふたり)(ばば)アが、197(めう)(かほ)して、198ベソをかきかけて()るぢやないか』
199 ()かる(ところ)へ、200テーリスタンはスタスタとやつて()て、
201テーリスタン松公(まつこう)202鶴公(つるこう)とやら、203随分(ずゐぶん)婆論(ばばろん)がはづんで()りますな』
204松公(まつこう)『オー、205はづんで()る。206随分(ずゐぶん)威張(ゐば)()らす高姫(たかひめ)(うはさ)摘発(てきはつ)して罵詈(ばり)ついて()るのだ。207そこに()婆々(ババ)ンツは、208昨年(さくねん)(この)(ふね)()高姫(たかひめ)にどつか()たやうな()がするが、209(しか)しあんな(しろ)(かほ)ぢやなかつた。210(まへ)一体(いつたい)(その)高姫(たかひめ)関係(くわんけい)のある代物(しろもの)かなア』
211テーリスタン『関係(くわんけい)があるでもなし、212ないでもなし、213(まへ)(たち)(めう)(はなし)面白(おもしろ)さうにやつてるから、214(おれ)(ひと)()かして(もら)ひたいと(おも)つて、215チツト(みみ)(とほ)いものだから、216(ちか)()せて(もら)うたのだ』
217鶴公(つるこう)『マア一杯(いつぱい)やれ、218(さけ)もなしに(この)(なが)道中(だうちう)219(つと)まりつこはない』
220(ひさご)をさし()す。
221テーリスタン『ソリヤ有難(ありがた)う。222(しか)折角(せつかく)だが、223(わたし)下戸(げこ)だから一滴(いつてき)もいかないのだ』
224鶴公(つるこう)『ナヽ(なん)だ、225ここは下戸(げこ)(ども)()(ところ)ぢやない。226折角(せつかく)興味(きようみ)()めて(しま)ふワイ』
227テーリスタン『ナイスの(はなし)なれば、228(さけ)(あぢ)(うま)からうが、229(ばば)(ばなし)では()つから(さけ)(うま)くはありますまいなア』
230松公(まつこう)(うま)くないのは承知(しようち)だが、231一遍(いつぺん)高姫(たかひめ)オツトドツコイ、232そこらの(ばば)アに、233()けよがしに()うておかねばならぬ(こと)があるからなア』
234鶴公(つるこう)『そんな(こと)235(たれ)から(たの)まれたのだい』
236松公(まつこう)松若彦(まつわかひこ)237オツトドツコイ、238(この)(まつ)さまが(わか)(とき)から、239(ばば)アが(きら)ひでなア、240そこへ(ばば)アの(うみ)へおちたのを、241去年(きよねん)(この)(ふね)()たものだから、242今日(けふ)(また)(その)(とき)光景(くわうけい)記憶(きおく)(うか)んで()て、243いつとはなしに(ばあ)さま(ばなし)にバサンと(ふか)みへ()()んで(しま)つたのだ。244モウ()んなババイ(はなし)はこれ(かぎ)りやめにしようかい』
245テーリスタン『コレ松公(まつこう)246(まへ)はレコの間者(まはしもの)ぢやなア』
247松公(まつこう)『バカ()つて()れない。248まはし(もの)なんて、249(まへ)(はう)()をまはし(もの)だ。250(ひと)(まはし)相撲(すまふ)とるよなズルイ(こと)をする松公(まつこう)とは、251チツト(ちが)ひますワイ……ナア鶴公(つるこう)252(まへ)(わし)平常(へいぜい)()つとるぢやらう』
253鶴公(つるこう)貴様(きさま)(ふく)をつけて、254ウヅの(みやこ)宣伝使(せんでんし)だと威張(ゐば)つて()やがるが、255(さけ)(くら)ふとサツパリ駄目(だめ)だな。256ヤツパリ(もと)がウラル(けう)だから、257(その)(くせ)(なほ)らぬと()えるワイ』
258松公(まつこう)『コリヤ、259(ひと)秘密(ひみつ)をあばく(やつ)があるか、260()(なほ)せ』
261鶴公(つるこう)『モシモシ高姫(たかひめ)さまに()()たお(かた)262(その)()()一行(いつかう)(さま)263(この)松公(まつこう)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)御座(ござ)いますが、264(さけ)(くら)ふとサツパリ地金(ぢがね)(あら)はれ駄目(だめ)だと()意味(いみ)(こと)申上(まをしあ)げましたが、265松公(まつこう)請求(せいきう)()つて、266(あらた)めて()(なほ)します、267(けつ)して宣伝使(せんでんし)ではないと(おも)うて(くだ)さい。268アハヽヽヽ』
269テーリスタン『アハー、270ヤツパリ、271デモ宣伝使(せんでんし)だな。272一体(いつたい)どこへ()(つも)りだ。273(なん)()つても最早(もはや)かくすのは駄目(だめ)だ、274サア事実(じじつ)()つて(もら)はう、275(わたし)もウヅの(みやこ)から此処(ここ)(まで)やつて()(もの)でヤツパリ三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(はし)くれだ』
276松公(まつこう)『そんなら、277白状(はくじやう)しませう。278(じつ)(ところ)松若彦(まつわかひこ)さまに命令(めいれい)()けて、279(まへ)さま一行(いつかう)(あと)をつけて()たのだ。280(けつ)して(わる)(かんが)へを()つて()たのぢやない。281(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)(さま)()内命(ないめい)()つて高姫(たかひめ)さまや鷹依姫(たかよりひめ)282竜国別(たつくにわけ)(さま)に、283麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)(まこと)御用(ごよう)がさせたいから、284(おな)(ふね)()つて高姫(たかひめ)慢心(まんしん)をせない(やう)285いろいろとそれとはなしに、286教訓(けうくん)をしてくれよとの(こと)で、287(えら)まれて、288多勢(おほぜい)(なか)からやつて()たのだよ』
289テーリスタン『さうか、290それは(おほ)いに()苦労(くらう)だ。291(しか)しそれ(ばか)りぢやあるまい。292(なに)(ほか)折入(をりい)つて大切(だいじ)使命(しめい)()びてゐるのだらう。293(いや)秘密(ひみつ)(かぎ)(にぎ)つて()るのだらう。294それを(いま)ここでソツと(おれ)()つてくれる(わけ)には()かぬか』
295松公(まつこう)秘密(ひみつ)はどこ(まで)秘密(ひみつ)だ。296自転倒(おのころ)(じま)()(まで)は、297これ(ばか)りは()(こと)出来(でき)ない。298(しか)(いま)(これ)()ふと、299(まへ)(たち)手柄(てがら)出来(でき)ないから、300(あと)(たのし)みに()けておかう』
301テーリスタン『秘密(ひみつ)とあれば、302どこ(まで)追求(つゐきう)する(わけ)にも()くまい。303()(かく)(おな)(かみ)さまの(みち)(あゆ)宣伝使(せんでんし)だから、304(たがひ)()をつけあうて、305仲良(なかよ)くして()かうぢやないか』
306松公(まつこう)『お(まへ)(おれ)とは仲良(なかよ)うしよう。307また鷹依姫(たかよりひめ)308竜国別(たつくにわけ)宣伝使(せんでんし)が、309()しや(この)(ふね)()られたら、310これは仲良(なかよ)うして(もら)ひたいものだ。311(しか)(なが)高姫婆(たかひめばあ)さまだけは、312マア一寸(ちよつと)(しば)らく御免(ごめん)(かうむ)りたいなア』
313テーリスタン『オイ、314(おほ)きな(こゑ)()ふな。315そこに本当(ほんたう)高姫(たかひめ)さまが()(ふさ)いで居眠(ゐねむ)つたやうな(かほ)して()いて御座(ござ)るぞ』
316(みみ)(くち)あて、317小声(こごゑ)にささやく。318(ふね)順風(じゆんぷう)()(はら)み、319(いきほひ)よく海上(かいじやう)(すべ)()く。
320大正一一・八・二八 旧七・六 松村真澄録)

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5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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