霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二一章 (みね)(くも)〔九三六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第33巻 海洋万里 申の巻 篇:第4篇 理智と愛情 よみ:りちとあいじょう
章:第21章 第33巻 よみ:みねのくも 通し章番号:936
口述日:1922(大正11)年09月19日(旧07月28日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年11月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
黒姫と玉治別の出自と半生の歌を聞いて、東助は両手を組み頭をうなだれて太い息をつきながらこの光景を見守っていた。
一方、高山彦も自身の懺悔の歌を歌い始めた。高山彦はコーカス山の大気津姫の重臣であった父母の間に生まれたが、黄泉比良坂の戦いで大気津姫一派はコーカス山を追われてアーメニヤに逃げた。
兄が家を継いだので、高山彦は気ままに育ち、若い女と駆け落ちして都を出たという。しかしその途上、女は谷底へ落ちて死んでしまった。嘆き悲しむ高山彦が柏井川に来たところ、その女にどことなく似た女と行き会い関係を持ったが、人の足音に驚いて逃げ去ってしまったという。
それ以来その女を探していたが、黒姫の昔語りを聞いて、まさにそれが現在の妻である黒姫であったと悟り、また玉治別が自分の実子であることを悟ったことを明かした。
高山彦の告白に、ここに夫婦親子の対面はなり、高山彦、黒姫、玉治別は互いに取りすがり、嬉し涙を流した。
高姫はこの光景に驚きながらも、自分はまだ罪障が取れずに悩みが解決しないのだと語った。黒姫は、高姫も若いころに捨て子をしたと聞いたのだが、そのことなのかと問いかけた。そしてその捨て子の守り刀の様子や、幼名や年までも言い当てて高姫を驚かせた。
黒姫は、自分が探索に出かけた筑紫の島で、国の神司である建国別に面会したことを歌って聞かせた。建国別は捨て子であったが国司・建日別の婿となった人物であった。そして真の父母を探しているという。
黒姫は建国別の話を聞いて、高姫の昔語りを思いだし、もしや建国別は高姫の子ではないかと思いながらも、高姫本人に確認しようと筑紫の国では何も語らずに自転倒島まで戻ってきたことを明かした。
玉治別も、黒姫の話を聞いてもしや建国別は高姫の息子ではないかと、筑紫の島までの案内を買ってでた。高姫はしばしうなだれてお礼を述べるのみであった。そしてそんな高姫を東助は顔色を変えて見つめていた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm3321
愛善世界社版:230頁 八幡書店版:第6輯 335頁 修補版: 校定版:241頁 普及版:91頁 初版: ページ備考:
001高姫(たかひめ)(いま)(うけたま)はれば、002(じつ)黒姫(くろひめ)さまも奇妙(きめう)運命(うんめい)辿(たど)られたものですな。003随分(ずゐぶん)貴女(あなた)(わか)(とき)引手(ひくて)数多(あまた)花菖蒲(はなあやめ)004(わか)(をとこ)随分(ずゐぶん)チヤホヤされたでせう。005何処(どこ)ともなしに(ゆか)しい(はな)()(いま)だに(そな)はつて()ますよ。006オホヽヽヽ……(しか)(なが)らこんなお目出度(めでた)(こと)御座(ござ)いませぬ。007(わたし)自分(じぶん)()()うた(やう)(うれ)しうなつて()ました。008……高山彦(たかやまひこ)さま、009貴方(あなた)(わか)(とき)()でも()みつけて()きなされば、010今頃(いまごろ)はさぞ神様(かみさま)のお(かげ)親子(おやこ)対面(たいめん)出来(でき)御愉快(ごゆくわい)御座(ござ)いませうがな』
011黒姫(くろひめ)『ハイ、012(まこと)(はづ)かしい(こと)御座(ござ)います。013(おそ)(おほ)い……神様(かみさま)から(いただ)いた(わが)()()てたり、014こんな罰当(ばちあた)りの(わたし)でも神様(かみさま)はお(ゆる)(くだ)さいまして、015()んな(うれ)しい親子(おやこ)対面(たいめん)をさして(くだ)さいました。016随分(ずゐぶん)彼方(あちら)此方(こちら)気儘(きまま)(こと)をして(まは)り、017両親(りやうしん)(こと)左程(さほど)にも(おも)はず、018(をつと)(こと)(わが)()(こと)ばかり(たづ)ねて()りました。019(わたし)両親(りやうしん)最早(もはや)(この)()()るか()らぬか()りませぬが、020(わたし)()()(こが)れる(やう)(わたし)両親(りやうしん)(さぞ)(さぞ)(わたし)(こと)()にかけて()られるでせう。021本当(ほんたう)(おや)(こころ)()ふものは何処(どこ)まで慈愛(じあい)(ふか)いものか(わか)りませぬ。022()うなつて()ると両親(りやうしん)()(うへ)(あん)じられ、023(また)(せがれ)玉治別(たまはるわけ)折角(せつかく)母親(ははおや)()うて(よろこ)んで()りますが、024屹度(きつと)父親(てておや)所在(ありか)()りたいと(おも)うて()るに(ちが)御座(ござ)いませぬ。025何事(なにごと)(みな)(わたし)不心得(ふこころえ)から、026一人(ひとり)(せがれ)までに(せつ)ない(おも)ひをさせます。027あゝ玉治別(たまはるわけ)028何卒(どうぞ)(ゆる)して(くだ)さい。029屹度(きつと)(わたし)がお(まへ)のお(とう)さまを(くさ)()けても(さが)()し、030()はせしませうから……』
031玉治別(たまはるわけ)勿体(もつたい)ない(こと)()つて(くだ)さいますな。032(この)(ひろ)()(なか)033何時(いつ)まで(さが)しても(わか)りさうな(こと)御座(ござ)いませぬ。034神様(かみさま)()はして(くだ)さらうと思召(おぼしめ)したら屹度(きつと)()はして(くだ)さいますから……そんな(こと)(こころ)(なや)まさず、035一心(いつしん)母子(おやこ)(そろ)うて神様(かみさま)御用(ごよう)(つと)めさして(いただ)きませうか』
036黒姫(くろひめ)左様(さやう)御座(ござ)いますな。037母子(おやこ)()()()うて神様(かみさま)御用(ごよう)(いた)しませう』
038 東助(とうすけ)両手(りやうて)()(かしら)項垂(うなだ)れ、039時々(ときどき)(ふと)(いき)()き、040(もの)をも()はず(この)光景(くわうけい)打看守(うちみまも)つて()る。
041 高山彦(たかやまひこ)(うた)()した。
042『コーカス(ざん)(あら)はれし
043大気津姫(おほげつひめ)八王(やつこす)
044(つか)へまつりし千代彦(ちよひこ)
045万代姫(よろづよひめ)(その)(なか)
046(うま)れし(われ)(うづ)御子(みこ)
047隙間(すきま)(かぜ)にも()てられず
048(てふ)(はな)よと(はぐく)まれ
049栄耀栄華(えいやうえいぐわ)(そだ)ちしが
050(まつ)(たけ)(うめ)宣伝使(せんでんし)
051石凝姥(いしこりどめ)高彦(たかひこ)
052(その)()数多(あまた)神司(かむつかさ)
053コーカス(ざん)(あら)はれて
054言霊戦(ことたません)(ひら)きてゆ
055(おい)たる父母(ふぼ)大気津姫(おほげつひめ)
056(かみ)(みこと)(したが)ひて
057()()(さき)はアーメニヤ
058(やかた)(おく)(かく)れまし
059ウラルの(かみ)御教(みをしへ)
060(あさ)(ゆふ)なに(まも)りつつ
061世人(よびと)(みちび)(たま)ひけり
062(われ)には三人(みたり)兄弟(おとどひ)
063いと(まめ)やかに()(そだ)
064(ちち)(いへ)をば()ぎまして
065(くら)(たま)へど(おとうと)
066(うま)()でたる(われ)こそは
067自由自在(じいうじざい)()なりとて
068()()(やかた)()(いだ)
069(わか)(をんな)()()いて
070(みやこ)(あと)にフサの(くに)
071()()(をり)しも両人(りやうにん)
072新井(あらゐ)(たうげ)()ゆる(をり)
073(たに)()けたる丸木橋(まるきばし)
074(あやふ)(これ)()(はづ)
075二人(ふたり)千尋(ちひろ)谷底(たにそこ)
076()ちて果敢(あへ)なくなりにけり
077かかる(ところ)杣人(そまびと)
078(あら)はれ(きた)りて(わが)()をば
079種々(いろいろ)雑多(ざつた)介抱(かいほう)
080(われ)(あやふ)生命(せいめい)
081(たす)かりたれど(わが)()ふる
082(をんな)のお(さと)(かげ)()えず
083深谷川(ふかたにがは)激流(げきりう)
084(なが)されたるは是非(ぜひ)もなし
085最早(もはや)(この)()(なが)らへて
086一人(ひとり)(くら)すも(せん)なしと
087柏井川(かしはゐがは)()(わた)
088(はし)(たもと)()()れば
089夜目(よめ)には(しつか)(わか)らねど
090(さと)(かほ)によく()たり
091(いづ)れの(ひと)(なさけ)にて
092(あやふ)生命(いのち)(のが)れしか
093不思議(ふしぎ)なことと()()つて
094よくよく姿(すがた)(なが)むれば
095(をんな)はお(さと)(あら)ずして
096色香(いろか)(すぐ)れし真娘(まなむすめ)
097(こころ)(うち)曲者(くせもの)
098()(ひし)がれて懊悩(あうなう)
099(くも)はいつしか()(わた)
100(ふたた)陽気(やうき)()(かへ)
101()れつ(もつ)れつ(かほ)(かほ)
102(なが)めて(たちま)(こひ)(いと)
103(から)まるままに(かたはら)
104(はやし)(なか)()()りて
105○○○の折柄(をりから)
106けたたましくも()(きた)
107(ひと)足音(あしおと)(みみ)につき
108パツと(おどろ)()(わか)
109(くも)(かすみ)()()りぬ
110(われ)はそれよりフサの(くに)
111彼方(あなた)此方(こなた)逍遥(さまよ)ひつ
112(もし)やお(さと)現世(うつしよ)
113生永(いきなが)らへて()はせぬか
114(あく)まで(さが)(もと)めむと
115(くも)をば(つか)(たよ)りなき
116詮議(せんぎ)月日(つきひ)(おく)りしが
117(いま)黒姫(くろひめ)物語(ものがたり)
118()いて(おどろ)(むね)(うち)
119柏井川(かしはゐがは)(はし)()
120()うたる(をんな)黒姫(くろひめ)
121さすれば玉治別神(たまはるわけのかみ)
122(まつた)(われ)(うづ)御子(みこ)
123あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
124(かみ)(めぐみ)(やま)よりも
125(すぐ)れて(たか)(うみ)よりも
126いやまし(ふか)(おも)はれて
127感謝(かんしや)(なみだ)(あめ)となり
128()(そそ)ぐなる今日(けふ)(よひ)
129玉治別(たまはるわけ)黒姫(くろひめ)
130高山彦(たかやまひこ)()(ちち)
131(なれ)(むかし)(をつと)ぞや
132親子(おやこ)(えにし)()くの(ごと)
133月日(つきひ)(ごと)(あきら)かに
134なりたる(うへ)(いま)よりは
135親子(おやこ)(こころ)(あは)せつつ
136(にしき)(みや)御前(おんまへ)
137(まこと)(ささ)げて朝夕(あさゆふ)
138(ちから)(かぎ)りに()くすべし
139(むかし)(つみ)(めぐ)()
140色々(いろいろ)雑多(ざつた)()(なか)
141憂目(うきめ)(しの)(まよ)ひたる
142夫婦(ふうふ)(なか)皇神(すめかみ)
143(めぐみ)(むち)(いまし)めか
144(いま)(こころ)()()けて
145天津御空(あまつみそら)殊更(ことさら)
146(いや)(あきら)けく()(うへ)
147(いや)(きよ)らけくなりにけり
148()()(かぜ)(いま)までの
149悲哀(ひあい)(おと)何処(どこ)へやら
150千代(ちよ)(しゆく)する(ゑら)(ごゑ)
151小雲(こくも)(なが)れもサヤサヤと
152吾等(われら)親子(おやこ)行末(ゆくすゑ)
153(いは)ふが(ごと)(きこ)ゆなり
154あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
155御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
156 黒姫(くろひめ)157玉治別(たまはるわけ)高山彦(たかやまひこ)物語(ものがたり)二度(にど)吃驚(びつく)り、158……あの(とき)青年(せいねん)高山彦(たかやまひこ)(さま)であつたか……(わが)(ちち)であつたか……と双方(さうはう)より取縋(とりすが)(うれ)(なみだ)にかき()れる(さま)159(じつ)(わり)なく()えて()る。
160高姫(たかひめ)黒姫(くろひめ)さま、161目出度(めでた)(こと)(かさ)なれば(かさ)なるものですな。162(まへ)さまも(まつた)(いま)(まで)罪障(めぐり)がとれたと()えて、163神様(かみさま)親子(おやこ)対面(たいめん)をさして(くだ)さつたのですよ。164そして高山彦(たかやまひこ)さまは(つゆ)(ちぎり)()(なが)ら、165(わか)(とき)貴方(あなた)のラバーしたお(かた)166なんとまア(ゆめ)牡丹餅(ぼたもち)()つた(やう)(うま)(はなし)御座(ござ)いますなア。167それにつけても(この)高姫(たかひめ)はまだ神様(かみさま)のお(ゆる)しがないと()えまして、168(こころ)(うち)大変(たいへん)(なや)みを()つて()ます。169あゝ如何(どう)かして一時(いつとき)(はや)く、170(この)(なや)みの(くも)()れ、171青天(せいてん)白日(はくじつ)172今日(けふ)(そら)(やう)にサラリとなり()いものです。173あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
174涙声(なみだごゑ)になつて両手(りやうて)(あは)(いの)りゐる。
175黒姫(くろひめ)貴女(あなた)何時(いつ)かのお(はなし)(ついで)一寸(ちよつと)(うけたま)はりましたが、176(わたし)(やう)捨児(すてご)をなされたさうですが、177貴方(あなた)(やう)気丈(きぢやう)なお(かた)でも矢張(やは)()にかかりますか』
178高姫(たかひめ)親子(おやこ)(じやう)といふものは(たれ)しも(おな)(こと)です。179(とし)()れば()(ほど)()()ひしくなるものです。180アーア、181黒姫(くろひめ)(さま)(もと)親子(おやこ)夫婦(ふうふ)対面(たいめん)(あそ)ばしたに()いて、182一入(ひとしほ)(むかし)(こと)(おも)()され、183(わが)()一度(いちど)()()くなつて(たま)りませぬ。184(その)(とき)(をつと)(いま)何処(どこ)如何(どう)して()られますやら……今日(けふ)となつては(その)(をつと)出会(であ)つた(ところ)が、185夫婦(ふうふ)となる(わけ)には()きませぬなれども、186せめて……お(まへ)はあの(とき)(つま)であつたか、187(をつと)であつたか、188()であつたか……と名乗(なの)()つて()たう御座(ござ)います』
189()(はな)つて()(しづ)む。190黒姫(くろひめ)確信(かくしん)あるものの(ごと)くニツコリと(わら)(なが)ら、
191高姫(たかひめ)さま、192あまり迂濶(うつかり)して()つて貴女(あなた)のお(はなし)十分(じふぶん)記憶(きおく)して()りませぬが、193(なん)でも貴女(あなた)のお()てになつたお()さまには、194守刀(まもりがたな)真珠(しんじゆ)(じふ)()(しるし)()柄元(つかもと)に「(ひがし)」と「(たか)」との(しるし)をお()れになつたぢや御座(ござ)いませぬでしたかな』
195高姫(たかひめ)『ナニ、196黒姫(くろひめ)さま、197そんな(くは)しい(こと)(わたし)申上(まをしあ)げた(やう)記憶(きおく)はありませぬが、198左様(さやう)(こと)申上(まをしあ)げた(こと)御座(ござ)いますかな』
199黒姫(くろひめ)『そのお()さまの()金太郎(きんたらう)とは(まを)しませなんだか、200丁度(ちやうど)今年(ことし)(わたくし)(おな)(やう)三十五年(さんじふごねん)になるのぢや御座(ござ)いませぬか』
201 東助(とうすけ)(かほ)(いろ)(これ)()くよりサツと(かは)つた。202高姫(たかひめ)(かほ)(また)(にはか)(かは)り、203()(まる)くなり口先(くちさき)(とが)つて()()した。
204高姫(たかひめ)(なん)とまあ、205(くは)しい(こと)御存(ごぞん)じで御座(ござ)いますな。206(わたし)はそこ(まで)(はな)した(おぼ)えは御座(ござ)いませぬが、207如何(どう)してまアそんな(くは)しい(こと)がお(わか)りで御座(ござ)いますか。208これには(なに)御様子(ごやうす)のある(こと)でせう。209何卒(どうぞ)(あか)らさまに仰有(おつしや)つて(くだ)さいませ』
210 黒姫(くろひめ)(うた)(もつ)てこれに(こた)へける。
211高山彦(たかやまひこ)(あと)()
212筑紫(つくし)(しま)()(むか)
213建日(たけひ)(みなと)(あと)にして
214筑紫ケ岳(つくしがだけ)大峠(おほたうげ)
215高山峠(たかやまたうげ)(のぼ)()
216(その)頂上(ちやうじやう)となりし(とき)
217(かたへ)五人(ごにん)荒男(あらをとこ)
218玉公(たまこう)虎公(とらこう)面々(めんめん)
219(ひと)(うはさ)()きつれば
220熊襲(くまそ)(くに)神司(かむつかさ)
221建日別(たけひわけ)御息女(おんむすめ)
222建能姫(たけのひめ)(つま)として
223(ほまれ)(たか)建国別(たけくにわけ)
224(かみ)(みこと)何人(なにびと)
225()てたる()とも(わか)らずに
226三十五才(さんじふごさい)今年(ことし)まで
227父母(ふぼ)両親(りやうしん)所在(ありか)をば
228(たづ)()ますと()きしより
229遥々(はるばる)(やかた)()()つて
230夫婦(めをと)(かみ)面会(めんくわい)
231もしや(わが)()にあらぬかと
232(むかし)来歴(らいれき)物語(ものがた)
233種々(いろいろ)調(しら)()たりしに
234建国別(たけくにわけ)()らす(やう)
235(われ)如何(いか)なる(ひと)()
236(いま)だに(わか)らぬ(かな)しさに
237(あさ)(ゆふ)なに三五(あななひ)
238(かみ)(つか)へて父母(ちちはは)
239行方(ゆくへ)(たづ)(もと)めつつ
240(その)()(おく)(かな)しさよ
241(なれ)(みこと)遠近(をちこち)
242(かみ)(をしへ)(つた)へつつ
243()でます()なれば父母(ちちはは)
244もしもや()はせ(たま)ひなば
245一日(ひとひ)(はや)(わが)(もと)
246()らさせ(たま)幼名(をさなな)
247()くも目出(めで)たき金太郎(きんたらう)
248(わが)()()へたる綾錦(あやにしき)
249守袋(まもりぶくろ)()(しる)
250守刀(まもりがたな)真珠(しんじゆ)にて
251十字(じふじ)(しるし)(ゑが)()
252鍔元(つばもと)(とく)(なが)むれば
253(ひがし)」と「(たか)」の(しるし)あり
254(ひと)(なさけ)(はぐく)まれ
255(やうや)成人(せいじん)なせしもの
256(まこと)()みの父母(ちちはは)
257(この)()()ます(こと)ならば
258一目(ひとめ)なりとも()ひたやと
259(なげ)かせ(たま)ふを()くにつけ
260(この)黒姫(くろひめ)(むね)(せま)
261名乗(なの)()げむかと(おも)へども
262いや()(しば)()(しば)
263高姫(たかひめ)(さま)面会(めんくわい)
264(くは)しき(こと)(あらた)めて
265(うけたま)はらずは軽々(かるがる)
266名乗(なの)りもならずと口許(くちもと)
267()かけた言葉(ことば)()()んで
268素知(そし)らぬ(かほ)(よそほ)ひつ
269此処(ここ)まで(かへ)(きた)りけり
270まさかに(なれ)()みませし
271御子(みこ)にはあるまじさり(なが)
272合点(がてん)()かぬは三年前(みとせまへ)
273高姫(たかひめ)(さま)物語(ものがたり)
274朧気(おぼろげ)ながら(おも)()
275半信半疑(はんしんはんぎ)(つつ)まれて
276名乗(なの)りも()ざりしもどかしさ
277あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
278(かみ)(めぐみ)(さち)はひて
279高姫(たかひめ)さまが(いと)()
280目出度(めでたく)()はせ(たま)ふべき
281(とき)こそ(きた)れるなるべしと
282(なん)とはなしに(いさ)ましく
283(こころ)(そら)()れにけり
284高姫(たかひめ)さまよ黒姫(くろひめ)
285(この)物語(ものがたり)(うべな)ひて
286心当(こころあた)りのあるならば
287(ひと)遥々(はるばる)(つか)はして
288今一度(まいちど)調(あらた)(たま)へかし
289あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
290御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
291玉治別(たまはるわけ)屹度(きつと)建国別命(たけくにわけのみこと)高姫(たかひめ)(さま)御子息(ごしそく)間違(まちが)ひありますまい。292如何(どう)(わたし)はその(やう)()(いた)します。293さうであつたならば、294(じつ)(この)(うへ)ない目出(めで)たい(こと)御座(ござ)いますがな。295(わたくし)(ひさ)()りで両親(りやうしん)邂逅(めぐりあ)ひ、296()んな(うれ)しい(こと)御座(ござ)いませぬ。297高姫(たかひめ)(さま)も、298一度(いちど)遠方(ゑんぱう)なれども(わたくし)御案内(ごあんない)(いた)しますから、299熊襲(くまそ)(くに)までお調(しら)べにお()でになつたら如何(どう)でせう』
300高姫(たかひめ)『ハイ、301御親切(ごしんせつ)有難(ありがた)御座(ござ)います』
302()つたきり(やや)少時(しばし)(かうべ)()吐息(といき)()らし()る。303東助(とうすけ)(また)顔色(かほいろ)()高姫(たかひめ)(かほ)(あな)のあく(ほど)見詰(みつ)()たり。
304大正一一・九・一九 旧七・二八 北村隆光録)
   
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