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第一〇章 (ゆめ)(いましめ)〔九七四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第35巻 海洋万里 戌の巻 篇:第2篇 ナイルの水源 よみ(新仮名遣い):ないるのすいげん
章:第10章 夢の誡 よみ(新仮名遣い):ゆめのいましめ 通し章番号:974
口述日:1922(大正11)年09月16日(旧07月25日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年12月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
虎公、お愛、三公、孫公の四人は、スッポンの湖の大蛇を言向け和すための旅の途上、白山峠で野宿することになった。
虎公、お愛、三公の三人はいびきをかいて寝てしまったが、孫公は一人起きて座していたところ、草を揺らしてかきわけ、一人の女が現れた。女は、助けてほしいことがあるからと孫公を誘う。
孫公が断りを入れると、女は孫公を馬鹿にし始めた。女は孫公が、黒姫の従者として自転倒島からやってきた経緯を知っているようだった。
女は孫公を金縛りにしてしまい、自分は孫公が最前、お愛の寝顔を見て起こした恋の執着心が生んだ化けものだと明かした。
孫公が困惑していると、そこへ恋の執着心を戒める玉治別宣伝使の宣伝歌が聞こえてきた。すると女は煙のように消えてしまった。
そうかと思えば、気が付くと孫公は三人の仲間から四五間離れて寝入ってしまっており、さいぜんの女は夢であったことに気が付いた。
孫公は、夢は神様が玉治別宣伝使を通して気を付かせてくださったものだと悟り、柏手を打って天津祝詞を奏上した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-09-26 09:36:14 OBC :rm3510
愛善世界社版:107頁 八幡書店版:第6輯 511頁 修補版: 校定版:115頁 普及版:42頁 初版: ページ備考:
001屋方(やかた)(むら)三公(さんこう)
002綽名(あだな)をとつた男達(をとこだて)
003蚊竜(かうりう)(てん)(のぼ)るよな
004(その)(いきほひ)荒男(あらをとこ)
005武野(たけの)(むら)男達(をとこだて)
006(ほまれ)四方(よも)虎公(とらこう)
007(あい)(かた)諸共(もろとも)
008孫公(まごこう)(ともな)(すつぽん)
009湖水(こすゐ)(ひそ)曲神(まがかみ)
010(かみ)(をしへ)言霊(ことたま)
011言向和(ことむけやは)()(ひと)
012(もも)(わざはひ)(のぞ)かむと
013侠客(けふかく)気性(きしやう)両人(りやうにん)
014(あし)もいそいそ山道(やまみち)
015(みぎ)(ひだり)辿(たど)りつつ
016カンカン()()(なつ)()
017(かしら)にうけて(すす)()
018あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
019御霊(みたま)(さちは)ひましませよ。
020 一行(いつかう)()(にん)(やうや)白山峠(しらやまたうげ)山麓(さんろく)にさしかかつた。021(のぼ)りが(さん)()022(くだ)りが(さん)()()()なり(おほ)きい(たうげ)である。023(はや)くも(なつ)()西天(せいてん)(ぼつ)し、024生暑(なまあつ)(かぜ)一行(いつかう)(かほ)()でて四辺(あたり)木々(きぎ)(こずゑ)(ゆす)りながら、025おとなしく(とほ)つて()く。
026孫公(まごこう)随分(ずゐぶん)コンパスが疲労(ひらう)したやうです。027(さいはひ)()()れたのですから、028(この)(へん)(ひと)一宿(いつしゆく)(ねが)つて()(こと)(いた)しませうか』
029虎公(とらこう)『どうでこんな急坂(きふはん)だから(よる)(みち)(あぶ)ない。030(この)坂下(さかした)今夜(こんや)野宿(のじゆく)をする(こと)にしようぢやないか、031なア三公(さんこう)……』
032 三公(さんこう)は「()からう」と(ただ)一言(いちごん)033(うれ)しさうに(うなづ)いて()る。034()(にん)()()沢山(たくさん)にむしつて()き、035俄作(にはかづく)りの青葉(あをば)(たたみ)(うへ)に、036長途(ちやうと)(つか)れと他愛(たあい)もなく寝込(ねこ)んで仕舞(しま)つた。
037 孫公(まごこう)(さん)(にん)(らい)(ごと)(いびき)(みみ)()り、038どうしても()られないので、039四五間(しごけん)(ばか)(へだ)てた(くさ)(なか)胡坐(あぐら)をかき、040(そら)(あふ)いでオリオン星座(せいざ)()つめ、041何事(なにごと)(くち)(なか)にて祈願(きぐわん)して()る。
042 其処(そこ)へザワザワと(かや)(ゆす)つて(あら)はれて()(ひと)つの(しろ)(かげ)がある。043孫公(まごこう)(この)(かげ)まんぢりともせず(あや)しき(もの)出現(しゆつげん)かなと見詰(みつ)めて()た。044(あや)しの(かげ)孫公(まごこう)(まへ)(おそ)(おそ)(あら)はれ(きた)り、045(やさ)しき(をんな)(こゑ)にて、
046『もしもし(たび)のお(かた)(さま)047(ねが)ひが御座(ござ)います』
048孫公『ヤアお(まへ)(をんな)ではないか。049こんな(くさ)(はら)(ただ)一人(ひとり)やつて()るとは肝玉(きもだま)(ふと)(もの)だなア。050(おれ)(たの)()いと()ふのはどんな(こと)か、051()つてみさつしやい。052(こと)によればお(まへ)(ちから)にならない(こと)もないから……』
053『ハイ有難(ありがた)御座(ござ)います。054(くはし)(こと)(あと)申上(まをしあ)げます。055何卒(どうぞ)(わたくし)()いて()(くだ)さいませ』
056孫公(ちか)(ところ)ならいいが、057(あま)(とほ)くは御免(ごめん)(かうむ)()いものだ。058ソレ、059あすこに(おれ)(たち)道連(みちづれ)(さん)(にん)()()るのだから、060どうしても(はな)れる(こと)出来(でき)ない、061(おれ)此処(ここ)(さん)(にん)夜警(やけい)をやつて()るのだからなア』
062『さうするとお(まへ)さまは、063あの(さん)(にん)(かた)(やつこ)さまですか。064(なん)()()かねエ(かた)ですなア。065何程(なにほど)(おほ)きくても(うし)(しり)にはなるな、066(ちひ)さくても(にはとり)(かしら)になれと()ふぢや御座(ござ)いませぬか、067それにお(まへ)さまはそんな(おほ)きな図体(づうたい)をして、068あんな侠客(けふかく)や、069ハイカラ(をんな)のお(しり)()いて()くとは本当(ほんたう)甲斐性(かひしやう)のない(かた)ですねエ』
070孫公『こりや(をんな)071馬鹿(ばか)にするない。072(おれ)(けつ)してあの(さん)(にん)(やつこ)ぢやないぞ。073()しも()されもしない(をとこ)(なか)(をとこ)一匹(いつぴき)074三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)孫公(まごこう)()つたら(おれ)(こと)だ。075あんまり見違(みちが)ひをして(もら)ふまいかい。076(また)(まへ)も、077こんな(おれ)腑甲斐(ふがひ)ない(をとこ)見込(みこ)んで(たの)むとは(なん)(こと)だ。078余程(よほど)腑甲斐(ふがひ)ない(をんな)だなア』
079『ホヽヽヽヽ、080()らぬかと(おも)うて、081三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)だなぞと、082ようそんな(うそ)()へたものだわ。083黒姫(くろひめ)()宣伝使(せんでんし)のお(とも)をして()自転倒(おのころ)(じま)孫公(まごこう)ぢやないか。084まだ宣伝使(せんでんし)になるは(はや)い、085資格(しかく)具備(ぐび)して()ないから、086そんな法螺(ほら)()かぬやうにして(くだ)さい。087この熊襲(くまそ)(くに)悪人(あくにん)もあるが、088(しか)しどんな悪人(あくにん)だつて(うそ)だけは()ひませぬよ。089自転倒(おのころ)(じま)人間(にんげん)は、090(うそ)上手(じやうづ)だから、091(それ)(よそ)(くに)人間(にんげん)剣呑(けんのん)人種(じんしゆ)だと()つて、092(いた)(ところ)排日(はいにち)思想(しさう)(そそ)りたてるのだよ、093チト心得(こころえ)なさい』
094孫公『これは(また)づけづけと()めず(おく)せず(ひと)悪口(わるくち)()(をんな)だ。095ちつと言霊(ことたま)(つつし)まないか。096(おれ)宣伝使(せんでんし)だと()つたのをお(まへ)(うそ)ぢやと()ふが、097(けつ)して(うそ)ぢやないよ。098未来(みらい)宣伝使(せんでんし)だ、099(かみ)()から()れば現在(げんざい)未来(みらい)(ひと)つだよ』
100『ホヽヽヽヽ、101本当(ほんたう)(えら)未来(みらい)宣伝使(せんでんし)(さま)だこと、102高山峠(たかやまたうげ)中腹(ちうふく)では(こし)()かし、103()れの男女(だんぢよ)にほつときぼりを()はされ、104(なみだ)ながらに()つともない、105トボトボと(さび)しさうな(かほ)をして、106向日峠(むかふたうげ)山麓(さんろく)(まよ)()み、107(だい)それた(うそ)()ひ、108(いま)ここへ()()三公(さんこう)乾児(こぶん)にとつちめられ雁字搦(がんじがら)みにせられ、109()きながら(あな)(はうむ)られた腰抜(こしぬけ)(をとこ)ですからなア。110イヤもう(その)()神徳(しんとく)(つよ)いのには感心(かんしん)しましたよホヽヽヽヽ。111(わたし)(をんな)(うま)れた以上(いじやう)は、112(まへ)のやうな腰抜(こしぬけ)(をとこ)とどうかして一度(いちど)夫婦(ふうふ)になつて()たくも(なん)ともありませぬよ。113あた(けが)らはしい、114(いや)(にほひ)のする(をとこ)だねエ、115オヽ(くさ)やのう、116これこれ孫公(まごこう)どの、117一間(ひとま)(ばか)間隔(かんかく)(たも)つて()(くだ)さい。118(あま)(ちか)よると(くさ)(にほ)ひがするから……』
119孫公勝手(かつて)にしやがれ。120(たれ)貴様(きさま)のやうな化女(ばけをんな)(しり)について()馬鹿(ばか)(をとこ)があるものか。121馬鹿(ばか)にするな、122孫公(まごこう)(うで)には(ほね)があるぞ』
123『ホヽヽヽヽ、124(ほね)があるといなア。125八丁笠(ばつちやうがさ)のやうな(ほね)をして、126(あま)(おほ)きな(くち)(たた)くものぢや御座(ござ)いませぬぞエ。127(ちつ)修業(しうげふ)をなさらないと、128(すつぽん)(いけ)大蛇(をろち)退治(たいぢ)駄目(だめ)ですよ。129(まへ)大蛇(をろち)()まれに()くかと(おも)へば、130不憫(ふびん)(たま)らないから()をつけてあげるのだ。131一度(いちど)あつた(こと)はきつと三度(さんど)あるものだ。132一度(いちど)高山峠(たかやまたうげ)(いは)(こし)()気絶(きぜつ)して(いのち)(あやふ)く、133二度目(にどめ)三公(さんこう)乾児(みうち)(もの)生埋(いきうづ)めにしられた。134災難(さいなん)のよくつきまとふ(をとこ)だから、135三度目(さんどめ)(じや)()()つて、136今度(こんど)こそ大蛇(だいじや)(はら)()まれに()くのだから、137(おも)へば(おも)へば()(どく)なものだなア。138あのまア孫公(まごこう)狼狽(うろた)加減(かげん)139矢張(やは)孫公(まごこう)だと()えてよう魔胡(まご)つく(をとこ)だ。140真心(まごころ)()らぬと何遍(なんべん)でも(いのち)()られるやうなお(いまし)めに()ひまするぞえホヽヽヽ。141あれまア時々(じじ)刻々(こくこく)孫公(まごこう)(かほ)(あを)くなつて()た。142まるで八寒(はちかん)地獄(ぢごく)にウヨウヨして()亡者(まうじや)のやうだワ』
143孫公『ヤイ(をんな)144(ろく)(しやく)(をとこ)をつかまへて嬲者(なぶりもの)にしようと(おも)つても、145(この)孫公(まごこう)(ちつ)(たね)(ちが)ふのだ。146貴様(きさま)(やう)妖怪(えうくわい)変化(へんげ)(たぶら)かされるやうな(あに)イぢやないから、147もうよい加減(かげん)(あきら)めてすつこんだら()うだ。148夜分(やぶん)(をんな)()ふものはあんまり気分(きぶん)のよいものぢやない。149(よう)があるなら()()けてから()()い。150(なん)なりと()いてやるわ』
151(わたし)夜鷹(よたか)だから(よる)()るのが商売(しやうばい)だよ』
152孫公()()かねえ夜鷹(よたか)だなア。153(みやこ)中央(ちうあう)(ほそ)路次(ろじ)()るのが貴様(きさま)商売(しやうばい)だ。154それに人家(じんか)もなければ商売(しやうばい)(すくな)いこんな荒野(あらの)(はら)へ、155仮令(たとへ)百晩(ひやくばん)千晩(せんばん)()つた(ところ)(うま)(とり)はかかりやせないぞ。156こんな(ところ)(はな)(した)(なが)(をとこ)をちよろまかさうとするのは、157恰度(ちやうど)(やま)(さかな)()りに()き、158(うみ)(そこ)(しし)をとりに()くやうな(はなし)だ。159(まへ)余程(よつぽど)どうかして()るねエ。160癲狂院(てんきやうゐん)代物(しろもの)ぢやあるまいかなア』
161癲狂院(てんきやうゐん)でも、162天教山(てんけうざん)でも(ほつ)といて(くだ)さい。163それよりもお(まへ)足許(あしもと)()()けなくては駄目(だめ)ですよ。164明日(あす)はお(まへ)冥日(めいにち)だから……』
165孫公『エヽ縁起(えんぎ)(わる)(こと)()うて()れない。166亡者(まうじや)(なん)ぞのやうに、167冥日(めいにち)があつて()まらうか』
168『ホヽヽヽヽ、169(まへ)それでも(いき)()ると(おも)ふのかい。170(まへ)(たましひ)はとつくの(むかし)()んで(しま)ひ、171胴体(どうがら)(ばか)(のこ)つて()るのだよ。172()はば娑婆(しやば)亡者(まうじや)だ。173冥日(めいにち)があるのはあたりまへだよ』
174孫公『エヽ気分(きぶん)(わる)()さだなア。175オイ(をんな)176(おれ)やもう此処(ここ)から御免(ごめん)(かうむ)るわ、177(まへ)勝手(かつて)にどこへでも()つたらよい。178(あま)(おれ)悪口(わるくち)(ばか)りつきよつて業腹(ごふはら)だから()めて()かうかい』
179『サア()けるのなら何処(どこ)なと勝手(かつて)()つて御覧(ごらん)180(まへ)()らぬ()にちやんと(からだ)(つな)をつけて(しば)つてあるから(ひと)(ある)いて()なさい』
181孫公(なに)(ある)かいでか、182アイタヽヽこりや本当(ほんたう)(しば)りよつたな。183()つとも(うご)きやしないわ、184(くだ)らぬ悪戯(いたづら)をする(をんな)だなア。185サツパリ雁字搦(がんじがら)みに()らぬ(あひだ)(しば)つて仕舞(しま)ひよつた、186こんな無茶(むちや)(をんな)出遇(であ)つたのは今日(けふ)(はじ)めてだ』
187『ホヽヽヽヽ、188(まへ)(ばか)りか(いま)人間(にんげん)に、189一人(ひとり)として(をんな)(しば)られて()ない人間(にんげん)がありますか。190何奴(どいつ)此奴(こいつ)も、191執着(しふちやく)だとか(こひ)だとか()(あや)しい代物(しろもの)に、192蜘蛛(くも)(せみ)がかかつたやうに()きつけられて、193雁字(がんじ)()きにされて()人間(にんげん)(ばか)りがウヨウヨとして()娑婆(しやば)ぢやないか』
194孫公『さうすると(をんな)(しば)られたものは(おれ)(ばか)りぢやないなア。195(まへ)はさうすると(ちつ)(ばか)(おれ)にラブして()やがるのだな。196()いた同志(どうし)毎日(まいにち)日日(ひにち)197(なぐ)つたり、198(かぶ)りついたり、199(つめ)つたりするのを(この)(うへ)なき愉快(ゆくわい)のやうに(かん)ずるものだが、200(おれ)もお(まへ)から雁字搦(がんじがら)みに(しば)られて(ちつ)とはむかついたが、201よく()落付(おちつ)けて神直日(かむなほひ)見直(みなほ)善意(ぜんい)(かい)して()れば、202(あま)(はら)()てられまい。203(かへ)つて()(がた)いやうになつて()たワイ』
204『エヽまア()かんたらしい(をとこ)だこと。205(まへ)()(をとこ)は、206(あい)(かた)寝顔(ねがほ)をちよいと(のぞ)()んで(こひ)執着(しふちやく)をたつた(いま)(おこ)しただらう。207(その)執着心(しふちやくしん)が、208(この)(わたし)()んだのだよ。209つまり()へば孫公(まごこう)反映(はんえい)だ。210(なん)()つても内裏(うちうら)だから(はら)()てないやうにして(くだ)さいネ孫公(まごこう)
211孫公益々(ますます)(わけ)(わか)らなくなつて()た。212此奴(こいつ)本当(ほんたう)化物(ばけもの)だなア』
213『そりやさうとも、214化物(ばけもの)(ちが)ひありませぬワ。215化物(ばけもの)(はら)から(うま)れた(わたし)だもの。216(からす)(からす)()獅子(しし)獅子(しし)()むのは当然(あたりまへ)ですよ』
217 かかる(ところ)(やみ)(とほ)して(かすか)宣伝歌(せんでんか)(こゑ)(きこ)(きた)る。
218(玉治別)(かみ)(おもて)(あら)はれて
219(こひ)になやみし執着(しふちやく)
220(こころ)雲霧(くもきり)()(はら)
221(われ)玉治別(たまはるわけ)(つかさ)
222(うみ)魔神(まがみ)三五(あななひ)
223(かみ)(をしへ)言向(ことむ)けて
224()(わざはひ)(ことごと)
225(はら)はむとして()でて()
226三五教(あななひけう)孫公(まごこう)
227(こころ)(なか)曲者(くせもの)
228とり(ひし)がれて(いま)(まさ)
229闇路(やみぢ)(まよ)(あは)れさよ
230(こころ)(なか)(おそ)ろしい
231大蛇(をろち)宿(やど)()をもつて
232どうして魔神(まがみ)(すみや)かに
233(まつろ)(やは)(みち)あろか
234あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
235(あは)れな孫公(まごこう)孫公(まごこう)
236一日(ひとひ)(はや)真心(まごころ)
237()(かへ)りつつ三五(あななひ)
238(まこと)(をしへ)(うべな)ひて
239(ゆめ)をば(さま)()(さま)
240唯今(ただいま)其処(そこ)(あら)はれし
241(あや)しの(をんな)何者(なにもの)
242(なれ)(こころ)(ひそ)みたる
243横恋慕(よこれんぼ)()のついた
244八十(やそ)曲津(まがつ)化身(けしん)ぞや
245一日(ひとひ)(はや)()(なほ)
246(なれ)姿(すがた)見直(みなほ)して
247虎公(とらこう)三公(さんこう)両侠(りやうけふ)
248(きよ)御魂(みたま)神習(かむなら)
249(あい)(かた)(おも)()
250(こころ)にさやる白山(しらやま)
251(たうげ)(はや)()みしめて
252(まこと)(ひと)つに(すす)()
253朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
254(つき)()つとも()くるとも
255仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
256大蛇(をろち)(まが)(すさ)ぶとも
257三五教(あななひけう)(かみ)(みち)
258(まこと)(ひと)つは()(すく)
259あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
260(かみ)御言(みこと)(うべな)ひて
261玉治別(たまはるわけ)神司(かむづかさ)
262(かみ)(かは)つて()(さと)
263(すす)めよ(すす)めいざ(すす)
264(まこと)(みち)逸早(いちはや)
265(すす)めや(すす)(うみ)(そば)
266大蛇(をろち)御魂(みたま)(ほろ)ぶまで
267(こころ)曲津(まがつ)()する(まで)
268あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
269御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
270(きこ)ゆるかと()れば、271以前(いぜん)(をんな)(かげ)はいつの()にか(けむり)(ごと)()えて仕舞(しま)ひ、272夜嵐(よあらし)(ひや)やかに孫公(まごこう)(かほ)()でて(とほ)る。273ふと()がつけば孫公(まごこう)(さん)(にん)()()四五間(しごけん)(ばか)りの(かたはら)芝生(しばふ)(よこ)たはつて()た。
274孫公『アヽ(なん)(ゆめ)だつたか、275しようもない。276(しか)しながら(ゆめ)だとて油断(ゆだん)出来(でき)ない。277(かみ)(さま)玉治別(たまはるわけ)()をかりて()注意(ちうい)して(くだ)さつたのだらう。278(おれ)もこれで大分(だいぶん)(さと)(こと)()た。279あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)御霊(みたま)幸倍(さちはひ)ましませよ』
280()ひながら、281拍手(かしはで)()ち、282(こゑ)(たか)らかに天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)する。
283大正一一・九・一六 旧七・二五 加藤明子録)

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