霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
テキストのタイプ[?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示[?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌[?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注[?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
外字1の色
外字2の色

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第三章 反間苦肉(はんかんくにく)〔九九一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第36巻 海洋万里 亥の巻 篇:第1篇 天意か人意か よみ:てんいかじんいか
章:第3章 反間苦肉 よみ:はんかんくにく 通し章番号:991
口述日:1922(大正11)年09月21日(旧08月1日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
サガレン王が神前の間で瞑想にふけっていると、ケールス姫は慌ただしく押し入ってきた。姫は両眼に涙をたたえて泣き伏した。
サガレン王が何事か問いただすと、ケールス姫はシルレングとユーズが王に反逆を企てて徒党を集め、今夜クーデターを行おうとしていると讒訴した。
王は、忠臣の二人がそのようなことをするはずがないと疑った。ケールス姫は自分がバラモン教に改心すると誓って王の歓心を買い、自害する振りをして、ユーズとシルレングの取り調べの権限の許可を王から得てしまった。
ケールス姫が去った後、今度はサガレン王の部下のゼムとエールがやってきて、竜雲に謀反の計画ありと王に伝えた。王は思案に暮れてしまった。
そこへケールス姫が戻ってきた。姫はゼムとエールが王の側にいるのを見ると、二人を反逆者呼ばわりして怒鳴りつけた。ゼムとエールも姫に反論して激しい言い争いになってしまう。
王は、この二人に限って決して不心得はないと毅然と言い放ち、姫に居間に帰るようにと厳然と指示した。ケールス姫はゼムとエールを睨み付けて言葉もなく居間に帰ってゆく。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:23頁 八幡書店版:第6輯 591頁 修補版: 校定版:23頁 普及版:11頁 初版: ページ備考:
001 サガレン(わう)神前(しんぜん)()端坐(たんざ)して冥想(めいさう)(ふけ)つて()る。002其処(そこ)(あわただ)しく(ふすま)押開(おしあ)()(きた)りしケールス(ひめ)は、003両眼(りやうがん)(なみだ)(たた)(なが)らワツとばかりに()()したり。004サガレン(わう)(おどろ)いて、
005消魂(けたた)ましき(なんぢ)(その)様子(やうす)006何事(なにごと)なるぞ』
007(たづ)ぬれば、008ケールス(ひめ)(やうや)くにして(かほ)をあげ、009(なみだ)(ぬぐ)ひ、
010王様(わうさま)011大変(たいへん)(こと)出来(でき)ました。012御用心(ごようじん)なさいませ』
013大変(たいへん)(こと)とは(なん)だ』
014(ほか)でも御座(ござ)いませぬ。015シルレング、016ユーズの(はい)017(ひそか)徒党(とたう)(むす)反逆(はんぎやく)(くはだ)て、018王様(わうさま)(はじ)妾等(わらはら)今夜(こんや)(うち)にベツトして、019クーデターを(おこな)陰謀(いんぼう)(くはだ)てて()ります』
020(なに)021シルレング、022ユーズが左様(さやう)(こと)企劃(きくわく)して()ると(まを)すのか。023それは大方(おほかた)(なに)かの間違(まちが)ひであらう』
024『イエイエ、025(けつ)して間違(まちが)ひでは御座(ござ)いませぬ。026先日(せんじつ)より両人(りやうにん)様子(やうす)如何(いか)にも(あや)しと(ぞん)じ、027(ひそか)にベールを(つか)はして、028彼等(かれら)胸中(きようちう)(さぐ)らせし(ところ)029今夜(こんや)()して(こと)()ぐる手筈(てはず)になつて()ります。030愚図々々(ぐづぐづ)(いた)して()れば御身(おんみ)一大事(いちだいじ)031社稷(しやしよく)顛覆(てんぷく)風前(ふうぜん)灯火(ともしび)同様(どうやう)なれば、032(とき)(うつ)さず彼等(かれら)一派(いつぱ)(すみや)かに(ごく)(とう)じ、033(しか)して(のち)ゆるゆるとお調(しら)べにならば、034一切(いつさい)事実(じじつ)判然(はんぜん)する(こと)御座(ござ)いませう。035万一(まんいち)ベールの報告(はうこく)にして(あやま)りなりとせば、036(これ)()したる(よろこ)びは御座(ござ)いませぬ。037()(かく)彼等(かれら)捕縛(ほばく)し、038一時(いちじ)投獄(とうごく)(あふ)()けられるが安全(あんぜん)御座(ござ)います。039(この)(こと)をお()(くだ)さるならば、040(わらは)只今(ただいま)(かぎ)りウラル(けう)信仰(しんかう)()て、041バラモン(けう)入信(にふしん)し、042(わう)(とも)神政(しんせい)(つか)(まつ)るで御座(ござ)いませう。043王様(わうさま)! 何卒(なにとぞ)一刻(いつこく)猶予(いうよ)もなりませぬから、044(はや)御英断(ごえいだん)をお(ねが)(まを)します』
045『そなたがバラモン(けう)帰順(きじゆん)してくれるのは有難(ありがた)い。046第一(だいいち)家内円満(かないゑんまん)曙光(しよくわう)(みと)めた(やう)なものだ。047(しか)(なが)らシルレング、048ユーズに(かぎ)つて左様(さやう)不都合(ふつがふ)(こと)(いた)すべき道理(だうり)がない。049(とく)取調(とりしら)べた(うへ)050(あらた)めて報告(はうこく)せよ。051(われ)(また)ゼム、052エール、053エームスに(めい)じて、054(こと)実否(じつぴ)急々(きふきふ)(さぐ)らせ()む。055()(こころ)()()けよ』
056 (ひめ)はワツとばかりに()()し、057(うら)めしげに(わう)(かほ)見上(みあ)げながら、
058『お(なさけ)ない(その)言葉(ことば)059(わらは)申上(まをしあ)げた(こと)貴方(あなた)信用(しんよう)して(くだ)さいませぬか。060ゼム、061エール、062エームスの(ごと)臣下(しんか)(はう)を、063貴方(あなた)(わらは)よりも幾層倍(いくそうばい)御信任(ごしんにん)なさるのでせう。064エーさうなれば最早(もはや)(わらは)是非(ぜひ)(およ)ばぬ。065()ながら(わう)危難(きなん)()るに(しの)びませぬ。066此処(ここ)にて自害(じがい)(いた)します』
067()ふより(はや)く、068(かく)()つたる懐剣(くわいけん)()()き、069アワヤ(のんど)につき()てむとする(ひめ)狂言(きやうげん)(わう)(まこと)(しん)じ、070(おどろ)いて()()ち、071(ひめ)()をシツカと(にぎ)り、
072『ヤレ()て! ケールス(ひめ)073(はや)まるな』
074『イエイエ(わらは)貴方(あなた)には()てられ、075臣下(しんか)にはせめ()てられ、076(この)()()きて(なん)(のぞ)みもなく、077ムザムザと臣下(しんか)()にかかつて死恥(しにはぢ)(さら)さむよりも、078御身(おんみ)(まへ)にて(いさぎよ)(のど)()()自害(じがい)(いた)します。079何卒(どうぞ)(その)()をお(はな)(くだ)さいませ』
080()(さけ)ぶ。081(わう)黙念(もくねん)として()たりしが、082(しばら)くあつて(くち)(ひら)き、
083(しか)らば()(かく)も、084シルレング、085ユーズの(けん)(つい)ては其方(そなた)一任(いちにん)する。086(しか)(なが)一切(いつさい)事情(じじやう)判明(はんめい)する(まで)は、087(けつ)して成敗(せいばい)する(こと)はならぬぞ』
088 (ひめ)(この)言葉(ことば)()いて、089(ひそ)かに(した)()()(なが)ら、090(おもて)(なみだ)(なが)しつつ、
091『ハイ、092不束(ふつつか)(わらは)(ねがひ)御聞(おき)(とど)(くだ)さいまして有難(ありがた)御座(ござ)います。093(しか)らばこれよりタールチンに(めい)じ、094彼等(かれら)(ごく)(とう)じます。095(つい)ては彼等(かれら)罪状(ざいじやう)(あと)(とつくり)取調(とりしら)べ、096御報告(ごはうこく)申上(まをしあ)げまする』
097()(なが)(この)()()たむとするを、098サガレン(わう)は、
099『ケールス(ひめ)100(しばら)()ちや』
101(こゑ)をかけた。102ケールス(ひめ)(あと)()(かへ)り、
103()てと仰有(おつしや)るのは、104御心変(おこころがは)りがしたのでは御座(ござ)りませぬか』
105『イヤ(べつ)心変(こころがは)りは(いた)さぬ。106其方(そなた)(いま)ウラル(けう)()てて、107只今(ただいま)(かぎ)りバラモン(けう)になると()つたであらう。108それに間違(まちが)ひはないか』
109(あふ)(まで)もなく、110一旦(いつたん)申上(まをしあ)げた(こと)如何(どう)して間違(まちが)ひが御座(ござ)いませう』
111『ウン、112それなら()い。113其方(そなた)がウラル(けう)()てた以上(いじやう)は、114最早(もはや)竜雲(りううん)本城(ほんじやう)必要(ひつえう)のない(をとこ)だ。115(すみやか)退却(たいきやく)(めい)ぜよ。116一刻(いつこく)()(こと)はならぬぞ』
117『それは(あんま)(きふ)御命令(ごめいれい)118竜雲(りううん)にも(とく)()()かし、119得心(とくしん)をさせて(かへ)さねばなりますまい。120仮令(たとへ)ウラル(けう)なればとて、121(いま)(いま)(まで)師匠(ししやう)(あふ)いだ竜雲(りううん)(たい)し、122さう素気(すげ)なくも取扱(とりあつか)(こと)出来(でき)ますまい』
123『イヤ、124(かれ)こそ(われ)(たい)する危険(きけん)人物(じんぶつ)張本人(ちやうほんにん)だ。125(はや)退却(たいきやく)(めい)ぜよ』
126一国(いつこく)(わう)とならせ(たま)へる御身(おんみ)(もつ)て、127左様(さやう)無慈悲(むじひ)(こと)(あふ)せられましては、128如何(どう)して国民(こくみん)悦服(えつぷく)(いた)しませうか。129そこは円満(ゑんまん)因果(いんぐわ)(ふく)めて退却(たいきやく)(めい)ずるが、130(わう)(ため)にも最前(さいぜん)御道(おみち)だと(かんが)へます。131(しか)(なが)謀反人(むほんにん)計画(けいくわく)は、132時々刻々(じじこくこく)準備(じゆんび)(ととの)ひますれば、133(あと)(いた)つて(ほぞ)()むとも(およ)びませぬ。134()(かく)タールチンを()()し、135シルレング、136ユーズの両人(りやうにん)捕縛(ほばく)させませう』
137()(なが)欣々(いそいそ)として、138ベールを(ともな)(この)()()つて()く。
139 (あと)(わう)(ただ)一人(ひとり)黙念(もくねん)として差俯向(さしうつむ)き、140思案(しあん)()れて()る。141かかる(ところ)へゼム、142エールの両人(りやうにん)は、143足音(あしおと)(なん)となく(いそが)しく(あら)はれ(きた)り、144(うやうや)しく両手(りやうて)をつき、
145ゼム『(おそ)(なが)(わう)(まを)()げます。146竜雲(りううん)なるもの、147(この)(ごろ)挙動(きよどう)(なん)となく(あや)しく、148一時(ひととき)(はや)退却(たいきやく)(めい)(たま)はずば、149如何(いか)なる(こと)仕出(しで)かすかも(わか)りませぬ(ゆゑ)150(なん)とか御英断(ごえいだん)(もつ)(かれ)放逐(はうちく)して(くだ)さいませ』
151『ウン』
152()つたきり(また)俯向(うつむ)いて()る。
153エール『サア(はや)(なん)とか御命令(ごめいれい)()ちまする。154(かれ)(ごと)怪物(くわいぶつ)最早(もはや)一刻(いつこく)(この)城内(じやうない)(とど)()かせられては(わう)(ため)になりませぬ。155()はば暗剣殺(あんけんさつ)同様(どうやう)ですから、156吾々(われわれ)()(けつ)して忠言(ちうげん)申上(まをしあ)げます』
157(わう)竜雲(りううん)(なに)かよくない(こと)計画(けいくわく)して()るか』
158エール『ハイ(たしか)にレール、159キング、160ベツトの計画(けいくわく)()てて()りますれば、161何卒(なにとぞ)一時(いちじ)(はや)本城(ほんじやう)より放逐(はうちく)あらむ(こと)御願(おねが)(まを)します』
162(わう)竜雲(りううん)左様(さやう)不覊(ふき)(たく)()ると()(たしか)証拠(しようこ)がつかまつたのか』
163エール『ハイ、164これと()証拠(しようこ)御座(ござ)いませぬが、165吾々(われわれ)一同(いちどう)(かんが)へには、166如何(どう)しても(かれ)面上(めんじやう)殺気(さつき)(あら)はれて()ります。167一刻(いつこく)(とど)めおかせらるべき人物(じんぶつ)では御座(ござ)いませぬ』
168 (わう)は『ウン』と()つたきり(また)もや両手(りやうて)()んで俯向(うつむ)いて()る。
169 そこへ(あわただ)しく()(きた)るは以前(いぜん)のケールス(ひめ)170ベールの両人(りやうにん)である。
171 (ひめ)はゼム、172エールの二人(ふたり)姿(すがた)(わう)(まへ)にあるを()(おほい)(いか)り、173()()()(なが)ら、
174(なんぢ)奸佞邪智(かんねいじやち)大悪人(だいあくにん)175城内(じやうない)秩序(ちつじよ)攪乱(かくらん)(いた)不忠者(ふちうもの)176今宵(こよひ)(うち)本城(ほんじやう)乗取(のりと)らむとする(につく)曲者(くせもの)!』
177呶鳴(どな)りつけられ、178ゼム、179エールの二人(ふたり)(あん)相違(さうゐ)(ひめ)言葉(ことば)(あき)(かへ)り、
180ゼム『これは(また)(おも)ひも()らぬ(ひめ)(さま)のお言葉(ことば)181(なに)証拠(しようこ)左様(さやう)反逆者(はんぎやくしや)()ばはりをなされますか』
182エール『仮令(たとへ)(ひめ)(さま)御言葉(おことば)なりとて証拠(しようこ)もなき(その)暴言(ばうげん)183(いや)しき臣下(しんか)なりとも吾々(われわれ)()()てはなりませぬ。184(なに)証拠(しようこ)左様(さやう)(こと)(あふ)せられますか』
185(ひめ)(だま)れ! 悪人(あくにん)猛々(たけだけ)しとは汝等(なんぢら)(こと)186(なんぢ)はシルレング、187ユーズと(ひそ)かに(しめ)(あは)せ、188レール、189キング、190ベツトの計画(けいくわく)()てて()つたであらう……王様(わうさま)これも一味(いちみ)奴原(やつばら)191(けつ)して油断(ゆだん)はなりませぬ。192(はや)投獄(とうごく)(あふ)せつけられます(やう)に……』
193 (わう)(くび)左右(さいう)()り、194(やや)不機嫌(ふきげん)面持(おももち)にて言葉(ことば)(するど)(ひめ)(むか)ひ、
195『ゼム、196エールの両人(りやうにん)()(もつと)信任(しんにん)するもの、197両人(りやうにん)(かぎ)つて左様(さやう)不心得(ふこころえ)(けつ)して(いた)すまい。198(なんぢ)居間(ゐま)(かへ)りて休息(きうそく)(いた)せよ』
199儼然(げんぜん)として宣示(せんじ)した。200流石(さすが)のケールス(ひめ)(わう)一言(いちごん)には(かへ)言葉(ことば)もなく、201両人(りやうにん)()めつけ(あと)(こころ)(のこ)しつつ(わが)居間(ゐま)さして(かへ)()く。
202大正一一・九・二一 旧八・一 北村隆光録)