霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一九章 紅蓮(ぐれん)(した)〔一〇〇七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第36巻 海洋万里 亥の巻 篇:第3篇 神地の暗雲 よみ:こうじのあんうん
章:第19章 第36巻 よみ:ぐれんのした 通し章番号:1007
口述日:1922(大正11)年09月23日(旧08月3日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
門番のベスはふたたび竜雲とケールス姫の居間へやってきて、門前に白髪異様の老人が現れていろいろと不思議なことを言い、どうやらウラル教の宣伝使であるように思うので、調べてほしいと注進した。
ケールス姫は、その老人を連れてくるようにとベスに命じた。老人は竜雲の居間にやってくると、竜雲に雷のごとき声で問いかけた。竜雲は面食らって恐れをなしながら老人に名を問いかけた。
老人は、三五教の宣伝使・天の目一つの神(北光彦)と名乗った。竜雲は三五教と聞いて顔色を変えたが、気を取り直して余裕の振りをして社交辞令を述べ立てた。
天の目一つ神は竜雲に対し、単刀直入になぜバラモン教の教王であるサガレン王を追放したのかと問い詰めた。竜雲は、これは内々のことであるから申し上げるわけにはいかず、ただ三五教の教理を教えてほしいと答えた。
天の目一つの神は容赦せず、竜雲が王から后を奪い、共謀して王を追放して国を奪い、国政をほしいままにしていることを直言した。そして今度はケールス姫にこれをどう考えるか、問いただした。
ケールス姫はただただ恐れ入り、天の目一つの神の判断に任せるより他にはない、と自らの罪を認める発言をするのみであった。
天の目一つの神は、今のうちに両人は心を改めて王に心から謝罪し罪を清めなければ、たちまちに天罰が至るであろうと忠告した。そして早く決心をしないと実際の身辺の危険が刻々に迫っていると宣言した。
二人に忠告を終わると、天の目一つの神は廊下に杖の音を響かせながら帰って行った。竜雲とケールス姫は天の目一つの神の後姿を見送りながら、呆然自失として顔色青ざめ、ただただ太い息を吐いているのみであった。
ケールス姫は天の目一つの神が立ち去った後、目一つの神の神徳を称えた。竜雲は気を悪くし、自分が気に入らないなら自分を放逐し、目一つの神をこの位に据えたらよいと姫に対して怒った。
ケールス姫はサガレン王に背いたことを後悔し、竜雲に対し、自分の言が気に入らないならすぐに館から立ち去るようにと言い返した。姫を説得しようとする竜雲に対し、ケールス姫は自分の罪が恐ろしくなったと懐剣を取り出し、自害しようとした。
竜雲はあわてて姫の手を抑え、押しとどめようとしたが、姫は聞かずに力を入れて自害しようとする。右守のハルマが騒ぎを聞きつけてやってきて、姫の剣を奪って投げ捨てた。
そこへテールがやってきて、城内に火災が起こって城の大部分が焼け落ち、館にまで延焼したと告げに来た。実際に黒煙がもうもうとあたりを包み始めた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm3619
愛善世界社版:207頁 八幡書店版:第6輯 657頁 修補版: 校定版:213頁 普及版:93頁 初版: ページ備考:
001 門番(もんばん)のベスは(ふたた)竜雲(りううん)002ケールス(ひめ)居間(ゐま)(あわただ)しく伺候(しこう)し、003(うやうや)しく両手(りやうて)をつかへ、
004(おそ)れながら申上(まをしあ)げます。005只今(ただいま)門前(もんぜん)(あら)はれました、006白髪(はくはつ)異様(いやう)老人(らうじん)が、007老人(らうじん)かと(おも)へば(ひら)たくなつたり、008(なが)くなつたり、009(かほ)(よつ)つも(いつ)つもあり、010身体(からだ)背継(せつ)ぎしたやうに()えたり、011()(はな)随分(ずゐぶん)沢山(たくさん)()つた化物(ばけもの)(あら)はれました。012(なん)()つても頑張(ぐわんば)つて(かへ)らうとは(いた)しませぬ。013到底(たうてい)吾々(われわれ)門番(もんばん)非力(ひりき)では追払(おつぱら)(わけ)には()きませぬ。014(しか)(なが)ら、015()めよ(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)(やみ)よ、016(やみ)(あと)には(つき)()る……と、017ヘヽヽヽヽ随分(ずゐぶん)()()(こと)()ひます。018屹度(きつと)あれはウラル(けう)神様(かみさま)()けて御座(ござ)つたのかも()れませぬ。019(ぜん)とも(あく)とも、020たとへ(がた)なきもので御座(ござ)います』
021 竜雲(りううん)はベスの言葉(ことば)()き、022(しばら)(くび)(かた)げて()たが、023(にはか)(くち)(とが)らして、
024『ベス、025(まへ)大変(たいへん)酩酊(めいてい)して()るではないか。026()がチラチラして()るぞ。027(まへ)()うた(まなこ)()たものだから、028さう種々(いろいろ)姿(すがた)(かは)つて()えたのであらう。029(けつ)して化物(ばけもの)ではあるまい』
030『ハイ、031(すこ)(ばか)(きこ)()したもので御座(ござ)いますから、032()調子(てうし)(くる)つても()りませうが、033(なに)()もあれ、034一風(いつぷう)(かは)つた人物(じんぶつ)御座(ござ)います。035何卒(どうぞ)目通(めどほ)りをお(ゆる)しになつて(とく)とお調(しら)(くだ)さいませ』
036 ケールス(ひめ)(そば)より(しづか)(こゑ)にて、
037(なに)()もあれ、038(その)(をとこ)此処(ここ)案内(あんない)して()たがよからう』
039『ハイ、040(かしこ)まりました』
041とベスは()()ち、042ヒヨロリヒヨロリと廊下(らうか)(あやふ)()()らしながら(おもて)()()く。043(しばら)くありて以前(いぜん)のベスは白髪(はくはつ)老人(らうじん)(みちび)き、044竜雲(りううん)(まへ)(おそ)(おそ)(あら)はれ、
045唯今(ただいま)申上(まをしあ)げました化物(ばけもの)とは、046これで御座(ござ)います。047どうぞ(とく)とお調(しら)べの(うへ)048ウラル(けう)神力(しんりき)をもつてお退治(たいぢ)(くだ)さいませ。049彼様(かやう)なものが徘徊(はいくわい)(いた)すと吾々(われわれ)門番(もんばん)(ろく)(つと)まりませぬ』
050竜雲(りううん)『オイ、051ベス、052余計(よけい)(こと)(まを)すな。053(はや)()()れ!』
054ベス『ハイ、055オイ化州(ばけしう)056(しつか)りやらないと駄目(だめ)だぞ』
057口汚(くちぎたな)(ののし)りながら(この)()()()つた。
058老人(らうじん)神地(かうぢ)(みやこ)城主(じやうしゆ)059サガレン(わう)(あと)(おそ)うて政治(せいぢ)()竜雲(りううん)とは其方(そなた)(こと)か?』
060(らい)(ごと)大声(おほごゑ)(はつ)して()ひかける。061どこともなく底力(そこぢから)のある(こゑ)に、062(さすが)竜雲(りううん)面喰(めんくら)つて(うしろ)二足三足(ふたあしみあし)タヂタヂと退(しりぞ)き、
063『ハイ、064(あふ)せの(とほ)竜雲(りううん)(わたし)御座(ござ)る。065貴方(あなた)(この)竜雲(りううん)(たい)御訪問(ごはうもん)(くだ)さつたのは、066如何(いか)なる御用(ごよう)御座(ござ)るか。067さうして(その)御姓名(ごせいめい)(なん)(まを)さるるか、068()かせを(ねが)()い』
069(われ)こそは三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)070(あま)岩戸(いはと)(びら)きの神業(しんげふ)(つか)へたる(あめ)目一(まひと)つの(かみ)御座(ござ)る。071(なんぢ)(たい)訓誡(くんかい)(あた)()(こと)あれば、072老駆(らうく)ををかし遥々(はるばる)此処(ここ)(まゐ)りしものぞ』
073 竜雲(りううん)三五教(あななひけう)()いて、074(すこ)しく顔色(かほいろ)(へん)じたが、075(なん)となく(おか)(がた)(その)威貌(ゐばう)度肝(どぎも)をぬかれ、
076(おと)(きこ)えし(あめ)目一(まひと)つの神様(かみさま)御座(ござ)いましたか。077これはこれは遠路(ゑんろ)(ところ)078ようこそ御入来(ごじゆらい)(くだ)さいました。079何卒々々(なにとぞなにとぞ)(いた)らぬ竜雲(りううん)080宜敷(よろし)御指導(ごしだう)をお(ねが)(まを)す』
081『アハヽヽヽ、082随分(ずゐぶん)(その)(はう)外交的(ぐわいかうてき)手腕(しゆわん)立派(りつぱ)なものだ、083余程(よほど)現代化(げんだいくわ)して御座(ござ)ると()える。084(しか)(なが)竜雲殿(りううんどの)にお(たづ)(いた)したい(こと)御座(ござ)る。085(その)(たづ)ねたいと(まを)すのは(ほか)でもない、086サガレン(わう)今日(こんにち)境遇(きやうぐう)だ。087(いやし)くもバラモン(けう)教司(をしへつかさ)088一国(いつこく)王者(わうじや)()をもつて、089山野(さんや)流浪(るらう)(たま)ふやうになつたのは、090(なに)かの理由(りいう)がなくては(かな)はぬ。091(この)経緯(いきさつ)詳細(つぶさ)(わが)(まへ)告白(こくはく)されたい』
092『ハイ、093これには種々(いろいろ)(わけ)御座(ござ)いまするが、094あまり()()つての御干渉(ごかんせう)迷惑千万(めいわくせんばん)095何卒(なにとぞ)(この)(はなし)()()つて、096三五教(あななひけう)教理(けうり)御教示(ごけうじ)あらむ(こと)希望(きばう)(いた)します』
097『ハヽヽヽヽ、098吾々(われわれ)干渉(かんせう)地帯(ちたい)でないから()うて()れなと()はるるのかな。099イヤ(もつと)もだ、100秘密(ひみつ)暴露(ばくろ)(おそ)るるは人情(にんじやう)(つね)だ。101たつて辞退(じたい)せらるるものを無理(むり)には強要(きやうえう)(いた)さぬ。102(しか)(なが)らよく(かんが)へて御覧(ごらん)なされ! もしも此処(ここ)(ある)王者(わうじや)があり、103(その)王者(わうじや)には(きさき)があつて、104夫婦(ふうふ)相並(あひなら)(かみ)(うやま)政治(せいぢ)をとり、105円満(ゑんまん)(たみ)(をさ)めて()る。106其処(そこ)何処(いづく)ともなく一人(ひとり)妖僧(えうそう)(あら)はれ()たつて、107(その)(きさき)誑惑(きやうわく)し、108(かは)つた信仰(しんかう)()ひ、109漸次(ぜんじ)にして(その)(きさき)(こころ)(うば)ひ、110(つひ)には(おそ)(おほ)くも(をつと)たり国王(こくわう)たる神司(かむつかさ)を、111妖僧(えうそう)(とも)(はら)(あは)して放逐(はうちく)し、112(あと)晏然(あんぜん)として(その)(きさき)(つま)となし、113(みづか)らは王者然(わうじやぜん)として(ひか)へて()悪逆(あくぎやく)無道(むだう)怪物(くわいぶつ)ありとすれば、114竜雲殿(りううんどの)如何(いかが)思召(おぼしめ)さるるか。115(かみ)(をしへ)宣伝(せんでん)する宣伝使(せんでんし)として(これ)黙過(もくくわ)する(こと)出来(でき)ようか、116如何(いかが)御座(ござ)るアハヽヽヽ。117(これ)(えう)するに(たとへ)御座(ござ)れば、118(けつ)してお()にさへられな。119竜雲殿(りううんどの)明敏(めいびん)なる頭脳(づなう)によつて、120(その)解決(かいけつ)(あた)へて(もら)ひたいのだ』
121『ハイ、122()(ほど)(むつ)かしい問題(もんだい)御座(ござ)る』
123(むつ)()問題(もんだい)問題(もんだい)だ。124(しか)如何(どう)解決(かいけつ)をつけたらよいかと()いて()るのだ。125イヤそこに(うつ)むいて()るのはケールス姫殿(ひめどの)御座(ござ)らう。126其方(そなた)意見(いけん)(うけたま)はらう』
127『ハイ(まこと)(おそ)()つた次第(しだい)御座(ござ)います。128(なん)ともお(こた)への(いた)しやうが御座(ござ)いませぬ。129貴方(あなた)御判断(ごはんだん)にお(まか)(まを)すより、130もはや手段(しゆだん)御座(ござ)いませぬ』
131(いま)(うち)(こころ)(あらた)め、132其方(そなた)両人(りやうにん)が、133計略(けいりやく)をもつて逐出(おひだ)したるサガレン(わう)(たづ)()し、134(いばら)(むち)()うて(わう)(こころ)(そこ)より謝罪(しやざい)をなし、135(その)(つみ)(きよ)めなければ、136天罰(てんばつ)立所(たちどころ)(いた)り、137地震(ぢしん)(かみなり)()(あめ)(いまし)めに()ふは最早(もはや)眼前(がんぜん)(せま)つて()る。138両人(りやうにん)(はや)決心(けつしん)をなさらぬと、139其方(そなた)身辺(しんぺん)危険(きけん)刻々(こくこく)(せま)りつつありますぞ。140いらざる目一(まひと)つの(かみ)差出口(さしでぐち)とけなさるるならばそれ(まで)だ。141目一(まひと)つの(かみ)(この)(うへ)両人(りやうにん)(たい)して忠告(ちうこく)すべき(こと)はない。142よく良心(りやうしん)(たづ)ねて、143最善(さいぜん)方法(はうはふ)()られたがよからう。144(えん)あらば(また)もやお()にかからうも()れない。145左様(さやう)なら……』
146()ふより(はや)く、147コツンコツンと廊下(らうか)(つゑ)(おと)(ひび)かせ、148(おもて)()して(かへ)()く。
149 竜雲(りううん)150ケールス(ひめ)は、151目一(まひと)つの(かみ)後姿(うしろすがた)見送(みおく)り、152茫然自失(ばうぜんじしつ)()(ところ)()らず、153顔色(がんしよく)(たちま)蒼白(さうはく)(へん)じ、154(ふと)溜息(ためいき)()いて()る。
155三五教(あななひけう)(つか)へたる
156北光彦(きたてるひこ)宣伝使(せんでんし)
157(あめ)目一(まひと)神司(かむつかさ)
158松浦(まつら)(さと)(あと)にして
159河森河(かうもりがは)(さかのぼ)
160神地(かうぢ)(みやこ)(あら)はれて
161(こころ)(きたな)竜雲(りううん)
162ケールス(ひめ)打向(うちむか)
163悪逆(あくぎやく)無道(むだう)行動(かうどう)
164悔悟(くわいご)せしめて天国(てんごく)
165(その)(みちび)(たす)けむと
166(おい)(あゆ)みもトボトボと
167(おそ)れげもなく(すす)()
168門番(もんばん)ベスに(ともな)はれ
169奥殿(おくでん)(ふか)(すす)()
170竜雲(りううん)ケールス両人(りやうにん)
171(むか)つて真理(しんり)()(さと)
172(その)改心(かいしん)(せま)りおき
173悠々(いういう)として長廊下(ながらうか)
174コツリコツリと(つゑ)(おと)
175次第(しだい)々々(しだい)(とほ)ざかり
176何時(いつ)()にやら崇高(すうかう)
177(かみ)姿(すがた)()えにける
178あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
179御霊(みたま)(さち)はひましませよ
180サガレン(わう)(はじ)めとし
181(まつろ)ひまつる忠誠(ちうせい)
182(かみ)(つかさ)信人(まめひと)
183(まこと)(みち)にまつろひて
184天授(てんじゆ)真理(しんり)(さと)らしめ
185八十(やそ)曲津(まがつ)(つか)れたる
186竜雲(りううん)ケールス両人(りやうにん)
187(たふと)(かみ)正道(まさみち)
188()()まさしめ朝夕(あさゆふ)
189(かみ)(をしへ)にまつろはせ
190(もも)(つかさ)御魂(みたま)まで
191(あら)ひやらむと雄々(をを)しくも
192(まも)りも(かた)(この)(しろ)
193単身(たんしん)(すす)()りにける
194(かみ)御霊(みたま)(さち)はひて
195(しこ)曲津(まがつ)(かげ)(かく)
196天津御神(あまつみかみ)のたまひたる
197(もと)つみたまに()(かへ)
198神人和合(しんじんわがふ)天国(てんごく)
199神地(かうぢ)(しろ)(むね)(たか)
200()らさせたまへ惟神(かむながら)
201(かみ)のみ(まへ)()ぎまつる。
202 二人(ふたり)目一(まひと)つの(かみ)()()りし(あと)にて、203(また)もやひそひそと(はなし)(ふけ)()る。
204『モシ竜雲(りううん)さま、205(いま)()えた目一(まひと)つの神様(かみさま)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)だと()はれましたが、206(なん)とマア御神徳(ごしんとく)(たか)(かた)でせう。207(かほ)()つかちで、208(なん)とはなしに見劣(みおと)りがするやうですが、209どこともなしに(おか)すべからざる威厳(ゐげん)(そな)はつて()ました。210かういふと()みませぬが、211常々(つねづね)神徳(しんとく)(たか)竜雲様(りううんさま)だと(おも)つて()ましたが、212(そば)()せるとまるで(くら)べものにはなりませぬ。213(ざう)(そば)によつた(ねこ)のような気分(きぶん)(いた)しましたワ』
214(これ)はしたり、215(あま)りと()へば(あま)りの無礼(ぶれい)ではないか。216吾々(われわれ)(ねこ)にたとへるとは不埒(ふらち)千万(せんばん)217それ(ほど)(この)竜雲(りううん)(ちひ)さきものに()えるならば、218なぜ其方(そなた)目一(まひと)つの(かみ)()()めて(をつと)となし、219(この)竜雲(りううん)放逐(はうちく)せないのか』
220(こゑ)(とが)らせてゐる。
221(なに)貴方(あなた)疎外(そぐわい)したのぢや御座(ござ)いませぬ。222目一(まひと)つの神様(かみさま)御神徳(ごしんとく)(たた)へたので御座(ござ)いますワ。223貴方(あなた)()れば()(ほど)224交際(つきあ)へばつきあふ(ほど)(ちひ)さくなり(きたな)くなり、225(よわ)くならつしやるやうですワ。226こんな(こと)なら、227なぜ神徳(しんとく)(たか)きサガレン(わう)(そむ)いたであらうかと、228今更(いまさら)悔悟(くわいご)(ねん)()へませぬ。229(この)(やかた)(わらは)住家(すみか)230(いま)はいい()になつて王者然(わうじやぜん)(かま)へて()られますが、231実際(じつさい)()へば(わたし)(やかた)232()()さねば何時(いつ)なりと(かへ)つて(くだ)さい』
233『これケールス姫殿(ひめどの)234其方(そなた)狂気(きやうき)したのか、235(その)言霊(ことたま)(なん)御座(ござ)る』
236『ハイ、237(いつ)たん悪魔(あくま)誑惑(きやうわく)され、238大蛇(をろち)のかかつた竜雲様(りううんさま)(したが)つて()ましたが、239(いま)(やうや)病気(びやうき)全快(ぜんくわい)しまして正気(しやうき)()(かへ)りました。240もはや正気(しやうき)()(かへ)つた(うへ)は、241(いま)(まで)(つみ)(おそ)ろしく、242(また)竜雲(りううん)悪心(あくしん)(にく)らしくなつて()ましたよ』
243心機一転(しんきいつてん)(はなは)だしいぢやないか。244これケールス(ひめ)245よい加減(かげん)(この)竜雲(りううん)揶揄(からか)つて()くがよい。246(くだ)らぬ(こと)()つてさう()()ますものではないよ』
247(わたし)はもはや(この)()()きて()(こと)出来(でき)ませぬ。248大罪(だいざい)(おか)した(もの)御座(ござ)いますから、249(いさぎよ)自殺(じさつ)(いた)します。250仮令(たとへ)三日(みつか)でも五日(いつか)でも、251(えん)あればこそ不義(ふぎ)(ちぎり)(むす)んだ(わたし)252臨終(いまは)(きは)にのぞんで一口(ひとくち)忠告(ちうこく)(いた)して()かねばなりませぬ。253(あく)何時(いつ)(まで)(つづ)くものではありませぬよ。254貴方(あなた)はこれから(をとこ)らしく割腹(かつぷく)して、255サガレン王様(わうさま)(つみ)(しや)すか、256(ただし)世捨人(よすてびと)になつて(ふたた)難業(なんげふ)苦業(くげふ)をなし(まこと)(かみ)(つかさ)とおなりなさるか、257それは貴方(あなた)自由意志(じいういし)(まか)しませうが、258たとへ如何(いか)なる(こと)があつても、259(あく)(たく)んだり策略(さくりやく)(めぐ)らしたり、260(いま)(まで)のやうに(うそ)をいつてはなりませぬよ。261これが(わたし)竜雲(りううん)(たい)する忠告(ちうこく)だ。262(この)()()きて(なん)(せん)もなし、263左様(さやう)ならば竜雲殿(りううんどの)264(わか)(いた)しますぞや』
265()ふより(はや)く、266懐中(くわいちゆう)より懐剣(くわいけん)をとり()し、267(いま)(のんど)ガバ(ばか)()()てむとす。268竜雲(りううん)(あわ)てて(ひめ)()(しつか)りと(おさ)へ、269(こゑ)(ふる)はせて、
270『ケールス姫殿(ひめどの)271(しば)()たれよ。272短気(たんき)損気(そんき)273()なうと(おも)へばいつでも()ねる。274(この)竜雲(りううん)唯今(ただいま)(かぎ)改心(かいしん)(いた)すから、275どうぞ()(こと)だけは()めて(くだ)さい。276可惜(あつたら)神地(かうぢ)(しろ)名花(めいくわ)()らすは(まこと)()しい、277()(おも)(とど)まつて(くだ)され』
278(ひめ)()(ちから)(かぎ)りに(にぎ)りしめて()る。
279『イエイエ、280(なん)()つて(くだ)さつても(つみ)(おほ)(この)(からだ)281()(えら)ぶより(ほか)(みち)はありませぬ。282どうぞ(その)()(はな)して(くだ)さい!』
283()藻掻(もが)く。284(その)騒動(さうだう)()きつけて(はし)()つたる右守(うもり)(かみ)のハルマは、285(この)(てい)()打驚(うちおどろ)き、
286竜雲様(りううんさま)287(ひめ)(さま)288(たふと)御身(おんみ)()ちながら、289(なん)不自由(ふじゆう)もなきに夫婦(ふうふ)喧嘩(げんくわ)をなさるとは、290盤古神王様(ばんこしんわうさま)(たい)(おそ)(おほ)いでは御座(ござ)らぬか。291(いやし)くも王者(わうじや)()をもつて、292俗人輩(ぞくじんばら)のなすが(ごと)刃物(はもの)三昧(ざんまい)とは何事(なにごと)御座(ござ)るか』
293 ケールス(ひめ)()(ごゑ)(しぼ)りながら、
294『ヤア(その)(はう)右守(うもり)(かみ)のハルマであらう。295(われ)(けつ)して竜雲殿(りううんどの)(あらそ)ひはして()ない。296(あま)りの(つみ)(おそ)ろしさに、297自害(じがい)をしようとして()るのだ。298それを竜雲殿(りううんどの)執念深(しふねんぶか)くも()めようとなさるのだから、299どうぞ其方(そなた)300(わたし)(たの)みだ、301竜雲殿(りううんどの)()(はな)させてお()れ!』
302『これこれ(ひめ)(さま)303自殺(じさつ)罪悪中(ざいあくちう)大罪悪(だいざいあく)(まを)すぢやありませぬか。304如何(いか)なる事情(じじやう)かは(ぞん)じませぬが、305(わたくし)此処(ここ)(あら)はれた以上(いじやう)は、306(けつ)して()なしは(いた)しませぬ』
307()ひながら、308強力(がうりき)(まか)せて(ひめ)()より(つるぎ)(うば)ひ、309手早(てばや)(まど)()けて眼下(がんか)谷川(たにがは)()()つれば、310竜雲(りううん)はやれ安心(あんしん)吐息(といき)()(とき)しも、311(あわた)だしく(この)()馳来(はせきた)るテールは両手(りやうて)(つか)へ、
312『モシモシ、313(この)城内(じやうない)火災(くわさい)(おこ)り、314非常(ひじやう)(いきほひ)()(かぜ)(あふ)られ、315火炎(くわえん)(した)(またた)(うち)(しろ)大部分(だいぶぶん)舐尽(なめつく)し、316(はや)くも(この)(やかた)延焼(えんせう)しました。317サア(はや)く、318立退(たちの)きを(ねが)ひます』
319()()もあらず、320黒煙(こくえん)濛々(もうもう)として四辺(あたり)(つつ)み、321竜雲(りううん)322ケールス(ひめ)323ハルマは、324()()黒煙(こくえん)(つつ)まれにける。
325大正一一・九・二三 旧八・三 加藤明子録)
   
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