霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一〇章 (おも)()(一)〔一〇四七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第38巻 舎身活躍 丑の巻 篇:第2篇 光風霽月 よみ:こうふうせいげつ
章:第10章 第38巻 よみ:おもいで 通し章番号:1047
口述日:1922(大正11)年10月16日(旧08月26日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年4月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
明治三十四年の十月ごろの話である。警察署から毎日のように、宗教として認可を得なければ布教を許さないと言ってきた。明治二十二年の憲法発布で信教の自由が許されて以来、そんなことはない、と反論しても承知しない。
しまいには入り口に巡査を張り番させるようになり、信者が来なくなってしまった。教祖様は神様に伺って、警察の言うことは取り合わないように、と申し渡したが、警察の干渉はますます激しくなるので、教祖様へは内密にして静岡の稲荷講社の長沢翁に相談に行った。
教祖様はこれを聞いて怒り、弥仙山の中腹の社にお隠れになってしまった。自分は何も知らずに、長沢翁と相談したとおり京都で宗教法人の手続きをしようとしたが、印形がひとつ足りない。
そこで連れの者を綾部に使いに出し、自分は京都に残って布教をしていた。しかし使いの者は一向に戻ってこず、綾部から五人の信者がやってきて、京都でしばらく稲荷縛りをしようという。
そこで稲荷下げを縛って歩いていたが、あるところでインチキ託宣の化けの皮をはいだところ、そこの稲荷の信者と喧嘩になり、向こうはゴロツキも呼んできて大騒ぎになった。すると五人の信者はいつのまにか向こうについてしまった。
しかし、なぜか稲荷下げの陣営は、味方のゴロツキと喜楽を取り違え、金明会の五人と味方のはずのゴロツキを打ちすえてしまった。喜楽は駐在所に逃げ込んでかくまってもらい、そこを出るときに正体がばれそうになったが、京都の侠客に送ってもらい、無事に綾部に着いた。
帰ってみると、中村や四方春蔵が自分の荷物をひっくくって片づけてしまっている。そして教祖様は弥仙山の社に勝手にこもったということで、駐在所に引っ張られていた。
喜楽が駐在所に駆け付けて、代わりに尋問を受けた。信教の自由を盾に尋問に答えて、その場は帰してもらうことになった。実際には、教祖様は社の神主に許可を取って籠ったのであって、勝手に社に入ったわけではなかったのであった。
弥仙山籠りの件はこれで方が付いたが、幹部連中が上田は悪神だと言ってやってきてしきりに喜楽を困らせた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm3810
愛善世界社版:104頁 八幡書店版:第7輯 196頁 修補版: 校定版:104頁 普及版:52頁 初版: ページ備考:
001 明治(めいぢ)三十四年(さんじふよねん)十月(じふぐわつ)002大本(おほもと)祭壇(さいだん)が、003旧広前(きうひろまへ)二階(にかい)にあつた(ころ)(はなし)である。004警察署(けいさつしよ)から毎日(まいにち)(やう)にやつて()て、005宗教(しうけう)として認可(にんか)()けなければ布教(ふけう)(ゆる)さないと()つて頑張(ぐわんば)るのである。006明治(めいぢ)二十二年(にじふにねん)憲法(けんぱふ)発布(はつぷ)によつて信教(しんけう)自由(じいう)(ゆる)されてから、007そんな(はず)はないと理窟(りくつ)()つて()ても(どう)しても承知(しようち)しない。008仕舞(しまひ)には巡査(じゆんさ)(まへ)張番(はりばん)させると()つた(やう)(わけ)で、009信者(しんじや)までが(きら)つて()つて()ない(やう)始末(しまつ)だ。010(これ)では(こま)るから(おも)いきつて皇道会(くわうだうくわい)といふ法人(ほうじん)組織(そしき)(あらた)めやうとして、011静岡(しづをか)長沢(ながさは)雄楯(かつたて)()(ひと)(ところ)相談(さうだん)()かうと(かんが)へたところが、012教祖様(けうそさま)神様(かみさま)(うかが)はれて、013仮令(たとへ)警察(けいさつ)から(なん)()つて()ようと(かま)はぬから、014(その)(まま)打捨(うちす)てて()けと()ふお(はなし)であるが、015警察(けいさつ)干渉(かんせう)益々(ますます)(はげ)しくなる一方(いつぱう)なので、016如何(どう)しても打捨(うちす)てて()くといふ(わけ)には()かなくなつて()た。017そこで教祖様(けうそさま)へは内密(ないみつ)にして、018木下(きのした)出口(でぐち)慶太郎(けいたらう)()れて静岡(しづをか)出掛(でか)けたのである。
019 留守中(るすちう)教祖様(けうそさま)(この)(こと)()かれて、020上田(うへだ)喜三郎(きさぶらう)瑞月(ずゐげつ)旧名(きうめい))の所業(しよげふ)神勅(しんちよく)(そむ)()しからぬ所業(しよげふ)だ、021神代(かみよ)須佐之男尊(すさのをのみこと)御行跡(おんぎやうせき)(ひと)しきものだと()つて、022弥仙(みせん)中腹(ちうふく)にある彦火々出見命(ひこほほでみのみこと)のお(やしろ)(うち)岩戸隠(いはとがく)れをされて仕舞(しま)つた。
023 そんな(こと)とは(ゆめ)にも()らぬ両人(りやうにん)は、024静岡(しづをか)相談(さうだん)をして(かへ)り、025京都府(きやうとふ)へよつて手続(てつづき)をしようとしたのであつたが、026印形(いんぎやう)(ひと)()らぬので手続(てつづき)出来(でき)なくなり、027()むを()木下(きのした)(めい)じて印形(いんぎやう)()りに綾部(あやべ)(かへ)し、028自分(じぶん)京都(きやうと)滞在(たいざい)して布教(ふけう)従事(じうじ)して()た。
029 (その)(ころ)大本(おほもと)幹部(かんぶ)(じつ)混沌(こんとん)たるものであつて、030愚直(ぐちよく)連中(れんちう)迷信(めいしん)(おちい)つて仕舞(しま)ひ、031野心家(やしんか)はそれを利用(りよう)して、032(すき)があつたら自分(じぶん)排斥(はいせき)しやうといふ(かんが)へであつた。033そして(その)野心家(やしんか)(あひだ)にも(また)()えず暗闘(あんとう)があつたのである。034印形(いんぎやう)()りに(かへ)つた木下(きのした)(なし)(つぶて)一向(いつかう)消息(せうそく)がない。035そして()つて()ない信者(しんじや)連中(れんちう)がやつて()て、036京都(きやうと)沢山(たくさん)ある稲荷下(いなりさ)げの(やう)交霊術者(かうれいじゆつしや)一々(いちいち)訪問(はうもん)して、037霊力(れいりよく)(ため)して()やうと()()した。038仕方(しかた)がないから片端(かたはし)から(まは)つてあるいて、039沢山(たくさん)稲荷下(いなりさ)げを(しば)つて(ある)いた。
040 伏見(ふしみ)横内(よこうち)青柴(あをしば)つゆといふ稲荷下(いなりさ)げがゐて、041伏見(ふしみ)(ひと)から崇拝(すうはい)されて()るといふ(うはさ)()いてやつて()つた。042とても堂々(だうだう)とやつて()つては(ことわ)られるに(きま)つて()ると(かんが)へたから、043百姓(ひやくしやう)(やう)にして化込(ばけこ)んだ。044同行者(どうげうしや)松井(まつゐ)045松浦(まつうら)046田中(たなか)(とく)047時田(ときだ)048三牧(みまき)などと()連中(れんちう)であつた。049上田(うへだ)喜三郎(きさぶろう)といふ(もの)家出(いへで)をして行衛(ゆくゑ)(わか)らぬから、050何処(どこ)()るか、051神様(かみさま)(うかが)つて(いただ)きたいと()ふと、052勿体(もつたい)らしく咳払(せきばら)ひなどして、053(その)(ひと)百両(ひやくりやう)金子(きんす)持出(もちだ)して逐電(ちくでん)したのであつて、054(たつみ)方角(はうがく)()つたといふ。055それなら(ひと)金縛(かなしば)りにして(いただ)きたいと()ふと、056(しば)るには七両(しちりやう)(きん)()ると()ふ。057それから自分(じぶん)(すす)()で、058(じつ)病気(びやうき)(こま)つて()るのであるが、059(なん)病気(びやうき)であるか(うかが)つて(いただ)きたいといふと、060(みじか)御幣(ごへい)をトントンと(たた)いて、061(これ)腹中(ふくちう)大蛇(をろち)がゐる、062住宅(ぢうたく)(いぬゐ)方角(はうがく)(あた)(くら)(ところ)にゐた大蛇(をろち)腹中(ふくちう)這入(はい)つたのだといふ。063住宅(ぢうたく)(いぬゐ)には(いけ)はあるが(くら)はありませぬがといふと(かみ)(むか)つて無礼(ぶれい)(こと)()ふなと、064とても御話(おはなし)にならぬ(こと)()()すから、065時田(ときだ)(ばけ)(かは)(あら)はして、066馬鹿(ばか)(こと)()へ、067(この)(ひと)上田(うへだ)喜三郎(きさぶろう)本人(ほんにん)だ、068病気(びやうき)(なに)もしてゐない。069吾々(われわれ)新聞(しんぶん)(たね)をとりに()たのであるから、070今日(けふ)出来事(できごと)書面(しよめん)にして事実(じじつ)(どほ)証明(しようめい)せよといつて(いぢ)()した。071横内(よこうち)氏神(うぢがみ)祭礼(さいれい)十月(じふぐわつ)九日(ここのか)で、072祭礼(さいれい)翌日(よくじつ)であつたものだから、073御祭(おまつ)りの(あと)持越(もちこ)しか(なに)かで、074(むら)若者(わかもの)がゴロゴロ(あつ)まつて()つた。075それが聞付(ききつ)けたからたまらない、076台様(だいさま)(ところ)他国(たこく)(やつ)がグズリに()()る、077やつ()けて(しま)へ、078淀川(よどがは)(みづ)()ませてやれ……などと()つて、079岡田(をかだ)良仙(りやうせん)といふ坊主(ばうず)(あが)りのゴロツキを()んで()るやら、080巡査(じゆんさ)駆付(かけつ)けるやら、081大騒(おほさわ)ぎになつた。082()れの五人(ごにん)()うなつて()ると、083生命(いのち)()しいと()えて、084敵方(てきがた)()いて(しま)つて(ちい)さくなつてゐる。085(いま)から(かんが)へると、086同伴(どうはん)五人(ごにん)敵方(てきがた)()いたのが仕合(しあは)せだつたので、087群集(ぐんしふ)自分(じぶん)岡田(をかだ)良仙(りやうせん)とをスツカリ()(ちが)へて(しま)つて同伴(つれ)五人(ごにん)良仙(りやうせん)とを滅茶(めつちや)々々(めつちや)(なぐ)()けて、088自分(じぶん)良仙(りやうせん)だと(おも)うてどうか此方(こちら)御出(おい)(くだ)さいと()つて(いへ)(なか)()れて()つて(しま)つた。089自分(じぶん)何時(いつ)露顕(ろけん)するか(わか)らず気持(きもち)(わる)いから、090コツソリ()()して巡査(じゆんさ)駐在所(ちうざいしよ)(かこ)まつて(もら)つたのであつた。091(あと)になつて()くと、092(この)(とき)大本(おほもと)では神前(しんぜん)(おほ)きな水壺(みづつぼ)土器(かわらけ)突然(とつぜん)()れたり神酒徳利(みきどくり)引繰(ひつくり)(かへ)つたり、093京都(きやうと)信者(しんじや)(うち)でも神棚(かみだな)(うへ)(もの)()ちたり()れたりして、094何事(なにごと)だらうと(さわ)いだそうである。095実母(じつぼ)天眼通(てんがんつう)多人数(たにんずう)取巻(とりま)かれ、096()(なか)泰然(たいぜん)(すわ)つて()喜楽(じぶん)姿(すがた)()たから、097安心(あんしん)をして()つたそうだ。098巡査(じゆんさ)駐在所(ちうざいしよ)()(とき)人違(ひとちがひ)(こと)(わか)つて、099(また)(さわ)()したが、100巡査(じゆんさ)伏見(ふしみ)(まで)(おく)つてくれるし、101京都(きやうと)信者(しんじや)心配(しんぱい)をして、102伏見(ふしみ)(まで)(むか)へに()てくれるし、103無事(ぶじ)京都(きやうと)()いて西洞院(にしのとうゐん)西村(にしむら)栄次郎(ゑいじらう)(うち)落付(おちつ)いた。104(これ)安心(あんしん)(おも)ふと、105今度(こんど)五人(ごにん)連中(れんちう)承知(しようち)しない。106自分等(じぶんら)敵方(てきがた)()いた(こと)(たな)()げて、107散々(さんざん)欧打(おうだ)せられた(うらみ)(なら)べて、108霊力(れいりよく)があるなら何故(なぜ)数百人(すうひやくにん)暴行(ばうかう)差止(さしと)めなかつたか、109反対(はんたい)五人(ごにん)(もの)をなぐらせたのは()(あし)(あく)守護神(しゆごじん)相違(さうゐ)ない、110(はや)(ばけ)(かは)(あら)はせ、111なぐられた(いた)(ところ)(なほ)せ、112(なほ)されねば切腹(せつぷく)をしろ……と()つて(せま)る。113国家(こくか)(ため)とあれば何時(いつ)でも切腹(せつぷく)するがここで切腹(せつぷく)をする(やう)(やす)生命(いのち)ぢやないと()ふと、114腰抜(こしぬけ)め、115貴様(きさま)(おこな)ひが(わる)いから、116教祖様(けうそさま)岩戸隠(いはとがく)れをされて(しま)つた。117モウ大本(おほもと)()必要(ひつえう)がないから、118何処(どこ)へでも()け……と()ふ。119それなら仕方(しかた)がないから他所(よそ)()かうと()へば、120他所(よそ)()くなら謝罪(しやざい)せよ、121三遍(さんぺん)(まは)つてワンと()へ……などと理不尽(りふじん)(こと)()(つの)る。122ここは(ひと)辛抱(しんばう)をする(ところ)だと、123韓信股(かんしんまた)くぐりの故事(こじ)(おも)つて辛抱(しんばう)した。124そして()まぬ(こと)をした、125(こら)へて()れと()つて謝罪(あや)まつてやつた。126丁度(ちやうど)(その)(とき)京都(きやうと)侠客(けふかく)いろは幸太郎(かうたらう)()ふのが来合(きあは)せて、127乾児(こぶん)山田(やまだ)重太郎(ぢうたらう)()けて(おく)らせて()れたので、128無事(ぶじ)綾部(あやべ)(かへ)(こと)出来(でき)た。
129 (かへ)つて()ると、130荷物(にもつ)引括(ひつくく)つて片付(かたづ)けて(しま)つてあつて、131中村(なかむら)竹蔵(たけざう)四方(しかた)平蔵(へいざう)が、132……(この)(とほ)()(みだ)()(あし)守護神(しゆごじん)()(こと)はならぬ、133()()け……と()つて(また)(いぢ)める。134さう()うして()ると今度(こんど)警察署(けいさつしよ)から教祖様(けうそさま)呼出(よびだ)しが()た、135何事(なにごと)だらうと()いて()ると、136教祖様(けうそさま)弥仙山(みせんざん)神社(じんじや)錠前(ぢやうまへ)をちぎつて(こも)られたのは規則(きそく)違反(ゐはん)だ、137罰金(ばつきん)()せといふのであつた。138教祖様(けうそさま)弥仙山(みせんざん)(やしろ)(こも)つて、139(しづか)にお筆先(ふでさき)()いてお()でになつたのであるが、140(むら)(もの)社前(しやぜん)()物音(ものおと)()いてヒヨイと(かほ)()して()られたのである。141(おも)ひがけぬ(ところ)から白髪(はくはつ)老婆(らうば)突然(とつぜん)(かほ)()したのであるから、142村人(むらびと)(おどろ)いたのは無理(むり)もない(こと)であつて、143弥仙山(みせんざん)社内(しやない)には狒々猿(ひひざる)()ると()ひふらして評判(へうばん)になつた。144(いま)でこそ樹木(じゆもく)()つて(あか)るくなつて()るものの、145当時(たうじ)弥仙山(みせんざん)老樹(らうじゆ)鬱蒼(うつさう)として(ひる)(なほ)(くら)霊山(れいざん)であつた。146狒々猿(ひひざる)()るといふ評判(へうばん)(たか)くなつて、147仕舞(しまひ)には村中(むらぢう)(こぞ)つて狒々(ひひ)退治(たいぢ)をしやうといふ(こと)になつた。148竹槍(たけやり)(かつ)()すやら、149巡査(じゆんさ)(くは)はるやら、150神主(かむぬし)()るやら大騒(おほさわ)ぎになつた。151一同(いちどう)弥仙山(みせんざん)押寄(おしよ)せて()ると、152丁度(ちやうど)教祖様(けうそさま)(ところ)弁当(べんたう)()つて()後野(ごの)市太郎(いちたらう)居合(ゐあは)せたので、153狒々猿(ひひざる)ではないと()(こと)(わか)つた。154(みな)教祖様(けうそさま)取囲(とりかこ)んで……なぜこんな(ところ)()()るか……と()つて()ふと、155教祖様(けうそさま)()(なか)(くら)がりだから(かく)れたのだ……と()つて平然(へいぜん)として()られる。156(みな)(くち)(そろ)へて、157綾部(あやべ)天理教(てんりけう)馬鹿(ばか)か、158(はや)()()けといふと、159教祖様(けうそさま)今日(けふ)はお()もりしてから一週間目(いつしうかんめ)であるから、160(みな)()るなと()つたつて()()ぢや、161(ついで)上杉(うへすぎ)(まで)(おく)つてくれ……と()つて()まし()んで()られる。
162 自分(じぶん)上杉(うへすぎ)()つて、163駐在所(ちうざいしよ)()くと、164教祖様(けうそさま)訊問所(じんもんしよ)()れやうとして()(ところ)であつた。165訊問所(じんもんしよ)へは自分(じぶん)這入(はい)るから、166教祖様(けうそさま)御入(おい)れしないで()いてくれと()つて、167それから訊問(じんもん)()けた。168何故(なにゆゑ)女人(によにん)禁制(きんせい)場所(ばしよ)女人(によにん)這入(はい)つたか……と()ふから、169明治(めいぢ)四年(よねん)布達(ふたつ)によつて結界(けつかい)()けて()るのに、170女人(によにん)禁制(きんせい)とは何事(なにごと)かと反対(はんたい)突込(つつこ)んでやつたので、171一言(いちごん)()ない、172さうすると今度(こんど)他人(たにん)管理(くわんり)して()建造物内(けんざうぶつない)(ぢやう)(やぶ)つて這入(はい)るのは違法(ゐはふ)だと(おも)はぬか……といふ(とひ)で、173(これ)には一寸(ちよつと)(こま)つたが、174神社(じんじや)法令(はふれい)(うち)信仰(しんかう)により立入(たちい)るものは(この)(かぎ)りにあらずとあるから、175差支(さしつかへ)ない(はず)だと出鱈目(でたらめ)()つた。176手許(てもと)には神社(じんじや)法令(はふれい)がないから調(しら)べる(こと)出来(でき)ぬので、177無事(ぶじ)(かへ)らしてくれた。178(しか)教祖(けうそ)(まへ)(もつ)神主(かむぬし)(たの)み、179神主(かむぬし)内々(ないない)此処(ここ)(こも)らしてゐたのであつた。
180 教祖様(けうそさま)弥仙山(みせんざん)(ごも)りの(さわ)ぎはこれで無事(ぶじ)()んだのであるが、181()まぬのは幹部連中(かんぶれんちう)(はら)(なか)だ。182自分(じぶん)所業(しよげふ)一々(いちいち)()(おち)かねる(ところ)から、183(これ)小松林(こまつばやし)といふ四足(よつあし)(あく)守護神(しゆごじん)所業(しよげふ)だといつて、184(しき)りにその(あく)守護神(しゆごじん)(ののし)るのである。185それなら一層(いつそう)喜楽(きらく)()()してくれればよいのであるが、186喜楽(きらく)肉体(にくたい)教祖様(けうそさま)のお筆先(ふでさき)()つて、187神業(しんげふ)(ため)()らねばならぬ肉体(にくたい)になつて()るので()()(こと)出来(でき)ず、188自分(じぶん)(ひと)つの身体(からだ)二様(にやう)()()るのであるから、189たまつたものでない。190とうとう六畳敷(ろくでふじき)一室(いつしつ)()れられて、191一挙一動(いつきよいちどう)監視(かんし)される(やう)になつた。192自分(じぶん)(かたはら)()(とき)(しほ)をふつてやつて()るから、193前等(まへら)肉体(にくたい)(けが)れて()るから(しほ)をふつて(きよ)めて(ちか)づくのかなどと()つて戯談(じやうだん)()つてやると真赤(まつか)になつて(おこ)つて()る。194福島(ふくしま)久子(ひさこ)サンなどは、
195久子(ひさこ)先生(せんせい)如何(どう)して改心(かいしん)出来(でき)ませぬか、196さういふ御心得(おこころえ)だから、197教祖様(けうそさま)岩戸隠(いはとがく)れなどをされるのだ。198(はや)改心(かいしん)をして(くだ)さい……』
199などと熱心(ねつしん)()つて()る。200教祖様(けうそさま)岩戸隠(いはとがく)れなども、201年寄(としより)吾儘(わがまま)だから仕方(しかた)がない……と(こた)へて、202(なん)()のと面倒(めんだう)だから、203(はら)(いた)いと()ふと……それ()なさい、204改心(かいしん)をしないから、205(はら)(いた)むのだといふ。
206喜楽(きらく)『よし(はら)(いた)いのは改心(かいしん)をしない証拠(しようこ)か、207それなら証拠(しようこ)()せてやる』
208()つて鎮魂(ちんこん)をすると、209久子(ひさこ)サンが(には)かに腹痛(ふくつう)(おこ)して、210(いた)(いた)いといつて大苦(おほくる)しみに(くる)しむで、211五日間(いつかかん)呻吟(しんぎん)した。212教祖(けうそ)さまが『(はや)先生(せんせい)謝罪(しやざい)せよ』と()はれたものだから、213四方(しかた)平蔵(へいざう)謝罪(しやざい)()た。
214喜楽(きらく)『いや代人(だいにん)では無効(むかう)だから本人(ほんにん)をよこせ』
215()つてやつたので、216とうとう久子(ひさこ)サンが謝罪(しやざい)()(こと)もあつた。217さうすると幹部(かんぶ)連中(れんちう)(また)やつて()て、
218先生(せんせい)(なん)といふ(わる)(こと)をする(ひと)であるか、219(これ)如何(どう)しても悪魔(あくま)だ、220(じゆつ)()せろ、221(はだか)になつて()せろ』
222()ふ。223五月蠅(うるさ)いから近寄(ちかよ)つて()中村(なかむら)竹蔵(たけざう)をウンと(にら)んでやると、224(また)腹痛(ふくつう)(おこ)して……(いた)(いた)いと()つて(くるし)()した。225()()つた(やう)次第(しだい)で、226……会長(くわいちやう)瑞月(ずゐげつ))は悪魔(あくま)だ、227会長(くわいちやう)のいふ(こと)()くな……と()つて、228幹部(かんぶ)連中(れんちう)(しき)りに方々(はうばう)()ひふらして歩行(ある)いたものである。
229大正一一・一〇・一六 旧八・二六 松村真澄録)
   
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