霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一三章 冠島(をしま)〔一〇五〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第38巻 舎身活躍 丑の巻 篇:第3篇 冒険神験 よみ:ぼうけんしんけん
章:第13章 第38巻 よみ:おしま 通し章番号:1050
口述日:1922(大正11)年10月17日(旧08月27日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年4月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
喜楽は到底、教祖様の心言行を述べるほどの器ではないが、一部分にもせよ教祖の実行されたことを述べておかなくては、それらを土中に埋没するごときものであるから、冠島にお渡りになった事実の大要を述べておく。
日清戦争の後、義和団の乱が起こり、日本も鎮圧軍に加わった。この舞台において神国神軍の武勇を現し列強の侮りを防ぐ必要がある、という神勅を得て、教祖は六十五歳の老躯を押して、丹後沖の孤島・冠島に神国勝利の祈願をするために舞鶴にやってきた。
共としては自分、出口澄子、四方平蔵、木下慶太郎の四名であった。舟を雇って渡ろうとしたとき、天候がにわかに悪くなって船宿の主人は出向を止めたが、教祖は聞かない。
木下慶太郎が船頭二人を説得して連れてきて、半里でも漕げたら全部の賃金を払うとまで言い、ようやく出航することを得た。
博奕ヶ崎まで来ると雨は晴れ、風は凪いで空には満点の星が現れた。冠島の島影が見え始めたころ、東の空に茜が指して夜が明けてきた。舟は無事に島に安着した。
教祖は波打ち際で禊をなし、島の老人島神社にて治国平天下安民の祈願をこらした。帰路は波も静かに舞鶴港に立ち返り、綾部に帰って数多の信者に迎えられた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-09-24 13:45:19 OBC :rm3813
愛善世界社版:133頁 八幡書店版:第7輯 207頁 修補版: 校定版:135頁 普及版:68頁 初版: ページ備考:
001 (えき)(いは)く、002(しよ)(げん)(つく)(あた)はず、003(げん)()(つく)(あた)はず、004()(かみ)(つく)(あた)はず、005(しか)れども(げん)(あら)ざれば()(あらは)(あた)はず、006(しよ)(あら)ざれば(げん)()(あた)はず、007(そもそ)聖賢(せいけん)(げん)008偉人(ゐじん)君子(くんし)(かう)009忠臣(ちうしん)義士(ぎし)偉挙(ゐきよ)010貞女(ていぢよ)節婦(せつぷ)美伝(びでん)011(ことごと)文字(もんじ)()つて(つた)へらるるものである。012喜楽(きらく)性来(しやうらい)人間(にんげん)として鈍根劣機(どんこんれつき)至愚(しぐ)至痴(しち)到底(たうてい)教祖(けうそ)心言行(しんげんかう)()べむとするは、013(はなは)僣越(せんえつ)(いた)りである。014(しか)(なが)(その)一小部分(いちせうぶぶん)にもせよ、015教祖(けうそ)実行(じつかう)された心言(しんげん)(つた)へておかなくては、016あたら教祖(けうそ)心言(しんげん)土中(どちう)埋没(まいぼつ)する(ごと)きものであるから、017(ここ)教祖(けうそ)冠島(をしま)(はじ)めて神命(しんめい)(ほう)じて御渡(おわた)りになつた事実(じじつ)大要(たいえう)()べて()やうと(おも)ふ。
018 ()(かなら)非常(ひじやう)(ひと)あつて、019(しか)して(のち)非常(ひじやう)(こと)あり、020非常(ひじやう)(こと)ありて(しか)して(のち)非常(ひじやう)(こう)ありと司馬(しば)相丞(しやうじよう)()つた。021自分(じぶん)(ここ)口述(こうじゆつ)する出口(でぐち)直子(なほこ)(また)非常(ひじやう)(ひと)たるを(しん)ずる。022(いな)(とうと)(かみ)代表者(だいへうしや)たるを(かた)(しん)じて、023(ここ)(その)一端(いつたん)物語(ものがた)らむとするのである。
024 日清(につしん)戦役(せんえき)(のち)独逸(どいつ)膠州湾(かうしうわん)占領(せんりやう)し、025露国(ろこく)旅順(りよじゆん)大連(たいれん)租借(そしやく)した行動(かうどう)(はなは)列強国(れつきやうこく)精神(せいしん)刺激(しげき)し、026(かく)(その)均霑(きんてん)希望(きばう)する結果(けつくわ)027英国(えいこく)威海衛(ゐかいゑい)を、028仏国(ふつこく)広州湾(くわうしうわん)(おのおの)占領(せんりやう)し、029露国(ろこく)鉄道(てつだう)布設権(ふせつけん)満洲(まんしう)()たるに(なら)ひ、030(あらそ)うて鉄道(てつだう)布設権(ふせつけん)清国(しんこく)各地方(かくちはう)獲得(くわくとく)せむとし、031各自(かくじ)所謂(いはゆる)勢力(せいりよく)範囲(はんゐ)策定(さくてい)し、032陰然(いんぜん)支那(しな)分割(ぶんかつ)状勢(じやうせい)馴致(じゆんち)し、033東洋(とうやう)危機(きき)(まさ)(この)(とき)より(はなは)だしきはなしと(おも)はれた。034加之(しかのみならず)義和団(ぎわだん)(しよう)する時勢(じせい)大勢(たいせい)()らざる忠臣(ちうしん)義士(ぎし)一団(いちだん)035これを憤慨(ふんがい)すること(はなはだ)しく、036(つひ)興清滅洋(こうしんめつやう)旗幟(きしき)(ひるがへ)して、037山東省(さんとうしやう)各地(かくち)蜂起(ほうき)し、038所在(あらゆる)キリスト教徒(けうと)虐殺(ぎやくさつ)鉄道(てつだう)破壊(はくわい)し、039明治(めいぢ)三十三年(さんじふさんねん)四月(しぐわつ)初旬(しよじゆん)040(すす)んで直隷省(ちよくれいしやう)()り、041(たちま)清国(しんこく)宗室(そうしつ)端郡王(たんぐんわう)(よう)し、042将軍(しやうぐん)董福祥(とうふくしやう)中堅(ちうけん)とし、043五月(ごぐわつ)以来(いらい)(いきほひ)(ますま)猩獗(しやうけつ)をきはめ、044六月(ろくぐわつ)(およ)んで北京(ペキン)(まつた)重囲(ぢうゐ)(なか)(おちい)り、045独逸(どいつ)公使(こうし)ケツトレル()惨殺(ざんさつ)せられ、046(わが)公使館(こうしくわん)書記生(しよきせい)杉山(すぎやま)(ぼう)(また)殺害(さつがい)せられた。047日本(にほん)(はじ)列国(れつこく)(つひ)独逸(どいつ)元帥(げんすゐ)ワルデルデーを総指揮官(そうしきくわん)となし、048聯合軍(れんがふぐん)組織(そしき)して、049太估(ターク)より並進(へいしん)し、050(まさ)北京(ペキン)団匪(だんぴ)(せま)らむとする間際(まぎは)であつた。
051 開闢(かいびやく)以来(いらい)未曾有(みぞう)世界(せかい)力比(ちからくら)べともいふべき()れの戦争(せんそう)である。052(この)檜舞台(ひのきぶたい)()つて、053神国(しんこく)神軍(しんぐん)武勇(ぶゆう)(あらは)し、054列国(れつこく)(あなど)りを(ふせ)必要(ひつえう)があるとの御神勅(ごしんちよく)で、055教祖(けうそ)六十五才(ろくじふごさい)老躯(らうく)(おこ)して、056(むかし)から女人(によにん)(わた)つたことのない丹後沖(たんごおき)無人島(むじんたう)057冠島(をしま)(ぞく)大島(おほしま)へ、058東洋(とうやう)平和(へいわ)(ため)059皇軍(くわうぐん)大勝利(だいしようり)祈願(きぐわん)をなさむと、060陰暦(いんれき)六月(ろくぐわつ)八日(やうか)(もつ)て、061上田(うへだ)会長(くわいちやう)062出口(でぐち)澄子(すみこ)063四方(しかた)平蔵(へいざう)064木下(きのした)慶太郎(けいたらう)四人(よにん)引連(ひきつ)れ、065五里半(ごりはん)路程(みちのり)徒歩(とほ)して、066黄昏(たそがれ)(ごろ)舞鶴(まひづる)船問屋(ふなどんや)067大丹生屋(おほにふや)(ちやく)し、068渡島(とたう)船頭(せんどう)(やと)ひ、069これから(いよいよ)()()さうとする(とき)しも、070(いま)まで快晴(くわいせい)にして(ごく)(おだや)かであつた青空(あをぞら)(にはか)にかき(くも)り、071満天(まんてん)(すみ)(なが)した(ごと)(かぜ)海面(かいめん)をふきつけ、072波浪(はらう)(たけ)(くる)(こゑ)073刻々(こくこく)(はげ)しく(きこ)えて()た。074大丹生屋(おほにふや)主人(しゆじん)は、
075(この)天候(てんこう)(たしか)颶風(ぐふう)襲来(しふらい)なれば、076今晩(こんばん)舟出(ふなで)見合(みあ)はしませう。077まして海上(かいじやう)十里(じふり)(あら)沖中(おきなか)(ひと)(じま)へ、078こんな(ちひ)さい釣舟(つりぶね)にては到底(たうてい)安全(あんぜん)(わた)ることは出来(でき)ませぬ、079(ひと)(ちが)へば、080可惜(あたら)貴重(きちよう)生命(せいめい)()てねばならぬ、081明日(あす)夜明(よあけ)()つて、082天候(てんこう)()きわめ、083これで大丈夫(だいぢやうぶ)といふことがきまつてから御参(おまゐ)りなさい』
084としきりにとどめる。085(また)舟人(ふなびと)異口同音(いくどうおん)に、086到底(たうてい)海上(かいじやう)安全(あんぜん)(わた)()()からざることを主張(しゆちやう)して、087(ふね)()さうとは()はぬのみか、088一人(ひとり)()二人(ふたり)()り、089コソコソとどこかへ()げて()つて(しま)うのであつた。090教祖(けうそ)は、
091教祖(けうそ)神様(かみさま)御命令(ごめいれい)だから、092そんなことを()つて一時(いちじ)()猶予(いうよ)することは出来(でき)ませぬ。093()()でも(いま)から(ふね)(こしら)へて()(もら)ひたい。094今晩(こんばん)(うみ)のあれるのは竜宮様(りうぐうさま)私等(わしら)一行(いつかう)を、095(よろこ)(いさ)んでお(むか)へに()(くだ)さる(ため)に、096(あら)(かぜ)()いたり、097(あめ)()つたりするのだ。098(なみ)(たか)いのは当然(たうぜん)だ。099船頭(せんどう)サン、100大丈夫(だいぢやうぶ)だ、101(かみ)さまがついて御座(ござ)るから、102(すこ)しも(おそ)れず、103(はや)(ふね)()()して(くだ)さい。104博奕ケ崎(ばくちがさき)(まで)()いで()けば、105屹度(きつと)(かぜ)はなぎ、106(あめ)はやみ、107(なみ)(しづ)まります。108天下(てんか)危急(ききふ)場合(ばあひ)だから、109一刻(いつこく)躊躇(ちうちよ)することは出来(でき)ぬ。110()ぬるのも(いき)るのも(みな)神様(かみさま)思召(おぼしめし)によるものだ。111神様(かみさま)()なそまいと思召(おぼしめ)すなら、112どんなことがあつても()ぬものぢやない、113信仰(しんかう)のない(もの)一寸(ちよつと)したことに(おそ)れるものだ、114今度(こんど)大丈夫(だいぢやうぶ)だから、115是非々々(ぜひぜひ)()つておくれ』
116雄健(をたけ)びして船頭(せんどう)主人(しゆじん)言葉(ことば)()()れる気色(けしき)もなかつた。117大丹生屋(おほにふや)主人(しゆじん)(はじ)め、118一同(いちどう)舟人(ふなびと)()(ちひ)さい(こゑ)で、
119(かね)もほしいが(いのち)大事(だいじ)だ。120こんな気違(きちが)()アさんの(いのち)()らずの馬鹿者(ばかもの)相手(あひて)になつて()つては(たま)らぬ』
121嘲笑的(てうせうてき)(ささや)き、122(ただ)一人(ひとり)(おう)ずるものが()い。123一行(いつかう)五人(ごにん)如何(いかん)ともすること(あた)はず、124只管(ひたすら)一時(ひととき)(はや)出舟(でぶね)都合(つがふ)をつけて(くだ)さいと(はし)(うへ)合掌(がつしやう)して(いの)りつつあつた。125木下(きのした)操舟(さうしう)鍛練(たんれん)(きこ)えある漁師(れふし)126田中(たなか)岩吉(いはきち)127橋本(はしもと)六蔵(ろくざう)二人(ふたり)(うま)()きつけて(かへ)(きた)り、
128只今(ただいま)より冠島(をしま)()れて()てくれ』
129(あらた)めて(たの)()むと、130二人(ふたり)()(まる)うして、
131『なんぼ(かみ)さまの命令(めいれい)でも(この)(そら)では()けませぬ。132私等(わたしら)(なが)らくの(あひだ)133(ふね)(なか)(いへ)のやうに(おも)ひ、134海上(かいじやう)生活(せいくわつ)をやつて()ります(ゆゑ)135大抵(たいてい)()れならこぎ()して()ますが、136(この)気色(けしき)では到底(たうてい)駄目(だめ)です。137一体(いつたい)あんた()何処(どこ)(ひと)ぢや本当(ほんたう)無茶(むちや)(ひと)ですなア』
138(あき)れて一行(いつかう)(かほ)()つめて()る。139教祖(けうそ)(しき)りに(うなが)し、
140教祖(けうそ)(はや)(はや)く』
141()()てられる。142船頭(せんどう)返事(へんじ)をせぬ。143かくては(はて)じと、144二人(ふたり)船頭(せんどう)(むか)つて、
145海上(かいじやう)一町(いつちやう)でも半里(はんみち)でもよいから、146冠島(をしま)までの賃金(ちんぎん)(はら)ふから、147マア中途(ちうと)から(かへ)(つも)りで()つてくれ』
148木下(きのした)()つた。149二人(ふたり)船頭(せんどう)は、
150『お(まへ)さまたちが、151そこまで()いて(おつ)しやるのならば、152キツと神様(かみさま)(をしへ)でありませう、153確信(かくしん)がなければ、154到底(たうてい)(この)気色(けしき)()くといふ()にはなれますまい。155(わたし)一寸(ちよつと)冠島(をしま)さまに(うかが)つてみて決心(けつしん)します』
156といひ(なが)ら、157新橋(しんばし)(うへ)()つて、158冠島(をしま)(はう)(むか)合掌(がつしやう)祈願(きぐわん)しつつ、159俄作(にはかづく)りのみくじを()いて()て、
160『ヤツパリ神様(かみさま)()けとありますから、161()(かく)()ける(ところ)まで()ぎつけて()ませう』
162半安半危(はんあんはんき)気味(きみ)承諾(しようだく)()()らしつつ、163早速(さつそく)用意(ようい)(ととの)五人(ごにん)()せて(いさぎよ)舞鶴港(まひづるかう)(あと)にして、164屋根無(たなな)小舟(をぶね)(あやつ)り、165雨風(あめかぜ)(なか)(こと)ともせず、166自他(じた)七人(しちにん)生霊(せいれい)()せ、167舟唄(ふなうた)(たか)()()した。
168 海上(かいじやう)二里(にり)(ばか)()()たと(おも)(ころ)169教祖(けうそ)のさして()られた蝙蝠傘(かうもりがさ)如何(どう)した(はづ)みか、170(にはか)(なみ)にさらはれ(とり)おとされたと()()に、171(とも)()つて()(あやつ)つてゐた、172舟人(ふなびと)岩吉(いはきち)()ざとく()とめて、173(ひろ)()げた。174(とき)しも舟底(ふなぞこ)(ひぢ)(まくら)にして、175ウツウツ(ねむ)つて()澄子(すみこ)(たちま)()()まし、
176澄子(すみこ)『アヽ吃驚(びつくり)した、177(いま)平蔵(へいざう)サンが、178(あやま)つて海中(かいちう)(おちい)り、179(いのち)(あやふ)(ところ)教祖(けうそ)さまのうしろの(はう)から、180威容(ゐよう)凛然(りんぜん)たる神様(かみさま)(あらは)れて、181平蔵(へいざう)サンを(すく)()げ、182(いき)(くち)から()()んで蘇生(そせい)せしめられたと(おも)へば、183ヤツパリ(ゆめ)であつたか』
184不思議(ふしぎ)(さう)(かた)()す。185一行(いつかう)一層(いつそう)異様(いやう)(おも)ひを()し、186教祖(けうそ)()つてこられた蝙蝠傘(かうもりがさ)をよくよく調(しら)べて()れば、187(まさ)しく平蔵(へいざう)サンの(かさ)であつた。188至仁(しじん)至愛(しあい)大神(おほかみ)は、189教祖(けうそ)さまをして身代(みがは)りの(ため)に、190平蔵(へいざう)()(かさ)(うみ)におとさしめて、191(その)危難(きなん)(すく)ひ、192(つみ)(きよ)め、193(あたら)しい人間(にんげん)(うま)()はらして(くだ)さつたのでせう……と各自(かくじ)感歎(かんたん)(なが)ら、194(せま)(ふね)(なか)静座(せいざ)し、195(ひざ)をつき(あは)(なが)ら、196一同(いちどう)謝恩(しやおん)祝詞(のりと)(そう)しつつ、197(いさ)(すす)んで、198雨中(うちう)()()した。
199 こんなことを()()てると、200信仰(しんかう)なき(ひと)は、201(あるひ)狂妄(きやうもう)といひ迷信(めいしん)(そし)り、202偶然(ぐうぜん)暗合(あんがふ)(わら)ふであらう。203神異霊怪(しんいれいくわい)なるものの()にあるべき道理(だうり)はないと一笑(いつせう)()して(かへり)みないであらう。204さり(なが)天地(てんち)(あひだ)は、205すべて摩訶(まか)不思議(ふしぎ)なものであることは、206本居(もとをり)宣長(のりなが)玉鉾百首(たまほこひやくしゆ)にもよまれた(とほ)りである。
207あやしきを(あら)じといふは()(なか)
208(あや)しき()らぬしれ(ごころ)かも
209しらゆべきものならなくに()(なか)
210くしき(ことわり)(かみ)ならずして
211 (みぎ)(うた)()(ごと)く、212天地間(てんちかん)(すべ)奇怪(きくわい)にして人心小智(じんしんせうち)(うかが)()るべき(かぎ)りではない。213(しか)るに中古(ちうこ)より聖人(せいじん)などいふ(もの)()(きた)りてより、214怪力乱神(くわいりきらんしん)(かた)らずとか、215正法(しやうはふ)不思議(ふしぎ)なしとか(さと)(がほ)屁理屈(へりくつ)()りまはしてより、216世人(せじん)(こころ)漸次(ぜんじ)無神論(むしんろん)(かたむ)き、217神霊(しんれい)霊怪(れいくわい)無視(むし)し、218宇宙(うちう)真理(しんり)得悟(さと)らざるに(いた)り、219至尊(しそん)至貴(しき)万邦(ばんぱう)無比(むひ)神国(しんこく)()らざるに立到(たちいた)つたのである。220(また)玉鉾百首(たまほこひやくしゆ)に、
221からたまのさかしら(ごころ)うつりてぞ
222世人(よびと)(こころ)()しくなりぬる
223しるべしと(しこ)物知(ものし)りなかなかに
224よこさの(みち)(ひと)まどわすも
225とよまれてあるのも(じつ)(もつと)もな次第(しだい)である。226却説(さて)舟人(ふなびと)一生懸命(いつしやうけんめい)にこぐ(ふね)(はや)くも博奕ケ岬(ばくちがさき)についた。227教祖(けうそ)(こと)あげせられた(ごと)く、228ここ(まで)()ると、229(あめ)(にはか)()れ、230(かぜ)はなぎ(なみ)(しづ)まつて、231満天(まんてん)(ほし)(ひかり)(うみ)(そこ)(ふか)宿(やど)つて、232波紋(はもん)銀色(ぎんしよく)(いろ)どり、233(くも)(うへ)(うみ)(そこ)(あは)(かがみ)(ごと)く、234(むかし)()()の、
235(さを)はうがつ(なみ)(うへ)(つき)を、
236(なみ)はおそふ(うみ)(なか)(ふね)
237(おも)ひうかべ(じつ)壮快(さうくわい)気分(きぶん)()たれた。
238(かげ)()れば(なみ)のそこなる久方(ひさかた)
239(そら)こぎわたる(われ)ぞわびしき
240といふ紀貫之(きのつらゆき)(うた)まで(おも)()され、241(ひと)しほ感興(かんきよう)(ふか)(すす)(をり)しも、242ボーツと(うみ)のあなたに(くろ)(かげ)(つき)(さへぎ)つた。243舟人(ふなびと)は、
244『あゝ冠島(をしま)さまが()えました』
245(さけ)んだ(とき)一同(いちどう)(うれ)しさは、246(おき)(かもめ)のそれならで、247飛立(とびた)(ばか)り、248竜神(りうじん)(てん)(のぼ)るの(とき)()たる(よろこ)びも()くやあらむと(おも)はれ、249()()はれぬ爽快(さうくわい)(ねん)にうたれた。
250 (しばら)くあつて(ひがし)(そら)燦然(さんぜん)として(あかね)さし、251若狭(わかさ)(やま)(うへ)より、252黄金(こがね)(たま)をかかげたる(ごと)く、253天津(あまつ)()(かみ)豊栄昇(とよさかのぼ)りに(かがや)(たま)ひ、254(はや)くも冠島(をしま)()()(ばか)り、255()(まへ)(ふさ)がり、256(さへづ)百鳥(ももどり)(こゑ)百千万(ひやくせんまん)楽隊(がくたい)一斉(いつせい)(がく)(そう)したるかと(うたが)はるる(ばか)りであつた。257かの昔語(むかしがたり)にとく(ところ)浦島子(うらしまし)(かめ)()つて、258竜宮(りうぐう)()き、259乙姫(おとひめ)(さま)玉手箱(たまてばこ)(さづ)かつて()(かへ)つたと(つた)ふる竜宮島(りうぐうじま)も、260安部(あべ)童子丸(どうしまる)がいろいろの神宝(しんぽう)妙術(めうじゆつ)(さづ)けられたといふ竜宮島(りうぐうじま)(また)261古事記(こじき)などに記載(きさい)せられたる彦火々出見命(ひこほほでみのみこと)塩土(しほつち)(おきな)(をし)へられて、262(うみ)()ちたる釣針(つりばり)(さが)()さむと(わた)りましたる海神(わだつみ)(みや)(みな)(この)冠島(をしま)なりと()(つた)ふる(だけ)あつて、263どこともなく、264神仙(しんせん)(きやう)(すす)()つたる(おも)ひが()かんで()た。
265 正像末和讃(しやうざうまつわさん)にも266末法五濁(まつぽふごじよく)有情(うじやう)行証(ぎやうしよう)(かな)はぬ(とき)なれば、267釈迦(しやか)遺法(ゆゐはふ)(ことごと)竜宮(りうぐう)()(たま)ひにき。
268 正像末(しやうざうまつ)三時(さんじ)には弥陀(みだ)本願(ほんぐわん)(ひろ)まれり、269澆季末法(げうきまつぽふ)(この)()には諸善(しよぜん)竜宮(りうぐう)()(たま)270とあるを()れば仏教家(ぶつけうか)(また)非常(ひじやう)竜宮(りうぐう)有難(ありがた)がつて()るらしい、271かかる目出(めで)たき蓬莱島(ほうらいじま)(つつが)なく(ふね)()いた。
272 翠樹(すいじゆ)鬱蒼(うつさう)たる華表(とりゐ)(かたはら)273老松(らうしよう)(とく)(ひい)でて雲梯(うんてい)(ごと)(みき)のまわり三丈(さんぢやう)にも(あま)名木(めいぼく)(くは)()冠島山(をしまやま)(いただき)()(そび)え、274幾十万(いくじふまん)諸鳥(もろとり)(こゑ)教祖(けうそ)一行(いつかう)歓迎(くわんげい)するが(ごと)くに(おも)はれた。275(じつ)竜宮(りうぐう)()()山海明媚(さんかいめいび)276風光絶佳(ふうくわうぜつか)勝地(しようち)である。277教祖(けうそ)上陸(じやうりく)早々(さうさう)278波打際(なみうちぎは)御禊(みそぎ)された。279一同(いちどう)(これ)(なら)うて御禊(みそぎ)をなし、280神威(しんゐ)赫々(かくかく)たる老人島(おいとじま)神社(じんじや)神前(しんぜん)(しづ)かに(すす)みて、281蹲踞(そんきよ)敬拝(けいはい)し、282綾部(あやべ)より調理(てうり)(きた)れる、283(やま)(もの)(かは)(うを)うまし(もの)くさぐさを(たてまつ)り、284治国平天下安民(ちこくへいてんかあんみん)祈願(きぐわん)をこらす、285祝詞(のりと)(こゑ)九天(きうてん)(たつ)し、286拍手(はくしゆ)(こゑ)六合(りくがふ)(きよ)むる(おも)ひがあつた。287これにて()冠島(をしま)(まう)での目的(もくてき)(たつ)し、288帰路(きろ)(なみ)もしづかに九日(ここのか)夕方(ゆふがた)289舞鶴港(まひづるかう)大丹生屋(おほにふや)立帰(たちかへ)り、290(あく)十日(とをか)(また)もや徒歩(とほ)にて、291数多(あまた)信者(しんじや)(むか)へられ、292目出度(めでた)綾部(あやべ)本宮(ほんぐう)(かへ)ることを()たのである。293あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
294大正一一・一〇・一七 旧八・二七 松村真澄録)
   
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