霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一七章 旅装(りよさう)〔一〇五四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第38巻 舎身活躍 丑の巻 篇:第3篇 冒険神験 よみ:ぼうけんしんけん
章:第17章 第38巻 よみ:りょそう 通し章番号:1054
口述日:1922(大正11)年10月18日(旧08月28日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年4月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
明治三十三年八月一日、喜楽は郷里の義弟が危篤の電報に接して、急いで故郷へ帰った。義弟の西田元吉は重体であったが、神界へ祈願の上全快することを得た。これが西田元教が信仰の道に入ったきっかけである。
喜楽が綾部へ帰ってみると、門口に荷物一切が荒縄や新聞紙で包んで放り出してある。聞けば、四方春蔵が独断で役員会を開き、教祖にも内緒でこんなことをしたのだという。
四方春蔵は陰謀が露見し、四方平蔵を取り持ちにして謝罪の嘆願をなし、ひとまず無事におさまった。しかし機会さえあれば上田を追い出してやろうという考えは少しも離れなかった。
自分は教祖に招かれて、義弟が回復した報告をなして喜び合っていたが、そこに中村竹蔵がやってきて、お筆先を盾に喜楽を非難し始めた。教祖は中村をたしなめ、三宝の上に置かれた筆先を気楽に渡された。
そこには、普通の人間では行かれないところに出修する旨が書かれていた。教祖のほかに、上田海潮、出口澄子、四方春蔵の三人を連れて行くとあった。
自分は四方春蔵が同道することに異を唱えたが、神様の主意を教祖に諭されて納得した。その日は八月七日であった。
教祖は自分に、恐ろしいことがあるから裏口を開けてごらんなさい、神様が皆の戒めのためじゃとおっしゃっている、というので、側にいた四方祐助と四方春蔵を誘って見てみた。
三人が見回していると、カエルがミミズを飲み込み、蛇がカエルを飲み込んだ。次いで、自分が寵愛しているお長という雌猫が蛇をかみ殺した。すると大きな黒猫が現れてお長を追い、お長は黒猫にかまれて木の枝から墜落して伸びてしまった。
自分はお長の敵と黒猫を木から揺り落そうとしたが、猫の糞まみれにされてしまった。三人は、上には上があるものだということを知った。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm3817
愛善世界社版:180頁 八幡書店版:第7輯 226頁 修補版: 校定版:185頁 普及版:96頁 初版: ページ備考:
001 明治(めいぢ)三十三年(さんじふさんねん)八月(はちぐわつ)一日(いちじつ)002喜楽(きらく)郷里(きやうり)なる穴太(あなを)より義弟(ぎてい)危篤(きとく)電報(でんぱう)(せつ)し、003(いそ)故郷(こきやう)(かへ)つた。004(あん)(ごと)大病(たいびやう)義弟(ぎてい)なる西田(にしだ)元吉(もときち)重態(ぢうたい)である。005早速(さつそく)神界(しんかい)祈願(きぐわん)(うへ)006全快(ぜんくわい)すべきことを()げ、007(その)翌々(よくよく)三日(みつか)綾部(あやべ)(かへ)つた。008大本(おほもと)布教者(ふけうしや)西田(にしだ)元教(げんけう)(この)(とき)(はじ)めて(かみ)(たふと)(こと)()つて信仰(しんかう)()つた。009(その)動機(どうき)には(じつ)面白(おもしろ)次第(しだい)あれど稿(かう)(あらた)めて口述(こうじゆつ)することとする。
010 さて綾部(あやべ)(かへ)つて()ると、011門口(かどぐち)喜楽(きらく)荷物(にもつ)一切(いつさい)荒縄(あらなは)古新聞(ふるしんぶん)(つつ)んで、012(はう)()してある。013不思議(ふしぎ)(おも)つて四方(しかた)春三(はるざう)()んで、014(たれ)()んな(こと)をしたのかと(たづ)ねると、015(かれ)顔色(かほいろ)()へて(おく)()()()んだ。016益々(ますます)不思議(ふしぎ)だと(おも)つて四方(しかた)祐助(いうすけ)()んで委細(ゐさい)()くと()うである。
017祐助(いうすけ)先生(せんせい)御不在中(ごふざいちう)役員(やくゐん)会議(くわいぎ)がありました。018(その)(とき)四方(しかた)春三(はるざう)サンが発起人(ほつきにん)で、019あんな上田(うへだ)サンの(やう)(わけ)(わか)らぬ先生(せんせい)は、020一日(いちにち)(はや)()(かへ)すがよい。021天眼通(てんがんつう)天耳通(てんじつう)(なに)もかも、022(みな)上田(うへだ)サンの()つて()(こと)は、023四方(しかた)春三(はるざう)(みな)(おぼ)えたから、024(いま)故郷(こきやう)(かへ)つて()られるのを(さいは)ひ、025一時(いちじ)(はや)荷物(にもつ)穴太(あなを)(おく)つて、026(ことわ)りに四方(しかた)平蔵(へいざう)サンが役員(やくゐん)総代(そうだい)()かれる(ところ)でありました。027あなたの御帰(おかへ)りが一日(いちにち)(おそ)かつたら、028(みな)役員(やくゐん)サンの思惑(おもわく)()つのに(をし)(こと)ぢや』
029(あたま)()いて苦笑(にがわら)ひをして()る。030そこで、
031喜楽(きらく)(この)(こと)教祖(けうそ)さまは御承知(ごしようち)か』
032(たづ)ねると、
033祐助(いうすけ)『イエイエあんたを(さき)(おく)つて(しま)ふた(うへ)教祖様(けうそさま)申上(まをしあ)げるのです。034(さき)教祖様(けうそさま)申上(まをしあ)げたら、035キツと()められるは必定(ひつぢやう)ぢや。036あんな権太郎(ごんたらう)先生(せんせい)(なが)らく()つて(もら)つては、037(みな)役員(やくゐん)(こま)るから、038(ぜん)(いそ)げといふ(こと)があると昨日(きのふ)から(みな)(もの)位田(ゐでん)村上(むらかみ)新之助(しんのすけ)サンの(うち)集会(しふくわい)してます』
039との(こと)である。040(まこと)油断(ゆだん)(すき)もあつたものでない。041(また)一方(いつぱう)四方(しかた)春三(はるざう)陰謀(いんぼう)露顕(ろけん)(およ)んだので、042(なん)とか善後策(ぜんごさく)(かう)ぜねばなるまいと、043位田(ゐでん)村上(むらかみ)(たく)(みづか)(はし)つて報告(はうこく)した。044反対者(はんたいしや)驚愕(きやうがく)(あま)(ほどこ)すべき手段(しゆだん)がないので、045とうとう山家村(やまがむら)鷹栖(たかのす)四方(しかた)平蔵(へいざう)(かた)へ、046謝罪(しやざい)して(もら)ひたいと歎願(たんぐわん)()かけた。047平蔵(へいざう)()取持(とりもち)双方(さうはう)(とも)一先(ひとま)無事(ぶじ)(おさ)まるは(おさ)まつたが、048機会(きくわい)さへあらば、049上田(じぶん)追出(おひだ)してやらうといふ(かんが)へは(すこ)しも(はな)れなかつたのである。050(いづ)れも(みな)金光教会(こんくわうけうくわい)教師(けうし)役員(やくゐん)信者(しんじや)になつて()つた人々(ひとびと)(ばか)りだから、051金光教(こんくわうけう)守護神(しゆごじん)(うつ)つて、052上田(じぶん)排斥(はいせき)せむとするので(その)肉体(にくたい)(じつ)()(どく)なものである。
053 喜楽(きらく)斯道(しだう)(ため)満腔(まんこう)熱誠(ねつせい)をこめ、054寝食(しんしよく)(わす)れて活動(くわつどう)せる結果(けつくわ)(おほい)(こう)(そう)し、055()(つき)隆盛(りうせい)(おもむ)き、056教祖(けうそ)是非(ぜひ)神勅(しんちよく)なれば上田(うへだ)をして事務(じむ)総理(そうり)せしめむとされたので、057(れい)足立(あだち)()憤怨(ふんゑん)()(ところ)()らず、058()京都(きやうと)()(なが)ら、059従来(じうらい)部下(ぶか)使嗾(しそう)して百方(ひやつぱう)排斥(はいせき)(こころ)み、060野心(やしん)満々(まんまん)たりし四方(しかた)春三(はるざう)旗頭(はたがしら)となし、061今回(こんくわい)横暴(わうばう)繰返(くりかへ)したるなるに、062(かか)重大事件(ぢうだいじけん)傍観(ばうくわん)()られし教祖(けうそ)心事(しんじ)面白(おもしろ)からずと、063(やや)捨鉢(すてばち)気分(きぶん)()()れる(さい)064四方(しかた)祐助(いうすけ)使(つかい)(もつ)て、065教祖(けうそ)上田(じぶん)(まね)かれたれば、066心中(しんちう)()(かさ)なれる疑団(ぎだん)()らすには好機(かうき)(いつ)()からずと、067(ただち)広前(ひろまへ)(さん)教祖(けうそ)故郷(こきやう)様子(やうす)などをお(はなし)し、068(たがひ)義弟(ぎてい)病気(びやうき)快方(くわいはう)(むか)へることを(よろこ)()つて()たが、069中村(なかむら)竹蔵(たけざう)(おく)一間(ひとま)より御神諭(ごしんゆ)(ほう)じて()(きた)り、070さもおごそかに喜楽(じぶん)(むか)ひ、
071中村(なかむら)今回(こんくわい)教祖(けうそ)殿(どの)(この)寒空(さむぞら)に、072何国(なにくに)へか神命(しんめい)(ほう)じて御修行(ごしうぎやう)御出(おで)ましになり、073御老体(ごらうたい)()として御苦労(ごくらう)(あそ)ばすこと、074吾々(われわれ)(なん)とも申様(まをしやう)がありませぬ。075(これ)(まつた)上田(うへだ)サンの改心(かいしん)出来(でき)ぬからであります。076(つつし)んでお筆先(ふでさき)拝読(いただ)きなされ。077神様(かみさま)御国(おくに)(ため)(つく)さなならぬ(ひと)が、078病人(びやうにん)(くらゐ)郷里(きやうり)(かへ)るなんて、079(じつ)神様(かみさま)(かる)しめて()られるのぢや。080(ひと)一人(ひとり)半分(はんぶん)()んだつて、081大切(たいせつ)御用(ごよう)()へられますか、082(この)筆先(ふでさき)今度(こんど)教祖(けうそ)さまが御修行(ごしうぎやう)御出(おで)ましなさる御神勅(ごしんちよく)でありますぞ、083改心(かいしん)出来(でき)(もの)教祖(けうそ)御伴(おとも)(かな)ひませぬ。084上田(うへだ)()れて()くとありますが、085あなたのやうなお(かた)のお()でになるべき(ところ)ぢやない。086何程(なにほど)神勅(しんちよく)でも、087役員(やくゐん)として御道(おみち)(ため)に、088拙者(せつしや)今回(こんくわい)御供(おとも)は、089生命(いのち)()へてもさせませぬ。090(その)(かは)りに拙者(せつしや)(およ)ばず(なが)御供(おんとも)(つかまつ)る。091上田(うへだ)サン如何(いかが)御座(ござ)る。092只今(ただいま)教祖(けうそ)(まへ)御返答(ごへんたふ)なされ。093トコトン改心(かいしん)するから、094御供(おとも)をさして(くだ)さいと契約書(けいやくしよ)御書(おか)きなさい』
095云々(しかじか)中村(なかむら)()(むね)一物(いちもつ)ある(こと)とて、096口角泡(こうかくあわ)()ばして上田(うへだ)(どく)()いて()る。097喜楽(きらく)()かぬ(かほ)して、098(よこ)()いて(には)(おも)(なが)めて()ると、099教祖(けうそ)中村(なかむら)()(むか)ひ、
100教祖(けうそ)御神諭(おふでさき)上田(うへだ)さまの(こと)ぢやと(おも)ふたら(ちが)ひますぜ、101中村(なかむら)サン チと(むね)()をおいて、102先日(せんじつ)からの(みな)サンの(おこな)ひを(かんが)へて、103取違(とりちが)ひを()さらぬやうに……』
104一言(ひとこと)(やはら)かな(はり)()れられて、105中村(なかむら)首尾(しゆび)(わる)さうに教祖(けうそ)(まへ)()がり、106御神諭(ごしんゆ)(もと)(ところ)(をさ)めて(しま)つた(ぎり)107(もの)()はず(つら)ふくらしつつ、108足音(あしおと)(たか)(たたみ)ざわり荒々(あらあら)しく、109自分(じぶん)居間(ゐま)(さが)つて(しま)つた。
110 教祖(けうそ)(みづか)()()ち、111神前(しんぜん)三宝(さんぱう)(うへ)()かれたお筆先(ふでさき)()づから喜楽(きらく)(わた)された。112(うやうや)しく押戴(おしいただ)いて(ただち)(その)()拝読(はいどく)すると、113御神文(ごしんもん)(なか)に、
114今度(こんど)普通(ふつう)人間(にんげん)では()かれぬ(ところ)ぢや。115実地(じつち)(かみ)住居(すまゐ)いたして()る、116結構(けつこう)(とこ)(こわ)(ところ)である。117(みな)改心(かいしん)(ため)上田(うへだ)海潮(かいてう)118出口(でぐち)澄子(すみこ)119四方(しかた)春三(はるざう)()(まゐ)るぞよ』
120(しる)されてあるので、121早速(さつそく)教祖(けうそ)(むか)つて(きび)しく談判(だんぱん)()きかけた。122(その)理由(りいう)四方(しかた)春三(はるざう)御供(おとも)(くは)はつて()ることである。123(かれ)当年(たうねん)(なつ)(ごろ)より上田(うへだ)排斥(はいせき)主謀者(しゆぼうしや)とも()ふべき人物(じんぶつ)で、124西原(にしばら)上谷(うへだに)(あひだ)峻坂(しゆんぱん)にて上田(うへだ)を○○せむとなしたる(ごと)侫人(ねいじん)である。125それでも寛仁大度(くわんじんたいど)吾々(われわれ)は、126神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)宣直(のりなほ)して(ゆる)して()いたにも(かか)はらず、127又々(またまた)今回(こんくわい)(わが)帰郷中(ききやうちう)大排斥運動(だいはいせきうんどう)原動力(げんどうりよく)となつて駆廻(かけまは)つて()る。128(しか)るに世界(せかい)善悪正邪(ぜんあくせいじや)透見(とうけん)(たま)(うしとら)金神様(こんじんさま)(かれ)をお(とも)(くは)へられるとは如何(どう)しても合点(がてん)出来(でき)ぬ、129艮金神(うしとらのこんじん)さまは()加減(かげん)(かみ)さまだ。130(かれ)(ごと)(もの)同行(どうかう)するは(あたか)(おく)(おほかみ)(みち)づれになるやうなものだ。131それを()つて同行(どうかう)させると(かみ)から()はれるのは、132(えう)するに上田(うへだ)排斥(はいせき)されたのであらう。133表面(へうめん)体裁(ていさい)()くし、134裏面(りめん)には上田(うへだ)同行(どうかう)させない御神意(ごしんい)であらうから、135今度(こんど)御伴(おとも)御免(ごめん)(かうむ)りたい……と(やや)憤怒(ふんど)(じやう)(もつ)教祖(けうそ)肉迫(にくはく)した。136さうすると教祖(けうそ)は、
137教祖(けうそ)『イエイエ(けつ)して(その)(やう)主意(しゆい)ではありませぬ。138最早(もはや)(この)(とほ)旅立(たびだち)用意(ようい)出来(でき)()りますから、139今度(こんど)是非(ぜひ)同行(どうかう)して(もら)はねばなりませぬ』
140蓑笠(みのかさ)(つゑ)草履(ざうり)など準備(じゆんび)出来上(できあが)つたのを、141()せられたので、142(やうや)得心(とくしん)して御供(おとも)することにした。143(その)()八月(はちぐわつ)七日(なぬか)であつた。144教祖(けうそ)(なほ)上田(じぶん)(むか)ひ、
145教祖(けうそ)海潮(かいてう)さん、146一寸(ちよつと)裏口(うらぐち)()けて御覧(ごらん)なさい、147(おそ)ろしい(こと)がありますからよく()ておいて(くだ)されや。148(みな)(いまし)めの(ため)ぢやと神様(かみさま)仰有(おつしや)りますぜ』
149との(こと)である。150(なん)となく気味(きみ)(わる)いので(そば)()四方(しかた)祐助(いうすけ)四方(しかた)春三(はるざう)とを(さそ)うて、151裏口(うらぐち)障子(しやうじ)開放(かいはう)して()たが、152教祖(けうそ)()はれたやうな(おそ)ろしいものは(ひと)つも見当(みあた)らぬ。153(なん)(こと)合点(がてん)()かぬので、154三人(さんにん)がそこらをキヨロキヨロ見廻(みまは)して()ると、155裏口(うらぐち)(かき)()(した)蚯蚓(みみづ)一筋(ひとすぢ)()うて()(ばか)り、156暫時(しばらく)()つと一疋(いつぴき)殿蛙(とのがへる)(いきほひ)よく()んで()たかと(おも)ふと、157矢庭(やには)(その)蚯蚓(みみづ)()んで(しま)うた。158(その)(あと)(また)(くろ)()なり(ふと)(へび)()()て、159(その)(かへる)一呑(ひとの)みにして(しま)うた。160(しか)(べつ)(これ)(くらゐ)(こと)(なに)(おそ)ろしいものかと(おも)つて三人(さんにん)熟視(じゆくし)してゐると、161平素(へいそ)上田(じぶん)寵愛(ちようあい)して()るお(ちやう)といふ雌猫(めすねこ)(はし)つて()(その)(へび)()(ころ)して(しま)うたと()()に、162何処(どこ)から()たか、163黒色(くろいろ)大猫(おほねこ)がお(ちやう)噛殺(かみころ)さむとする。164(ちやう)(おどろ)いて(ただち)(かき)()()(のぼ)つた。165黒猫(くろねこ)(また)(つづ)いてお(ちやう)(あと)()うて(かき)()(のぼ)つた。166上田(じぶん)はお(ちやう)(たす)けたさに(かき)()(つづ)いて攀登(よぢのぼ)つたが、167(いち)(えだ)まで(あが)つた(ころ)168(ちやう)黒猫(くろねこ)()まれて、169(かな)しい(こゑ)()して、170(たか)(えだ)(うへ)から地上(ちじやう)墜落(つゐらく)しふンのびて()いてゐる。171上田(じぶん)はお(ちやう)仇敵(かたき)一生懸命(いつしやうけんめい)になつて黒猫(くろねこ)をゆり(おと)さうとしたが、172()うしても()ちぬので、173()むを()(した)へおりて()ると、174上田(じぶん)(あたら)しい浴衣(ゆかた)(しろ)いのが、175(ねこ)(くそ)まぶれになつて()た。176三人(さんにん)(はじ)めて……あゝ(うへ)(うへ)のあるものぢや、177如何(いか)にも(おそ)ろしい(こと)ぢや……と(はだ)粟粒(あはつぶ)(しやう)ずる(ほど)(おどろ)いた。178(その)(とき)教祖(けうそ)はニコニコし(なが)三人(さんにん)(まへ)(あら)はれ、
179教祖(けうそ)『これで何事(なにごと)(わか)りませう』
180()はれたが、181(その)(とき)には(あま)(ふか)教祖(けうそ)御言葉(おことば)(こころ)にとめなかつたけれど、182(のち)(いた)つて(その)理由(りいう)判明(はんめい)したのである。
183大正一一・一〇・一八 旧八・二八 松村真澄録)
   
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