霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一章 大雲山(たいうんざん)〔一〇八五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第40巻 舎身活躍 卯の巻 篇:第1篇 恋雲魔風 よみ:れんうんまふう
章:第1章 第40巻 よみ:たいうんざん 通し章番号:1085
口述日:1922(大正11)年11月01日(旧09月13日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年5月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
鬼雲彦は、左守の鬼春別、右守の雲依別、石生能姫、鬼熊別その他の幹部連を大雲山の岩窟に集めて三五教・ウラル教に対して取るべき手段を謀議していた。
鬼雲彦は、鬼熊別の妻子が三五教に帰順して宣伝使となり、バラモン教の教線をかく乱しているとの報をしばしば耳にしていたので、二人の中にはいつしか大障壁が築かれた。
鬼熊別は左守の職を辞して部下たちと共に自分の館に潜んでバラモン教の行く末を案じ祈願していた。
今日は珍しく鬼雲彦の使いによって呼び出され、この協議の席に姿を現していた。この席には鬼雲彦の腹心ばかりが集まっていたので、鬼熊別との間には何となく意志の疎隔を来していた。
鬼雲彦(大黒主)は、三五教がバラモン教の本城であるハルナの都を覆そうとする計画を遂行しつつあることを示し、腹心たちにこれに対する対策を練るようにと申し渡して、奥の間に姿を隠した。
鬼雲彦の寵愛を受けている石生能姫が議長となって会議は始まった。左守は、鬼熊別が三五教のスパイとなっているとあからさまに疑いをかけた。鬼熊別はこれに反論して口論となるが、右守は鬼熊別を弁護した。
最終的には、石生能姫が鬼熊別監督の役を担うことになり、また明日からは大黒主の館へ出勤するようにと鬼熊別に情けをかけた。
石生能姫は大黒主の代理権を発揮し、左守の鬼春別に対して、カルマタ国にあるウラル教の印度本城を攻め落とすべく出陣を命じた。その留守役として鬼熊別を任命し、これをもって会議は終了した。
右守の雲依別は表面上左守と態度を合わせていたが、その実は鬼熊別を心中畏敬していた。石生能姫は、鬼熊別の男らしく威儀備わる容貌にひそかに恋着心を抱いていた。そのため、鬼熊別に同情する右守を止め、鬼熊別を讒言する左守と大足別に出陣を命じたのであった。
大黒主も恋愛の雲に包まれて、石生能姫に対しては善悪にかかわらず一言半句も反対したことはなかったのである。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4001
愛善世界社版:9頁 八幡書店版:第7輯 421頁 修補版: 校定版:9頁 普及版:4頁 初版: ページ備考:
001(そら)すみ(わた)初秋(はつあき)
002(かぜ)(すず)しき(つき)(くに)
003(はな)()れどもハルナの(みやこ)
004バラモン(けう)開設(かいせつ)
005大雲山(たいうんざん)岩窟(がんくつ)
006(やかた)(かま)へて鬼雲彦(おにくもひこ)
007大黒主(おほくろぬし)改名(かいめい)
008梵天王(ぼんてんわう)直胤(ちよくいん)
009(この)()(いつは)曲津業(まがつわざ)
010数多(あまた)軍隊(ぐんたい)引連(ひきつ)れて
011左手(ゆんで)教書(けうしよ)(ささ)げつつ
012右手(めて)(つるぎ)をぬきかざし
013七千余国(しちせんよこく)印度(つき)(くに)
014刹帝利族(せつていりぞく)大半(たいはん)
015おのが幕下(ばくか)(したが)へつ
016()(とり)さへも(おと)すよな
017(その)(いきほひ)(すさま)じさ
018(とき)しもあれやウラル(ひこ)
019ウラルの(ひめ)御教(みをしへ)
020宣伝(せんでん)しゆく神司(かむづかさ)
021常暗彦(とこやみひこ)(つき)(くに)
022デカタン高原(かうげん)(あら)はれて
023(をしへ)(はた)をひらめかし
024これ(また)左手(ゆんで)にコーランを
025(ささ)げつ右手(めて)(つるぎ)()
026バラモン(けう)(むか)()
027(いきほひ)やうやう(くは)はりて
028バラモン(けう)根底(こんてい)
029危殆(きたい)(ひん)(きた)りけり
030かてて(くは)へてウブスナの
031(やま)()てたるイソ(やかた)
032神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)
033(をしへ)(つた)ふる()出別(でわけ)
034八島(やしま)(ぬし)声望(せいばう)
035(あづま)(そら)天津(あまつ)()
036豊栄昇(とよさかのぼ)(ごと)くにて
037()()でならぬバラモンの
038教司(をしへつかさ)岩窟(がんくつ)
039(あつ)まり(きた)りいろいろと
040対抗戦(たいかうせん)(ひら)かむと
041鳩首(きゆうしゆ)謀議(ぼうぎ)折柄(をりから)
042早馬(はやうま)使(つか)ひのテルヂーが
043(いきほひ)()んで()(かへ)
044神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)
045部下(ぶか)面々(めんめん)イソ(やかた)
046味方(みかた)(あつ)めて(せま)()
047(その)(いきほひ)はライオンの
048速瀬(はやせ)(ごと)(いそ)がしく
049旗鼓(きこ)堂々(だうだう)()(きた)
050気配(けはい)(たしか)(おぼ)えたり
051(いま)(この)(とき)躊躇(ちうちよ)して
052月日(つきひ)(あだ)(おく)りなば
053(ほぞ)をかむとも(およ)ぶまじ
054(はや)精鋭(せいえい)軍卒(ぐんそつ)
055さし()(かれ)計画(けいくわく)
056根本的(こんぽんてき)(くつが)へし
057一泡(ひとあわ)()かしてこらさねば
058ハルナの(みやこ)(たちま)ちに
059土崩瓦解(どほうぐわかい)(おそれ)あり
060用意(ようい)めされと(いき)(はや)
061虚実(きよじつ)交々(こもごも)取混(とりま)ぜて
062注進(ちゆうしん)すれば神司(かむつかさ)
063大黒主(おほくろぬし)(おどろ)いて
064左守(さもり)右守(うもり)相対(あひたい)
065如何(いかが)はせむと(はか)(をり)
066(また)もや()()足音(あしおと)
067何人(なんぴと)ならむと(なが)むれば
068カルマタ(こく)(つか)はせし
069斥候隊(せきこうたい)のケリスタン
070(あせ)をタラタラ(なが)しつつ
071カルマタ(こく)割拠(かつきよ)する
072常暗彦(とこやみひこ)()(つき)
073猛虎(まうこ)(いきほひ)(くは)はりつ
074数多(あまた)軍勢(ぐんぜい)引率(いんそつ)
075山野(さんや)をわたりはるばると
076(つき)(みやこ)()めよせて
077一挙(いつきよ)(しろ)(くつが)へし
078バラモン(けう)根底(こんてい)より
079絶滅(ぜつめつ)せむと(はか)りゐる
080(その)計画(けいくわく)はありありと
081()()(ごと)()えにけり
082(いま)(この)(とき)(この)(とき)
083一挙(いつきよ)(かれ)()ちすてて
084(くに)(わざはひ)(はら)はねば
085(ほぞ)をかむとも(およ)ぶまじ
086一日(ひとひ)(はや)片時(かたとき)
087勇敢(ゆうかん)決死(けつし)軍卒(ぐんそつ)
088差向(さしむ)(たま)へと(あせ)(ぬぐ)
089風声鶴唳(ふうせいかくれい)におぢ(おそ)
090注進(ちゆうしん)するこそ可笑(をか)しけれ
091大黒主(おほくろぬし)(いろ)()
092大足別(おほだるわけ)打向(うちむか)
093如何(いかが)はせむと(たづ)ぬれば
094大足別(おほだるわけ)(ひぢ)()
095われは武勇(ぶゆう)神将(しんしやう)
096神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)
097常暗彦(とこやみひこ)(あら)はれて
098獅子(しし)奮迅(ふんじん)(いきほひ)
099本城(ほんじやう)()めかけ(きた)るとも
100(なに)かは(おそ)れむバラモンの
101(をしへ)神力(しんりき)()()けて
102刃向(はむか)奴輩(やつばら)ことごとく
103()つかけちらし()(たふ)
104(てき)千里(せんり)(しりぞ)けて
105(きみ)危難(きなん)(すく)ふべし
106(なに)()もあれ諸々(もろもろ)
107(かみ)(つかさ)(はか)らひて
108(その)(うへ)着否(ちやくひ)(けつ)せむと
109(にが)()つたる顔付(かほつき)
110ドカリと(その)()胡坐(あぐら)かき
111豪傑(がうけつ)(わら)ひに(まぎ)らしぬ。
112 鬼雲彦(おにくもひこ)(はじ)左守(さもり)鬼春別(おにはるわけ)113右守(うもり)雲依別(くもよりわけ)114石生能姫(いそのひめ)115鬼熊別(おにくまわけ)(その)()四五(しご)幹部連(かんぶれん)116大雲山(たいうんざん)岩窟(がんくつ)117大黒主(おほくろぬし)隠家(かくれが)(あつ)まつて、118三五教(あななひけう)119ウラル(けう)(たい)()るべき手段(しゆだん)(くび)(あつ)めて謀議(ぼうぎ)しつつあつた。120鬼雲彦(おにくもひこ)鬼熊別(おにくまわけ)(その)妻子(さいし)三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)し、121宣伝使(せんでんし)となつてバラモン(けう)教線(けうせん)攪乱(かくらん)せりとの急報(きふはう)屡々(しばしば)(みみ)にし、122猜疑(さいぎ)(まなこ)(いか)らし、123いつとはなしに二人(ふたり)(なか)には大障壁(だいしやうへき)(きづ)かれ、124大溝渠(だいこうきよ)穿(うが)たれ、125鬼熊別(おにくまわけ)怏々(わうわう)として(たのし)まず、126(つひ)には(みづか)左守(さもり)(しよく)()し、127部下(ぶか)神司(かむつかさ)(とも)に、128(おの)(やかた)(ひそ)みて、129梵天王(ぼんてんわう)(まつ)りたる神殿(しんでん)端坐(たんざ)し、130何卒(なにとぞ)一日(いちにち)(はや)大黒主(おほくろぬし)教主(けうしゆ)善道(ぜんだう)立帰(たちかへ)り、131大自在天(だいじざいてん)(をしへ)完全(くわんぜん)発揮(はつき)し、132()大国別(おほくにわけ)御子(みこ)国別彦(くにわけひこ)所在(ありか)(わか)りて、133ハルナの(みやこ)大教主(だいけうしゆ)として(のぞ)まるる()一日(いちにち)(はや)かれ……と(いの)りつつ、134一方(いつぱう)には妻子(さいし)所在(ありか)(たづ)ねむと、135日夜(にちや)祈願(きぐわん)余念(よねん)なかつたのである。136(しか)るに今日(けふ)大黒主(おほくろぬし)(めづら)しき使(つかひ)()つて、137(こころ)ならずも主命(しゆめい)もだし(がた)く、138(この)(せき)(おもて)(あら)はしてゐたのである。139(いま)此処(ここ)(あつ)まれる幹部(かんぶ)は、140(いづ)れも大黒主(おほくろぬし)股肱(ここう)(たの)部下(ぶか)のみで、141信任(しんにん)(もつと)(あつ)人物(じんぶつ)ばかりであつた。142そこへ鬼熊別(おにくまわけ)列席(れつせき)したのは(あだか)白米(しらが)(もみ)(まじ)つた(ごと)く、143(あぶら)(みづ)()したやうなもので、144(なん)とはなしに意思(いし)疎隔(そかく)(きた)したのも(まぬが)(がた)(ところ)であつた。
145 大黒主(おほくろぬし)立上(たちあが)つて一同(いちどう)(むか)ひ、
146今日(こんにち)一同(いちどう)をここに召集(せうしふ)したのは一日(いちにち)看過(かんくわ)(べか)らざる緊急(きんきふ)事件(じけん)突発(とつぱつ)したからである。147(そもそ)(わが)バラモン(けう)常世(とこよ)(くに)常世城(とこよじやう)より、148大国別(おほくにわけ)神命(しんめい)(ほう)じて埃及(エヂプト)(わた)り、149神徳(しんとく)四方(よも)(かがや)かし(たま)(さい)150(につく)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)151(わが)本城(ほんじやう)攻撃(こうげき)して、152(かみ)聖場(せいぢやう)蹂躙(じうりん)し、153吾等(われら)衆寡(しうくわ)(てき)せず、154大国別(おほくにわけ)教主(けうしゆ)(とも)に、155メソポタミヤの顕恩郷(けんおんきやう)(きよ)(てん)じ、156(やうや)神業(しんげふ)端緒(たんちよ)(ひら)きし(をり)157執念深(しふねんぶか)三五教(あななひけう)宣伝使輩(せんでんしはい)は、158言霊軍(ことたまぐん)引率(いんそつ)し、159神素盞嗚尊(かむすさのをのみこと)(めい)(しよう)し、160短兵急(たんぺいきふ)()めよせ(きた)り、161内外(ないぐわい)相応(あひおう)じて、162(ふたた)びバラモンの本城(ほんじやう)破壊(はくわい)()り、163吾等(われら)()むを()ず、164(なみだ)()んで親子(おやこ)夫婦(ふうふ)生別(いきわか)れ、165(やうや)忠勇義烈(ちうゆうぎれつ)なる部下(ぶか)(とも)自転倒島(おのころじま)(わた)り、166(また)もや神業(しんげふ)開始(かいし)する(をり)しも、167三五教(あななひけう)神司(かむつかさ)言霊(ことたま)(やぶ)られ、168無念(むねん)やる(かた)なく(ふたた)残党(ざんたう)(あつ)めて、169(この)(みやこ)(きた)り、170(つき)(くに)七千余ケ国(しちせんよかこく)大半(たいはん)征服(せいふく)し、171(いま)旭日昇天(きよくじつしようてん)(いきほひ)となり、172神業(しんげふ)葦原(あしはら)瑞穂国(みづほのくに)全体(ぜんたい)拡充(くわくじゆう)し、173バラモンの威力(ゐりよく)(しめ)さむと(いた)(をり)しも、174(あま)岩戸(いはと)閉鎖(へいさ)したると()悪神(あくがみ)張本(ちやうほん)素盞嗚尊(すさのをのみこと)175(ふたた)部下(ぶか)をかりあつめ、176黄金山(わうごんざん)177コーカス(ざん)178イソ(やかた)相俟(あひまつ)つて、179(ふたた)(わが)本城(ほんじやう)(くつが)へさむず計画(けいくわく)ありと()く。180(いま)(およ)んで(てき)牙城(がじやう)(せま)り、181(これ)殲滅(せんめつ)せざれば、182バラモン(けう)風前(ふうぜん)灯火(ともしび)(ごと)し。183汝等(なんぢら)忠勇義烈(ちうゆうぎれつ)依頼(いらい)して、184(われ)(この)(わざはひ)芟除(せんじよ)せむと(ほつ)す。185左守(さもり)(はじ)め、186一同(いちどう)(わが)(むね)(たい)し、187最善(さいぜん)方法(はうはふ)講究(かうきう)すべし』
188宣示(せんじ)し、189(かる)一瞥(いちべつ)(あた)へて、190(おく)()姿(すがた)(かく)した。
191 石生能姫(いそのひめ)は、192大黒主(おほくろぬし)立去(たちさ)りし(あと)(せき)儼然(げんぜん)として立現(たちあら)はれ、193いとおごそかに、
194只今(ただいま)大教主(だいけうしゆ)(あふ)せの(ごと)く、195本教(ほんけう)危急(ききふ)存亡(そんばう)()(ひん)せり、196(すみやか)評議(ひやうぎ)(こら)し、197至誠(しせい)吐露(とろ)して、198大教主(だいけうしゆ)御心(みこころ)(こた)(まつ)れよ』
199宣示(せんじ)するや、200左守(さもり)立上(たちあが)つて、
201吾々(われわれ)はバラモン(けう)(ため)202大黒主(おほくろぬし)御為(おんため)ならば(もと)より身命(しんめい)(をし)まぬ覚悟(かくご)(ござ)る。203(つい)ては慎重(しんちよう)審議(しんぎ)(いた)さねば、204(この)大問題(だいもんだい)軽々(けいけい)(けつ)することは出来(でき)ませぬ。205(わたし)断言(だんげん)します。206(いま)(いた)りて(かんが)ふれば、207(この)城内(じやうない)には二心(ふたごころ)ある有力(いうりよく)なる幹部(かんぶ)伏在(ふくざい)して、208三五教(あななひけう)やウラル(けう)(くわん)(つう)じ、209内外(ないぐわい)相応(あひおう)じて本教(ほんけう)転覆(てんぷく)せむとたくらむ曲者(くせもの)(ござ)います。210第一(だいいち)(この)悪人(あくにん)取調(とりしら)べなくては、211如何(いか)なる妙案(めうあん)奇策(きさく)(てき)漏洩(ろうえい)する(おそれ)があり、212到底(たうてい)目的(もくてき)(たつ)せられますまい』
213()(いか)らし、214ワザとに鬼熊別(おにくまわけ)面体(めんてい)(にら)みつけた。215鬼熊別(おにくまわけ)平然(へいぜん)として(かほ)(いろ)をも()へず(ひか)へてゐる。
216 右守(うもり)雲依別(くもよりわけ)立上(たちあが)り、217(たく)(たた)いて(こゑ)(はげ)まし、
218鬼春別(おにはるわけ)(さま)(あふ)せの(ごと)く、219(てき)巨魁(きよくわい)(この)城中(じやうちう)(ひそ)()るは一目(いちもく)瞭然(れうぜん)たる事実(じじつ)(ござ)いませう。220さうでなくては今日(こんにち)まで世界(せかい)秘密国(ひみつこく)として自由自在(じいうじざい)にバラモンの(をしへ)拡張(くわくちやう)し、221無人(むじん)()()(ごと)有様(ありさま)でありしもの、222(にはか)各地方(かくちはう)刹帝利(せつていり)反旗(はんき)(ひるがへ)し、223(たふと)きバラモン(しん)(むか)つて不順(ふじゆん)(いろ)あり、224人心(じんしん)恟々(きようきよう)として(やす)からず、225天下(てんか)騒擾(さうぜう)(まさ)勃発(ぼつぱつ)せむとする(てう)ある(とき)226ウブスナ(やま)227カルマタ(じやう)より、228数多(あまた)神軍(しんぐん)引連(ひきつ)押寄(おしよ)(きた)らむとの注進(ちゆうしん)は、229(けつ)して虚言(きよげん)ではありますまい。230いざこれより、231城内(じやうない)(ひそ)巨魁(きよくわい)誅伐(ちうばつ)し、232首途(かどで)血祭(ちまつり)となして、233怨敵調伏(をんてきてうふく)出師(すゐし)をなさむ、234列座(れつざ)面々(めんめん)如何(いかが)思召(おぼしめ)さるるや』
235 鬼熊別(おにくまわけ)立上(たちあが)り、
236(あや)しき(こと)(うけたま)はるものかな。237バラモン(けう)本城(ほんじやう)(てき)(くわん)(つう)ずる巨魁(きよくわい)ありとは、238そは何人(なんぴと)(こと)(ござ)るか。239左様(さやう)悪神(あくがみ)一時(いちじ)(はや)誅伐(ちうばつ)し、240国家(こくか)(わざはひ)根底(こんてい)より(のぞ)かねば、241バラモン(けう)は、242いかに神力(しんりき)(つよ)くとも(いま)安心(あんしん)する(ところ)へは(まゐ)りますまい。243左守(さもり)殿(どの)のお言葉(ことば)によれば、244(たしか)(その)巨魁(きよくわい)(この)城中(じやうちう)(ひそ)みゐる(こと)御承知(ごしようち)のやうに()きました。245(その)悪人(あくにん)何人(なんぴと)なるか、246(すみやか)御発表(ごはつぺう)(ねが)ひます』
247()はせも()てず、248鬼春別(おにはるわけ)はクワツと()()ひらき、249(こゑ)(あら)らげ、250(かほ)真赤(まつか)(いろ)どりながら、
251『お(だま)()され、252鬼熊別(おにくまわけ)どの、253(その)張本人(ちやうほんにん)(まを)すは鬼熊別(おにくまわけ)といふ悪虐(あくぎやく)無道(ぶだう)侫人(ねいじん)ばらで(ござ)る。254()はずと()れた、255鬼熊別(おにくまわけ)(この)城内(じやうない)一人(ひとり)より(ござ)るまい。256(すみやか)事情(じじやう)逐一(ちくいち)白状(はくじやう)(いた)して(その)赤誠(せきせい)(あら)はすか、257さなくば吾々(われわれ)面前(めんぜん)(おい)(をとこ)らしく切腹(せつぷく)めされよ』
258鬼熊(おにくま)『こは心得(こころえ)左守(さもり)殿(どの)御言葉(おことば)259(なに)証拠(しようこ)に、260左様(さやう)(こと)(あふ)せらるるか。261()せても()れても、262バラモン(けう)柱石(ちうせき)鬼熊別(おにくまわけ)263めつたな(こと)(まを)さるると、264()(すて)はなりませぬぞ』
265鬼春(おにはる)『アハヽヽヽ悪人(あくにん)猛々(たけだけ)しいとは此処(ここ)(こと)266よくもマア、267ヌツケリと白々(しらじら)しい(その)言葉(ことば)268ハルナの(しろ)には(めくら)一人(ひとり)()りませぬぞ。269左様(さやう)(こと)看破(かんぱ)出来(でき)ないやうな(こと)で、270如何(どう)して大切(たいせつ)左守(さもり)(つと)まらうか』
271(たしか)証拠(しようこ)あつての(あふ)せか。272サアそれが(うけたま)はりたい。273サア如何(いかが)御座(ござ)る』
274『サア それは』
275『サアサア如何(いかが)(ござ)る、276御返答(ごへんたふ)(うけたま)はりませう』
277『サア それは』
278『サア サア サア』
279二人(ふたり)両方(りやうはう)より意気(いき)まいてゐる。280右守(うもり)はツと()つて、
281『アイヤ両人(りやうにん)(しば)らく()たれよ』
282(せい)すれば、283二人(ふたり)不承々々(ふしようぶしよう)(おの)()につき、284(たがひ)(にら)()つてゐる。
285雲依(くもより)左守(さもり)(あふ)せは数多(あまた)斥候(せきこう)どもの種々(いろいろ)注進(ちゆうしん)綜合(そうがふ)して、286これは(まさ)しく鬼熊別(おにくまわけ)が、287敵方(てきがた)(くわん)(つう)ずる(もの)ならむとの推定(すいてい)()ぎますまい。288(わたし)(かんが)へますには鬼熊別(おにくまわけ)(さま)()かる嫌疑(けんぎ)()けられたのも二三(にさん)原因(げんいん)があるだらうと(おも)ひます。289(いま)(ここ)羅列(られつ)すれば、290()第一(だいいち)鬼熊別(おにくまわけ)殿(どの)(つま)蜈蚣姫(むかでひめ)殿(どの)(いま)三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)し、291堂々(だうだう)たる宣伝使(せんでんし)となつて天下(てんか)布教(ふけう)()らるる(こと)292これが第一(だいいち)大黒主(おほくろぬし)さまの御気勘(ごきかん)(かな)はぬ(てん)疑惑(ぎわく)(おこ)導火線(だうくわせん)(ござ)る。293……(また)第二(だいに)小糸姫(こいとひめ)殿(どの)竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)(わた)り、294地恩城(ちおんじやう)(おい)女王(ぢよわう)となり三五教(あななひけう)(ひろ)め、295部下(ぶか)友彦(ともひこ)までも三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)せしめたるとの(うはさ)296これが第二(だいに)(うたがひ)原因(げんいん)297(つぎ)には妻子(さいし)三五教(あななひけう)心酔(しんすゐ)し、298最早(もはや)バラモン(けう)復帰(ふくき)する形勢(けいせい)もなきに、299何時(いつ)までも独身(どくしん)生活(せいくわつ)(つづ)け、300悪虐(あくぎやく)無道(ぶだう)妻子(さいし)(ふたた)家庭(かてい)(つく)らむとの御所存(ごしよぞん)()える、301これが第三(だいさん)(うたがひ)をまく(たね)302(つぎ)には大黒主(おほくろぬし)さまが鬼雲姫(おにくもひめ)さまの不都合(ふつがふ)(なじ)り、303別宅(べつたく)(つく)りて退隠(たいいん)(めい)(たま)うた(とき)304(これ)(たい)して極力(きよくりよく)反抗的(はんかうてき)態度(たいど)(もち)ひ、305新夫人(しんふじん)石生能姫(いそのひめ)(たい)悪感情(あくかんじやう)(いだ)()らるる(こと)306これも(また)疑惑(ぎわく)(たね)307大黒主(おほくろぬし)鬼熊別(おにくまわけ)との(あひだ)には(ふか)溝渠(こうきよ)穿(うが)たれ、308意思(いし)疎通(そつう)()きし(こと)309……(つぎ)には兵馬(へいば)(けん)(にぎ)り、310片手(かたて)教権(けうけん)掌握(しやうあく)(たま)大黒主(おほくろぬし)よりも、311武力(ぶりよく)なき()(もつ)て、312数多(あまた)国人(くにびと)信用(しんよう)()()らるる(こと)313これ(また)疑惑(ぎわく)(たね)となつて()るのだらうと(わたし)推察(すいさつ)(いた)します。314(しか)(なが)(かみ)(つか)(たま)()(もつ)左様(さやう)疑惑(ぎわく)(たね)()(ごと)御精神(ごせいしん)では(ござ)いますまい………と(わたし)(しん)ずるのであります。315(いま)斯様(かやう)内紛(ないふん)繰返(くりかへ)(とき)では(ござ)らぬ。316一時(いちじ)(はや)(そと)(むか)つて(てき)襲来(しふらい)(そな)へ、317()(てき)根底(こんてい)より滅亡(めつぼう)させねばならぬ国家(こくか)危機(きき)だから、318小異(せうい)()て、319大同(だいどう)(がつ)し、320協心戮力(けふしんりくりよく)して(この)国家(こくか)大事(だいじ)(そな)へようではありませぬか。321これ右守(うもり)(いつは)らざる至誠(しせい)告白(こくはく)(いな)忠告(ちうこく)(ござ)る』
322堂々(だうだう)として鬼熊別(おにくまわけ)寃罪(ゑんざい)弁護(べんご)しつつ()(きた)()()()()いた。323鬼春別(おにはるわけ)不機嫌顔(ふきげんがほ)にて(ふたた)立上(たちあが)り、
324如何(いか)にも心得(こころえ)右守(うもり)御言葉(おことば)325吾々(われわれ)一向(いつかう)合点(がてん)(まゐ)らぬ。326(しか)らば右守(うもり)どの、327鬼熊別(おにくまわけ)一身(いつしん)(つい)ては、328貴殿(あなた)一任(いちにん)しますから、329キツト(あやま)ちのなき(やう)御監督(ごかんとく)(ねが)ひます』
330雲依(くもより)神徳(しんとく)(たか)鬼熊別(おにくまわけ)さまの御監督(ごかんとく)とは(おも)ひもよらぬ大役(たいやく)なれど、331今日(こんにち)場合(ばあひ)()むを()ませぬ、332(おほせ)(したが)つて監督(かんとく)(うけたま)はりませう』
333鬼熊(おにくま)『これは心得(こころえ)ぬ、334御両人(ごりやうにん)御言葉(おことば)335悪虐(あくぎやく)無道(ぶだう)叛逆者(はんぎやくしや)ならばいざ()らず、336吾々(われわれ)(ごと)忠臣(ちうしん)義士(ぎし)(たい)して、337(なん)(ため)御監督(ごかんとく)(あそ)ばすか。338あらぬ嫌疑(けんぎ)をかけられ、339憤慨(ふんがい)(いた)りに()へねども、340国家(こくか)一大事(いちだいじ)(おもんぱか)り、341陰忍(いんにん)自重(じちよう)しつつある(われ)に、342(その)心遣(こころづか)ひは御無用(ごむよう)(ねが)ひませう』
343石生(いそ)(この)問題(もんだい)はどうぞ(わたし)(まか)して(もら)ひませう。344イヤ鬼熊別(おにくまわけ)さま、345エライ()()ませました。346(いま)()(なか)(まこと)(もの)(しひた)げられ、347(うたが)はれ、348大悪人(だいあくにん)(とき)めく時代(じだい)なれば、349あなたもそれだけの御疑(おうたがひ)()けさせられる半面(はんめん)にはキツト()(こと)があるでせう。350どうぞ御機嫌(ごきげん)(なほ)して、351今日(こんにち)以後(いご)日々(にちにち)国家(こくか)(ため)に、352(をしへ)(ため)に、353御登城(ごとじやう)御出勤(ごしゆつきん)(ねが)ひますよ』
354 鬼熊別(おにくまわけ)石生能姫(いそのひめ)言葉(ことば)感謝(かんしや)(なみだ)(ひそ)かに(なが)しながら、
355『ハイ有難(ありがた)(ござ)います。356(しか)らば御言葉(おことば)(したが)ひ、357明日(みやうにち)より出勤(しゆつきん)(いた)すことにきめませう。358今迄(いままで)不都合(ふつがふ)(ひら)にお(ゆる)しを(ねが)ひます』
359 石生能姫(いそのひめ)儼然(げんぜん)として言葉(ことば)(あらた)め、
360『イソの(やかた)へは左守(さもり)鬼春別(おにはるわけ)殿(どの)361部下(ぶか)軍卒(ぐんそつ)引連(ひきつ)出発(しゆつぱつ)さるべし。362(また)大足別(おほだるわけ)軍勢(ぐんぜい)引率(いんそつ)して、363カルマタ(こく)のウラル(けう)本城(ほんじやう)(むか)つて()()せらるべし。364鬼春別(おにはるわけ)目出度(めでた)凱旋(がいせん)ある(まで)(もと)(ごと)鬼熊別(おにくまわけ)殿(どの)365左守(さもり)となつて奉仕(ほうし)されたし。366右守(うもり)従前(じうぜん)のまま、367(いづ)れも神妙(しんめう)(こころ)(あは)せ、368()引合(ひきあ)神務(しんむ)従事(じうじ)されよ。369大教主(だいけうしゆ)(めい)()りて、370石生能姫(いそのひめ)371代理権(だいりけん)執行(しつかう)(いた)す』
372 一同(いちどう)(この)言葉(ことば)に、
373『ハハア』
374(こうべ)(かたむ)け、375承諾(しようだく)()(しめ)した。
376 (ちなみ)右守(うもり)雲依別(くもよりわけ)(とき)(いきほひ)(かう)(がた)く、377左守(さもり)表面(へうめん)バツを(あは)せてゐたが、378(その)(じつ)鬼熊別(おにくまわけ)(うる)はしき(こころ)日夜(にちや)行動(かうどう)感激(かんげき)し、379心中(しんちう)(ひそ)かに鬼熊別(おにくまわけ)畏敬(ゐけい)尊信(そんしん)してゐた。380それ(ゆゑ)鬼熊別(おにくまわけ)無辜(むこ)(あは)れみ弁解的(べんかいてき)弁論(べんろん)をまくしたてたのである。381(また)石生能姫(いそのひめ)鬼熊別(おにくまわけ)のどこともなく(をとこ)らしく、382威儀(ゐぎ)(そな)はる容貌(ようばう)に、383(こころ)(ひそ)かに恋着(れんちやく)してゐた。384それ(ゆゑ)大黒主(おほくろぬし)(あま)(この)まぬ鬼熊別(おにくまわけ)代理権(だいりけん)執行(しつかう)して左守(さもり)となし、385鬼熊別(おにくまわけ)同情(どうじやう)をよせつつある右守(うもり)(とど)め、386(つね)鬼熊別(おにくまわけ)讒言(ざんげん)する鬼春別(おにはるわけ)387大足別(おほだるわけ)出陣(しゆつぢん)させて(しま)つたのであつた。388(をんな)美貌(びばう)(しろ)(かたむ)くるとか()ふ。389(じつ)(をんな)(くらゐ)(おそ)ろしきものはない。390大黒主(おほくろぬし)(この)石生能姫(いそのひめ)には恋愛(れんあい)(くも)(つつ)まれて、391善悪(ぜんあく)(かかは)らず、392一言(いちごん)半句(はんく)(そむ)いた(こと)はなかつたのである。
393大正一一・一一・一 旧九・一三 松村真澄録)
   
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