霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一三章 (ためし)果実(このみ)〔一〇九七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第40巻 舎身活躍 卯の巻 篇:第3篇 霊魂の遊行 よみ:れいこんのゆうこう
章:第13章 第40巻 よみ:ためしのこのみ 通し章番号:1097
口述日:1922(大正11)年11月03日(旧09月15日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年5月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
二人は天国浄土の美しい光景の中を進んで行ったが、足は疲れ腹はすいてきた。天国浄土の旅路にも、飢えや渇きの悩みがあるものかと座りこんで休息しながら、祈願を深く凝らし、悔悟の涙にくれていた。
そこへ美しい女神が二個の果実をたずさえて現れ、二人に話しかけた。女神は生魂姫命と名乗り、月照彦神の命によって都率天からやってきたという。
カルとレーブは女神に礼を述べて果実をいただこうとしたが、女神は二つの果実の効能を説明し始めた。
一つの果実は足魂といって、味よく内臓をさわやかにし五年十年も空腹を満たすもの、一つは玉都売魂といって苦く固く、わずかに空腹を満たすことができるだけのものだという。
カルとレーブはお互いに、自分が玉都売魂をいただくので、足魂は相手にやってくれと女神に申し出た。
女神は、人に甘いものを与え自分が辛抱して善をおこなった、という心がある間は、真の善心ではなく虚偽的善事だと断じ、それによって天国浄土に行こうという野心があるのではないかと戒めた。
二人は女神に心を見透かされて恥じ入った。女神はさらに、どちらを取るかと問いかける。レーブはどちらも取ることはできないと答えると、女神は『天の与ふるを取らざれば災其身に及ぶ』とこれも戒めた。
カルはついに、レーブには気の毒だが自分の身を保つために足魂が欲しいと女神に頼んだ。カルは、人間の判断ではなく女神が与える方を受け入れる、と応えた。
女神は、何事も人間の道徳や倫理では解決がつかない、神にお任せするのが第一だと諭し、ようやく神界旅行の資格ができたとカルに足魂を与えた。カルは足魂を受け取ると瞬くうちに平らげてしまった。
女神は玉都売魂を地上に投げうった。すると五色の火光が発射して、数多の美しい女神となって天上に帰っていく。二人はこの光景を眺めて伏し拝んでいる。
女神は懐からもう一つ足魂を取り出すと、レーブに与えた。レーブは瞬くうちに木の実を平らげてしまった。
生魂姫神は、数多の女神に囲まれて中空に舞い上がり、天上に去って行った。カルとレーブは互いに顔を見合わせて、この顛末に心を揉んでいた。
レーブは、苦いといった玉都売魂から数多の女神が現れたところを見ると、玉都売魂はどんなにか結構な果実だったかもしれないが、天から与えられなかったのだから、仕方がないと述懐した。
カルは天国といってもやはり、苦い目、苦しい目をくぐり抜けなければ都率天へは昇れないというお示しではないか、一つの功もたてずに天国をぶらついていては、本当の栄えと喜びは出てこないと、心を取り直し、天国でひと働きしようとレーブに呼びかけた。
二人が歩みだすと、右側の下の道には現界の人間のありさまが見え、鬼や夜叉のような人間が羽振りをきかせ、正直な人間は車に引かれたり血を絞られたり、苦役を強いられていた。
またその先の道には、ランチ将軍の軍勢が黄金姫、清照姫と死闘を繰り広げ、狼の群れに追い散らされる様が見えた。生魂姫神が再び現れ、レーブとカルが見たものについて問いかけた。
女神は、二人が今見たような現界幽界の亡者を救おうと、国治立大神様は三五教を開かれたのだと諭した。そして難を避け安きにつき、世界人類の苦難を傍観して人力の及ぶところではないという態度を、無責任・無能・卑怯・人畜と非難した。
そして自分の良心と相談しなさいと忠告し、去って行った。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4013
愛善世界社版:171頁 八幡書店版:第7輯 480頁 修補版: 校定版:177頁 普及版:79頁 初版: ページ備考:
001芳香(はうかう)(くん)(はな)(にほ)
002(てふ)()小鳥(ことり)(うた)
003()一面(いちめん)花毛氈(はなまうせん)
004空地(あきち)もなしに()きつめし
005極楽浄土(ごくらくじやうど)光景(くわうけい)
006(なが)めて(とほ)(たの)もしさ
007紺碧(こんぺき)(くも)ただよへる
008(そら)日月(じつげつ)相並(あひなら)
009(その)光彩(くわうさい)七色(しちしよく)
010(かがや)(わた)(あつ)からず
011(また)(さむ)からず(その)気候(きこう)
012中和(ちうわ)()たる真中(まんなか)
013カルとレーブの両人(りやうにん)
014(あし)(まか)せて(すす)()
015浄土(じやうど)(たび)()ひながら
016(すこ)しく(あし)(つか)()
017(はら)空虚(くうきよ)(うつた)へつ
018五体(ごたい)勇気(ゆうき)何時(いつ)しかに
019(おとろ)(きた)りて(みち)()
020ドツカと()して(いき)(やす)
021天国(てんごく)浄土(じやうど)旅路(たびぢ)にも
022娑婆(しやば)世界(せかい)(こと)ならず
023饑渇(きかつ)のなやみあるものか
024(かみ)御諭(みふみ)()かれたる
025楽中苦(らくちうく)あり苦中(くちう)(また)
026(たの)しみありとの御教(みをしへ)
027(いま)()のあたり実現(じつげん)
028とても天地(てんち)()(らく)
029(たがひ)()()ふものなるか
030至喜(しき)至楽(しらく)境遇(きやうぐう)
031(かみ)()へども()られない
032これが天地(てんち)真相(しんさう)
033あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
034御霊(みたま)(さち)はひましまして
035苦楽(くらく)(みち)をほどほどに
036まくばり(あた)吾々(われわれ)
037(やす)(まも)らせ(たま)へよと
038(こころ)(ふか)(ねん)じつつ
039(みち)(かたへ)()()めて
040大空(おほぞら)(あふ)()()して
041悔悟(くわいご)(なみだ)にくれにける。
042 かかる(ところ)五色(ごしき)薄絹(うすぎぬ)をしとやかに着流(きなが)したる妙齢(めうれい)美人(びじん)043忽然(こつぜん)として(あら)はれ、044両手(りやうて)二個(にこ)(うる)はしき()()れぬ果物(このみ)(たづさ)二人(ふたり)(むか)(こゑ)(しづ)かに、
045貴方(あなた)はレーブ、046カルの御両人様(ごりやうにんさま)(ござ)いませう。047貴方(あなた)三途(せうづ)(かは)(わた)つてから(はや)(すで)一万里(いちまんり)道程(みちのり)徒歩(とほ)して、048()でになりましたのだから、049(さぞ)(なか)()いたでせう。050(わたし)都率天(とそつてん)より月照彦神(つきてるひこのかみ)(さま)(めい)(ほう)じ、051ここに(あら)はれたもので、052生魂姫命(いくむすびひめのみこと)(まを)します。053(この)果実(このみ)は、054貴方(あなた)飲食(おんじき)(さづ)けたいと(ぞん)じまして態々(わざわざ)ここ(まで)()(まゐ)りました。055何卒(なにとぞ)(あが)つて(くだ)さい』
056 レーブは、
057『ハツ』
058(かしら)()げ、
059宏大無辺(くわうだいむへん)神様(かみさま)のお慈悲(じひ)060(うる)はしき(はな)(みち)両側(りやうがは)()(にほ)うて()りますれど果実(このみ)(ひと)つもなく、061(うゑ)(せま)つて両人(りやうにん)(くる)しみ(もだ)え、062もはや一歩(いつぽ)()かれませぬので、063ここで(やす)んで()りました。064天道(てんだう)(ひと)(ころ)さずとやら、065(じつ)有難(ありがた)(ぞん)じます』
066カル『お(れい)申様(まをしやう)もなき有難(ありがた)き、067その(あふ)せ、068(つつし)んで頂戴(ちやうだい)(いた)します』
069両手(りやうて)(ひろ)げて(はや)くも(たい)(まへ)へつき()す。
070女神(めがみ)(この)果物(くだもの)都率天(とそつてん)より(くだ)されしもの、071(ふた)つに()つて()ふわけには()きませぬ。072(ひと)つの(はう)は、073足魂(たるむすび)()果物(くだもの)074(ひと)つは玉都売魂(たまつめむすび)()果物(くだもの)(ござ)います。075かう()(ところ)では(いろ)()容積(ようせき)(おな)じやうに()えて()りますが、076(この)足魂(たるむすび)()()()はれぬ(あま)(しる)(ふく)み、077五臓六腑(ござうろつぷ)(さはや)かに(いた)し、078(この)()()へば五年(ごねん)十年(じふねん)(はら)()かぬ重宝(ちようほう)なもので(ござ)ります。079(また)玉都売魂(たまつめむすび)果物(このみ)(はう)(わづ)かに(うゑ)(しの)(こと)出来(でき)ますが、080石瓦(いしかはら)(ごと)(かた)(あぢ)(わる)(にが)(しる)()(まゐ)ります。081(しか)(なが)空腹(くうふく)(しの)(だけ)は、082どうなと出来(でき)ますから、083()れか一個(いつこ)づつ(すす)ぜたう(ござ)います。084レーブ、085カルの両人様(りやうにんさま)086(こころ)(かな)うたのをお(あが)(くだ)さいませ』
087レーブ『ハイ、088有難(ありがた)(ござ)います。089それなら(わたし)玉都売魂(たまつめむすび)果実(このみ)(いただ)きます。090足魂(たるむすび)果実(このみ)何卒(なにとぞ)カルに(あた)へて(くだ)さいませ』
091カル『もし女神様(めがみさま)092(わたし)玉都売魂(たまつめむすび)果物(このみ)(いただ)きますから、093何卒(なにとぞ)レーブに足魂(たるむすび)果実(このみ)(さづ)けてやつて(くだ)さいませ』
094女神(めがみ)『オホヽヽヽ何方(どなた)(そろ)ひも(そろ)うて(この)(にが)いまづい(かた)果実(このみ)がお()きで(ござ)いますなア』
095レーブ『ハイ、096(きら)ひと()(わけ)(ござ)いませぬが、097(うま)いと()つても喉三寸(のどさんずん)(とほ)(あひだ)だけ、098(あぢ)ないと()つても(その)(とほ)り、099なるべくは(おの)れの(ほつ)する(ところ)(ひと)(ほどこ)し、100(ほつ)せざる(ところ)(ひと)(ほどこ)すなとのお(さとし)(まも)つて()ります吾々(われわれ)101どうしてカルに(あぢ)ないものを(まは)(こと)出来(でき)ませうか』
102カル『(わたし)(じつ)はレーブと同様(どうやう)意見(いけん)(ござ)います』
103女神(めがみ)『オホヽヽヽ、104(なん)とまア、105(えら)偽善者(きぜんしや)ですこと。106貴方(あなた)(かみ)のお(さとし)によつて、107そんな()(こころ)になれたのですな。108それでは、109まだ駄目(だめ)です。110天然(てんねん)自然(しぜん)惟神(かむながら)(こころ)から(おこ)つた(まこと)でないと駄目(だめ)ですよ。111自分(じぶん)(あぢ)ないものを辛抱(しんばう)して()ひ、112(ひと)(うま)いものを(あた)へ、113大変(たいへん)(ぜん)(おこな)つたと()ふやうなお(こころ)のある(あひだ)は、114矢張(やつぱり)(まこと)善心(ぜんしん)ではありますまい。115左様(さやう)虚偽的(きよぎてき)善事(ぜんじ)(おこな)ひ、116(その)(むく)いによつて天国(てんごく)浄土(じやうど)()かうと()矢張(やつぱり)野心(やしん)があるのでせう。117何故(なぜ)本能(ほんのう)発揮(はつき)して赤裸々(せきらら)自分(じぶん)(この)みを請求(せいきう)なさらぬのか。118まだまだ貴方(あなた)表面(うわべ)(かざ)(こころ)(さかん)発動(はつどう)して()ますよ』
119レーブ『ヤア、120(おそ)()りました。121(はら)(そこ)までエツキス光線(くわうせん)見透(みす)かれて(しま)ひました。122ほんにまだ(わたし)には虚偽(きよぎ)精神(せいしん)が、123どつかに伏在(ふくざい)して()ます。124よく御注意(ごちうい)(くだ)さいました』
125カル『(わたし)もレーブと同様(どうやう)(こころ)(ござ)いました』
126女神(めがみ)『それなら(いま)ここで(この)果実(このみ)貴方(あなた)はどちらをとりますか』
127 レーブは(かしら)()きながら、
128『ハイ、129どうも(けつ)しかねまする。130(あふ)せの(とほ)()ける(わけ)には()かぬのですから、131一層(いつそう)のこと、132どちらも(わたし)(いただ)きますまい』
133女神(めがみ)(てん)(あた)ふるを()らざれば(わざはひ)(その)()(およ)ぶと()(こと)貴方(あなた)(おぼ)えて()りますか』
134レーブ『ハイ、135それも(たしか)(ぞん)じて()ります』
136女神(めがみ)『それなら何故(なぜ)(この)果物(くだもの)をお()けなさらぬか』
137レーブ『エー、138(なん)ともはや善悪邪正(ぜんあくじやせい)(みち)()(まよ)ひ、139どう(いた)してよいか(わたし)には合点(がてん)(まゐ)りませぬ』
140女神(めがみ)『これカルさま、141貴方(あなた)如何(どう)(おも)ひますか』
142カル『ハイ、143(わたし)正直(しやうぢき)(あぢ)()足魂(たるむすび)(はう)頂戴(ちやうだい)(いた)します。144レーブさまには()(どく)だけど吾々(われわれ)個体(こたい)たる一人前(いちにんまへ)(たましひ)として持身(ぢしん)責任(せきにん)(ござ)います。145(いま)飢渇(きかつ)(せま)(この)(さい)146自分(じぶん)本心(ほんしん)欲求(よくきう)する足魂(たるむすび)頂戴(ちやうだい)(いた)しませう』
147女神(めがみ)『オホヽヽヽ、148それならカルさまの(ほつ)せざる玉都売魂(たまつめむすび)果実(このみ)をレーブさまに(あた)へても(よろ)しいかな。149それで貴方(あなた)満足(まんぞく)しますか』
150カル『(いよいよ)むつかしくなつて()ました。151もう()うなつては(なん)とも申上(まをしあ)げやうが(ござ)りませぬ。152人間(にんげん)判断(はんだん)では駄目(だめ)です。153(この)(うへ)は、154神様(かみさま)にお(まか)(いた)します。155貴方(あなた)(くだ)さるのを頂戴(ちやうだい)(いた)しませう。156(けつ)して(わたし)(はう)から()きだの、157(きら)ひだの、158(かれ)(これ)請求(せいきう)(いた)しませぬ』
159女神(めがみ)『あゝそれでお(まへ)さまも(はじ)めて神界(しんかい)旅行(りよかう)資格(しかく)出来(でき)た。160何事(なにごと)人間(にんげん)道徳(だうとく)倫理説(りんりせつ)では解決(かいけつ)がつきますまい。161(かみ)にお(まか)せなさるが第一(だいいち)だ。162サア、163カルさま、164神様(かみさま)(かは)つて足魂(たるむすび)果物(くだもの)貴方(あなた)(しん)ぜませう』
165カル『(てん)御恵(みめぐみ)166有難(ありがた)頂戴(ちやうだい)(いた)します』
167女神(めがみ)()より受取(うけと)(うれ)しげに()びつくやうにしてガブリガブリと()(はじ)め、
168『あゝうまい、169(あぢ)()い、170(なん)とした結構(けつこう)果物(くだもの)だらう』
171(しき)りに()めちぎつて(またた)(うち)(たひら)げて(しま)つた。
172 女神(めがみ)玉都売魂(たまつめむすび)果実(このみ)(たちま)地上(ちじやう)()()てば五色(ごしき)火光(くわくわう)発射(はつしや)し、173数多(あまた)(うる)はしき女神(めがみ)となつて天上(てんじやう)(かへ)()く。174二人(ふたり)(この)光景(くわうけい)(なが)めて(おも)はず()らず()(あは)せ、175()(をが)んでゐる。176女神(めがみ)懐中(ふところ)より(また)もや足魂(たるむすび)果物(くだもの)をとり(いだ)し、
177『さあ、178レーブさま、179不公平(ふこうへい)のないやうに(かみ)(かは)つて生魂姫(いくむすびひめ)(この)果物(くだもの)()げませう、180直様(すぐさま)(あが)りなさい』
181とつき()すを両手(りやうて)(あは)せて押戴(おしいただ)き、
182『あい、183有難(ありがた)う』
184(うれ)(なみだ)をこぼしながら、185これも()びつくやうにして(またた)(うち)(たひら)げて(しま)つた。
186 (いま)生魂姫(いくむすびひめ)(かみ)大地(だいち)()げつけたる玉都売魂(たまつめむすび)果物(くだもの)より(あら)はれ()でたる数多(あまた)女神(めがみ)一旦(いつたん)天上(てんじやう)にかけ(のぼ)り、187(ふたた)盛装(せいさう)()らし(この)()(くだ)(きた)つて生魂姫(いくむすびひめ)四方(しはう)(かこ)み、188手車(てぐるま)()せたまま嚠喨(りうりやう)たる音楽(おんがく)(ひびき)(とも)中空(ちうくう)()(あが)り、189(あま)羽衣(はごろも)軟風(なんぷう)(ひるが)へりつつ(にじ)(ごと)(みち)(ひら)いて天上(てんじやう)(のぼ)()く。190(あと)見送(みおく)つて両人(りやうにん)(たがひ)(かほ)見合(みあ)はせながら、191(この)解決(かいけつ)(また)もや(こころ)()むのであつた。
192レーブ『これ、193カルさま、194大変(たいへん)()心持(こころもち)になつてきたぢやないか。195九死一生(きうしいつしやう)場合(ばあひ)(あた)斯様(かやう)結構(けつこう)果物(くだもの)(くだ)さつて、196これで吾々(われわれ)生返(いきかへ)つたやうな心持(こころもち)になつたぢやないか。197九分九厘(くぶくりん)になつたら(かみ)(たす)けてやらうと仰有(おつしや)るのはここの(こと)だな。198それにつけても玉都売魂(たまつめむすび)果実(このみ)から、199あの(やう)数多(あまた)女神(めがみ)(あら)はれた(ところ)()ると、200あの玉都売魂(たまつめむすび)果実(このみ)(いただ)いたら、201どんな結構(けつこう)(こと)になつたか()れないよ。202(しか)(てん)から(あた)へられないのだから、203(これ)仕方(しかた)がないわ。204神様(かみさま)皮肉(ひにく)ぢやないか。205(いし)206(かはら)(やう)(あぢ)(にが)(しる)()ると仰有(おつしや)つた、207あの果実(このみ)から、208あんな(うる)はしい女神(めがみ)()るとは(おも)はなんだ。209これは(なに)かのお(さとし)かも()れないぞ』
210カル『何程(なにほど)天国(てんごく)()つても、211やはり(にが)()212(くる)しい()(いた)さねば、213都率天(とそつてん)へは(のぼ)れないと()ふお(しめ)しだらうよ。214(ひと)つの(こう)もたてずに天国(てんごく)だと(おも)つて、215よい()になつて、216ブラついて()つては本当(ほんたう)(さか)えと(よろこ)びは()()ない。217一時(いちじ)幸福(かうふく)(みた)すだけの御神徳(ごしんとく)ではつまらぬぢやないか。218これから(ひと)(こころ)取直(とりなほ)して天国(てんごく)一働(ひとはたら)きをやらうぢやないか』
219『あゝさうだなア』
220(はな)しながら(また)ボツボツと(あゆ)()した。221右側(みぎがは)二三十間(にさんじつけん)ばかり(した)大道(だいどう)から阿鼻叫喚(あびけうくわん)(こゑ)(きこ)えて()た。222二人(ふたり)()せずしてこれを見下(みおろ)せば、223馬車(ばしや)224自動車(じどうしや)225人力車(じんりきしや)226(その)(ほか)種々雑多(しゆじゆざつた)人々(ひとびと)往来(ゆきき)してゐる。227これは現界(げんかい)人間(にんげん)生活(せいくわつ)有様(ありさま)であつた。228よくよく()れば自動車(じどうしや)(なか)には(つの)()えた(おに)(くち)(みみ)まで()けた夜叉(やしや)(やう)(をんな)がシガレツトを(くゆ)らしながら、229意気(いき)揚々(やうやう)として大道(だいだう)吾物顔(わがものがほ)(はし)つてゐる。230(あは)れな正直(しやうぢき)人間(にんげん)自動車(じどうしや)231馬車(ばしや)()(たふ)されたり(あるひ)(にく)()がれたり、232()(しぼ)られたり、233餓鬼(がき)となつて(おも)()()ひ、234生命(いのち)からがら往復(わうふく)してゐる。
235 (その)惨状(さんじやう)()もあてられぬ(ばか)りであつた。236さうしてゐると(また)二三十間(にさんじつけん)右側(みぎがは)大道(だいだう)から阿鼻叫喚(あびけうくわん)(こゑ)(きこ)えて()る。237二人(ふたり)(また)もや(この)(こゑ)(はう)()()(はし)()り、238足下(あしもと)見下(みおろ)せばバラモン(けう)のランチ将軍(しやうぐん)黄金姫(わうごんひめ)239清照姫(きよてるひめ)出会(でつくは)し、240弓矢(ゆみや)()かけ(やり)打振(うちふ)血刀(ちがたな)(ふる)つて十重(とへ)二十重(はたへ)取囲(とりかこ)み、241二人(ふたり)(いのち)をとらむと(いき)まいて()る。242母娘(おやこ)二人(ふたり)一生懸命(いつしやうけんめい)言霊(ことたま)奏上(そうじやう)するや(かず)(かぎ)りなき(おほかみ)(あら)はれ(きた)つて、243ランチ将軍(しやうぐん)(ひき)ゐる軍隊(ぐんたい)(むか)縦横無尽(じうわうむじん)()(くる)()(たふ)し、244(たがひ)血潮(ちしほ)(なが)して(あらそ)(くる)光景(くわうけい)歴然(れきぜん)()えて()た。245これは幽界(いうかい)地獄道(ぢごくだう)真中(まんなか)であつて戦慄(せんりつ)すべき惨劇(さんげき)繰返(くりかへ)されて()たのである。
246 かかる(ところ)以前(いぜん)女神(めがみ)何処(いづこ)ともなく(あら)はれ(きた)り、
247『レーブさま、248カルさま、249貴方(あなた)(なに)(いま)御覧(ごらん)になりましたか。250いや(なに)高見(たかみ)から御見物(ごけんぶつ)をなさいましたか』
251レーブ『ハイ、252いろいろ雑多(ざつた)惨劇(さんげき)()(うつ)りました。253吾々(われわれ)(さいは)斯様(かやう)天国(てんごく)(すく)はれ(かみ)のお(さとし)(ごと)く「高見(たかみ)から見物(けんぶつ)(いた)さうよりも仕方(しかた)がないぞ」と()境遇(きやうぐう)におかれました。254これを(おも)へば人間(にんげん)(けつ)して(わる)(こと)出来(でき)ませぬなア、255何事(なにごと)(かみ)のまにまに(まか)すより、256人間(にんげん)としては()るべき手段(しゆだん)(ござ)りませぬ』
257女神(めがみ)『カルさま、258貴方(あなた)(この)惨状(さんじやう)目撃(もくげき)してどう御考(おかんが)へですか』
259カル『ハイ、260(なん)とも申上(まをしあ)げやうのない可憐想(かはいさう)(こと)(ぞん)じます』
261女神(めがみ)国治立大神(くにはるたちのおほかみ)(さま)()くの(ごと)現界(げんかい)幽界(いうかい)亡者(まうじや)(すく)はむために三五教(あななひけう)をお(ひら)(あそ)ばしたので(ござ)いますな。262一掬(いつきく)同情(どうじやう)(なみだ)があれば、263如何(どう)してもこれを看過(かんくわ)する(こと)出来(でき)ますまい。264貴方(あなた)御感想(ごかんさう)(いな)今後(こんご)御採(おと)りなさる手段(しゆだん)をお(うかが)(いた)()いもので(ござ)いますなア』
265カル『ハイ、266(わたし)何事(なにごと)惟神(かむながら)(まか)すより(みち)(ござ)りませぬ。267人間(にんげん)がどれほど焦慮(あせ)つた(ところ)如何(どう)する(こと)出来(でき)ませぬから……』
268女神(めがみ)二十世紀(にじつせいき)三五教(あななひけう)信者(しんじや)のやうに貴方(あなた)余程(よほど)惟神中毒(かむながらちうどく)をして()られますなア。269(つく)すべき手段(しゆだん)(つく)さず、270(なん)()(やす)きにつき、271(わが)()安全(あんぜん)(まも)り、272世界(せかい)人類(じんるゐ)苦難(くなん)傍観(ばうくわん)して……到底(たうてい)人力(じんりよく)(およ)(かぎ)りでない、273何事(なにごと)惟神(かむながら)(まか)すより仕方(しかた)がない……とは(じつ)無責任(むせきにん)()はうか、274無能(むのう)()はうか、275卑怯(ひけふ)()はうか、276人畜(じんちく)(まを)さうか、277(あき)れはてたる(その)(たましひ)278左様(さやう)(こと)如何(どう)して衆生済度(しゆじやうさいど)出来(でき)ませう。279(まへ)さま(たち)両人(りやうにん)(かみ)(めぐみ)によつて高天原(たかあまはら)門口(かどぐち)(のぞ)みながら、280そんな利己主義(われよし)(こころ)では局面(きよくめん)(たちま)一変(いつぺん)して八万地獄(はちまんぢごく)(そこ)(くに)へ、281たつた(いま)()ちますぞや。282今日(けふ)他人(たにん)(こと)283明日(あす)貴方(あなた)(こと)284因果(いんぐわ)(めぐ)小車(をぐるま)(つみ)重荷(おもに)()(どころ)285どうして貴方(あなた)何時(いつ)までも、286悠々(いういう)楽々(らくらく)天国(てんごく)旅行(りよかう)(つづ)けられませうか。287(じつ)にお可憐想(かはいさう)なお(かた)だなア。288(すこ)しは貴方(あなた)良心(りやうしん)御相談(ごさうだん)して()なさい。289左様(さやう)(こと)で、290()うまあバラモン(けう)だの、291三五教(あななひけう)だのと()つて世界(せかい)(ある)けたものですなア。292貴方(あなた)のやうな無慈悲(むじひ)(かた)には最早(もはや)これきりお()にはかかりますまい。293左様(さやう)ならば足許(あしもと)御注意(ごちうい)(あそ)ばして御機嫌(ごきげん)ようお()しなさいませ』
294()ふかと()れば(あと)白煙(しらけむり)295女神(めがみ)行衛(ゆくゑ)()えずなりぬ。
296大正一一・一一・三 旧九・一五 北村隆光録)
   
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