霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第一五章 氷嚢(ひようなう)〔一〇九九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第40巻 舎身活躍 卯の巻 篇:第4篇 関風沼月 よみ:かんぷうしょうげつ
章:第15章 第40巻 よみ:ひょうのう 通し章番号:1099
口述日:1922(大正11)年11月04日(旧09月16日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年5月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
照国別の主従一行は岩彦のありかを訪ねたが見いだせず、テームス山を登りつめて山頂の関所に着いた。ここは大黒主の命によって春公、雪公、紅葉ほか二人が名ばかりの関守をやっている。
大酒をあおって大地に倒れ、酔いざめの風邪をひいては熱をだしている。春公は熱を出しながらも、酔って一同馬鹿話に時を費やしていた。
そこへ照国別一行がやってきて、春公が病んでいることを知ると、関所の中へ入ってきて鎮魂を始めた。春公は咳をすると小さな百足が飛び出した。百足は見る間に五六尺の大百足となると、一目散に逃げて行った。
春公は熱が下がり、身体は元のとおりに治ってしまった。春公は命を救われたことに感謝し、心から悔い改めた。そして照国別に従い、案内役として月の国に供をすることになった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4015
愛善世界社版:197頁 八幡書店版:第7輯 490頁 修補版: 校定版:203頁 普及版:91頁 初版: ページ備考:
001照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)
002仁慈(じんじ)無限(むげん)大神(おほかみ)
003(をしへ)四方(よも)(つた)へつつ
004(つき)(みやこ)にバラモンの
005(をしへ)(ひら)()(みだ)
006大黒主(おほくろぬし)神司(かむづかさ)
007三五教(あななひけう)御教(みをしへ)
008言向和(ことむけやは)照国(てるくに)
009(たふと)御代(みよ)立直(たてなほ)
010一切衆生(いつさいしゆじやう)身魂(みたま)をば
011(すく)はむものと(いさ)()
012(けは)しき(やま)打渉(うちわた)
013荒野ケ原(あらのがはら)()()えて
014岩彦(いはひこ)照公(てるこう)梅公(うめこう)
015三人(みたり)(とも)にクルスの(もり)
016(すす)(きた)りて(つか)れをば
017(やす)むる(をり)しも(むか)ふより
018イソの(やかた)()(のぼ)
019鬼春別(おにはるわけ)一部隊(いちぶたい)
020片彦(かたひこ)久米彦(くめひこ)両将(りやうしやう)
021先頭(せんと)()ちて(すす)()
022()一大事(いちだいじ)一行(いつかう)
023(もり)(しげ)みに()をかくし
024(てき)様子(やうす)(うかが)へば
025大胆(だいたん)不敵(ふてき)命令(めいれい)
026采配(さいはい)()つて号令(がうれい)する
027それの態度(たいど)忌々(ゆゆ)しさに
028照国別(てるくにわけ)木影(こかげ)より
029(こゑ)()りあげて宣伝歌(せんでんか)
030(すず)しく(きよ)()りつれば
031(てき)(おどろ)照国(てるくに)
032(わけ)(みこと)四方(しはう)より
033()めかけ(きた)猪口才(ちよこざい)
034無抵抗主義(むていかうしゆぎ)三五(あななひ)
035(をしへ)(つた)ふる神司(かむづかさ)
036善言美詞(ぜんげんびし)言霊(ことたま)
037()るべくならば言向(ことむ)けて
038悔悟(くわいご)させむと(おも)へども
039暴逆無道(ばうぎやくぶだう)敵軍(てきぐん)
040(なん)容赦(ようしや)荒風(あらかぜ)
041()きまくる(ごと)(せま)()
042正当(せいたう)防衛(ばうゑい)()ひながら
043清春山(きよはるやま)より(あら)はれし
044岩彦司(いはひこつかさ)(つゑ)()
045縦横無尽(じうわうむじん)敵軍(てきぐん)
046阿修羅(あしゆら)(ごと)打込(うちこ)めば
047負傷者(ふしやうしや)(のこ)(うま)()
048(みな)散々(さんざん)()げて()
049照国別(てるくにわけ)敵軍(てきぐん)
050手傷(てきず)()ひて(たふ)れたる
051二人(ふたり)(をとこ)介抱(かいほう)
052信書(しんしよ)(したた)清春(きよはる)
053(しこ)岩窟(いはや)(まも)()
054ポーロ(つかさ)(いまし)めつ
055イソの(やかた)三五(あななひ)
056(をしへ)(みち)(まな)ぶべく
057(つか)はしやりて(てる)(うめ)
058二人(ふたり)(とも)(こま)()
059(くつわ)(なら)べてシトシトと
060テームス(ざん)にさしかかる
061(をり)から()()(こがらし)
062(かぜ)(おもて)()かれつつ
063これぞ(たふと)神風(かみかぜ)
064勇気(ゆうき)日頃(ひごろ)百倍(ひやくばい)
065(ひづめ)(おと)戞々(かつかつ)
066(けは)しき(さか)(のぼ)()
067あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
068御霊(みたま)(さち)はひましませよ。
069 照国別(てるくにわけ)岩彦(いはひこ)所在(ありか)(うしな)ひ、070(かれ)行衛(ゆくゑ)(もと)めて、071(もり)小蔭(こかげ)薄原(すすきばら)(くま)なく(さぐ)り、072一行(いつかう)(やうや)くにしてテームス(ざん)(のぼ)りつめ、073頂上(ちやうじやう)関所(せきしよ)()いた。074ここには大黒主(おほくろぬし)(めい)(ほう)じて春公(はるこう)075雪公(ゆきこう)076紅葉(もみぢ)(ほか)二人(ふたり)(ちひ)さな(いほり)(かま)へて()ばかりの関守(せきもり)をやつてゐる。077大酒(おほざけ)(あふ)つては大地(だいち)(たふ)れ、078(かぜ)()かれ酔醒(よひざ)めの(かぜ)()いては(ねつ)()し、079手拭(てぬぐひ)鉢巻(はちまき)をしながら(きつね)()(ごゑ)(やう)百日咳(ひやくにちぜき)(なや)んで()る。080何奴(どいつ)此奴(こいつ)もコンコンカンカンの言霊(ことたま)競争(きやうそう)をやつて()た。081(かぜ)(かみ)()()すのは、082磐若湯(はんにやたう)(かぎ)ると()ふので捻鉢巻(ねぢはちまき)をしながら、083(さけ)(いきほひ)昼夜(ひるよる)(かぜ)(かみ)競争(きやうそう)をやり、084薬鑵(やくわん)から(ねつ)()(あせ)をタラタラと(なが)しながら格闘(かくとう)してゐる真最中(まつさいちう)であつた。
085春公(はるこう)『ウンウン、086(いた)(いた)い、087(かぜ)(かみ)(やつ)088暴威(ばうゐ)(たくま)しうしやがつて、089(この)(はる)さまの頭蓋骨(づがいこつ)鉄鎚(かなづち)でカンカンと(なぐ)りやがるやうな(いた)さだ。090(はら)(なか)へは(きつね)でも這入(はい)りやがつたと()えて、091コンコンと(ぬか)すなり、092テームス(ざん)関守(せきもり)(なか)から()(せき)()ては副守(ふくしゆ)(やつ)093関守(せきもり)早変(はやがは)りしやがつたと()える。094本当(ほんたう)(せき)がチツとやソツとぢやない、095(たん)()やがつた。096アハヽヽヽイヒヽヽヽ、097(いた)(いた)い、098こりや雪公(ゆきこう)099(ひと)天眼通(てんがんつう)(かぜ)(かみ)正体(しやうたい)透視(とうし)してくれないか』
100雪公(ゆきこう)『あまり(さけ)(くら)つて寒風(かんぷう)にあたると凍死(とうし)するものだ。101何卒(どうぞ)凍死(とうし)してくれと()つても、102(おれ)凍死(とうし)ばかりは御免(ごめん)だ。103それよりも万劫末代(まんごふまつだい)(いき)とほしになりたいからなア』
104『こりや、105貴様(きさま)余程(よほど)(わけ)(わか)らぬ唐変木(たうへんぼく)だな。106(おれ)()透視(とうし)()ふのは、107そんな怪体(けつたい)(わる)凍死(とうし)ぢやないわい。108(はら)(そこ)まで(なに)()いて()るか透視(とうし)してくれと()ふのだ。109アイタヽヽヽオイ(はや)透視(とうし)せぬかい』
110『おれは(ゆき)さまだから、111あまり(ゆき)さまばかりに(おぼ)れて()ると凍死(とうし)する(おそれ)があるぞ。112貴様(きさま)(はら)(なか)一寸(ちよつと)()ると大変(たいへん)腹通(はらとほ)しだ。113()げる(くだ)す、114まるで(この)テームス(たうげ)頂上(ちやうじやう)関守(せきもり)には()つて()いだ。115貴様(きさま)生命(いのち)大峠(おほたうげ)()たのだから、116これ(まで)因縁(いんねん)(あきら)めて(いさぎよ)成仏(じやうぶつ)せい。117風声鶴唳(ふうせいかくれい)にもド(ぎも)(ひや)微躯(びく)()いて()(やう)関守(せきもり)では到底(たうてい)生存(せいぞん)価値(かち)がない。118よい加減(かげん)娑婆塞(しやばふさ)ぎは冥土(めいど)(まゐ)りした(はう)社会(しやくわい)(ため)だからなア』
119『こりや(ゆき)120貴様(きさま)(なん)()冷酷(れいこく)(こと)()ふのだ。121(あたま)をポカンとハル(こう)にしてやるぞ』
122(ゆき)()ふものは()のやうに(あたた)かいものでも、123(あつ)いものでもない。124冷酷(れいこく)なのが(あた)(まへ)だ。125冷然(れいぜん)として(ひと)病躯(びやうく)冷笑(れいせう)するのが(ゆき)さまの特性(とくせい)だ。126(しか)しそれだけ(ねつ)があつては貴様(きさま)(たま)るまい。127氷嚢(ひようなう)(かは)りに(この)雪公(ゆきこう)さまの(つめ)たい(けつ)貴様(きさま)薬鑵頭(やくわんあたま)()せてやらうか。128さうすれば、129(すこ)しは(ねつ)減退(げんたい)するかも()れないぞ』
130()(ねつ)(たか)うては仕方(しかた)がない。131貴様(きさま)(けつ)(おれ)(ねつ)(さが)(こと)なら(くさ)うても幸抱(しんぼう)せうかい』
132『よし、133時々(ときどき)(かぜ)()くかも()れぬが、134(まへ)(もつ)てお(ことわ)りを()うておく』
135()ひながら(つめ)たい(しり)をまくつて春公(はるこう)(あたま)(うへ)にドツカと()せた。
136雪公(ゆきこう)『おい、137随分(ずゐぶん)(つめた)(けつ)だらう。138()(なみだ)もない(れい)ケツ動物(どうぶつ)だから……熱病(ねつびやう)対症療法(たいしやうれうほふ)には()つて()いだ。139(じつ)ケツ(こう)療治法(れうぢほふ)だ、140アハヽヽヽ』
141春公(はるこう)『こりや、142(おれ)(はな)(うへ)(なん)だか(ふくろ)()せたぢやないか。143()いやりするが、144怪体(けつたい)(にほひ)がするぞ』
145『これは(ぶた)氷嚢代理(ひようなうだいり)睾嚢(きんなう)()()んでやつたのだ。146イヒヽヽヽ』
147『あゝ(くる)しい、148(おも)たいわい。149チツと重量(ぢうりやう)軽減(けいげん)する(やう)中腰(ちうごし)になつてくれないか』
150雪隠(せんち)またげ(あな)をふん()つたやうな調子(てうし)中心(ちうしん)(たも)つて()るのだから(おも)たい(はず)はない。151熱病(ねつびやう)()ふものは(あたま)(おも)いものだ。152おもひおもひにお神徳(かげ)をとつたが()からうぞ。153義太夫(ぎだいふ))あゝ(おも)へば(おも)へば(さき)()如何(いか)なる(こと)罪悪(ざいあく)を、154やつて()たのか()らねども、155そりや人間(にんげん)()らぬ(こと)156現在(げんざい)テームス(ざん)関守(せきもり)(あふ)()けられながら、157(その)職責(しよくせき)(まつた)うせず、158肝腎要(かんじんかなめ)蜈蚣姫(むかでひめ)159小糸姫(こいとひめ)()つて見逃(みのが)した(その)天罰(てんばつ)(むく)(きた)つて、160(いま)ここに臆病風(おくびやうかぜ)神様(かみさま)(おそ)はれたるか、161いぢらしやア……(わる)(こと)とはしりながら、162しりのつぼめが()はぬよな、163しり滅裂(めつれつ)報告(はうこく)が、164如何(どう)してハルナの神館(かむやかた)に、165(しづ)まりゐます大黒主(おほくろぬし)に、166(いた)されうか……(ゆる)して(くだ)されバラモン天王様(てんわうさま)167(ねが)(まを)すと(ばか)りにて、168コンコンコンとせき()げて、169(くる)(なみだ)にくれにける。170シヤシヤ シヤン シヤン シヤン』
171『ウンウンウン、172こら雪公(ゆきこう)173そんな気楽(きらく)(こと)どこかい。174(おれ)や、175もう生命(いのち)ゆきつまりだ。176もちとシツカリ(しり)をあててくれぬかい』
177『(義太夫(ぎだいふ))「ゆきつ、178(もど)りつ、179とつおいつ、180(また)もや(せき)(こゑ)すれば、181これがお(こゑ)()きをさめと……(おも)へば(よわ)(うしろ)が……み……寂滅為楽(じやくめつゐらく)(ちか)づきて、182無情(むじやう)(かぜ)非時(ときじく)に、183()(すさ)ぶこそ(あは)れなり、184トテチン トテチン トツトツチン、185テンテン」いやもう瀕死(ひんし)病人(びやうにん)(たい)応急(おうきふ)療法(れうほふ)最早(もはや)駄目(だめ)だ。186(まへ)一生(いつしやう)最早(もはや)けつ(まつ)がついた。187けつして(けつ)して娑婆(しやば)執着心(しふちやくしん)(のこ)し、188()(まよ)うて()てはならぬぞ。189大黒主(おほくろぬし)(さま)御目(おんめ)(とど)かぬと(おも)うて慢心(まんしん)(いた)し、190(かみ)尻敷(しりし)きにした天罰(てんばつ)で、191(この)清明(せいめい)無垢(むく)(ゆき)のやうな身魂(みたま)(ゆき)さまに尻敷(しりし)きにしられるのだ。192因果応報(いんぐわおうはう)193(ばつ)覿面(てきめん)194(あは)れなりける次第(しだい)なり。195エヘヽヽヽ』
196紅葉(もみぢ)『こりや(ゆき)197貴様(きさま)(おれ)最前(さいぜん)から()いて()れば、198春公(はるこう)さまに(たい)親切(しんせつ)にして()るのか、199不親切(ふしんせつ)にして()るのか、200(あるひ)介抱(かいほう)するのか、201虐待(ぎやくたい)するのか、202テンと(わけ)(わか)らぬぢやないか』
203雪公(ゆきこう)『かうゆきつまつた()(なか)204(わけ)(わか)らぬのはあたり(まへ)だ。205(おれ)ゆきつまつた社会(しやくわい)反映(はんえい)だから、206これで普通(ふつう)だよ。207親切(しんせつ)さうに()せて不親切(ふしんせつ)(やつ)もあり、208(ぜん)仮面(かめん)(かぶ)つて(あく)(おこな)(やつ)もあり、209(ひと)(たす)けてやらうと()つて(うま)くチヨロまかし、210(その)(じつ)(ひと)()なうが(たふ)れやうが吾不関焉(われかんせずえん)だ。211自分(じぶん)さへ(うま)(しる)鱈腹(たらふく)()うて自分(じぶん)(たす)からうとする(やつ)ばかりだ。212こんな悪魔(あくま)横行(わうかう)()(なか)如何(どう)して真面目(まじめ)(こと)出来(でき)ようか。213(おれ)天眼通(てんがんつう)だつてその(とほ)りだ。214(あた)(とき)もあれば(はづ)れる(こと)もある。215社会(しやくわい)利益(りえき)になる(こと)もあれば社会(しやくわい)害毒(がいどく)になる(こと)もある。216それだから善悪(ぜんあく)不二(ふじ)217正邪一如(せいじやいちによ)()ふのだわい。218オツホン』
219(ひと)難儀(なんぎ)()貴様(きさま)平気(へいき)()やがるが、220本当(ほんたう)()しからぬ(やつ)ぢやないか』
221貴様(きさま)(なん)だい、222袖手傍観(しうしゆばうくわん)してるぢやないか。223貴様(きさま)こそ本当(ほんたう)友人(いうじん)(たい)冷酷(れいこく)代物(しろもの)だ。224大方(おほかた)(さは)らぬ(かみ)(たたり)なしと()(づる)(かんが)へを()つて(おれ)ばつかりに介抱(かいほう)させ、225さうして(ぜん)だの(あく)だの親切(しんせつ)だの不親切(ふしんせつ)だのと小言(こごと)()れやがるのだな。226(けつ)でも(くら)つたがよいわい。227()なつと()へ』
228(おれ)貴様(きさま)(たち)二人(ふたり)()(ふさ)がつてゐるなり、229あと二匹(にひき)(やつ)はズブ(ろく)()ひやがつて(やく)()たぬなり、230仕方(しかた)がないから貴様(きさま)(かは)りに関守(せきもり)(つと)めて()るのだ。231もしも()んな(ところ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)堂々(だうだう)とやつて()よつたら如何(どう)するのだ』
232『そりや、233その(とき)のまた(かぜ)()くわい。234春公(はるこう)風邪(かぜ)ぢやないがコンコンと懇談(こんだん)して関守(せきもり)としてのベストを(つく)すだけのものだ。235これだけ(ねつ)(おほ)いと(この)春公(はるこう)黒死病(ペスト)になりやせぬか()らぬて、236(こま)つたものだ。237(おれ)(しり)がソロソロ()けて()だしたぞ。238大変(たいへん)(ねつ)だ』
239『おい、240あんまり貴様(きさま)(おほ)きな(しり)志士仁人(ししじんじん)たる春公(はるこう)圧迫(あつぱく)するものだから、241如何(どう)やら(いき)()れたと()え、242呼吸(こきふ)()まつたぢやないか』
243(おれ)智慧(ちゑ)文珠師利菩薩(もんじゆしりぼさつ)だ。244今朝(けさ)文珠師利菩薩(もんじゆしりぼさつ)獅子(しし)()つて、245此処(ここ)大変(たいへん)(いきほひ)(とほ)つたぢやないか。246それだから(おれ)春公(はるこう)(あたま)腰掛(こしか)け、247(しり)からプン珠利菩薩(しゆりぼさつ)となつて、248あらゆる最善(さいぜん)知識(ちしき)(かたむ)けて治療(ちれう)従事(じうじ)してるのだ。249(この)(から)時節(じせつ)薬礼(やくれい)(もら)はず、250これだけ親切(しんせつ)介抱(かいほう)するものが何処(どこ)にあるかい』
251 かく(はな)(ところ)関所(せきしよ)押戸(おしど)をポンポンと(たた)くものがある。252紅葉(もみぢ)(あわ)てて戸外(こぐわい)()()(あふ)()れば照国別(てるくにわけ)一行(いつかう)であつた。
253照国(てるくに)此処(ここ)はテームス(ざん)大黒主(おほくろぬし)関所(せきしよ)だと()いて()るが、254関守(せきもり)(かしら)一寸(ちよつと)()にかかりたい』
255紅葉(もみぢ)『ハイ、256関守(せきもり)大将(たいしやう)は、257……(じつ)は……今年(ことし)今月(こんげつ)(はじ)めから……今日(こんにち)今夜(こんや)(いた)るまで臆病風(おくびやうかぜ)()きましてコンコンとせきをやつて()ますので、258生憎(あひにく)こん(くわい)はお()にかかる(こと)出来(でき)ますまい』
259『それは()(どく)(こと)だ。260斯様(かやう)(たうげ)()きはなしでは(かぜ)()きませう。261吾々(われわれ)(ひと)神様(かみさま)にお(ねが)(いた)して鎮魂(ちんこん)をやつて()げませうかな』
262『エー滅相(めつさう)もない。263貴方(あなた)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)264左様(さやう)なお(かた)鎮魂(ちんこん)とやらをやられましては、265サツパリコン駄目(だめ)になつて(しま)ひます。266何卒(どうぞ)こん()(かぎ)つてお(こと)わりを(まを)します。267サアお(とほ)りなさい』
268(けつ)して吾々(われわれ)貴方(あなた)(がた)がバラモン(けう)関守(せきもり)だからと()つて、269(わる)くするのではない。270よくして()げたいと(おも)ふからだ』
271何程(なにほど)()こん(せつ)仰有(おつしや)つて(くだ)さつても、272三五教(あななひけう)のお(かた)にお世話(せわ)になるのは一寸(ちよつと)こん(なん)(ござ)います』
273『お(まへ)同僚(どうれう)九死一生(きうしいつしやう)場合(ばあひ)(たす)けたい(こと)はないのか』
274(あした)紅顔(こうがん)275(ゆふ)べの白骨(はくこつ)276どうで一度(いちど)()なねばならぬ人生(じんせい)行路(かうろ)277(ゆめ)浮世(うきよ)(ござ)いますから、278春公(はるこう)一層(いつそう)(こと)ここで()んだ(はう)が、279(かれ)()めには好都合(かうつがふ)かも()れませぬ。280親切(しんせつ)(かへ)つて()になりますから、281何卒(どうぞ)鎮魂(ちんこん)ばかりは(ひら)御容赦(ごようしや)(ねが)ひます』
282(なん)とバラモン(けう)友人(いうじん)(たい)してさへも随分(ずゐぶん)冷淡(れいたん)なやり(かた)ですなア。283一切衆生(いつさいしゆじやう)(たい)しては尚更(なほさら)冷酷(れいこく)なと()(こと)(この)一事(いちじ)にても看取(かんしゆ)される、284かう()(こと)()くと如何(どう)してもバラモン(けう)改造(かいざう)してやらねばなるまい』
285(じつ)(この)(とほ)五人(ごにん)関守(せきもり)四人(よにん)まで手抜(てぬ)きが出来(でき)ませぬので、286(こま)つて()(ところ)(ござ)います。287何卒(どうぞ)御存(ごぞん)じの(とほ)()()んで()りますから、288御用(ごよう)があれば(また)明日(あす)()(くだ)され』
289『アハヽヽヽ、290まるで吾々(われわれ)乞食(こじき)(あつか)ひにして()よるわい。291(しか)(なが)仮令(たとへ)バラモン(けう)にもせよ、292(ひと)困難(こんなん)()(これ)(すく)はずに素通(すどほ)りする(こと)出来(でき)ない。293照公(てるこう)さま、294梅公(うめこう)さま、295(まへ)(おく)這入(はい)つて此処(ここ)屁垂(へた)つてゐる病人(びやうにん)鎮魂(ちんこん)してやつて(くだ)さい』
296『メヽヽ滅相(めつさう)な、297病人(びやうにん)春公(はるこう)一人(ひとり)(ござ)います。298(ほか)(やつ)(かぜ)()いたといつてもホンの鼻腔加答児(びこうカタル)をやつただけ、299(かぜ)(かみ)をおつ(ぱら)ふとてスヤスヤと(やす)んで()るのですから、300何卒(どうぞ)(かま)(くだ)さるな』
301 照公(てるこう)302梅公(うめこう)委細(ゐさい)(かま)はず(おく)()り、303両方(りやうはう)より(あま)数歌(かずうた)(うた)ひあげた。304雪公(ゆきこう)(おどろ)いて春公(はるこう)(あたま)(うへ)にのせて()(しり)をあげ、305番小屋(ばんごや)小隅(こすみ)(しやが)んで(ふる)うて()る。306(あま)数歌(かずうた)二三回(にさんくわい)(とな)へた(とき)307春公(はるこう)はカツカツと(おほ)きな(せき)(ふた)つした。308その途端(とたん)(ちひ)さい百足虫(むかで)二匹(にひき)()んで()た。309()()五六尺(ごろくしやく)大百足虫(おほむかで)となり一目散(いちもくさん)にテームス(たうげ)()(ごと)くに()(くだ)()く。310春公(はるこう)(はじ)めて(ねつ)もさめ、311身体(しんたい)(もと)(ごと)くなり(あせ)()きながら、
312(いづ)れのお(かた)()りませぬが九死一生(きうしいつしやう)場合(ばあひ)313よくまあ(たす)けて(くだ)さいまして、314(まこと)有難(ありがた)(ござ)いました』
315感謝(かんしや)(こゑ)(とも)不図(ふと)()あぐれば、316三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)照国別(てるくにわけ)一行(いつかう)三人(さんにん)であつた。317春公(はるこう)生命(いのち)(おや)宣伝使(せんでんし)(さま)(よろこ)(いさ)み、318これより四人(よにん)(あと)(のこ)照国別(てるくにわけ)(したが)つて(こころ)(そこ)より()(あらた)め、319案内役(あんないやく)として(つき)御国(みくに)(したが)()(こと)となつた。
320大正一一・一一・四 旧九・一六 北村隆光録)
   
オニド関連サイト最新更新情報
10/28霊界物語音読第37、38、63巻と、大本神諭、伊都能売神諭をアップしました。
10/26【霊界物語ネット】大本神諭を「年月日順」で並べた時の順序が、一部おかしいものがあったので修正しました。(os176,192,193,191,235 の5つ)