霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 (こころ)色々(いろいろ)〔一一三七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第42巻 舎身活躍 巳の巻 篇:第3篇 意変心外 よみ:いへんしんがい
章:第12章 第42巻 よみ:こころのいろいろ 通し章番号:1137
口述日:1922(大正11)年11月16日(旧09月28日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年7月1日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
カールチン館の奥の間では、ハルマン、サマリー姫、カールチンがひそびそ話にふけっている。ハルマン、サマリー姫はカールチンのこの頃の挙動を心配してそれとなく注意を促した。
二人はカールチンがこの頃考えを変えて、ヤスダラ姫をひいきするのでカールチンに考えを問うた。カールチンは、セーラン王の妃はあくまでサマリー姫だと明言した。
そして、ヤスダラ姫は自分の女房になるのだ、セーラン王が自分に位を譲ることを約束したのだと二人に明し、自分は将来の刹帝利だと威張り散らした。
そこへ青い顔をしてユーフテスがやってきて、二人の美人が自分を責めると意味のわからないことを口走り、カールチンに城内は妖怪変化の巣窟になってしまったとまくしたてた。
カールチンはユーフテスの報告を一笑に付し、自分の天眼力にかかれば妖怪などすぐさま退治してやると気を吐いた。
サマリー姫も、これ以上カールチンを刺激しないように静かに退場した。ハルマンとユーフテスも帰ると、カールチンはまた身なりを整え、裏門からこっそり一人で城内を指して進んで行った。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4212
愛善世界社版:153頁 八幡書店版:第7輯 697頁 修補版: 校定版:157頁 普及版:63頁 初版: ページ備考:
001 カールチンの(おく)()にはハルマン、002サマリー(ひめ)主人(しゆじん)三人(さんにん)鼎坐(かなへざ)となりて、003ヒソビソ(ばなし)()()くるのも()らず、004(ふけ)つてゐる。
005旦那(だんな)さま、006貴方(あなた)はお昼前(ひるまへ)から、007(やかた)をソツとお立出(たちい)でになり、008(かへ)りが()になつてもないので、009()しや御城内(ごじやうない)で、010(さけ)でもおすごし(あそ)ばし、011クダを()いて(みな)(もの)を、012いつものやうに(こま)らせて(ござ)るのではあるまいかと心配(しんぱい)でならず、013ソツと城内(じやうない)(うかが)うて()(ところ)が、014門番(もんばん)(はなし)にも、015今日(けふ)右守(うもり)さまのお姿(すがた)()なかつたと()ひ、016女中(ぢよちう)(ども)()いて()ても、017()しがないと()つて()ましたので、018そこら(ぢう)(さが)しまはつて()りました(ところ)019入那川(いるながは)水面(すゐめん)(あや)しい(おと)がするので、020ハテ不思議(ふしぎ)立止(たちど)まり様子(やうす)(かんが)へてゐると、021(おほ)きな(きつね)がノソノソと(はし)(わた)つて(きた)(はう)()く。022此奴(こいつ)(へん)だと水面(すゐめん)(なが)めてると、023パツと浮上(うきあが)つた(くろ)(かげ)024(いのち)カラガラ飛込(とびこ)んで(すく)()げ、025よくよく()れば旦那様(だんなさま)026取止(とりと)めもないことを仰有(おつしや)つて、027本当(ほんたう)(この)ハルマンも如何(どう)なる(こと)かと()()みました。028奥様(おくさま)御不在中(ごふざいちう)に、029()しもの(こと)があつたら、030(この)ハルマンは申訳(まをしわけ)がありませぬからなア、031マアマア結構(けつこう)(ござ)いました』
032『お(とう)さま、033(この)(ごろ)はお()アさまの不在中(ふざいちゆう)ですから、034何卒(なにとぞ)どつこへも()かずに(うち)()つて(くだ)さい。035心配(しんぱい)でなりませぬ。036もし御登城(ごとじやう)(あそ)ばすなら、037何時(いつ)ものやうに二三人(にさんにん)家来(けらい)()れて()つて(くだ)さい。038(いやし)くも右守司(うもりのかみ)職掌(しよくしやう)でありながら、039一人(ひとり)(ある)きをなさるとは、040(あま)軽々(かるがる)しいではありませぬか』
041『ナアニ、042一人(ひとり)(ある)くのにも、043(これ)には()ふに()はれぬ秘密(ひみつ)があるのだ。044(おれ)神謀鬼策(しんぼうきさく)女童(をんなわらべ)()(ところ)でない。045マア(おれ)のする(やう)(まか)しておいたが()からうぞ』
046日中(につちう)ならばソリヤお一人(ひとり)でも(よろ)しからうが、047今夜(こんや)(やう)(こと)があつては大変(たいへん)ですから、048何卒(どうぞ)()()れない(うち)(これ)からお(かへ)(あそ)ばす(やう)(ねが)ひます。049(わか)(をとこ)恋女(こひをんな)(あと)()(やう)に、050夜分(やぶん)にコソコソと一人(ひとり)(ある)きするのは、051何卒(どうぞ)心得(こころえ)(くだ)さいませ。052(ひめ)さまも大変(たいへん)御心配(ごしんぱい)(あそ)ばしますから……』
053『イヤ(じつ)(ところ)は、054(まへ)()つてる(とほ)り、055女房(にようばう)出陣(しゆつぢん)をしたのだから、056()第一(だいいち)大自在天(だいじざいてん)(さま)御祈願(ごきぐわん)()らし、057御先祖(ごせんぞ)(はか)へも(まゐ)り、058女房(にようばう)武勇(ぶゆう)発揮(はつき)するやう(いの)つて()つたのだ。059そした(ところ)が、060御先祖様(ごせんぞさま)石塔(せきたふ)(うしろ)から、061テーナ(ひめ)(かほ)(その)(まま)怪物(くわいぶつ)(あら)はれ、062(うら)めしの冷飯(ひやめし)の……と(ほざ)きやがつて、063怪体(けつたい)手付(てつき)(いた)し、064終焉(をはり)(はて)にや、065(まり)のやうな()()きよつた。066そこへ(また)一人(ひとり)化物(ばけもの)がやつて()て、067(からかさ)のやうな目玉(めだま)()きよつたものだから、068流石(さすが)(おれ)一寸(ちよつと)おつたまげて、069わが()()して逃帰(にげかへ)途中(とちう)070(あやま)つて入那川(いるながは)陥没(かんぼつ)したのだ。071そこを貴様(きさま)(をり)よく(とほ)つて(たす)けてくれたのだ、072マア有難(ありがた)い、073御礼(おれい)(まを)さねばなるまい。074(しか)しながら、075エー……ン、076彼奴(あいつ)(いのち)如何(どう)なつたか()らぬてな』
077彼奴(あいつ)(いのち)此奴(こいつ)(いのち)もあつたものですか。078貴方(あなた)大変(たいへん)に、079ヤスダラ ヤスダラと仰有(おつしや)いましたが、080ヤスダラ(ひめ)(たい)し、081(なに)かお(かんが)へがあるのですか』
082(なに)083(べつ)(これ)といふ(かんが)へもあるのぢやない、084彼奴(あいつ)生死(せいし)()いて、085(すこ)しばかり()にかかつてならないのだ』
086(わたし)もヤスダラ(ひめ)さまの(こと)()(かか)つてならないのですよ。087(うはさ)()けば、088テルマン(ごく)からお(かへ)りになつたといふ(こと)089()しや王様(わうさま)御夫婦(ごふうふ)にでもなられようものなら、090(わたし)如何(どう)しようかと、091そればかりが心配(しんぱい)でなりませぬワ』
092『コリヤ(むすめ)093そんな心配(しんぱい)(すこ)しも()らない。094(まへ)はどこまでもセーラン(わう)(きさき)だ。095(おれ)がキツと保証(ほしよう)して()はしてやるから安心(あんしん)せい。096(しか)しながら、097()しも(おれ)女房(にようばう)が、098今度(こんど)(たたか)ひで(いのち)()られるやうな(こと)があつたら、099(まへ)(なん)(おも)ふか』
100『それは(まを)すまでもなく、101(かな)しう(ござ)います。102(とう)さまも矢張(やつぱ)(かな)しいでせう』
103『そりや(おれ)だつて、104(かな)しい……のは(あた)(まへ)だ。105(しか)しながらウーン……』
106『お(とう)さま、107(その)(あと)()つて(くだ)さい。108如何(どう)なさると仰有(おつしや)るのですか』
109『マア刹那心(せつなしん)(たの)しむのだな。110(その)(とき)(その)(とき)(また)(かぜ)()くだらうから』
111『モシ(ひめ)さま、112御心配(ごしんぱい)なさいますな、113旦那(だんな)さまの(こころ)(うち)には、114行先(ゆくさき)(こと)までチヤンと成案(せいあん)があるのですから……それはそれは抜目(ぬけめ)のない旦那(だんな)さまですから、115流石(さすが)貴女(あなた)のお(とう)さまだけあつて、116よく注意(ちうい)行届(ゆきとど)いたものです。117ヤスダラ(やま)春風(はるかぜ)()いて、118(この)(やかた)(やが)百花爛漫(ひやくくわらんまん)119天国(てんごく)花園(はなぞの)(かは)るかも()れませぬ』
120『お(とう)さま、121貴方(あなた)(この)(ごろ)122大変(たいへん)にヤスダラ(ひめ)さまを御贔屓(ごひいき)(あそ)ばすさうですが、123ヨモヤ、124セーラン王様(わうさま)御妃(おきさき)になさる御考(おかんが)へぢやありますまいな。125さうなりや、126(わたし)はどうしたら()いのですか』
127『すべて人間(にんげん)は、128何事(なにごと)十分(じふぶん)といふ(こと)はいかぬものだ。129(こひ)()むと(ほつ)すれば(くらゐ)()てなくてはならず、130(くらゐ)()むと(ほつ)すれば(こひ)そのものを放擲(はうてき)せなくてはならぬ。131両方(りやうはう)()いのは頬被(ほほかぶ)りと○○だけだ。132それさへお(まへ)合点(がてん)()けば、133(まへ)(こひ)永遠(ゑいゑん)継続(けいぞく)させてやるが、134どうだ、135(この)(あひだ)からお(まへ)相談(さうだん)しようと(おも)うてゐたが、136丁度(ちやうど)今日(けふ)()機会(きくわい)だから()いて()るのだ』
137(めう)なことを仰有(おつしや)います。138(わたし)はイルナの(くに)では最高級(さいかうきふ)のセーラン(わう)(きさき)139(また)国内(こくない)第一(だいいち)立派(りつぱ)(をつと)(こひ)してゐるのです。140それをどちらか()てねばならぬとは、141ヤツパリさうすると、142貴方(あなた)王様(わうさま)退隠(たいいん)させ、143自分(じぶん)年来(ねんらい)野心(やしん)()げるといふ、144面白(おもしろ)からぬ御考(おかんが)へでせう』
145『イヤ、146(おれ)(はう)から無理(むり)(せま)るのぢやない。147(いま)までは武力(ぶりよく)(うつた)へてでも目的(もくてき)(たつ)しようと(おも)つてゐたのだが、148(まへ)()つてゐる(とほ)り、149大黒主(おほくろぬし)(さま)応援軍(おうゑんぐん)(まで)(ことわ)(まを)し、150部下(ぶか)武士(ぶし)(まで)(のこ)らず遠征(ゑんせい)()(のぼ)らせた(くらゐ)だから、151何事(なにごと)円満(ゑんまん)解決(かいけつ)のつく見込(みこみ)十分(じふぶん)()つてゐるのだ。152王様(わうさま)(くち)から仰有(おつしや)つたのだから、153(まへ)何程(なにほど)頑張(ぐわんば)つた(ところ)で、154王様(わうさま)御決心(ごけつしん)(うご)かす(こと)出来(でき)まい。155さうだから、156(くらゐ)をすてて(こひ)(えら)めといつたのだ。157(まへ)(をつと)刹帝利(せつていり)になるのも、158(おや)がなるのも、159(まへ)としては(べつ)差支(さしつかへ)がないぢやないか。160チツとは(おや)養育(やういく)(おん)(かんが)へて()れたらどうだ』
161『オホヽヽヽ、162(なん)とマア(むし)のよいお(かんが)へですこと。163あの王様(わうさま)(かぎ)つて、164そんなこと仰有(おつしや)(はず)がありませぬワ。165そりや貴方(あなた)独合点(ひとりがてん)でせう。166さうでなくは、167城内(じやうない)悪者(わるもの)(ども)にチヨロまかされ、168油断(ゆだん)をさされて(ござ)るのでせう。169あゝ(こま)つた(こと)をなさいましたなア。170あゝ(しか)しながら、171これで安心(あんしん)しました。172貴方(あなた)軍隊(ぐんたい)(かか)へさしておくと、173(いきほひ)(まか)せて脱線(だつせん)をなさるから()()でありませなんだ。174これで王様(わうさま)175一安心(ひとあんしん)なさりませう。176キツと貴方(あなた)(つばさ)()がれた(とり)のやうなものだから、177叛逆人(はんぎやくにん)として入那(いるな)牢獄(らうごく)にブチ()まれるにきまつてゐます。178それは(わたし)()(どく)でなりませぬ。179(しか)しながら海山(うみやま)養育(やういく)(おん)(むく)ゆる(ため)180(いのち)()へてでも貴方(あなた)(たす)ける(やう)王様(わうさま)(ねが)ひますから、181どうぞ(これ)からは、182(わる)(かんが)へを()さないやうにして(くだ)さい。183そしてヤスダラ(ひめ)(さま)に、184どうぞ接近(せつきん)しないやうに心得(こころえ)(くだ)さい。185(たの)みますから………』
186(じつ)(ところ)は、187(なに)もかもブチあけて()ふが、188ヤスダラ(ひめ)最早(もはや)(おれ)女房(にようばう)だ。189いろいろと悪魔(あくま)邪魔(じやま)をしやがつて、190(こひ)妨害(ばうがい)(いた)しよる、191(まへ)がゴテゴテいふのも、192(けつ)してお(まへ)本心(ほんしん)からではあるまい。193副守(ふくしゆ)(やつ)194(まへ)(くち)()つて、195(おれ)金剛心(こんがうしん)(にぶ)らさうとかかつて()るだらう。196モウ()うなつては(おれ)(いのち)がけだ。197(たれ)(なん)()つても、198梃子(てこ)でも(ぼう)でも(うご)くやうなチヨロい決心(けつしん)ぢやないから、199モウ(くだ)らぬ意見(いけん)()めてくれ。200ハルマン、201貴様(きさま)(おれ)出世(しゆつせ)をすれば一緒(いつしよ)について(のぼ)るのだから、202邪魔(じやま)(いた)しては後日(ごじつ)(ため)にならないぞ、203よいか。204賢明(けんめい)主人(しゆじん)本心(ほんしん)がチツとは(わか)つたか』
205『ハイ、206(わか)つたでもなし、207(わか)らぬでもありませぬ。208(しか)しながら、209国家(こくか)(ため)自重(じちよう)せなくてはならない大切(たいせつ)御身(おみ)(うへ)210今後(こんご)(わたし)がどこへお()でになるにも、211(とも)(いた)しますから、212どうぞお一人(ひとり)(やかた)()ないやうに(ねが)ひます』
213『エヽ()ざかしし、214ツベコベと主人(しゆじん)行動(かうどう)(つい)干渉(かんせう)するのか。215今日(こんにち)(かぎ)りグヅグヅぬかすと、216(いとま)(つか)はすから、217トツトと()()け。218サマリー(ひめ)219其方(そなた)も、220(おれ)のする(こと)(くちばし)()れるのならば、221最早(もはや)了簡(れうけん)(いた)さぬぞ。222(なん)(えら)さうに、223(をつと)(きら)はれて、224のめのめと(おや)(うち)逃帰(にげかへ)り、225世話(せわ)になつてゐながら、226何時(いつ)までも(おや)(たい)し、227主人(しゆじん)気取(きど)りで()るとは(なん)(こと)だ。228いゝ加減(かげん)慢心(まんしん)しておくがよからうぞ。229最早(もはや)(おれ)入那(いるな)(くに)刹帝利(せつていり)だ。230国中(くにぢう)(おい)(おれ)一口(ひとくち)でも(さか)らふ(もの)があつたら、231(たちま)追放(つゐはう)だから、232さう(おも)へ。233エーン』
234 ()かる(ところ)(あわただ)しくやつて()たのは(れい)のユーフテスであつた。235三人(さんにん)はユーフテスの落着(おちつ)かぬ姿(すがた)()て、236(やや)(あや)しみながら、237ハルマンは(ひざ)()(なほ)し、
238『ヤア其方(そなた)はユーフテス殿(どの)239いつもに(かは)今日(けふ)御様子(ごやうす)240(なに)城内(じやうない)(かは)つたことが(おこ)つたのぢやありませぬか』
241言葉(ことば)せはしく()ひかける。242ユーフテスは真青(まつさを)(かほ)をしながら、
243城内(じやうない)には大変(たいへん)(こと)突発(とつぱつ)しましたぞ。244グヅグヅしてゐると、245何時(いつ)目玉(めだま)飛出(とびで)るか、246()(さが)るか()れませぬ、247()をつけなさいませ。248旦那様(だんなさま)御注意(ごちうい)をなさらぬと、249馬鹿(ばか)()られちやお()(どく)だと(おも)つて御注進(ごちゆうしん)(まゐ)りました。250(わたし)大変(たいへん)にやられて()ました。251前車(ぜんしや)(くつが)へるは後車(こうしや)(いまし)め、252(わたし)のやうな失敗(しつぱい)旦那様(だんなさま)にさしちや申訳(まをしわけ)がないと(おも)ひ、253忠義(ちうぎ)(こころ)(おさ)(がた)()(もの)取敢(とりあへ)ず、254(いた)(あし)引摺(ひきず)つて(まゐ)つたので(ござ)います』
255『テンと貴方(あなた)のお言葉(ことば)要領(えうりやう)()ぬぢやありませぬか。256その(ほほ)べたは如何(どう)なさいました。257紫色(むらさきいろ)()(あが)つてるぢやありませぬか』
258天下無双(てんかむさう)美人(びじん)(りやう)ホウから(わたし)(りやう)ホホを、259可愛(かあい)(あま)つて(にく)らしいと()つて、260(つめ)りよつたのです。261ズイ(ぶん)(いた)同情(どうじやう)(あづ)かつて()ました。262モシ旦那様(だんなさま)263何卒(どうぞ)ここ四五日(しごにち)登城(とじやう)なさらぬやうに心得(こころえ)(くだ)さい。264(また)(ほほ)ベタを(つめ)られちや(たま)りませぬからなア』
265美人(びじん)(ほほ)(つめ)られたのを、266自慢(じまん)(おれ)()せに()たのだろ。267随分(ずゐぶん)気分(きぶん)がよかつたらうのう』
268『ハイ、269()かつたり、270(わる)かつたり、271(うれ)しかつたり、272(こは)かつたり、273つまり喜怒哀楽(きどあいらく)愛憎欲(あいぞうよく)七情(しちじやう)遺憾(ゐかん)なく発露(はつろ)(いた)しました。274立派(りつぱ)なセーリス(ひめ)だと(おも)へば、275其奴(そいつ)(おほ)きな白狐(びやくこ)になつてノソノソと(ある)()す。276一人(ひとり)本当(ほんたう)のセーリス(ひめ)だと(おも)へば、277其奴(そいつ)(また)()がつり(あが)(くち)(とが)り、278(たちま)(きつね)御面相(ごめんそう)になつて(しま)ふ。279イヤもう入那(いるな)城内(じやうない)は、280(この)(ごろ)はサーパリ妖怪変化窟(えうくわいへんげくつ)となつて(しま)ひました。281(なん)とかして本当(ほんたう)のセーリス(ひめ)発見(はつけん)しなくてはなりませぬ。282旦那様(だんなさま)(いま)()でになつたら、283キツと(わたし)()(まひ)をやつて馬鹿(ばか)()せられるに(ちが)ひありませぬ。284さうだから四五日(しごにち)御見合(おみあは)せを(ねが)ひたいと()つてるのですよ』
285『アハヽヽヽ面白(おもしろ)面白(おもしろ)い、286(きつね)でも(たぬき)でも(なん)でも(かま)はぬ。287そこを看破(かんぱ)するのが天眼通力(てんがんつうりき)だ。288貴様(きさま)(こひ)(ため)()がくらんでゐるから、289そんな()()ふのだ。290そこは流石(さすが)のカールチンさまだ。291城内(じやうない)妖怪(えうくわい)(のこ)らず看破(かんぱ)して、292至治泰平(しちたいへい)天国(てんごく)(きづ)()げるのが(この)(はう)(やく)だから、293()(だま)つて(おれ)御手際(おてぎは)()てゐるがよからう。294ハルマン、295貴様(きさま)(いま)思案(しあん)のし(どき)だ。296ここで改心(かいしん)(いた)し、297主人(しゆじん)自由(じいう)行動(かうどう)(さまた)げないといふ(ちか)ひを()てるなら、298従前(じゆうぜん)(とほ)り、299家来(けらい)使(つか)つてやらう。300オイ、301(むすめ)302貴様(きさま)もその(とほ)りだ。303今日(こんにち)場合(ばあひ)304神力無双(しんりきむさう)305旭日昇天(きよくじつしようてん)御威勢(ごゐせい)(たか)(おれ)(むか)つて、306ツベコベ横槍(よこやり)()れると、307親子(おやこ)(えん)今日(けふ)(かぎ)りだ。308どうだ、309(わか)つたか、310エーン』
311 ハルマンはヤツと(むね)()(おろ)し、312()(かく)()()されちや大変(たいへん)と、313ワザとに(うれ)しさうな(かほ)をして、
314『ハイ有難(ありがた)(ござ)いました。315今後(こんご)(けつ)して(なに)(まを)しませぬ。316絶対(ぜつたい)服従(ふくじゆう)(ちか)ひますから、317どうぞ末永(すえなが)可愛(かあい)がつて使(つか)つて(くだ)さいませ』
318『ウン、319ヨシヨシ、320それさへ(つつし)まば、321(おれ)だつて貴様(きさま)(ひま)をやりたいことはないのだ』
322ハルマン『(とき)にユーフテスさま、323実際(じつさい)そんな不思議(ふしぎ)城内(じやうない)突発(とつぱつ)してるのか、324チツと合点(がてん)()かぬぢやないか』
325『ウン、326本当(ほんたう)不可思議千万(ふかしぎせんばん)だ』
327サマリー『それなら、328カールチン殿(どの)329(しばら)(わたし)沈黙(ちんもく)して、330(とき)(うつ)るを()つであらう、331さらば』
332()()て、333(すそ)をゾロリゾロリと引摺(ひきず)りながら、334(おく)()()して(すす)()る。335ハルマンも、336ユーフテスも(つづ)いて、337自分(じぶん)家路(いへぢ)()して一先(ひとま)立帰(たちかへ)(こと)となつた。338カールチンは、
339『ヤレヤレ邪魔物(じやまもの)(はら)はれた』
340打喜(うちよろこ)び、341化粧室(けしやうしつ)()つて、342いろいろと(かほ)整理(せいり)(をは)り、343(うる)はしき衣服(いふく)()(まと)ひ、344裏門(うらもん)よりニコニコとして、345城内(じやうない)()して(また)もや(すす)()くのであつた。
346大正一一・一一・一六 旧九・二八 松村真澄録)
   
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10/28霊界物語音読第37、38、63巻と、大本神諭、伊都能売神諭をアップしました。
10/26【霊界物語ネット】大本神諭を「年月日順」で並べた時の順序が、一部おかしいものがあったので修正しました。(os176,192,193,191,235 の5つ)