霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一五章 温愛(をんあい)〔一一六六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第43巻 舎身活躍 午の巻 篇:第4篇 愛縁義情 よみ:あいえんぎじょう
章:第15章 第43巻 よみ:おんあい 通し章番号:1166
口述日:1922(大正11)年11月28日(旧10月10日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年7月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4315
愛善世界社版:239頁 八幡書店版:第8輯 115頁 修補版: 校定版:248頁 普及版:104頁 初版: ページ備考:
001 治国別(はるくにわけ)儼然(げんぜん)としてマツ(こう)(むか)ひ、
002何処(いづこ)何人(なにびと)(おとうと)()らぬが、003まづまづ無事(ぶじ)目出(めで)たいなア。004随分(ずゐぶん)苦労(くらう)をしたと()えて(とし)()りには(やつ)れて()るぢやないか』
005 マツ(こう)()びつくやうにして(ひざ)をにじり()せ、
006貴方(あなた)(わたし)兄様(にいさま)007亀彦(かめひこ)さまで(ござ)いませう。008ようマア無事(ぶじ)()(くだ)さいました。009(うれ)しう(ござ)います』
010(はや)くも(なみだ)をハラハラと()らして()る。
011治国別(はるくにわけ)『ヨウ、012これは近頃(ちかごろ)迷惑(めいわく)013この治国別(はるくにわけ)其方(そなた)のやうな(おとうと)()つた(おぼ)えがない。014(なに)かの間違(まちが)ひではあるまいか』
015マツ(こう)『それはあまり胴欲(どうよく)のお言葉(ことば)016よく(この)(かほ)御覧(ごらん)(くだ)さいませ』
017治国別(はるくにわけ)『ちつとも(おぼ)えがない』
018タツ(こう)『モシ亀彦(かめひこ)(さま)019(いや)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(さま)020(わたくし)はマツ(こう)女房(にようばう)(おとうと)021タツと(まを)します。022(たて)から()ても(よこ)から()ても瓜二(うりふた)つ、023御兄弟(ごきやうだい)間違(まちが)ひはありますまい。024そんなにじらさずに(はや)名乗(なの)つて(くだ)さいませ。025義兄(ぎけい)()()んで()ますから』
026治国別(はるくにわけ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)玉国別(たまくにわけ)(とも)(とりこ)にし(あま)つさへ(おそれおほ)くも斎苑(いそ)(やかた)大神様(おほかみさま)()(ほろ)ぼさむと(いた)す、027バラモン(けう)悪神(あくがみ)手先(てさき)となるやうな(おとうと)()つた(おぼ)えがない……かく(まを)治国別(はるくにわけ)胸中(きようちう)千万無量(せんまんむりやう)028推量(すゐりやう)(いた)せよ。029バラモン(けう)神司(かむづかさ)030(いや)軍人(いくさびと)
031マツ(こう)『イヤ、032兄様(にいさま)ではない治国別命(はるくにわけのみこと)(さま)033軽率(けいそつ)兄弟(きやうだい)(よば)はりを(いた)しまして、034(まこと)御無礼(ごぶれい)(ござ)いました。035何卒(どうぞ)(とが)めなくお見直(みなほ)()(なほ)しを(ねが)()げます』
036玉国別(たまくにわけ)『イヤ治国別(はるくにわけ)さま、037(けつ)して御遠慮(ごゑんりよ)には(およ)びませぬ。038折角(せつかく)御対面(ごたいめん)……』
039()はむとするを、040治国別(はるくにわけ)玉国別(たまくにわけ)口元(くちもと)(おさ)へるやうな()つきして、
041貴方(あなた)御親切(ごしんせつ)有難(ありがた)(ござ)いますが、042(これ)如何(どう)して名乗(なの)られませうか。043(けつ)して治国別(はるくにわけ)兄弟(きやうだい)()ちませぬ。044マツ(こう)とやら大神様(おほかみさま)御前(おんまへ)三五(あななひ)(まこと)(あらは)()はないか』
045マツ(こう)『ハイ(しか)らば(これ)より(わたし)真心(まごころ)御覧(ごらん)()れます。046(その)(うへ)にて兄弟(きやうだい)名乗(なの)りをお(ねが)(まを)します』
047(また)もや()(くづ)るる可憐(しほ)らしさ。048治国別(はるくにわけ)()繁叩(しばたた)き、049(かな)しさを(こら)黙然(もくねん)として()る。
050タツ(こう)『サア兄貴(あにき)()かう、051到底(たうてい)(まこと)(あら)はさねば何程(なにほど)(じつ)兄様(にいさま)だつて名乗(なの)つて(くだ)さる(はず)がない』
052涙声(なみだごゑ)(しぼ)りながら()(あが)る。053マツ(こう)()(あが)り、
054宣伝使(せんでんし)(その)()のお方々(かたがた)055暫時(しばらく)(わか)(いた)します。056明日(みやうにち)はきつと此処(ここ)でお()(かか)りませう。057(この)山口(やまぐち)にはランチ将軍(しやうぐん)058片彦(かたひこ)059久米彦(くめひこ)(はじ)鬼春別(おにはるわけ)大将(たいしやう)勢揃(せいぞろひ)をして()りますれば、060随分(ずゐぶん)御用心(ごようじん)なさいませ。061(いま)此処(ここ)をお()ちなされては、062如何(いか)神力無双(しんりきむさう)宣伝使(せんでんし)なればとて、063剣呑(けんのん)(ござ)います。064左様(さやう)ならば』
065()(わか)れ、066両人(りやうにん)急坂(きふはん)(みなみ)(くだ)()く。067(あと)見送(みおく)つて治国別(はるくにわけ)(なみだ)押隠(おしかく)し、
068()がれたる(ひと)相見(あひみ)今日(けふ)()
069(むかし)にましていとも(くる)しき。
070(はし)()(ひと)姿(すがた)(なが)むれば
071()らず()らずに(なみだ)ぐまるる。
072(あやまち)(あらた)(なほ)大神(おほかみ)
073(みち)にかへれよ二人(ふたり)()(ひと)
074(あき)()(さび)しさ(われ)(せま)りけり
075(おも)はぬ(ひと)()るにつけても。
076(なつか)しき(こひ)しき(ひと)曲津見(まがつみ)
077(しこ)(つかさ)となり(さが)りける。
078(われ)とても(こころ)(おに)にあらねども
079(かみ)大道(おほぢ)(はづ)すよしなし。
080(わが)身魂(みたま)如何(いか)なる(つみ)(つく)りしか
081(さび)しさ()()(あき)山路(やまみち)
082不意(ゆくり)なくめぐり()ひたる愛人(うづひと)
083(かみ)(あだ)とぞ()きし(かな)しさ』
084玉国別(たまくにわけ)治国別(はるくにわけ)(かみ)御心(みこころ)(おも)ひやり
085(われ)(おも)はず(なみだ)おとしぬ。
086やがて(また)(はな)()(はる)(きた)るらむ
087冬籠(ふゆごも)りして()(ひと)()は。
088(しも)()(ゆき)をかぶりて()(はな)
089(かをり)めでたき(には)白梅(しらうめ)
090治国別(はるくにわけ)有難(ありがた)玉国別(たまくにわけ)(こと)()
091三月(やよひ)木々(きぎ)心地(ここち)なしぬる。
092(われ)(いま)(かな)しきヂレンマにかかりけり
093(まこと)(あい)(かせ)()められ』
094道公(みちこう)惟神(かむながら)(かみ)(こころ)(まか)しませ
095やがて()れゆく(あき)大空(おほぞら)
096万公(まんこう)(おや)となり()となり(また)兄弟(きやうだい)
097(うま)るも(かみ)仕組(しぐみ)なるらむ。
098さりながら生者必滅(しやうじやひつめつ)会者定離(ゑしやぢやうり)
099浮世(うきよ)(さま)如何(いか)にとやせむ』
100晴公(はるこう)()(きみ)(ふか)(こころ)(おも)ひやり
101(はる)(こころ)(くも)りけるかな』
102五三公(いそこう)()(きみ)(こころ)(やす)けく思召(おぼしめ)
103(たよ)りまつ()(はな)(ひら)かむ。
104清春(きよはる)(やま)(ひそ)みし伊太公(いたこう)
105(ともな)(かへ)るマツ タツ二人(ふたり)
106マツ タツの二人(ふたり)(とも)はやがて此処(ここ)
107(ゑみ)(たた)へて(かへ)()るらむ』
108玉国別(たまくにわけ)最前(さいぜん)マツ(こう)(はなし)()けば、109(この)山道(やまみち)には鬼春別(おにはるわけ)軍勢(ぐんぜい)数多(あまた)()()()様子(やうす)110吾々(われわれ)(べつ)(いそ)必要(ひつえう)も、111かうなつてはありますまい。112(しばら)敵軍(てきぐん)(この)山道(やまみち)通過(つうくわ)する(まで)()(こと)(いた)しませうか』
113治国別(はるくにわけ)『それも(ひと)つの神策(しんさく)でせう。114仮令(たとへ)幾万(いくまん)敵軍(てきぐん)ありとも(かみ)(まか)せた吾々(われわれ)115(すこ)しも(おどろ)きは(いた)しませぬが、116(てき)四方(しはう)()()らした(ところ)が、117(めし)(うへ)(はへ)()ふやうなもの、118(ふたた)斎苑館(いそやかた)()(きた)るは必然(ひつぜん)でせう。119どうしても(こころ)(そこ)より帰順(きじゆん)さすか、120(ただし)(この)難所(なんしよ)(やく)して(その)進路(しんろ)(さへぎ)(とめ)るより(ほか)121名案(めいあん)もありますまい』
122玉国別(たまくにわけ)(わたくし)(ほこら)(まへ)(しばら)眼痛(がんつう)軽減(けいげん)する(まで)(いの)りませう。123何卒(どうぞ)貴方(あなた)はもとの場所(ばしよ)へお(いで)なさつて英気(えいき)(やしな)捲土重来(けんどじうらい)(てき)(そな)へて(くだ)さいませ』
124治国別(はるくにわけ)左様(さやう)ならば(しばら)御免(ごめん)(かうむ)りませう。125サアサア万公(まんこう)126晴公(はるこう)127()かう』
128(さき)()つ。129(あと)には玉国別(たまくにわけ)130道公(みちこう)両人(りやうにん)(のこ)つて()る。131五三公(いそこう)132純公(すみこう)治国別(はるくにわけ)(したが)つて森蔭(もりかげ)()(ぼつ)した。133晩秋(ばんしう)(かぜ)(また)もや(はげ)しく()いて()た。134(なかば)(こは)れし(ほこら)はギクギクと(あや)しき(こゑ)()て、135()()した。136木々(きぎ)(こずゑ)はヒウヒウと(ふえ)()く。137バラバラバラと枯葉(かれは)()ちる。138(つめ)たき(あめ)さへ(まじ)つて、139無雑作(むざふさ)()(わる)玉国別(たまくにわけ)(あたま)()(たた)く。140二人(ふたり)手早(てばや)(みの)(かぶ)り、141(かさ)(しつか)(むす)びつけ、142(ほこら)(うしろ)(あめ)(かぜ)とを(から)うじて()ける(こと)()た。
143 ()(やうや)西山(せいざん)(かたむ)いて、144(ねぐら)(さだ)むる(とり)(こゑ)彼方(かなた)此方(こなた)谷間(たにま)より(かまびす)しく(きこ)(きた)る。145薄衣(うすぎぬ)(はだ)()やす(かぜ)146時々(ときどき)()(きた)村時雨(むらしぐれ)147()()れると(とも)寂寥(せきれう)益々(ますます)()(せま)(きた)る。148道公(みちこう)玉国別(たまくにわけ)身体(からだ)(うしろ)よりグツと()いて(からだ)(だん)(たも)つべく、149(わが)()(さむ)さを(わす)れて(いたは)つて()る。150発作的(ほつさてき)()てくる(あたま)(いた)み、151間歇的(かんけつてき)()()()(いた)み、152()()はれぬ(くる)しみである。153玉国別(たまくにわけ)(ひそ)かに(かみ)(いの)り、154()()(つみ)謝罪(しやざい)して()た。155(この)(とき)(ゆふべ)谷間(たにま)(あつ)して宣伝歌(せんでんか)(こゑ)(きこ)えて()た。
156至仁(しじん)至愛(しあい)大神(おほかみ)
157大御心(おほみこころ)になりませる
158三五教(あななひけう)御教(みをしへ)
159豊葦原(とよあしはら)瑞穂国(みづほくに)
160くまなく(ひら)()らさむと
161神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)
162神言(みこと)(かしこ)()でませる
163(わが)()(きみ)音彦(おとひこ)
164(いま)何処(いづこ)にましますか
165斎苑(いそ)(やかた)神殿(かむどの)
166(ぬかづ)きまつり(わが)(つま)
167(いさを)をたてさせ(たま)へよと
168(いの)(をり)しも摩訶(まか)不思議(ふしぎ)
169(わが)()にうつりし光景(くわうけい)
170河鹿峠(かじかたうげ)()(たか)
171懐谷(ふところだに)()れまして
172子猿(こざる)(むれ)十重(とへ)二十重(はたへ)
173()(かこ)まれし(その)揚句(あげく)
174(ふた)つの(まなこ)(うしな)ひて
175(くる)しみたまふ有様(ありさま)
176(うかが)ひまつりし(わが)(こころ)
177(なん)(たと)へむすべもなし
178(こころ)(さだ)(きも)()
179(かみ)御前(みまへ)(ぬか)づきて
180大神勅(だいしんちよく)(うかが)へば
181皇大神(すめおほかみ)御言葉(みことば)
182斎苑(いそ)(やかた)五十子姫(いそこひめ)
183(をつと)(なん)(すく)ふべく
184今子(いまこ)(ひめ)(したが)へて
185片時(へんじ)(はや)()でませと
186()らせ(たま)ひし有難(ありがた)
187(てん)にも(のぼ)心地(ここち)して
188(こころ)いそいそ河鹿山(かじかやま)
189(わた)りて此処(ここ)まで(きた)りけり
190あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
191御霊(みたま)(さち)はひましまして
192(わが)()(きみ)遭難(さうなん)
193(すく)ひたまひて三五(あななひ)
194(かみ)()さしの神業(かむわざ)
195完全(うまら)委曲(つばら)()()げる
196御稜威(みいづ)(あた)(たま)へかし
197朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
198(つき)()つとも()くるとも
199仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
200(かみ)(つか)へし(わが)(つま)
201(ふた)つの(まなこ)()するとも
202如何(いか)でかひるみ(たま)はむや
203(とほ)山野(さんや)()(わた)
204(わが)()(きみ)(あと)()うて
205(その)神業(しんげふ)詳細(まつぶさ)
206(おぎな)ひまつり五十子姫(いそこひめ)
207今子(いまこ)(ひめ)諸共(もろとも)
208(この)神業(しんげふ)(はた)さねば
209仮令(たとへ)百年(ひやくねん)かかるとも
210斎苑(いそ)(やかた)(かへ)らじと
211(ちか)ひまつりし(かな)しさよ
212あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
213(この)急坂(きふはん)()きつける
214(しこ)(あらし)一時(いつとき)
215(はや)(しづ)まり(ふゆ)()
216(はな)()(はる)(きた)るごと
217(わが)()(きみ)眼病(がんびやう)
218(ひら)かせたまへ惟神(かむながら)
219(かみ)御前(みまへ)()ぎまつる』
220 ()(うた)つて(くだ)(きた)るのは(うた)文句(もんく)(あら)はれた玉国別(たまくにわけ)(つま)五十子姫(いそこひめ)であつた。
221玉国別(たまくにわけ)妻神(つまがみ)
222(つか)へたまひし五十子姫(いそこひめ)
223(をつと)危難(きなん)(すく)はむと
224(かみ)御許(みゆる)()けたまひ
225孱弱(かよわ)(をんな)()をもつて
226荒風(あらかぜ)すさぶ荒野原(あらのはら)
227(やうや)()えて河鹿山(かじかやま)
228(さび)しき山野(やまの)()(わた)
229(また)もや()()烈風(れつぷう)
230(かみ)(くしけづ)(あめ)()
231()()(つまづ)(あし)(やぶ)
232種々(いろいろ)雑多(ざつた)艱苦(かんく)して
233(たづ)()ますぞ雄々(をを)しけれ
234今子(いまこ)(ひめ)(いま)此処(ここ)
235(わが)()(きみ)(あと)()
236(をんな)ながらも皇神(すめかみ)
237(みち)にさやれる曲津見(まがつみ)
238(いづ)言霊(ことたま)()()して
239言向(ことむ)(やは)(つき)(くに)
240四方(よも)にさやれる(おに)大蛇(をろち)
241醜神司(しこがみつかさ)(はら)はむと
242(いは)()()()()みさくみ
243(あし)にまかして(すす)()
244あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
245吾等(われら)一行(いつかう)()()ちを
246(あは)れみたまひ逸早(いちはや)
247(わが)()(きみ)御前(おんまへ)
248(すす)ませたまへ惟神(かむながら)
249(かみ)御前(みまへ)今子姫(いまこひめ)
250誠心(まごころ)(ささ)()ぎまつる
251獅子狼(ししおほかみ)(たけ)るとも
252如何(いか)木枯(こがらし)(つよ)くとも
253河鹿峠(かじかたうげ)(けは)しとも
254などか(おそ)れむ皇神(すめかみ)
255(めぐみ)()けし(この)(からだ)
256(いさ)(すす)んで何処(どこ)までも
257()かねばおかぬ(わが)(おも)
258()げさせたまへ天地(あめつち)
259御親(みおや)とまします大御神(おほみかみ)
260神素盞嗚大御神(かむすさのをのおほみかみ)
261()()(かみ)()(はな)
262(ひめ)(みこと)大前(おほまへ)
263頸根突(うなねつ)()()ぎまつる』
264(うた)つて(ほこら)(もり)(まへ)(むか)つて(くだ)()るのが今子姫(いまこひめ)であつた。265五十子姫(いそこひめ)266今子姫(いまこひめ)は、267玉国別(たまくにわけ)(この)(ほこら)(うしろ)雨風(あめかぜ)(しの)()るとは(ゆめ)にも()らず、
268五十子姫(いそこひめ)『アヽ今子(いまこ)さま、269やうやう(ほこら)(もり)(まで)(まゐ)りました。270(かげ)(かぜ)(しづ)まり(あめ)もやみましたから、271此処(ここ)御祈念(ごきねん)をして(しばら)(あし)をやすめる(こと)(いた)しませう。272かうスツポリと()()れては坂道(さかみち)剣呑(けんのん)(ござ)いますからなア』
273今子姫(いまこひめ)『ハイさう(いた)しませう。274(なん)だか(ゆか)しい(もり)(ござ)います。275(わたし)はどうしても(この)(もり)玉国別(たまくにわけ)さまが()られるやうな()がしてなりませぬわ』
276五十子姫(いそこひめ)貴女(あなた)もさう(おも)ひますか。277(わたし)(なん)となく、278なつかしい(もり)だと(おも)ひます。279サア此処(ここ)一服(いつぷく)(いた)しませう』
280 両人(りやうにん)拍手(はくしゆ)再拝(さいはい)281(なかば)(やぶ)れし(ほこら)(むか)つて祈願(きぐわん)()めて()る。
282 (この)(とき)玉国別(たまくにわけ)道公(みちこう)(いだ)かれ心地(ここち)よく(ねむり)について()たがフト()()まし、
283『ヤア道公(みちこう)284御苦労(ごくらう)だつた。285(われ)(かか)へて()つて()れたのだなア。286(かげ)(あたた)かく(ねむ)らして(もら)つた。287(あたま)(いた)みも(なほ)つた。288()(いた)みも(わす)れたやうな()がする。289アヽ()(がた)い、290(この)(うれ)しさは何時(いつ)までも(わす)れはせぬぞ』
291道公(みちこう)先生(せんせい)292そりや(なに)仰有(おつしや)います。293弟子(でし)(れい)()ふといふ(こと)がありますか。294(わたし)だつて貴方(あなた)(かか)へさして(いただ)いたお(かげ)で、295(まこと)(あたた)かく()らず()らず安眠(あんみん)(いた)しました。296これも先生(せんせい)御余光(ごよくわう)(ござ)います。297(れい)()はれては(こま)ります。298(わたし)(はう)からお(れい)申上(まをしあ)げねばなりませぬ』
299玉国別(たまくにわけ)惟神(かむながら)なれが(なさけ)のあつ(ごろも)
300(つめ)たき(かぜ)(しの)ぎけるかな』
301道公(みちこう)()(きみ)御身(おんみ)(ぬく)()にうけて
302(よみが)へりけり(われ)(たましひ)
303玉国別(たまくにわけ)(たび)()(ひと)(なさけ)(さと)りけり
304(かみ)(みち)とに(つか)へゆく()は』
305道公(みちこう)(こは)れたる古宮(ふるみや)なれど(あたら)しき
306(めぐみ)(つゆ)(くだ)したまひぬ』
307玉国別(たまくにわけ)治国(はるくに)(わけ)(みこと)神司(かむつかさ)
308夜風(よかぜ)にさぞや(くる)しみたまはむ。
309(わが)宿(やど)(のこ)せし(つま)(さぞ)やさぞ
310(わが)()()()(たづ)()るらむ』
311 五十子姫(いそこひめ)312今子姫(いまこひめ)(さと)くも、313(ほこら)(うしろ)より(かす)かに()()(うた)()きて、314()(あが)るばかり()(よろこ)び「(わが)(つま)はここにましませしか」と(とどろ)(むね)をぢつと(おさ)へ、
315五十子姫(いそこひめ)(なつか)しき(わが)()(きみ)(こゑ)()きて
316()(わた)りけり(むね)月影(つきかげ)
317今子姫(いまこひめ)(なつか)しき(わが)()(きみ)皇神(すめかみ)
318(かげ)(つつ)まれ(やす)くいませる』
319 道公(みちこう)小声(こごゑ)になり、
320『モシ先生(せんせい)321あの(うた)をお()きになりましたか、322どうやら五十子姫(いそこひめ)(さま)のやうで御座(ござ)いますなア』
323玉国別(たまくにわけ)『ウン(たしか)五十子姫(いそこひめ)だ。324一人(ひとり)今子姫(いまこひめ)間違(まちが)ひなからう』
325道公(みちこう)『そんな(こと)仰有(おつしや)らずに、326(はや)くお()ひになつたらどうでせうか。327五十子姫(いそこひめ)(さま)遥々(はるばる)此処迄(ここまで)(あと)(した)つてお(いで)なさつたので(ござ)います』
328玉国別(たまくにわけ)『ウン、329()うてやり()いは山々(やまやま)だが、330(いま)()(こと)出来(でき)ぬ。331不愍(ふびん)ながら斎苑館(いそやかた)()(かへ)さねばなるまい』
332五十子姫(いそこひめ)『モシ其処(そこ)()られますのは、333(わが)(つま)玉国別(たまくにわけ)(さま)ぢや(ござ)いませぬか。334貴方(あなた)大変(たいへん)怪我(けが)をなされましたと、335神様(かみさま)(うけたま)はり(こころ)(こころ)ならず、336今子(いまこ)さまとお(あと)(した)つて(まゐ)りました。337御容態(ごようだい)如何(いかが)(ござ)いますか、338どうぞお()らせ(くだ)さいませ』
339玉国別(たまくにわけ)盲目(めしひ)たる(こころ)(まなこ)(ひら)けけり
340(みぎ)りの()をば(さる)にとられて』
341五十子姫(いそこひめ)(なさけ)なや(わが)()(きみ)御眼(おんまなこ)
342(えぐ)()りたる(さる)(うら)めし』
343今子姫(いまこひめ)()(かく)(わが)()御君(おんきみ)()でませよ
344五十子(いそこ)(ひめ)(こころ)あはれみて』
345玉国別(たまくにわけ)(つま)(きみ)一目(ひとめ)()ひたく(ほり)すれど
346(かみ)使命(しめい)はおろそかならねば。
347玉国(たまくに)(わけ)(つかさ)妻神(つまがみ)
348(たす)けられしと(ひと)()はれむ。
349(はづ)かしき(わが)(まなこ)をば若草(わかぐさ)
350(つま)(みこと)如何(いか)でか()はさむ』
351道公(みちこう)『モシ先生(せんせい)352そんな几帳面(きちやうめん)(こと)仰有(おつしや)らいでも(よろ)しいぢやありませぬか。353奥様(おくさま)がお(いで)になつて()るのですから、354(たれ)(なん)(まを)しませう。355そこが夫婦(ふうふ)情愛(じやうあい)(ござ)いますから、356サア(ほこら)(まへ)(まで)(まゐ)りませう』
357玉国別(たまくにわけ)『そんなら()(かく)()()ようかなア』
358道公(みちこう)()()かれ、359(つゑ)(ちから)(ほこら)(まへ)()()つた。360五十子姫(いそこひめ)十七夜(じふしちや)(つき)(やうや)(やま)()(のぼ)つた(ひかり)(をつと)(かほ)()(なが)め、
361五十子姫(いそこひめ)『ヤア(おも)つたよりも(ひど)()(きづ)362マアどうしたら(よろ)しからうなア、363今子姫(いまこひめ)さま』
364今子姫(いまこひめ)『お()(どく)(こと)(ござ)います、365(なん)(まを)()げて(よろ)しいやら、366(こと)()()ませぬ。367(しか)御心配(ごしんぱい)なさいますな、368キツト神様(かみさま)(なほ)して(くだ)さいませう』
369五十子姫(いそこひめ)『モシ(わが)夫様(つまさま)370(あま)(いた)みは(いた)しませぬか』
371玉国別(たまくにわけ)『ウン(ちつと)ばかり(いた)むやうだ』
372大正一一・一一・二八 旧一〇・一〇 加藤明子録)
   
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