霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
テキストのタイプ[?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示[?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌[?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注[?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
外字1の色
外字2の色

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第七章 妻難(さいなん)〔一二一七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第46巻 舎身活躍 酉の巻 篇:第1篇 仕組の縺糸 よみ:しぐみのれんし
章:第7章 妻難 よみ:さいなん 通し章番号:1217
口述日:1922(大正11)年12月15日(旧10月27日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年9月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
喜久公の妻・お覚はまた、小北山に来て神がかりし、自分の身魂が神業に仕える尊い身魂だと聞かされて、ここで奉仕したら神代からの罪悪を洗われると思い込み半信半疑で仕えてきたが、今狐の仕業とわかってすっかり迷いが晴れたと、三五教に改心することを表明した。
お福はまた、お寅が自分の家に来てから口を切るようになり、お寅の神力を信じて全財産を寄進して一心に仕えてきたが、皆の話を聞いてウラナイ教の裏を知りすっかり愛想がつきたと歌った。
お福は、夫の竹公はまだ目が覚めないが自分はもうこんなところは止めたと、春公の手を握って外へ走り出した。お福は河鹿川の神政松の御神木までくると、今までよくもだましたと怒って苗木をすっかり引き抜いて川に捨ててしまった。
あとから竹公が追いかけてきた。竹公が怒り狂うお福をなだめるが、お福は大勢の前で狐の仕業だとすっぱ抜かれることになったのも、竹公が気が利かないから騙されたのだと責め立てた。
竹公はお前がしょうもない神がかりをするから自分が巻き込まれたのだと喧嘩を始める。晴公が中へ割って入り、誰がなんと言おうと自分は二人が神の身魂だと信じると言って喧嘩を収めた。
機嫌を直した竹公とお福は、春公と共に大広間へ帰って行く。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:91頁 八幡書店版:第8輯 392頁 修補版: 校定版:94頁 普及版:36頁 初版: ページ備考:
001 お(かく)(うた)ふ。
002高姫司(たかひめつかさ)(ひら)きたる
003北山村(きたやまむら)本山(ほんざん)
004蠑螈別(いもりわけ)魔我彦(まがひこ)
005(つかさ)(したが)喜久(きく)さまと
006これの聖地(せいち)()()れば
007(おも)ひもよらぬ神憑(かむがかり)
008(おも)ひがけなや(わが)(たま)
009(ふる)(むかし)因縁(いんねん)
010木曽義姫(きそよしひめ)守護神(しゆごうじん)
011(たふと)(かみ)御裔(おんすゑ)
012()いたる(とき)(おどろ)きは
013(なん)(たと)へむものもなく
014(その)(おどろ)きと(うれ)しさの
015(くも)(つつ)まれゐたりけり
016(たふと)(かみ)命令(めいれい)
017(そむ)くに(よし)なく喜久(きく)さまと
018三年(みとせ)()えし今日(けふ)(まで)
019()(つつし)みて(しとね)さへ
020(べつ)にいく()(さび)しさを
021(なみだ)(とも)にしのびつつ
022これも(むかし)神代(かみよ)から
023()()ちあらした天罰(てんばつ)
024(むく)うて()たのに(ちが)ひない
025かうして身魂(みたま)借銭(しやくせん)
026つぐなひ(くだ)さる(こと)ならば
027こんな結構(けつこう)(こと)はない
028(かぎ)りもしれぬ罪悪(ざいあく)
029直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)
030百目(ひやくめ)(かた)編笠(あみがさ)
031一介(いつかい)()してすますよな
032ボロイ(たふと)(はなし)ぢやと
033ここまで(をしへ)をよく(まも)
034(かみ)(つか)へて(まゐ)りました
035(その)おかげやら今日(けふ)(また)
036結構(けつこう)(こと)(わか)()
037半信半疑(はんしんはんぎ)(くも)はれて
038げに爽快(さうくわい)(たましひ)
039スツパリ(うま)(かは)りました
040これもヤツパリ小北山(こぎたやま)
041(しづ)まりいます曲神(まがかみ)
042(ひと)つはおかげに(ちが)ひない
043(わが)()(うつ)つた神様(かみさま)
044木曽義姫(きそよしひめ)といふ(こと)ぢや
045どこの(きつね)()らねども
046ようマア(ひと)肉体(にくたい)
047うまく使(つか)うたものだなア
048これぢやに()つて人間(にんげん)
049注意(ちゆうい)をせなくちやならないと
050三五教(あななひけう)神様(かみさま)
051赤子(あかご)(くち)にそら(まめ)
052かみくくめるやう親切(しんせつ)
053(さと)して(くだ)さる御仁愛(ごじんあい)
054(その)言葉(ことば)をいつとなく
055(わす)れて(しま)ひウラナイの
056教司(をしへつかさ)高姫(たかひめ)
057(みづ)()らさぬ弁舌(べんぜつ)
058(まよ)うた(ため)肝腎(かんじん)
059(たふと)(おや)(そで)にして
060(わけ)(わか)らぬ神様(かみさま)
061(まよ)うて()たのが(なさけ)ない
062(おほ)きな(かほ)して(いへ)(そと)
063どうしてこれが(ある)けよか
064とは()ふもののこれも(また)
065仁慈(じんじ)無限(むげん)神様(かみさま)
066(ため)しならむと見直(みなほ)せば
067見直(みなほ)されない(こと)もない
068あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
069(かみ)御霊(みたま)(さち)はひて
070(この)神山(かみやま)天地(あめつち)
071(まこと)(かみ)(くだ)りまし
072世人(よびと)(あまね)善道(ぜんだう)
073(をし)(みちび)(わが)身魂(みたま)
074(すく)(たま)ひて天国(てんごく)
075(さか)えを(あた)(たま)へかし
076(あさひ)()るとも(くも)るとも
077(つき)()つとも()くるとも
078仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
079(ほし)(てん)より(くだ)るとも
080(やま)さけ(うみ)はあするとも
081三五教(あななひけう)神徳(しんとく)
082(まなこ)(さま)した(うへ)からは
083如何(いか)なる(こと)(きた)るとも
084(けつ)して邪教(じやけう)にや(まよ)はない
085(くも)つた(まなこ)(いま)あけて
086真如(しんによ)光明(くわうみよう)ありありと
087(こころ)(うみ)()()した
088仁慈(じんじ)無限(むげん)神様(かみさま)
089(てん)(まこと)五六七様(みろくさま)
090何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)吾々(われわれ)
091(きたな)(こころ)(あは)れみて
092(まこと)(ひと)つの三五(あななひ)
093(をしへ)完全(うまら)委曲(つばら)かに
094さとらせ(たま)惟神(かむながら)
095(うづ)御前(みまへ)()ぎまつる』
096 お(ふく)はまた(うた)ふ。
097さだ()(ひめ)肉宮(にくみや)
098鈴野(すずの)(ひめ)をかね(たま)
099内事司(ないじつかさ)のお(とら)さま
100(わが)()(あら)はれ(きた)りまし
101ウラナイ(けう)信仰(しんかう)
102(すす)めなさつた(とき)もあれ
103不思議(ふしぎ)(わたし)身体(しんたい)
104地震(ぢしん)(ごと)震動(しんどう)
105胸苦(むなぐる)しくもなつて()
106此奴(こいつ)不思議(ふしぎ)とわれながら
107(あや)しみ(うたが)(とき)もあれ
108(はら)(そこ)からウンウンと
109(うな)()したる(たま)ゴロが
110(やうや)(のど)(のぼ)りつめ
111(くち)()らうとした(とき)
112(あと)にも(さき)にもないやうな
113(くる)しい(おも)ひを(いた)しました
114(とら)さまが(わが)()()るや(いな)
115不思議(ふしぎ)(こと)出来(でき)たのは
116(えら)神徳(しんとく)ある(ひと)
117(ただ)のお(かた)ぢやあらうまい
118(たふと)(かみ)御化身(ごけしん)
119(しん)じて(をが)(をり)もあれ
120(いき)追々(おひおひ)(らく)になり
121(あさひ)豊栄昇(とよさかのぼ)(ひめ)
122これからお(まへ)因縁(いんねん)
123(おれ)肉体(にくたい)かる(ほど)
124小北(こぎた)(やま)(まか)()
125信仰(しんかう)せよとおごそかに
126自分(じぶん)(くち)から()(つた)
127かうなる(うへ)夫婦(ふうふ)とも
128(うたが)余地(よち)もあらざれば
129(とら)()さまの()ふままに
130屋財家財(やざいかざい)(なげう)つて
131これの(やかた)転住(てんぢゆう)
132(わが)()()てる財産(ざいさん)
133櫛笄(くしかうがい)(いた)るまで
134売代(うりしろ)なして神様(かみさま)
135(みや)御用(ごよう)()てました
136それから(わたし)(なん)となく
137(こころ)(おご)りて()らぬ()
138(あさひ)豊栄昇(とよさかのぼ)(ひめ)
139霊肉一致(れいにくいつち)神柱(かむばしら)
140(なん)たる結構(けつこう)(からだ)よと
141夫婦(ふうふ)朝夕(あさゆふ)()(ごと)
142一人(ひとり)笑壺(ゑつぼ)()つてゐた
143(しか)るに(なん)(はか)らむや
144(みな)さまのお(はなし)()くにつけ
145愛想(あいさう)もコソもつきました
146何程(なにほど)(かみ)仕組(しぐみ)でも
147(わたし)をこんな()()はすとは
148(あんま)りヒドイ神様(かみさま)ぢや
149(わたし)はこれからスツパリと
150(おも)()ります(かみ)いぢり
151御幣(ごへい)をかついで(わら)はれて
152どうして(この)()(わた)れませう
153コレコレもうし(たけ)さまえ
154(まへ)五六七成就(みろくじやうじゆ)
155(かみ)のお(みや)ぢやなかつたか
156まるで(きつね)につままれた
157やうな(おも)ひがすぢやないか
158(おも)(どころ)正真正銘(しやうしんしやうめい)
159坂照山(さかてるやま)のド(ぎつね)
160(だま)してゐたのに(ちが)ひない
161コレコレもうし(たけ)さまえ
162(おも)()るのは(いま)だらう
163グヅグヅしてると松姫(まつひめ)
164松彦(まつひこ)さまに(また)しても
165眉毛(まゆげ)をよまれ(しり)()
166一本(いつぽん)もないまで()かれますぞや
167あゝ(おそ)ろしや(おそ)ろしや
168(かみ)(おもて)標榜(へうぼう)
169(ただ)しき(この)()人間(にんげん)
170(だま)して()はうとする(やつ)
171(とら)(おほかみ)眷属(けんぞく)
172長居(ながゐ)(おそ)逸早(いちはや)
173ここをば()つて(かへ)りませう
174(たけ)さまそれが不承知(ふしようち)なら
175(わたし)勝手(かつて)()にますよ
176コレコレもうし(はる)さまえ
177(まへ)(わし)平常(へいぜ)から
178(たがひ)(こころ)()()うて
179しつぽり(はなし)をしたぢやないか
180(わたし)信仰(しんかう)やめたなら
181(まへ)もやめると()ふただろ
182サアサア(はや)(かへ)りませう
183トチ(ばう)(ぢい)(たけ)さまは
184まだまだお()がさめませぬ
185サアサア(はや)う』と()ひながら
186春公(はるこう)さまの()()つて
187(ふと)(をんな)がひんにぎり
188トントントンと広前(ひろまへ)
189夜叉(やしや)(ごと)くに()(いだ)
190坂道(さかみち)さして(かへ)りゆく
191竹公(たけこう)(おどろ)立上(たちあが)
192(ふく)(あと)追駆(おつか)けて
193(あさひ)豊栄昇(とよさかのぼ)(ひめ)
194(しばら)()つた一寸(ちよつと)()つた
195(まへ)()ひたい(こと)がある
196短気(たんき)損気(そんき)ぢや()てしばし
197()てと(まを)さば()つがよい
198(これ)には(ふか)いわけがある』
199(こゑ)(かぎ)りに(さけ)びつつ
200坂道(さかみち)()して()うてゆく。
201 お(ふく)半狂乱(はんきやうらん)(ごと)くになり、202河鹿川(かじかがは)(かは)べりにある笠松(かさまつ)(ふもと)(さかひ)神政松(しんせいまつ)神木(しんぼく)としるしてある千引岩(ちびきいは)(かたはら)(はし)りより、
203『コリヤ、204神政松(しんせいまつ)神木(しんぼく)205よう今迄(いままで)おれを(だま)したなア。206(この)普請(ふしん)(おれ)蠑螈別(いもりわけ)(だま)されて(こしら)へたのだ。207モウ今日(けふ)から信仰(しんかう)をやめた(うへ)は、208(たた)(つぶ)さうと()うしようと(わし)勝手(かつて)だ、209エヽ怪体(けたい)(わる)い』
210(ちから)一杯(いつぱい)()せども()けども、211数十人(すうじふにん)(もつ)引張(ひつぱ)つた(この)巨岩(きよがん)212ビクとも(いた)さばこそ、213泰然自若(たいぜんじじやく)214平気(へいき)(かほ)でお(ふく)繰言(くりごと)冷笑(れいせう)してゐる。215(ふく)十六柱(じふろくはしら)(かみ)になぞらへて()ゑておいた十六本(じふろくぽん)小松(こまつ)をグイグイと引抜(ひきぬ)きながら、
216『エヽ神政松(しんせいまつ)もへつたくれもあつたものか、217アタいまいましい、218奴狐(どぎつね)め、219(だま)しやがつた』
220()ひながら、221(にぎ)つては(かは)(なが)し、222(にぎ)つては(かは)(なが)(たけ)(くる)ひ、
223『コリヤ神政木(しんせいぼく)224(もと)(かね)にならぬか、225性念(しやうねん)があるなら、226せめて一寸(ちよつと)なと(うご)いて()せよ。227コラよう(うご)かぬか、228甲斐性(かひしやう)なし()229貴様(きさま)(かみ)だと(まを)すが、230まるで(ゐざり)のやうな(やつ)だ』
231()ひながら、232あたりの(いし)(ひろ)つて、233千引(ちびき)(いは)にバラバラと()ちかけてゐる。234そこへ春公(はるこう)235竹公(たけこう)(はし)(きた)り、
236竹公(たけこう)『コリヤコリヤお(ふく)237マア()をしづめたら()うだ。238サウお(まへ)のやうに一徹(いつてつ)(おこ)つてくれると(はなし)出来(でき)ぬぢやないか』
239(ふく)『エヽエ腰抜男(こしぬけをとこ)(なに)()つてるのだい、240(わら)(かど)には(ふく)(きた)る、241(まへ)()はお(ふく)さまだから、242三年先(さんねんさき)になれば一粒万倍(いちりふまんばい)にして(ふく)(かへ)して(くだ)さると、243蠑螈別(いもりわけ)魔我彦(まがひこ)()ひやがつて、244(ひと)(かね)(のこ)らず巻上(まきあ)げよつた。245(まる)三年(さんねん)になつた(とき)246今日(けふ)万倍(まんばい)にしてくれるかと(おも)つて()つてゐたら、247一文(いちもん)も、248どこからもくれやせぬ。249それでも神政(しんせい)成就(じやうじゆ)近付(ちかづ)いたら、250百万倍(ひやくまんばい)にして(かへ)してくれるだろと()つてゐたのだ。251最前(さいぜん)から()いてみれば、252坂照山(さかてるやま)のド(ぎつね)(だま)されて()つたと()ふぢやないか、253阿呆(あはう)らしい、254どうしてあんな(ところ)()れるものか、255(いま)まで大勢(おほぜい)信者(しんじや)(あさひ)豊栄昇(とよさかのぼ)(ひめ)(さま)といつて(あが)められてゐたのに、256大勢(おほぜい)(まへ)でスツパぬかれて、257どうして(この)(ふく)(かほ)()ちますか。258(まへ)さまは()のきかぬ頓馬(とんま)だから、259(わたし)(ひと)(かほ)()はされないやうにして(しま)つたのだ。260(この)(まま)泣寝入(なきねい)りをしては世間(せけん)()はす(かほ)がないから、261仮令(たとへ)何時(いつ)までかかつても、262(この)(いは)をひつくり(かへ)(つぶ)さねば承知(しようち)をせないのだよ。263(たけ)さま、264(はる)さま、265(なん)だ、266ヒヨツトコ(づら)して、267(なに)(あを)(かほ)してるのだい、268さうだから意気地(いくぢ)なしと()はれるのだ』
269貴様(きさま)がせうもない神憑(かむがかり)をするものだから(おれ)までが()()まれたのだ。270(つみ)貴様(きさま)にあるのだ、271(おれ)不足(ふそく)をいふ(すぢ)(ひと)つもあるまい』
272『それだから頓馬(とんま)といふのよ。273何程(なにほど)(かか)(すす)めても、274(をつと)(をつと)権利(けんり)があるぢやないか、275なぜ(その)(とき)一言(ひとこと)()をつけてくれないのだ。276(まへ)一緒(いつしよ)賛成(さんせい)をするものだから、277(この)(ふく)(あや)しいとは(おも)うては()つたが、278(たけ)さまが(をとこ)()()ながら一番(いちばん)賛成(さんせい)したものだから、279ヤツパリ(わたし)守護神(しゆごじん)結構(けつこう)神様(かみさま)だと(おも)うて賛成(さんせい)したのだ。280それがサツパリ(あて)(はづ)れて、281世間(せけん)顔出(かほだ)しが出来(でき)(こと)になつて(しま)つたぢやないか。282本当(ほんたう)にいまいましい、283アンアンアン、284(かへ)(もど)せ、285(わたし)()した(かね)を』
286(おれ)だつて、287(あや)しいとは(おも)つて()つたが、288(まへ)一寸(ちよつと)(あや)しまないものだから、289ヤツパリ本真(ほんま)かと(おも)つたのだ。290つまりどちらの(みたま)()()けとつたのだから、291責任(せきにん)両方(りやうはう)にある。292マア(おれ)()(こと)()いて、293一遍(いつぺん)大広間(おほひろま)まで()()てくれ、294結構(けつこう)(はなし)()かして(もら)つてやるから……』
295『ヘン、296責任(せきにん)二人(ふたり)にあるなんて、297(なん)とマア卑怯(ひけふ)(をとこ)(こと)298(をんな)蔭者(かげもの)299(おもて)には()ちませぬぞや。300家長権(かちやうけん)執行者(しつかうしや)はお(まへ)ぢやないか、301(なん)()つてもお(まへ)(わる)いのだよ。302馬鹿野郎(ばかやらう)頓痴気(とんちき)野郎(やらう)だよ』
303 竹公(たけこう)はムツとして、304つかみつく、305(ここ)夫婦(ふうふ)()んづ()まれつ、306(たがひ)(かみ)をつかみ()ひ、307キヤアキヤア(いぬ)()()ひのやうに()()した。308春公(はるこう)(なか)()つて()り、
309『マアマア()つて(くだ)さい、310五六七成就(みろくじやうじゆ)大神様(おほかみさま)311(あさひ)豊栄昇(とよさかのぼ)(ひめ)大神様(おほかみさま)312神様(かみさま)生宮(いきみや)人間(にんげん)なみに喧嘩(けんくわ)するといふ(こと)がありますか、313みつともないぢや(ござ)いませぬか。314これから五六七(みろく)神政(しんせい)成就(じやうじゆ)して(あさひ)豊栄昇(とよさかのぼ)りに(さか)える(まつ)神代(かみよ)()()うとしてゐるのに、315肝腎(かんじん)神柱(かむばしら)がそんな(こと)如何(どう)なりますか。316どうぞ三千世界(さんぜんせかい)(たす)けると(おも)うて、317春公(はるこう)(めん)じてお(しづ)まりを(ねが)ひます』
318(ふく)(なに)319(はる)さま、320(まへ)はヤツパリわたしを(あさひ)豊栄昇(とよさかのぼ)(ひめ)(おも)つてゐるのかい』
321『ヘーヘー、322(たれ)(なん)()つても(わたし)()くまで(しん)じます。323そして(たけ)さまは何処迄(どこまで)五六七成就(みろくじやうじゆ)大神様(おほかみさま)です、324こんな(こと)(ちが)うてなりますものか。325(わたし)はお(とら)()アさまにタク、326テク、327(きく)さまの()(こと)()()はないのです。328ドタマをカチ()つてやろと、329(うで)()(にく)(をど)つて仕方(しかた)がなかつたのに、330神様(かみさま)(まへ)だと(おも)つて(なみだ)()辛抱(しんばう)してゐたのだ。331(たれ)(なん)()つても、332五六七成就(みろくじやうじゆ)大神様(おほかみさま)333(あさひ)豊栄昇(とよさかのぼ)(ひめ)大神様(おほかみさま)間違(まちがひ)はありませぬ』
334 春公(はるこう)(ことば)二人(ふたり)はケロリと喧嘩(けんくわ)(わす)れ、335ニコニコしながら、
336(ふく)『ソラさうでせうねえ、337そんな(こと)があつてたまりますものか。338コレ(たけ)さま、339春公(はるこう)さまが証明(しようめい)してくれるのだから安心(あんしん)しなさい。340これから二人(ふたり)小北山(こぎたやま)背負(せお)つて()たねばなりませぬで、341三千世界(さんぜんせかい)(ため)ですからね』
342竹公(たけこう)『ウーン、343さうだな、344大変(たいへん)だな、345これから』
346 お(ふく)腹立紛(はらだちまぎ)れに()きむしつて(かは)(なが)した(まつ)(こと)(おも)()し、347(たちま)大地(だいち)平伏(ひれふ)し、348拍手(かしはで)をうつて涙声(なみだごゑ)
349(さか)えの神政松(しんせいまつ)350ミロク神代(かみよ)御神木様(ごしんぼくさま)351十六本(じふろくぽん)柱神様(はしらがみさま)352(まこと)にすまない(こと)(いた)しました。353どうぞ(ゆる)して(くだ)さいませ、354(その)(かは)りにすぐ十六本(じふろくぽん)(まつ)()ゑてお(かへ)(まを)します、355あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
356春公(はるこう)(たけ)さまの(むね)村雲(むらくも)()るさまは
357(まつ)根元(ねもと)でキン(げん)をふく』
358竹公(たけこう)『アハヽヽヽお目出度(めでた)う』
359(ふく)神様(かみさま)360(まこと)にすみませぬ、361有難(ありがた)(ござ)います、362それなら(これ)から、363一度(いちど)大広間(おほひろま)へやらして(いただ)きませう』
364大正一一・一二・一五 旧一〇・二七 松村真澄録)